JPH0932682A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

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Publication number
JPH0932682A
JPH0932682A JP20031295A JP20031295A JPH0932682A JP H0932682 A JPH0932682 A JP H0932682A JP 20031295 A JP20031295 A JP 20031295A JP 20031295 A JP20031295 A JP 20031295A JP H0932682 A JPH0932682 A JP H0932682A
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JP
Japan
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fuel
chamber
control piston
balance chamber
injection device
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Application number
JP20031295A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Horiuchi
重昭 堀内
Tsutomu Fushiya
勉 伏屋
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射装置において、弁体のリフトを制御
するバランスチャンバへの燃料供給通路を摺動クリアラ
ンスを利用して形成し、コントロールスリーブやホルダ
本体の加工を簡単にし、生産性を向上させる。 【構成】 この燃料噴射装置は、ホルダ本体1に固定さ
れたコントロールスリーブ7の中空穴54にバランスチ
ャンバ35を形成し、バランスチャンバ35内の燃料圧
によって弁体のリフトを制御する。弁体のコントロール
ピストン2とコントロールスリーブ7との摺動面に形成
される摺動クリアランス71を通じて燃料チャンバ37
からバランスチャンバ35へ燃料が供給される。摺動ク
リアランス71は燃料チャンバ37からバランスチャン
バ35への燃料供給量に応じて予め決められた所定量に
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に使用
される燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多気筒エンジンの燃料噴射装置に
は、電子回路によって噴射量、噴射時期等の制御を行う
燃料噴射方式(電子制御燃料噴射システム)、噴射ポン
プから共通の通路を経て各燃焼室に燃料を分配する共同
噴射方式(コモンレール噴射システム)、噴射ポンプか
ら共通の通路及び蓄圧室を経て各燃焼室に燃料を分配す
る蓄圧式噴射方式(アキュムレータ噴射システム)等が
あり、これらの方式の燃料噴射装置自体には、噴射ポン
プからの燃料を一旦溜めておくための蓄圧室は設けられ
ていないので、各燃料噴射装置への燃料の供給は共通の
通路であるコモンレール即ち蓄圧室を通じて行われてい
る。
【0003】従来、図4に示すような燃料噴射装置が知
られている。該燃料噴射装置は、ホルダ本体1の中央貫
通孔47にコントロールスリーブ7を嵌合固定し、コン
トロールスリーブ7の中空穴部54に弁体のコントロー
ルピストン2が摺動可能に嵌入されている。ホルダ本体
1とコントロールスリーブ7との間には環状チャンバ1
8が形成され、環状チャンバ18はコモンレール等の高
圧燃料源に供給穴17を通じて連通している。コントロ
ールスリーブの中央穴部54には、コントロールピスト
ン2の上面との間にバランスチャンバ35が形成されて
いる。コントロールスリーブ7とホルダ本体1との間の
環状チャンバ18の下端にはシール部材33が配設され
ている。コントロールピストン2のリフトはバランスチ
ャンバ35内の燃料圧を作用させて制御するように構成
されている。バランスチャンバ35は、燃料圧供給のた
めオリフィス68を通じて環状チャンバ18に連通し、
且つ燃料圧解放のため燃料路26とオリフィス25を通
じて外部へ連通している。オリフィス25はソレノイド
バルブ10に固定されたボール27で開閉されるように
構成されている。
【0004】また、インジェクタとして、例えば、特開
昭62−282164号公報に開示されたものがある。
