JPH0932680A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
内燃機関の燃料噴射装置Info
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- JPH0932680A JPH0932680A JP7200310A JP20031095A JPH0932680A JP H0932680 A JPH0932680 A JP H0932680A JP 7200310 A JP7200310 A JP 7200310A JP 20031095 A JP20031095 A JP 20031095A JP H0932680 A JPH0932680 A JP H0932680A
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- F02M63/0012—Valves
- F02M63/0014—Valves characterised by the valve actuating means
- F02M63/0015—Valves characterised by the valve actuating means electrical, e.g. using solenoid
Abstract
フトまでの期間を長くして初期噴射率を低くし、NOX
の発生を低減し、噴射終了開始から噴孔閉鎖までの期間
を短縮して燃料切れを良好にして噴射終了間際の噴射率
を高くし、すす、HC等の発生を低減する。 【構成】 この燃料噴射装置は、バランスチャンバ35
内へ高圧燃料を供給する通路24をバランスチャンバ3
5内の燃料を排出するオリフィス25より大きく形成
し、環状チャンバ18に常開型チェックバルブ70,8
0,90,100を設ける。
Description
される燃料噴射装置に関する。
は、電子回路によって噴射量、噴射時期等の制御を行う
燃料噴射方式(電子制御燃料噴射システム)、噴射ポン
プから共通の通路を経て各燃焼室に燃料を分配する共同
噴射方式(コモンレール噴射システム)、噴射ポンプか
ら共通の通路及び蓄圧室を経て各燃焼室に燃料を分配す
る蓄圧式噴射方式(アキュムレータ噴射システム)等が
あり、これらの方式の燃料噴射装置自体には、噴射ポン
プからの燃料を一旦溜めておくための蓄圧室は設けられ
ていないので、各燃料噴射装置への燃料の供給は共通の
通路であるコモンレール即ち蓄圧室(以下、コモンレー
ルという)を通じて行われている。
知られている。該燃料噴射装置は、ホルダ本体1の中央
貫通孔47にコントロールスリーブ7を嵌合固定し、コ
ントロールスリーブ7の中空穴部54に弁体のコントロ
ールピストン2が摺動可能に嵌入されている。ホルダ本
体1とコントロールスリーブ7との間には環状チャンバ
18が形成され、環状チャンバ18はコモンレール等の
高圧燃料源に供給穴17を通じて連通している。コント
ロールスリーブの中央穴部54には、コントロールピス
トン2の上面との間にバランスチャンバ35が形成され
ている。コントロールピストン2のリフトはバランスチ
ャンバ35内の燃料圧を作用させて制御するように構成
されている。バランスチャンバ35は、高圧燃料の供給
のためオリフィス79を通じて環状チャンバ18に連通
し、且つ燃料圧解放のため燃料路26とオリフィス25
を通じて外部へ連通している。オリフィス25はソレノ
イドバルブ10に固定されたボール27で開閉されるよ
うに構成されている。
は、例えば、特開平5−133296号公報に開示され
たものがある。該電磁式燃料噴射装置における制御弁は
プランジャと、穴を通じて流出導管に連結された軸方向
の制御室を有する弁体とを有する。穴は弁体の平坦面に
開口し、平坦面はプランジャのアクチュエータの作用方
向に対して垂直である。プランジャは弁体の面に係合す
る平坦面を有するパッド要素からなり、他方反対側端面
は平坦又は球面であってもよく、アクチュエータの端の
上の相補面によって係合される。燃料供給源に燃料供給
路に通じて連通する環状室は、半径方向穴を通じて空洞
に連通する。空洞内の液圧は滑り棒即ちコントロールピ
ストンに作用する。空洞内の液圧はプランジャで開閉さ
れる穴を通じて解放される。
すような燃料噴射装置では、燃料噴射前の状態は、燃料
がコモンレール等の燃料供給源から燃料通路(図示せ
ず)へ供給される燃料と、バランスチャンバ35へ供給
される燃料とがある。通常、上記燃料通路へ供給された
高圧燃料は、燃料溜め(図示せず)でニードル弁を押し
上げる力即ち液圧を発生させ、ニードル弁による噴孔の
開放で燃焼室へ噴射されるものである。しかしながら、
