JP2016088579A - 物品処理システム - Google Patents

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政彰 枝
Masaaki Eda
政彰 枝
雄一 米村
Yuichi Yonemura
雄一 米村
加森 慎也
Shinya Kamori
慎也 加森
谷川 勝則
Katsunori Tanigawa
勝則 谷川
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【解決手段】 物品処理システム1は、例えば容器2に液体を充填するフィラ4と液体が充填された容器にキャップを装着するキャッパ31とを有する処理装置と、上記フィラからキャッパヘの搬送経路上に設けられて超音波を放射する超音波ホーン24とを備えており、上記超音波ホーン24から液体が充填された容器の開口部に向けて超音波を放射することにより、液面の泡を消去するようにしてある。上記物品処理システムは、上記フィラとキャッパおよび超音波ホーンを囲むチャンバー6、12と、このチャンバー内に過酸化水素を供給してチャンバー内を殺菌する過酸化水素供給手段36とを備えており、それによって無菌物品処理システムとして構成されている。そして上記超音波ホーン24の表面は、窒化クロムでコーティングされている。【効果】 過酸化水素を使用する物品処理システムにおいても超音波ホーンの耐久性を高めることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は物品処理システムに関し、より詳しくは、物品に向けて超音波を放射する超音波ホーンを備えた物品処理システムに関する。
従来、物品処理システムとして、例えば、容器に液体を充填するフィラと液体が充填された容器にキャップを装着するキャッパとを有する処理装置と、上記フィラからキャッパヘの搬送経路上に設けられて超音波を放射する超音波ホーンとを備え、上記超音波ホーンから液体が充填された容器の開口部に向けて超音波を放射することにより、液面の泡を消去するようにしたものが知られている(特許文献1、2)。
上記超音波ホーンの材質は、通常アルミやチタンが採用されており、特に容器に液体を充填する場合には、超音波ホーンに液体がかかることを想定してその材質としてチタンを採用することが耐久性の点で望ましい。
また従来、処理装置を構成するフィラやキャッパをチャンバー内に収容し、該チャンバーによってその内部を外部雰囲気から遮断した状態とすることにより無菌充填を行えるようにすることも行われている(特許文献3)。この場合、上記チャンバー内に過酸化水素を供給する過酸化水素供給手段を設けることにより、過酸化水素によってチャンバー内の処理装置を殺菌できるようにしている。
特開平6−191595号公報 実開昭62−90397号公報 特開2013−209164号公報
しかしながら、上記超音波ホーンをチタンで構成し、かつチャンバー内に過酸化水素を供給して物品処理システムを滅菌するようにした場合には、チタンが過酸化水素によって徐々に腐食されてしまうので、耐久性が悪くなるという問題があった。
本発明は上述した事情に鑑み、過酸化水素が使用される環境下でも耐久性に優れた超音波ホーンを有する物品処理システムを提供するものである。
すなわち請求項1の発明は、内部を外部雰囲気から遮断するチャンバーと、このチャンバー内に設けられて物品に所要の処理を施す処理装置と、該処理装置に設けられて物品に向けて超音波を放射する超音波ホーンと、上記チャンバー内に過酸化水素を供給してチャンバー内を殺菌する過酸化水素供給手段とを備えた物品処理システムであって、
上記超音波ホーンの表面を窒化クロムでコーティングしたことを特徴とするものである。
請求項2の発明においては、上記処理装置は、物品としての容器に液体を充填するフィラと、液体が充填された容器にキャップを装着するキャッパとを備えており、上記超音波ホーンは上記フィラからキャッパヘの容器搬送経路上に設けられて、該超音波ホーンから液体が充填された容器の開口部に向けて超音波を放射することにより液面の泡を消去するようになっている。
また請求項3の発明は、上記超音波ホーンの材質をチタンから構成したものである。
請求項1の発明によれば、上記超音波ホーンの表面が窒化クロムでコーティングされているので、後述の実験結果から示されるように、超音波ホーンをチタンで構成した場合と比較して、過酸化水素が使用される環境下でも高い耐久性を得ることができる。
