JPH09328344A - 発光性骨材及び該発光性骨材の製造方法 - Google Patents
発光性骨材及び該発光性骨材の製造方法Info
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Abstract
れ、更には経済性にも優れた、屋外での長期間の使用に
も耐え得、更には、装飾性や景観性にも優れた、多様な
用途に使用し得る発光性骨材及びその製造方法の提供。 【解決手段】 セラミックス骨材及び/または天然石骨
材からなる骨材表面に、少なくとも蓄光顔料及び/また
は無機蛍光顔料と、無機バインダーとを有する発光部が
均一な層状または散在している状態で形成されているこ
とを特徴とする発光性骨材及びその製造方法。
Description
表層材として使われる発光性骨材及びその製造方法に関
する。更に詳しくは、該骨材を使用することによって夜
間や暗闇での視認性を向上させる技術、若しくは景観性
を向上させる技術に関し、例えば、路面標示、交差点付
近、道路の分岐点、路肩および側帯部、舗道、トンネル
内面、橋面、公園等に使用するのに好適な発光性骨材及
びその製造方法に関する。
しては、蓄光顔料や無機蛍光顔料をアクリル樹脂などの
透明性のある樹脂系バインダーに混入させて得られた硬
化体を粉砕して発光性骨材とすることが知られている。
構造体に関しては、特開平1−223201号公報に、
細砕、中砕骨材にエポキシ系の樹脂バインダーを混練し
て押し締めして透水性構造体を得る場合に、上記樹脂系
バインダー内に蓄光性顔料を約4%加えることによって
透水性構造体に蓄光特性を付与させる方法が提案されて
いる。
方法としては、明色骨材を使用した明色舗装がある。例
えば、アスファルト舗装要綱(日本道路協会編、H4/
12/5改訂版、210ページ、9−6)には、通常の
アスファルト舗装の表層部分に、光線反射率の大きい明
色骨材を使用する事によって、路面の明るさや、光の再
帰性を向上させる方法が示されている。この際に使用さ
れる明色骨材としては、人工的に製造した白色の骨材ま
たは天然石の白色の骨材がある。この中で天然の明色骨
材としては、例えば、珪石が挙げられるが、人工的に製
造した骨材に比較して光の反射率が小さいという問題が
ある。又、白色の人工骨材としては、例えば、珪砂、石
灰、ドロマイトを溶融して造った表面に蜂の巣状の気孔
を有する骨材が、光の再帰反射が大きく明色効果が高い
とされている。
た蓄光顔料や無機蛍光顔料を樹脂で固めてそれを骨材化
する方法や、骨材の結合材(バインダー)に使用する樹
脂中に蓄光顔料を混入させる方法では、耐候性、耐磨耗
性に問題があり、経時変化を生じ易く、特に樹脂の透明
性劣化に伴って発光性が低下したり、樹脂の劣化に伴い
骨材の強度も低下してくる等、屋外での使用に対して問
題があった。また、高価な蓄光顔料や無機蛍光顔料を多
量に使用することとなるので経済性の面で難点があり、
土木、建築資材等への広範囲な用途に使用する場合の大
きなネックになっていた。
は、通常舗装の場合と比較して路面の反射輝度が高いこ
とから、トンネル内や夜間における路面の照明効果が向
上し、交通安全の面で効果があると共に、照明費用の低
減が図れるという利点がある。しかし、この方法で使用
する骨材自体には発光性は無いので、常時、光源を必要
とすることには変わりはなく、照明費用の低減には限度
があった。また、乾燥状態の時と比較して湿潤状態では
光の反射率が落ち、期待した視認効果が得られないとい
った問題もある。
従来技術の問題点を解決し、夜間の道路またはトンネル
内などの用途で使用した場合に、視認性に優れ、且つ耐
摩耗性や耐候性に優れ、更には経済性にも優れた、屋外
