JP3247299B2 - 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材 - Google Patents

道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材

Info

Publication number
JP3247299B2
JP3247299B2 JP25653496A JP25653496A JP3247299B2 JP 3247299 B2 JP3247299 B2 JP 3247299B2 JP 25653496 A JP25653496 A JP 25653496A JP 25653496 A JP25653496 A JP 25653496A JP 3247299 B2 JP3247299 B2 JP 3247299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic
fluorescent
phosphor
aggregate
phosphorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25653496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10102409A (ja
Inventor
正信 江副
硯三 高坂
豊彦 塚田
剛 成瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nemoto and Co Ltd
Itochu Ceratech Corp
Original Assignee
Nemoto and Co Ltd
Itochu Ceratech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nemoto and Co Ltd, Itochu Ceratech Corp filed Critical Nemoto and Co Ltd
Priority to JP25653496A priority Critical patent/JP3247299B2/ja
Publication of JPH10102409A publication Critical patent/JPH10102409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3247299B2 publication Critical patent/JP3247299B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、蛍光特性若しくは蓄光性蛍光特
性を有する道路、建材乃至は船舶用無機質人工骨材に係
り、特に、鮮明な発光特性を有すると共に、優れた機械
的強度、耐磨耗性、耐水性或いは耐候性等をも兼ね備え
た道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】近年、交通の多様化、大量化、過密化等に
より、交通事故の件数が増大しており、特に、夜間に発
生する事故では、発生件数に対する死亡件数の比率が高
く、夜間に発生する事故を如何にして防止するかが、今
後の交通安全対策の大きな課題となっている。
【0003】通常、夜間走行中の車両は、ヘッドライト
を点灯しているが、それでも、運転者にとって、視認性
は著しく低下しており、且つ視野も非常に狭い範囲に限
定されている。また、自ら光を出さない障害物や道路付
帯設備等は、非常に発見され難いものである。よって、
そのような種々の悪条件が重なることによって、夜間に
おける重大な事故の発生が増加するものであると考えら
れる。
【0004】そこで、夜間における交通事故の発生を防
止するために、道路照明の設置、区画線や視線誘導標の
設置、舗装の明色化、ガラスビーズを用いた再帰反射器
による視認性の向上等の対策が進められている。
【0005】ところで、近年になって、蛍光材料や蓄光
性蛍光材料を用いて、視認性の向上を図るという動きも
見受けられるようになって来ている。而して、それら蛍
光材料や蓄光性蛍光材料は、そのままでは加水分解され
易く、耐光性に劣る等、耐久性が悪いところから、一般
に、塗料等の形態で使用されているのであるが、最近で
は、この蛍光材料や蓄光性蛍光材料を用いてなる板状材
料等を、視線誘導標等に使用することも行なわれ始めて
いる。また、蛍光材料や蓄光性蛍光材料の配合せしめら
れた樹脂からなる人工骨材も使用されて来ているが、蛍
光材料や蓄光性蛍光材料の配合せしめられた樹脂からな
る人工骨材にあっては、耐光性、耐候性、耐磨耗性等の
耐久性が不充分であるところから、道路床表面等のよう
に、特に耐久性が要求される用途への適用は困難であっ
た。
【0006】また、このような樹脂を母材とした人工骨
材にあっては、道路用骨材としてだけでなく、建材用骨
材或いは船舶用骨材としての利用も考えられるが、その
ような場合であっても、やはり、耐光性、耐候性、耐磨
耗性等が不充分で、耐久性が悪かったり、加水分解し易
かったりする等の問題が惹起されるのである。
【0007】このように、従来の蛍光材料或いは蓄光性
蛍光材料を用いた樹脂系の蛍光性人工骨材では、道路用
骨材、建材用骨材乃至は船舶用骨材として要求される諸
特性を、同時に、また充分に満足させることが出来なか
ったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、骨材の母材として樹脂を用いる代わりに、光の透過
