JPH09328193A - 容器ヘッドスペースの消泡方法およびその装置 - Google Patents

容器ヘッドスペースの消泡方法およびその装置

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JPH09328193A
JPH09328193A JP14632196A JP14632196A JPH09328193A JP H09328193 A JPH09328193 A JP H09328193A JP 14632196 A JP14632196 A JP 14632196A JP 14632196 A JP14632196 A JP 14632196A JP H09328193 A JPH09328193 A JP H09328193A
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JP
Japan
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container
cover
head space
side wall
defoaming
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Application number
JP14632196A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Fujii
友幸 藤井
Takashi Shimizu
孝志 清水
Nobuyuki Ueda
信幸 上田
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消泡効率を高めると共に、良好な作業環境を
得る。 【解決手段】 振動板2の外側に配設されたカバー3
を、振動板2の表裏各面2a,2bから放射される超音
波a,bを反射して缶100内のビール101の液面1
01a上方に対して投射する反射曲率面10bを有する
天井カバー10と、この天井カバー10の下方に配設さ
れ振動板2の表裏各面側に位置する2つの側壁カバー1
1,12と、これら両側壁カバー11,12および天井
カバーの前後方に配設され各々が対向する前後壁カバー
15とによって構成し、このうち各側壁カバー11,1
2の下方端縁に容器搬送路上の消泡位置における缶10
0の開口端部を介して互いに対向する延在部11a,1
1bを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール,炭酸飲
料,コーヒー牛乳あるいは乳酸性飲料等の飲料液を容器
内に充填して容器を密封するプロセスで使用して好適な
容器ヘッドスペースの消泡方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、飲料液としてのビールを缶胴内
に充填し、缶蓋によって缶胴を密封するには、フランジ
付きの缶胴内にビールを注入した後、この缶胴のフラン
ジに缶蓋の縁部を重ね合わせて巻き締めすることにより
行われる。この際、缶内の残留空気を巻き込んだ径の比
較的大きな泡と、過飽和の炭酸ガスで発生するクリーム
状の細かい泡とが飲料液面上に存在する。このうち残留
空気を巻き込んだ大きな泡をそのまま缶から除かないで
巻締機に送り込むと、缶蓋と缶胴フランジとの間に泡が
充満して、缶蓋が安定して乗らないこと,ヘッドスペー
スが無いため置換ガスが吹き付けられないことおよび缶
蓋を缶胴フランジに押し付ける工程では泡が巻締機内に
飛散することが起こる。結果として、酸素が缶内に閉じ
込められてビールの味を損ね、また泡の飛散で周囲を汚
染して微生物が発生する。さらに、変敗の原因となる虞
がある。
【0003】一方、缶ビール生産ラインにおいて、充填
機による缶胴内へのビールの充填後には、缶胴内上方部
(容器のヘッドスペース)に相当の泡が発生しているの
が実情である。このため、ビールが充填された缶胴を缶
蓋によって密封する場合には、消泡装置を用いて容器ヘ
ッドスペースの泡を取り除くことが一般的に行われてい
る。
【0004】従来、この種の容器ヘッドスペースの消泡
装置には、例えば特開平7−291395号に開示され
たものが採用されている。これは、容器搬送路の上方に
配設され超音波発振器の発振による振動によって超音波
を放射する振動板と、この振動板の表裏両面側に配設さ
れ放射超音波を反射して容器内の飲料液面上方に投射す
る2つの反射板とを備えたものである。
【0005】このように構成された容器ヘッドスペース
の消泡装置においては、超音波発振器の発振による振動
によって振動板から超音波が放射すると、この放射超音
波が2つの反射板で反射して所定の音波行路を伝播し、
容器搬送路上の容器の開口部付近で合成された状態で容
器内に投射する。このとき、超音波の放射による空気の
振動によって容器内の泡が急激な変形を受けて破壊す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の容器
