JPH09328444A - 塩素化炭化水素類の分解抑制剤および分解抑制方法 - Google Patents
塩素化炭化水素類の分解抑制剤および分解抑制方法Info
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- JPH09328444A JPH09328444A JP14588096A JP14588096A JPH09328444A JP H09328444 A JPH09328444 A JP H09328444A JP 14588096 A JP14588096 A JP 14588096A JP 14588096 A JP14588096 A JP 14588096A JP H09328444 A JPH09328444 A JP H09328444A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩素化炭化水素類の製造・精製・貯蔵設
備において、塩素化炭化水素類類の分解を抑制する方法
を提供する。そして塩素化炭化水素類の純度を高め、工
程の安定化、装置の安全運転を容易にする。 【解決手段】 ピペリジン−1−オキシル類を主成分と
する塩素化炭化水素類の分解抑制剤であり、この分解抑
制剤を塩素化炭化水素類の製造・精製・貯蔵設備に添加
することより構成されている。
備において、塩素化炭化水素類類の分解を抑制する方法
を提供する。そして塩素化炭化水素類の純度を高め、工
程の安定化、装置の安全運転を容易にする。 【解決手段】 ピペリジン−1−オキシル類を主成分と
する塩素化炭化水素類の分解抑制剤であり、この分解抑
制剤を塩素化炭化水素類の製造・精製・貯蔵設備に添加
することより構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化炭化水素類
の分解抑制剤および塩素化炭化水素類の製造、精製、貯
蔵工程における分解抑制方法に関する。
の分解抑制剤および塩素化炭化水素類の製造、精製、貯
蔵工程における分解抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化炭化水素類は、各種石油化学製品
の原料として、溶媒として、あるいは洗浄溶剤として産
業界では広く用いられている。この塩素化炭化水素類
は、熱や光に対する安定性が十分でなく、特に水分、酸
成分の不純物質や、さらに微量の塩化第二鉄のようなル
イス酸の存在では分解が著しく促進されることが知られ
ている。塩素化炭化水素類が分解すると、その分解物に
より製品純度を悪くするばかりか、製品生成収率の低
下、さらに分解に伴って生じる塩化水素による機器の損
傷など多くの弊害をもたらす。この分解を抑制するため
に、炭酸ナトリウムやアミン類(例えば特公平6−92
324号公報)等のアルカリ性物質を添加する方法が知
られている。
の原料として、溶媒として、あるいは洗浄溶剤として産
業界では広く用いられている。この塩素化炭化水素類
は、熱や光に対する安定性が十分でなく、特に水分、酸
成分の不純物質や、さらに微量の塩化第二鉄のようなル
イス酸の存在では分解が著しく促進されることが知られ
ている。塩素化炭化水素類が分解すると、その分解物に
より製品純度を悪くするばかりか、製品生成収率の低
下、さらに分解に伴って生じる塩化水素による機器の損
傷など多くの弊害をもたらす。この分解を抑制するため
に、炭酸ナトリウムやアミン類(例えば特公平6−92
324号公報)等のアルカリ性物質を添加する方法が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭酸ナ
トリウムやアミン類等のアルカリ性物質は発生する塩化
水素と反応して固体の塩を生成し、これが蒸留装置の配
管の閉鎖をもたらしたり、溶媒や洗浄溶剤として使用さ
れる場合も汚染をもたらすなどの弊害を内包しているの
が実情であった。
トリウムやアミン類等のアルカリ性物質は発生する塩化
水素と反応して固体の塩を生成し、これが蒸留装置の配
管の閉鎖をもたらしたり、溶媒や洗浄溶剤として使用さ
れる場合も汚染をもたらすなどの弊害を内包しているの
が実情であった。
【0004】本発明の目的は、かかる塩素化炭化水素類
の蒸留精製、貯蔵の際の分解を抑制し、塩素化炭化水素
類の純度を高め、工程の安定化、装置の安全運転を容易
にするための分解抑制剤および分解抑制方法を提供する
ことにある。
の蒸留精製、貯蔵の際の分解を抑制し、塩素化炭化水素
類の純度を高め、工程の安定化、装置の安全運転を容易
にするための分解抑制剤および分解抑制方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる塩
素化炭化水素類の分解機構を考察し、新しいタイプの分
解抑制剤の開発について鋭意検討を重ねた結果、ピペリ
ジン−1−オキシル類がこの目的に合致し、しかも固体
の塩を生成せず、従って蒸留装置の配管の閉鎖をもたら
すことがなく、極めて効率よく分解を抑制できることを
見いだし本発明をなすに至った。
素化炭化水素類の分解機構を考察し、新しいタイプの分
解抑制剤の開発について鋭意検討を重ねた結果、ピペリ
ジン−1−オキシル類がこの目的に合致し、しかも固体
の塩を生成せず、従って蒸留装置の配管の閉鎖をもたら