ニードル弁を押し下げて該ニードル弁で噴孔を閉鎖する
スプリングのばね力が作用しており、更に、コントロー
ルピストン2の上端面に形成されているバランスチャン
バ35には供給穴17、環状チャンバ18及びオリフィ
ス79を通じて燃料が供給され、バランスチャンバ35
内にコントロールピストン2を押し下げる燃料圧が発生
している。
ール27で閉鎖され、バランスチャンバ35の燃料圧及
びスプリングのばね力との合計の力が前記燃料溜めの燃
料圧に打ち勝ってニードル弁は噴孔を閉鎖している。ニ
ードル弁が噴孔を開放して燃料を噴射する場合には、ソ
レノイド式動弁機構のソレノイドが付勢され、ソレノイ
ドバルブ10とボール27が引き上げられ、オリフィス
25が開放する。オリフィス25が開放すると、バラン
スチャンバ35の高圧燃料が排出されるが、オリフィス
25の通路断面積をオリフィス79の通路断面積より大
きく形成しておけば、オリフィス79を通じてバランス
チャンバ36に供給される流量よりもオリフィス25を
通じてバランスチャンバ35から排出される流量が多く
なり、バランスチャンバ35内の燃料圧は低下する。そ
こで、ニードル弁を押し上げる力が押し下げていた力よ
り大きくなり、ニードル弁は噴孔を開放し、燃焼室へ燃
料が噴射される。
が示されている。図10では横軸に噴射時間をプロット
し、縦軸にニードル弁のリフト量即ち噴射率をプロット
している。燃料噴射装置についての理想的な噴射特性
は、燃焼の点、燃焼音の点から噴射時間と噴射率の関係
は線Aで示す軌跡を辿ることが好ましい。即ち、ニード
ル弁が噴孔を開放する噴射開始時a、ニードル弁が最大
リフトLmaxに達した最大リフト時c、オリフィス2
5の閉鎖時d及びニードル弁の噴孔閉鎖時fを辿る軌跡
である。
オリフィス25を開放してバランスチャンバ35内の油
圧を下げるためには、オリフィス79を通じてバランス
チャンバ35に入る高圧燃料よりオリフィス25を通じ
て排出される燃料を多くしなければ、バランスチャンバ
35内の燃料圧が低下しないため、オリフィス79はオ
リフィス25より通路断面積が小さく形成されている。
そのため、従来の燃料噴射装置では、オリフィス25が
開放された時、ニードル弁は噴孔を開放して噴射が開始
される(噴射開示時a)が、オリフィス79からの高圧
燃料が燃料路26に流れ込むことになり、コントロール
ピストン2の上面を引き上げる作用をし、ニードル弁の
最大リフトLmaxに達する時(最大リフト時b)が短
くなる。次いで、オリフィス25がボール27で閉鎖さ
れると(閉鎖時d)、オリフィス79からバランスチャ
ンバ35に高圧燃料が流れ込むが、オリフィス79の通
路断面積が小さいため、コントロールピストン2の上面
にかかる燃料圧の上昇には長時間かかり、ニードル弁の
リフトを零にして噴孔を閉鎖する時(噴孔閉鎖時g)が
遅れることになる。
に、噴射開示時aから最大リフト時bまでの時間が短
く、また、閉鎖時dから噴孔閉鎖時gまでの時間が長く
なると、初期噴射率が高くなり、噴射終了間際の噴射率
が低くなるので、燃焼室での着火遅れが大きくなり、N
OX の発生が多くなると共に、燃焼騒音が悪化すること
になる。また、従来の燃料噴射装置では、上記のように
噴射終了間際の噴射率が低くなるので、拡散燃焼時に微
粒化されない液滴状の燃料が供給されることになり、す
す、HC等の発生が多くなり、燃費が悪化するという噴
射特性になる。
が共通の通路であるコモンレールを通じて行われるタイ
プの燃料噴射装置に適用され、ホルダ本体とノズル本体
とから成る本体内を往復動するニードル弁とコントロー
ルピストンから成る弁体をバランスチャンバ内の燃料圧
に応じてリフトさせるように構成し、バランスチャンバ
内へ高圧燃料を供給する供給路をバランスチャンバ内の
燃料を排出する排出路より大きく形成し、供給路に常開
型チェックバルブを設け、それによりニードル弁による
噴孔の開放の噴射開始時からニードル弁の最大リフト時
までの時間を長くして初期噴射率を低くし、排出路の閉
鎖時から噴孔の閉鎖時までの時間を短くし、噴射終了間
際の噴射率を高くし、燃焼特性を改善すると共に燃焼騒
音を低減させる内燃機関の燃料噴射装置に関する。
本体内を往復動するニードル弁と該ニードル弁に連結し
たコントロールピストンとから成る弁体、該弁体の回り
の前記本体内に形成される燃料チャンバ、前記弁体の上
面に燃料圧を作用させて前記弁体のリフトを制御するた
め前記本体に固定されたコントロールスリーブで形成さ
れたバランスチャンバ、前記バランスチャンバに供給路
を通じて高圧燃料を供給する前記本体内に形成された高
圧燃料源に通じる環状チャンバ、前記バランスチャンバ
内の燃料圧を解放するオリフィスを有する排出路、及び