度、特に紫外線の透過度の高い無機材料を用い、これと
蛍光体及び/又は蓄光性蛍光体とを混合した後、得られ
た混合物を溶融、焼結せしめることにより、その用途に
応じて好適に用いられ得る優れた性能を有すると共に、
発光度が高く、しかも耐候性、耐磨耗性等の耐久性が優
れている、道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨
材を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明者等は、かかる技術的課題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、可視光線及び紫
外線の透過率が高く、連続相を成すセラミックス母材中
に、所定割合の無機質蛍光体及び/又は蓄光性蛍光体を
分散、含有せしめてなる骨材であって、緻密な構造を有
するものが、発光度が高く、耐候性、耐磨耗性等の耐久
性が優れている道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人
工骨材として適性であることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明は、連続相を成す透光度
の高いセラミックス母材中に、無機質蛍光体及び/又は
蓄光性無機質蛍光体の結晶粒等の粒子を分散、含有せし
めてなる粒状体にて構成され、且つ該粒状体における前
記無機質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体の含有量
が3〜50重量%であると共に、吸水率が4.0%以下
とされていることを特徴とする道路、建材乃至は船舶用
蛍光性無機質人工骨材を、その要旨とするものである。
【0011】このように、本発明に従う道路、建材乃至
は船舶用蛍光性無機質人工骨材にあっては、母材として
セラミックス材料が採用されており、それに対して無機
質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体が分散、含有せ
しめられているところから、そのままでは加水分解され
易く、酸化され易い無機質蛍光体及び蓄光性無機質蛍光
体が、セラミックス材料によって有利に保護されること
となり、以て発光輝度の低下が効果的に抑制され得るこ
ととなるのである。しかも、そのようなセラミックス材
料は、可視光線や紫外線の透過を阻害することのない透
光度の高い材料が用いられているところから、分散、含
有せしめられた無機質蛍光体や蓄光性無機質蛍光体の発
光特性は、効果的に発揮せしめられることとなる。更に
また、本発明に従う道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機
質人工骨材にあっては、その吸水率が4.0%以下とさ
れているが、このように吸水率が低い場合には、気孔率
も低くなり、無機質蛍光体及び蓄光性無機質蛍光体が酸
化されたり、加水分解されたりすることが有利に抑制さ
れることとなり、優れた耐久性が発揮されることとなる
のである。
【0012】また、本発明に従う道路、建材乃至は船舶
用蛍光性無機質人工骨材の好ましい態様の一つによれ
ば、前記粒状体は、前記無機質蛍光体及び/又は蓄光性
無機質蛍光体の粒と前記セラミックス母材とを溶融若し
くは焼成して得られた塊状物または大型チップを粉砕、
篩別して得られた0.5mm以上の大きさのものであっ
て、実質的に0.5mm未満の微粉粒が含まれないよう
にされている。通常、粒子の大きさが小さくなればなる
程、比表面積が増加するのであるが、それによって、セ
ラミックス母材に分散、含有せしめられている無機質蛍
光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体の粒子が、粒状体
(人工骨材)の表面に露出し易くなる。そして、そのよ
うに粒状体の表面に露出した蛍光体は、容易に酸化され
たり、加水分解されたりするところから、発光輝度が著
しく低下することとなる。要するに、0.5mm未満の
微粉粒である粒状体にあっては、その発光輝度が著しく
損なわれるようになるのである。従って、本発明に従う
無機質人工骨材にあっては、それを構成する粒状体が
0.5mm以上の大きさとされ、粒状体に0.5mm未
満の微粉粒が含まれないようにされていることにより、
発光輝度の低下した骨材粒子が効果的に低減せしめられ
得て、優れた発光特性が発揮されることとなるのであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、このような本発明に従
う道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材は、そ
れぞれ適当な大きさの粒子とした無機質セラミックス母
材と、無機質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体とを
混合したものを、溶融、焼成することにより得られるも
のであるが、その内、無機質蛍光体或いは蓄光性無機質
蛍光体としては、従来から公知の各種のもの、例えば硫
化物系蛍光体、ハロリン酸塩系蛍光体、リン酸塩系蛍光
体、ケイ酸塩系蛍光体、タングステン酸塩系蛍光体、ア
ルミン酸塩系蛍光体等が、結晶粒の如き微細粒状形態に
おいて用いられることとなる。なお、本発明で言うとこ
ろの無機質蛍光体とは、光源から光線が照射されている
ときのみ蛍光を発するものであって、光線の照射を停止