での長期間の使用にも耐え得る発光性骨材及びその製造
方法を提供することにある。
発明によって達成される。即ち、本発明は、セラミック
ス骨材及び/または天然石骨材からなる骨材表面に、少
なくとも蓄光顔料及び/または無機蛍光顔料と、無機バ
インダーとを有する発光部が均一な層状または散在して
いる状態で形成されていることを特徴とする発光性骨材
及びその製造方法である。本発明でいう蓄光とは、太陽
光や人工照明などの外部からの光エネルギーによる刺激
に対して発光する現象(ルミネセンス)を有し、更に上
記の刺激を停止しても発光が数秒以上続くという残光性
(リン光性)を示す現象をいい、このような性質を有す
る顔料を蓄光顔料と呼ぶ。又、残光が認められないルミ
ネセンスや励起下での発光は、一般的に蛍光と呼ばれ、
この様な性質を有する顔料を蛍光顔料と呼ぶ
しい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。先
ず、本発明の発光性骨材は、少なくともセラミックス骨
材及び/または天然石骨材からなる骨材表面に、蓄光顔
料及び/または無機蛍光顔料と、無機バインダーとを有
する発光部が形成されていることを特徴とする。以下、
本発明の発光性骨材を構成する材料について夫々説明す
る。
nS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化カドミウム亜
鉛(ZnCdS)等の硫化物系と、アルミン酸ストロン
チウム(SrAl2O3)、アルミン酸カルシウム(Ca
Al2O3)等のアルミン酸系のものが知られており、通
常は、これらの母体結晶に不活剤として希土類元素が含
まれている。本発明の発光性骨材に好適に使用される蓄
光顔料としては、熱処理が可能な耐熱性を有し、屋外で
の使用に耐え得る耐光性及び耐湿性を有するものであっ
て、更に、残光時間が長いものであれば特に好ましい。
上記した材料の中でこの様な特性を有するものとして
は、例えば、アルミン酸塩系を母体結晶とした蓄光顔料
が挙げられる。従って、本発明においては、アルミン酸
塩系を母体結晶とした蓄光顔料を使用することが好まし
い。
蛍光灯などに広く用いられている従来公知のものをいず
れも使用できるが、例えば、母体結晶として、タングス
テン酸カルシウム(CaWO4)、硅酸亜鉛(Zn2Si
O4)、硫化亜鉛(ZnS)及び酸化イットリウム(Y2
O3)等が挙げられる。
/または無機蛍光顔料と共に構成する無機バインダーと
しては、例えば、フリット、低融点ガラス材料もしくは
陶磁器に使われる釉薬等が挙げられる。本発明の発光性
骨材に好適に使用される無機バインダーとしては、加熱
熔着したときの透明度がよく、励起光及び蓄光発光の透
過率が高いものほど好ましい。又、使用する蓄光顔料や
無機蛍光顔料の種類によって所望される耐熱性は異なる
が、高温酸化雰囲気下で変質して蓄光性能を消失させて
しまうものもあるので、本発明で使用する無機バインダ
ーは、蓄光顔料等の発光性を消失しない温度以下で溶融
するものを選定する。更に、本発明で使用する無機バイ
ンダーとしては、骨材表面に加熱熔着されたときに、骨
材とのなじみがよく、接着強度の高い物であることが望
ましい。
例えば、人工的に造られたセラミックス骨材や、整粒さ
れた、陶磁器屑、セルベン、若しくは珪石、石灰石など
の天然石骨材、又は、コンクリートや発泡コンクリート
を粉砕して骨材化したもの等が挙げられる。特に、本発
明においては、これらの中でも、色調が明色性(白色
性)を有するものを使用ることが、発光部の蓄光輝度を
高める上から好ましい。一般的に、SiO2、Al
2O3、CaOの1〜3種を主成分とした人工的に造られ
たセラミック骨材には明色性があるので、本発明におい
