JP2019023115A - 無菌充填装置及びその浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無菌充填装置の洗浄・殺菌効果を高めつつ、飲料の充填作業におけるダウンタイムを短縮する。【解決手段】プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われる前記CIPから前記SIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとを段階的に行う。【選択図】図4

Description

本発明は、無菌充填装置及びこの無菌充填装置を、洗浄、殺菌によって浄化する方法に関する。
無菌充填装置には、ボトル等の容器を一方向に搬送するホイール列が設けられ、ホイール列の各ホイールの回転による容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと容器殺菌ステーション、内容物充填ステーション、容器密封ステーションが順に設けられる。
容器殺菌ステーションには、ホイールの回りを移動する容器に殺菌剤である過酸化水素水のミストを吹き付けるノズルが配置される。内容物充填ステーションは、内容物充填ノズルがホイールの回りを旋回移動するフィラーとして構成される。容器密封ステーションはボトルの口部にキャップを螺着させるキャッパーとして構成される。
また、ホイール列及び容器殺菌ステーションから容器密封ステーションに至る個所を覆うチャンバーが設けられる(例えば、特許文献1、2参照。)。
無菌充填装置内における内容物充填ステーションには、内容物である飲料を多数のボトルに高速で充填するため、所定のホイールの円周に沿って一定ピッチで配列される多数の充填ノズルが設けられる。
全充填ノズルがホイールと共に一斉に高速で旋回運動することにより、充填ノズルの走行と同期的に走行するボトルに飲料が一定量ずつ充填される。
飲料は、その調合装置から内容物充填ステーションの充填ノズルへと、飲料供給系配管を通って供給されるが、この飲料供給系配管内は、定期的にあるいは飲料の種類を切り替える際に、CIP(Cleaning in Place)に付されて残留物や異物が除去され、さらにはSIP(Sterilizing in Place)に付されて無菌化される(例えば、特許文献3,4,5参照。)。
CIPは、飲料供給系配管の管路内から充填機の充填ノズルに至るまでの流路に、例えば水に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性薬剤や硝酸等の酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。これにより、飲料供給系配管路内に付着した前回の飲料の残留物等が除去される(例えば、特許文献3、4、5参照。)。
SIPは、例えば、上記CIPで洗浄した管路内に蒸気や熱水等を流すことによって行われ、蒸気や熱水等による加熱によって、飲料供給系配管内が殺菌処理される(例えば、特許文献5第0003段落参照。)。
飲料供給系配管内についてのCIP及びSIPは、具体的には次のように実施される。
液体を飲料供給系配管内で循環させたり、廃液を回収したりする必要があるので、静止した各充填ノズルのノズル口にカップが被せられる。カップは充填ノズルと共回り可能に配置される。充填ノズルの旋回運動における旋回軸の回りには、充填ノズル及びカップと共に旋回運動するマニホルドが予め設けられる。カップはマニホルドに管路で連結され、このマニホルドと洗浄液の貯留タンク及びポンプとが断続可能な管路によって結ばれる。洗浄液の貯留タンク及びポンプは、内容物充填ステーションの機枠又はチャンバーに固定される。
CIPやSIPの実施の際は、充填ノズルやマニホルドの旋回運動が止められ、上記カップが自動的にノズル口に被せられることにより、カップがマニホルドに連通し、マニホルドと洗浄液の貯留タンクとが管路で接続される。
そこで、洗浄液の貯留タンクから洗浄液が上記飲料供給系配管内に流れ込み、さらに充填ノズル内、ノズル口、カップ内及びマニホルド内へと流れ、所定時間内だけ循環する。これにより、飲料供給系配管や充填ノズルの内部のCIPが行われる。
また、SIPを行う場合は、熱水等が上記CIPの場合と同様にして飲料供給系配管内や充填ノズルの中に流され、飲料供給系配管内や充填ノズルの内部が殺菌処理される。
一方、チャンバー内も、内容物充填ステーション等の外面やチャンバー内壁面の浄化のためCOP(Cleaning Out of Place)及びSOP(Sterilizing Out of Place)が行われる(例えば、特許文献6、7、8、9参照。)。
チャンバー内の各所には、COP及びSOPを行うために各種噴射ノズルが配置され、COP及びSOPが行われる際は、これらのノズルから、アルカリ洗浄液、過酢酸洗浄液、過酸化水素水等の薬液、無菌水等がチャンバー内で順に噴霧状又はシャワー状に噴射される。この薬液や水のミスト、シャワー等によって、チャンバーの内壁面やフィラー等の機器の表面が洗浄され、殺菌される。
以上のように、無菌充填装置について、CIP、SIP、COP、SOPが行われた後に、無菌充填装置による飲料の充填が開始され、あらかじめ殺菌処理された飲料が、殺菌処理されたボトル内に無菌の環境下で充填され、これにより無菌のボトル詰め飲料の生産が行われることになる。
特開2001−39414号公報 特開2006−111295号公報 特開2007−331801号公報 特開2000−153245号公報 特開2007−22600号公報 特許第3315918号公報 特開2004−299723号公報 特開2010−189034号公報 特許第5582213号公報
上述したように、飲料供給系配管内についてCIP及びSIPを行う際は、マニホルドと洗浄液の供給源とが管路で接続されることから、内容物充填ステーションにおけるホイールの回転が止められ、充填ノズル等の旋回運動が止められる。また、従来のホイール列は容器殺菌ステーション、内容物充填ステーション及び容器密封ステーションの間において常時動力的に結合されていることから、内容物充填ステーションにおけるホイールが停止すると、容器殺菌ステーション及び容器密封ステーションにおけるホイールも停止する。
そのため、図6に示すように、飲料供給系配管についてCIP又はSIPを行う際は、COPやSOPは待機状態とし、CIPやSIPが完了した後か又は完了する直前にCOPやSOPを開始している。
その理由は、CIP又はSIPと同時にチャンバー内についてCOPやSOPを行おうとすると、ホイールが停止していることから、洗浄液や殺菌液が容器殺菌ステーション、内容物充填ステーション及び容器密封ステーションの隅々まで行き渡らず、洗浄不良、殺菌不良を生じ易くなるからである。
ことに内容物充填ステーションの充填ノズルは複雑な形状、構造を有するものであるから、静止状態の内容物充填ステーションに対しCOPやSOPを行っても洗浄不良や殺菌不良を生じ易い。充填ノズルはボトルに飲料を充填する部分であるから、充填ノズルの表面に微生物や異物が残留しているとボトル内に入り込む危険性が高くなる。
そこで、従来、チャンバー内についてのCOPやSOPは、飲料供給系配管についてのCIP及びSIPが完了し、マニホルドと洗浄液の貯留タンクと間の管路が切り離された後、ホイール列の全ホイールの回転が可能となり、充填ノズル等の旋回運動が可能になった状態で行われている。
すなわち、内容物充填ステーションが駆動され、充填ノズルが旋回運動を行っている状態でチャンバー内の各種ノズルが洗浄液等を噴射すると、洗浄液等の噴霧やシャワーが内容物充填ステーションの随所、殊に充填ノズルの隅々まで行き渡り、内容物充填ステーションの洗浄と殺菌が適正に行われることになる。同様に、容器殺菌ステーションのホイールが回転している状態でチャンバー内の各種ノズルが洗浄液等を噴射すると、洗浄液等の噴霧やシャワーが容器殺菌ステーションの隅々まで行き渡り、容器殺菌ステーションの洗浄と殺菌が適正に行われ、また、容器密封ステーションのホイールが回転している状態でチャンバー内の各種ノズルが洗浄液等を噴射すると、洗浄液等の噴霧やシャワーが容器殺菌ステーションの隅々まで行き渡り、容器殺菌ステーションの洗浄と殺菌が適正に行われることになる。