前記排出路を開閉する開閉弁を駆動するアクチュエータ
を具備し、前記供給路の通路断面積を前記排出路の通路
断面積よりも大きく形成し、前記供給路をばね力で開放
する方向に常時付勢されている常開型チェックバルブを
前記環状チャンバに設けたことを特徴とする内燃機関の
燃料噴射装置に関する。
環状チャンバ内に配置された拡径方向にばね力を有する
スリットを備えた割りリング、該割りリングに固定され
且つ前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料圧
で閉鎖する開閉バルブ、及び前記割りリングを前記コン
トロールスリーブに位置決めする位置決め手段を有する
ものである。
環状チャンバ内に配置された拡径方向にばね力を有する
スリットを備えた割りリング、該割りリングに固定され
且つ前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料圧
で閉鎖する開閉バルブ、及び前記割りリングを前記コン
トロールスリーブに位置決めする位置決め手段を有し、
前記開閉バルブに形成された環状溝に前記割りリングの
前記スリットに形成された切欠き縁部が嵌合しているも
のである。
記環状チャンバ内に配置された割りリング、該割りリン
グに形成されたシート面に前記供給路に配置されたスプ
リングのばね力で着座し且つ前記供給路をばね力で開放
し該ばね力以上の燃料圧で閉鎖する開閉バルブ、及び前
記割りリングを前記コントロールスリーブに位置決めす
る位置決め手段を有するものである。
環状チャンバ内に配置された開口部を備えた割りリン
グ、該割りリングの前記開口部を形成する両端に固定さ
れ且つ前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料
圧で閉鎖する板ばねからなる開閉バルブ、及び前記割り
リングを前記コントロールスリーブに位置決めする位置
決め手段を有するものである。
チャンバ内へ高圧燃料を供給する供給路をバランスチャ
ンバ内の燃料を排出する排出路より大きく形成し、供給
路に常開型チェックバルブを設けたので、前記ニードル
弁による噴孔の開放の噴射開始時からニードル弁の最大
リフト時までの時間を長くして初期噴射率を低くことが
でき、次いで、排出路の閉鎖時から噴孔の閉鎖時までの
時間を短くし、噴射終了間際の噴射率を高くでき、理想
的な噴射特性を確保でき、それによって燃焼特性を改善
すると共に燃焼騒音を低減させることができる。
による燃料噴射装置の実施例を説明する。以下の図面に
おいて、同一の構造及び機能を有する部品には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。まず、図1を参照
して、この発明による燃料噴射装置の一実施例を説明す
る。図1はこの発明による燃料噴射装置の一実施例を示
す断面図である。
コモンレール噴射システム、或いはアキュムレータ噴射
システムに適用され、噴射ポンプから燃料が供給される
共通の通路や蓄圧室(以下、コモンレール29という)
を通じて供給された燃料を内燃機関に設けた各燃焼室に
噴射するものである。この燃料噴射装置におけるホルダ
本体1はシリンダヘッド等のベースに設けた穴部(図示
せず)にシール部材42を介して密封状態に取り付けら
れる。ホルダ本体1の下端部には、ノズル本体4がスリ
ーブナット40をホルダ本体1のねじ部に螺入すること
によって固定され、ホルダ本体1の下端面とノズル本体
4との上端面とは合わせ面22で密封状態に構成されて
いる。ノズル本体4の外周面は上部が大径部に且つ下部
が小径部に形成され、スリーブナット40はノズル本体
4の下部の段差面55に嵌合した状態でホルダ本体1の
ねじ部に螺入されている。
口プラグ5を取り付けるためのプラグ取付穴45が形成
されている。燃料入口プラグ5はホルダ本体1のプラグ
取付穴45に螺入して取り付けられている。また、ホル
ダ本体1の上端部には、弁体を往復動させるためのソレ
ノイド式動弁機構65がスリーブナット46をホルダ本
体1のねじ部に螺入することによって固定される。ソレ
ノイド式動弁機構65及びホルダ本体1とスリーブナッ
ト46との間のシールはシール部材31,32で行われ
ている。この燃料噴射装置には、高圧燃料供給源である
コモンレール29からの燃料が燃料入口プラグ5を通じ
て供給される。また、この燃料噴射装置では、コントロ
ールユニット34からの作動信号の電流はコネクタ或い
はハーネス13を通じて端子16からソレノイド式動弁
機構65へ供給されるものである。ソレノイド式動弁機
構65は、弁体に負荷される燃料圧を排出路(後述の燃
料路26、オリフィス25、中空室63及び燃料戻りパ
イプ12)を通じて解放するアクチュエータ(後述のコ