て好適に用いることが出来る。更に、このような材料か
らなる骨材を用い、且つその表面に、図3に示した様な
蜂の巣状の多数の孔を設けた人工明色性骨材は、光の乱
反射特性に優れたものとなるので更に好適である。
無機蛍光顔料(以下、蓄光顔料等と呼ぶ)、無機バイン
ダー及び骨材とを用いて本発明の発光性骨材を製造する
方法について説明を加えながら、本発明の発光性骨材の
好ましい構造について説明する。本発明の発光性骨材の
製造方法は、セラミックス骨材及び/または天然石骨材
からなる骨材表面に、蓄光顔料等と無機バインダーを含
む混合粉を付与し、その後に焼成して蓄光顔料等を無機
バインダーにより加熱熔着して発光部を形成することを
特徴とする。蓄光顔料等と無機バインダーとの混合粉を
骨材に付与させる方法としては、粉末をそのまま使う乾
式法かまたは水で分散させたスラリーを使う湿式法があ
るが、本発明においてはいずれの方法も用いることが可
能である。
材である骨材表面に、発光部を形成するが、該発光部
は、骨材表面に均一な層として設けてもよいが(図1参
照)、骨材表面に散在する状態で部分的に設けてもよい
(図2及び図3参照)。骨材表面に部分的に設ける場合
には、母材として用いる上記した骨材が、表面に多数の
溝を有する形状の骨材(以下、多溝質骨材と呼ぶ)や、
蜂の巣状の孔を有する形状の骨材(以下、多孔質骨材と
呼ぶ)を用いることが好ましい。この様な多溝質骨材や
多孔質骨材を使用した場合には、蓄光顔料等と無機バイ
ンダーとの混合粉を骨材に付与させた後、表面に付着し
た余分な混合粉を落とすことによって、主に骨材表面の
溝内または孔内に混合粉を残留させ、その後に焼成して
表面に蓄光顔料を無機バインダーによって加熱熔着させ
る。この結果、骨材表面にあるこれらの溝または孔内に
部分的に蓄光顔料等が熔着され、多溝質骨材の場合に
は、図2に示した概略断面図のようになり、一方、多孔
質骨材の場合には、図3に示した概略断面図のようにな
る。
3に示した様な、部分的に発光部を設ける構成とすれ
ば、高価な蓄光顔料等の使用量が骨材全面に均一に熔着
させた場合より少なくて済む為、製造コストを低減でき
るという製造上の利点が得られる。又、発光部を骨材表
面に部分的に形成した場合は、蓄光顔料等を無機バイン
ダーによって骨材の表面全体に熔着させた場合よりも焼
成後の粒同士の付着防止が図られるという利点もある。
更に、前記に挙げた様な蓄光顔料等は、一般的には黄緑
色の色調を有しており、無機バインダーと混合して熔着
させたあとでも薄い黄緑色となる為、蓄光顔料等を無機
バインダーによって骨材表面の全面に厚く熔着させる
と、母材の明色性(白色性)が若干損なわれるという問
題があった。これに対し、骨材表面の溝内または孔内の
みに蓄光顔料等が熔着され、発光部が骨材表面に部分的
に構成され散在している状態であれば、母材の全体とし
ての明色性が損なわれることが少ない。又、多孔質骨材
を使用する場合には、混合粉を骨材表面に被覆させる時
の条件を変えて、図4に示す様に、孔の窪み形状が表面
にある程度残るようにすることによって、母材の光乱反
射特性と蓄光性の両方の相乗効果を得ることが可能とな
る。
と無機バインダーとを少なくとも含む混合粉を、上記し
た様にして骨材表面に均一に又は部分的に付与し、その
後に骨材表面を焼成することにより、蓄光顔料等を無機
バインダーによって骨材表面に加熱熔着して得られる。
具体的には、先ず、平均粒径が5〜50μm蓄光顔料等
と5〜50μmの無機バインダーとを混合装置でよく混
合して、蓄光顔料等と無機バインダーとの混合粉を作成
するか、これらの材料を、水やアルコール等の液媒体中
にいれて充分に撹拌してスラリーを形成する。次に、得
