JPH0932869A - 電磁クラッチにおけるロータおよびアマチュアの製造方法 - Google Patents

電磁クラッチにおけるロータおよびアマチュアの製造方法

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JPH0932869A
JPH0932869A JP7184184A JP18418495A JPH0932869A JP H0932869 A JPH0932869 A JP H0932869A JP 7184184 A JP7184184 A JP 7184184A JP 18418495 A JP18418495 A JP 18418495A JP H0932869 A JPH0932869 A JP H0932869A
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rotor
peripheral side
armature
electromagnetic clutch
outer peripheral
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JP7184184A
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Keiji Kawahara
敬二 河原
Koji Harada
幸治 原田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電磁クラッチにおけるロータおよびアマチュア
の製造方法において、ロータとアマチュアの摩擦面の面
積の減少を最小限にとどめ、摩擦面の機械加工時にバリ
の発生を抑制してバリ取り作業を不要とし、生産性を高
め、品質を安定させることを可能にする。 【構成】ロータ1に、打ち抜き加工により、摩擦面5に
磁気を遮断するための円弧状スリット2を円周方向数ケ
所に分割して設け、次に、パンチ成形部13を設けた面
取り成形パンチ14により、円弧状スリット2の摩擦面
5との境界角部に面取り成形面2aを設ける。その後、
摩擦面5を機械加工により仕上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励磁コイルの付勢およ
び消勢により互いに圧接および離脱されるロータとアマ
チュアを備え、カーエアコンなどに好適な電磁クラッチ
の製造方法に係り、特にその生産性の向上と品質の安定
を図ることが可能な電磁クラッチにおけるロータおよび
アマチュアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーエアコンなどに動力を伝達するため
に使用されている電磁クラッチは、ロータとアマチュア
を備え、励磁コイルの付勢および消勢により上記ロータ
とアマチュアが互いに圧接および離脱される構造となっ
ている。ロータやアマチュアは冷間鍛造によりその形状
が成形され、通過する磁気を遮断するための円弧状スリ
ットが打ち抜き加工により形成され、両者の摩擦面が切
削加工などの機械加工が施された後、各円弧状スリット
間のリブに発生したバリを手作業で取り去るという工程
により製造されている。このようなロータやアマチュア
の製造方法では、バリ取りが手作業であるため、品質の
安定した確保が難しく、また生産性が低い。
【0003】そこで、近年では、上記のような不都合を
解消するため、特開昭63−243534号公報に記載
のように、ロータおよびアマチュアの摩擦面に形成され
た円弧状スリット間のリブを凹形の溝状に押圧成形して
おき、摩擦面の切削加工時にバリが発生しない方法が提
案されている。この従来技術では、切削加工用の切刃が
リブに当たることがなく、従って断続切削が起こらず、
バリの発生が抑制され、バリ取り作業が不要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電磁クラッチにおいて
は、ロータの摩擦面とアマチュアの摩擦面とが圧接およ
び離脱されることによりクラッチの役割を果たしてい
る。特開昭63−243534号公報に記載の従来技術
で製造されたロータとアマチュアは、円弧状スリット間
