JP2007153406A - ガス置換密封装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】置換チャンバ10に窒素ガスを供給する不活性ガス供給配管20を置換チャンバ10の内部に配設し、更に不活性ガス供給配管20の外周面で、置換チャンバ10の内部に在る外周面の上半部分に対して多数の噴出孔21を均一に配設し、窒素ガスだけでなく殺菌剤および洗浄水をも供給できるように構成し、同時に、殺菌剤および洗浄水を外部に排出できるように構成する。なお、噴出孔21の総面積S1と不活性ガス供給配管20の断面積S2との間に、S2>3S1という関係を持たせてある。
【選択図】図1
Description
その不活性ガスで置換する方法および装置としては、不活性ガス流による周辺空気の巻き込みを防止するために、容器の開口部をガスチャンバで広く覆いながら底部の吹き出し孔から不活性ガスを容器のヘッドスペースに対して吹き付けて、不活性ガス雰囲気の中で容器のヘッドスペースに不活性ガスを流し込む方法と、それに使用される、いわゆる置換チャンバが知られている(例えば、特許文献1の図4を参照。)。
一方、カップやトレイ等の空の容器、その容器を搬送する搬送装置、その容器の中身となる内容物、その内容物を充填する充填装置、内容物が充填された容器のヘッドスペースに充填される不活性ガス並びにその不活性ガスを供給する置換チャンバ、ヘッドスペースに不活性ガスが充填された容器を封止する蓋材およびそのシール装置、封止された容器を外部へ搬送する装置といった全ての装置、容器および蓋材が、すべて殺菌処理され無菌状態にされた上で、同じく無菌状態にある筐体に収容され、更に筐体内部に不活性ガスを供給し、筐体内部を陽圧状態にしながら運用される無菌充填シール装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。つまり、無菌充填シール装置では、外部の空気や雑菌が入りにくく、内部の無菌状態が長く維持される構造となっている。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、分解・再組立をすることなしに内部を殺菌および洗浄することが可能なメンテナンス性に優れ且つ容器のヘッドスペースに対する不活性ガスの置換効率に優れたガス置換密封装置を提供することを目的とする。
上記ガス置換密封装置では、前記チャンバ内部に殺菌手段が設けられているため、置換チャンバを分解または再組立を行うことなく置換チャンバの内部を殺菌することができるようになる。また、不活性ガスを導入する供給配管が内部に配設され且つ供給配管の外周面に対し複数の噴出孔が配設された構成であるので、その供給配管を介して不活性ガスを流すことにより、置換チャンバの内部に残留する殺菌剤および洗浄水を洗い流し、更に乾燥させることが可能となる。
上記ガス置換密封装置では、殺菌手段を上記構成とすることで、置換チャンバを分解せずに置換チャンバの内周面に殺菌剤を吹き付け、更に洗浄することが出来るようになる。
上記ガス置換密封装置では、不活性ガスを導入する供給配管は置換チャンバの内部に配設され、且つ噴出孔が供給配管の外周面の少なくとも上半部分に対し均一に設けられているため、供給配管に対して殺菌手段を兼ねさせることが可能となる。すなわち、殺菌剤が噴出する噴出孔が供給配管の外周面の少なくとも上半部分に対し均一に設けられていることで、置換チャンバ内周面の上部が殺菌剤で均一に塗布されることに加え、その殺菌剤は重力の作用によって底面に直接に或いは壁面を伝わって底部に垂下することとなる。そして、殺菌剤が壁面を伝わって垂下する過程で、置換チャンバ内周面の上部以外の面が殺菌剤で塗布されることになり、結果として、置換チャンバの全内周面が殺菌されることとなる。従って、引き続き、供給配管の内部を通して洗浄水を流せば、殺菌剤の場合と同様に、置換チャンバの全内周面が洗浄されることとなる。更に続いて、供給配管の内部を通して不活性ガスを流せば、殺菌剤の場合と同様に、置換チャンバの全内周面がパージされ、結果として残留洗浄水を排出すると共に置換チャンバの内部を乾燥することとなる。これらにより、置換チャンバを分解または再組立を行うことなく置換チャンバの内部を殺菌、洗浄および乾燥することが可能となる。
上記ガス置換密封装置では、排出手段によって殺菌剤および洗浄水は好適に排出されることになる。
上記ガス置換密封装置では、置換チャンバに対し高さ調整手段を持たせることで、周辺の空気の巻き込みを防止しヘッドスペース内の不活性ガスの置換効率を向上させると共に、開口部の形状が異なる多種多様な容器に対しても適用することができる。
