JPH09325489A - 感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント板の製造法

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JPH09325489A
JPH09325489A JP8138761A JP13876196A JPH09325489A JP H09325489 A JPH09325489 A JP H09325489A JP 8138761 A JP8138761 A JP 8138761A JP 13876196 A JP13876196 A JP 13876196A JP H09325489 A JPH09325489 A JP H09325489A
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photosensitive
flexible printed
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resin composition
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JP8138761A
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Shinji Tsuchikawa
信次 土川
Fumihiko Ota
文彦 太田
Ritsuko Obata
立子 小畑
Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Hiroshi Nishizawa
広 西沢
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフ
ィーによりパターンを精度良く形成でき、耐折性、はん
だ耐熱性、難燃性、フィルム上への塗布作業性に優れた
感光性樹脂組成物及び該組成物を用いた積層体を提供す
ること。 【解決手段】 (A)ポリカーボネートジオール変性ジ
カルボン酸を必須成分として含んでなる多価カルボン酸
成分とジイソシアネートとの反応生成物とエポキシ樹脂
とを反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹
脂に対してモノカルボン酸を反応させて得られるエポキ
シ基封鎖型ポリアミド樹脂、(B)末端にエチレン系不
飽和基を少なくとも1個有する光重合性不飽和化合物及
び(C)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光
重合開始剤を含有してなることを特徴とする感光性樹脂
組成物及び該組成物の層を有する感光性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成
物、これを用いた感光性積層体及びフレキシブルプリン
ト板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルプリント板の外層回
路保護には、ポリイミドフィルムを金型で打抜き、熱圧
着するカバーレイ、又はポリイミド樹脂のインクをスク
リーン印刷するカバーコートが用いられているが、前者
の場合、打抜きパターンの微細化に限界があり、狭ピッ
チ化するQFPパッド間のソルダダムへ適用できない、
また、張り合わせ時の位置精度にも限界があり、位置ず
れ裕度を考慮した回路設計が必要であるため、フレキシ
ブルプリント板を高密度化及び小型化できないという問
題があった。また、後者の場合、スクリーン印刷のため
同様にパターンの微細化に限界があり、また、作業性が
悪いという問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、各種
ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)とエチレン性不飽
和基含有光橋架け剤と光重合開始剤とからなる感光性樹
脂組成物の層をフレキシブルプリント板上に形成し、露
光、現像、加熱により微細パターンを有するカバーレイ
を形成する方法が特開昭64−2037号、特開昭64
−484893号、特開平5−158237号及び特開
平6−298935号公報などに提案されている。しか
しながら、光線透過率の点からカバーレイに必要な十分
な厚みを確保できない、最終的にポリアミック酸を閉環
してポリイミド骨格にするため250℃以上の高温で加
熱する工程が必要であり、銅回路の酸化、接着剤層の劣
化、基板の反り等の問題があった。
【0004】また、フレキシブルプリント板に熱可塑性
ポリイミドと非熱可塑性ポリイミドの二層構造のカバー
レイを熱圧着で形成し、その上にスクリーン印刷でレジ
ストパターンを形成してカバーレイをアルカリエッチで
パターニングする方法が特開平5−183260号公報
に、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)層と感光性樹
脂層の二層型フィルムをフレキシブルプリント板上にラ
ミネートし、まず、感光性樹脂層を露光、現像してパタ
ーンを形成した後、感光性樹脂層をエッチングレジスト
とし、引き続きポリアミック酸層をアルカリエッチでパ
ターニングする方法が特開平5−254064号公報に
提案されている。しかしながら、前者の方法では、スク
リーン印刷のためパターンの微細化に限界があり、また
作業性が悪く、二層構造のポリイミドフィルムのためコ
ストが高いという問題があり、後者の方法ではいわゆる
ウエットラミネーションが必要である、感光性樹脂層と
ポリアミック酸層の2回の現像プロセスが必要であるな
ど、作業性に問題があり、さらに最終的にポリアミック
酸を閉環してポリイミド骨格にするため250℃以上の
高温に加熱する工程が必要であり、銅回路の酸化、接着
剤層の劣化、基板の反り等の問題がある。
【0005】一方、従来印刷配線板分野で主流を占めて
いるアクリル樹脂系の感光性フィルムをカバーレイに用
いたフレキシブルプリント板の製造方法が特開昭56−
6498号、特開昭59−230014号(特公昭61
−10484号)公報に提案されている。この方法で
は、従来の印刷配線板の分野で用いられてきたドライフ
ィルムタイプの永久マスクレジストと同様のプロセスで
容易にカバーレイを形成でき、かつ安価であるが、可撓
性と耐熱性、或いは可撓性と耐溶剤性の両立が十分でな
い。また、アクリル樹脂と特定のウレタンモノマーを組
み合わせてなる感光性フィルムをカバーレイフィルムに
用いることが特願平5−117523号公報に開示され
ているが、耐溶剤性、電気的信頼性が十分でない。さら
に、アクリル樹脂系感光性フィルムではいずれも難燃性
が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーに
よりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、はん