した後には、全く残光(リン光)を発しないものである
か、殆ど残光を発しないものであり、そのような無機質
蛍光体としては、具体的にハロリン酸カルシウム系蛍光
体、リン酸ストロンチウム・マグネシウム系蛍光体、ア
ルミン酸バリウム・マグネシウム系蛍光体等を挙げるこ
とが出来る。一方、本発明で言うところの蓄光性無機質
蛍光体とは、光源から光線が照射されているときに蛍光
を発するだけでなく、光線の照射を停止した後にも残光
(リン光)を発するものであり、そのような蓄光性無機
質蛍光体としては、具体的に、硫化亜鉛系蛍光体、アル
ミン酸ストロンチウム系蛍光体、アルミン酸カルシウム
系蛍光体、アルミン酸バリウム系蛍光体等を挙げること
が出来る。
【0014】そして、このような無機質蛍光体や蓄光性
無機質蛍光体としては、高温において安定であると共
に、耐酸化性の良好であるものが採用されることが望ま
しい。何故なら、本発明に従う人工骨材は高温にて焼成
されて得られるものであるところから、焼成時に分解す
ることがないようにしなければならないからである。そ
して、これらの無機質蛍光体或いは蓄光性無機質蛍光体
は、それぞれを単味で用いても、又それらを組み合わせ
て用いても、何等差支えないのである。例えば、蓄光性
無機質蛍光体と無機質蛍光体とを組み合わせることによ
り、蛍光及びリン光の発光輝度がより高く、しかもリン
光の発光時間が長い無機質骨材を得ることも可能とな
る。
【0015】また、前記無機質蛍光体及び蓄光性無機質
蛍光体には、必要に応じて賦活剤や共賦活剤が添加され
ていてもよい。これら賦活剤や共賦活剤は、発光輝度や
発光波長等の蛍光体の発光特性を変えるために添加され
るものである。そして、そのような賦活剤の具体例とし
ては、ユウロピウム、マンガン、バリウム、スズ、カル
シウム等を挙げることが出来る。
【0016】一方、本発明において用いられる無機質の
セラミックス母材は、得られる無機質人工骨材の主要な
構成成分を成すと共に、前記無機質蛍光体及び/又は蓄
光性無機質蛍光体を保護する作用を有するものであり、
そのようなセラミックス母材としては、従来から公知の
各種のものが用いられ得るが、低い温度で溶融し得るも
のが好んで採用され、一般には1000℃以下、好まし
くは900℃以下の融点の低いセラミックス母材が採用
されることが、望ましいのである。けだし、通常、蛍光
体は、1300℃の高温で焼成されるアルミン酸塩系蛍
光体やケイ酸塩系蛍光体を除くと、800〜1200℃
程度で焼成して得られる焼成品からなることが多く、こ
の焼成温度に到達する前にセラミックス母材が溶融し
て、蛍光体を包む保護層が形成されるべきであるからで
ある。
【0017】また、セラミックス母材が、酸化鉛(Pb
O)等の重金属酸化物類や、Fe、Cr、Ni、Co、
Cu等の遷移金属類を含有している場合には、前記賦活
剤や共賦活剤の作用に悪影響を及ぼして、その結果、蛍
光体の蛍光特性を低下させたり、また変色を惹起せしめ
たりするところから、不純物として含有されるとして
も、最小限とされることが重要である。
【0018】そして、これらの低融点セラミックス母材
は、通常、セラミックス母材に耐火性を付与する耐火性
原料と、得られるセラミックス母材の融点を低下させる
弱火性原料とから構成され、その内、耐火性原料として
は、珪石、珪砂等のSiO2と少量のアルミナ(Al2
3 )を用いればよく、アルミナの添加量は10%以下
とされることが好ましい。また、弱火性原料としては、
Li2 O、Na2 O、K2 O等のアルカリ金属酸化物、
CaO、MgO、SrO等のアルカリ土類金属酸化物、
ZnO、又はB2 3 等を主として用いることが出来
る。より詳細には、前記B2 3 としては、ホウ酸、ホ
ウ砂を用いることが出来、またアルカリ金属酸化物とし
ては、炭酸リチウム、ソーダ灰、チリ硝石、硝石、炭酸
カリウム、長石群を用いることが出来る。更に、アルカ
リ土類金属酸化物としては石灰石、炭酸マグネシウム、
マグネシア、炭酸ストロンチウム等を用いることが出
来、更にまた、ZnOとしては亜鉛華等を用いることが
出来る。なお、セラミックス母材の原料は、上記で例示
したものに何等限定されるものではなく、各種の原料が
使用出来ることは、勿論である。そして、それら諸原料
を粉砕、混合した後に、溶融せしめて、均一なガラス状
セラミックス或いはフリット状セラミックスとするので
ある。
【0019】また、前記セラミックス母材には、無機質
蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体の発光特性を阻害
することがないように、高い光透過性が要求されるとこ
ろから、セラミックス母材は少なくとも半透明とされる
ことが望ましい。一方、TiO2 、ZrO2 、SnO2
等の乳白材料は、その含有量が高くなると、得られるセ
ラミックス母材の光の透過度を低下させるところから、
多くても5重量%以下となるように管理されることが望
ましく、又Al2 3 も多量に入ると、透光度を低下さ
せ、蛍光骨材の発光性を低下せしめるので、10重量%
より少なく添加されることが好ましい。
【0020】そして、上記の如きセラミックス母材は、
粉砕等の適当な手段を用いて粒度を調えた後、同じく発
光特性が良好となるような適正な粒度に粉砕された蛍光
体と混合され、得られた混合物は、そのままで、或いは
造粒成形した後に、セラミックス母材の溶融点前後の温
度で焼成されることにより、蛍光性無機質人工骨材が得
られるのである。
【0021】なお、得られる蛍光性無機質人工骨材中の