ヘッドスペースの消泡装置においては、2つの反射板が
振動板の表裏面両側に配設され、かつ容器搬送路上にお
ける容器から離間する上方位置で保持されているため、
両反射板の上方先端部間のみならず両反射板の下方先端
部と容器搬送路上の容器間に空間部が形成されていた。
この結果、振動板によって放射される超音波が空間部か
ら一部漏洩してしまい、消泡効率が低下するばかりか、
作業環境が悪くなるという不都合があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、振動板の振動によって放射される超音波の漏洩
を抑制することができ、もって消泡効率を高めることが
できると共に、良好な作業環境を得ることができる容器
ヘッドスペースの消泡方法およびその装置の提供を目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の容器ヘッドスペースの消泡
方法は、超音波発振器によって振動板を振動させ、この
振動板の振動によって容器搬送路上における容器内飲料
の液面上方に対して超音波を投射することにより容器ヘ
ッドスペースの泡を消去する方法であって、超音波発振
器の発振時間を0.03秒〜0.2秒に設定する構成と
してある。したがって、超音波発振器によって振動板が
振動すると、容器搬送路上における容器のヘッドスペー
スに対して超音波が投射され、ヘッドスペースの泡が消
滅する。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の容
器ヘッドスペースの消泡方法において、上記容器を搬送
速度100cm/秒〜350cm/秒で搬送するとき、
上記振動板の振動数および振幅を各々19000回/秒
〜21000回/秒と30μm〜70μmに設定する構
成としてある。したがって、超音波発振器によって振動
板が振動数および振幅を各々19000回/秒〜210
00回/秒と30μm〜70μmとして振動すると、容
器搬送路上を搬送速度100cm/秒〜350cm/秒
で搬送される容器のヘッドスペースに対して超音波が投
射され、ヘッドスペースの泡が消滅する。
【0010】請求項3記載の発明は、容器内に飲料液を
充填する充填機から容器を密封する巻締機に至る容器搬
送路の上方に配設され超音波発振器による振動によって
超音波を放射する振動板と、この振動板の外側に配設さ
れ容器搬送路に沿って延在するカバーとを備え、このカ
バーを、振動板の表裏各面から放射される超音波を反射
して容器内飲料の液面上方に対して投射する反射曲率面
を有する天井カバーと、この天井カバーの下方に配設さ
れ振動板の表裏各面側に位置する2つの側壁カバーと、
これら両側壁カバーおよび天井カバーの前後方に配設さ
れ各々が互いに対向する前後壁カバーとによって構成
し、このうち各側壁カバーの下方端縁に容器搬送路上の
消泡位置における容器の開口端部を介して互いに対向す
る延在部を設けた構成としてある。したがって、超音波
発振器によって振動板が振動すると、この振動板から放
射される放射超音波がカバー内を伝播して容器搬送路上
における容器のヘッドスペースに対して確実に投射され
る。このとき、容器搬送路上の消泡位置における容器の
開口面が両側壁カバーの延在部先端より上方に位置付け
られるため、放射超音波のカバー外への漏洩が抑制され
る。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の容
器ヘッドスペースの消泡装置において、カバー内に被噴
射物を噴射するノズルを臨ませた構成としてある。した
がって、カバー内への被噴射物の噴射がノズルから被噴
射物を噴射させることにより自動的に行われる。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4記載の容
器ヘッドスペースの消泡装置において、ノズルがカバー
内に洗浄水,熱水・スチームおよび無菌エアーを噴射可
能なノズルである構成としてある。したがって、装置運
転前後におけるカバー内の洗浄および殺菌がノズルから
洗浄水,熱水またはスチームを噴射させることにより自
動的に行なわれる。さらには、ノズルからカバー内に無
菌エアーを送り込むことによりカバー内が陽圧となり、
装置運転中でも外気によるカバー内への微生物の侵入を
阻止してサニタリー性が確保される。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項3記載の容
器ヘッドスペースの消泡装置において、天井カバーが両
側壁カバーのうち一方の側壁カバーに開閉自在に枢支さ
れている構成としてある。したがって、カバー内の保守
・点検が閉状態における天井カバーを開方向に回動して
行われる。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項3記載の容