だ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、フィル
ム上への塗布作業性に優れた感光性樹脂組成物を提供す
るものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の
発明の効果を奏し、より耐折性、はんだ耐熱性に優れた
感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】請求項3記載の発明は、感度及び光硬化性
に優れ、フォトリソグラフィーによりパターンを効率よ
く形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、
密着性及び難燃性に優れ、取扱性、基板への積層作業性
に優れた感光性積層体を提供するものである。請求項4
記載の発明は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグ
ラフィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐
折性、はんだ耐熱性及び難燃性に優れ、また、取扱性に
優れ、フレキシブルプリント板の製造作業性に優れた感
光性積層体を提供するものである。請求項5記載の発明
は、感度及び光硬化性に極めて優れ、フォトリソグラフ
ィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐折
性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優
れ、また、取扱性に極めて優れ、フレキシブルプリント
板の製造作業性に優れた感光性積層体を提供するもので
ある。
【0008】請求項6記載の発明は、耐折性、はんだ耐
熱性、耐溶剤性及び難燃性に優れ、また、高密度実装性
及び電気的信頼性に優れたフレキシブルプリント板を作
業性、歩留まりよく製造できるフレキシブルプリント板
の製造法を提供するものである。請求項7記載の発明
は、請求項6記載の発明の効果を奏し、よりはんだ耐熱
性に優れたフレキシブルプリント板の製造法を提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリカ
ーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分として
含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネー
ト(b)とを当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)
のイソシアネート基〕が1を超える条件で反応させて得
られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対し
て、エポキシ樹脂(d)を当量比〔(d)のエポキシ基
/(c)のカルボキシル基〕が1以上となる条件で反応
させて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)
に対してモノカルボン酸(f)を当量比〔(f)のカル
ボキシル基/(e)のエポキシ基〕が1以上となる条件
で反応させて得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド樹
脂、(B)末端にエチレン系不飽和基を少なくとも1個
有する光重合性不飽和化合物及び(C)活性光の照射に
より遊離ラジカルを生成する光重合開始剤を含有してな
ることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
【0010】また、本発明は、(A)酸無水物変性ポリ
アミド系樹脂が、20〜95重量部、(B)光重合性不
飽和化合物が、5〜80重量部(ただし(A)成分及び
(B)成分の総量を100重量部とする)並びに(C)
光重合開始剤が、0.01〜20重量部(ただし(A)
成分及び(B)成分の総量を100重量部に対して)の
配合割合とした請求項1記載の感光性樹脂組成物に関す
る。
【0011】また、本発明は、前記感光性樹脂組成物の
層と該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性積
層体に関する。また、本発明は、フレキシブルプリント
板用基板の表面に前記感光性樹脂組成物の層を有する感
光性積層体に関する。また、本発明は、前記感光性樹脂
組成物の層の片面にフレキシブルプリント板、他方の表
面に支持体フィルムを有する感光性積層体に関する。ま
た、本発明は、前記感光性積層体を活性光で像的に照射
し、現像することによりフレキシブルプリント板の表面
上に感光性樹脂組成物のパターンを形成することを特徴
とするフレキシブルプリント板の製造法に関する。ま
た、本発明は、現像後に活性光を照射する工程と後加熱
する工程を含む前記フレキシブルプリント板の製造法に
関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必
須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジ
イソシアネート(b)とを当量比〔(a)のカルボキシ
ル基/(b)のイソシアネート基〕が1を超える条件で
反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂
(c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比〔(d)
のエポキシ基/(c)のカルボキシル基〕が1以上とな
る条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド
系樹脂(e)に対してモノカルボン酸(f)を当量比
〔(f)のカルボキシル基/(e)のエポキシ基〕が1
以上となる条件で反応させて得られるエポキシ基封鎖型
ポリアミド樹脂、(B)末端にエチレン系不飽和基を少
なくとも1個有する光重合性不飽和化合物及び(C)活
性光の照射により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤
を必須成分とする。
【0013】本発明の感光性樹脂組成物において(A)
成分であるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂の製造原
料である多価カルボン酸成分(a)は、ポリカーボネー
トジオール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでな
る。多価カルボン酸成分(a)中のポリカーボネートジ
オール変性ジカルボン酸の配合量は、10〜100重量
%とすることが好ましく、30〜90重量%とすること
がより好ましく、50〜80重量%とすることが特に好
ましい。配合量が10重量%未満であるとフレキシブル
プリント板用カバーレイとしての耐折性が得られなくな
る傾向がある。