上記ガス置換密封装置では、少なくとも第1蓋材ガイドロールに対し高さ調整手段を持たせることで、周辺の空気の巻き込みを防止しヘッドスペース内の不活性ガスの置換効率を向上させると共に、開口部の形状が異なる多種多様な容器に対しても適用することができる。
上記ガス置換密封装置では、シールヘッド入口部の第1蓋材ガイドロールを上記構成とすることにより、シールタイミングを適切に調整することによって容器の開口部は封止直前まで不活性ガスの供給を受けることができ、容器のヘッドスペースからの不活性ガスの逃気および空気の浸入を最小限に抑えた状態で、容器を封止することができる。
上記ガス置換密封装置では、置換チャンバ後端からの不活性ガスの散逸および外気の浸入を防ぎつつ、蓋材がスムーズに移動するようになり、これにより、容器が置換チャンバを出てから封止されるまでの間における不活性ガスの逃気を低減し、結果として、ヘッドスペースの置換効率を向上させることとなる。
上記ガス置換密封装置では、置換チャンバを上記のように構成することにより、容器がシールされるまでの間に少なくとも1回は、容器の全開口部が置換チャンバで覆われた状態で不活性ガスの雰囲気下に置かれることとなり、その結果、容器のヘッドスペースに対し不活性ガスが十分に充填され、ヘッドスペースの置換効率が向上するようになる。封止直前まで未封止容器に対して不活性ガスを充填し続けて、空気の浸入及び不活性ガスの逃気を最小限度に抑えた状態で容器を封止することができ、結果として不活性ガスの置換効率を向上させる。
上記ガス置換密封装置では、上記構成とすることにより、封止直前まで未封止容器に対して不活性ガスを充填し続けて、空気の浸入及び不活性ガスの逃気を最小限度に抑えた状態で容器を封止することができ、結果として不活性ガスの置換効率を向上させる。
また、上記ガス置換密封装置のシールタイミングは、容器がシールされるまでの間に少なくとも1回は、容器の全開口部が置換チャンバで覆われた状態で不活性ガスの雰囲気下に置かれ、更に封止直前まで不活性ガスの供給を受けた上で容器の開口部をシールヘッドで封止するタイミングであるから、容器のヘッドスペースからの不活性ガスの逃気および空気の浸入が最小限に抑制され、結果として容器のヘッドスペースの置換効率が大幅に向上するようになる。
特に、開口部面積の大きいカップ型容器に対して、ヘッドスペースの不活性ガス置換率を向上させたい場合に、本発明のガス置換密封装置を好適に適用することが出来る。
このガス置換密封装置100は、底部の吹き出し孔(図示せず)から不活性ガス、例えば窒素ガスを容器のヘッドスペースに吹き付ける置換チャンバ10と、その置換チャンバ10に窒素ガスを供給する不活性ガス供給配管20と、容器のヘッドスペースを窒素ガスで置換した状態で容器の開口部を封止するシール部30と、容器の送り機構(図示せず)と、置換チャンバ10を上下方向に対し移動させるチャンバ移動手段(図示せず)と、第1蓋材ガイドロール32および第2蓋材ガイドロール33を移動させるガイドロール移動手段(図示せず)とを具備して構成されている。なお、容器の送り機構としては、例えば容器の受け台が備わった無端のコンベア等である。また、チャンバ移動手段としては、例えばスライダ又はリニアモータ等の直動機構である。また、ガイドロール移動機構としては、同じくスライダ又はリニアモータ等の直動機構である。
一例を挙げると、配管部22として外径2.3[cm]の配管を使用したとすると、その断面積S2は、2.3×2.3×3.14/4≒4.15[cm2]となる。そして、S2=3.5S1とすると、噴出孔21の総面積S1=(1/3.5)×S2=(1/3.5)×4.15[cm2]≒1.2[cm2]となる。そして、噴出孔21の穴径をφ1[mm]とすると、噴出孔21の総数は、1.2[cm2]/(0.1×0.1×3.14/4[cm2])=152孔となる。この152孔を3列の千鳥配列で構成したとすると、1列当りの孔数は152/3≒50孔となる。ここで、置換チャンバ10の奥行きを1000[mm]とすると、噴出孔21のピッチは、1000/50=20[mm]として求まる。このように噴出孔を設定することによって配管全長にわたって各噴出孔から均一に吹き出すことを可能とし、置換チャンバ内を均圧状態に保つことができる。