ところが、飲料供給系配管についてのCIP又はSIPの完了を待ってチャンバー内についてCOP及びSOPを行うものとすると、無菌充填装置のダウンタイム(生産休止時間又は生産間時間)が長くなり、ボトル詰め飲料の生産性が低下する。
ここで、従来無菌充填装置に対し行われているCIP等の浄化作業についてその一例を図6に示す。
図6に示すように、あるボトル詰め飲料の製造が終了した後、他のボトル詰め飲料の製造を開始しようとする場合、前回のボトル詰め飲料の製造が終了した段階で内容物充填ステーションの運転が止められ、飲料供給系配管についてCIPが行われる。
CIPが終了した後、内容物充填ステーションの運転が開始され、旋回運動をする充填ノズル等に対して過酢酸及び無菌水を順に吹き付けることによるSOP(又はCOP)が行われる。
この内容物充填ステーションに対するSOP(又はCOP)が終了すると、内容物充填ステーションの運転が止められ、飲料供給系配管についてSIPが行われる。
このようにCIPとSIPとの間にSOPを介在させるのは、CIPで使用される洗浄液やその廃液が上述したカップとノズル口との接続箇所等から漏れ出たりした場合、この廃液等が内容物充填ステーションの機器等に付着し、ひいては後の充填作業中に廃液が飲料や容器内に混入するおそれがあるためである。SIPとCIPとの間にSOPを介在させると、廃液等を内容物充填ステーションの機器等から洗い流し、内容物充填ステーションの機器等の外部を清潔に保ったうえでSIPによる殺菌処理を行うことができる。
また、飲料供給系配管内についてCIPの完了後SIPが行われるまでは、図7に示すように、CIPの終盤から水が飲料供給系配管内に供給されることにより配管内のすすぎが開始され、飲料供給系配管内から廃液、洗浄液等が除去されつつ配管内が冷却される、続いて配管内への水の供給が開始され、この水の温度が次のSIPで殺菌に必要な温度まで徐々に高められる。
また、上記内容物充填ステーションのSOP(又はCOP)と同様なSOP(又はCOP)が他のステーションについても実施される。その際、内容物充填ステーションと同様に他のステーションも駆動状態にある。この駆動する他のステーションに対して上記内容物充填ステーションのCIPの終了からSIPの開始に至るまでの間に段階的にSOP(又はCOP)が実施される。
このSOP(又はCOP)を段階的に行うのは、全ステーションに同時に供給するだけの大量の過酢酸等の殺菌剤や無菌水を用意するのが困難なためである。それゆえ、過酢酸を各ステーションに段階的に供給した後、無菌水を各ステーションに段階的に供給している。
以上のような事情から、無菌充填装置に対し行われる浄化作業には、図6の例で言えば約6時間を要している。すなわち、無菌充填装置のダウンタイムがきわめて長時間となり、ボトル詰め飲料の生産性の低下を招く原因となっている。
また、従来のSOP(又はCOP)によると、殺菌剤として過酢酸などの一種類の殺菌剤を用いているが、一種類の殺菌剤による殺菌では、他のステーション内の細部に至るまで確実に殺菌を行うことは難しく、更なる殺菌能力の向上が求められていた。
従って、本発明は上記問題点を解消することができる無菌充填装置及びその浄化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われる前記CIPから前記SIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとを段階的に行うことを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填装置の浄化方法において、前記第1の殺菌剤と前記第2の殺菌剤は、過酸化水素成分を1質量%以上含む過酸化水素水、エタノール、過酢酸、酢酸、オクタン酸、ペルオキシオクタン酸、オゾン、二酸化塩素、塩素化アルカリ及び次亜塩素酸ナトリウムの成分を1つ以上含むもの、あるいはそれらの組み合わせからなる群からそれぞれ選択されると好適である。
また、本発明に係る無菌充填装置の浄化方法において、前記第1のSOP及び前記第2のSOPは、前記第1の殺菌剤又は前記第2の殺菌剤の吹き付けと無菌水の吹き付けとによって行うものであると好適である。
また、本発明に係る無菌充填装置の浄化方法において、チャンバー内の内容物充填ステーションに向かって常時無菌エアを吹き込むことができる。
また、本発明に係る無菌充填装置の浄化方法において、各種ステーションのうち内容物充填ステーション以外の他のステーションが、容器成形ステーション、容器殺菌ステーション、容器密封ステーション又は蓋殺菌ステーションであると好適である。
また、本発明に係る無菌充填装置は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、各種ステーションがチャンバーで覆われ、内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去され、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行われる無菌充填装置において、前記内容物充填ステーションについて前記CIPから前記SIPが行われる間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとが段階的に行われることを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填装置において、前記第1の殺菌剤と前記第2の殺菌剤は、過酸化水素成分を1質量%以上含む過酸化水素水、エタノール、過酢酸、酢酸、オクタン酸、ペルオキシオクタン酸、オゾン、二酸化塩素、塩素化アルカリ及び次亜塩素酸ナトリウムの成分を1つ以上含むもの、あるいはそれらの組み合わせからなる群からそれぞれ選択されると好適である。
また、本発明に係る無菌充填装置において、前記第1のSOP及び前記第2のSOPは、前記第1の殺菌剤又は前記第2の殺菌剤の吹き付けと無菌水の吹き付けとによって行われると好適である。
また、本発明に係る無菌充填装置において、チャンバー内の内容物充填ステーションに向かって常時無菌エアを吹き込まれることができる。
また、本発明に係る無菌充填装置において、各種ステーションのうち内容物充填ステーション以外の他のステーションが、容器成形ステーション、容器殺菌ステーション、容器密封ステーション又は蓋殺菌ステーションであると好適である。
本発明によれば、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われる前記CIPから前記SIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとを段階的に行う無菌充填装置の浄化方法であるから、内容物充填ステーションについてCIPからSIPを行っている間に各種ステーションのCOP及びSOPの一方又は双方を行うことができるので、無菌充填装置の浄化に要する時間を短縮することができる。
従って、内容物充填ステーションの洗浄効果及び殺菌効果を高めることができるのはもちろんのこと、浄化作業の時間を短縮することによって、飲料等の内容物の充填作業に早期に着手し、無菌充填装置の生産休止時間、飲料の切り替えの際の生産間時間を短縮し、生産効率を高めることができる。
