JPH09328549A - ポリイミド組成物 - Google Patents

ポリイミド組成物

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JPH09328549A
JPH09328549A JP15083996A JP15083996A JPH09328549A JP H09328549 A JPH09328549 A JP H09328549A JP 15083996 A JP15083996 A JP 15083996A JP 15083996 A JP15083996 A JP 15083996A JP H09328549 A JPH09328549 A JP H09328549A
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JP
Japan
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polyimide
solvent
composition according
polyimide composition
formula
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JP15083996A
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English (en)
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Hidetoshi Nanai
秀寿 七井
Toshimichi Maruta
順道 丸田
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質であって、チクソトロピ−性を有し、且
つレリ−フパタ−ンの形成に優れたスクリ−ン印刷用ポ
リイミドペ−ストを提供し、また同時に、簡便な製造法
を提供することにある。 【解決手段】 ポリイミドの粉末と溶媒からなるポリイ
ミド組成物であって、ポリイミドが、該溶媒に対する溶
解性の異なる2種以上の構造を有するポリイミドである
か、または、該溶媒に不溶な第1の構造単位と該溶媒に
可溶な第2の構造単位からなることを特徴とするポリイ
ミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクリ−ン印刷に適
したチクソトロピ−性を有するポリイミド組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドに代表される耐熱性組成物に
よる素子表面の被覆は、半導体素子、多層配線基板など
の半導体装置の信頼性確保のための重要な技術となって
いる。また、ポリイミド膜にレリ−フパタ−ンを形成す
る方法としては、ポリイミド前駆体溶液をスピンコ−テ
ィングした後に 湿式あるいは乾式加工法によりパタ−
ニングを行なう方法、あるいはスクリ−ン印刷によりコ
−ティングと同時にパタ−ンを形成する方法等が知られ
るが、工程の短縮化の点から後者のスクリ−ン印刷法が
望まれている。
【0003】使用するコ−ティング材はスピンコ−ティ
ングにおいてはニュ−トン流体であることが好ましく、
スクリ−ン印刷には版パタ−ンの開口部への充填性と形
成されたレリ−フパタ−ンの形状保持性を両立させるた
めにビンガム流体でチクソトロピ−性であることが望ま
しい。
【0004】その様なスクリ−ン印刷に必要とされる特
性は、一般的なニュ−トン流体に充填剤粉末を混合分散
した系により得られることが知られている。従来のスク
リ−ン印刷用ポリイミドペ−ストの充填剤粉末としては
シリカ粉に代表される無機微粉末、ポリイミド粉に代表
される有機微粉末などが知られている。従来、充填剤と
して溶剤に溶解しない微粉末が用いられていたため、良
好な硬化膜を得るには、溶剤へさらにポリアミド酸ある
いは可溶性ポリイミド等の可溶性ポリマ−の添加が必須
である。
【0005】ところが使用されるポリアミド酸溶液ある
いはポリイミドワニスは、パタ−ンの形状保持性を高め
るために高濃度とするが、その結果必然的に高粘度であ
るその溶液に、充填剤粉末を均質に混練分散するのは困
難であり、特公平2−1192号公報には、テトラカル
ボン酸成分とジアミン成分の混合溶液を150℃以上の
加熱下で重合させて、充填剤粉末として機能するポリイ
ミド微粉末を含む懸濁溶液を調製し、引続きこの懸濁溶
液中にテトラカルボン酸とジアミンを添加、反応させる
ことによりポリイミド微粉末が良好に分散したポリイミ
ド前駆体ペ−ストを得る方法が開示されている。
【0006】また、充填剤粉末が分散したポリイミド組
成物から形成されたレリ−フパタ−ンは、充填しないポ
リイミドに比べ機械的強度に劣るため、特開平4−85
379号、特開平4−153261号、特開平4−24
8871号の各公報には、化学的あるいは物理的に調製
単離したポリイミド粉末をポリアミド酸ワニスにロ−ル
混練することにより、室温では充填剤粉末が分散して印
刷特性が確保され、焼成下において充填剤粉末はワニス
樹脂と均質な組成物を形成して機械的強度が改善される
ポリイミド組成物が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開平4−8