すことがなく、極めて効率よく分解を抑制できることを
見いだし本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ピペリジン−1−オ
キシル類を主成分とする塩素化炭化水素類の分解抑制剤
およびこれを用いる塩素化炭化水素類の分解抑制方法で
ある。
キシル類を主成分とする塩素化炭化水素類の分解抑制剤
およびこれを用いる塩素化炭化水素類の分解抑制方法で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0008】本発明における塩素化炭化水素類は、炭素
数1〜10の鎖状及び環状の塩素化炭化水素類である。
具体的にはメチルクロライド、メチレンクロライド、ク
ロロホルム、四塩化炭素の炭素数1の塩素化炭化水素
類、エチルクロライド、1,1−ジクロルエタン、1,
2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、
1,1,2−トリクロルエタン、1,1,1,2テトラ
クロルエタン,1,1,2,2−テトラクロルエタン、
ペンタクロルエタン、ヘキサクロルエタンの炭素数2の
塩素化飽和炭化水素、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ト
ランスージクロルエチレン、シスージクロルエチレン、
トリクロルエチレン、パークロルエチレンの炭素数2の
塩素化不飽和炭化水素、モノクロルプロパン、ジクロル
プロパン、トリクロルプロパン、クロルプロピレン等炭
素数3の塩素化飽和炭化水素および塩素化不飽和炭化水
素、ならびにクロルペンゼン、ジクロルペンゼン、クロ
ルトルエン、クロルナフタレン等の環状塩素化炭化水素
類等である。
数1〜10の鎖状及び環状の塩素化炭化水素類である。
具体的にはメチルクロライド、メチレンクロライド、ク
ロロホルム、四塩化炭素の炭素数1の塩素化炭化水素
類、エチルクロライド、1,1−ジクロルエタン、1,
2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、
1,1,2−トリクロルエタン、1,1,1,2テトラ
クロルエタン,1,1,2,2−テトラクロルエタン、
ペンタクロルエタン、ヘキサクロルエタンの炭素数2の
塩素化飽和炭化水素、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ト
ランスージクロルエチレン、シスージクロルエチレン、
トリクロルエチレン、パークロルエチレンの炭素数2の
塩素化不飽和炭化水素、モノクロルプロパン、ジクロル
プロパン、トリクロルプロパン、クロルプロピレン等炭
素数3の塩素化飽和炭化水素および塩素化不飽和炭化水
素、ならびにクロルペンゼン、ジクロルペンゼン、クロ
ルトルエン、クロルナフタレン等の環状塩素化炭化水素
類等である。
【0009】本発明におけるピペリジン−1−オキシル
類は、好ましくは一般式(I)、(II)、(III)、(IV)
で示される化合物である。
類は、好ましくは一般式(I)、(II)、(III)、(IV)
で示される化合物である。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】R1は炭素数1〜3のアルキル基、具体的
にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基である。R2はH、OH基あるいはOR3基であ
り、R3は炭素数1〜3のアルキル基あるいはフェニル
基であり、炭素数1〜3のアルキル基は具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基
である。R4はHあるいは炭素数1〜17のアルキル基
であり、炭素数1〜17のアルキル基は具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル
(アミル)基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デ
シル基、ドデシル基、ヘプタデシル基などである。Xは
炭素数1〜8のアルキレン基またはフェニレン基であ
り、炭素数1〜8のアルキレン基は具体的には、メチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基などで
ある。
にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基である。R2はH、OH基あるいはOR3基であ
り、R3は炭素数1〜3のアルキル基あるいはフェニル
基であり、炭素数1〜3のアルキル基は具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基
である。R4はHあるいは炭素数1〜17のアルキル基
であり、炭素数1〜17のアルキル基は具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル
(アミル)基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デ
シル基、ドデシル基、ヘプタデシル基などである。Xは
炭素数1〜8のアルキレン基またはフェニレン基であ