られた混合粉の中に、例えば、5mm〜20mm程度の
大きさの湿らせた骨材を入れて混ぜ合わせ、骨材表面に
混合粉をまぶして表面に混合粉を付与する。スラリーを
使用する場合は、骨材をスラリー中に入れて、その後引
き上げて乾燥させて、骨材表面に混合粉を付与する。そ
の後、電気炉またはガス炉等の焼成炉中にいれて加熱
し、焼成する。焼成条件は、使用する蓄光顔料等、無機
バインダー及び骨材の温度特性によって異なるが、例え
ば、500〜900℃程度の温度を、1〜60分間の範
囲で保持する様に適宜に調節すればよい。尚、骨材表面
の溝或いは孔にのみ混合粉を付与する場合は、焼成する
前に余分な混合粉を落とせばよい。
光顔料等を含む発光部は、ある程度の厚みまでは、蓄光
顔料を含む層が厚いほどリン光輝度が高く、且つ残光時
間が長くなる傾向がある。しかし、ある一定の厚み以上
では飽和してしまう。これは励起する光がそれ以上内部
まで届かないからであり、従って、飽和する厚さ以上に
発光部を厚くすることは、更なる効果が期待できないば
かりではなく、高価な蓄光顔料等を無駄に使用すること
となり、経済性の面から好ましくない。飽和に達する発
光部の厚みは、蓄光顔料の添加量や、バインダーの透明
度等によって異なるが、一般的には1〜2mmの厚みで
飽和に達する。蓄光顔料等を無機バインダーを使って粗
骨材表面に均一に0.1〜0.2mmの厚みとなる様に
熔着させた場合と、図3に示した様な多孔質骨材表面
の、孔径0.2mm〜3mmの孔部に、蓄光顔料等を無
機バインダーを使って熔着させた場合とを比較すると、
後者の方が蓄光顔料等の使用量が少なくて済むにもかか
わらず、蓄光顔料等を含む発光部の厚みを厚くすること
が出来るので、初期のリン光輝度が高く、且つ蓄光顔料
においては残光時間も長く、発光骨材自体の視認性がよ
り高くなるという効果がある。
料等の発光材料と無機バインダーの含有量としては、蓄
光顔料粉末及び/または無機蛍光顔料粉末が5〜30重
量%、無機バインダー粉末が95〜70重量%とするの
が好ましい。即ち、発光部における蓄光顔料等の無機バ
インダー中への混入量を5重量%〜30重量%の範囲と
する。蓄光顔料等の含有量が5重量%よりも少ないとリ
ン光輝度も低く、又、蓄光顔料においては残光時間も短
いので期待した効果が得られにくい。好ましくは、発光
部に混入されている蓄光顔料等の含有量が10重量%以
上であればよいが、30重量%よりも多いと、発光部の
骨材への熔着が悪くなってしまい、特に、骨材表面の均
一な発光部層を厚くした場合や、骨材の溝部や孔部に熔
着させようとした場合に、蓄光顔料等の粒子が一体化し
ようとして収縮するので、発光部が剥離したり、骨材の
溝部や孔部から脱落し易くなり好ましくない。
骨材で粗骨材(5号粒、6号粒)と言われているもの
は、篩いの呼び寸法で5mm以上、20mm以下の大き
さの骨材である。本発明の発光性骨材を、これらの粗骨
材を使用して形成する場合の粗骨材への蓄光顔料等の必
要付着量は骨材の大きさによって異なってくる。例え
ば、20重量%の蓄光顔料等を含む無機バインダーを、
緻密質骨材表面に平均して0.1mmの厚みで熔着する
ようにした場合の蓄光顔料等の使用量は、大きさが約2
0mmの骨材を使用した場合であれば、得られる本発明
の発光性骨材の重量に対しておおよそ0.6重量%であ
り、大きさ約5mmの骨材を使用した場合であれば、お
およそ2.2重量%となる。
材は、土木、建築資材の表面材として広く用いることが
出来るが、特に、夜間や暗闇での視認性が要求される箇
所である、道路の路面表示部分や、道路の交差点や分岐
点付近、道路の路肩や側体部や歩道、更にはトンネル
内、又、景観性が要求される橋面や公園内に有効であ