5379号、特開平4−248871号の各公報に記載
されている組成物は、充填微粉末が分散してチクソトロ
ピ−性があり、スクリ−ン印刷用として適するが、その
製造においては高粘度の液体、充填剤粉末を撹拌・混合
・混練その他の機械的処理により分散しなければなら
ず、生産性の維持、品質の安定化などに大きな問題を包
含している。
【0008】また、前述したいずれの組成物も結合剤と
して機能する耐熱性樹脂および溶剤を含む溶液とチクソ
トロピ−性付与剤として主に機能する微粉末から構成さ
れており、印刷時にニュ−トン流体である結合剤が滲み
だし、例えばガラス基板、シリコン基板といった表面が
平滑な基板への微細なレリ−フパタ−ンの形成が困難で
あった。また充填剤粉末自体微細であっても、その2次
凝集により版目詰りを生じやすく、印刷精度を左右する
版の高メッシュ化には限界があるといった問題が生じて
いた。
【0009】本発明の目的は、均質であって、チクソト
ロピ−性を有し、且つレリ−フパタ−ンの形成に優れた
スクリ−ン印刷用ポリイミドペ−ストを提供し、また同
時にその簡便な製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するためペーストを構成する充填剤と溶媒の組
み合わせについて鋭意検討したところ、含酸素溶媒に対
して難溶性を示すポリイミドの構造に該溶媒に可溶性を
示す構造を導入したポリイミドの粉末を充填剤として用
いることで、一般的に印刷用ペーストにおいては必要と
される結合剤を用いることなく、単に充填剤を溶媒に均
一に混合して調製したペーストが半透明または不透明で
かつ均質なビンガム液体となることを見いだし、加え
て、特に高い固形分濃度に調製したペ−ストが、顕著な
チクソトロピ−性を示し、スクリ−ン印刷に適する特性
を有することを見いだし、本発明に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、ポリイミドの粉末と
溶媒から調製されてなるポリイミド組成物であって、ポ
リイミドが、該溶媒に対する溶解性の異なる2種以上の
構造を有するポリイミドであることを特徴とするポリイ
ミド組成物、または、ポリイミドの粉末と溶媒から調製
されてなるポリイミド組成物であって、ポリイミドが、
該溶媒に不溶な第1の構造単位と該溶媒に可溶な第2の
構造単位からなることを特徴とするポリイミド組成物で
ある。
【0012】本発明のポリイミド組成物は、溶媒に対し
て不溶なポリイミドの主鎖中に可溶なポリイミド構造を
導入した結果、結合剤としての機能とチクソトロピ−性
付与剤としての機能を併せ持つこととなったポリイミド
からなる充填剤粉末と溶剤、好ましくは含酸素系溶剤と
から構成されている。
【0013】本発明に使用する溶媒は含酸素溶媒が好ま
しく、特に180℃以上300℃以下の沸点範囲の含酸
素溶媒であることが好ましい。ポリイミドあるいはその
前駆体の溶媒として通常採用される溶解力の大きいN−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒を主体
とした溶媒ではポリイミドは完全に溶解するか、または
ペーストが調製できる場合でもスクリ−ン印刷に必要な
チクソトロピ−性の発現は認められない。
【0014】好ましい含酸素溶媒としては、ラクトン
類、例えば、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンなど、カ
−ボネ−ト類、例えば、エチレンカ−ボネ−ト、プロピ
レンカ−ボネ−トなど、エステル系溶剤、例えば、酢酸
ブチル、エチルセロソルブアセテ−ト、ブチルセロソル
ブアセテ−トなど、エーテル系溶剤、例えば、ジブチル
エ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルな
ど、ケトン類、例えば、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、アセトフェノンなど、アルコール類、例
えば、ブタノ−ル、オクタノ−ル、エチルセロソルブな
どが挙げられる。さらに、含酸素溶媒ではない鎖状ない
し環状のアミド系、尿素系、スルホキシド系、炭化水素
系、ハロゲン系溶媒を本発明のポリイミド組成物の安定
性に影響を及ぼさない範囲で添加することができる。
【0015】本発明にかかるポリイミドは、溶解性の異
なる2種以上の構造を有するポリイミドであり、具体的
にはポリイミド組成物を構成する溶媒に不溶な第1の構
造単位と該溶媒に可溶な第2の構造単位と任意に他の構
造単位からなるポリイミドである。ここで、溶解性に関
する「不溶」または「可溶」なる術語は、特にポリマー
において必ずしも明確ではないが、本発明においては相
対的な意味でよく、「不溶」は、ポリイミドを溶媒と混
合した場合になお粒子性に基づく性質を示すことをい
い、「可溶」は、溶液が透明となる程度に溶媒と均一に
混合できればよいものとする。
【0016】ポリイミドの溶媒に対する溶解性は、溶媒
の種類、温度に依存することが知られているので、溶媒
に不溶な第1の構造単位または可溶な第2の構造単位を
構成するイミド構造を厳密に限定することはできない