のリブを凹形の溝状成形ししているため、その部分が摩
擦面より低くなりリブの分だけ摩擦面の面積が小さくな
り、摩擦力の低下を招くことになる。従って、これによ
り、電磁クラッチの性能が低下してしまう。
【0005】また、上記従来技術では、摩擦面の切削加
工の際に旋盤加工のような加工物を中心にした回転加工
を利用する場合にはバリ発生の抑制に十分効果がある
が、研削加工などの直線的な加工やフライス加工のよう
な工具の軸を中心にした回転加工ではバリが発生するこ
とは避けられない。
【0006】本発明の目的は、ロータとアマチュアの摩
擦面の面積の減少を最小限にとどめ、摩擦面の機械加工
時にバリの発生を抑制してバリ取り作業を不要とし、生
産性を高め、品質を安定させることが可能な電磁クラッ
チにおけるロータおよびアマチュアの製造方法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、軸方向に空隙を介し対面して取り
付けられ、励磁コイルの付勢および消勢により互いに圧
接および離脱されるロータとアマチュアとを備えた電磁
クラッチにおける上記ロータおよびアマチュアの製造方
法において、ロータおよびアマチュアの各々の摩擦面を
円周方向に分割する複数の円弧状スリットを打ち抜く工
程と、その後に前記円弧状スリットの摩擦面との境界角
部を加圧手段により面取り成形する工程と、その後に前
記摩擦面を機械加工により仕上げる工程とを有すること
を特徴とする電磁クラッチにおけるロータおよびアマチ
ュアの製造方法が提供される。
【0008】上記において、好ましくは、上記面取り成
形する工程は、1つの円弧状スリット全周の摩擦面との
境界角部を1回で面取り成形する工程である。
【0009】また、好ましくは、上記面取り成形する工
程は、全ての円弧状スリット全周の摩擦面との境界角部
を1回で同時に面取り成形する工程である。
【0010】また、ロータに面取り成形を施す際におい
て、好ましくは、摩擦面外周側に隣接する外周側壁部分
を外側から拘束し、その外周側壁部分の変形を防止す
る。
【0011】上記の場合、さらに好ましくは、摩擦面外
周側に隣接する外周側壁部分を励磁コイルが挿入される
側から拘束し、その外周側壁部分の変形を防止する。
【0012】また、ロータに面取り成形を施す際におい
て、好ましくは、摩擦面内周側に隣接する内周側壁部分
をベアリング圧入側から拘束し、その内周側壁部分の変
形を防止する。
【0013】さらに、好ましくは、ロータに面取り成形
を施す際に、摩擦面外周側に隣接する外周側壁部分をそ
の摩擦面の反対側から拘束し、その外周側壁部分の変形
を防止する。
【0014】
【作用】上記のように構成した本発明においては、ロー
タおよびアマチュアの各々の摩擦面に、その摩擦面を円
周方向に分割する複数の円弧状スリットを打ち抜き加工
した後、円弧状スリットの摩擦面との境界角部を加圧手
段により面取り成形することにより、それに続く摩擦面
を仕上げる際に機械加工用の切刃による断続加工が軽減
され、バリの発生が抑えられる。従って、バリ取り作業
も不要となる。しかも、上記の面取り部分は仕上げの機
械加工により小さくなるため、ロータやアマチュアの摩
擦面の面積の減少を最小限に抑えられる。その結果、摩
擦力の低下を招くことがなく、十分な電磁クラッチの性
能を確保することができる。
【0015】また、面取り成形する際に、1つの円弧状
スリット全周の摩擦面との境界角部を1回で面取り成形
することにより、能率よく面取り成形が実施できる。さ
らに、全ての円弧状スリット全周の摩擦面との境界角部
を1回で同時に面取り成形することにより、一層面取り
成形の能率が向上する。
【0016】ところで、ロータの摩擦面には円弧状スリ
ットが同一円周上に設けられるため円弧状スリットがあ
る部分は強度が弱く、一方リブは強度が強いため、面取
り成形時にリブから離れた部分の材料が外周方向に逃
げ、ロータの形状が四角形に近くなってしまう。しか
し、電磁クラッチでは、磁気を均一に発生させるため、
ロータの摩擦面外周側に隣接する外周側壁部分と励磁コ
イルとのクリアランスは均一であること、即ちロータの
形状が正確な円形であることが必要条件である。本発明
では、ロータに面取り成形を施す際に、摩擦面外周側に