器ヘッドスペースの消泡装置において、天井カバー,側
壁カバーおよび前後壁カバーのうち少なくとも側壁カバ
ーおよび前後壁カバーが透明板によって形成されている
構成としてある。したがって、カバー外から側壁カバー
および前後壁カバーを通してカバー内の視認が行われ
る。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項3記載の容
器ヘッドスペースの消泡装置において、容器搬送路の側
方に容器の位置を検出して検出信号を出力する位置検出
センサを配設し、この位置検出センサに容器の搬送速度
に応じて超音波発振器の発振時間を可変する演算処理制
御装置を接続した構成としてある。したがって、容器搬
送路上における容器の位置が位置検出センサによって検
出されると、この検出信号が演算処理制御装置に出力さ
れ、超音波発振器が容器の搬送速度に応じて所定の時間
だけ発振する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図3は本発明の実施
の形態を示す断面図と斜視図と側面図である。同図にお
いて、消泡装置は、容器としての缶100内に飲料液と
して例えばビール101を充填する充填機(図示せず)
から缶100を密封する巻締機(図示せず)に至る容器
搬送路の上方に配設されており、超音波発振器1と、振
動板2と、カバー3とで主に構成されている。
【0017】超音波発振器1は、その先端部がカバー3
内に臨むホーン4を有しカバー3外に配設されている。
この超音波発振器1は、容器搬送路上におけるコンベア
5の側方に配設された位置検出センサ21に演算処理制
御装置22,アンプ23を介して接続されている。
【0018】したがって、超音波発振器1は、容器搬送
路に沿って矢印P方向に移動するコンベア5上における
缶100が位置検出センサ21によって検出されると、
この検出信号が演算処理制御装置22に出力され、さら
に演算処理制御装置22からの制御信号がアンプ23に
おいて増幅された後、この増幅信号を受けて発振する。
この超音波発振器1の発振時間は、演算処理制御装置2
2によって缶100の搬送速度すなわちコンベア5の移
動速度に応じて可変される。
【0019】振動板2は、カバー3内のコンベア幅方向
ほぼ中央部に収納され、かつホーン4の先端部にねじ
(図示せず)等によって取り付けられている。この振動
板2は、例えば横寸法および縦寸法が各々350mmと
90mmに設定されると共に、厚さ寸法が1mmに設定
され、かつ横方向および縦方向が各々容器搬送方向と鉛
直方向に一致するアルミ合金からなる矩形板によって形
成されている。
【0020】そして、この振動板2は、超音波発振器1
によって振動し、この振動によって表面2aおよび裏面
2bから超音波がカバー3内に放射される。
【0021】カバー3は、全体が例えば振動非吸収部材
からなり、コンベア5の移動方向に沿って延在し振動板
2の外側に配設されている。このカバー3は、下側に反
った断面視ほぼ弓形の天井カバー10と、この天井カバ
ー10の各下方端縁からコンベア5上の消泡位置におけ
る缶100の開口端部に向かって下る勾配をもつ2つの
側壁カバー11,12と、各々が互いに対向する前後壁
カバー15(前壁カバーについては図示せず)とによっ
て構成されている。
【0022】天井カバー10は、両側壁カバー11,1
2のうち一方の側壁カバー11の上方端縁にヒンジ13
を介して開閉自在に枢支されている。これにより、カバ
ー3内の保守・点検が閉状態における天井カバー10を
図1に矢印mで示す開方向に回動して行われ、保守・点
検終了後には開状態における天井カバー10を同図に矢
印nで示す閉方向に回動して閉状態とする。
【0023】この天井カバー10の反枢支側端部にはカ
バー内外に開口するホーン挿通用窓10aがカバー端縁
を切り欠き形成することにより設けられており、内側面
には図1に一点鎖線で示すように振動板2の表裏各面2
a,2bから放射される超音波a,bを反射してコンベ
ア5上の消泡位置における缶100内のビール101の
液面101a上方(容器ヘッドスペース)に対して投射
する反射曲率面10bが形成されている。この反射曲率
面10bからの超音波の投射によって、容器ヘッドスペ
ースの泡Bが消泡される。
【0024】さらに、天井カバー10のカバー片側部で
あって、少なくともホーン挿通用窓10aの外側開口周
縁には、振動板2の表裏各面2a,2bと平行な扁平面
(図示せず)が形成されており、この扁平面を基準面と
してカバー3に対する超音波発振器1の位置決めが行わ
れる。
【0025】なお、天井カバー10の回動操作は、把手
13に対して矢印m,nで示す方向の回動力を付与する
ことにより行われる。
【0026】側壁カバー11,12は、振動板2の表裏
各面側に位置し天井カバー10の下方に配設されてお
り、全体が透明板によって形成されている。これら側壁
カバー11,12を通して、カバー3外からカバー3内
の視認が行われる。