本発明に係る無菌充填装置の概略平面図である。 無菌充填装置における殺菌剤の気化器の概略図である。 無菌充填装置における内容物充填ステーションの概略図であり、その左半分は飲料充填中の状態を示し、右半分は洗浄処理又は殺菌処理中の状態を示す。 無菌充填装置の浄化方法を示すフローチャートである。 (A)は、図4中、飲料供給系配管内におけるCIPからSIPに移行する過程を示す説明図であり、(B)は、図4中、飲料供給系配管内における殺菌をCIPを兼ねたSIPを行った場合の過程を示す説明図である。 従来の無菌充填装置の浄化方法を示すフローチャートである。 図6中、飲料供給系配管内におけるCIPからSIPに移行する過程を示す説明図である。 充填ノズルの外面の殺菌性に関し、充填ノズルの温度と過酸化水素ガス濃度の関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、この無菌充填装置は、プリフォーム1を所定の間隔で順次供給するプリフォーム供給ステーション2と、プリフォーム1を容器であるボトル3(図3参照)に成形する容器成形ステーション4と、成形されたボトル3を殺菌する容器殺菌ステーション5と、殺菌されたボトル3に飲料等の内容物を充填する内容物充填ステーション6と、内容物が充填されたボトル3を密封する容器密封ステーション7とを備える。
なお、プリフォーム1は、試験管状の有底筒状体であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を材料として射出成形等により作られる。プリフォーム1は、容器成形ステーション4においてブロー成形によって容器であるボトル3に仕上げられるが、このボトル3におけると同様な口部3a(図3参照)及び雄ネジ等がプリフォーム1の成形当初からプリフォーム1に付与される。
プリフォーム供給ステーション2から容器密封ステーション7に至る間には、プリフォーム1を一方向に搬送するためのプリフォーム用搬送路と、プリフォーム1をボトル3に成形する成形型8を一方向に搬送するための成形型用搬送路と、成形型8で成形されたボトル3を一方向に搬送するためのボトル用搬送路とが設けられる。
上記各種搬送路は、各種搬送手段によって構成されるが、プリフォーム用搬送路はシューター、ホイール等の組み合わせにより構成され、成形型用搬送路からボトル用搬送路に至る搬送路は各種ホイールの組み合わせからなるホイール列によって構成される。また、所定のホイールの回りには、プリフォーム1やボトル3をその口部3aを把持して搬送したり、ホイール間でプリフォーム1やボトル3を受け渡したりするためのグリッパ等(図示せず)が設けられる。
上記各種搬送路は、所定の動力源からの動力の伝達により一体的に駆動し、搬送路内のホイール等の駆動は相互に連動するようになっている。
ただし、この実施の形態1では、例えば内容物充填ステーション6に対応するホイール9については動力の伝達系内に動力の伝達を断続するクラッチ(図示せず)が設けられ、このクラッチを切ることにより他のホイール等は駆動されるが、内容物充填ステーション6のホイール9については回転を停止させることができるようになっている。
なお、クラッチの設置に代えて、ホイール列の各ホイールを自転用サーボモータによって各々独自に回転可能としておいてもよい。この場合、内容物充填ステーション6内のホイール9の回転を、該当する自転用サーボモータを停止させることで停止させるが、他の自転用サーボモータ及び該当する他のホイールは回転させることが可能である。
プリフォーム供給ステーション2は、上記プリフォーム用搬送路上を走行するプリフォーム1の流れに沿って配置され、容器成形ステーション4は、上記成形型用搬送路の所定のホイール10の外周に沿って配置され、容器殺菌ステーション5、内容物充填ステーション6及び容器密封ステーション7は、ホイール列の各ホイール11,12,13,14,15,9,16,17,18の回転によるボトル3の流れに沿って、その上流側から下流側へと順に配置される。
プリフォーム供給ステーション2から容器成形ステーション4に至る個所はプリフォーム1等の搬送路ごと保護カバーである第一のチャンバー19で覆われ、容器殺菌ステーション5はボトル用搬送路ごと第二のチャンバー20で覆われ、内容物充填ステーション6及び容器密封ステーション7はボトル用搬送路ごと第三のチャンバー21で覆われる。
第一乃至第三のチャンバー19,20,21は相互に連なっているが、相互間は仕切り壁によって仕切られている。また、第二のチャンバー20には、図示しない排気ダクトが連結され、この無菌充填装置の稼働中、第二のチャンバー20内のエアが第二のチャンバー20外へと常時排気されるようになっている。さらに、第三のチャンバー21内は、内容物充填ステーション6と容器密封ステーション7との間が仕切り壁によって仕切られる。そして、第三のチャンバー21内の内容物充填ステーション6側には、この無菌充填装置の稼働中、図示しない無菌エア供給源から無菌エアが常時供給されることにより、第三のチャンバー21内が陽圧に保持されるようになっている。内容物充填ステーション6側に供給された無菌エアは仕切り壁のボトルを通すための隙間を通って容器密封ステーション7側へと流れる。
無菌充填装置中、プリフォーム用搬送路及びプリフォーム供給ステーション2から説明すると、プリフォーム用搬送手段は、プリフォーム1を所定の間隔で順次供給するシューター22と、シューター22の終端からプリフォーム1を受け取って搬送するホイール23と、ホイール23からプリフォーム1を受け取って走行させる水平方向に長く伸びる無端チェーン24とで構成される。
無端チェーン24は、水平面上で対向配置された一対のプーリ24a,24b間に架け渡され、一方のプーリ24aに、上記シューター22がホイール23を介して接続される。
無端チェーン24には、プリフォーム1の保持部材(図示せず)が一定ピッチで多数取り付けられる。各保持部材は無端チェーン24の走行と共に走行しながら自転可能である。保持部材は、スピンドルとして形成され、その下部の外周面には複数個のボール状の弾性体が埋設される。保持部材がプリフォーム1の口部3a内に挿入されると、これらの弾性体の弾性変形によってプリフォーム1が保持部材に保持される。
ホイール23側から無端チェーン24側に送られたプリフォーム1の口部3a内には、保持部材が挿入され、これによりプリフォーム1は保持部材に正立状態で保持される。
上記無端チェーン24は、その回りが加熱炉の炉壁で囲まれ、炉壁の内面には、赤外線を放射するヒーター25が張り巡らされる。
プリフォーム1は、シューター22を経て無端チェーン24に取り付けられた保持部材に受け取られ、無端チェーン24の走行に伴って移動しつつ、ヒーター25によってブロー成形が可能な温度まで加熱される。プリフォーム1は、望ましくは保持部材の回転と共に自転しながら均一に加熱され、その口部3a以外がブロー成形に適した温度である90℃〜130℃まで昇温する。口部3aは、蓋であるキャップ51(図1参照)が被せられたときの密封性が損なわれないように、変形等を生じることのない70℃以下の温度に抑えられる。
無端チェーン24の一方のプーリ24aにおいて無端チェーン24の復路に接する箇所には、ヒーター25で加熱されたプリフォーム1を受け取って第二の搬送路上の成形型8へ渡すホイール26が接する。
次に、成形型用搬送路及び容器成形ステーション4について説明すると、成形型搬送路は、プリフォーム用搬送路のプーリ24aに連なるホイール26,10,11からなるホイール列を備える。
ホイール10の回りには、上記ヒーター25で加熱されたプリフォーム1を受け取ってボトル3にブロー成形する割り金型としての成形型8が所定の間隔で複数セット配置される。成形型8は、ホイール10の回転とともにホイール10の周りを一定速度で旋回運動が可能である。
型開きした成形型8からボトル3の完成品が露呈すると、ボトル3がホイール10に接するホイール11の回りのグリッパによって成形型8外へ取り出され、下流側のホイール12のグリッパへと渡される。
なお、ホイール11の外周に沿った箇所には、カメラ55が設置される。このカメラ55によってボトル3の口部3aの天面が撮像され、この画像に基づき天面の平滑性の適否が判断される。
次に、ボトル用搬送路及び容器殺菌ステーション5について説明すると、ボトル用搬送路は、ホイール11,12,13,14,15,9,16,17,18からなるホイール列によって構成される。
容器殺菌ステーション5は、上記ホイール列中、ホイール12,13の各々の回りに配置される殺菌剤噴霧用ノズル27とエアリンス用ノズル28とを具備する。