隣接する外周側壁部分を外側から拘束し、その外周側壁
部分の変形を防止するため、リブの部分の材料が外周方
向に逃げることがなく、ロータの外周側壁部分と励磁コ
イルとのクリアランスを均一にすることができ、磁気の
均一化に寄与できる。さらに、この外周側壁部分の変形
を防止することは、円弧状スリットに対して均一な面取
り成形面を得ることも可能にしている。
【0017】上記の場合に、さらに摩擦面外周側に隣接
する外周側壁部分を励磁コイルが挿入される側からも拘
束することにより、その外周側壁部分の変形防止が一層
確実となる。
【0018】また、ロータに面取り成形を施す際に、摩
擦面内周側に隣接する内周側壁部分をベアリング圧入側
から拘束し、その内周側壁部分の変形を防止することに
より、安定した寸法精度が得られ、ベアリング圧入後の
寸法精度も確保される。
【0019】また、ロータに面取り成形を施す際に、特
に最外周の円弧状スリットが摩擦面外周に近い位置にあ
る場合には、摩擦面反対側より受ける面がなくなり、面
取り成形時に外周側壁部分が加圧手段によって押し下げ
られ、円弧状スリットを境に外周側摩擦面が変形し平面
度が悪くなる心配がある。このような変形が起こると、
円弧状スリットの外周側の面取り成形量が小さくなって
しまい必要な面取り成形量が得られない。また、平面度
を確保するためには、面取りより多く機械加工代(切削
代)を取る必要があり、面取り効果がなくなる。本発明
では、摩擦面外周側に隣接する外周側壁部分を摩擦面の
反対側から拘束することにより、面取り成形時に外周側
壁部分が加圧手段によって押され変形することが防止さ
れる。そのため、円弧状スリットの外周側にも必要な面
取り成形量が得られ、平面度を悪化させることがない。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図1から図7を参照しな
がら説明する。
【0021】図1は、本実施例によって製造される電磁
クラッチのロータを示す図である。ロータ1において
は、摩擦面5に磁気を遮断するための円弧状スリット2
が、円周方向数ケ所に分割して設けらており、円弧状ス
リット2の摩擦面5との境界角部には面取り成形面2a
が設けられている。また、円周方向の円弧状スリット2
相互間はリブ2bとなっており、摩擦面5の外周側に隣
接する外周側壁部分1aにはベルト駆動用のプーリ3が
形成されている。さらに、摩擦面5の内周側に隣接する
内周側壁部分の壁面はベアリング10(図2参照)が圧
入されるベアリング固定部4となっている。
【0022】図2は、図1のロータを備えた電磁クラッ
チの利用例であるカーエアコン用のコンプレッサを示す
図である。ここでは、おもに電磁クラッチの部分につい
て説明する。この電磁クラッチは、ロータ1、励磁コイ
ル6、アマチュア7、ベアリング10を備え、アマチュ
ア7は板バネ8により軸方向に移動可能に支承され、ま
たロータ1はベアリング10により回転可能に支承さ
れ、アマチュア7とロータ1との間には空隙9が設けら
れている。また、アマチュア7には板バネ8、ボス11
を介してシャフト12が取り付けられている。
【0023】このような電磁クラッチの基本的な動作に
ついて説明する。ロータ1のプーリ3にはベルト(図示
せず)から回転力が伝達され、それによってロータ1は
常時回転している。励磁コイル6が消勢されている時は
磁束が存在しないため、アマチュア7は板バネ8の弾性
力によりロータ1とは空隙9を隔てて対抗しており、ロ
ータ1からアマチュア7への動力伝達はない。
【0024】次に、励磁コイル6を付勢すると、磁束が
発生し、アマチュア7は板バネ8の弾性力に抗してロー
タ1に吸着される。これにより、ベルトからロータ1の
プーリ3に伝達された回転力は、ロータ1から、アマチ
ュア7、板バネ8、ボス11を介してシャフト12に伝
達され、コンプレッサが稼働される。そして、再び励磁
コイル6を消勢すると、磁束は消滅し、アマチュア7は
板バネ8の弾性力によりロータ1から離れ、元の位置に
戻る。これで、再びロータ1からアマチュア7への動力
伝達がなくなる。
【0025】図3は、図1のようなロータの面取り成形
を行うための面取り成形パンチを示す図である。面取り