【0027】各側壁カバー11,12の下方端縁には、
コンベア5上の消泡位置における缶100の開口端部を
介して対向する延在部11a,12aが一体に垂設され
ている。これにより、カバー3の下方端部は断面視ほぼ
漏斗状に形成されて、コンベア5上の消泡位置における
容器100の開口面100aは延在部11a,12aの
先端より上方に位置付けられることになり、振動板2の
表裏各面2a,2bから放射される超音波a,bのカバ
ー3外への漏洩が抑制される。
【0028】各側壁カバー11,12(カバー3)内に
はノズル21が臨み、電動弁22の開閉によってノズル
21からの洗浄水および熱水またはスチームの噴射を制
御してカバー3内の洗浄および殺菌が自動的に行われ
る。
【0029】前後壁カバー15は、天井カバー10およ
び各側壁カバー11,12の前後方に配設されており、
全体が透明板によって形成されている。
【0030】このように構成された容器ヘッドスペース
の消泡装置においては、超音波発振器1の発振によって
振動板2が振動し、この振動板2の振動によって超音波
a,bが放射される。一方、ビール101が泡立った缶
100がコンベア5によって矢印P方向に移動して振動
板2の直下を通過する。このとき、超音波a,bが(超
音波a,bの一部は天井カバー10の反射曲率面10b
で反射して)カバー3内を伝播して缶100内における
ビール101の液面101a上方に到達し、缶100内
の泡Bは消滅する。
【0031】このように、超音波a,bによって泡Bが
消滅する理由は、これら超音波a,bが缶100内にお
けるビール101の液面101aの上方に到達すると、
泡Bが圧力変化を受けて破壊するためである。
【0032】しかし、超音波発振器1による発振が過剰
になると、超音波a,bが缶100内におけるビール1
01の液面101aに到達して液面101aが激しく叩
かれ液面101aの上方に泡Bが発生する。
【0033】そこで、本発明者は、次に示す実験1,2
により、上述した泡の消去および発泡防止が効果的に行
なわれる条件として超音波発振器1の発振時間tが0.
03秒〜0.2秒(0.03≦t≦0.2)の範囲にあ
ることを明らかにした。
【0034】実験1は、透明容器内に350mlのビー
ルを注ぎ、ヘッドスペースの泡の高さhを液面から15
mmとし、超音波発振器の発振時間tを0≦t≦0.2
5の範囲で設定変更し、各発振時間における泡の高さを
測定することにより行った。このとき、透明容器を搬送
速度100cm/秒〜350cm/秒で搬送し、振動板
2の振動数および振幅を各々19500回/秒と60μ
mに設定した。この結果、超音波発振器1の発振時間が
0.2秒以下でも消泡効果(h=12mm)が認められ
たが、発振時間tが0.03秒≦tの範囲で良好な消泡
効果が得られ、望ましくは発振時間tがt≧0.1秒が
良いことが認められた。
【0035】実験2は、透明容器内に泡を立てないよう
に350mlのビールを注ぎ(ヘッドスペースには泡が
無い状態)、超音波発振器1の発振時間tを0≦t≦
0.25の範囲で設定変更し、各発振時間における泡の
高さhを測定することにより行なった。このとき、透明
容器を搬送速度100cm/秒〜350cm/秒で搬送
し、振動板2の振動数および振幅を各々19500回/
秒と60μmに設定した。この結果、発振時間が0.0
2秒までは殆ど発泡に影響しないが、発振時間が0.0
3秒から0.04秒までの範囲では白くなった泡がヘッ
ドスペースの器内周壁に溜る。そして、発振時間が0.
1秒からは表面が白くなって泡が消滅せずに残ってしま
い、発振時間0.2秒以上で急激な泡の発生が認められ
た。
【0036】これら実験1,2より、超音波発振器1の
発振時間による消泡と発泡の関係について図示すると、
図4に示すような結果が得られた。これにより、泡の消
去および発泡防止が共に効果的に行なわれる発振時間t
は、0.03≦t≦0.2の範囲に設定する場合である
ことが理解されよう。
【0037】また、発振時間と発泡の関係を理解するた
めに、次に示す方法による実験(視覚チェック)3を行
った。この実験は、透明容器に泡を立てないように35
0mlのビールを注ぎ(ヘッドスペースには泡が無い状
態)、ヘッドスペースに別途ビールを撹拌して発生させ
た泡を入れる。この結果、発振時間が0.24秒までは
ヘッドスペースの泡のみが消滅するが、発振時間0.2
5秒からは飲料の液面まで超音波が到達するため、逆に
発泡を引き起こすことが認められた。実験3の結果は次
表に示す通りである。
【0038】
【表1】
【0039】実験3の結果より、発振時間が0.24秒
までは発泡が認められないが、実際の生産ラインではビ
ールの充填による泡立ち程度が異なる(泡立ちの少ない
缶もある)ため、発振時間は安全をみて0.2秒以下が
好ましい。
【0040】したがって、発振時間が0.2秒以下の場
合は、連続発振によって消泡を行うが、ビール充填機の
トラブル時あるいは低速運転時において発振時間が0.