り、炭素数1〜8のアルキレン基は具体的には、メチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基などで
ある。
【0015】このようなピペリジン−1−オキシル類を
具体的に例示すると、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジン−
1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−エ
トキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−フェノキシピペリジン−1−オキシ
ル、2, 2,6,6−テトラメチル−4−カルボキシピ
ペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、1,9
−ジアザ−2,2,8,8,10,10−ヘキサメテル
−4−ヒドロキン−スピロ[5.5]・ウンデカン−
1,9−ジオキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−N,N’−ジオキシルセバケ
ートが挙げられる。
具体的に例示すると、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジン−
1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−エ
トキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−フェノキシピペリジン−1−オキシ
ル、2, 2,6,6−テトラメチル−4−カルボキシピ
ペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、1,9
−ジアザ−2,2,8,8,10,10−ヘキサメテル
−4−ヒドロキン−スピロ[5.5]・ウンデカン−
1,9−ジオキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−N,N’−ジオキシルセバケ
ートが挙げられる。
【0016】本発明におけるピペリジン−1−オキシル
類の適用は、これらピペリジン−1−オキシル類の1種
または2種以上を、適当な溶剤に溶解して添加するのが
よく、好ましくは対象とする塩素化炭化水素類と同じも
のを溶剤に用いる。
類の適用は、これらピペリジン−1−オキシル類の1種
または2種以上を、適当な溶剤に溶解して添加するのが
よく、好ましくは対象とする塩素化炭化水素類と同じも
のを溶剤に用いる。
【0017】ピペリジン−1−オキシル類の添加量は、
対象とする塩素化炭化水素類の種類、対象とする製造、
精製、貯蔵設備の操業条件等により異なり一概に限定す
ることは出来ないが、一般的には塩素化炭化水素類に対
し0.05〜200重量ppm、好ましくは0.5〜2
0重量ppm、さらに好ましくは1〜20重量ppmで
ある。0.05重量ppmより少ないと本発明の目的が
十分に発揮されず、他方200重量ppmより多いと効
果は充分にあるが、添加量の割に効果が大きくならず、
経済的見地から好ましくない。
対象とする塩素化炭化水素類の種類、対象とする製造、
精製、貯蔵設備の操業条件等により異なり一概に限定す
ることは出来ないが、一般的には塩素化炭化水素類に対
し0.05〜200重量ppm、好ましくは0.5〜2
0重量ppm、さらに好ましくは1〜20重量ppmで
ある。0.05重量ppmより少ないと本発明の目的が
十分に発揮されず、他方200重量ppmより多いと効
果は充分にあるが、添加量の割に効果が大きくならず、
経済的見地から好ましくない。
【0018】ピペリジン−1−オキシル類は、塩素化炭
化水素類が分解し問題化する箇所で存在するように、そ
の問題箇所あるいは問題箇所の上流部に添加する。例え
ば、一般に塩素化炭化水素類は蒸留塔内で分解しやすい
ため、蒸留塔の原料供給ライン及び蒸留塔の塔頂部最上
段近くに添加するのが好適である。
化水素類が分解し問題化する箇所で存在するように、そ
の問題箇所あるいは問題箇所の上流部に添加する。例え
ば、一般に塩素化炭化水素類は蒸留塔内で分解しやすい
ため、蒸留塔の原料供給ライン及び蒸留塔の塔頂部最上
段近くに添加するのが好適である。
【0019】また、塩素化炭化水素類の貯蔵中の分解を
抑制するためには、塩素化炭化水素類を貯蔵する前にピ
ペリシン−1−オキシル類を添加する。
抑制するためには、塩素化炭化水素類を貯蔵する前にピ
ペリシン−1−オキシル類を添加する。
【0020】本発明のピペリジン−1−オキシル類を用
いて塩素化炭化水素類の分解を抑制する際に、本発明の
効果を損なわない範囲において他の既知の分解抑制剤、
ラジカル重合禁止剤との併用を妨げるものではない。
いて塩素化炭化水素類の分解を抑制する際に、本発明の
効果を損なわない範囲において他の既知の分解抑制剤、
ラジカル重合禁止剤との併用を妨げるものではない。
【0021】本発明のピペリジン−1−オキシル類の塩
素化炭化水素類に対する分解抑制の作用機構は、塩素化
炭化水素類の分解がラジカル連鎖反応によって進行する
と考えられていることから、本発明のピペリジン−1−
オキシル類化合物の分子内に宿ってるフリーラジカル部