イル14、ソレノイド11,ソレノイドバルブ10及び
ボール27)を構成している。
燃料入口プラグ5が螺入されている。ホルダ本体1と燃
料入口プラグ5との間のシールは、シール部材30によ
って達成されている。ホルダ本体1には弁体を貫通させ
る中央貫通孔47が形成されると共に、中央貫通孔47
と燃料入口プラグ5の燃料入口49とを連通する供給穴
6が形成されている。また、ホルダ本体1の中央貫通孔
47のほぼ中央部には、中央貫通孔47が縮径されたガ
イド部66が形成され、ガイド部66には弁体のコント
ロールピストン2が貫通して摺動可能なガイド面36を
形成している。ホルダ本体1の中央貫通孔47はそれを
貫通してコントロールピストン2の回りに燃料を溜める
燃料チャンバ37を形成している。また、ノズル本体4
には、中央貫通孔47と連通する弁体のニードル弁3を
挿入させる中央貫通穴48が形成されると共に、燃料を
内燃機関の燃焼室(図示せず)に噴射する噴孔50が形
成されている。
トン2とニードル弁3とを接続部材38で連結して構成
されている。コントロールピストン2とニードル弁3と
は、各端面が当接面57で突き当たった状態に配置さ
れ、両者の軸芯方向に直交する方向の軸芯ずれを許容す
るばね力を有する接続部材38によって軸芯方向に一体
的に保持されている。コントロールピストン2の下端部
には環状溝58が形成され、ニードル弁3の上端部には
環状溝58が形成されている。接続部材38の両端部に
は内側へ突出する係止部を構成するビード59が形成さ
れている。接続部材38は、ニードル弁3とコントロー
ルピストン2との端部に跨がって嵌入され、接続部材3
8のビード59がコントロールピストン2の環状溝58
とニードル弁3の環状溝58に嵌入されている。
が接続部材38で連結された領域には、燃料チャンバ3
7と連通する燃料チャンバ56が形成されている。コン
トロールピストン2とニードル弁3とは、各端面が当接
面57で突き当たった状態に配置され、両者の軸芯方向
に直交する方向の軸芯ずれを許容するばね力を有する接
続部材38によって軸芯方向に一体的に保持されてい
る。ニードル弁3は、ノズル本体4の中央貫通穴48に
隙間52を形成する状態で摺動可能に挿入され、その先
端部41のフェース面はノズル本体4に形成された噴孔
50が形成されたシート面に着座している。ニードル弁
3の回りに形成される隙間52は高圧燃料の通路を形成
する。また、ノズル本体4の中央貫通穴48とニードル
弁3の外周面との間には隙間52を持った摺動面21が
構成される。ノズル本体4の噴孔50に着座して噴孔5
0を開閉するニードル弁3の先端のテーパ面にかかる燃
料圧は、弁体を上昇させる力として作用する。
コントロールスリーブ7が嵌合してシールを兼ねた嵌合
面19を構成すると共に、中央貫通孔47の上部段部に
コントロールスリーブ7の肩部が当接して突き当てシー
ル面23が形成されている。コントロールスリーブ7の
外周面とホルダ本体1と中央貫通孔47との間に環状チ
ャンバ18が形成されている。コントロールスリーブ7
は、ホルダ本体1の上端部のねじ部に螺入された中空孔
55を備えた固定プラグ8で固定されている。ホルダ本
体1とコントロールスリーブ7との間の完全なシール
は、シール部材33によって達成されている。環状チャ
ンバ18は、ホルダ本体1に形成された送油穴17を通
じて燃料入口49に連通されている。環状チャンバ18
には、特に後述する常開型チェックバルブ70,80,
90,100が配設されている。
中空穴部54には、コントロールピストン2が隙間68
を備えた高圧燃料が移動できる状態で摺動可能に嵌入さ
れる摺動面20が形成されると共に、穴部54の上部に
はコントロールピストン2の上面との間でバランスチャ
ンバ35が形成されている。更に、コントロールスリー
ブ7には、バランスチャンバ35と環状チャンバ18と
を連通する供給路を構成する通路24と、コントロール
スリーブ7の上面に通じる排出路を構成するオリフィス
25及び燃料路26とが形成されている。バランスチャ
ンバ35は通路24及び常開型チェックバルブ70,8
0,90,100を通じて環状チャンバ18に連通して
いる。バランスチャンバ35は、コントロールピストン
2の上面に燃料圧をかけ、コントロールピストン2のリ
フトを制御する機能を有している。燃料チャンバ37内
のコントロールピストン2にかかる燃料圧は総和で零に
なるように構成されている。
65において、コントロールスリーブ7をホルダ本体1
に固定する固定プラグ8には中空室63が形成され、中
空室63にはオリフィス25の出口を開閉できるボール
27が配設されている。ボール27は、ソレノイド11