該インジェクタは、円筒部品で形成された制御チャンバ
内の燃料圧が針弁ピストンを押して針弁が弁座に密着さ
せて噴孔を閉鎖し、制御チャンバ内の燃料圧を急速に低
下させて針弁を上昇させて噴孔を開放して燃料を噴射す
るものである。制御チャンバへの燃料の供給は、針弁ピ
ストンに形成された流路、円筒部品に形成されたリング
路等を通じて加圧燃料の供給流路に連通している。
【0005】また、ディーゼル機関要電磁燃料噴射装置
として、特開平3−964号公報に開示されたものがあ
る。該ディーゼル機関要電磁燃料噴射装置は、本体とス
リーブとで形成されたプランジャを制御するコントロー
ル室と、燃料を噴射するため燃料が溜められた噴射室と
に加圧燃料を供給するために、2つに分離された通路が
本体とスリーブに形成されている。コントロール室への
燃料の供給は本体に形成された供給オリフィスや環状凹
部を通じて行われる。
【0006】また、電磁式内燃機関燃料噴射装置とし
て、特開平5−118261号公報に開示されたものが
ある。該電磁式内燃機関燃料噴射装置は、弁体が液密連
結手段で噴射装置の中空体内に収容されている。液密連
結手段は一対の精密研削された面と該面に隣接して中空
体と弁体との間で圧縮された密封リングを有する。中空
体内には円筒状軸方向空洞や制御室が形成され、制御室
と空洞内の圧力で摺動棒が制御される。制御室と空洞へ
の燃料供給は、インプット導管、環状室と中空体に形成
された導管を通じて行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4に示すような従来
の燃料噴射装置では、コントロールピストン2とニード
ル弁とを制御するのにバランスチャンバ35内の燃料圧
をコントロールピストン2の上面に付勢して行っている
が、バランスチャンバ35への燃料の供給は、高圧燃料
供給源に通じる供給穴17に連通するコントロールスリ
ーブ7に形成したオリフィス68やホルダ本体1に形成
した環状チャンバ18を通じて行っている。また、前掲
特開平3−964号公報や前掲特開平5−118261
号公報にそれぞれ開示されたものも、同様な構造に構成
されているものである。また、前掲特開昭62−282
164号公報に開示されたものは、バランスチャンバへ
の燃料供給路をコントロールピストンにきり孔加工を施
すことで設けている。いずれの構造においても、バラン
スチャンバへの燃料供給路を形成するために、コントロ
ールスリーブやコントロールピストンの加工が必要とな
り、高コストになるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、燃料の供給
が共通の通路であるコモンレール即ち蓄圧室を通じて行
われるタイプの燃料噴射装置に適用され、ホルダ本体と
ノズル本体とから成る本体内を往復動する弁体をノズル
本体に摺動可能に保持されて噴孔を開閉するニードル弁
とホルダ本体に保持され且つホルダ本体に固定したコン
トロールスリーブで形成されたバランスチャンバ内の燃
料圧に応じて制御されるコントロールピストンとで構成
し、バランスチャンバへの燃料供給をコントロールスリ
ーブとコントロールピストンとの摺動クリアランスを通
じて行い、バランスチャンバへの供給流量を摺動クリア
ランス又はコントロールピストンの上面に固定したボー
ルとコントロールスリーブの壁面とのクリアランスで設
定し、別途の燃料供給通路をホルダ本体やコントロール
スリーブに形成する必要がなく、コントロールピストン
の加工を容易にし、加工コストを低減し、生産性を向上
できる燃料噴射装置に関する。
【0009】この発明は、燃料を噴射する噴孔を備えた
本体内を往復動し且つ燃料圧で前記噴孔を開放する弁
体、該弁体が貫通した燃料を溜める前記本体内の前記弁
体の回りに形成された燃料チャンバ、前記本体に固定さ
れたコントロールスリーブの中空穴に形成された燃料圧
によって前記弁体のリフトを制御するバランスチャン
バ、及び該バランスチャンバ内の燃料圧を解放する排出
路を開閉する開閉弁を駆動するアクチュエータを具備
し、前記弁体は前記バランスチャンバ側に端面が位置す
る前記燃料チャンバを貫通するコントロールピストンと
該コントロールピストンに連結された前記噴孔を開閉す
るニードル弁とから成り、前記コントロールスリーブと
前記コントロールピストンとの間に形成された摺動クリ
アランスを通じて前記燃料チャンバから前記バランスチ
ャンバへ燃料が供給されることを特徴とする内燃機関の
燃料噴射装置に関する。
【0010】また、前記コントロールスリーブと前記コ
ントロールピストンとの間に形成された前記摺動クリア