分が分解のラジカル連鎖を好適に停止させると推定され
る。一般にラジカルに作用し、ラジカル連鎖を停止させ
る化合物は、ラジカル重合禁止剤として数多く知られて
いるものがあるが、その代表的な化合物は後記実施例に
おいて併せて示した比較例から明らかな如く若干の分解
抑制効果しか奏せず、本発明のピペリジン−1−オキシ
ル類の効果が著しく高いのは驚くべきことである。
素化炭化水素類に対する分解抑制の作用機構は、塩素化
炭化水素類の分解がラジカル連鎖反応によって進行する
と考えられていることから、本発明のピペリジン−1−
オキシル類化合物の分子内に宿ってるフリーラジカル部
分が分解のラジカル連鎖を好適に停止させると推定され
る。一般にラジカルに作用し、ラジカル連鎖を停止させ
る化合物は、ラジカル重合禁止剤として数多く知られて
いるものがあるが、その代表的な化合物は後記実施例に
おいて併せて示した比較例から明らかな如く若干の分解
抑制効果しか奏せず、本発明のピペリジン−1−オキシ
ル類の効果が著しく高いのは驚くべきことである。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例で使用した略記はそれぞれ下記の
化合物を示す。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例で使用した略記はそれぞれ下記の
化合物を示す。
【0023】[実施例に用いた化合物] TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシル HTEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒ
トロキシピペリジン−1−オキシル AcTEMP:2,2,6,6−テトラメチル−4−ア
セトキシピペリジン−1−オキシル DAHMHSUDO:1,9−ジアザ−2,2,8,
8,10,10−ヘキサメチル−4−ヒドロキシスピロ
[5・5]−ウンデカン−1,9−ジオキシル BTEMPOSAT:ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−N,N−ジオキシルセバケー
ト
−1−オキシル HTEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒ
トロキシピペリジン−1−オキシル AcTEMP:2,2,6,6−テトラメチル−4−ア
セトキシピペリジン−1−オキシル DAHMHSUDO:1,9−ジアザ−2,2,8,
8,10,10−ヘキサメチル−4−ヒドロキシスピロ
[5・5]−ウンデカン−1,9−ジオキシル BTEMPOSAT:ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−N,N−ジオキシルセバケー
ト
【0024】[比較例に用いた化合物] NSP:p−ニトロソフェノール TBC:p−ターシャリー・ブチル・カテコール HTEMP:2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒド
ロキシピペリジン
ロキシピペリジン
【0025】[テスト条件]還流装置付き500mLフ
ラスコに、1,1,1−トリクロルエタン300mLを
入れ、ここに塩化第二鉄0.5gおよびピペリジン−1
−オキシル類を所定量添加した。1時間加熱還流後、内
容液を採取して、ガスクロマトクラフにより塩化ビニリ
デンの生成率を求めた。1,1,1−トリクロルエタン
は分解すると塩化ビニリデンと塩化水素になることか
ら、塩化ビニリデンの生成率をもって、1,1,1−ト
リクロルエタンの分解率とした。
ラスコに、1,1,1−トリクロルエタン300mLを
入れ、ここに塩化第二鉄0.5gおよびピペリジン−1
−オキシル類を所定量添加した。1時間加熱還流後、内
容液を採取して、ガスクロマトクラフにより塩化ビニリ
デンの生成率を求めた。1,1,1−トリクロルエタン
は分解すると塩化ビニリデンと塩化水素になることか
ら、塩化ビニリデンの生成率をもって、1,1,1−ト
リクロルエタンの分解率とした。
【0026】
【数1】
【0027】結果は表1に示したとおりで、本発明のピ
ペリジン−1−オキシル類の添加により1,1,1−ト
リクロルエタンの分解が効果的に抑制されたことがわか
る。
ペリジン−1−オキシル類の添加により1,1,1−ト
リクロルエタンの分解が効果的に抑制されたことがわか
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塩素化炭化水素類の蒸留精製、貯蔵の際の分解を効率よ
く抑制することができ、塩素化炭化水素類の純度を高
め、工程の安定化、装置の安全運転を容易にすることが
できる。
塩素化炭化水素類の蒸留精製、貯蔵の際の分解を効率よ
く抑制することができ、塩素化炭化水素類の純度を高
め、工程の安定化、装置の安全運転を容易にすることが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ピペリジン−1−オキシル類を主成分と
する塩素化炭化水素類の分解抑制剤。 - 【請求項2】 ピペリジン−1−オキシル類が、下記一
般式(I)、(II)、(III)、(IV)〔式中、R1は炭素
数1〜3のアルキル基、R2はH、OH基あるいはOR3