無機質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体の含有量
は、目的とする骨材に高い発光輝度、機械特性、耐久
性、耐薬品性を付与せしめるためには、3〜50重量
%、好ましくは5〜35重量%となるようにする。けだ
し、蛍光体の含有量が3重量%より少ない場合には、所
期の発光輝度が得られないからであり、また蛍光体の含
有量が50重量%より多い場合には、発光輝度が飽和に
達して、それ以上に発光輝度が増加することがなく、不
経済となることに加えて、蛍光体を包み込んで保護層を
形成するセラミックス母材の絶対量が不足するところか
ら、水、光、或いは酸素等の外部環境要因により、蛍光
体が酸化分解、加水分解され易くなり、結果として発光
輝度を低下させたり、耐久性を低下させたりし易くなる
からである。
【0022】また、焼成温度は、蛍光体が分解する前
に、蛍光体にセラミックス母材による保護層が形成され
るべきであるところから、一般に、750〜900℃の
範囲内であることが望ましく、かかる範囲内の温度にお
いて、適正な発光輝度を有すると共に、適当な吸水率と
なるように、適宜に管理されることとなる。
【0023】そして、そのような焼成操作によって得ら
れる、本発明に従う蛍光性無機質人工骨材の吸水率は、
4.0%以下、好ましくは2.0%以下とされるのであ
る。けだし、吸水率が4.0%より高い場合には、骨材
の耐久性が低下し始めるので、好ましくないからであ
る。
【0024】さらに、焼成時の雰囲気は、得られる蛍光
性無機質人工骨材の発光特性を損なわないように、適宜
に選択され得るものであり、例えば蛍光体にセラミック
ス母材による保護層がうまく形成される場合には、酸素
の存在する通常の雰囲気、例えば大気中で焼成されて
も、何等差支えないが、得られる蛍光性無機質人工骨材
の緻密度を上げて、発光輝度の低下を防ぐためには、窒
素、アルゴン等の不活性雰囲気中で、或いはこれに少量
の水素を含有せしめた弱還元性雰囲気中で焼成されるこ
とが、望ましいのである。
【0025】ところで、本発明に従う蛍光性無機質人工
骨材を得る際には、蛍光体とセラミックス母材とを混合
したものを、所与の粒度に造粒してから焼成する方法、
或いは前記得られた混合物を溶融した後に、オリフィス
等より、吐出、切断して、所与の粒度に造粒してから成
形する方法等を採用することが望ましい。けだし、得ら
れる蛍光性無機質人工骨材の表面がセラミックス母材に
て被覆されるために、含有されている蛍光体と外部とが
隔絶されることとなり、以て加水分解、酸化分解が惹起
され難く、耐久性が非常に向上せしめられ得ると共に、
蛍光やリン光の発光輝度の低下も少なくなるからであ
る。
【0026】一方、蛍光体とセラミックス母材とを混合
した後、溶融、焼成し、そして冷却した塊状物或いは大
型チップを粉砕、篩別して、所与の粒度の骨材を得る方
法にあっては、粉砕時の破断面において蛍光体が露出す
るために、蛍光体の含有量が多い程、加水分解、酸化分
解等が惹起され易い。特に、粒度が細かくなるに従っ
て、比表面積が増大する為に、この傾向が顕著となるの
である。また、蛍光体の(結晶)粒径は5〜20μm程
度であり、それを下回る小粒径の微粉粒では、そのリン
光輝度が極端に低下するのである。
【0027】従って、粒度の小さ過ぎる微粉粒は、その
発光輝度が低下するところから、篩別等により除去され
ることが望ましい。より具体的には、例えば、蛍光性無
機質人工骨材の粒状体が、前記塊状物または大型チップ
を粉砕して得られたものである場合には、1.5mm未
満の微粉粒では、発光輝度が1/5程度に低下し、また
0.5mm未満の微粉粒では、発光輝度が1/15程度
に低下するところから、骨材としては、0.5mm未満
の微粉粒、好ましくは1.5mm未満の微粉粒が除去さ
れることが望ましいのである。
【0028】そして、このようにして得られた道路、建
材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材は、従来の骨材と
同様にして、各種の用途に有利に使用され得るものであ
る。例えば、道路用骨材として、センターライン、路側
帯、交差点、停止ライン、横断歩道、通学路表示、交差
点・曲り角・坂道のスリップ防止帯、方向指示誘導表示
等の現場施工に使用したり、また、そのような蛍光性無
機質人工骨材を用いて、ラインや表示等の模様が表面に
添着されたフレキシブルな布帛、フィルム、不織布等を
予め作製しておき、それを、現場で貼り付けて、使用し
たりする等の各種の用途に使用され得るのである。ま
た、床面、壁面等の建設用材料として、夜間において光
の届かない場所に使用したり、建屋内、地下道、或いは
鉄道ホーム等で使用したり、人工石材やテラゾー等の骨
材に混合して使用したり、タイル塗装材や吹付塗装材へ
混合して使用したり、或いは階段ステップ、スリップ防
止用モルタル板、テラゾー等へ部分的に使用したり、盲
人誘導板へ混合して使用したりする等の用途にも使用さ
れ得、更には、その発光効果によって、美術的価値の創
造にも利用され得るのである。更に、船舶用骨材とし
て、船舶内の床面、壁面や非常口、脱出口等にも使用さ
れ得る。このように、本発明に従う道路、建材乃至は船
舶用蛍光性無機質人工骨材にあっては、一般的な誘導の
みに用いられるだけではなく、緊急時の避難誘導等の用
途にも利用することが可能となるのである。
【0029】なお、本発明に従う蛍光性無機質人工骨材
或いは蓄光性を有する蛍光性無機質人工骨材は、それぞ