ランスは前記燃料チャンバから前記バランスチャンバへ
の燃料供給量に応じて予め決められた所定量に設定され
ている。
【0011】また、前記バランスチャンバ側の前記コン
トロールピストンの端面にはボールが固着され、前記ボ
ールの球面と前記コントロールスリーブの前記中空穴の
壁面とのクリアランスは前記燃料チャンバから前記バラ
ンスチャンバへの燃料供給量に応じて予め決められた所
定量に設定されている。
【0012】また、前記ボールが着座する前記コントロ
ールピストンの前記端面はその中央が凹部に形成され、
前記コントロールピストンの軸芯上に前記ボールの中心
が位置するように前記コントロールピストンと前記ボー
ルとが固着されている。
【0013】また、前記コントロールピストンの端面は
前記バランスチャンバに露出し、前記ニードル弁は前記
コントロールピストンに端面を互いに突き当てた状態で
接続部材で連結されている。
【0014】この燃料噴射装置は、上記のように構成し
たので、前記バランスチャンバへ燃料を供給するため、
従来のような前記コントロールピストンと前記ホルダ本
体に形成したような環状チャンバ、オリフィス又は通路
を形成する必要がなく、ホルダ本体とコントロールスリ
ーブとの間にシール部材を配設する必要がなく、構造そ
のものを簡単に構成でき、製造コストを低減でき、生産
性を向上できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による燃料噴射装置の実施例を説明する。以下の図面に
おいて、同一の構造及び機能を有する部品には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。まず、図1及び図
2を参照して、この発明による燃料噴射装置の一実施例
を説明する。図1はこの発明による燃料噴射装置の一実
施例を示す断面図、及び図2は図1の燃料噴射装置の要
部を示す断面図である。
【0016】この燃料噴射装置は、図示していないが、
コモンレール噴射システム、或いはアキュムレータ噴射
システムに適用され、噴射ポンプから燃料が供給される
共通の通路や蓄圧室(以下、コモンレール29という)
を通じて供給される高圧燃料を内燃機関に設けた各燃焼
室に噴射するものである。この燃料噴射装置におけるホ
ルダ本体1はシリンダヘッド等のベースに設けた穴部
(図示せず)にシール部材42を介して密封状態に取り
付けられる。ホルダ本体1の下端部には、ノズル本体4
がスリーブナット40をホルダ本体1のねじ部に螺入す
ることによって固定され、ホルダ本体1の下端面とノズ
ル本体4との上端面とはシール面を構成する合わせ面2
2を構成している。ノズル本体4の外周面は上部が大径
部に且つ下部が小径部に形成され、スリーブナット40
はノズル本体4の下部の段差面55に嵌合した状態でホ
ルダ本体1のねじ部に螺入されている。
【0017】ホルダ本体1の上部には、ねじ付き燃料入
口プラグ5を取り付けるためのプラグ取付穴45が形成
されている。燃料入口プラグ5はホルダ本体1のプラグ
取付穴45に螺入して取り付けられている。また、ホル
ダ本体1の上端部には、弁体を往復動させるためのソレ
ノイド式動弁機構65がスリーブナット46をホルダ本
体1のねじ部に螺入することによって固定される。ソレ
ノイド式動弁機構65及びホルダ本体1とスリーブナッ
ト46との間のシールはシール部材31,32で行われ
ている。この燃料噴射装置には、高圧燃料供給源のコモ
ンレール29からの燃料が燃料入口プラグ5を通じて供
給される。また、この燃料噴射装置では、コントロール
ユニット34からの作動信号の電流は、コネクタ或いは
ハーネス13を通じて端子16からソレノイド式動弁機
構65へ通電されるものである。ソレノイド式動弁機構
65は、弁体に負荷される燃料圧を燃料圧排出路(後述
の燃料路26、オリフィス25、中空室63及び燃料戻
りパイプ12)を通じて解放するアクチュエータ(後述
のコイル14、ソレノイド11,ソレノイドバルブ10
及びボール27)を構成している。
【0018】ホルダ本体1に形成されたねじ穴45には
燃料入口プラグ5が螺入されている。ホルダ本体1と燃
料入口プラグ5との間のシールは、シール部材30によ
って達成されている。ホルダ本体1には弁体を貫通させ
る中央貫通孔47が形成されると共に、中央貫通孔47
と燃料入口プラグ5の燃料入口49とを連通する供給穴
6が形成されている。また、ホルダ本体1の中央貫通孔
47のほぼ中央部には、中央貫通孔47が縮径されたガ
イド部66が形成され、ガイド部66には弁体のコント
ロールピストン2が貫通してガイド面36を形成してい