基(R3は炭素数1〜3のアルキル基あるいはフェニル
基)、R4はHあるいは炭素数1〜17のアルキル基、
Xは炭素数1〜8のアルキレン基あるいはフェニレン基
を示す〕で示される化合物群の少なくとも1種である請
求項1記載の塩素化炭化水素類の分解抑制剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 - 【請求項3】 塩素化炭化水素類の製造・精製・貯蔵設
備において、該塩素化炭化水素類中に請求項1または2
記載のピペリジン−1−オキシル類を添加することを特
徴とする塩素化炭化水素類類の分解抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14588096A JPH09328444A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 塩素化炭化水素類の分解抑制剤および分解抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14588096A JPH09328444A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 塩素化炭化水素類の分解抑制剤および分解抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328444A true JPH09328444A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15395192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14588096A Pending JPH09328444A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 塩素化炭化水素類の分解抑制剤および分解抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09328444A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005080638A1 (en) * | 2004-02-13 | 2005-09-01 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Stabilised 1,2-dichloroethylene compositions |
US7118689B2 (en) | 2003-08-27 | 2006-10-10 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Stabilized polychloroethylenes |
JP2013103887A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Tosoh F-Tech Inc | 含フッ素アリルブロミド化合物の安定化方法及び安定化された含フッ素アリルブロミド化合物組成物 |
JPWO2013008509A1 (ja) * | 2011-07-13 | 2015-02-23 | 東ソー有機化学株式会社 | アリルブロミド化合物の安定化方法、及び安定化されたアリルブロミド化合物組成物 |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP14588096A patent/JPH09328444A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7118689B2 (en) | 2003-08-27 | 2006-10-10 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Stabilized polychloroethylenes |
WO2005080638A1 (en) * | 2004-02-13 | 2005-09-01 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Stabilised 1,2-dichloroethylene compositions |
US7390777B2 (en) | 2004-02-13 | 2008-06-24 | Ppg Industries Ohio, Inc. | 1,2-dichloroethylene compositions |
JPWO2013008509A1 (ja) * | 2011-07-13 | 2015-02-23 | 東ソー有機化学株式会社 | アリルブロミド化合物の安定化方法、及び安定化されたアリルブロミド化合物組成物 |
JP2013103887A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Tosoh F-Tech Inc | 含フッ素アリルブロミド化合物の安定化方法及び安定化された含フッ素アリルブロミド化合物組成物 |
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