れ単味で若しくは組み合わせて使用され得るものである
が、それだけに限らず、従来の天然骨材、白色人工骨
材、着色人工骨材、または滑り止め人工骨材等と種々の
混合割合で使用され得ることは、言うまでもないことで
ある。また、本発明に従う蛍光性無機質人工骨材は、そ
れが使用される際には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、或いはアクリル樹脂等の各種樹脂やアスファ
ルト等の有機バインダ、又はセメント等の無機バインダ
により結合せしめられて、道路舗装床面等に適用される
のである。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0031】実施例 1 先ず、下記表1に示される組成を与える原材料を用意
し、それを溶融せしめた後、冷却固化して得られる固形
物を粉砕して、セラミックス母材:A〜Fを製造した。
また、このようにして得られた各セラミックス母材の色
相を、下記表1に併せ示した。なお、この表1に示され
る組成は、溶融後の組成である。また、セラミックス母
材には、蓄光性無機質蛍光体の発光輝度を低下させた
り、変色の原因となる、鉄、コバルト、ニッケル等の遷
移金属やPbO等の重金属の酸化物が0.1重量%以下
しか含まれないようにした。
【0032】
【表1】
【0033】一方、蓄光性無機質蛍光体として、長期残
光特性を有するアルミン酸ストロンチウム(SrAl2
4 )に対して、賦活剤としてのユウロピウム(Eu)
を混合してなる蛍光体であって、発光特性が損なわれな
いような適正な粒径としたものを用意した。
【0034】次いで、前記で得られた各セラミックス母
材の70重量%に対して、該蓄光性無機質蛍光体の30
重量%を混合したものを、820℃の温度条件下におい
て、30分間焼成した後、焼成炉内で放冷して、各種無
機質人工骨材を得た。そして、それらの色相、物性、ウ
ェザリング処理前とウェザリング処理後のリン光輝度、
及び加水分解性の各特性について調べ、その結果を、下
記表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】なお、かかる表2中、吸水率(%)、見掛
比重(g/cm3 )、嵩比重(g/cm3 )、見掛気孔
率(%)で示される物性については、JIS−A111
0に準拠して測定した。また、リン光輝度については、
試料の水平面に対して鉛直方向に設置された測定用光源
から光線を4分間照射した後、照射終了直後のリン光輝
度及び照射終了から2分後のリン光輝度を、試料の上方
45°方向の所定位置に配置された受光器によって測定
した(図1参照)。なお、照射条件としては、使用光
源:ハロゲンランプ、照度:1000ルクス、照射時
間:4分間を採用した。また、ウェザリング処理は、J
IS−A1415に記載されている「促進暴露試験法W
V形」に準拠して行ない、処理時間は500時間とし
た。更に、加水分解性は、蛍光性無機質人工骨材を2時
間、沸騰水中において処理した後の白化度を観察するこ
とにより、評価した。
【0037】この表2に示される結果から明らかなよう
に、各蛍光性無機質人工骨材の特性は、用いたセラミッ
クス母材の素材特性によって、大幅に変動することが明
らかとなった。即ち、SiO2 、B2 3 、アルカリ金
属酸化物を主体としたホウケイ酸ソーダセラミックスを
用いた場合において、得られる蛍光性無機質人工骨材の
特性が良好となるのである。なお、そのようなセラミッ
クス母材の中でも、B 2 3 が20〜30重量%程度、
アルカリ金属酸化物が、総量で、10〜20重量%程度
とされたものは、融点が800℃前後となるところか
ら、好ましいのである。
【0038】また、2価のアルカリ土類金属酸化物は、
弱火性原料として好ましいものであるが、本発明例3に
用いられたセラミックス母材:Cのように、CaOの含
有量が12.12重量%と、多くなり過ぎると、得られ
た蛍光性無機質人工骨材のリン光輝度が約半分程度まで
低下し、又、発光色が緑黄色から橙色に変色した。従っ
て、アルカリ土類金属の含有量が10.0重量%より多
いセラミックス母材は余り好ましくないのである。
【0039】さらに、セラミックス母材:Dのように、
チタニア(TiO2 )、ジルコニア(ZrO2 )、酸化
錫(SnO2 )等の乳白材料が大量に入ったセラミック
ス母材は、白色不透明化して、その結果、本発明例4の
蛍光性無機質人工骨材の如く、その発光性能(リン光輝
度)を極端に低下させるのである。従って、セラミック
ス母材中のチタニア、ジルコニア、酸化錫等の乳白材料
の含有量は10重量%以下、好ましくは5重量%以下と
されることが望ましいのである。
【0040】更にまた、耐火性原料としては、ケイ酸
(SiO2 )やアルミナ(Al2 3)を主体とするこ
とが出来るが、アルミナの含有量が多過ぎると、耐火度
が上昇し過ぎて、充分な焼結が得られず、白化不透明化
が進行する。従って、このようなセラミックス母材を用
いて得られる本発明例5や比較例1の蛍光性無機質人工
骨材にあっては、その発光特性が低下すると共に、吸水
率が上昇するために、機械的物性、耐久性も低下し、含
有されている蓄光性無機質蛍光体の加水分解性も上昇し
て、ウェザリング処理後のリン光輝度は、ウェザリング
処理前に比べて、低下することとなるのである。
【0041】更に、アルミナの含有量が22.88重量
%と、極端に多いセラミックス母材:Fにあっては、弱
火性原料としての酸化ナトリウム(Na2 O)及びリン
酸(P2 5 )が極端に多くても充分な焼結が得られ