る。例えば、蓄光顔料を用いた本発明の発光性骨材を、
特に、道路やトンネル内の路面や路肩に使用することに
よって、昼夜にわたりこの部分の視認性を格段に向上さ
せることが出来る為、交通の安全性向上に寄与すること
ができる。又、無機蛍光顔料を使用した本発明の発光性
骨材にあっては、紫外線(ブラックライト)照射によっ
て、発光、発色し、室内や夜間での多用な装飾性や景観
性を演出するという効果があるので、橋面部分や、広場
や公園内の建造物の表面材として使用することが好まし
い。
の発光性骨材を道路舗装材として使う場合には、通常の
明色舗装の施工方法にて施工することが可能である。但
し、この場合、発光性能は舗装表面だけに要求されるの
で、通常の表層用混合物を敷きならした直後に、石油樹
脂(脱色バインダー)等でプレコートした本発明の発光
性骨材を、舗装表面に散布して圧入する、路面散布方式
で施工することが適している。
表層材として使用する場合には、かなりの耐磨耗性が要
求されるが、本発明の発光性骨材では、前記した様に無
機バインダーを使用し、該無機バインダーを骨材表面で
焼成してガラス質材料として熔着させて発光部を形成し
ており、硬度が高く、耐磨耗性にも優れたものとなって
いる。本発明においては、この耐磨耗性の点からも、骨
材の表面に均一に発光部を形成するよりも、先に述べた
様に、多溝質骨材の溝部、または多孔質骨材の孔部に蓄
光顔料を含有させた無機バインダーを付与して熔着させ
て、骨材表面に部分的に発光部を設けたものの方が、例
え表面が削れたとしても蓄光顔料を含有する発光部が残
り易い為より好ましい。
発明を更に詳細に説明する。 (実施例1)本実施例では、骨材として、表1に示す組
成及び物性を有する緻密な人工骨材を使用した。骨材粒
度としては、舗装材として通常使用されている粗粒品の
10〜20mm3 のうち、容積で約2cm3 のものを選
んで使用した。又、骨材の表面に形成する発光部の構成
材料には、蓄光顔料であるアルミン酸ストロンチウムを
母体結晶としたものを使用し、無機バインダーに無鉛透
明釉薬を使用した。又、発光部の形成方法としては、平
均粒径12μmの蓄光顔料粉末を20重量%と、無鉛透
明釉薬の粉末80重量%とを混合したスラリーを作成
し、得られたスラリーの中に上記の骨材を浸漬した後、
骨材を引き上げて乾燥させて骨材の表面に均一に被覆し
た。その後、電気炉で加熱して、無機バインダーによっ
て蓄光顔料を熔着させた。焼成条件は、最高温度を80
0℃で60分間保持した。上記の様にして、図1に示す
骨材表面に均一な層状の発光部を形成したが、その際
に、熔着後の発光層の厚みが、約0.1mm、0.2m
m、0.5mm、1mm、2mmの異なる5段階の厚み
となるように形成して、本実施例の発光性骨材No.A
1〜A5を夫々得た。
部が形成されているNo.A1〜A5の発光性骨材の特
性を表2に示した。又、これらの発光性骨材のリン光輝
度を、JIS Z 9100のリン光輝度試験方法に準
じ、5分、10分、20分経過後の値を測定し、その結
果を表3に示した。この結果、これらの発光性骨材はい
ずれも、硬い硬度を有し、耐摩耗性に優れたものである
ことが確認された。又、リン光輝度が高く、且つ残光時
間が長い視認性の高い材料であることが確認されたが、
特に、経済性をも勘案すると、発光層の厚みを0.2〜
1mm程度とすることが好ましいことがわかった。
1に示す品質の白灰色の表面が緻密な天然の珪石を使用
した。骨材粒度は、舗装材として使われている粗粒品の
10〜20mm3の内、容積で約2cm3のものを選んで
使用した。実施例1で使用したと同様の蓄光顔料と無機
バインダーを用い、上記の珪石からなる骨材表面に均一
に付与し、焼成炉で加熱し、加熱後に骨材表面に約0.