また請求項3の発明によれば、上記超音波ホーンの材質がチタンから構成されているので、超音波ホーンの表面の窒化クロムに傷がついてチタンが露出したとしても、他のアルミなどの材質に比較して耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施例を示す平面図。 図1の消泡装置8を拡大して示す断面図。 本発明の効果を示す実験結果図。 本発明の第2実施例を示す断面図。
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、物品処理システム1は、物品としての容器2(図2参照)をすすぎ洗浄する回転式のリンサ3と、このリンサ3からの容器2をフィラ4に受け渡す受け渡しホイール5とを備えている。本実施例では、上記リンサ3と受け渡しホイール5の左側部分は、これらを囲んでその内部を外部雰囲気から遮断する第1チャンバー6内に設けられている。
上記フィラ4は受け渡しホイール5から受け渡された容器2内に所定量の液体を充填するようになっており、その際に、容器2内の液面上に泡が発生することがある。特に液体が炭酸飲料等の場合には、泡は容器の口部まで達することがある。上記フィラ4によって液体が充填された容器2は、次に中間ホイール7に受け渡され、該中間ホイール7によって回転搬送される間に、消泡装置8によって上記泡が消去される。
上記消泡装置8は、図2に示すように、中間ホイール7の上方に設けられており、第2チャンバー12の天井から中間ホイール7の中央部に向けて鉛直下方に延びるダクト13とそこから分岐させた分岐ダクト14とを備えている。上記ダクト13と分岐ダクト14の下部にブラケット15を取り付けてあり、このブラケット15に消泡装置8の概略長方形状のケーシング16を固定してある。
上記ケーシング16は中間ホイール7の半径方向外方に向くように水平に配置してあり、中間ホイール7の中心から外側に向けて超音波振動子21、コーン22、ブースター23、超音波ホーン24およびカバー25を順次配設してある。
上記超音波振動子21と第2チャンバー12の天井の外部に設けた超音波発振器26とは、分岐ダクト14とダクト13内に配線した電線27で接続してあり、また分岐ダクト14とダクト13内に冷却用エアパイプ28を配管して、その先端部を超音波振動子21に向けてある。他方、この冷却用エアパイプ28の末端部は、第2チャンバー12の外部に設けた図示しない冷却エア源に接続してある。
さらに上記超音波ホーン24の材質はチタンから構成してあり、かつ該超音波ホーン24の表面すなわちチタンの表面は窒化クロムでコーティングしてある。
上記消泡装置8は物品処理システム1の運転中は連続して作動されている。すなわち物品処理システム1の運転が開始されると、図示しない制御装置から超音波発振器26に運転指令が入力され、それにより超音波振動子21が作動される。これと同時に、冷却用エアパイプ28の先端部から超音波振動子21に向けて冷却エアが噴射される。
超音波振動子21が作動されると、ここで発生された超音波はコーン22を介してブースター23に案内され、該ブースター23で増幅されて超音波ホーン24から中間ホイール7の半径方向外方に放射され、さらにカバー25で反射されて下方に放射される。
上記フィラ4によって液体が充填されて中間ホイール7に受け渡された容器2は、該中間ホイール7のグリッパ7aによって首部を把持された状態で回転搬送され、上記カバー25の下方を通過される。この際、上記カバー25で反射されて下方に放射される超音波により、充填時に容器2内の液面上に発生した泡が消去される。
上記消泡装置8によって泡が消去された容器2は、図1に示すように、中間ホイール7からキャッパ31に受け渡され、該キャッパ31によって容器2の口部に図示しないキャップが装着される。
その後、キャップが装着された容器2はキャッパ31から排出ホイール32を介して排出コンベヤ33に受け渡され、該排出コンベヤ33によって第2チャンバー12の外部に搬出される。
上記受け渡しホイール5の右側部分とフィラ4、さらに中間ホイール7、消泡装置8、排出ホイール32および排出コンベヤ33の一部は、上記第2チャンバー12によって囲まれて閉鎖されており、さらに上記第1チャンバー6と第2チャンバー12との間も、受け渡しホイール5に跨って設けた連通チャンバー35で密封連通させてある。
そして上記第2チャンバー12に、その内部に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素供給手段36を接続してあり、これらによって上記物品処理システム1を無菌状態で運転できるように構成してある。
図示しないが上記各チャンバー6、12内には所要位置にスプレーボールが配置されており、物品処理システム1の洗浄時には各スプレーボールよりチャンバー6、12内の各構成部材に向けてオキソニアなどの洗浄水が噴射される。その後、各チャンバー6、12内が乾燥されたら、上記過酸化水素供給手段36から第2チャンバー12および第1チャンバー6内に過酸化水素ガスが供給されて各構成部材が滅菌される。
この際、上記超音波ホーン24の表面は窒化クロムでコーティングしてあるので、その表面が過酸化水素ガスで滅菌されても腐食が防止され、良好な耐久性が維持される。
図3は本発明の効果を説明する実験結果図である。
本実験においては、本発明品としてチタンの表面に窒化クロムを施した金属片と、比較品として純チタンの金属片と、チタンの表面に窒化チタンを施した金属片と、さらに純チタンに500℃の熱を加えて空冷した金属片とを用意し、各金属片を35%過酸化水素水40mLに浸漬した。この過酸化水素水の温度は、洗浄時の第2チャンバー12内の温度を考慮して45℃に設定した。
実験開始前に各金属片の重量を計測し、実験開始から17時間後、40時間後、60時間後、80時間後に各金属片の重量を計測した。過酸化水素水は重量計測時ごとに新しいものに交換し、それ以外は各金属片を過酸化水素水中に静置した。
上記実験結果における変化量の欄の数値から明らかなように、本発明品の重量減少量は比較品に比べて遥かに小さく、過酸化水素水によって腐食されることなく高い耐久性を維持できることが確認された。
なお、窒化クロムをコーティングした超音波ホーン24は、超音波の伝波に対しても機能的にも問題が無く、アルミ又はチタン製の超音波ホーンと同等の消泡機能がある事が確認されている。
図4は本発明の第2実施例を示したもので、上記第1実施例が消泡装置8のケーシングを水平に配置したのに対し、本実施例では中間ホイール7によって搬送される容器2の口部に向けて鉛直に配置している。そのために本実施例ではカバー25を省略してあり、図示しない超音波ホーンから放射される超音波を直接容器2の口部からその内部に放射できるようにしてある。
その他の構成は上記第1実施例と同様に構成してあり、第1実施例と同一もしくは相当部分には、第1実施例と同一の符号を付して示してある。
本実施例においても、第1実施例と同等の作用効果が得られることは明らかである。
なお上記実施例では、超音波ホーン24にコーティングした窒化クロムに傷がついたり完全にコーティングできずに超音波ホーン24の材質が露出した際にその耐久性を可及的に維持できるようにチタンで構成しているが、これに限定されるものではなく適宜の材質を用いてもよい。
また上記実施例では、物品としての容器2に所要の処理を施す処理装置はフィラ4やキャッパ31などによって構成してあるが、これに限定されるものではない。例えば、特開2013−252892号公報に開示された容器供給装置や特開2014−9008号公報に開示された縦型充填包装装置を処理装置として用いることができ、これらの場合には、超音波ホーンは超音波加熱によるシール手段として用いることができる。
1 物品処理システム 2 容器(物品)
4 フィラ 6 第1チャンバー
7 中間ホイール 8 消泡装置
12 第2チャンバー 24 超音波ホーン
31 キャッパ 36 過酸化水素供給装置

Claims (3)

  1. 内部を外部雰囲気から遮断するチャンバーと、このチャンバー内に設けられて物品に所要の処理を施す処理装置と、該処理装置に設けられて物品に向けて超音波を放射する超音波ホーンと、上記チャンバー内に過酸化水素を供給してチャンバー内を殺菌する過酸化水素供給手段とを備えた物品処理システムであって、
    上記超音波ホーンの表面を窒化クロムでコーティングしたことを特徴とする物品処理システム。
  2. 上記処理装置は、物品としての容器に液体を充填するフィラと、液体が充填された容器にキャップを装着するキャッパとを備えており、上記超音波ホーンは上記フィラからキャッパヘの容器搬送経路上に設けられて、該超音波ホーンから液体が充填された容器の開口部に向けて超音波を放射することにより液面の泡を消去することを特徴とする請求項1に記載の物品処理システム。
  3. 上記超音波ホーンの材質はチタンから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品処理システム。
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