この図では、第n番目のカップCnがシールヘッド31によって封止されている時の、他のカップ(Cn+1、Cn+2およびCn+3)の状態を例示している。特に、封止直前である第n+1番目のカップCn+1は、置換チャンバ10の第2吹き出しプレート13に対して部分的にかかりながら、同後縁14からはみ出した部分は第1蓋材ガイドロール32によって覆われた状態になっている。その時、第n+2番目のカップCn+2は、全開口部が第2吹き出しプレート13によって覆われた状態にあり、第n+3番目のカップCn+3は、部分的に第2吹き出しプレート13に覆われた状態にある。このことは、カップは置換チャンバ10の入口部において第2吹き出しプレート13に部分的に係ることによってヘッドスペースの空気を効果的に追い出された上で、さらにカップが第2吹き出しプレート13の下で休止しながら、窒素ガスをカップのヘッドスペースに十分に吹き付けられながら空気を追い出し、次の封止直前の状態では置換チャンバ10の後縁14を部分的に飛び出た位置にあるが、第1蓋材ガイドロール32が後縁14の近傍に配設されているために、窒素ガスの逃気および空気の浸入を抑制された状態で、なおも窒素ガスの供給を受けていることを示している。その結果、最終段階である封止では、カップの開口部は窒素ガスの逃気および空気の浸入を最小限に抑えられた状態でシールヘッド31によって封止されることになる。
更に、上記ガス置換密封装置100のシールタイミングは、容器が置換チャンバ10の入口部おいて第2吹き出しプレート13に部分的に係り、ヘッドスペースの空気を部分的に追い出された上で、少なくとも1回は容器の全開口部が置換チャンバ10の下で休止し、更に封止直前まで窒素ガスの供給を受けた上で容器の開口部をシールヘッド31で封止するタイミングである。その結果、容器のヘッドスペースからの窒素ガスの逃気および空気の浸入が最小限に抑制され、容器のヘッドスペースの窒素ガスによる置換効率が大幅に向上するようになる。
特に、開口部面積の大きいカップ型容器に対して、ヘッドスペースの不活性ガス置換率を向上させたい場合に、上記ガス置換密封装置100を適用することが出来る。
11 整流ガイド
12 第1吹き出しプレート
13 第2吹き出しプレート
20 不活性ガス供給配管
21 噴出孔
22 配管部
23 フレキシブルホース部
24 排出バルブ
30 シール部
31 シールヘッド
32 第1蓋材ガイドロール
33 第2蓋材ガイドロール
34 第3蓋材ガイドロール
100 ガス置換密封装置
Claims (10)
- 容器の開口部を覆いながら該容器のヘッドスペースに不活性ガスを吹き込む置換チャンバと前記容器の開口部を密封部材によって封止する密封手段を具備したガス置換密封装置であって、不活性ガスを導入する供給配管が前記置換チャンバの内部に配設され、且つ該置換チャンバ内に在る前記供給配管の外周面に対し複数の噴出孔が配設され、且つ前記チャンバ内部に殺菌手段が設けられて成ることを特徴とするガス置換密封装置。
- 前記殺菌手段が前記置換チャンバ内部に配設された殺菌剤および洗浄水を噴射する噴射孔を有する配管から成る請求項1に記載のガス置換密封装置。
- 前記供給配管は、前記複数の噴出孔が外周面の少なくとも上半部分に対し均一に配設され、不活性ガス供給源、殺菌剤供給源および洗浄水供給源に切り換え可能に接続され、前記殺菌手段を兼ねるように構成されている請求項1又は2に記載のガス置換密封装置。
- 前記供給配管または前記配管は、殺菌剤および洗浄水を排出する排出手段を有している請求項1から3に記載のガス置換密封装置。
- 前記置換チャンバを上下方向に移動させる高さ調整手段を有している請求項1から4の何れかに記載のガス置換密封装置。
- 前記密封手段は前記密封部材としての蓋材を容器にヒートシールするシールヘッドを有し、該シールヘッドの入口部には、前記密封部材としての蓋材を送る第1蓋材ガイドロールが配設され且つ同出口部には同第2蓋材ガイドロールが配設されて、少なくとも前記第1蓋材ガイドロールを上下方向に移動させる高さ調整手段を有している請求項1に記載のガス置換密封装置。
- 前記第1蓋材ガイドロールは、前記置換チャンバの出口部近傍に配設されて、前記置換チャンバの後縁からはみ出した容器の開口部を覆う構成となっている請求項6に記載のガス置換密封装置。
- 前記蓋材は前記第1蓋材ガイドロールの上流側で前記置換チャンバの外周面と接触するように案内されて成り、該置換チャンバ外周面の蓋材が接触する部分は前記蓋材に対する摩擦係数が低下する表面処理が施されている請求項6又は7に記載のガス置換密封装置。
- 前記置換チャンバの不活性ガスを吹き出すガス置換部は、容器の搬送方向に対する長さが容器の搬送間隔より長くなるように構成されている請求項1から8の何れかに記載のガス置換密封装置。
- 前記置換部の下流端から前記シールヘッドの前縁までの長さが前記容器の搬送間隔より小さくなるように構成されている請求項9に記載のガス置換密封装置。
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