2mmの均一な厚みの発光層を形成して本実施例の発光
性骨材とした。上記の様にして得られた表面に均一な発
光部が形成されている発光性骨材の特性を表2に示し
た。又、上記の様にして得られた発光性骨材のリン光輝
度を実施例1と同様にして測定し、その結果を表3に示
した。
蓄光顔料を用い、これをアクリル樹脂中に6重量%混入
させて硬化体を作成し、該硬化体を13〜21mmに粉
砕して、比較用の発光性材料とした。上記の様にして得
られた発光性骨材の特性を表2に示した。又、上記の様
にして得られた発光性骨材のリン光輝度を実施例1と同
様にして測定し、その結果を表3に示した。その結果、
実施例1及び2のものと異なり、硬度が柔らかく、耐摩
耗性に劣っていた。又、蓄光顔料の使用量がほぼ同量の
実施例1で作成したA4の試料と比べ、リン光輝度が低
く、且つ残光時間も短かった。
せた以外は比較例1と同様にして比較用の発光性材料を
得た。上記の様にして得られた発光性骨材の特性を表2
に示し、又、上記の様にして得られた発光性骨材のリン
光輝度を実施例1と同様にして測定し、その結果を表3
に示した。その結果、実施例1及び2のものと異なり、
硬度が柔らかく、耐摩耗性に劣っていた。又、蓄光顔料
の使用量がほぼ同量の実施例1で作成したA5の試料と
比べ、リン光輝度が低く、且つ残光時間も短かった。
性
m2 )
した品質の人工骨材に、深さ0.5〜2mmの多数の溝
を設けて多溝質骨材を作成し、これに実施例1と同様の
蓄光顔料と無機バインダーとからなる混合粉を用い、該
混合粉の中に湿らせた骨材をいれて多溝質骨材の溝部に
混合粉を付与して充填させた以外は実施例1と同様にし
て、本実施例の発光性骨材を得た。表5に、以上の様に
して得られた、骨材表面に散在した状態で部分的に発光
部が形成されている発光性骨材の特性を示した。この結
果、本実施例の発光性骨材は、硬い硬度を有し、耐摩耗
性に優れたものであることが確認された。
工骨材であって、蜂の巣状の多数の孔を有する多孔質骨
材を用い、これに実施例1と同様の蓄光顔料と無機バイ
ンダーとの混合粉を用い、該混合粉の中に湿らせた骨材
をいれて多孔質骨材の孔部に混合粉を付与して充填させ
た以外は実施例1と同様にして本実施例の発光性骨材を
得た。この際の孔への混合粉の充填の状況を観察したと
ころ、孔径0.2mm以下では混合粉の充填が不充分で
あり、一方、孔径3mm以上の孔径の大きなで孔は一度
充填された粉が脱落し易い状況にあった。従って、平均
して、骨材表面にある種々の孔のうちの孔径0.2mm
〜3mmの孔に混合粉が充填されている状態であった。
表5に、以上の様にして得られた、骨材表面に散在した
状態で部分的に発光部が形成されている発光性骨材の特
性を示した。この結果、本実施例の発光性骨材は、硬い
硬度を有し、耐摩耗性に優れたものであることが確認さ
れた。
巣状の孔を有する多孔質骨材、及び実施例1で用いたと
同様の蓄光顔料と無機バインダーとを用い、蓄光顔料と
無機バインダーとの混合比率を表6に示した様に変えた
以外(試料No.d1〜d4)は実施例4と同様にし
て、表面に部分的に発光部が形成されている発光性骨材
を得た。表6に、得られた発光性骨材の特性を示した。
この結果、発光部を構成している蓄光顔料の含有量が、
30重量%を超えると発光部の付着性が劣ってしまうこ
とが確認された。
材の特性 尚、表6中の発光部の付着状態は、全て孔で発光部が強
固に付着しているものを○とし、一部の孔で脱落してい
たものを△として評価した。
発光層を有するA1及びA2の発光性骨材、実施例3で
得られた部分的に散在した状態で溝部に発光部が形成さ
れている発光性骨材、実施例4で得られた部分的に散在
した状態で孔部に発光部が形成されている発光性骨材、
及び実施例5で得られた実施例4の発光部を構成する蓄
光顔料の濃度を変えたd1、d2、d3の発光性骨材を
夫々用い、視認性の比較を行った。視認性の評価方法と
しては、夫々の発光性骨材に、晴天時の太陽光を10分
間照射した後、直ちに暗室に静置して、経過時間と骨材
の視認性を下記の基準で評価し、その結果を表7に示し
た。この結果、特に、溝部又は孔部に発光部を形成した
場合に、残光時間が長く、優れた視認性を有することが
確認された。 ○:視認可能 △:僅かに視認可能 ×:視認不可能
巣状の孔を有する多孔質骨材を用い、紫外線による発光
色が青色である無機蛍光顔料を20重量%と、無機バイ