ず、不透明白化しているのであり、その結果、それを用
いて得られる蛍光性無機質人工骨材(比較例1)にあっ
ては、吸水率が約4.3%であり、多孔質化しているの
であり、発光特性(リン光輝度)が極端に低下すると共
に、耐候性試験後の発光特性の低下も著しく、加水分解
もされ易い。
【0042】実施例 2 前記実施例1と同様にして、アルミン酸ストロンチウム
に対して、賦活剤としてのユウロピウムを添加してなる
蓄光性無機質蛍光体の30重量%と、前記実施例1で製
造したセラミックス母材:Aの70重量%とを、粉末状
態で混合した後に、下記表3に示される焼成温度条件に
て焼成して、各種蛍光性無機質人工骨材を得た。そし
て、それらの各特性について、実施例1と同様にして調
べ、その結果を、下記表3に併せ示した。
【0043】
【表3】
【0044】そして、この表3に示された結果から明ら
かなように、セラミックス母材:Aを用いて、蛍光性無
機質人工骨材を製造する場合には、焼成温度:800℃
の条件では、吸水率が5%以上となり、見掛気孔率も1
4.6%と高く、従ってリン光輝度が他の焼成温度条件
のものと比較して低下した。この理由として、焼成温度
が低いために、分散、含有せしめられている蓄光性無機
質蛍光体の表面に充分な保護層が形成され得ない為では
ないかと考えられる。また、800℃の温度条件下で焼
成して得られた蛍光性無機質人工骨材(比較例2)で
は、沸騰水による白化が顕著であり、加水分解性が大き
く、酸化分解、加水分解等の環境要因による発光輝度の
低下が予想されるのである。
【0045】また、820℃以上の温度条件下で焼成し
て得られた蛍光性無機質人工骨材(本発明例1及び本発
明例6)では、吸水率が0.35%〜0.36%であ
り、気孔率も1.0%以下と緻密な構造のセラミックス
が得ることが出来たのであり、骨材としての機械的物
性、体磨耗性、耐久性を向上させることが出来、リン光
輝度も大きかった。又、得られた蛍光性無機質人工骨材
は加水分解され難く、耐酸化性等も良好であった。
【0046】但し、850℃の温度条件下において焼成
して得られた蛍光性無機質人工骨材(本発明例6)で
は、確かに、骨材の緻密性は向上するものの、焼成温度
条件がやや高過ぎて、焼成過程における蛍光体の酸化分
解が進行して、発光輝度がやや低下していることが認め
られる。
【0047】従って、蛍光性無機質人工骨材を得る際の
焼成温度条件としては、得られる骨材の吸水率が4.0
%以下、好ましくは2%以下になるような条件が採用さ
れるのである。また、高温の温度条件下で焼成する場合
には、蛍光体の酸化分解により発光輝度が低下しないよ
うに、好適なセラミックス母材を用いると共に、焼成時
の雰囲気を管理することが望ましいのである。
【0048】実施例 3 前記実施例1と同様にして、前記実施例1で製造したセ
ラミックス母材:Aに対して、アルミン酸ストロンチウ
ムと賦活剤としてのユウロピウムからなる蓄光性無機質
蛍光体を、下記表4に示される含有量となるように混合
せしめ、そしてその得られた混合物を、820℃の温度
条件下において、30分間焼成することにより、目的と
する蛍光性無機質人工骨材を得た。そして、得られた蛍
光性無機質人工骨材の特性について、実施例1と同様に
して調べ、その結果を、下記表4に併せ示した。
【0049】
【表4】
【0050】この表4に示された結果から明らかなよう
に、蛍光体の含有量が増加するに従って、骨材のリン光
輝度は増加するものの、かかる含有量が50重量%を越
えると、逆に、リン光輝度は低下することが認められ
る。この理由としては、蛍光体の含有量が多くなるに従
って、蛍光体に対するセラミックス母材の相対量が減少
して、セラミックス母材によって蛍光体を被覆すること
が困難となるところから、吸水率、見掛気孔率が上昇し
て、骨材の緻密な構造が失われる為であると考えられ
る。
【0051】また、蛍光体の含有量が50重量%を越え
ると、急激に吸水率、見掛気孔率が上昇することとなる
ところから、加水分解性も上昇する。これは、蛍光体の
含有量が50重量%を上回ると、通常、蛍光体の周りを
セラミックス母材が包むことにより、形成されているセ
ラミックス保護層が、次第に形成され難くなるために、
焼成過程において蛍光体が酸化分解するからである。な
お、このように吸水率及び見掛気孔率の高い蛍光性無機
質人工骨材は、使用中における酸化分解や加水分解も進
行し易くなるところから、使用中に、リン光輝度や機械
的特性が劣化することが予想されるのである。
【0052】実施例 4 先ず、前記実施例1と同様にして、アルミン酸ストロン
チウムと賦活剤としてのユウロピウムとからなる蓄光性
無機質蛍光体の30重量%と、前記実施例1で製造した
セラミックス母材:Aの70重量%とを混合して得られ
た混合物を、賦形、造粒した後、焼成して、6号粒の人
工骨材の造粒品を作製した。一方、前記蓄光性無機質蛍
光体とセラミックス母材との混合物を溶融させた後、冷
却せしめ、そして得られた塊状物を粉砕することによっ
て、各粒度の人工骨材の粉砕品を作製した。そして、こ
れら得られた造粒品或いは粉砕品について、リン光輝度
を測定して、その結果を、下記表5に示した。また、そ
れらの粒径範囲も、下記表5に、併せ示した。
【0053】
【表5】
【0054】この表5に示されるように、粉砕品は、造
粒品と比べて、リン光輝度がやや劣る傾向となった。し
かも、粉砕品は、その粒度が細かくなるに従って、リン
光輝度が低下する傾向を示した。より詳細には、1.5
mmアンダーや0.5mmアンダーの粉砕品、特に0.