2秒以上になる場合には、連続発振を止めてパルス発振
によって消泡を行い、過剰発振による発泡を防止する。
【0041】この場合の制御方法につき、図5を参照し
て説明する。ここで、センサAは、本装置(カバー3)
内には4個の缶が入るため、4個の缶がカバー3内に入
って所定位置を通過する毎に1回のパルス信号を出力す
る。また、センサAのカウンタにワンショット出力のオ
ートリセット型のカウンタBを用いると共に、タイマに
瞬間動作・限時復帰型のタイマーCを用い、カウンタB
のプリセット値を「4」とし、タイマーCの設定値を
0.2秒とする。カウンタBからの信号は4個の缶がカ
バー3内に入って所定位置を通過する毎に1回出力され
る。
【0042】そして、コンベア速度が低い場合には、カ
ウンタBからの出力信号があると、タイマーCの瞬時動
作,限時復帰接点が0.2秒間ONとなり、4個の缶が
カバー3内に入って所定位置を通過するのに要する時間
が0.2秒のパルス発振が行われる。
【0043】一方、コンベア速度が高くなり、4個の缶
がカバー3内に入って所定位置を通過するのに要する時
間が0.2秒以下になると、タイマーCの計時中にカウ
ンタBからの次の信号が出力され、そのまま次の0.2
秒の計時が開始され、結果的に連続発振となる。
【0044】なお、本実施形態においては、飲料液とし
てビールの泡を消去する場合に適用する例を示したが、
本発明はこれに限定されず、例えばコーヒー牛乳,炭酸
飲料あるいは乳酸性飲料等の他の飲料液の泡を消去する
場合にも実施形態と同様に適用できることは勿論であ
る。
【0045】この場合、各飲料液(泡の性質)によって
消泡速度が相違し、また実際の生産ラインにおいては飲
料液の充填時に発生する泡立ちの程度(容器内飲料の液
面からの泡の高さ)も個々の充填バルブにより若干異な
ることから、本装置の発振時間も適宜変更される。
【0046】上記飲料液の違いによる消泡効果は、次表
に示す通りである。実験の方法は、実験1の方法と同様
の方法、すなわち透明容器内に350mlのビールを注
ぎ、ヘッドスペースの泡の高さhを液面から15mmと
し、超音波発振器の発振前と発振後の泡の高さを測定す
ることにより行った。
【0047】
【表2】
【0048】これにより、超音波発振器の発振時間が
0.2秒以下でも消泡効果(h=13mm)が認められ
た。
【0049】また、カバー3として、各側壁カバー1
1,12および延在部11a,12aが有る場合(漏斗
状の側壁カバーが有る場合)と無い場合(漏斗状の側壁
カバーが無い場合)の消泡効果の違いは、実験1の方法
と同様の方法によって実験を行なった結果、次表に示す
通り顕著であることが立証された。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2によれば、容器内飲料の液面上方に対して超音波を
投射することにより容器ヘッドスペースの泡を消去する
方法であって、超音波発振器の発振時間を0.03秒〜
0.2秒に設定するので、ヘッドスペースの泡を効果的
に消去することができると共に、過剰発振による発泡を
確実に防止することができる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、振動板の外
側に配設され容器搬送路に沿って延在するカバーを、振
動板の表裏各面から放射される超音波を反射して容器内
飲料の液面上方に対して投射する反射曲率面を有する天
井カバーと、この天井カバーの下方に配設され振動板の
表裏各面側に位置する2つの側壁カバーと、これら側壁
カバーおよび天井カバーの前後方に配設され各々が互い
に対向する前後壁カバーとによって構成し、このうち各
側壁カバーの下方端縁に容器搬送路上の消泡位置におけ
る容器の開口端部を介して互いに対向する延在部を設け
たので、容器搬送路上の消泡位置における容器の開口面
が両側壁カバーの延在部先端より上方に位置付けられる
こととなる。したがって、振動板から放射される超音波
のカバー外への漏洩を抑制することができるから、消泡
効率を高めることができると共に、良好な作業環境を得
ることができる。
【0053】請求項4および請求項5記載の発明によれ
ば、カバー内にノズルを臨ませたので、ノズルから洗浄
水,熱水またはスチームを噴射させることによりカバー
内の洗浄および殺菌を自動的に行うことができ、サニタ