る。ホルダ本体1の中央貫通孔47はそれを貫通してコ
ントロールピストン2の回りに燃料を溜める燃料チャン
バ37を形成している。また、ノズル本体4には、中央
貫通孔47と連通する弁体のニードル弁3を挿入させる
中央貫通穴48が形成されると共に、燃料を燃焼室(図
示せず)に噴射する噴孔50が形成されている。
【0019】弁体は、上記のように、コントロールピス
トン2とニードル弁3とを接続部材38で連結して構成
されている。コントロールピストン2とニードル弁3と
は、各端面が当接面57で突き当たった状態に配置さ
れ、両者の軸芯方向に直交する方向の軸芯ずれを許容す
るばね力を有する接続部材38によって軸芯方向に一体
的に保持されている。コントロールピストン2の下端部
には環状溝58が形成され、ニードル弁3の上端部には
環状溝58が形成されている。接続部材38の両端部に
は内側へ突出する係止部を構成するビード59が形成さ
れている。接続部材38は、ニードル弁3とコントロー
ルピストン2との端部に跨がって嵌入され、接続部材3
8のビード59がコントロールピストン2の環状溝58
とニードル弁3の環状溝58に嵌入されている。
【0020】コントロールピストン2とニードル弁3と
が接続部材38で連結された領域には、燃料チャンバ3
7と連通する燃料チャンバ56が形成されている。コン
トロールピストン2が燃料チャンバ37に露出されてい
る外面には燃料圧がかかるテーパ面51が形成されてい
る。ニードル弁3は、ノズル本体4の中央貫通穴48に
隙間52を形成する状態で摺動可能に挿入され、その先
端部41のフェース面はノズル本体4に形成された噴孔
50が形成されたシート面に着座している。ニードル弁
3の回りに形成される隙間52は高圧燃料の通路を形成
する。また、ノズル本体4の中央貫通穴48とニードル
弁3の外周面との間には隙間52を持った摺動面21が
構成される。
【0021】ホルダ本体1の中央貫通孔47にはコント
ロールスリーブ7が嵌合してシールを兼ねた嵌合面19
を構成すると共に、中央貫通孔47の上部段部にコント
ロールスリーブ7の肩部が当接して突き当てシール面2
3が形成されている。コントロールスリーブ7は、ホル
ダ本体1の上端部のねじ部に螺入された中空孔44を備
えた固定プラグ8で固定されている。ホルダ本体1とコ
ントロールスリーブ7との間のシールは、突き当てシー
ル面23によって達成されている。コントロールスリー
ブ7の下方に開放する中空穴54には、コントロールピ
ストン2が摺動可能に嵌入される摺動面20が形成され
ると共に、中空穴54の上部にはコントロールピストン
2の上面との間でバランスチャンバ35が形成されてい
る。
【0022】この燃料噴射装置では、特に、バランスチ
ャンバ35はコントロールピストン2の外周面とコント
ロールスリーブ7の壁面との間の摺動クリアランス71
を通じて燃料チャンバ37と連通している。更に、コン
トロールスリーブ7には、コントロールスリーブ7の上
面に通じるオリフィス25及び燃料路26とが形成され
ている。バランスチャンバ35は、コントロールピスト
ン2の上面にかかる燃料圧によってコントロールピスト
ン2のリフトを制御する機能を有している。燃料チャン
バ37内のコントロールピストン2にかかる燃料圧は総
和で零になるように構成されている。
【0023】この燃料噴射装置のソレノイド式動弁機構
65において、コントロールスリーブ7をホルダ本体1
に固定する固定プラグ8には中空室63が形成され、中
空室63にはオリフィス25の出口を開閉できるボール
27が配設されている。ボール27は、ソレノイド11
の付勢によって上下動するソレノイドバルブ10の下端
面に固着されて一体構造に構成されている。ソレノイド
11は、ソレノイド支持部材15を介在してスリーブナ
ット46によってホルダ本体1に固定されている。ソレ
ノイド11の外周面にはコイル14が配設され、ソレノ
イド11の上部にはソレノイドバルブスプリング9が配
設され、ソレノイドバルブスプリング9はセットねじ6
4でソレノイド11にセットされている。コイル14に
は端子16及びコネクタ(ハーネス)13を通じてコン
トロールユニット34からの信号に応じた電流が供給さ
れる。コイル14への通電はソレノイド11を付勢し、
付勢されたソレノイド11はソレノイドバルブ10がソ
レノイドバルブスプリング9のばね力に打ち勝って引き
上げる作動をする。
【0024】また、ソレノイド式動弁機構65の上部に
はスリーブナット46から延び出した燃料戻りパイプ1
2が配設されている。燃料戻りパイプ12はソレノイド
11の外周に形成される通路を通じて中空室63に連通