が、次に、本発明において特に好適な含酸素溶媒を使用
した場合に、使用条件として一般的な0〜50℃程度の
温度において好適な、それぞれのポリイミド構造単位を
例示する。
【0017】本発明にかかるポリイミドの第1の構造単
位は、ジアミンとテトラカルボン酸の反応で得られるポ
リイミド前駆体を加熱または化学作用により脱水閉環し
て得られる、上記した溶媒に対し不溶なポリイミドであ
る。
【0018】本発明にかかるポリイミドの溶媒に不溶な
第1の構造単位を構成するジアミン単位を導入するジア
ミン成分としては、特に限定されないが、一般式(1−
1)、一般式(1−2) NH2−A1−NH2 (1−1) OCN−A1−NCO (1−2) (式中、A1は一般式
【0019】
【化1】
【0020】(式中、R1は互いに同一または異なり、
分岐を有することもある炭素数1〜8のアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロアルキル基(ハロゲンは塩素、フッ素
または臭素をいう。以下同じ)、パーハロアルキル基、
置換基を有することもあるフェニル基またはハロゲンを
表し、Xは単結合、−CH2−、−S(=O)−、−C
(=O)−、−O−、−S−、−SO2−(スルホニル
基)、−C(CH32−(イソプロピリデン基)または
−C(=O)−N(−R1)−(式中、R1は、前記と同
じ。)であり、aはそれぞれ独立に0〜4の整数を表
す。)で表される2価の有機基である。)で表される芳
香族ジアミンであり、例えば、o−、m−、p−フェニ
レンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジ
アミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、4、4'
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジ
アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニル
エ−テル、3,4−ジアミノジフェニルエ−テル、2,
4−ジアミノジフェニルエ−テル、1、3−ビス(3−
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−
ジアミノ(N−アルキル)ベンズアニリド、2,2’−
ビス(トリフルオロメチル)ジアミノジフェニルなど、
および4,4’−ビナフチルアミンが例示でき、これら
を2種以上併用することもできる。明確ではないが、こ
れらのジアミンの分子構造は屈曲性に欠け、剛直である
ので溶解性が低いものと考えられる。
【0021】本発明にかかるポリイミドの溶媒に不溶な
第1の構造単位を構成するテトラカルボン酸単位を導入
するテトラカルボン酸成分としては、特に限定されない
が、一般式(2) B1(COOH)4 (2) (式中、B1は一般式
【0022】
【化2】
【0023】(式中、R1、aは一般式(1)と同じ。
Yは、単結合、−CH2−、−S(=O)−、−C(=
O)−、−O−、−S−、−SO2−(スルホニル基)
または−C(CH32−(イソプロピリデン基)を表
す。bはそれぞれ独立に0〜2、cはそれぞれ独立に0
〜3の整数を表す。)で表される4価の有機基であ
る。)で表されるテトラカルボン酸であり、例えば、ピ
ロメリット酸、トリフルオロメチルベンゼンテトラカル
ボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、タ−フェニルテ
トラカルボン酸もしくはベンゾフェノンテトラカルボン
酸、オキシジフタル酸などが例示できる。本発明にかか
る組成物を調製する場合においてはこれらのテトラカル
ボン酸、酸無水物またはエステルなどの反応性誘導体を
使用し、特に酸二無水物が好適に使用される。これらの
テトラカルボン酸、酸無水物またはエステルなどは、単
独であるいは2種以上を同時に使用することができる。
【0024】本発明にかかるポリイミドの溶媒に可溶な
第2の構造単位を構成するジアミン単位を導入するジア
ミン成分としては、特に限定されないが、一般式(1)
で表された芳香族ジアミンおよび/またはそれに関して
例示された芳香族ジアミン、並びに一般式(3) NH2−A2−NH2 (3) (式中、A2は一般式
【0025】
【化3】
【0026】(式中、R1、X、aは一般式(1)と同
じ。Wは−C(CF32−(ヘキサフルオロイソプロピ
リデン基)で表される2価の有機基である。)で表され
る芳香族ジアミンであり、例えば、2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4
−(4−アミノ−2−トリフルオロフェノキシ)フェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3
−アミノ−5−トリフルオロフェノキシ)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどの屈曲性の
高い含フッ素芳香族ジアミン、または、一般式(4)
【0027】
【化4】
【0028】(式中、Zは炭素数1〜8のアルキレン基
またはフェニレン基であり、R2は互いに同一または異
なり、分岐を有することもある炭素数1〜8のアルキル