【0014】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸は、ポリカーボネートジオールとジカルボン酸とを当
量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネー
トジオールの水酸基)が1を超える条件で反応(脱水エ
ステル化)させることにより合成することができる。こ
の当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボ
ネートジオールの水酸基)は、1.1〜3とすることが
好ましく、1.3〜2.5とすることがより好ましく、
1.5〜2とすることが特に好ましい。この当量比が1
未満では、片末端にしかカルボキシル基を持たないもの
(他方の片末端に水酸基を有するもの)や両末端ともカ
ルボキシル基を持たないもの(両末端に水酸基を有する
もの)が生成し易く、3を超えると合成中、一度生成し
たポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸が、未反
応物として残存するジカルボン酸により酸加水分解を起
こし易く、フレキシブルプリント板用カバーレイとして
の耐熱性が低下する傾向がある。
【0015】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するためのポリカーボネートジオールとして
は、特に制限はなく、例えば、ダイセル化学工業(株)製
の商品名プラクセルCDシリーズ、プラクセルCD−P
Lシリーズ、日本ポリウレタン工業(株)製の商品名ニッ
ポラン980、981などが挙げられる。これらのポリ
カーボネートジオールは、単独で又は2種類以上組み合
わせて用いられる。なお、ポリカーボネートジオールの
分子量(水酸価からの算出値)は、200〜5,000
とすることが好ましく、500〜4,000とすること
がより好ましく、1,000〜3,000とすることが
特に好ましい。分子量が200未満であると、フレキシ
ブルプリント板用カバーレイとしての耐折性が得られな
くなる傾向があり、分子量が5,000を超えると、耐
熱性が得られなくなる傾向がある。
【0016】また、ポリカーボネートジオール変性ジカ
ルボン酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に
制限はなく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマ
ー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式
ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらのジカルボン酸は、単独で又は2種類以上組
み合わせて用いられる。
【0017】多価カルボン酸成分(a)において、ポリ
カーボネートジオール変性ジカルボン酸と併用できる他
の多価カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、
上記ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成
するためのジカルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロ
メリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、s−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシ
クロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリ
コールビスアンヒドロトリメリテート等の多価カルボン
酸無水物、ポリエチレングリコール変性ジカルボン酸、
ポリプロピレングリコール変性ジカルボン酸、ポリテト
ラメチレングリコール変性ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの多価カルボン酸は、単独又は2種類以上組
み合わせて用いられる。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分で
あるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂の製造中間体で
あるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)は、上記多
価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)と
を、当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)のイソシ
アネート基〕が1を超える条件で反応(脱炭酸アミド
化)させて得られる。この当量比〔(a)のカルボキシ
ル基/(b)のイソシアネート基〕は、1.03〜3と
することが好ましく、1.05〜1.5とすることがよ
り好ましく、1.1〜1.3とすることが特に好まし
い。この当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)のイ
ソシアネート基〕が1.03未満であると、カルボキシ
ル基を持たないものが生成し易く、また、反応を制御し
にくい(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル
化し易い)、一方、当量比が3を超えると、多価カルボ
ン酸が未反応物として残存しやすく、フレキシブルプリ
ント板用カバーレイとしての耐熱性が低下する傾向があ
る。
【0019】ジイソシアネート(b)としては、特に制
限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテ
ルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′
−ジシロクヘキシルメタンジイソシアネート(水添化
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トラ
ンスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添
化m−キシレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシア
ネート、3,9−ビス(3−イソシアネートプロピル)
−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙げられ、なか
でも、カバーレイとしての耐熱性の点で芳香族ジイソシ
アネートが好ましい。これらのジイソシアネート(b)
は単独で使用してもよいが、2種類以上組み合わせて使
用する方が、エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(A)
の溶剤溶解性向上などの点で好ましい。