されている。従って、バランスチャンバ35内に供給さ
れている燃料は、ソレノイドバルブ10と一体のボール
27がオリフィス25を開放することによって、バラン
スチャンバ35から燃料路26、オリフィス25及び中
空室63を通じて燃料戻りパイプ12へ排出される。即
ち、アクチュエータを構成するソレノイド式動弁機構6
5が作動すると、開閉弁を構成するソレノイドバルブ1
0及びボール27がオリフィス25を開放し、バランス
チャンバ35内の燃料圧が燃料圧排出路を構成する燃料
路26、オリフィス25、中空室63及び燃料戻しパイ
プ12を通じて解除される。
【0025】この燃料噴射装置において、ニードル弁3
による噴孔50を閉鎖するリターン作動は、コントロー
ルピストン2の下部に固定されたリテーナ39とホルダ
本体1の中央貫通孔47内の段部43に係止して固定さ
れたリテーナ53との間に配設されたリターンスプリン
グ28によって行われる。コントロールピストン2の下
部に固定されたリテーナ39は、ホルダ本体1の中央貫
通孔47の段部62より下方の大径部に対応する位置に
なるように設定されている。
【0026】この燃料噴射装置は、上記の構成におい
て、特に、従来コントロールスリーブ7に形成されてい
るオリフィス、ホルダ本体1に形成した供給穴及びコン
トロールスリーブ7とホルダ本体1との間の環状チャン
バを排除し、コントロールピストン2の摺動クリアラン
ス71を通じて燃料チャンバ37とバランスチャンバ3
5とを連通したことを特徴とするものである。コントロ
ールスリーブ7とコントロールピストン2との間に形成
された摺動クリアランス71は、燃料チャンバ37から
バランスチャンバ35への燃料供給量に応じて予め決め
られた所定量に設定されているものである。
【0027】この発明による燃料噴射装置は、上記のよ
うに構成されており、次のように作動する。この燃料噴
射装置では、ソレノイド式動弁機構65が付勢されてお
らず、ソレノイドバルブ10とボール27とがソレノイ
ドスプリング9のばね力で下方へ押し付けられ、オリフ
ィス25はボール27によって閉鎖されている。この状
態でコモンレール29からの高圧燃料は燃料入口プラグ
5を通じて燃料入口49に供給されている。コントロー
ルピストン2とニードル弁3の周囲に形成された燃料チ
ャンバ37には、高圧燃料が燃料入口49から供給穴6
を通じて充満されている。ニードル弁3の外周のノズル
本体4との間に形成される隙間52には高圧燃料が充満
している。また、バランスチャンバ35内には、高圧燃
料が燃料チャンバ37からコントロールスリーブ7とコ
ントロールピストン2との摺動クリアランス71を通じ
て充満されている。燃料チャンバ37に充填された高圧
燃料は、シール部材30によって密封されている。ま
た、燃料チャンバ37とバランスチャンバ35とは、摺
動クリアランス71によって連通状態に構成されてい
る。
【0028】ソレノイドバルブ10及びボール27によ
ってオリフィス25が閉鎖されている時には、供給穴1
7及びオリフィス24を通じて供給されたバランスチャ
ンバ35内の高圧燃料はコントロールピストン2の上面
にその燃料圧が付与され、コントロールピストン2を下
方へ押し下げる押圧力として作用する。また、リターン
スプリング28のばね力は弁体を押し下げるばね力とし
て作用する。一方、ノズル本体4の噴孔50に着座して
噴孔50を開閉するニードル弁3の先端のテーパ面にか
かる燃料圧は、弁体を上昇させる力として作用する。言
い換えれば、コントロールピストン2とニードル弁3と
から成る弁体は、弁体にかかる燃料圧で上昇して噴孔5
0を開放できる構造に構成されるが、この実施例では、
ノズル本体4の噴孔50に着座して噴孔50を開閉する
ニードル弁3の先端のテーパ面にかかる燃料圧が、リタ
ーンスプリング28のばね力とコントロールピストン2
の上面にかかるバランスチャンバ35の燃料圧との総和
より大きくなって上昇させられる。しかも、バランスチ
ャンバ35内のコントロールピストン2に作用する押圧
力とリターンスプリング28のばね力との総和の押し下
げ力は、ニードル弁3の先端のテーパ面にかかる押し上
げ力より大きくなるように設定され、ニードル弁3が噴
孔50を閉鎖する状態にバランスされている。
【0029】そこで、コントロールユニット34からの
指令でソレノイド式動弁機構65のコイル14に通電さ
れると、付勢されたソレノイド11によってソレノイド
バルブ10及びボール27が持ち上げられ、オリフィス
25が開放する。オリフィス25が開放すると、バラン
スチャンバ35内の高圧燃料が燃料路26、オリフィス