基、アルコキシ基または置換基を有することもあるフェ
ニル基を表す。dは整数を表す。)で表されるシロキシ
ジアミンであり、例えば、1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ビス(3−アミノブチル)−1,1,2,
2−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)テトラメチルジシロキサンなどのシロ
キシジアミンおよびそれらから誘導されるジアミノシロ
キサンオリゴマ−など、または一般式(5) NH2−(CH2e−NH2 (5) (式中、eは1〜10の整数を表す。)で表される脂肪
族ジアミン、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0029】本発明にかかるポリイミドの溶媒に可溶な
第2の構造単位を構成するテトラカルボン酸単位を導入
するテトラカルボン酸成分としては、特に限定されない
が、一般式(2)で表された芳香族テトラカルボン酸お
よび/またはそれに関して例示された芳香族テトラカル
ボン酸、並びに一般式(6) B2(COOH)4 (6) (式中、B2は一般式
【0030】
【化5】
【0031】(式中、R1、cは一般式(1)と同じ。
Yは−C(CF32−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
ン基)で表される2価の有機基である。)で表されるテ
トラカルボン酸であり、例えば、ヘキサフルオロイソプ
ロピリデンジフタル酸などが例示でき、またこれらの無
水物、エステルなどの反応性誘導体から選ばれた1種ま
たは2種以上である。
【0032】本発明にかかるポリイミドの分子量はHG
PC(ゲルパミュエーション)の光散乱法による測定値
で1000〜100000であり、5000〜5000
0程度が好ましい。分子量1000未満では強靭な膜が
形成されず、100000を超えると平滑な膜ができず
好ましくない。
【0033】本発明のポリイミド組成物は、ポリイミド
を粉末として溶媒に均一に混合して調製するが、ポリイ
ミドの粒径は、100μm以下が好ましく50μm以下
がより好ましい。本発明にかかるポリイミドはそれ自体
可溶部を有するため、混合する粉末の粒径がペーストの
粘弾性に直接影響することはないものの、粒径が100
μmより大きいと溶解したときにゲル状の部分が生じて
組成物の均一性が得られず、スクリーン印刷に適さない
場合がある。
【0034】本発明にかかるポリイミドは第1の構造単
位の構成比が40〜95モル%であり50〜95モル%
が好ましい。第2の構造単位が5モル%未満の場合は、
チクソトロピ−性は付与されるものの、加熱硬化時、ク
ラックが発生するので好ましくない。第2の構造単位が
60モル%を超えると、加熱硬化後、良好な膜は得られ
るものの、ほとんどチクソトロピ−性が発現しない。
【0035】また、本発明のポリイミド組成物には、マ
レイミド化合物、アセチレン化合物、ビニル化合物、ア
リル化合物などから選ばれた架橋性を有する不飽和化合
物を添加して使用することができる。これらのうち、マ
レイミド化合物が特に好ましく、例えば、4,4’−ビ
スマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5
−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4,4’
−ビスマレイミドジフェニルエ−テル、2,2−ビス
(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)フルオ
ロプロパン、2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4
−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパンなどを挙げることができる。
【0036】本発明においてはマレイミド化合物はマレ
イミドプレポリマ−としても使用でき、マレイミドプレ
ポリマ−としては、ビスマレイミド単独、ビスマレイミ
ド−ジアミン系、ビスマレイミド−ビスシアネ−ト系等
のビスマレイミドプレポリマ−が好ましい。マレイミド
化合物の使用量は、ポリイミドの重量の5〜50重量%
の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量%
である。5重量%より少ない時は樹脂基材に対する密着
性の改善に効果が殆ど見られず、50重量%より多い時
はSi、SiNなどの半導体基板材料に対する密着性が
乏しくなり好ましくない。
【0037】次に、本発明のポリイミド組成物の製造法
について説明する。ポリイミドは非水分散重合法や沈殿
重合法で微粒子として得るか、または微粒子として得ら
れない場合は、例えば、樹脂溶液から回収した粉末を機
械粉砕する方法、樹脂溶液に貧溶媒を加えながら高せん
断力により粉砕する方法、樹脂溶液の噴霧油滴を乾燥し
て微粒子を得る方法などをとり、目的の粒径のポリイミ
ド微粒子を調製する。
【0038】本発明にかかるポリイミド組成物の調製
は、容器に仕込んだ溶媒へ所定量のポリイミド微粉末を