【0020】多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネ
ート(b)から、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂
(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で
実施することができる。有機溶媒としては、特に制限は
なく、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、シ
クロヘキサノン等のケトン類、ジグライム、トリグライ
ム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類、N,N−ジメチル
エチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、
テトラメチルウレア等のウレア類、スルホラン等のスル
ホン類などが挙げられ、なかでも、γ−ブチロラクトン
を主成分とするのが、感光性カバーレイフィルム製造プ
ロセスにおける残存溶剤低減の点で好ましい。
【0021】本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分で
あるエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂の製造中間体で
あるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)は、上記カ
ルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対してエポキシ
樹脂(d)を当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカ
ルボキシル基〕が1以上となる条件で反応(ヒドロキシ
エチルエステル化)させて得られる。この当量比
〔(d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル基〕は、
1〜3とすることが好ましく、1.05〜1.5とする
ことがより好ましく、1.1〜1.3とすることが特に
好ましい。当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカル
ボキシル基〕が1未満であると、エポキシ基を持たない
ものが生成し易く、一方、当量比が3を超えると、カバ
ーレイの橋架け密度が高くなり、耐折性が低下する傾向
がある。
【0022】また、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(e)のエポキシ当量は、1000〜40000とする
ことが好ましく、3000〜20000とすることがよ
り好ましく、5000〜15000とすることが特に好
ましい。このエポキシ当量が1000未満であるとフィ
ルム形成性が低下する傾向にあり、40000を超える
と感光性樹脂組成物の現像性が低下する傾向にある。
【0023】ここで用いられるエポキシ樹脂(d)とし
ては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の
2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官
能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ
樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサ
ンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジル
エーテル、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の
2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グ
リセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエ
ーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香
族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジ
グリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオ
ロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、
N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジア
ミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,o−トリ
グリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グ
リシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグ
リシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環
式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹
脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが
挙げられる。これらのうちでは、反応の制御し易さの点
などで2官能エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ
樹脂のなかでも、カバーレイとしての耐熱性向上の点で
2官能芳香族グリシジルエーテルがより好ましく、その
なかでも廉価等の点でビスフェノールA型エポキシ樹脂
が特に好ましく、難燃性向上の点でテトラブロモビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエ
ポキシ樹脂(d)は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0024】本発明における(A)成分のエポキシ基封
鎖型ポリアミド系樹脂は、上記エポキシ当量1000〜
40000のエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)に
対してモノカルボン酸(f)を当量比〔(f)のカルボ
キシル基/(e)のエポキシ基〕が1以上となる条件で
反応させて得られる。
【0025】上記エポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(A)を得るために、エポキシ当量1000〜4000
0のエポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)に反応させ
るモノカルボン酸(f)の当量比〔(f)のカルボキシ