の付勢によって上下動するソレノイドバルブ10の下端
面に固着されて一体構造に構成されている。ソレノイド
11は、ソレノイド支持部材15を介在してスリーブナ
ット46によってホルダ本体1に固定されている。ソレ
ノイド11の外周面にはコイル14が配設され、ソレノ
イド11の上部にはソレノイドバルブスプリング9が配
設され、ソレノイドバルブスプリング9はセットねじ6
4でソレノイド11にセットされている。コイル14に
は端子16及びコネクタ(ハーネス)13を通じてコン
トロールユニット34からの信号に応じた電流が供給さ
れる。コイル14への通電はソレノイド11を付勢し、
付勢されたソレノイド11はソレノイドバルブ10がソ
レノイドバルブスプリング9のばね力に打ち勝って引き
上げる作動をする。
はスリーブナット46から延び出した燃料戻りパイプ1
2が配設されている。燃料戻りパイプ12は、ソレノイ
ド11の外周に形成される通路を通じて中空室63に連
通されている。従って、バランスチャンバ35内に供給
されている高圧燃料は、ソレノイドバルブ10と一体の
ボール27がオリフィス25を開放することによって、
バランスチャンバ35から燃料路26、オリフィス25
及び中空室63を通じて燃料戻りパイプ12へ排出され
る。即ち、アクチュエータを構成するソレノイド式動弁
機構65が作動すると、開閉弁を構成するソレノイドバ
ルブ10及びボール27がオリフィス25を開放し、バ
ランスチャンバ35内の燃料圧が排出路を構成する燃料
路26、オリフィス25、中空室63及び12を通じて
解除される。
による噴孔50を閉鎖するリターン作動は、コントロー
ルピストン2の下部に固定されたリテーナ39とホルダ
本体1の中央貫通孔47内の段部43に係止して固定さ
れたリテーナ53との間に配設されたリターンスプリン
グ28によって行われる。コントロールピストン2の下
部に固定されたリテーナ39は、ホルダ本体1の中央貫
通孔47の段部62より下方の大径部に対応する位置に
なるように設定されている。
成において、特に、供給路を構成する通路24の通路断
面積を排出路を構成するオリフィス25の通路断面積よ
り大きく形成し、通路24の上流側の環状チャンバ18
に常開型チェックバルブ70,80,90,100を配
設したことを特徴とするものである。この燃料噴射装置
は、上記のように構成することによって、図10に示す
実線Bで示す噴射特性を得ることができるものである。
噴射装置に適用された常開型チェックバルブ70につい
て説明する。図2は図1の燃料噴射装置の要部の一実施
例を示す断面図、及び図3は図2の燃料噴射装置におけ
る常開型チェックバルブを示す斜視図である。この燃料
噴射装置では、通路24はバランスチャンバ35と連通
する燃料路26に接続されている。通路24の上流側の
環状チャンバ18内に配設された常開型チェックバルブ
70は、拡径方向にばね力を有する合口部即ちスリット
72を備えた板ばねから成る割りリング71、割りリン
グ71のスリット72に形成された切欠き部76に嵌合
して固定されたボール状開閉バルブ75、及び割りリン
グ71をコントロールスリーブ7に位置決めする位置決
め手段を有する。開閉バルブ75は、供給路を構成する
通路24を常時は開放し、高圧燃料の圧力バランスが不
均衡即ち燃料路26内の圧力が低下した状態で割りリン
グ71のばね力に抗して閉鎖する。即ち、ソレノイド式
動弁機構65が作動してボール27がオリフィス25を
開放した時にバランスチャンバ35及び燃料路26内の
圧力が低下し、その時、割りリング71のばね力に抗し
て開閉バルブ75が通路24のシート面67に着座し、
通路24を閉鎖する。位置決め手段は、割りリング71
に形成された孔部78に嵌合したボール74から構成さ
れ、ボール74がコントロールスリーブ7に形成した凹
部77に係合することによって周方向の位置決めが達成
される。また、割りリング71には、スリット72が位
置する直径方向反対側に、フランジ部73が形成されて
いる。フランジ部73は、開閉バルブ75が通路24を
閉鎖する時に、ノズル本体1の壁面に当接し、割りリン
グ71のばね力で径方向に移動することを阻止してい
る。
うに構成されており、次のように作動する。この燃料噴
射装置では、ソレノイド式動弁機構65が付勢されてお
らず、ソレノイドバルブ10とボール27とがソレノイ
ドスプリング9のばね力で下方へ押し付けられ、オリフ
ィス25はボール27によって閉鎖されている。この状
態でコモンレール29からの高圧燃料は燃料入口プラグ
5を通じて燃料入口49に供給されている。コントロー
ルピストン2とニードル弁3の周囲に形成された燃料チ
ャンバ37には、高圧燃料が燃料入口49から供給穴6