添加することで行う。本発明のポリイミド組成物は通常
必要とされる結合材を必要とせず、粘度の低い溶媒へ微
粒子を添加混合するので極めて操作性が良いという特徴
がある。
【0039】この混合は40〜150℃で行い、50〜
100℃の加熱条件下で実施するのが、ペ−ストの均質
性がより向上する場合があるので好ましい。また混合後
の後処理として冷却および室温付近での静置を伴う場合
もある。充填剤粉末と溶剤との組合わせによっては、単
に混合または加熱条件下での混合操作のみでは直ちにチ
クソトロピ−性が発現せず一定時間後発現することがあ
る。
【0040】冷却は通常は特にコントロ−ルする必要は
なく自然放冷でよいが、場合によっては冷却速度を調節
するのが好ましい。室温付近とは特に限定された温度で
ある必要のないことをいい、通常0〜50℃程度の温度
でよい。静置は1時間から数十日にわたって行なうが、
特に撹拌などの操作を加える必要はないので、通常の保
管と異なるところは無い。
【0041】本発明のチクソトロピ−性を有する新規な
ポリイミド組成物は、第1および第2のポリイミド構造
単位の選択およびそれらの割合、溶媒の選択並びにポリ
イミド微粒子の添加量の設定により、例えばスクリーン
印刷において使用する版形状と所望の膜厚に対する適切
な粘弾特性を有するポリイミド組成物を広範囲に調整可
能である。
【0042】本発明のポリイミド組成物は、通常20〜
99重量%のポリイミドを含み、25〜50重量%が好
ましく、25〜40重量%がより好ましい。20重量%
未満または99重量%を超えると次に示す粘弾特性が得
られないので好ましくない。
【0043】この様にして製造される本発明のポリイミ
ド組成物はフィジカ社製RHEOLAB MC20(コ
−ン/プレ−ト法、22℃。以下、特に注を付さない限
り同条件。)を用いた測定で、定常ズリ速度が20se
-1の時および1sec-1の時に示される見掛け粘度の
差が大きく、顕著なチクソトロピ−性を示す。
【0044】チクソトロピ−性を表す値として、チクソ
トロピ−性係数[η1/η20](定常ずり速度が1se
-1における見掛け粘度[η1]を、定常ずり速度が2
0sec-1における見掛け粘度[η20]で除した値とす
る。)があり、この値が1.5以上であることが良好な
スクリ−ン印刷特性のために好ましく、1.5〜100
0がより好ましく、1.5〜250がさらに好ましい。
【0045】本発明のポリイミド組成物の好ましい粘弾
特性の範囲は1sec-1における見掛け粘度[η1]が
およそ150ポイズ以上50000ポイズ以下であり、
20sec-1における見掛け粘度[η20]がおよそ50
ポイズ以上5000ポイズ以下である。[η1]が15
0ポイズまたは[η20]が50ポイズ未満ではパタ−ン
の形状保持性が劣り、[η1]が50000ポイズまた
は[η20]が5000ポイズを超えると400メッシュ
以上の高メッシュ版を用いた場合版目づまりを引き起こ
し好ましくない。
【0046】また、イミド化率の測定方法は種々知られ
ており、核磁気共鳴分光法(NMR法)、フ−リエ変換
赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を
定量する方法、カルボン酸中和滴定法があるが、本発明
のポリイミド組成物のイミド化率の定量には核磁気共鳴
分光法(NMR法)を適用した。
【0047】すなわち、9〜11ppm付近のアミド基
に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属さ
れる1Hとの積分比から算出した。なお、核磁気共鳴分
光機として日本電子(株)社製 JNM-WIN300を
使用した。
【0048】スクリ−ン印刷により形成した本発明のペ
−スト状のポリイミド組成物のレリ−フパタ−ンは、脱
溶媒後の焼成によりフィルム状のポリイミド組成物へ転
化できる。
【0049】脱溶媒の条件としては、コ−ティング膜厚
に依存するがオ−ブンあるいはホットプレ−トにより3
0℃〜180℃の範囲で1〜150分間、空気あるいは
窒素などの不活性雰囲気下で加熱により行なう。
【0050】焼成条件としては、コ−ティング膜厚にも
よるがオ−ブンあるいはホットプレ−トにより、加熱温
度が120℃〜450℃の範囲であり、150℃〜40
0℃が好ましく、180℃〜350℃がさらに好まし
い。
【0051】また焼成に要する時間はコ−ティング膜厚
にもよるが、10分〜5時間であり、20分〜3時間が
好ましく、30分〜2時間がさらに好ましい。本発明の
ポリイミド組成物は、さらに、導電性を付与するために
金属微粒子、カーボン微粒子など、また、着色を目的に
各種の顔料などを配合することもできる。
【0052】
〔実施例1〕
(1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに40.00g
のビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スル
ホン(以下、「BIS-A-S」という。92.49mm
ol)、と15.13gのピロメリット酸二無水物(以
下、「PMDA」という。69.36mmol)とベン
ゾフェノンテトラカルボン酸無水物(以下、「BTD
A」という。23.12mmol)を仕込み、563.