25を通じて中空室63に排出され、次いで、中空室6
3から燃料戻りパイプ12を通じて燃料タンクへ戻され
る。バランスチャンバ35内の高圧燃料が排出される
と、ニードル弁3の先端のテーパ面に作用する押し上げ
る押圧力がリターンスプリング28の力に打ち勝って上
昇し、コントロールピストン2に軸方向に固定されてい
るニードル弁4が上昇し、噴孔50が開放して燃焼室
(図示せず)への燃料噴射が行われる。
【0030】次いで、コントロールユニット34からの
指令でソレノイド式動弁機構65のコイル14への通電
が絶たれると、ソレノイド11への付勢が絶たれ、バル
ブスプリング9のばね力でソレノイドバルブ10とボー
ル27とが下降し、ボール27によってオリフィス25
を閉鎖する。オリフィス25が閉鎖すると、コモンレー
ル29からの高圧燃料が燃料入口49、供給穴6、燃料
チャンバ37及び摺動クリアランス17を通じてバラン
スチャンバ35に供給され、高圧燃料が再びバランスチ
ャンバ35内に溜められ、バランスチャンバ35内の高
圧燃料は再びコントロールピストン2の上面に作用して
コントロールピストン2を押し下げ、ニードル弁3が噴
孔50を閉鎖し、噴孔50からの燃料噴射が終了する。
この燃料噴射装置は、上記の作動を繰り返して燃焼室へ
燃料を間欠的に噴射させることができる。
【0031】次に、図3を参照して、この燃料噴射装置
の別の実施例を説明する。この実施例は、上記実施例と
比較してコントロールピストンの上面にボールを固定し
た構造が相違する以外は、同一の構成を有し、同様に作
用するものであるので、重複する説明はここでは省略す
る。この実施例では、バランスチャンバ35側のコント
ロールピストン2の上端面75には、ボール70が円形
状に接触する固着部73で電気抵抗溶接等で固着されて
いる。図3では、コントロールピストン2に固着したボ
ール70の上面に別のボール70が固着部74で電気抵
抗溶接等で固着されている。この実施例では、ボール7
0の球面とコントロールスリーブ7の中空穴54の壁面
との摺動クリアランス72は、燃料チャンバ37からバ
ランスチャンバ35への燃料供給量に応じて予め決めら
れた所定量に設定されている。従って、コントロールス
リーブ7の内壁面とコントロールピストン2と外周面と
で形成される摺動クリアランス71は、摺動クリアラン
ス72よりも大きい流路面積を有すると共に、燃料がバ
ランスチャンバ35へ流入できる程度に設定されていれ
ば、それらの壁面の加工に高精度は要求されないもので
ある。
【0032】更に、コントロールスリーブ7とコントロ
ールピストン2との間の摺動クリアランス71は、ボー
ル70とコントロールスリーブ7と間の摺動クリアラン
ス72より大きく設定できるので、摺動抵抗は摺動クリ
アランス72のみであり、両者が互いに接触したとして
もその接触面は小さく、コントロールピストン2の摺動
によるフリクションが大幅に低下でき、コントロールピ
ストン2の作動応答性を向上できる。また、ボール70
が着座するコントロールピストン2の上端面75は、そ
の中央が凹部76に形成され、ボール70のコントロー
ルピストン2に対する設定が安定して確実に固着でき
る。コントロールピストン2の軸芯上にボール70の中
心が位置するように、コントロールピストン2とボール
70とが固着されている。
【0033】
【発明の効果】この発明による燃料噴射装置は、以上の
ように構成されているので、次のような特有の効果を有
する。即ち、この燃料噴射装置は、バランスチャンバへ
の燃料供給をコントロールスリーブとコントロールピス
トンとの摺動クリアランスを通じて行い、バランスチャ
ンバへの供給流量を摺動クリアランス又はコントロール
ピストンの上面に固定したボールとコントロールスリー
ブの壁面とのクリアランスで設定し、別途のオリフィ
ス、環状チャンバ或いは燃料供給通路をホルダ本体やコ
ントロールスリーブやコントロールピストンに形成する
必要がなく、ホルダ本体やコントロールスリーブやコン
トロールピストンの加工を容易にし、加工コストを低減
し、生産性を向上できる。
【0034】或いは、コントロールピストンの端面にボ
ールを固着し、ボールの球面とコントロールスリーブの
中空穴の壁面とのクリアランスによって、燃料チャンバ
からバランスチャンバへの燃料供給量に応じて予め決め
られた所定量に設定すると、コントロールピストンを高
精度に加工する必要がなくなり、クリアランスの管理が
極めて容易になり、コントロールピストンの摺動時のフ
リクションが低減でき、コントロールピストンの作動の
レスポンスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃料噴射装置の一実施例を示す
断面図である。
【図2】図1の燃料噴射装置の一実施例を示す要部の断
面図である。
【図3】この発明による燃料噴射装置の別の実施例を示
す要部の断面図である。
【図4】従来の燃料噴射装置におけるバランスチャンバ
への燃料供給通路の領域の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ホルダ本体 2 コントロールピストン 3 ニードル弁 4 ノズル本体 7 コントロールスリーブ 35 バランスチャンバ 37 燃料チャンバ 38 接続部材 50 噴孔 54 中空穴 70 ボール 71,72 摺動クリアランス 73,74 固着部 75 上端面 76 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を噴射する噴孔を備えた本体内を往
    復動し且つ燃料圧で前記噴孔を開放する弁体、該弁体が
    貫通した燃料を溜める前記本体内の前記弁体の回りに形
    成された燃料チャンバ、前記本体に固定されたコントロ
    ールスリーブの中空穴に形成された燃料圧によって前記
    弁体のリフトを制御するバランスチャンバ、及び該バラ
    ンスチャンバ内の燃料圧を解放する排出路を開閉する開
    閉弁を駆動するアクチュエータを具備し、前記弁体は前
    記バランスチャンバ側に端面が位置する前記燃料チャン
    バを貫通するコントロールピストンと該コントロールピ
    ストンに連結された前記噴孔を開閉するニードル弁とか
    ら成り、前記コントロールスリーブと前記コントロール
    ピストンとの間に形成された摺動クリアランスを通じて
    前記燃料チャンバから前記バランスチャンバへ燃料が供
    給されることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記コントロールスリーブと前記コント
    ロールピストンとの間に形成された前記摺動クリアラン
    スは前記燃料チャンバから前記バランスチャンバへの燃
    料供給量に応じて予め決められた所定量に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴
    射装置。
  3. 【請求項3】 前記バランスチャンバ側の前記コントロ
    ールピストンの端面にはボールが固着され、前記ボール
    の球面と前記コントロールスリーブの前記中空穴の壁面
    とのクリアランスは前記燃料チャンバから前記バランス
    チャンバへの燃料供給量に応じて予め決められた所定量
    に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記ボールが着座する前記コントロール
    ピストンの前記端面はその中央が凹部に形成され、前記
    コントロールピストンの軸芯上に前記ボールの中心が位
    置するように前記コントロールピストンと前記ボールと
    が固着されていることを特徴とする請求項3に記載の内
    燃機関の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記コントロールピストンの端面は前記
    バランスチャンバに露出し、前記ニードル弁は前記コン
    トロールピストンに端面を互いに突き当てた状態で接続
    部材で連結されていることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の燃料噴射装置。
JP20031295A 1995-07-14 1995-07-14 内燃機関の燃料噴射装置 Pending JPH0932682A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6102302A (en) * 1998-07-06 2000-08-15 Isuzu Motors Limited Injector
US6626149B2 (en) 2000-01-19 2003-09-30 Robert Bosch Gmbh Injection system

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6102302A (en) * 1998-07-06 2000-08-15 Isuzu Motors Limited Injector
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