殺菌剤噴霧用ノズル27は、ホイール12の回りを走行するボトル3の口部3aの開口にノズル噴出孔が正対するように配置され、殺菌剤噴霧用ノズル27の上流側には、図2に例示する殺菌剤の気化器29が接続される。
殺菌剤としては、過酸化水素成分を1質量%以上含むものを使用するのが有効である。それ以外にエタノール、過酢酸、オゾン、二酸化塩素、塩素系殺菌剤の成分を1つ以上含むもの、あるいはそれらの組み合わせであっても良い。
気化器29は、殺菌剤である過酸化水素の水溶液を噴射する二流体スプレーである過酸化水素供給部30と、この過酸化水素供給部30から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上の非分解温度以下に加熱して気化させる気化部31とを備える。過酸化水素供給部30は、過酸化水素供給路30a及び圧縮空気供給路30bからそれぞれ過酸化水素の水溶液と圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を気化部31内に噴霧するようになっている。気化部31は内外壁間にヒーター31aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素は、殺菌剤噴霧用ノズル27からミスト若しくはガス又はこれらの混合物となって気化器29外に噴出し、その一部がボトル3内に流入するとともに他の一部がボトル3の外面を伝って流れ、これによりボトル3の内外面に均一な被膜となって付着する。
エアリンス用ノズル28は、ホイール13の回りを走行するボトル3の口部3aの開口にノズル噴出孔が正対するように配置される。
エアリンス用ノズル28は、例えばホイール13の回りに一本又は複数本配置される。ただし、エアリンス用ノズル28は、ホイール13に代えてホイール14又はホイール15の周りに配置することも可能である。ホイール13,14,15の周りに配置することも可能である。
殺菌剤が吹き付けられたボトル3がホイール13の回りを走行する際、エアリンス用ノズル28から無菌エアがボトル3の口部3aに向かって吹き付けられる。これにより、ボトル3の内外面に残留した過酸化水素が分解除去される。殺菌処理されたボトル3は、ホイール14,15を経て次の内容物充填ステーション6に至る。
無菌エアは加熱したエアであってもよい。その場合は、ボトル3内外面に付着した過酸化水素が活性化されるので、ボトル3の殺菌効果が向上する。
なお、容器殺菌ステーション5は、プリフォーム1の走行箇所にプリフォーム殺菌ステーションを設けることによりプリフォーム1の段階で殺菌処理する場合は、省略可能である。図示しないが、プリフォーム殺菌ステーションでは、例えばプリフォームに過酸化水素水等の殺菌剤を吹き付けるためのノズルが、ホイール23の周り、あるいは無端チェーン24の周り、あるいはホイール26の周りの所定箇所に設置される。
内容物充填ステーション6は、上記ボトル用搬送路中のホイール9と一体的にフィラーとして構成される。
内容物充填ステーション6は、ホイール9の回りに多数の充填ノズル32を有する。各充填ノズル32はホイール9と共に旋回運動をし、充填ノズル32下をボトル3が同期的に走行する。これにより、各充填ノズル32から各ボトル3に飲料が充填される。
図3に示すように、内容物充填ステーション6には、飲料の調合タンク(図示せず)からサージタンク33を経て伸びる飲料供給系配管34が接続される。調合タンクで調合された飲料は、飲料供給系配管34中の加熱器(図示せず)で殺菌処理されたうえで内容物充填ステーション6に供給される。
内容物充填ステーション6であるフィラーは、飲料を多数のボトル3に高速で充填する装置であって、図3に示すように、ボトル3の搬送路の一部を構成する上記ホイール9を備える。このホイール9は無菌充填装置の床面から垂直に起立する支軸35中、回転軸35aとなる部分に取り付けられる。ホイール9の回りには、ボトル3の首部を把持するグリッパ36が一定ピッチで配置される。グリッパ36はホイール9と一体で一方向に旋回運動可能である。また、ホイール9の回りには、グリッパ36と同じピッチで配列される多数の充填ノズル32が取り付けられる。
上記支軸35の上部は内容物充填ステーション6の機枠に固定され、この固定された上部と上記回転軸35aの上端との間にロータリジョイント35bが設けられる。また、回転軸35a中、ロータリジョイント35bよりも下方の箇所には上マニホルド37が設けられる。支軸35の上部から上マニホルド37に至る部分は中空であり、上記支軸35の上部に上記飲料供給系配管34が連結される。また、上マニホルド37から、各充填ノズル32へと上記飲料供給系配管34が伸びている。
内容物充填ステーション6の稼働によってホイール9が高速で回転し、この回転運動と同期してグリッパ36により把持されたボトル3がボトル用搬送路上を高速で搬送される。充填ノズル32におけるノズル口32aの直下を多数のボトル3が一列で走行することにより、各ボトル3内に一定量の飲料が次々と充填されて行く。
容器密封ステーション7は、ボトル用搬送路中のホイール17と一体的にキャッパーとして構成され、上記内容物充填ステーション6を覆うチャンバー21によって内容物充填ステーション6と共に覆われる。
ボトル用搬送路を走行しつつ上記内容物充填ステーション6において飲料が充填されたボトル3は、このキャッパーのホイール17の回りを走行しつつ口部3aにキャップ51が螺着され、これにより無菌のボトル詰め飲料が完成する。
キャッパーには、図1に示すように、蓋を殺菌するためのステーションであるキャップ殺菌ステーション53が付属する。
ボトル3の口部3aを閉じるためのキャップ51は、容器密封ステーション7に供給される前に、キャップ殺菌ステーション53によってあらかじめ滅菌処理される。このキャップ殺菌ステーション53も無菌性を維持するためにチャンバー56で覆われる。
キャップ殺菌ステーション53には、予め成形された多数のキャップが供給される。これらのキャップがキャップ殺菌ステーション53内を走行しながら過酸化水素水等の殺菌剤の噴霧を吹き付けられ、無菌のホットエアが吹き付けられることによって殺菌処理される。殺菌されたキャップはキャップ殺菌ステーション53から上記キャッパーへとシューター等によって供給される。
なお、上記ボトル詰め飲料の製造中、上述した無菌エア供給源から、チャンバー21内の内容物充填ステーション6に向かって、無菌エアが常時吹き込まれる。これにより、チャンバー21内の雰囲気が陽圧化され、微生物、塵埃等を含んだ外気のチャンバー21内への侵入が防止される。また、無菌エアは、同じチャンバー21内の容器密封ステーション7や、チャンバー20内の容器殺菌ステーション5へも流れることから、容器密封ステーション7等への外気の侵入も阻止される。また、図示しない他の無菌エア供給源から、キャップ殺菌ステーション53のチャンバー56内へも無菌エアが常時供給される。
上記無菌充填装置は、各種チャンバー20,21,56内の容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、内容物充填ステーション6、容器密封ステーション7、キャップ殺菌ステーション53について、定期的に或いは飲料の種類を切り替える際に、飲料充填作業が停止した状態でCIP、SIP、COP、SOPからなる浄化処理を実施するための浄化装置を備える。
なお、浄化装置は、必ずしもすべてのステーションに設ける必要はなく、場合により浄化装置が不要なステーションでは省略される。
最初に、内容物充填ステーション6の浄化装置について説明する。
上述したように、飲料はその調合装置から内容物充填ステーション6の充填ノズル32へと、飲料供給系配管34を通って供給されるが、この飲料供給系配管34内は、定期的にあるいは飲料の種類を切り替える際に、CIPに付され、次にSIPに付される。
図3中、符号38はCIPの実施に使用する洗浄液や殺菌液である作業流体の供給源としての貯留タンクを示し、符号39は送液ポンプを示す。貯留タンク38は所定の作業流体の種類に応じた個数設けられるが、作図の便宜上一つのみ示す。蒸気等の殺菌用作業流体の供給源については図示を省略する。