22gのN,N-ジメチルアセトアミド(以下「DMA
c」という。)を室温で加え、24時間室温で撹拌しポ
リイミド前駆体溶液を調製した。次に無水酢酸132g
を室温で添加し、2時間撹拌した後、さらにピリジン6
6gを室温で添加し、15時間撹拌した。この溶液を撹
拌下の2Lの水に投入し、沈殿した微粒子状の固形物を
さらに2Lのメタノ−ルで2回煮沸洗浄した後、200
℃で20時間乾燥して、ポリイミド樹脂を得た(イミド
化率>99%)。
【0053】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミドの主鎖
に可溶なポリイミド構造単位を25mol%導入したポ
リイミド樹脂の充填剤粉末52.19gを得た。
【0054】(2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに116gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末50
gを徐々に加えたところ、均質な褐色透明のポリイミド
組成物溶液を得た。そのまま室温で静置したところ一週
間後には茶褐色のペ−ストに転化し1sec-1 および
20sec-1での見掛け粘度はそれぞれ9300ポイズ
および2200ポイズでチクソトロピ−係数は4であっ
た。
【0055】〔実施例2〕 (1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに40.09g
の2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン(以下、「BIS-A-A」という。77.
32mmol)、と17.99gのオキシジフタル酸無
水物(以下、「ODPA」という。57.98mmo
l)と8.58gのヘキサフルオロイソプロピリデンジ
フタル酸無水物(以下、「6FDA」という。19.3
1mmol)を仕込み、273.3gのDMAcを室温
で加え、24時間室温で撹拌しポリイミド前駆体溶液を
調製した。次に無水酢酸111gを室温で添加し、2時
間撹拌した後、さらにピリジン56gを室温で添加し、
15時間撹拌した。この溶液を撹拌下の2Lの水に投入
し、沈殿した微粒子状の固形物をさらに2Lのメタノー
ルで2回煮沸洗浄した後、200℃で20時間乾燥し
て、ポリイミド樹脂を得た(イミド化率>99%)。
【0056】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミドの主鎖
に可溶なポリイミド構造単位を25mol%導入したポ
リイミド樹脂の充填剤粉末55.11gを得た。
【0057】(2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに116gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末50
gを徐々に加えたところ、均質な褐色透明のポリイミド
組成物溶液を得た。その時の見掛け粘度は100ポイズ
でチクソトロピ−係数は1であったが、そのまま室温で
静置したところ一週間後には茶褐色のペ−ストに転化し
1sec-1 および20sec-1での見掛け粘度はそれ
ぞれ17000ポイズおよび1100ポイズでチクソト
ロピ−係数は15であった。
【0058】〔実施例3〕 (1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに27.76g
(64.18mmol)のBIS-A-Sと6.84gの
1,3−(ビス(3−アミノプロピル)−1,1,2,
2−テトラメチルジシロキサン(27.51mmol)
と20.00g(91.69mmol)のPMDAを仕
込み、491gのDMAcを室温で加え、24時間室温
で撹拌しポリイミド前駆体溶液を調製した。次に無水酢
酸132gを室温で添加し、2時間撹拌した後、さらに
ピリジン67gを室温で添加し、15時間撹拌した。こ
の溶液を撹拌下の2Lの水に投入し、沈殿した微粒子状
の固形物をさらに2Lのメタノ−ルで2回煮沸洗浄した
後、200℃で20時間乾燥して、ポリイミド樹脂を得
た(イミド化率>99%)。
【0059】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミドの主鎖
に可溶なポリイミド構造単位を30mol%導入したポ
リイミド樹脂の充填剤粉末45.12gを得た。
【0060】(2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに93gのγ-
ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。そ
こへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末40g
を徐々に加えたところ、均質な褐色透明のポリイミド組
成物溶液を得た。そのまま室温で静置したところ一週間
後には茶褐色のペ−ストに転化し1sec-1 および2
0sec- 1での見掛け粘度はそれぞれ4000ポイズお
よび800ポイズでチクソトロピ−係数は5であった。
【0061】〔実施例4〕 (1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに185.09
g(427.7mmol)のBIS−A−Sと39.3
5g(46.75mmol)のTSL9386(東芝シ
リコーン製ジアミノシリコーン。一般式化4で表され、
Zはn−プロピレン基、R2はメチル基、dは8であ
る。)と77.65g(356.0mmol)のPMD
Aと38.27g(118.8mmol)のBTDAを
仕込み、1361gのDMAcを室温で加え、24時間
室温で撹拌しポリイミド前駆体溶液を調製した。次に無
水酢酸800gを室温で添加し、2時間撹拌した後、さ
らにピリジン400gを室温で添加し、15時間撹拌し
た。この溶液を撹拌下の3Lの水に投入し、沈殿した微
粒子状の固形物をさらに3Lのメタノールで2回煮沸洗
浄した後、200℃で20時間乾燥して、ポリイミド樹
脂を得た(イミド化率>99%)。
【0062】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミドの主鎖
に可溶なポリイミド構造単位を25mol%導入したポ
リイミド樹脂の充填剤粉末243.2gを得た。
【0063】(2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに210gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末90
gを徐々に加えたところ、均質な褐色半透明のポリイミ
ド組成物溶液を得た。その時の見掛け粘度は200ポイ
ズでチクソトロピ−係数は1であったが、そのまま室温
で静置したところ2週間後には茶褐色のペ−ストに転化
し1sec-1 および20sec- 1での見掛け粘度はそ
れぞれ6400ポイズおよび1500ポイズでチクソト
ロピ−係数は4であった。
【0064】〔実施例5〕 (1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに69.90g
(218.28mmol)の2,2’−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルと33.