を通じて充満されている。ニードル弁3の外周のノズル
本体4との間に形成される隙間52には高圧燃料が充満
している。また、環状チャンバ18内には高圧燃料が燃
料入口49から供給穴17を通じて充満され、バランス
チャンバ35内には高圧燃料が環状チャンバ18から常
開型チェックバルブ70及び通路24を通じて充満され
ている。燃料チャンバ37に充填された高圧燃料は、シ
ール部材30,33によって密封されている。また、環
状チャンバ18とバランスチャンバ35との高圧燃料
は、シール部材33によって燃料チャンバ37内の高圧
燃料とは通路24を通じて連通する以外は遮断された状
態になっている。
ってオリフィス25が閉鎖されている時には、供給穴1
7及びオリフィス24を通じて供給されたバランスチャ
ンバ35内の高圧燃料はコントロールピストン2の上面
にその燃料圧が付与され、コントロールピストン2を下
方へ押し下げる押圧力として作用する。また、リターン
スプリング28のばね力は弁体を押し下げるばね力とし
て作用する。一方、ノズル本体4の噴孔50に着座して
噴孔50を開閉するニードル弁3の先端のテーパ面にか
かる燃料圧は、弁体を上昇させる力として作用する。言
い換えると、コントロールピストン2とニードル弁3と
から成る弁体は、弁体にかかる燃料圧で上昇して噴孔5
0を開放できる構造に構成されるが、この実施例では、
ノズル本体4の噴孔50に着座して噴孔50を開閉する
ニードル弁3の先端のテーパ面にかかる燃料圧が、リタ
ーンスプリング28のばね力とコントロールピストン2
の上面にかかるバランスチャンバ35の燃料圧との総和
より大きくなって上昇させられる。しかも、バランスチ
ャンバ35内のコントロールピストン2に作用する押圧
力とリターンスプリング28のばね力との総和の押し下
げ力は、ニードル弁3の先端のテーパ面にかかる押し上
げ力より大きくなるように設定され、ニードル弁3が噴
孔50を閉鎖する状態にバランスされている。
指令でソレノイド式動弁機構65のコイル14に通電さ
れると、付勢されたソレノイド11によってソレノイド
バルブ10及びボール27が持ち上げられ、オリフィス
25が開放する。オリフィス25が開放すると、バラン
スチャンバ35内の高圧燃料が燃料路26、オリフィス
25を通じて中空室63に排出され、次いで、中空室6
3から燃料戻りパイプ12を通じて燃料タンクへ戻され
る。バランスチャンバ35内の高圧燃料が排出される
と、ニードル弁3の先端のテーパ面に作用する押し上げ
る押圧力がリターンスプリング28の力に打ち勝って上
昇し、コントロールピストン2に軸方向に固定されてい
るニードル弁4が上昇し、噴孔50が開放して燃焼室
(図示せず)への燃料噴射が行われる。この時、通路2
4がオリフィス25より大きく形成されているが、燃料
路26の燃料圧が低下すると常開型チェックバルブ70
は割りリング71のばね力に抗して開閉バルブ75がシ
ート面67に着座し、通路24が閉鎖され、環状チャン
バ18から通路74への高圧燃料の流入はほとんど阻止
される。それ故に、環状チャンバ18側から燃料路26
への高圧燃料の流れがなくなり、コントロールピストン
2を吸い上げる力が発生せず、図10に示すように、噴
射開示時aからニードル弁3の最大リフトLmaxに達
する最大リフト時cが従来より長くなり、実線Bを辿る
ことになる。
指令でソレノイド式動弁機構65のコイル14への通電
が絶たれると、ソレノイド11への付勢が絶たれ、バル
ブスプリング9のばね力でソレノイドバルブ1とボール
27とが下降し、ボール27によってオリフィス25を
閉鎖する(オリフィス閉鎖時d)。オリフィス25が閉
鎖すると、燃料チャンバ37内に充満している高圧燃料
がコントロールピストン2の外周面とコントロールスリ
ーブ7の穴部54との摺動面20の隙間68を通じてバ
ランスチャンバ35に流入すると共に、常開型チェック
バルブ70の開閉バルブ75を瞬間的にシート面67か
ら離れて隙間が発生し、該隙間を通じて環状チャンバ1
8の高圧燃料が通路24を通じて燃料路26とバランス
チャンバ35に流入する。バランスチャンバ35内に高
圧燃料が供給されてバランスチャンバ35内の圧力が上
昇し、バランスチャンバ35内の圧力と割りリング71
のばね力との総和の圧力が環状チャンバ18内の圧力と
バランスすると、常開型チェックバルブ70が通路24
を開放する(常開型チェックバルブ開放時e)。オリフ
ィス閉鎖時dから常開型チェックバルブ開放時eまでの
期間は、ニードル弁3は下降せずに摺動しない状態を維
持し、この期間だけがニードル弁3の噴孔の閉鎖動作が
オリフィス25の閉鎖から遅れることになる。
放すると、コモンレール29からの高圧燃料が燃料入口