ル基/(e)のエポキシ基〕は1〜5とすることが好ま
しく、1.2〜3とすることがより好ましく、1.5〜
2.5とすることが特に好ましい。当量比が1未満であ
ると未反応のエポキシ基が残存し、感光性樹脂組成物と
しての保存安定性が低下する傾向にあり、当量比が5を
超えると未反応のモノカルボン酸(f)が多量に残存
し、ポリマーワニスの皮膚刺激性が増大する傾向にあ
る。モノカルボン酸(f)としては、特に制限はなく、
例えば、メタクリル酸、アクリル酸等のエチレン性不飽
和基含有モノカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、ヘキサン酸等の飽和型脂肪族モノカルボン酸、安
息香酸、ジフェニル酢酸等の飽和型芳香族モノカルボン
酸などが挙げられる。これらのうちでは、エポキシ基封
鎖型ポリアミド系樹脂(A)に光硬化性を付与できる等
の点で、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸が好ま
しい。これらのモノカルボン酸(f)は、単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物に(B)成分と
して用いられる末端にエチレン性不飽和基を少なくとも
1個有する光重合性不飽和化合物としては、特に制限は
なく、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジペンタ
エリストリトールペンタアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート等の多価アルコールの(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アク
リロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノール
A、エピクロルヒドリン系のエポキシ樹脂のアクリル酸
又はメタクリル酸付加物等のエポキシアクリレート、無
水フタル酸−ネオペンチルグリコール−アクリル酸の
1:2:2モル比の縮合物等の低分子不飽和ポリエステ
ル等の分子中にベンゼン環を有する(メタ)アクリレー
ト、(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
のアクリル酸又はメタクリル酸との付加物、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネートと2価アルコールのア
クリル酸モノエステル又はメタクリル酸モノエステルと
の反応で得られるウレタンアクリレート化合物又はウレ
タンメタクリレート化合物、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができ、カバーレイ
としての耐折性の点で、ビスフェノールAポリオキシエ
チレンジメタクリレートが好ましい。これらの化合物
は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0027】本発明の感光性樹脂組成物に(C)成分と
して用いられる光重合開始剤としては、特に制限はな
く、例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチ
ルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,
4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メ
トキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベ
ンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフ
ェニル)−ブタノン−1、2−エチルアントラキノン、
フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
フェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベン
ゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジ
メチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキ
シフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイ
ミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ
(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール
二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリ
アリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン
等のアクリジン誘導体などが挙げられる。これらは、単
独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0028】本発明における感光性樹脂組成物は、
(A)成分のエポキシ基封鎖型アミド系樹脂20〜95
重量部、(B)成分の末端にエチレン系不飽和基を少な
くとも1個有する光重合性不飽和化合物5〜80重量部
及び(C)成分の光重合開始剤0.01〜20重量部か
らなる。感光性樹脂組成物中の(A)成分のエポキシ基
封鎖型アミド系樹脂の配合量が20重量部未満では、感
光性エレメントにしたときのフィルム形成性が低下する
傾向があり、95重量部を超えると、感光性樹脂組成物
を感光性エレメントにし、フレキシブルプリント板の配
線を形成した面に熱圧着してカバーレイとした時に回路
被覆性やはんだ耐熱性が低下する傾向がある。(A)成
分の配合量は、30〜90重量部とすることが好まし
く、40〜90重量部とすることがより好ましい。
【0029】また、本発明の感光性樹脂組成物中の
(B)成分の末端にエチレン系不飽和基を少なくとも1
個有する光重合性不飽和化合物の配合量は、5重量部未
満では感光性樹脂組成物としての感度が低く、感光性エ
レメントにし、フレキシブルプリント板の配線を形成し
た面に熱圧着してカバーレイとした時に回路被覆性が低
下する傾向があり、80重量部を超えると、感光性エレ
メントにしたときの感光層の流動による側面からのしみ
出しが発生し、保存安定性が低下する傾向がある。
(B)成分の配合量は、10〜70重量部とすることが
好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物中の(C)
成分の光重合開始剤の配合量は、0.01重量部未満で
は十分な感度が得にくく、20重量部を超えると、感光
性樹脂組成物の露光表面での光吸収が増加して内部の光
硬化が不充分になる傾向がある。(C)成分の配合量
は、0.05〜10重量部とすることが好ましい。