33g(152.80mmol)のPMDAと29.0
9g(65.48mmol)の6FDAを仕込み、11
90.9gのDMAcを室温で加え、24時間室温で撹
拌しポリイミド前駆体溶液を調製した。次に無水酢酸3
14gを室温で添加し、2時間撹拌した後、さらにピリ
ジン158gを室温で添加し、15時間撹拌した。この
溶液を撹拌下の2Lの水に投入し、沈殿した微粒子状の
固形物をさらに2Lのメタノ−ルで2回煮沸洗浄した
後、200℃で20時間乾燥して、ポリイミド樹脂を得
た(イミド化率>99%)。
【0065】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミドの主鎖
に可溶なポリイミド構造単位を30mol%導入したポ
リイミド樹脂の充填剤粉末115gを得た。
【0066】(2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに212gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末10
0gを徐々に加えたところ、均質な褐色透明のポリイミ
ド組成物溶液を得た。そのまま室温で静置したところ一
週間後には茶褐色のペ−ストに転化し1sec-1 およ
び20sec-1での見掛け粘度はそれぞれ3000ポイ
ズおよび900ポイズでチクソトロピ−係数は3であっ
た。
【0067】〔比較例1〕 (1)充填剤粉末の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに40.00g
(92.54mmol)のBIS-A-S、と20.19
g(92.54mmol)のPMDAを仕込み、27
3.3gのDMAcを室温で加え、24時間室温で撹拌
しポリイミド前駆体溶液を調製した。次に無水酢酸11
1gを室温で添加し、2時間撹拌した後、さらにピリジ
ン56gを室温で添加し、15時間撹拌した。この溶液
を撹拌下の2Lの水に投入し、沈殿した微粒子状の固形
物をさらに2Lのメタノ−ルで2回煮沸洗浄した後、2
00℃で20時間乾燥して、ポリイミド樹脂を得た(イ
ミド化率>99%)。
【0068】このポリイミド樹脂をボ−ルミルにより微
粒子化し、含酸素溶剤に対して不溶なポリイミド樹脂の
充填剤粉末50.3gを得た。 (2)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに116gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ上記(1)で調製したポリイミド充填剤粉末50
gを徐々に加えた後、室温で静置したところ一週間後に
は茶褐色のペ−ストに転化し1sec- 1 および20s
ec-1での見掛け粘度はそれぞれ33000ポイズおよ
び2000ポイズでチクソトロピ−係数は16であっ
た。
【0069】〔実施例6〕 (1)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに116gのγ
-ブチロラクトンを入れ、撹拌下、80℃に加熱した。
そこへ実施例1で調製したポリイミド充填剤粉末50g
を徐々に加えたところ、均質な褐色透明のポリイミド組
成物溶液を得た。そこへさらに10gの4,4’−ビス
マレイミドジフェニルメタン(27.91mmol)を
撹拌しながら添加した。そのまま室温で静置したところ
一週間後には茶褐色のペ−ストに転化し1sec-1
よび20sec-1での見掛け粘度はそれぞれ11000
ポイズおよび1500ポイズでチクソトロピ−係数は7
であった。
【0070】〔実施例7〕 (1)ポリイミド組成物の調製 温度計、撹拌装置、還流コンデンサ−、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに56gのγ-
ブチロラクトンと37gのプロピレンカーボネートを入
れ、撹拌下、80℃に加熱した。そこへ実施例1で調製
したポリイミド充填剤粉末40gを徐々に加えたとこ
ろ、均質な褐色透明のポリイミド組成物溶液を得た。そ
の時の見掛け粘度は120ポイズでチクソトロピ−係数
は1であったが、そのまま室温で静置したところ一週間
後には茶褐色のペ−ストに転化し1sec-1 および2
0sec-1での見掛け粘度はそれぞれ12000ポイズ
および2300ポイズでチクソトロピ−係数は5であっ
た。
【0071】〔応用例〕 (1)ポリイミド膜の引っ張り強度測定 ガラス基板にドクタ−ブレ−ド法により硬化後膜厚約2
0μmとなるように、実施例および比較例で調製したポ
リイミドペ−ストをコ−ティングし、40℃で1時間保
持し、ついで昇温時間2時間で350℃とし、その後1
時間焼成し約20μmのポリイミド膜コーティングされ
たガラス基板を得た。このポリイミド膜をガラス基板か
ら剥離したところ、各実施例の膜は剥離できたが、比較
例のペーストを使った場合、膜はできずガラス板の上に