49、供給穴17、環状チャンバ18及び通路24を通
じてバランスチャンバ35に供給されが、通路24の通
路断面積が大きく形成されているので、環状チャンバ1
8内の高圧燃料は通路24を通じてバランスチャンバ3
5内に短時間に導入されることになる。そこで、バラン
スチャンバ35の内の燃料圧がコントロールピストン2
の上面に作用すると共に、リターンスプリング28のば
ね力が加わって、コントロールピストン2のテーパ面5
1にかかる押し上げ力に打ち勝ってコントロールピスト
ン2とニードル弁3とが一体になって下降動作を開始す
る。バランスチャンバ35内の圧力と環状チャンバ18
内の圧力が同等になり、ニードル弁のリフトが零になっ
て噴孔50が閉鎖され(噴孔閉鎖時f)、噴孔50から
の燃料噴射が終了する。この燃料噴射装置は、上記の作
動を繰り返して燃焼室へ燃料を間欠的に噴射させること
ができる。
噴射装置の別の実施例を説明する。この実施例は、上記
実施例と比較して常開型チェックバルブの構造が相違す
る以外は、同一の構成を有するものである。図4は図1
の燃料噴射装置の要部の別の実施例を示す断面図、及び
図5は図4の燃料噴射装置における常開型チェックバル
ブを示す斜視図である。この実施例では、常開型チェッ
クバルブは、環状チャンバ18内に配置された拡径方向
にばね力を有する合口部即ちスリット82を備えた板ば
ねから成る割りリング81、割りリング81に固定され
た供給路を構成する通路24を開閉する開閉バルブ8
5、及び割りリング80をコントロールスリーブ7に位
置決めする位置決め手段を有する。開閉バルブ85に形
成された環状溝88に割りリング80のスリット82に
形成された切欠き縁部86が嵌合している。開閉バルブ
85の機構は、上記実施例の開閉バルブ75のものと同
様である。位置決め手段は、割りリング81に形成され
た内方に突出した突出部84から構成され、突出部84
がコントロールスリーブ7に形成した凹部87に係合す
ることによって周方向の位置決めが達成される。割りリ
ング81には、スリット82が位置する直径方向反対側
に、フランジ部83が形成されている。フランジ部83
は、開閉バルブ85が通路24を閉鎖する時に、ノズル
本体1の壁面に当接し、割りリング81のばね力で径方
向に移動することを阻止している。
噴射装置の更に別の実施例を説明する。図6は図1の燃
料噴射装置の要部の更に別の実施例を示す断面図、及び
図7は図6の燃料噴射装置における常開型チェックバル
ブを示す斜視図である。この実施例は、上記各実施例と
比較して接続部材の構造が相違する以外は、同一の構成
を有するものである。この実施例では、常開型チェック
バルブ90は、環状チャンバ18内に配置された割りリ
ング91、割りリング91に形成されたシート面96に
供給路の通路24に配置されたスプリング93のばね力
で着座する開閉バルブ95、及び割りリング91をコン
トロールスリーブ7に位置決めする位置決め手段を有す
る。開閉バルブ95の機構は、上記各実施例の開閉バル
ブ75,85のものと同様である。位置決め手段は、割
りリング91に形成された内方に突出した突出部94か
ら構成され、突出部94がコントロールスリーブ7に形
成した凹部97に係合することによって周方向の位置決
めが達成される。
噴射装置の他の実施例を説明する。図7は図1の燃料噴
射装置の要部の更に別の実施例を示す断面図、及び図8
は図7の燃料噴射装置における常開型チェックバルブを
示す斜視図である。この実施例は、上記各実施例と比較
して接続部材の構造が相違する以外は、同一の構成を有
するものである。この実施例では、常開型チェックバル
ブ100は、環状チャンバ18内に配置された開口部1
02を備えた割りリング101、割りリング101の開
口部102を形成する両端に取り付けられたばね力で供
給路の通路24を開閉する板ばねから成る開閉バルブ1
05、及び割りリング101をコントロールスリーブ7
に位置決めする位置決め手段を有する。開閉バルブ10
5の機構は、上記各実施例の開閉バルブ75,85,9
5のものと同様である。即ち、開閉バルブ105が燃料
圧によってばね力に抗して変形し、開閉バルブ105が
通路24のシート面67を塞ぐことによって通路24が
閉鎖される。位置決め手段は、割りリング101に形成
された内方に突出した突出部104から構成され、突出
部104がコントロールスリーブ7に形成した凹部10
7に係合することによって周方向の位置決めが達成され
る。開閉バルブ105の両端部は、割りリング101の
開口部102を形成する端部103にそれぞれ形成した
貫通孔106に挿入して取り付けられている。
ように構成されているので、次のような特有の効果を有