また、図3中、符号40は貯留タンク38から上記サージタンク33へと至る往路管を示し、符号41は各充填ノズル32から貯留タンク38へと至る復路管を示す。往路管40と復路管41は、上記飲料供給系配管34と共に洗浄液等の循環路を形成する。
上記復路管41の始端には、各充填ノズル32のノズル口32aに対して各々接離可能なカップ42を備える。CIP又はSIPを行う際に各カップ42が図示しないアクチュエータによって内容物充填ステーション6の充填ノズル32の先端のノズル口32aに被せられることで復路管41の始端が、充填ノズル32のノズル口32aに接続される。各カップ42は復路管41の一部を構成する可撓性パイプによって下マニホルド43に連結される。下マニホルド43は、回転軸35aに取り付けられ、上記ホイール9、充填ノズル32等と一体で旋回運動が可能である。
上記復路管41が下マニホルド43から貯留タンク38へと伸びる箇所には、断続自在な継手44が設けられる。上記CIP又はSIPの際に、この継手44が接続される。その場合は、ホイール9、充填ノズル32等は旋回不能である。CIP又はSIPが終了し、継手44が切り離されると、ホイール9、充填ノズル32等は旋回可能となる。
本実施形態に係る無菌充填装置の浄化装置では、内容物充填ステーション6について、図4に示すように、CIPに続いてSIPを実行すると共に、CIP及びSIPを実行している間に第1のSOP及び第2のSOPを実行するように図示しない制御部においてプログラミングされている。
まず、内容物充填ステーション6についてCIP(ステップS1)を開始するに際し、無菌充填装置の動力伝達系内のクラッチが切られて内容物充填ステーション6のホイール9のみ回転が止められ、これにより充填ノズル32が旋回運動を停止する。
次に、図3の右半分に示すように、カップ42で充填ノズル32のノズル口32aが塞がれる。また、継手44が接続される。これにより、CIPのための洗浄液、殺菌液等所定の作業流体を流す循環路が形成される。
そこで、CIP(ステップS1)が開始され、アルカリ洗浄液、水等所定の作業流体が所定の順序で貯留タンク38からポンプ39によって送り出される。洗浄液等は往路管40を通って貯留タンク38から上記サージタンク33へと流れ、飲料供給系配管34を通って、上マニホルド37内に流入した後、各充填ノズル32へと流れ、更に、復路管41を通って貯留タンク38へと戻る。これにより、洗浄液等が循環路内を所定の順序で所定の時間だけ流れ、充填ノズル32の内部を含む飲料供給系配管34内が洗浄される。
洗浄液等の作業流体は、図5(A)に示すように、例えば80℃程度に加熱されつつ飲料供給系配管34内を例えば20分間循環する。そして、CIPの途中、例えば終盤頃から次のSIPで必要な殺菌温度である例えば95℃まで高められる。温度の使用範囲は80〜99℃が望ましい。CIPの途中から用いられる洗浄液は洗浄液のすすぎも兼ねるため水であるのが望ましい。作業流体はCIPの当初から殺菌温度まで高めることも可能である。
CIP(ステップS1)が終了した後、引き続き内容物充填ステーション6内のホイール9の回転を停止させたままで内容物充填ステーション6についてSIP(ステップS2)が行われる。
このSIPは、上記CIPで使用された作業流体である例えば水が殺菌に必要な温度を保ちながら飲料供給系配管34内に通されることにより行われる。この作業流体は、図5(A)に示すように、例えば95℃程度に加熱されつつ飲料供給系配管34内を例えば10分間循環する。これにより、飲料供給系配管34内が滅菌処理される。すすぎも兼ねたSIPの場合は、循環させることなくワンウエイで熱水が送られる。
飲料供給系配管34内が滅菌処理された後、図5(A)に示すように、この配管内を通る水が常温まで徐々に冷却される。
このようにCIP(ステップS1)の初期から又は途中から洗浄液の温度をCIPに続いて行うSIP(ステップS2)に必要な温度へと高めたうえで、直ちにSIP(ステップS2)へと移行することができ、従ってダウンタイムの短縮化が可能になる。
上記CIP(ステップS1)およびSIP(ステップS2)の実行中に、内容物充填ステーション6に対し第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)が行われる。
図3中、符号45はチャンバー21内において、内容物充填ステーション6の各所に対向配置された第1又は第2のSOP(ステップS3及びS4)のための噴射ノズルを示す。これら噴射ノズル45は、ホイール9の外周に沿って充填ノズル32にそれぞれ対向するように円弧状に複数配置されてチャンバー21内の所定箇所に固定される。
また、符号46はアルカリ洗浄液、過酢酸洗浄液、過酸化水素水等の薬液、無菌水等所定の作業流体の供給源である貯留タンクを示す。貯留タンク46は過酸化水素水等の薬液、無菌水等の各々について設けられるが、作図の便宜上一つのみ示す。また、符号47,48は各貯留タンク46から上記噴射ノズル32へと至る供給管を示す。各供給管47,48には各々ポンプ49が設けられる。
なお、上記ポンプ39,49等を省略し、貯留タンク38,46を高所に置くことにより、静水圧によって洗浄液、薬液等をチャンバー21等の中に供給するようにしてもよい。
上記内容物充填ステーション6における飲料供給系配管34内のSIP(ステップS2)が完了し、継手44が切り離されると、既述のクラッチが入れられることで、他のホイール13,17等の回転に連動してホイール9の回転が可能となる。あるいは、ホイール9についての自転用サーボモータの駆動により、ホイール9の回転が可能となる。
チャンバー21内の内容物充填ステーション6に対する第1のSOP(ステップS3)は、噴射ノズル45から第1の殺菌剤として例えば過酸化水素水などが内容物充填ステーション6の外部に吹き付けられた後、無菌のホットエアで乾燥する。殺菌剤を噴霧する前に無菌ホットエアでチャンバー内を昇温すると、殺菌効果がさらに高まる。また、第2のSOP(ステップS4)は、第1のSOP(ステップS3)で噴射された殺菌剤と異なる第2の殺菌剤として例えば過酢酸水溶液などが噴射ノズル45から内容物充填ステーション6の外部に吹き付けられた後、同じ噴射ノズル45から無菌水が吹き付けられることにより行われる。このようにSOPを二段階に分けて実行するため、例えば過酸化水素水で殺菌することができなかった箇所を過酢酸水溶液による殺菌で補うことが可能となり、また、CIP又はSIPを実行中にSOPを行うので、CIP及びSIPの実行に伴って飲料供給系配管34が加熱されている状態で殺菌剤の噴射を行うことから、当該加熱により殺菌剤の殺菌効果が向上する。これによって異なる殺菌剤が内容物充填ステーション6に向かってそれぞれ吹き付けられることにより、内容物充填ステーション6の外面が殺菌され、続いて無菌水が吹き付けられることによって前回の充填作業に係る飲料の残渣、過酢酸等の殺菌剤が内容物充填ステーション6の表面から洗い流される。
また、SIPとSOPのタイミングに関し、SIPを85℃以上の熱水、蒸気又は薬剤で行う場合、SOPの薬剤が充填バルブにあたるとSIPの温度が低下するため注意が必要となる。SIPを蒸気で行う場合は、SIPの滅菌処理が終了し、冷却工程に入った後、SOPを開始すると良い。このようにSIPを行うことで、SOPの薬剤噴霧で充填バルブの温度を速やかに下げることができる。
この第1のSOP(ステップS3)又は第2のSOP(ステップS4)の際、充填ノズル32等がホイール9の停止に伴って停止している。本実施形態に係る無菌充填装置の浄化装置は、噴射ノズル45の数を従来よりも増やし、それぞれの充填ノズル32に対向するように円弧状に複数配置されているので、ホイール9を停止した状態であっても、充填ノズル32等の外周面に確実に作業流体を噴射してSOPの殺菌効果を向上させることが可能となる。また、このように噴射ノズル45を配置することで、殊に複雑な形状、構造を有する充填ノズル32の外面から異物等が効率良く洗い落され、また、充填ノズル32の表面が効率良く殺菌処理される。