成形パンチ14に設けられたパンチ成形部13は、円弧
状スリット2の形状および数と同一にしてあり、このた
め、1回の面取り成形により円弧状スリット2全周の摩
擦面5との境界角部に面取り成形面2aを形成すること
ができ、しかも全ての円弧状スリット2に面取り成形面
2aを同時に形成することができ、能率よく面取り成形
を実施することができる。
【0026】図4は、図3のようなパンチを用いて面取
り成形を行なう時の詳細図である。打ち抜き加工により
できた円弧状スリット2に、面取り成形パンチ14が加
圧装置により押し込まれる時、パンチ先端部13bが円
弧状スリット2に沿ってガイドとなり、次にパンチ成形
面13aで面取り成形面2aの成形が行われる。上記面
取り成形面2aの鉛直面に対する角度θは45°以上が
望ましく(本実施例では55°で行っている)、45°
未満になると面取り成形面2aの角度が小さいために摩
擦面5の機械加工時において円弧状スリット2縁部でお
こる断続切削が強まり、バリの発生を抑制する効果が小
さくなる。
【0027】面取り成形パンチ14のパンチ成形部13
の形状は、摩擦面5の機械加工の方法によって異なり、
旋削加工等の場合は円周方向の加工となるため円弧状ス
リット2のリブ2bの付近(即ち円弧状スリット2の端
部)の面取り量が大きくなるようにパンチ形状を設定
し、研削等の場合は摩擦面5全体がほぼ均一に加工され
るため円弧状スリット2の面取り量が均一になるようパ
ンチ形状を設定するのが望ましい。
【0028】図5は、図4のような面取り成形を行なう
ための金型および加圧装置(プレス機)の一例を示す図
である。ロータ1はダイ17に挿入され、外周拘束リン
グ15と内周拘束リング16でロータ1の内外径が拘束
され、パンチ押え18に固定された面取り成形パンチ1
4により面取り成形が行なわれる。
【0029】上記のような面取り成形時において、ロー
タ1の摩擦面5には円弧状スリット2が同一円周上に設
けられ、リブ2bのみで外周側の外周側壁部分1aとプ
ーリ3、内周側のベアリング固定部4を支える構造とな
っているが、円弧状スリット2がある部分は強度が弱
く、一方リブ2bは強度が強いため、リブ2bから離れ
た部分の材料が外周方向に逃げる。一方、リブ2bの付
近は、外周方向に変形し、成形後はリブ2bから離れた
部分は内周方向に戻ってしまい、リブ2bの付近は変形
したままであるため、ロータ1の形状が四角形に近くな
ってしまうことが懸念される。
【0030】しかし、本実施例では、摩擦面5外周側に
隣接する外周側壁部分1aを外周拘束リング15で外側
から拘束し、さらに外周側壁部分1aの内面19も励磁
コイル6が挿入される側からダイ17で拘束するので、
外周側壁部分1aの変形が確実に防止される。これによ
り、円弧状スリット2に対し必要な面取り成形面2aを
確保して均一な面取り成形が行えるのみならず、外周側
壁部分1aの変形を防止して励磁コイル6とのクリアラ
ンスを均一に保持でき、磁気を均一に発生させることが
できる。
【0031】さらに、外周側壁部分1aの変形を防止す
ることは、円弧状スリット2に対して均一な面取り成形
面2aを得ることも可能にしている。
【0032】また、内周拘束リング16で摩擦面5内周
側に隣接する内周側壁部分をベアリング圧入側から拘束
することにより、そのベアリング固定部4の変形が防止
され、安定した寸法精度が得られ、ベアリング10の圧
入後の精度が確保される。
【0033】なお、ロータ1の内外径の変形が少なくあ
まり問題にならないような場合は、特に上記のような拘
束は必要としない。
【0034】図6は、図5の金型のVI部分の拡大図であ
る。最外周の円弧状スリット2が外周側壁部分1aに近
い位置にある場合、外周側壁部分1aの内面(摩擦面5
bの裏側)における円弧状スリット2よりも外周側の摩
擦面において、ダイ17で受けるべき部分が狭くなり、
ダイ17で摩擦面5bの裏側を十分支えることができな
い。そのため、外周側壁部分1aがパンチ成形部13に
よって押され、円弧状スリット2付近を境に摩擦面5が
押し下げられ、下方に変形する心配がある。このような
変形が起こると、円弧状スリット2の外周側の面取り成
形量が小さくなってしまい必要な面取り成形量が得られ