リー性にすぐれた装置を得ることができる。
【0054】請求項6記載の発明によれば、天井カバー
が両側壁カバーのうち一方の側壁カバーに開閉自在に枢
支されているので、カバー内の保守・点検が天井カバー
を開閉方向に回動して行われることとなり、カバー内の
保守・点検作業の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同じく本発明の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図4】発振時間による消泡と発泡の関係を示す図であ
る。
【図5】(a)および(b)は容器の搬送を高速にした
場合と低速にした場合の制御について説明するために示
す図である。
【符号の説明】
1 超音波発振器 2 振動板 3 カバー 5 コンベア 10 天井カバー 10a ホーン挿通用窓 10b 反射曲率面 11,12 側壁カバー 11a,12a 延在部 15 後壁カバー 100 缶 101 ビール 101a 液面 a,b 超音波

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波発振器によって振動板を振動さ
    せ、 この振動板の振動によって容器搬送路上における容器内
    飲料の液面上方に対して超音波を投射することにより容
    器ヘッドスペースの泡を消去する方法であって、 上記超音波発振器の発振時間を0.03秒〜0.2秒に
    設定することを特徴とする容器ヘッドスペースの消泡方
    法。
  2. 【請求項2】上記容器を搬送速度100cm/秒〜35
    0cm/秒で搬送するとき、 上記振動板の振動数および振幅を各々19000回/秒
    〜21000回/秒と30μm〜70μmに設定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の容器ヘッドスペースの消
    泡方法。
  3. 【請求項3】 容器内に飲料液を充填する充填機から容
    器を密封する巻締機に至る容器搬送路の上方に配設さ
    れ、超音波発振器による振動によって超音波を放射する
    振動板と、 この振動板の外側に配設され、上記容器搬送路に沿って
    延在するカバーとを備え、 このカバーを、 上記振動板の表裏各面から放射される超音波を反射して
    容器内飲料の液面上方に対して投射する反射曲率面を有
    する天井カバーと、 この天井カバーの下方に配設され、上記振動板の表裏各
    面側に位置する2つの側壁カバーと、 これら両側壁カバーおよび上記天井カバーの前後方に配
    設され、各々が互いに対向する前後壁カバーとによって
    構成し、 このうち各側壁カバーの下方端縁に上記容器搬送路上の
    消泡位置における容器の開口端部を介して互いに対向す
    る延在部を設けたことを特徴とする容器ヘッドスペース
    の消泡装置。
  4. 【請求項4】 上記カバー内に被噴射物を噴射するノズ
    ルを臨ませたことを特徴とする請求項3記載の容器ヘッ
    ドスペースの消泡装置。
  5. 【請求項5】 上記ノズルは被噴射物として洗浄水,熱
    水・スチームおよび無菌エアーを噴射可能なノズルによ
    って構成されていることを特徴とする請求項4記載の容
    器ヘッドスペースの消泡装置。
  6. 【請求項6】 上記天井カバーは上記両側壁カバーのう
    ち一方の側壁カバーに開閉自在に枢支されていることを
    特徴とする請求項3記載の容器ヘッドスペースの消泡装
    置。
  7. 【請求項7】 上記天井カバー,上記側壁カバーおよび
    上記前後壁カバーのうち少なくとも側壁カバーおよび前
    後壁カバーは透明板によって形成されていることを特徴
    とする請求項3記載の容器ヘッドスペースの消泡装置。
  8. 【請求項8】 上記容器搬送路の側方に容器の位置を検
    出して検出信号を出力する位置検出センサを配設し、 この位置検出センサに容器の搬送速度に応じて上記超音
    波発振器の発振時間を可変する演算処理制御装置を接続
    したことを特徴とする請求項3記載の容器ヘッドスペー
    スの消泡装置。
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