なお、上記CIP(ステップS1)の開始当初から第2のSOP(ステップS4)の終了までの間、チャンバー21内の内容物充填ステーション6に向かって、上述した無菌エア供給源から供給される無菌エア望ましくは無菌のホットエアが常時吹き込まれる。これにより、チャンバー21内の雰囲気が陽圧化され、微生物、塵埃等を含んだ外気のチャンバー21内への侵入が防止される。また、無菌エアは、同じチャンバー21内の容器密封ステーション7や、チャンバー20内の容器殺菌ステーション5へも流れることから、容器密封ステーション7等への外気の侵入も阻止される。
容器成形ステーション4、容器密封ステーション7、容器殺菌ステーション5及びキャップ殺菌ステーション53の各浄化装置について説明すると、各ステーション4、7,5,53についても、内容物充填ステーション6における第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)と同時に第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)を実行する。図1に示すように、チャンバー19内には容器成形ステーション4に対峙するように上記噴射ノズル45と同様な構造の噴射ノズル57が随所に配置され、チャンバー21内には容器密封ステーション7に対峙するように上記噴射ノズル45と同様な構造の噴射ノズル52が随所に配置され、チャンバー20内には容器殺菌ステーション5に対峙するように上記噴射ノズル45と同様な構造の噴射ノズル50が随所に配置され、チャンバー56内にはキャップ殺菌ステーション53に対峙するように上記噴射ノズル45と同様な構造の噴射ノズル54が随所に配置される。
これらの噴射ノズル57,52,50,54へも、上記貯留タンク46から供給管(図示せず)が伸び、これらの供給管にも薬液等を圧送するためのポンプ(図示せず)が設けられる。
この第1のSOP(ステップS3)又は第2のSOP(ステップS4)の際はホイール9を除く他のホイール10,12,13等を回転させつつ作業流体である過酸化水素水及び過酢酸水溶液を各ステーション4,5,7,53に吹き付けることから、各ステーション4,5,7,53の殺菌効果が向上する。
すなわち、CIP(ステップS1)の際、既述したようにクラッチが切られることによって内容物充填ステーション6のホイール9が停止するが、他のホイール17等は回転可能である。あるいは、内容物充填ステーション6のホイール9の自転用サーボモータが停止しても、他の自転用サーボモータの駆動により他のホイール17等は回転可能である。このため、内容物充填ステーション6についてCIP(ステップS1)が行われる際に、内容物充填ステーション6のホイール9は停止しても、容器殺菌ステーション5等に該当する他のホイール17は回転させて内容物充填ステーション6以外の容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、容器密封ステーション7及びキャップ殺菌ステーション53の外面について第1のSOP(ステップS3)又は第2のSOP(ステップS4)がより効果的に行われる。
第1のSOPで使用する殺菌剤としては、過酸化水素成分を1質量%以上含むものを使用するのが有効である。また、第2のSOPで使用する殺菌剤としては、過酢酸水溶液を使用するのが有効である。それ以外にエタノール、酢酸、オクタン酸、ペルオキシオクタン酸、オゾン、二酸化塩素、塩素化アルカリ、次亜塩素酸ナトリウムの成分を1つ以上含むもの、あるいはそれらの組み合わせであっても良い。殺菌剤は液状でなくガス又はミストであっても良い。
なお、上記第1のSOP(ステップS3)を実施する際、過酸化水素水の噴霧前からチャンバー19,20,21,56内に無菌のホットエアを吹き込むようにしておくと、チャンバー19,20,21,56内の雰囲気温度が上昇し、これにより過酸化水素が活性化し、第1のSOP(ステップS3)による殺菌効果が高まる。また、過酸化水素水の噴霧後は、上記無菌のホットエアによって余剰の過酸化水素水の乾燥除去が促進される。
第2のSOP(ステップS4)は、まず過酢酸の水溶液が噴射ノズル52,50,54から容器密封ステーション7、容器殺菌ステーション5及びキャップ殺菌ステーション53に向かって段階的に吹き付けられて各ステーション7,5,53の外面が殺菌される。
過酢酸の水溶液の噴射が終了すると、続いて無菌水が同様に段階的に各ステーション7,5,53の外面に吹き付けられる。これにより、前回の充填に係る飲料の残渣や、上記過酢酸水溶液の余剰分等が各ステーション7,5,53の表面から洗い流される。
このように第2のSOPにおいて過酢酸水溶液や無菌水を段階的に噴射することにより、過酢酸等の殺菌剤や無菌水の供給不足を防止することができる。
なお、この第1のSOP又は第2のSOP(ステップS3,S4)が実施される際も、チャンバー21,20,56内に上記無菌のホットエアが吹き込まれる。
なお、第2のSOP(ステップS4)が実施される際、過酢酸等の殺菌剤や洗浄液が充填バルブ32に接触すると充填バルブ32から熱が奪われることにより、充填バルブ32が滅菌不良になるおそれがある。従って、望ましくは内容物充填ステーション6と他のステーションとの間には、殺菌剤や洗浄液が内容物充填ステーション6へと流れるのを阻止する隔壁が設けられる。あるいは、他のチャンバー内のSOP又はCOPには、望ましくは殺菌剤として殺菌液ではなく殺菌剤のガス又はミストが用いられる。
次に、上記無菌充填装置の作用について、無菌充填装置の浄化方法とともに説明する。
(1)最初に、無菌充填装置の浄化作業について、図4のフローチャートに基づき説明する。
ボトル詰め飲料の製造が終了し、今まで充填していた飲料の種類を切り替えて他のボトル詰め飲料の製造を開始する場合、無菌充填装置についてCIP(ステップS1)、SIP(ステップS2)及び第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)が行われる。
CIP(ステップS1)の開始当初からSIP(ステップS2)又は第2のSOP(ステップS4)の終了までの間、チャンバー21内の内容物充填ステーション6に向かって、望ましくは無菌のホットエアが常時吹き込まれる。これにより、チャンバー21内の雰囲気が陽圧化され、微生物、塵埃等を含む外気のチャンバー21内への侵入が防止される。無菌エアは、同じチャンバー21内の容器密封ステーション7や、チャンバー20内の容器殺菌ステーション5へも流れることから、容器密封ステーション7等の汚染も防止される。キャップ殺菌ステーション53のチャンバー56内にも無菌エアが供給される。
(2)内容物充填ステーション6についてCIP(ステップS1)が開始されるに際し、無菌充填装置の動力伝達系内のクラッチが切られて内容物充填ステーション6のホイール9のみの回転が止められ、これにより充填ノズル32が旋回運動を停止する。また、サージタンク33内が空にされる。
(3)図3の右半分に示すように、カップ42で充填ノズル32のノズル口32aが塞がれる。また、継手44が接続される。これにより、CIP(ステップS1)のための洗浄液、殺菌液等所定の作業流体を流す循環路が形成される。
(4)CIP(ステップS1)が開始され、アルカリ洗浄液、水等所定の作業流体が所定の順序で貯留タンク38からポンプ39によって送り出される。洗浄液等は往路管40を通って貯留タンク38から上記サージタンク33へと流れ、飲料供給系配管34を通って、上マニホルド37内に流入した後、各充填ノズル32へと流れ、更に、復路管41を通って貯留タンク38へと戻る。これにより、洗浄液等が循環路内を所定の順序で所定の時間だけ流れ、充填ノズル32の内部を含む飲料供給系配管34内が洗浄される。
また、図5(A)に示すように、CIP(ステップS1)の途中から、飲料供給系配管34内を例えば80℃の温度を保って循環する水が次のSIP(ステップS2)における殺菌に必要な温度である例えば95℃まで加熱される。この段階でCIP(ステップS1)が終了する。