ンダーとして実施例1で用いたと同様の無鉛透明釉とを
用い、実施例4と同様にして、表面に部分的に発光部が
形成されている発光性骨材を得た。表8に、得られた発
光性骨材の特性を示した。この結果、本実施例の発光性
骨材は、硬い硬度を有し、耐摩耗性に優れたものである
ことが確認された。又、得られた発光性骨材を暗室に静
置し、これにブラックライトを照射したところ、骨材が
青白い強い光りを発した。
記に掲げる顕著な効果が得られた。 1)本発明の発光性骨材は、蓄光特性が必要とされる表
面にだけ蓄光顔料を熔着させているので、高価な蓄光顔
料の使用量を低減させることが出来る。又、多孔質骨材
の表面に散在している孔部にのみに部分的に発光部を形
成することによって、蓄光特性を落とすことなく、更に
蓄光顔料の使用量を低減することが出来る為、低価格で
優れた特性を有する発光性骨材を提供できる為、広範囲
な利用が可能となる。 2)本発明の発光性骨材は、釉薬、フリットなどの無機
バインダーを使い、焼成することによって骨材表面に蓄
光顔料及び/または無機蛍光顔料を熔着させてているの
で、耐磨耗性に強く、又、耐候性にも優れるので、屋外
での使用にも適している。 3)本発明の発光性骨材は、屋外で利用することが可能
なので、昼間の太陽光の利用や夜間照明との共用によ
り、照明費用の低減、及び省エネルギー化が図れる。 5)本発明の発光性骨材は、特に夜間の道路やトンネル
内における視認性向上に効果的である為、道路の明色
化、道路上の工作物への利用、路面標示などの多様な利
用を図ることによって、交通安全の向上に寄与し得る。 6)本発明の発光性骨材は、特に、蛍光顔料が含有され
た発光部を有するものを、橋面や、公園や広場等に設置
される建造物の表面材に使用すれば、夜間にブラックラ
イト照射によって、これらのものをくっきりと闇に浮か
び上がらせることが出来、装飾性や景観性を向上させる
ことが出来る。以上、挙げた様に、本発明の発光性骨材
は、従来その使用用途が極めて限られていた発光製品に
関して、屋外での多様な用途に利用範囲を拡大すること
ができるので、土木、建築資材としての利用価値は極め
て大なるものがある。
た発光性骨材の概略断面図。
部を設けた発光性骨材の概略断面図。
部を設けた発光性骨材の概略断面図。
と無機バインダーとを少なくとも含む混合粉を、上記し
た様にして骨材表面に均一に又は部分的に付与し、その
後に骨材を焼成することにより、蓄光顔料等を無機バイ
ンダーによって骨材表面に加熱熔着して得られる。具体
的には、先ず、平均粒径が5〜50μm蓄光顔料等と5
〜50μmの無機バインダーとを混合装置でよく混合し
て、蓄光顔料等と無機バインダーとの混合粉を作成する
か、これらの材料を、水やアルコール等の液媒体中にい
れて充分に撹拌してスラリーを形成する。次に、得られ
た混合粉の中に、例えば、5mm〜20mm程度の大き
さの湿らせた骨材を入れて混ぜ合わせ、骨材表面に混合
粉をまぶして表面に混合粉を付与する。スラリーを使用
する場合は、骨材をスラリー中に入れて、その後引き上
げて乾燥させて、骨材表面に混合粉を付与する。その
後、電気炉またはガス炉等の焼成炉中にいれて加熱し、
焼成する。焼成条件は、使用する蓄光顔料等、無機バイ
ンダー及び骨材の温度特性によって異なるが、例えば、
500〜900℃程度の温度を、1〜60分間の範囲で
保持する様に適宜に調節すればよい。尚、骨材表面の溝
或いは孔にのみ混合粉を付与する場合は、焼成する前に
余分な混合粉を落とせばよい。
発明を更に詳細に説明する。 (実施例1)本実施例では、骨材として、表1に示す組
成及び物性を有する緻密な人工骨材を使用した。骨材の
大きさは、容積で約2cm3のものを選んで使用した。
又、骨材の表面に形成する発光部の構成材料には、蓄光
顔料であるアルミン酸ストロンチウムを母体結晶とした
ものを使用し、無機バインダーに無鉛透明釉薬を使用し
た。又、発光部の形成方法としては、平均粒径12μm
の蓄光顔料粉末を20重量%と、無鉛透明釉薬の粉末8
0重量%とを混合したスラリーを作成し、得られたスラ
リーの中に上記の骨材を浸漬した後、骨材を引き上げて
乾燥させて骨材の表面に均一に被覆した。その後、電気
炉で加熱して、無機バインダーによって蓄光顔料を熔着
させた。焼成条件は、最高温度を800℃で60分間保
持した。上記の様にして、図1に示す骨材表面に均一な