ない。また、実質摩擦面5の平面度が悪くなり、平面度
確保のため後工程での機械加工において面取りよりも多
くの機械加工代(切削代)が必要となり、面取り効果が
なくなる。
【0035】本実施例では、摩擦面5外周側に隣接する
外周側壁部分1aを、バックプレート20により摩擦面
5の反対側から拘束する。但し、バックプレート20は
油圧シリンダ機構等により上下方向にスライドすること
ができる。これにより、面取り成形時に外周側壁部分1
aが押され下方に変形することが防止される。そのた
め、円弧状スリット2の外周側にも必要な面取り成形量
が得られ、摩擦面5の平面度が確保される。
【0036】図7は、本実施例によって製造される電磁
クラッチのアマチュアを示す図である。アマチュア7に
おいても、摩擦面5Aに磁気を遮断するための円弧状ス
リット2Aが、円周方向数ケ所に分割して設けらてお
り、円弧状スリット2Zの摩擦面5Aとの境界角部には
面取り成形面2Aが設けられている。また、円周方向の
円弧状スリット2Z相互間はリブ2Bとなっている。図
7のようなアマチュア7についても、図1から図6で説
明したロータ1と同様の方法により円弧状スリット2Z
が設けられるため、詳細な説明は省略する。
【0037】以上のような本実施例によれば、生産性の
良いプレス加工を用いて円弧状スリット2の摩擦面5と
の境界角部を面取り成形し、鉛直面に対して45°以上
の面取り成形面2aを設けるので、それに続く摩擦面5
を仕上げる際に機械加工用の切刃による断続加工が軽減
され、バリの発生が抑えられる。従って、バリ取り作業
が不要となり、生産性が飛躍的に向上し、品質が安定す
る。しかも、面取り成形面2aは仕上げの機械加工によ
り小さくなるため、摩擦面5の面積がほとんど減少せ
ず、そのため、摩擦力の低下を招くことがなく、十分な
電磁クラッチの性能を確保することができる。
【0038】また、ロータ1に面取り成形を施す際に、
摩擦面5の外周側に隣接する外周側壁部分1aを外周拘
束リング15で外側から拘束し、さらに励磁コイル6が
挿入される側からもダイ17で拘束するので、外周側壁
部分1aの変形が確実に防止され、励磁コイル6とのク
リアランスを均一に保持でき、磁気を均一に発生させる
ことができる。
【0039】また、ロータ1に面取り成形を施す際に、
内周拘束リング16で摩擦面5内周側壁部分をベアリン
グ圧入側から拘束するので、その変形が防止され、ベア
リング10の圧入後の寸法精度が確保される。
【0040】また、ロータ1に面取り成形を施す際に、
摩擦面5外周側に隣接する外周側壁部分1aを、バック
プレート20により摩擦面5の反対側から拘束するの
で、外周側壁部分1aが押され下方に変形することが防
止される。従って、円弧状スリット2の外周側にも必要
な面取り成形量が得られ、摩擦面5の平面度も確保され
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、円弧状スリットの摩擦
面との境界角部を面取り成形するので、摩擦面を仕上げ
る際にバリの発生が抑えられ、バリ取り作業が不要とな
る。しかも、面取り部分は仕上げの機械加工により小さ
くなるため、摩擦面の面積をほとんど減少させることが
ない。従って、生産性を高め、品質を安定させることが
できると共に、摩擦力の低下を招くことがなく、十分な
電磁クラッチの性能を確保することができる。
【0042】また、ロータに面取り成形を施す際に、摩
擦面外周側に隣接する外周側壁部分を外側や励磁コイル
が挿入される側から拘束したり、摩擦面内周側に隣接す
る内周側壁部分をベアリング圧入側から拘束するので、
変形が防止され、安定した寸法精度が確保でき、円弧状
スリットに対して均一な面取り成形面を得ることができ
る。さらに、磁気の均一化にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって製造される電磁クラ
ッチのロータを示す図である。
【図2】図1のロータを備えた電磁クラッチの利用例で
あるカーエアコン用のコンプレッサを示す図である。
【図3】図1のようなロータの面取り成形を行うための
面取り成形パンチを示す図である。
【図4】図3のようなパンチを用いて面取り成形を行な