(5)CIP(ステップS1)が終了した後、引き続き内容物充填ステーション6内のホイール9の回転を停止させたままで内容物充填ステーション6についてSIP(ステップS2)が行われる。このSIP(ステップS2)は、上記95℃の熱水が飲料供給系配管34内に通されることにより行われる。熱水が通されることにより、充填ノズル32等を含む飲料供給系配管34内が殺菌され、同時にCIP(ステップS1)における残留洗浄液や廃液が飲料供給系配管34内から除去される。飲料供給系配管34内からの廃液等の除去は、例えば貯留タンク38に回収したうえで貯留タンク38から抜き取ることによって行われる。
このように、上記CIP(ステップS1)におけるアルカリ等の薬剤による洗浄工程、または薬剤による洗浄後の熱水によるすすぎ工程から温度を上昇させたうえで、直ちにSIP(ステップS2)が開始されるので、図5(A)と図7との対比からも明らかなように、ある飲料の充填終了から次の飲料の充填開始へと移行するまでの生産間時間が短縮される。
SIP(ステップS2)を実施する際の熱水の温度と時間の条件は、製品の中身の殺菌に必要な条件に応じて決定される。例えばpH4未満の製品の場合、少なくとも60℃で10分間、pH4.0〜4.6の製品の場合、85℃で30分、pHが4.6以上の製品の場合は、120℃で4分以上(一般的には130℃で30分以上)である。SIP(ステップS2)で100℃以上の温度条件が必要な場合は熱水だけでなく蒸気を用いても良い。
(6)内容物充填ステーション6の飲料供給系配管34について上記CIP(ステップS1)及びSIP(ステップS2)の一方又は双方が行われる際、これと並行して(i)チャンバー19内の容器成形ステーション4の各種機器の外面、(ii)チャンバー20内の容器殺菌ステーション5の各種機器の外面、(iii)チャンバー21内の容器密封ステーション7の各種機器の外面、(iv)キャップ殺菌ステーション53におけるチャンバー56内の各種機器の外面、及び(v)内容物充填ステーション6の各種機器の外面について、第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)が行われる。
その際、内容物充填ステーション6のホイール9は停止しているが、容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、容器密封ステーション7、キャップ殺菌ステーション53におけるホイール10,12,13,17,18等の機器は駆動している。
この第1のSOP(ステップS3)は、噴射ノズル45,57,50,52,54から第1の殺菌剤である過酸化水素水が容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、内容物充填ステーション6、容器密封ステーション7、キャップ殺菌ステーション53の外面に向かって噴霧される。
その際、容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、容器密封ステーション7、キャップ殺菌ステーション53は駆動中であるから、作業流体である過酸化水素水がこれらの機器の隅々まで行き渡り、洗浄効果、殺菌効果が向上する。また、内容物充填ステーション6のホイール9は停止しているが、噴射ノズル45が充填ノズル32とそれぞれ対向するように内容物充填ステーション6の外周に沿って円弧状に配置されているので、ホイール9が停止していても、作業流体である過酸化水素水がこれらの機器の隅々まで行き渡り、洗浄効果、殺菌効果が向上する。
本実施形態に係る無菌充填装置の浄化装置によれば、CIP(ステップS1)と同時に過酸化水素を噴霧することで形状が複雑な充填ノズル32の外面を効率よく殺菌することができる。具体的には、充填ノズル32が130℃の状態でも、チャンバー21内が乾燥状態の場合、乾熱殺菌になるため、耐熱性芽胞菌は滅菌が困難になる。ところが、本発明者等の実験結果を示す図8から明らかなように、CIP(ステップS1)中にチャンバー21内の過酸化水素ガス濃度を5mg/L以上にし、且つ充填バルブの温度が60℃以上の条件であれば、充填バルブの外面を容易に滅菌することが出来る。
この第1のSOP(ステップS3)を実施する際、既述したチャンバー21内に吹き込まれる無菌のホットエアによってチャンバー20内の雰囲気が昇温し、これにより過酸化水素が活性化し、第1のSOP(ステップS3)による殺菌効果が高まり、過酸化水素水の噴霧後は、無菌のホットエアによって余剰の過酸化水素水が乾燥除去される。
第1のSOP(ステップS3)の終了後、第2のSOP(ステップS4)を実施する。第2のSOP(ステップS4)では、噴射ノズル45から過酢酸水溶液が容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、内容物充填ステーション6、容器密封ステーション7、キャップ殺菌ステーション53の外面に向かって噴霧される。
第2のSOP(ステップS4)は、殺菌剤に代えて60℃以上100℃未満の温水等を用いることにより、菌を不活性化する処理であってもよい。
(7)かくて無菌充填装置の特に汚染が嫌われる箇所についてCIP(ステップS1)、SIP(ステップS2)、第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)が実施されることにより、無菌充填装置が浄化される。
また、引き続き無菌エアがチャンバー21内に吹き込まれ、内容物充填ステーション6の周りが陽圧化される。さらに、この無菌エアが容器成形ステーション4、容器殺菌ステーション5、容器密封ステーション7へと流れる。これにより、チャンバー19,20,21内の無菌性が維持される。
キャップ殺菌ステーション53については、チャンバー56内に他の系統から無菌エアが吹き込まれることによりチャンバー56内の雰囲気の無菌性が維持される。
上記(1)〜(7)に述べたCIP(ステップS1)、SIP(ステップS2)、第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)による無菌充填装置の浄化に必要な時間は、図4に示すように、約2時間である。従来の無菌充填装置の浄化に必要な時間は、図6に示したように約6時間であったが、本発明によれば、ダウンタイムが低減することが分かる。
(8)上記CIP(ステップS1)、SIP(ステップS2)、第1のSOP(ステップS3)及び第2のSOP(ステップS4)が完了した後、新たなボトル詰め飲料の製造が開始される。
新たなボトル詰め飲料の製造について説明すると、まず、図1中、シューター22及びホイール23によってプリフォーム1が加熱炉内へと導入され、加熱炉内を無端チェーン24によって搬送される。
プリフォーム1は、無端チェーン24によって加熱炉内を搬送されつつ、ヒーター25によって成形に好適な温度域まで加熱される。
(9)加熱されたプリフォーム1が、ホイール10の回りを旋回運動する成形型8内に入れられ、成形型8が閉じられる。図示しない延伸ロッドがプリフォーム1内へと降下し、プリフォーム1の底に当接して、プリフォーム1の引き伸ばしを開始する。また、ブロー成形用エアの吹き込みにより、成形型8内でプリフォーム1がボトル3へと膨張する。成形型8内でのボトル3の成形が完了すると、成形型8が型開きされ、ボトル3の完成品がホイール11の回りの図示しないグリッパによって成形型8外へ取り出される。
(10)ホイール11側から送られたボトル3は、第2のSOP(ステップS4)の完了したチャンバー20内でホイール12の回りを走行しつつ、容器殺菌ステーション5の殺菌剤噴霧ノズル27から殺菌剤のミストを吹き付けられる。これにより、ボトル3の内外面に殺菌剤の皮膜が形成され、ボトル3の内外面が殺菌される。
続いて、ホイール13の回りを走行しつつ、容器殺菌ステーション5のエアリンス用ノズル28から加熱された無菌エアを吹き付けられる。これにより、ボトル3の内外面に付着した殺菌剤が活性化されて殺菌効果が高められ、また、余剰の殺菌剤が除去される。