する。即ち、この燃料噴射装置は、バランスチャンバ内
へ高圧燃料を供給する供給路をバランスチャンバ内の燃
料を排出する排出路より大きく形成し、供給路に常開型
チェックバルブを設けたので、前記ニードル弁による噴
孔の開放の噴射開始時からニードル弁の最大リフト時ま
での時間を長くして初期噴射率を低くすることができ、
次いで、排出路の閉鎖時から噴孔の閉鎖時までの時間を
短くし、噴射終了間際の噴射率を高くでき、理想的な噴
射特性を確保でき、燃焼特性を改善すると共に燃焼騒音
を低減させることができる。即ち、この燃料噴射装置を
内燃機関に用いれば、初期噴射率を低くなることによっ
て、予混合燃焼割合を抑制してNOX の発生を低減し、
また、排出路の閉鎖時から噴孔の閉鎖時までの時間を短
くなることによって噴射終了間際の噴射率を高く、燃料
切れが良好になり、カーボン、煤、HC等のパティキュ
レートの発生を低減でき、スモークの排出を低減でき
る。また、前記常開型チェックバルブは環状チャンバ内
に容易に組み込むことができ、組立性が悪化することが
なく、製造コストを低減できる。
断面図である。
面図である。
ルブを示す斜視図である。
断面図である。
ルブを示す斜視図である。
示す断面図である。
ルブを示す斜視図である。
断面図である。
ルブを示す斜視図である。
ト量との関係を示す線図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 燃料を噴射する噴孔を備えた本体内を往
復動するニードル弁と該ニードル弁に連結したコントロ
ールピストンとから成る弁体、該弁体の回りの前記本体
内に形成される燃料チャンバ、前記弁体の上面に燃料圧
を作用させて前記弁体のリフトを制御するため前記本体
に固定されたコントロールスリーブで形成されたバラン
スチャンバ、前記バランスチャンバに供給路を通じて高
圧燃料を供給する前記本体内に形成された高圧燃料源に
通じる環状チャンバ、前記バランスチャンバ内の燃料圧
を解放するオリフィスを有する排出路、及び前記排出路
を開閉する開閉弁を駆動するアクチュエータを具備し、
前記供給路の通路断面積を前記排出路の通路断面積より
も大きく形成し、前記供給路をばね力で開放する方向に
常時付勢されている常開型チェックバルブを前記環状チ
ャンバに設けたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装
置。 - 【請求項2】 前記常開型チェックバルブは、前記環状
チャンバ内に配置された拡径方向にばね力を有するスリ
ットを備えた割りリング、該割りリングに固定され且つ
前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料圧で閉
鎖する開閉バルブ、及び前記割りリングを前記コントロ
ールスリーブに位置決めする位置決め手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装
置。 - 【請求項3】 前記常開型チェックバルブは、前記環状
チャンバ内に配置された拡径方向にばね力を有するスリ
ットを備えた割りリング、該割りリングに固定され且つ
前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料圧で閉
鎖する開閉バルブ、及び前記割りリングを前記コントロ
ールスリーブに位置決めする位置決め手段を有し、前記
開閉バルブに形成された環状溝に前記割りリングの前記
スリットに形成された切欠き縁部が嵌合していることを
特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 【請求項4】 前記常開型チェックバルブは、前記環状
チャンバ内に配置された割りリング、該割りリングに形
成されたシート面に前記供給路に配置されたスプリング
のばね力で着座し且つ前記供給路をばね力で開放し該ば
ね力以上の燃料圧で閉鎖する開閉バルブ、及び前記割り
リングを前記コントロールスリーブに位置決めする位置
決め手段を有することを特徴とする請求項1に記載の内
燃機関の燃料噴射装置。 - 【請求項5】 前記常開型チェックバルブは、前記環状
チャンバ内に配置された開口部を備えた割りリング、該
割りリングの前記開口部を形成する両端に固定され且つ
前記供給路をばね力で開放し該ばね力以上の燃料圧で閉
鎖する板ばねからなる開閉バルブ、及び前記割りリング
を前記コントロールスリーブに位置決めする位置決め手
段を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
の燃料噴射装置。
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