う時の詳細図である。
【図5】図4のような面取り成形を行なうための金型お
よび加圧装置(プレス機)の一例を示す図である。
【図6】図5の金型のVI部分の拡大図である。
【図7】図1のロータに対応する電磁クラッチのアマチ
ュアを示す図である。
【符号の説明】
1 ロータ 2,2Z 円弧状スリット 2a,2A 面取り成形面 2b,2B リブ 4 ベアリング固定部 5,5A 摩擦面 6 励磁コイル 7 アマチュア 10 ベアリング 13 パンチ成形部 13a パンチ成形面 13b パンチ先端部 14 面取り成形パンチ 15 外周拘束リング 16 内周拘束リング 17 ダイ 19 (外周側壁部分1aの)内面 20 バックプレート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に空隙を介し対面して取り付けら
    れ、励磁コイルの付勢および消勢により互いに圧接およ
    び離脱されるロータとアマチュアとを備えた電磁クラッ
    チにおける前記ロータおよび前記アマチュアの製造方法
    において、 前記ロータおよびアマチュアの各々の摩擦面を円周方向
    に分割する複数の円弧状スリットを打ち抜く工程と、そ
    の後に前記円弧状スリットの前記摩擦面との境界角部を
    加圧手段により面取り成形する工程と、その後に前記摩
    擦面を機械加工により仕上げる工程とを有することを特
    徴とする電磁クラッチにおけるロータおよびアマチュア
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記面取り
    成形する工程は、1つの前記円弧状スリット全周の前記
    摩擦面との境界角部を1回で面取り成形する工程である
    ことを特徴とする電磁クラッチにおけるロータおよびア
    マチュアの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記面取り
    成形する工程は、全ての前記円弧状スリット全周の前記
    摩擦面との境界角部を1回で同時に面取り成形する工程
    であることを特徴とする電磁クラッチにおけるロータお
    よびアマチュアの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記ロータ
    に前記面取り成形を施す際に、前記摩擦面外周側に隣接
    する外周側壁部分を外側から拘束し、その外周側壁部分
    の変形を防止することを特徴とする電磁クラッチにおけ
    るロータおよびアマチュアの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記ロータ
    に前記面取り成形を施す際に、さらに前記摩擦面外周側
    に隣接する外周側壁部分を前記励磁コイルが挿入される
    側から拘束し、その外周側壁部分の変形を防止すること
    を特徴とする電磁クラッチにおけるロータおよびアマチ
    ュアの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記ロータ
    に前記面取り成形を施す際に、前記摩擦面内周側に隣接
    する内周側壁部分をベアリング圧入側から拘束し、その
    内周側壁部分の変形を防止することを特徴とする電磁ク
    ラッチにおけるロータおよびアマチュアの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電磁クラッチにおけるロ
    ータおよびアマチュアの製造方法において、前記ロータ
    に前記面取り成形を施す際に、前記摩擦面外周側に隣接
    する外周側壁部分を前記摩擦面の反対側から拘束し、そ
    の外周側壁部分の変形を防止することを特徴とする電磁
    クラッチにおけるロータおよびアマチュアの製造方法。
JP7184184A 1995-07-20 1995-07-20 電磁クラッチにおけるロータおよびアマチュアの製造方法 Pending JPH0932869A (ja)

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