5mmアンダーの粉砕品では、著しく、リン光輝度が低
下しており、具体的には1.5mmアンダーの微粉で
は、リン光輝度が約1/5程度に低下し、また0.5m
mアンダーの微粉では、約1/15程度迄低下すること
が明らかとなったのである。
【0055】実施例 5 本実施例では、本発明に従う道路、建材乃至は船舶用蛍
光性無機質人工骨材を用いて、ニート工法に従って、実
際に、道路交差点の停止ラインを形成した例を示す。
【0056】先ず、蛍光体としては、下記に示す蓄光性
無機質蛍光体と無機質蛍光体の2種類を用意し、それら
の30重量%に対して、それぞれ前記実施例1で製造し
たセラミックス母材:Aの70重量%を混合せしめて混
合物を得た。 蛍光成分 賦活剤 蓄光性無機質蛍光体 SrAl2 4 Eu 無機質蛍光体 3(BaMg)O・8Al2 3 Eu,Mn
【0057】次いで、この得られた混合物を、850℃
の温度条件下で、30分間焼成した後、炉内で放冷し
て、2種類の蛍光性無機質人工骨材を作製した。なお、
本実施例では、蓄光性無機質蛍光体を含んでなる蛍光性
無機質人工骨材を蓄光性蛍光骨材と言う一方、無機質蛍
光体を含んでなる蛍光性無機質人工骨材を蛍光骨材と言
うこととする。
【0058】そして、上記で得られた蓄光性蛍光骨材或
いは蛍光骨材のそれぞれを、粉砕、篩別することによ
り、粒度が3.3〜2.0mmのA1 粒を作製した。こ
の得られた2種類の骨材のA1 粒を、下記表6に示され
るように、単味で、若しくは組み合わせて用いて、ニー
ト工法に従って、3種類の停止ラインを形成した。な
お、バインダ樹脂としては、メチルメタクリレート(M
MA)系樹脂を用い、使用量は1m2 当たり1.5kg
とした。また、総骨材使用量は、1m2 当たり6kgと
なるようにした。
【0059】
【表6】
【0060】上記で形成された停止ラインの蛍光発光性
及びリン光発光性についてそれぞれ評価して、その結果
を、前記表6に併せ示した。なお、蛍光発光性は、夜
間、停止ラインから10m離れた場所から自動車のヘッ
ドライトを照射して、その発光性を肉眼で判定し、また
リン光発光性は、夜間、停止ラインから10m離れた場
所から自動車のヘッドライトを4分間照射した後に消灯
し、そしてその消灯2分後に、肉眼で判定した。また、
評価は、◎:優れた発光性を示す、○:良好な発光性を
示す、△:発光性が認められる、とした。
【0061】かかる表6に示される結果より明らかなよ
うに、蛍光骨材のみを用いて形成された停止ラインは、
優れた蛍光発光性を発揮したが、リン光発光性を発揮し
なかった。また、蓄光性蛍光骨材のみを用いて形成され
た停止ラインは、蛍光骨材のみを用いて形成された停止
ラインと比べて劣るものの、良好な蛍光発光性を発揮
し、且つ優れたリン光発光性を発揮した。更に、蛍光骨
材と蓄光性蛍光骨材を1:1の比率で用いて形成された
停止ラインは、優れた蛍光発光性を発揮し、また良好な
リン光発光性を発揮した。要するに、蛍光骨材と蓄光性
蛍光骨材を組み合わせて用いて形成された停止ライン
は、照射時においても、消灯時においても、良好な発光
特性を発揮するのであり、以て停止ラインの視認性が著
しく向上せしめられることが理解されるのである。
【0062】なお、ここで使用される骨材は、本実施例
の如く、蛍光骨材と蓄光性蛍光骨材とを組み合わせたも
のに限定されるわけではなく、従来から公知の各種の天
然骨材、人工骨材等と種々の混合率において混合されて
用いられ得ることは、言うまでもないところである。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材に
あっては、蛍光やリン光による発光輝度が高く、しかも
骨材として緻密な構造を有しており、機械的強度、耐磨
耗性、或いは耐候性等が極めて良好であって、優れた耐
久性能を有するところから、蛍光特性の劣化が効果的に
抑制され得るのであり、以て道路用骨材、建材用骨材乃
至は船舶用骨材として有利に用いられ得るのである。
【0064】また、このような本発明に従う道路、建材
乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材にあっては、それを
構成している粒状体が0.5mm未満の微粉粒を含まな
いようにされることにより、より一層、優れた発光特性
を発揮し、発光輝度の劣化が効果的に抑制され得ること
となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた蛍光性無機質人工骨材のリン
光輝度を測定する装置の概略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 11/63 CPM C04B 35/60 A (72)発明者 塚田 豊彦 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 成瀬 剛 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 審査官 松浦 久夫 (56)参考文献 特開 平7−291689(JP,A) 特開 平8−208286(JP,A) 特開 昭63−308101(JP,A) 実開 昭62−89307(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 5/04 E01C 7/08 - 7/30 C04B 14/02 C04B 14/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火性を付与する耐火性原料と融点を低
    下させる弱火性原料とから構成された、融点が1000
    ℃以下の、ガラス状若しくはフリット状セラミックス母
    材と、無機質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光体の粒
    子との混合物を、溶融乃至は焼成することにより、連続
    相を成す透光度の高いセラミックス母材中に該蛍光
    分散、含有せしめられてなる粒状体にて構成さ
    れ、且つ該粒状体における前記無機質蛍光体及び/又は
    蓄光性無機質蛍光体の含有量が3〜50重量%であると
    共に、吸水率が4.0%以下とされていることを特徴と
    する道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材。
  2. 【請求項2】 前記粒状体が、前記無機質蛍光体及び/
    又は蓄光性無機質蛍光体の粒と前記セラミックス母材と
    を溶融若しくは焼成して得られた塊状物または大型チッ
    プを粉砕、篩別して得られ0.5mm以上の大きさの
    ものからなることを特徴とする請求項1記載の道路、建
    材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス母材にて骨材表面が被
    覆され、前記含有せしめられている無機質蛍光体及び/
    又は蓄光性無機質蛍光体が外部から隔絶されていること
    を特徴とする請求項1記載の道路、建材乃至は船舶用蛍
    光性無機質人工骨材。
  4. 【請求項4】 前記耐火性原料として、SiO 2 とAl
    2 3 が用いられ、且つAl 2 3 の含有量が10重量
    %以下とされる請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材。
  5. 【請求項5】 前記弱火性原料として、アルカリ金属酸
    化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、又はB 2 3
    が用いられ、且つアルカリ土類金属酸化物の含有量が1
    0重量%以下とされる請求項1乃至請求項4の何れかに
    記載の道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材。
  6. 【請求項6】 耐火性を付与する耐火性原料と融点を低
    下させる弱火性原料とから構成された、融点が1000
    ℃以下の、ガラス状若しくはフリット状セラミックス母
    材に対して、無機質蛍光体及び/又は蓄光性無機質蛍光