粉が付着した状態であった。
【0072】得られた各実施例のポリイミド膜について
テンシロンで引っ張り強度を測定したところ、実施例
1、2、3、4、5、6および7はそれぞれ10kgf
/mm 2、8kgf/mm2、5kgf/mm2、10k
gf/mm2、11kgf/mm 2、10kgf/m
2、10kgf/mm2であり、各種の被覆として十分
な強度があった。
【0073】(2)スクリーン印刷性評価 各実施例で調製したペ−ストをスクリ−ン印刷性評価と
して、90mm×40mmの短冊状パタ−ンを5mm間
隔で5個打ち抜いた100μm厚のステンレス製の版を
用いガラス基板に25枚連続印刷したところ、印刷中ゲ
ル化などによるペ−スト粘度の変化は認められず、いず
れも良好なレリ−フパタ−ンが得られた。
【0074】比較例のペーストについては評価できなか
った。
【0075】
【発明の効果】本発明のポリイミド組成物は、溶媒に不
溶なポリイミド構造と可溶なポリイミド構造とが共有結
合により結合されたポリイミドを充填剤粉末として使用
しているため、均質であり且つチクソトロピ−性を有
し、ガラス基板やシリコン基板といった表面が平滑な基
板に対して滲まず、スクリーン印刷性および印刷パター
ンの形状維持性に優れ、大きな膜強度を有するという特
徴があり、さらに、ポリイミド微粒子を低粘度の溶媒と
混合することで調製できるため生産性に富むという顕著
な効果を奏する。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドの粉末と溶媒から調製されて
    なるポリイミド組成物であって、ポリイミドが、該溶媒
    に対する溶解性の異なる2種以上の構造を有するポリイ
    ミドであることを特徴とするポリイミド組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイミドの粉末と溶媒から調製されて
    なるポリイミド組成物であって、ポリイミドが、該溶媒
    に不溶な第1の構造単位と該溶媒に可溶な第2の構造単
    位からなることを特徴とするポリイミド組成物。
  3. 【請求項3】 チクソトロピー係数が1.5〜250で
    ある請求項1〜2記載のポリイミド組成物。
  4. 【請求項4】 ポリイミドが、HGPCの光散乱法によ
    る分子量の測定値が1000〜100000である請求
    項1〜3記載のポリイミド組成物。
  5. 【請求項5】 ポリイミドが、第1の構造単位40〜9
    5モル%と第2の構造単位5〜60モル%からなる請求
    項1〜4記載のポリイミド組成物。
  6. 【請求項6】 ポリイミドが、置換基を有することもあ
    るフェニレン基を骨格として有するポリイミドである請
    求項1〜5記載のポリイミド組成物。
  7. 【請求項7】 溶媒が、沸点180〜300℃の含酸素
    溶媒である請求項1〜6記載のポリイミド組成物。
  8. 【請求項8】 溶媒が、γ−ブチロラクトンまたはプロ
    ピレンカーボネートである請求項1〜7のポリイミド組
    成物。
  9. 【請求項9】 ポリイミドの粉末を20〜99重量%含
    む請求項1〜8記載のポリイミド組成物。
  10. 【請求項10】 さらに、マレイミド化合物、アセチレ
    ン化合物、ビニル化合物、アリル化合物から選ばれた一
    種以上の架橋性を有する不飽和化合物を含む請求項1〜
    9記載のポリイミド組成物。
  11. 【請求項11】 不飽和化合物が、ポリイミドの5〜5
    0重量%である請求項10記載のポリイミド組成物。
  12. 【請求項12】 不飽和化合物が、マレイミド化合物で
    ある請求項10〜11記載のポリイミド組成物。
  13. 【請求項13】 さらに、金属微粒子、カーボン微粒子
    および/または顔料を配合した請求項1〜12記載のポ
    リイミド組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13記載のポリイミド組成
    物を基体に塗布・焼成して得られたポリイミド膜。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13記載のポリイミド組成
    物からなるスクリーン印刷用インキ。
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WO2006035495A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Hitachi Chemical Co., Ltd. 耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法
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