(11)殺菌処理されたボトル3は、ボトル搬送路中、ホイール14,15,9,16,17,18へと受け渡されつつ、チャンバー21内を走行する。このチャンバー21内の第2のSOP(ステップS4)は既に完了し、チャンバー21内には無菌エアが常時吹き込まれている。
(12)ボトル3がホイール9の回りを走行する際、ボトル3内に飲料等内容物が飲料供給系配管34を通って充填される。
飲料供給系配管34内は、すでにCIP(ステップS1)による洗浄及びSIP(ステップS2)による殺菌が実施され、浄化されている。
飲料等の内容物が内容物充填ステーション6の浄化された飲料供給系配管34を通って充填ノズル32からボトル3内に充填される。
内容物は、あらかじめ調合装置で調合され、殺菌処理された後、サージタンク33に貯留されている。
(13)飲料が充填されたボトル3は、ホイール9側のグリッパ36から下流側のホイール16,17のグリッパへと順に受け渡され、容器密封ステーション7において殺菌処理済のキャップ51で口部3aを閉じられた後、チャンバー21外へと排出される。
キャップ51は、キャップ殺菌ステーション53においてあらかじめ殺菌処理された後、容器密封ステーション7へと供給される。キャップ殺菌ステーション53内は上記第1のSOP又は第2のSOP(ステップS3,S4)によって、すでに内部が洗浄及び殺菌されて浄化されている。
かくて、無菌のボトル詰め飲料の製造が新たな飲料について行われる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。例えば、図4において、内容物充填ステーション6のSIPは、CIPに続いてSIPを行う場合について説明を行ったが、SIPはCIPを兼ねて図5(B)に示すように、洗浄液等の作業流体を80〜150℃(図5(B)では95℃程度)に加熱されつつ飲料供給系配管34内を例えば5〜30分間循環させ、SIPの途中からは作業流体である洗浄液として水が用いても構わない。このような作業流体の循環によって、飲料供給系配管34内が洗浄され、かつ、殺菌処理される。続いて飲料供給系配管34内が滅菌処理された後、図5(B)に示すように、この配管内を通る水が常温まで徐々に冷却される。このようにSIPはCIPを兼ねることで、従来のCIPを省略してダウンタイムを大幅に短縮することができる。
また、例えば、容器はボトルに限らず、紙容器であってもよい。内容物は飲料に限らず、流動食等であってもよい。
また、容器(ボトル、キャップ)の殺菌方法は、過酸化水素殺菌ではなく、過酢酸等の薬剤リンス殺菌や電子線殺菌でも良い。ボトルの殺菌に代えて、プリフォームを殺菌しても良い。さらに、上記殺菌方法について、微生物を不活性化させるもので代替することも可能である。
3…容器(ボトル)
5…容器殺菌ステーション
6…内容物充填ステーション
7…容器密封ステーション
9,12,13,17…ホイール
20,21,56…チャンバー
32…充填ノズル
51…蓋(キャップ)
53…蓋殺菌ステーション(キャップ殺菌ステーション)
本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、前記各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、前記内容物充填ステーションについてSIPの滅菌処理を蒸気で行った後、前記内容物充填ステーションのSOPを行うとき、薬剤噴霧により充填バルブを冷却することを特徴とする。また、本発明の他の実施形態に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われる前記CIPから前記SIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとを段階的に行うことを特徴とする。
本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、前記各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、前記内容物充填ステーションのSIPをCIPで使用された作業流体である水を殺菌に必要な温度に保ちながら飲料供給系配管内に通すことにより行うことを特徴とする。また、本発明の他の実施の形態に係る無菌充填装置の浄化方法において、前記第1の殺菌剤と前記第2の殺菌剤は、過酸化水素成分を1質量%以上含む過酸化水素水、エタノール、過酢酸、酢酸、オクタン酸、ペルオキシオクタン酸、オゾン、二酸化塩素、塩素化アルカリ及び次亜塩素酸ナトリウムの成分を1つ以上含むもの、あるいはそれらの組み合わせからなる群からそれぞれ選択されると好適である。
本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、前記各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われるCIPからSIPを行っている間に、前記内容物充填ステーションを含む前記各種ステーションを覆う前記チャンバー内の前記SOPとして行う過酸化水素を含む殺菌剤を噴霧する前に、前記各種ステーションを覆う前記チャンバー内に無菌のホットエアを吹き込むことを特徴とする。また、本発明の他の実施の形態に係る無菌充填装置の浄化方法において、前記第1のSOP及び前記第2のSOPは、前記第1の殺菌剤又は前記第2の殺菌剤の吹き付けと無菌水の吹き付けとによって行うものであると好適である。
本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、前記各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われるCIPからSIPを行っている間に、前記内容物充填ステーション以外の前記各種ステーションを覆う前記チャンバー内の前記SOPが実施される際、前記チャンバー内の前記SOPには、殺菌剤のガス又はミストが用いられることを特徴とする。また、本発明の他の実施の形態に係る無菌充填装置の浄化方法において、チャンバー内の内容物充填ステーションに向かって常時無菌エアを吹き込むことができる。
本発明に係る無菌充填装置の浄化方法は、プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、前記各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、前記内容物充填ステーションについて行われるCIPからSIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1のSOPと、第2のSOPとを段階的に行うとき、第2のSOPは60℃以上100℃未満の温水を用いることを特徴とする。また、本発明の他の実施の形態に係る無菌充填装置の浄化方法において、各種ステーションのうち内容物充填ステーション以外の他のステーションが、容器成形ステーション、容器殺菌ステーション、容器密封ステーション又は蓋殺菌ステーションであると好適である。

Claims (1)

  1. プリフォーム又は容器の流れに沿って、その上流側から下流側へと内容物充填ステーションを含む各種ステーションを順に設け、
    各種ステーションをチャンバーで覆うことにより無菌充填装置を構成し、
    内容物充填ステーションについてCIPに続いて又はCIPを兼ねてSIPを行って殺菌すると共に前記CIP又はSIPで用いた洗浄液を除去し、
    前記各種ステーションについてCOP及びSOPの一方又は双方を所定の順序で行う無菌充填装置の浄化方法において、
    前記内容物充填ステーションについて行われる前記CIPから前記SIPを行っている間に、前記各種ステーションについて第1の殺菌剤を用いる第1のSOPと、第2の殺菌剤を用いる第2のSOPとを段階的に行うことを特徴とする無菌充填装置の浄化方法。
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