    体の粒子を、3〜50重量%の含有量となるように混合
    せしめて、750〜900℃の範囲内の温度で溶融乃至
    は焼成することにより、連続相を成す透光度の高い該セ
    ラミックス 母材中に、該無機質蛍光体及び/又は蓄光性
    無機質蛍光体粒子が分散、含有せしめられた、吸水率が
    4.0%以下の粒状体となすことを特徴とする道路、建
    材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材の製造方法。
JP25653496A 1996-09-27 1996-09-27 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材 Expired - Fee Related JP3247299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25653496A JP3247299B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25653496A JP3247299B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10102409A JPH10102409A (ja) 1998-04-21
JP3247299B2 true JP3247299B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=17293969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25653496A Expired - Fee Related JP3247299B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3247299B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019022959A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 太平洋セメント株式会社 蛍光コンクリート部材およびその製造方法
JP2019137574A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 太平洋セメント株式会社 ガラス被覆蛍光骨材およびその製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292588A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Kyocera Corp 残光性ジルコニアセラミックス及びその製造方法
WO2008149442A1 (ja) * 2007-06-07 2008-12-11 Itakura, Masako 長残光蛍光体および長残光蛍光物
WO2010053197A1 (ja) * 2008-11-10 2010-05-14 信越化学工業株式会社 多孔質蓄光蛍光体セラミックス
JP5517035B2 (ja) * 2009-07-16 2014-06-11 長崎県 蓄光性複合材
US9284485B2 (en) * 2012-11-07 2016-03-15 Rolex Sa Persistent phosphorescent composite material
CN112441817B (zh) * 2019-08-29 2023-12-29 深圳市绎立锐光科技开发有限公司 荧光陶瓷及其制备方法、光源装置
CN116217260B (zh) * 2022-12-06 2024-04-19 四川省交通建设集团有限责任公司 一种自发光陶粒、制备方法及含有其的自发光型超薄磨耗层

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019022959A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 太平洋セメント株式会社 蛍光コンクリート部材およびその製造方法
JP2019137574A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 太平洋セメント株式会社 ガラス被覆蛍光骨材およびその製造方法
JP7009712B2 (ja) 2018-02-08 2022-01-26 太平洋セメント株式会社 ガラス被覆蛍光骨材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10102409A (ja) 1998-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3311254B2 (ja) 蓄光性蛍光特性を有する無機質人工セラミックス粒状製品及びその製造方法
US6005024A (en) Phosphorescent epoxy overlay
ES2617748T3 (es) Membrana asfáltica con gránulos que contienen mullita
US5271754A (en) Process for producing fluorescent or phosphorescent pigments coated with glass
JP3247299B2 (ja) 道路、建材乃至は船舶用蛍光性無機質人工骨材
PT2609049E (pt) Composições fosforescentes e respetivas aplicações
US20180346806A1 (en) Coloured luminescent pigment, method for the production thereof and uses of same
EP0406278B1 (de) Verfahren zur herstellung von mit einem glas ummantelten fluoreszierenden oder phosphoreszierenden pigmenten
US6500543B2 (en) Artificial stone molded product
JP3580653B2 (ja) 発光表示用路面部材
US1966408A (en) Bonded article and method of bonding the same
WO2017038687A1 (ja) ガラス被覆蓄光材料及びガラス被覆蓄光材料の製造方法
KR102484260B1 (ko) Led 폐유리입자, 축광안료 및 광촉매가 무기결합된 기능성 복합골재를 이용한 보행시인성 향상 및 대기정화기능을 가지는 어스 클린 블록
JPS58173182A (ja) 蓄光性釉薬及び蓄光螢光性陶磁器製品
JP2007284319A (ja) 結晶化ガラス物品及びその製造方法
KR102660103B1 (ko) 투수성을 가진 발광 보도블럭과 그 제조방법
EP0906894B1 (en) Formed artificial stone
JP2000027114A (ja) 蓄光性コンクリートブロック部材及びその製造方法
JP5358079B2 (ja) 蓄光性セラミックスの成形材料組成物、この組成物を用いた蓄光性セラミックス成形体及びその製造方法
JP2003342903A (ja) 応力発光建材
JP7009712B2 (ja) ガラス被覆蛍光骨材およびその製造方法
EP0584067A1 (en) A photo-luminescent calcium silicate material, concrete and gravel material containing it and a method of producing a photo-luminescent calcium silicate material
JP3373731B2 (ja) 発光性骨材及び該発光性骨材の製造方法
JP2000346024A (ja) 発光性ボルト及び発光性製品
JP5517035B2 (ja) 蓄光性複合材

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees