JPH09327650A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH09327650A
JPH09327650A JP14963596A JP14963596A JPH09327650A JP H09327650 A JPH09327650 A JP H09327650A JP 14963596 A JP14963596 A JP 14963596A JP 14963596 A JP14963596 A JP 14963596A JP H09327650 A JPH09327650 A JP H09327650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
parts
coating material
resin
paint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14963596A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kasari
章 加佐利
Hiroaki Oda
浩明 小田
Mitsugi Endo
貢 遠藤
Mikimasa Shimakawa
幹巨 島川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP14963596A priority Critical patent/JPH09327650A/ja
Publication of JPH09327650A publication Critical patent/JPH09327650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は着色ベース塗料、干渉ベース塗料およ
びクリヤー塗料を用いて三層塗膜を形成する方法であっ
て、特に、平滑性、深み感、奥行感および真珠光沢感な
どがすぐれ、しかも塗装時の湿度が高くても塗料が流れ
にくく低湿度で塗装しても塗面に肌荒れが生じることが
ない塗膜形成方法に関する。 【解決手段】酸価が5〜100である水酸基含有樹脂の
中和物および架橋剤を主成分とし、マンセルチャートで
N6〜9の着色塗膜を形成する有機溶剤系熱硬化性着色
ベース塗料(A)を塗装し、未硬化の該着色塗面に、酸
化チタンで表面被覆したりん片状雲母粉末を含有する水
系熱硬化性干渉ベース塗料(B)を塗装し、50〜10
0℃で予備乾燥してから、熱硬化性クリヤー塗料(C)
を塗装した後、加熱して上記(A)、(B)および
(C)からなる三層塗膜を同時に硬化させることを特徴
とする塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は着色ベース塗料、干渉ベ
ース塗料およびクリヤー塗料を用いて三層塗膜を形成す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】酸価が5〜100である多価
カルボン酸樹脂の中和物およびアミノ樹脂を必須成分と
し、メタリック顔料を含有しない有機溶剤系熱硬化性塗
料を塗装し、塗着した該塗料の粘度を10ポイズ(20
℃)以上に調整し、その上に熱硬化性水性メタリック塗
料を塗装し、さらに透明熱硬化性塗料を塗装した後、こ
れらの三層塗膜を加熱して同時に硬化することは知られ
ている(方法1)(特公平4−25076)。しかしな
がら、この方法1ではメタリック顔料としてアルミニウ
ム、銅、真鍮、雲母状酸化鉄、青銅、ステンレススチー
ルなどのりん片状金属粉を使用しているので平面的な金
属性光輝塗膜しか得られず、深み感や奥行感および真珠
光沢感などのすぐれた塗膜を得ることは困難であった。
【0003】また、マンセルチャートでN7〜9の塗膜
を形成する着色ベース塗料を塗装し、硬化させることな
く、酸化チタンで表面被覆したりん片状雲母粉末を含有
する干渉ベースコートを塗装し、50〜100℃で予備
乾燥してから、クリヤーコートを塗装し、ついで加熱し
てこれらの三層塗膜を同時に架橋硬化させることからな
り、該着色ベース塗料および該干渉ベースコートが、ア
クリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョンお
よび架橋剤を主成分とする熱硬化性水性塗料であること
を特徴とする複層塗膜形成方法も知られている(方法
2)(特開平8−10691)。しかしながら、この方
法2では着色ベース塗料および干渉ベースコートがいず
れも水性塗料であり、これらの水性塗料は塗装時の湿度
により水の蒸発量が大きく変動し、高湿度では塗料が流
れやすく、低湿度では塗面に肌荒れが生じるので塗装時
での湿度管理を厳密に行う必要があり、そのための労力
や設備コストが多大となって経済的に好ましくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記方法1およ
び2の欠陥を解消し、深み感、奥行感および真珠光沢感
などがすぐれ、しかも塗装時の湿度が高くても塗料が流
れにくく低湿度で塗装しても塗面に肌荒れが生じること
がない。しかも干渉ベース塗料の雲母粉末の配向性にム
ラがなく、かつ平滑性などがすぐれている塗膜形成方法
に関する。
【0005】すなわち、本発明は、酸価が5〜100で
ある水酸基含有樹脂の中和物および架橋剤を主成分と
し、マンセルチャートでN6〜9の着色塗膜を形成する
有機溶剤系熱硬化性着色ベース塗料(A)を塗装し、未
硬化の該着色塗面に、酸化チタンで表面被覆したりん片
状雲母粉末を含有する水系熱硬化性干渉ベース塗料
(B)を塗装し、50〜100℃で予備乾燥してから、
熱硬化性クリヤー塗料(C)を塗装した後、加熱して
(A)、(B)および(C)からなる三層塗膜を同時に
硬化させることを特徴とする塗膜形成方法に関する。
【0006】以下に本発明の塗膜形成方法(本方法)に
ついて詳細に説明する。
【0007】着色ベース塗料(A):酸価が5〜100
である水酸基含有樹脂の中和物および架橋剤を主成分と
し、マンセルチャートでN6〜9の着色塗膜を形成する
有機溶剤系熱硬化性塗料であり、水系熱硬化性干渉ベー
ス塗料(B)に先立って被塗物に塗装する液状塗料であ
る。
【0008】着色ベース塗料(A)は、酸価が5〜10
0である水酸基含有樹脂(A−1)の中和物、架橋剤
(A−2)およびマンセルチャートでN6〜9の色調を
示すための着色顔料(A−3)を必須成分とし、これら
を有機溶剤に混合せしめてなる有機溶剤系熱硬化性塗料
である。
【0009】(A−1)は酸価が5〜100である水酸
基含有樹脂で、1分子中にカルボキシル基および水酸基
を併存する樹脂である。該カルボキシル基の含有量は酸
価に基いて5〜100mgKOH/g、好ましくは10
〜70mgKOH/g、特に好ましくは30〜50mg
KOH/gである。酸価が5mgKOH/gより小さく
なると次いで塗装する干渉ベース塗料(B)とのなじみ
が悪く、かつ該塗料(B)中の水分を吸い込む能力が劣
るために、該塗料(B)の流れムラ、タレなどの欠陥を
生じ、りん片状雲母粉末による干渉模様が劣るので好ま
しくない。また酸価が100より大きくなると塗膜の耐
水性が低下するので好ましくない。
【0010】また該樹脂(A−1)中の水酸基は架橋剤
(A−2)との架橋反応性を付与させるもので、その含
有量は水酸基価に基いて10〜150mgKOH/g、
特に30〜80mgKOH/gが好ましい。
【0011】樹脂(A−1)として、具体的には、カル
ボキシル基および水酸基を有せしめたアクリル樹脂、ビ
ニル樹脂およびポリエステル樹脂などがあげられる。
【0012】アクリル樹脂およびビニル樹脂は、カルボ
キシル基含有不飽和単量体および水酸基含有不飽和単量
体を主成分とし、さらに必要に応じてその他の不飽和単
量体を使用してなる重合体である。これらの数平均分子
量は約3000〜100000、特に約5000〜50
000が好ましい。
【0013】カルボキシル基含有不飽和単量体は1分子
中に重合性不飽和二重結合およびカルボキシル基をそれ
ぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロト
ン酸およびこれらのジカルボン酸のハーフモノアルキル
エステル化物などがあげられ、これらは1種または2種
以上が使用できる。
【0014】水酸基含有不飽和単量体は1分子中に重合
性不飽和二重結合および水酸基をそれぞれ少なくとも1
個有する化合物であり、例えばヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数2〜
10のグリコール類とのモノエスエテル類などがあげら
れ、これらは1種または2種以上が使用できる。
【0015】その他の不飽和単量体は、1分子中に重合
性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物であ
り、カルボキシル基含有不飽和単量体および水酸基含有
不飽和単量体以外の化合物である。具体的には、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチル
メタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタ
クリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレートおよび
ラウリルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタク
リル酸と炭素数1〜24のモノアルコール類とのモノエ
スエテル類;グリシジルアクリレートおよびグリシジル
メタクリレートなどのグリシジル基含有不飽和単量体;
アクリロニトリル、アクリルアミド、Nーメチルアクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミドおよびジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなどの窒素含有不飽和単
量体;スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトル
エンなどの芳香環含有不飽和単量体;酢酸ビニル、塩化
ビニル;などがあげられ、これらは1種または2種以上
が使用できる。
【0016】ポリエステル樹脂は、多価アルコールおよ
び多塩基酸、さらに必要に応じて一塩基酸、油成分(こ
の脂肪酸も含む)などを用いてエステル反応させること
によって調製されるオイルフリーもしくは油変性のポリ
エステル樹脂である。該樹脂の数平均分子量は約500
〜50000、特に約3000〜30000が好まし
い。
【0017】多価アルコールは1分子中に2個以上の水
酸基を有する化合物であり、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプ
ロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールおよびカージュラE(シェル
化学社製、商品名)などがあげられ、これらは1種また
は2種以上が使用できる。多塩基酸は1分子中に2個以
上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えばフタ
ル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれ
らの無水物などがあげられ、これらは1種または2種以
上が使用できる。
【0018】一塩基酸は1分子中に1個のカルボキシル
基を有する化合物であり、例えば安息香酸およびt−ブ
チル安息香酸などがあげられ、油成分(この脂肪酸も含
む)としてはヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、
大豆油、あまに油、トール油、ヤシ油およびこれらの脂
肪酸などがあげられ、これらは1種または2種以上が使
用できる。
【0019】該ポリエステル樹脂において、カルボキシ
ル基は例えば1分子中に3個以上のカルボキシル基を有
するトリメリット酸およびピロメリット酸などの多価カ
ルボン酸を併用するか、ジカルボン酸をハーフエステル
付加することによって導入でき、水酸基はグリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの
1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールを
併用することによって容易に導入できる。
【0020】樹脂(A−1)として、アクリル樹脂また
はビニル樹脂をポリエステル樹脂にグラフト化したグラ
フト重合体も適用でき、その数平均分子量は500〜4
0000が適している。該グラフト重合体は重合性不飽
和基を有するポリエステル樹脂に上記不飽和単量体を反
応させることによって得られる。
【0021】着色ベース塗料(A)で使用する該樹脂
(A−1)はそのカルボキシル基を中和するが、それは
架橋剤(A−2)などと混合する前に塩基性物質を用い
て行うことが好ましい。
【0022】中和用の塩基性物質としては水溶性が好ま
しく、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、エチレンジアミン、モルホリ
ン、N−アルキルモルホリン、ピリジン、モノイソプロ
パノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソ
プロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびトリエ
タノールアミンなどがあげられ、これらは1種または2
種以上が使用できる。これらの中和剤の使用量は樹脂
(A−1)中のカルボキシル基に対して0.1〜2.0
当量、特に0.3〜1.2当量が適している。
【0023】架橋剤(A−2)は、着色ベース塗料
(A)における中和した樹脂(A−1)の水酸基と反応
して三次元に架橋硬化せしめるためのものである。具体
的にはメラミン、ベンゾグアナミンまたは尿素などのア
ミノ化合物のアミノ基の一部もしは全部にホルムアルデ
ヒドを縮合反応して得られるイミノ基が残存しているこ
ともあるメチロール化アミノ樹脂;さらに該メチロール
化アミノ樹脂のメチロール基のすべてもしくは一部に炭
素数1〜10のモノアルコールから選ばれた1種もしく
は2種以上アルコールでエーテル化してなるイミノ基や
メチロール基などが残存していることもあるアルキルエ
ーテル化アミノ樹脂があげられる。該アルキルエーテル
化アミノ樹脂の数平均分子量は400〜3000が好ま
しい。
【0024】さらに架橋剤(A−2)として、1分子中
に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族系、芳香
族系または脂環族系のポリイソシアネート化合物の該イ
ソシアネート基をフェノール類、アルコール類、オキム
類、ラクタム類などのブロック剤で封鎖してなるブロッ
クポリイソシアネート化合物なども使用できる。
【0025】中和した樹脂(A−1)と架橋剤(A−
2)との比率は固形分量に基いて、前者は50〜90重
量%、特に65〜80重量%、後者は50〜10重量
%、特に35〜20重量%が適している。
【0026】着色顔料(A−3)は着色ベース塗料
(A)による塗膜の色調をマンセルチャートでN6〜9
に着色するために使用する顔料である。該塗膜の色調が
マンセルチャートに基いてN6より小さくなると干渉模
様の均一性が低下しムラが発生しやすくなり、一方、N
9より大きくなると該塗膜の下地色が透けて見えるので
いずれも好ましくない。
【0027】かかる着色顔料(A−3)として、例えば
二酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、べんがら、
カドミウムレッド、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン
イエロー、酸化クロム、コバルトグリーン、群青、紺
青、コバルトブルー、コバルトバイオレット、アゾ顔
料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソイン
ドリン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、チオイ
ンジゴ顔料などの無機系および有機系顔料があげられ、
これらから選ばれた1種もしくは2種以上を使用して、
塗膜の色調がマンセルチャートでN6〜9になるように
選択する。
【0028】着色顔料(A−3)には原則としてアルミ
ニウム粉末のようなメタリック顔料や雲母粉末のような
干渉顔料を配合する必要はない。
【0029】本方法における有機溶剤系熱硬化性着色ベ
ース塗料(A)は、上記の樹脂(A−1)の中和物、架
橋剤(A−2)および着色顔料(A−3)を有機溶剤に
混合することによって得られる。
【0030】有機溶剤としては塗料用の通常の既知のも
のが使用でき、例えばエステル系、エーテル系、アルコ
ール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環
族炭化水素系、芳香族炭化水素系の溶剤があげられ、こ
れらから選ばれた1種もしくは2種以上を使用できる。
特にこのうち、酢酸エチレングリコールモノメチルエー
テル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、アリ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、第3ブチルアルコール、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、2,3−ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、ヘキサンジオール、ジプロピレングリコー
ル、アセトン、ヂアセトンアルコール、などのような親
水性有機溶剤を用いることが好ましい。これらの親水性
有機溶剤は1種もしくは2種以上を使用できる。該親水
性有機溶剤は水に溶解しやすく、例えば20℃におい
て、水100重量部あたり50重量部以上溶解する有機
溶剤である。親水性有機溶剤の比率は、塗装時の着色ベ
ース塗料(A)に含まれる有機溶剤の合計重量に基いて
20重量%以上、特に40〜100重量%含有している
ことが適している。
【0031】着色ベース塗料(A)において、これらの
有機溶剤の一部を脱イオン水などの水に置換して、有機
溶剤と水との混合系とし、これに上記各成分を混合した
塗料も含まれる。有機溶剤と水との混合系において、有
機溶剤含有率は50〜100重量%、水含有率は0〜5
0重量%の範囲内が適している。
【0032】着色ベース塗料(A)は、上記のように樹
脂(A−1)の中和物、架橋剤(A−2)および着色顔
料(A−3)を有機溶剤に混合することによって得られ
るが、さらに必要に応じて沈降防止剤や体質顔料などを
適宜配合することができる。また、着色ベース塗料
(A)の塗装時において、大気汚染防止や省資源のため
に有機溶剤量を少なくし、塗装時の不揮発分濃度を35
重量%以上、特に40〜90重量%に調整したハイソリ
ッドタイプであることが好ましい。
【0033】本方法において、着色ベース塗料(A)
は、自動車外板(金属製またはプラスチック製)などの
被塗物に直接塗装することは可能であるが、カチオン型
やアニオン型の電着塗料などのプライマーおよび中塗塗
料などを塗装し硬化した塗面に塗装することが好まし
い。着色ベース塗料(A)の塗装は、塗装時粘度を13
〜60秒/フォードカップ#4/20℃、好ましくは1
5〜40秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、エ
アスプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより、
硬化塗膜に基づく膜厚が5〜25μm、特に10〜20
μmになるように塗装することが好ましい。この着色ベ
ース塗料(A)の塗膜を加熱硬化させることなく必要に
応じて常温で1〜20分放置してから、未硬化の該塗面
に、干渉ベース塗料(B)を塗装する。
【0034】水系熱硬化性干渉ベース塗料(B):酸化
チタンで表面被覆したりん片状雲母粉末を含有する水系
熱硬化性干渉ベース塗料であり、未硬化の着色ベース塗
料(A)の塗面に塗装する水系液状塗料である。
【0035】干渉ベース塗料(B)は酸化チタンで表面
被覆したりん片状雲母粉末を含有する水系熱硬化性干渉
ベース塗料であり、ビヒクル成分および酸化チタンで表
面被覆したりん片状雲母粉末を水に分散せしめてなる水
系液状塗料である。
【0036】このビヒクル成分は、干渉ベース塗料
(B)塗膜の樹脂成分であり、基体樹脂と架橋剤とから
なっている。該基体樹脂は該架橋剤と三次元に架橋反応
し硬化塗膜を形成するもので、カルボキシル基、水酸
基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラノール
基などから選ばれた1種もしくは2種以上の架橋性官能
基を1分子中に2個以上有するアクリル樹脂、ビニル樹
脂およびポリエステル樹脂などが好適にあげられる。
【0037】これらの官能基を有するアクリル樹脂およ
びビニル樹脂は、上記着色ベース塗料(A)の構成成分
である樹脂(A−1)で説明したカルボキシル基含有不
飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体およびグリシジル
基含有不飽和単量体から選ばれた1種もしくは2種以上
の官能基含有単量体を用い、さらに必要に応じてアクリ
ル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜24のモノアルコ
ール類とのモノエスエテル類、窒素含有不飽和単量体、
芳香環含有不飽和単量体などを用いてなる重合体があげ
られる。
【0038】アクリル樹脂およびビニル樹脂にシラノー
ル基またはアルコキシシラノール基を導入するために、
これらの官能基を含有する不飽和単量体、例えばビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−アク
リロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−メタ
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどか
ら選ばれた1種もしくは2種以上を使用し、上記各種単
量体から選択された1種以上と重合することによって導
入される。
【0039】これらの官能基を有するアクリル樹脂およ
びビニル樹脂の数平均分子量は約3000〜10000
0、特に約5000〜50000が好ましい。また、上
記官能基は1分子中に2個以上であり、特に2〜500
個が適している。
【0040】これらのアクリル樹脂およびビニル樹脂は
有機溶剤中で溶液重合することによって得られるが、分
散安定剤水溶液の存在下でエマルジョン重合することに
よっても製造できる。
【0041】分散安定剤としては、ノニオン系界面活性
剤やアニオン系界面活性剤のほか、酸価20〜150で
数平均分子量が5000〜30000のアクリル樹脂な
どの親水性樹脂の水溶液などが好適に使用できる。
【0042】エマルジョン重合自体は既知の方法で行う
ことができる。なかでも、カルボキシル基含有不飽和単
量体を使用した多段重合法によって製造したエマルジョ
ンは塗装作業性がすぐれているので好ましい。すなわ
ち、最初にカルボキシル基含有不飽和単量体を全くもし
くは殆ど含まない(通常3重量%以下)系で重合を行
い、次いでカルボキシル基含有不飽和単量体を多量(通
常全単量体中5〜30重量%)含有させて重合し中和す
ることによって、エマルジョンの粘度が上昇しタレやム
ラのない塗装作業性にすぐれている。中和剤としては上
記樹脂(A−1)で例示した塩基性物質が適用でき、そ
の使用量は該重合体中のカルボキシル基に対して0.1
〜2.0当量、特に0.3〜1.2当量が適している。
【0043】また上記官能基を有するポリエステル樹脂
は上記の着色ベース塗料(A)の酸価5〜100の水酸
基含有樹脂(A−1)として例示したポリエステル樹脂
が使用できる。
【0044】架橋剤は該基体樹脂中の上記のカルボキシ
ル基、水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシ
シラノール基などから選ばれた1種もしくは2種以上の
架橋性官能基と三次元に架橋反応し硬化塗膜を形成せし
めるものである。
【0045】具体的には以下に例示するものが好適であ
る。
【0046】1)上記着色ベ−ス塗料(A)の中和した
樹脂(A−1)を架橋硬化せしめるものとして例示した
イミノ基が残存していることもあるメチロール化アミノ
樹脂やイミノ基やメチロール基などが残存していること
もあるアルキルエーテル化アミノ樹脂。
【0047】2)ブロックポリイソシアネート化合物。
これは1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
脂肪族、脂環族または芳香族ポリイソシアネート化合物
の遊離イソシアネート基をアルコール、フェノール、ラ
クタム、オキシムなどのブロック剤でブロックしてなる
化合物。
【0048】ビヒクル成分における基体樹脂と架橋剤と
の比率は、該両成分の合計重量に基いて、基体樹脂は5
0〜90%、特に65〜80%、架橋剤は50〜10
%、特に35〜20%が好ましい。
【0049】干渉ベース塗料(B)で使用する酸化チタ
ンで表面被覆したりん片状雲母粉末は干渉模様塗膜形成
用顔料として既知のものが適用でき、りん片状雲母粉末
の表面を酸化チタンで被覆したものであり、その大きさ
は最大直径が5〜60μ、特に5〜25μの範囲内にあ
り、厚さは0.25〜1.5μ、特に0.5〜1μの範
囲内にああるものが好ましい。酸化チタンの被覆厚さに
よって干渉色を変化させることができ、その厚さは通常
0.001〜1μの範囲が好ましい。
【0050】酸化チタンで表面被覆したりん片状雲母粉
末の配合量は、上記ビヒクル成分の固形分100重量部
あたり、3〜20重量部、特に7〜13重量部が適して
いる。
【0051】干渉ベース塗料(B)は、上記のビヒクル
成分および酸化チタンで表面被覆したりん片状雲母粉末
を水に混合分散せしめることによって得られるが、さら
に必要に応じて銀メッキガラスフレーク、チタンコート
グラファイト、金属チタンフレーク、板状酸化鉄、フタ
ロシアニンフレークなどを配合することも可能である。
【0052】本方法において、干渉ベース塗料(B)
は、必要に応じて常温で1〜20分間放置した未硬化の
着色ベース塗料(A)の塗面に塗装する。干渉ベース塗
料(B)の塗装時粘度を15〜60秒/フォードカップ
#4/20℃、好ましくは20〜50秒/フォードカッ
プ#4/20℃に調整し、エアスプレー、エアレススプ
レー、静電塗装などにより、硬化塗膜に基づく膜厚が5
〜25μm、特に10〜20μmになるように塗装する
ことが好ましい。
【0053】本方法では、被塗面に着色ベース塗料
(A)を塗装し、未硬化の該塗面に干渉ベース塗料
(B)を塗装したのち、50〜100℃で予備乾燥を行
うことが必要である。この予備乾燥により着色ベース塗
料(A)および干渉ベース塗料(B)の塗膜中に含まれ
る有機溶剤や水などの揮発成分の殆どもしくはすべてが
蒸発するが、塗膜の架橋反応はほとんどもしくは全く行
われておらず、予備乾燥後の該両塗膜のゲル分率は通常
0〜5%である。
【0054】本方法において、着色ベース塗料(A)お
よび干渉ベース塗料(B)の両塗膜を予備乾燥すると該
両塗膜に含まれる溶剤などの揮発性成分の殆どもしくは
すべてが揮散し該塗膜が乾燥固体するので、その塗面に
クリヤー塗料(C)を塗装し該塗膜中に含まれる溶剤や
低分子樹脂成分などが該両塗膜中に浸透拡散しても、該
両塗膜の粘度が低下せず、酸化チタン被覆雲母粉末が再
流動することがなくムラなどの発生を防止することがで
きた。
【0055】熱硬化性クリヤー塗料(C):50〜10
0℃で予備乾燥した干渉ベース塗料(B)の塗膜面に塗
装する、透明塗膜を形成する有機溶剤系熱硬化性塗料で
ある。
【0056】該クリヤー塗料(C)はビヒクル成分を有
機溶剤に溶解もしくは分散せしめてなる液状塗料であ
る。ビヒクル成分は、クリヤー塗料(C)塗膜形成のた
めの樹脂成分であり、基体樹脂と架橋剤とからなってい
る。
【0057】該基体樹脂は該架橋剤と三次元に架橋反応
し硬化塗膜を形成するもので、カルボキシル基、水酸
基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラノール
基などから選ばれた1種もしくは2種以上の架橋性官能
基を1分子中に2個以上有するアクリル樹脂およびビニ
ル樹脂などが好適にあげられる。具体的には上記干渉ベ
ース塗料(B)で説明したものが好適に使用できる。架
橋剤は該基体樹脂中の上記のカルボキシル基、水酸基、
エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラノール基な
どから選ばれた1種もしくは2種以上の架橋性官能基と
三次元に架橋反応し硬化塗膜を形成せしめるもので、具
体的には上記干渉ベース塗料(B)で説明したものが好
適に使用できる。これらの基体樹脂と架橋剤との比率
は、例えば該両成分の合計固形分重量に基いて、基体樹
脂は50〜90%、特に65〜85%、架橋剤は50〜
10%、特に35〜15%が適している。
【0058】特に環境問題、省資源など観点から、有機
溶剤含有率の少ないハイソリッド型クリヤー塗料を用い
ることが好ましい。なかでも、アクリル樹脂およびヘキ
サアルコキシメチルメラミンをビヒクル成分とし、さら
に酸触媒を配合してなる有機溶剤系高固形分熱硬化性ク
リヤー塗料が適している。
【0059】該アクリル樹脂は水酸基を有し、アクリル
酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステ
ルを主に使用してなる樹脂であり、具体的には前記着色
ベース塗料(A)の水酸基含有樹脂(A−1)の説明で
例示した各種単量体を適宜使用して重合せしめることに
より得られ、その水酸基価は50〜200mgKOH/
g、特に80〜140mgKOH/gが、酸価は0〜5
0mgKOH/g、特に0〜20mgKOH/gが、数
平均分子量は1000〜100000、特に2000〜
10000が適している。
【0060】ヘキサアルコキシメチルメラミンは該アク
リル樹脂の架橋剤であり、ヘキサメチロールメラミンを
炭素数1〜10のモノアルコールでフルエーテル化する
ことによって得られる。このものはトリアジン核1個が
有する6個のメチロール基がすべてアルキルエーテル化
されていることが必要であり、1核中でのアルキル基は
同一もしくは異なっていても差支えない。特に好適なア
ルキル基は例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、
イソブチル基などがあげられる。
【0061】これらのアクリル樹脂とヘキサアルコキシ
メチルメラミンとの比率は、例えば該両成分の合計固形
分重量に基いて、アクリル樹脂は50〜90%、特に6
0〜80%、ヘキサアルコキシメチルメラミンは50〜
10%、特に40〜20%が適している。
【0062】酸触媒は上記のアクリル樹脂とヘキサアル
コキシメチルメラミンとの架橋反応を促進させるための
ものであって、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン
酸などがあげられ、これらはアミン類でブロックされて
いてもよい。酸触媒の配合量はアクリル樹脂とヘキサア
ルコキシメチルメラミンとの合計固形分100重量部あ
たり、0.1〜5重量部が適している。
【0063】クリヤー塗料(C)は上記ビヒクル成分を
有機溶剤に溶解もしくは分散せしめてなる液状塗料であ
る。
【0064】有機溶剤は上記ビヒクル成分を溶解もしく
は分散せしめるものであり、例えば炭化水素型、アルコ
ール型、エステル型、ケトン型、エーテル型などから選
ばれた1種もしくは2種以上の塗料用溶剤が使用でき
る。
【0065】クリヤー塗料(C)は上記成分を主成分と
しているが、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定
剤、表面調整剤などを適宜添加でき、また着色顔料、メ
タリック顔料および雲母などの干渉模様顔料などを該塗
膜の透明性が阻害されない程度に配合できる。
【0066】本発明の塗膜形成方法は上記の着色ベース
塗料(A)を塗装し、未硬化の該塗面に、干渉ベース塗
料(B)を塗装し、50〜100℃で予備乾燥してか
ら、クリヤー塗料(C)を塗装した後、加熱して該
(A)、(B)および(C)からなる三層塗膜を同時に
硬化させることである。
【0067】着色ベース塗料(A)は、自動車外板(金
属製またはプラスチック製)などの被塗物に直接塗装す
ることは可能であるが、カチオン型やアニオン型の電着
塗料などのプライマーおよび中塗塗料などを塗装し硬化
した塗面に塗装することが好ましい。
【0068】着色ベース塗料(A)の塗装時粘度を13
〜60秒/フォードカップ#4/20℃(以下同様)、
好ましくは15〜40秒に調整し、エアスプレー、エア
レススプレー、静電塗装などにより、硬化塗膜に基づく
膜厚が5〜25μm、特に10〜20μmになるように
塗装することが好ましい。
【0069】ついで、この着色ベース塗料(A)の塗膜
を加熱硬化させることなく必要に応じて常温で1〜20
分放置してから、未硬化の該塗面に、塗装時粘度を15
〜60秒、好ましくは20〜50秒に調整した干渉ベー
ス塗料(B)をエアスプレー、エアレススプレー、静電
塗装などにより、硬化塗膜に基づく膜厚が5〜25μ
m、特に10〜20μmになるように塗装する。
【0070】本発明では、このように着色ベース塗料
(A)および干渉ベース塗料(B)を塗装したのち、5
0〜100℃で5〜60分間予備乾燥を行うことが必要
である。この予備乾燥により着色ベース塗料(A)およ
び干渉ベース塗料(B)の塗膜中に含まれる有機溶剤や
水などの揮発成分の殆どもしくはすべてが蒸発するが、
塗膜の架橋反応はほとんどもしくは全く行われておら
ず、予備乾燥後の該両塗膜のゲル分率は通常0〜5%で
ある。
【0071】そして、予備乾燥後の干渉ベース塗料
(B)の塗面に、塗装時粘度を15〜50秒、好ましく
は20〜40秒に調整したクリヤー塗料(C)を、エア
スプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより、硬
化塗膜に基づく膜厚が20〜60μm、特に30〜50
μmになるように塗装する。ついで、必要に応じ室温で
1〜20分間放置してから120〜180℃で10〜6
0分間加熱して、着色ベース塗料(A)、干渉ベース塗
料(B)およびクリヤー塗料(C)からなる三層塗膜を
同時に三次元架橋硬化せしめることによって本発明の塗
膜形成方法が達成される。
【0072】本発明の方法により達成される技術的効果
はつぎのとおりである。
【0073】1.マンセルチャートN6〜9の着色塗膜
に酸化チタン被覆りん片状雲母粉末含有塗膜を形成した
ので、深み感や奥行感がすぐれた真珠光沢塗膜が形成で
きた。
【0074】2.着色ベース塗料(A)および干渉ベー
ス塗料(B)を塗装し、50〜100℃で予備乾燥して
からクリヤー塗料(C)を塗装するので、干渉ベース塗
膜とクリヤー塗膜との混層が起こらず、干渉ベース塗膜
中の酸化チタン被覆りん片状雲母粉末の配向性が乱され
ず、しかも塗膜のワキやタレなどの発生も防止できた。
【0075】3.干渉ベース塗料(B)は水性系である
ので有機溶剤系に比べて、酸化チタン被覆りん片状雲母
粉末が塗面に対して平行に配向しやすく、この顔料によ
る干渉模様が鮮明となり、深み感、奥行感および真珠光
沢感が改良された。
【0076】4.水系の干渉ベース塗料(B)を有機溶
剤系の着色ベース塗料(A)の未硬化塗面に塗装してい
るので、塗装時の湿度が変動しても塗料が流れたり、塗
面に肌荒れが生じたりすることが殆どなくなり、そのた
め塗装時の湿度管理を厳密に行う必要がなくなった。
【0077】以下に、本発明に関する実施例および比較
例について説明する。部および%はいずれも重量に基づ
く。
【0078】1.製造例 1)アクリル樹脂溶液(a−1) 120℃に加温したブチルセロソルブ60部に、単量体
成分−1(注1)を3時間を要して加え共重合させて、
酸価40、水酸基価52および数平均分子量約1000
0である不揮発分60%のアクリル樹脂溶液(a−1)
を得た。
【0079】注1:単量体成分−1 メタクリル酸メチル30部、アタクリル酸エチル23
部、アタクリル酸ブチル30部、メタクリル酸ヒドロキ
シエチル12部、アタクリル酸5部およびα,α´−ア
ゾビスイソブチロニトリル2部からなる。
【0080】2)アクリル樹脂溶液(a−1N) アクリル樹脂溶液(a−1)100部にジメチルアミノ
エタノール3.5部を加えて中和し、その後イソプロピ
ルアルコールを加えて不揮発分50%のアクリル樹脂溶
液(a−1N)を得た。
【0081】3)ポリエステル樹脂溶液(b−1) ネオペンチルグリコール0.7モル、トリメチロールプ
ロパン0.3モル、無水フタル酸0.4モルおよびアジ
ピン酸0.5モルを反応容器に入れ、200〜230℃
で5時間反応させてから、無水トリメリット酸0.03
モル添加してさらに180℃で1時間反応させた後、ブ
チロセロソルブを加えて、酸価40、水酸基価70およ
び数平均分子量約6000である不揮発分70%のポリ
エステル樹脂溶液(b−1)を得た。
【0082】4)ポリエステル樹脂溶液(b−1N) ポリエステル樹脂溶液(b−1)100部にジメチルア
ミノエタノール4部を加えて中和し、その後イソプロピ
ルアルコールを加えて不揮発分60%のポリエステル樹
脂溶液(b−1N)を得た。
【0083】5)アクリル樹脂エマルジョン(c−1) 反応容器内に脱イオン水140部、30%「Newco
l 707SF」(界面活性剤、日本乳化剤(株)製、
商品名)2.5部および下記単量体成分−2(注2)を
1部加え、窒素気流中で混合し、60℃で3%過硫酸ア
ンモニウム水溶液3部を加える。ついで、80℃に加温
してから、単量体成分−2(注2)79部、30%「N
ewcol 707SF」2.5部、3%過硫酸アンモ
ニウム水溶液4部および脱イオン水42部からなる単量
体乳化物を4時間かけて定量ポンプを用いて反応容器に
加えた。添加終了後1時間熟成する。
【0084】さらに、80℃において下記単量体成分−
3(注3)20.5部と3%過硫酸アンモニウム水溶液
4部を同時に1.5時間要して反応容器に並列滴下す
る。その後、1時間熟成してから、脱イオン水30部を
加えて希釈し、30℃で、200メッシュのナイロンク
ロスで濾過した。この濾過液にさらに脱イオン水を加え
ジメチルアミノエタノールアミンでpH7.5に調整
し、平均粒子径0.1μm、不揮発分20%のアクリル
樹脂エマルジョン(c−1)を得た。
【0085】注2:単量体成分−2 メタクリル酸メチル 55部、スチレン 8部、アクリ
ル酸n−ブチル 9部、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル 5部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
2部およびメタクリル酸 1部からなる。
【0086】注3:単量体成分−3 メタクリル酸メチル5部、アクリル酸n−ブチル7部、
アクリル酸2−エチルヘキシル5部、メタクリル酸3部
および30%「Newcol 707SF」0.5部か
らなる。
【0087】6)アクリル樹脂溶液(a−2) 120℃に加温したスワゾール#1000(丸善石油
(株)製、商品名)40部に、単量体成分−4(注4)
を3時間を要して加え共重合させて、水酸基価120お
よび数平均分子量約6000である不揮発分70%のア
クリル樹脂溶液(a−2)を得た。
【0088】注4:単量体成分−4 スチレン30部、アクリル酸ブチル35部、アタクリル
酸2−エチルヘキシル10部、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル25部およびα,α´−アゾビスイソブチロニ
トリル4部からなる。
【0089】7)アクリル樹脂非水分散液(d−1) 60%ユーバン28−60(三井東圧化学(株)製、商
品名、メラミン樹脂)58部、n−ヘプタン30部およ
びベンゾイルパーオキシド0.15部からなる溶液を反
応容器に仕込み、これを95℃に加熱してから、下記単
量体成分−5(注5)を3時間を要して滴下した。滴下
終了後1時間経過してから、t−ブチルパーオクトエー
ト0.65部とシェルゾール1403.5部とからなる
混合物を1時間かけて滴下し、その後95℃に保ったま
ま2時間撹拌した。減圧して溶剤を除去し、樹脂固形分
含有率60%、ワニス粘度A(ガードナー気泡粘度計)
のアクリル樹脂非水分散液(d−1)を得た。
【0090】8)着色ベース塗料(A−1)の調製 アクリル樹脂溶液(a−1N)70部(固形分)、サイ
メル370(三井サイテック社製、商品名、メラミン樹
脂、固形分含有率88%)30部(固形分)、二酸化チ
タン顔料99.98部およびカーボンブラック0.02
をイソプロパノールで混合し均一に分散させて得た。不
揮発分40%、粘度25秒/フォードカップ#4/20
℃、塗膜色調はマンセルチャートN8.5であった。
【0091】9)着色ベース塗料(A−2)の調製 ポリエステル樹脂溶液(b−1N)70部(固形分)、
サイメル370 30部(固形分)、二酸化チタン9
9.98部およびカーボンブラック0.02をイソプロ
パノールで混合し均一に分散させて得た。不揮発分50
%、粘度25秒/フォードカップ#4/20℃、塗膜色
調はマンセルチャートN8.5であった。 10)着色ベース塗料(A−3)の調製 アクリル樹脂溶液(a−1N)35部(固形分)、ポリ
エステル樹脂溶液(b−1N)35部(固形分)、サイ
メル370 30部(固形分)、二酸化チタン顔料9
9.98部およびカーボンブラック0.02をイソプロ
パノールで混合し均一に分散させて得た。不揮発分43
%、粘度25秒/フォードカップ#4/20℃、塗膜色
調はマンセルチャートN8.5であった。
【0092】11)着色ベース塗料(A−4)の調製
(比較用) アクリル樹脂溶液(a−1)70部(固形分)、サイメ
ル370 30部(固形分)、二酸化チタン顔料99.
98部およびカーボンブラック0.02をイソプロパノ
ールで混合し均一に分散させて得た。不揮発分40%、
粘度25秒/フォードカップ#4/20℃、塗膜色調は
マンセルチャートN8.5であった。
【0093】12)着色ベース塗料(A−5)の調製
(比較用) ポリエステル樹脂溶液(b−1)70部(固形分)、サ
イメル370 30部(固形分)、二酸化チタン99.
98部およびカーボンブラック0.02をイソプロパノ
ールで混合し均一に分散させて得た。不揮発分50%、
粘度25秒/フォードカップ#4/20℃、塗膜色調は
マンセルチャートN8.5であった。
【0094】13)着色ベース塗料(A−6)の調製
(比較用) ポリエステル樹脂溶液(b−1N)35部(固形分)、
サイメル370 30部(固形分)、二酸化チタン顔料
99.98部およびカーボンブラック0.02を脱イオ
ン水で混合し均一に分散させて得た。不揮発分40%、
粘度25秒/フォードカップ#4/20℃、塗膜色調は
マンセルチャートN8.5であった。
【0095】14)水系熱硬化性干渉ベース塗料(B−
1) 酸化チタン被覆りん片状雲母粉末「イリオジン103
R」(メルク社製造、商品名)10部をアクリル樹脂溶
液(a−1N)50部に混合し、さらに脱イオン水40
部を加え分散した。さらに、この分散液にポリエステル
樹脂溶液(b−1N)50部およびサイメル370 3
4部を混合し、ついでアクリル樹脂エマルジョン(c−
1)100部を配合してから脱イオン水を加えて、不揮
発分20%、粘度40秒/フォードカップ#4/20℃
の水系干渉ベース塗料を得た。
【0096】15)熱硬化性クリヤー塗料(C−1) アクリル樹脂溶液(a−2)57部、アクリル樹脂非水
分散液(d−1)50部、サイメル303(三井サイテ
ック社製、商品名、メラミン樹脂、固形分含有率88
%)30部、25%ドデシルベンゼンスルホン酸溶液4
部およびBYK−300(ビッグケミージャパン社製、
商品名)0.5部の混合物をスワゾール#1000を加
えて、不揮発分55%、粘度30秒/フォードカップ#
4/20℃に調整した。
【0097】2.実施例および比較例 脱脂およびりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG314
1、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電
着塗料(「エレクロン9400HB」関西ペイント
(株)製、商品名、エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化
剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用)を
常法により、膜厚20μm(硬化塗膜)になるように電
着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させてか
ら、該電着塗面に中塗塗料(「ルーガベーク中塗り」関
西ペイント(株)製、商品名、ポリエステル樹脂・アミ
ノ樹脂系、有機溶剤型、塗膜のマンセルチャートNをそ
れぞれの着色ベース塗料(A)と同じになるようにし
た)を膜厚40μm(硬化塗膜)になるように塗装し1
40℃で30分加熱して架橋硬化させた。
【0098】このようにして得た塗装鋼板に着色ベース
塗料(A−1)〜(A−6)をミニベル回転式静電塗装
機を用い、ブース内湿度を変動させて塗装した。塗装膜
厚は硬化塗膜に基いて10μmであった。着色ベース塗
料を塗装後、ブース内で1分放置してから、ウエットオ
ンウエット状態で、水系熱硬化性干渉ベース塗料(B−
1)をエア霧化式静電塗装機を用い1ステージで着色ベ
ース塗料と同じブース内湿度で塗装した。塗装膜厚は硬
化塗膜に基いて10μmであった。干渉ベース塗料を塗
装後、ブース内で1分放置してから、熱風循環式乾燥炉
で80℃で10分加熱して揮発成分の殆どを揮散させて
から(アセトン還流抽出による塗膜のゲル分率5%以下
である)、塗膜温度を室温にしてから、該塗面に熱硬化
性クリヤ−塗料(C−1)をミニベル回転式静電塗装機
を用いて塗装した。塗装膜厚は硬化塗膜に基いて40μ
mであった。室温で5分放置してから、熱風循環式乾燥
炉で140℃で30分加熱して着色ベース塗料(A)、
水系熱硬化性干渉ベース塗料(B−1)および熱硬化性
クリヤー塗料(C−1)からなる三層塗膜を同時に架橋
硬化した。
【0099】かかる工程で塗装された塗膜性能をそれぞ
れの工程と共に表1に示した。
【0100】
【表1】
【0101】塗膜性能試験方法はつぎのとおりである。
【0102】深み感:塗膜の仕上り性を評価するベテラ
ン10人に、蛍光灯のもとで目視評価してもらい、全員
の評価を総合的にまとめた。○は良好、△やや良好、×
は不良を示す。
【0103】真珠光沢感:ALCOPE LMR100
(富士工業(株)製、商品名)を用い、IV値を測定し
た。この値が大きくなると真珠光沢感が優れていること
を示す。
【0104】平滑性:RENAULT社製、テンション
メーターにて測定した。この値が大きくなると平滑性が
優れていることを示す。
【0105】鮮映性:日本色彩研究所製、鮮明度光沢計
P.G.D−IVにて測定した。この値が大きくなると
鮮映性が優れていることを示す。
【0106】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島川 幹巨 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸価が5〜100である水酸基含有樹脂の
    中和物および架橋剤を主成分とし、マンセルチャートで
    N6〜9の着色塗膜を形成する有機溶剤系熱硬化性着色
    ベース塗料(A)を塗装し、未硬化の該着色塗面に、酸
    化チタンで表面被覆したりん片状雲母粉末を含有する水
    系熱硬化性干渉ベース塗料(B)を塗装し、50〜10
    0℃で予備乾燥してから、熱硬化性クリヤー塗料(C)
    を塗装した後、加熱して上記(A)、(B)および
    (C)からなる三層塗膜を同時に硬化させることを特徴
    とする塗膜形成方法。
JP14963596A 1996-06-12 1996-06-12 塗膜形成方法 Pending JPH09327650A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14963596A JPH09327650A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14963596A JPH09327650A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 塗膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09327650A true JPH09327650A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15479543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14963596A Pending JPH09327650A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09327650A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004516137A (ja) * 2000-12-18 2004-06-03 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション 増強された視覚効果を有する2層の塗装系
JP2006224024A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Mazda Motor Corp 光輝性塗膜の形成方法
JP2010269300A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法及び塗装物品
JP2018524152A (ja) * 2015-05-27 2018-08-30 ランダ ラブズ (2012) リミテッド ポリマー表面を金属化する方法
JP2019119890A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 花王株式会社 水系顔料分散体
JP2021107081A (ja) * 2015-12-25 2021-07-29 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004516137A (ja) * 2000-12-18 2004-06-03 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション 増強された視覚効果を有する2層の塗装系
JP2006224024A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Mazda Motor Corp 光輝性塗膜の形成方法
JP2010269300A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法及び塗装物品
JP2018524152A (ja) * 2015-05-27 2018-08-30 ランダ ラブズ (2012) リミテッド ポリマー表面を金属化する方法
JP2021107081A (ja) * 2015-12-25 2021-07-29 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JP2019119890A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 花王株式会社 水系顔料分散体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3692428B2 (ja) 複層メタリック塗膜形成方法
JP5148480B2 (ja) 光輝性複層塗膜の形成方法
JP4648803B2 (ja) 水性ベースコート塗料の塗装方法
JP6851329B2 (ja) 光輝性顔料含有水性ベースコート塗料、及びこれを用いた複層塗膜形成方法
KR100196876B1 (ko) 상도도막을 형성하기 위한 기초도료 및 이를 사용하는 도장방법
JPS595350B2 (ja) メタリック調塗膜の形成方法
JPH09327650A (ja) 塗膜形成方法
JPH07207220A (ja) 水性塗料組成物及びそれを用いた塗装法
JP2000000514A (ja) メタリック塗膜形成方法
JP4601553B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法
JPH1190318A (ja) メタリツク塗膜形成方法
JP4030626B2 (ja) 塗膜形成方法及び塗装物
KR20010020716A (ko) 자동차 차체의 도장법
JP3949787B2 (ja) 複層塗膜形成法
JP2004290714A (ja) 塗膜形成方法
JPH10128222A (ja) 塗膜形成方法
JPH0356519A (ja) 水性被覆組成物ならびにそれを用いる塗装方法
JP4659619B2 (ja) 光輝性塗膜形成方法
JPH0425076B2 (ja)
JPH1066934A (ja) 自動車車体塗装法
JPH10128225A (ja) 塗膜形成方法
JPH10128224A (ja) 塗膜形成法
JP4393752B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JPH10128223A (ja) 塗膜形成方法
JPH0268179A (ja) メタリック仕上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051101

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060329