層状の発光部を形成したが、その際に、熔着後の発光層
の厚みが、約0.1mm、0.2mm、0.5mm、1
mm、2mmの異なる5段階の厚みとなるように形成し
て、本実施例の発光性骨材No.A1〜A5を夫々得
た。
1に示す品質の白灰色の表面が緻密な天然の珪石を使用
した。骨材の大きさは、容積で約2cm3のものを選ん
で使用した。実施例1で使用したと同様の蓄光顔料と無
機バインダーを用い、上記の珪石からなる骨材表面に均
一に付与し、焼成炉で加熱し、加熱後に骨材表面に約
0.2mmの均一な厚みの発光層を形成して本実施例の
発光性骨材とした。上記の様にして得られた表面に均一
な発光部が形成されている発光性骨材の特性を表2に示
した。又、上記の様にして得られた発光性骨材のリン光
輝度を実施例1と同様にして測定し、その結果を表3に
示した。
蓄光顔料を用い、これをアクリル樹脂中に6重量%混入
させて硬化体を作成し、該硬化体を大きさ2cm3 に粉
砕して、比較用の発光性材料とした。上記の様にして得
られた発光性骨材の特性を表2に示した。又、上記の様
にして得られた発光性骨材のリン光輝度を実施例1と同
様にして測定し、その結果を表3に示した。その結果、
実施例1及び2のものと異なり、硬度が柔らかく、耐摩
耗性に劣っていた。又、蓄光顔料の使用量がほぼ同量の
実施例1で作成したA4の試料と比べ、リン光輝度が低
く、且つ残光時間も短かった。
Claims (6)
- 【請求項1】 セラミックス骨材及び/または天然石骨
材からなる骨材表面に、少なくとも蓄光顔料及び/また
は無機蛍光顔料と、無機バインダーとを有する発光部が
均一な層状または散在している状態で形成されているこ
とを特徴とする発光性骨材。 - 【請求項2】 セラミックス骨材及び/または天然石骨
材が表面に多数の溝又は孔を有する骨材であって、且つ
該骨材表面に散在している溝部又は孔部に発光部が形成
されている請求項1に記載の発光性骨材。 - 【請求項3】 セラミックス骨材及び/または天然石骨
材が、明色性を有する骨材である請求項1又は請求項2
に記載の発光性骨材。 - 【請求項4】 発光部中に、蓄光顔料粉末及び/または
無機蛍光顔料粉末が5〜30重量%、無機バインダー粉
末が95〜70重量%含有されている請求項1〜請求項
3のいずれかに記載の発光性骨材。 - 【請求項5】 発光部の厚みが0.1mm〜3mmであ
る請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発光性骨材。 - 【請求項6】 請求項1に記載の発光性骨材の製造方法
であって、セラミックス骨材及び/または天然石骨材か
らなる骨材表面に、少なくとも蓄光顔料及び/または無
機蛍光顔料と無機バインダーとを含む混合粉を付与した
後、焼成して、蓄光顔料及び/または無機蛍光顔料を無
機バインダーにより骨材表面に加熱熔着して発光部を形
成することを特徴とする発光性骨材の製造方法。
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JP3177801U (ja) * | 2012-06-07 | 2012-08-16 | 清水 茂夫 | 道路線引き用蓄光ガラスビーズ |
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JP3021287U (ja) | 1995-08-04 | 1996-02-20 | 日本広告企業株式会社 | 時刻表示盤 |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP16818896A patent/JP3373731B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2018122079A1 (en) | 2016-12-29 | 2018-07-05 | Strabag Sp. Z O.O. | A method for producing a luminescent pavement, a luminescent pavement obtained by said method, a combination and use of the combination |
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