【0030】本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、ア
ミンベースの橋架け剤、例えば、メラミンを併用するの
が好ましい。好ましいアミンベースの橋架け剤として
は、例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグ
アナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリコルリル−ホルムアルデヒド樹脂などが
挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用
いることができる。これらの樹脂は、アクリルアミド若
しくはメタクリルアミドコポリマーをアルコール含有溶
液中でホルムアルデヒドと反応させるか、又はN−アル
コキシメチルアクリルアミド若しくはメタクリルアミド
を別の適当なモノマーと共重合させることによって製造
することができる。特に適当なアミンベースの橋架け剤
としては、アメリカン・サイアナミド(American Cyana
mid )社製のメラミン、例えば、サイメル(登録商標)
300、301、303、350、370、380、1
116及び1130、サイメル(登録商標)1123及
び1125のようなベンゾグアナミン、グリコルリル樹
脂サイメル(登録商標)1170、1171及び117
2、並びに尿素ベースの樹脂ビートル(登録商標)6
0、65及び80が挙げられる。他にも多くの類似のア
ミンベースの橋架け剤が市販されている。
【0031】前記のアミンベースの橋架け剤のうち、メ
ラミンがより好ましく、メラミンホルムアルデヒド樹
脂、即ち、メラミンとホルムアルデヒドとの反応生成物
が特に好ましい。これらの樹脂は、通常、トリアルキロ
ールメラミン及びヘキサアルキロールメラミンのような
エーテルである。アルキル基は、炭素原子を1〜8個有
するものが好ましく、メチル基であるのがより好まし
い。反応条件及びホルムアルデヒド濃度次第で、メチル
エーテルを相互に反応させてより複雑な単位を形成して
もよい。橋架け剤の使用量は、前記(A)、(B)及び
(C)成分の総量に対して30重量%以下とすることが
好ましい。
【0032】本発明の感光性樹脂組成物には、難燃性を
さらに向上させるために、例えば、テトラブロモビスフ
ェノールA、テトラブロモビスフェノールAオキシエチ
レンジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノ
ールAビスアリルエチルエーテル、ポリテトラブロモビ
スフェノールA末端ブロモエトキシ化物等の難燃剤を添
加することができる。また、同様に三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、硼酸バリウム、水酸化アルミニウム
等の難燃助剤を添加することもできる。この難燃剤の使
用量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の総量に対
して30重量%以下とすることが好ましい。また、難燃
助剤の使用量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の
総量に対して15重量%以下とすることが好ましい。本
発明の感光性樹脂組成物には、さらに、染料、発色剤、
可塑剤、顔料、密着性付与剤などを必要に応じて添加し
てもよい。これらの使用量は、前記(A)、(B)及び
(C)成分の総量に対して2重量%以下とすることが好
ましい。
【0033】本発明の感光性樹脂組成物は、前記
(A)、(B)及び(C)成分を溶解しうる溶剤、例え
ば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、クロロホルム、塩化メチ
レン、メチルアルコール、エチルアルコール等に溶解、
混合させることにより、均一な溶液とすることができ
る。本発明の感光性樹脂組成物は、前記のように溶液状
態とすることによって液状コーティング組成物としてス
クリーン印刷、フローコーティング、ローラー塗布、ス
ロットコーティング、スピンコーティング、カーテンコ
ート、スプレーコーティング、浸漬コーティングを含む
一般的な方法を用いて基板や支持体上に塗布することが
できる。この際、液状コーティング組成物の粘度は、必
要に応じて溶剤、増粘剤、充填剤などを用いて各塗布法
の要件を満たすように調整できる。基板又は支持体上に
塗布した後、液状コーティング層を乾燥し溶剤を除去す
る。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物を支持体上に塗
布、乾燥し、感光性エレメント(積層体)を得ることが
できる。支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等からなるフィルムが用いられ、これらのうちポリ
エチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの
重合体フィルムは、後に感光層から除去可能でなくては
ならないため、除去が不可能となるような表面処理が施
されたものであったり、材質であったりしてはならな
い。これらの重合体フィルムの厚さは、通常、5〜10
0μm、好ましくは10〜30μmである。これらの重
合体フィルムの一つは、感光層の支持フィルムとして、
他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に
積層してもよい。また、本発明の感光性樹脂組成物を上
記のように支持体上に塗布、乾燥して感光層を形成し、
この感光層に配線を形成されたフレキシブルプリント板
を圧着させて積層体を得ることもできる。さらに、本発
明の積層体はロール状に巻き取って貯蔵することもでき
る。
【0035】本発明の感光性エレメントを用いてフォト
レジスト画像を製造するに際しては、前記の保護フィル
ムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感
光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層す
る。フレキシブルプリント板を製造する場合、積層する
表面は、通常、エッチング等により配線が形成されたフ
レキシブルプリント板であるが、特に制限はない。感光
層の加熱圧着は、通常、温度90〜130℃、圧着圧力
3.0×105Paで行われるが、フレキシブルプリント
板に対する感光層の追従性をさらに向上させるために、
4000Pa以下の減圧下で上記の条件で加熱圧着するこ
とが好ましい。減圧下で加熱圧着する場合は、真空チャ
ンバ内で感光層を加熱圧着できる構造の真空ラミネータ
を使用することが好ましい。さらに、感光層を前記のよ
うに加熱すれば、予め基板を予熱処理する必要はない
が、追従性をさらに向上させるために基板の予熱処理を
行うこともできる。また、ロール状のフレキシブルプリ
ント板シートを連続的に繰り出して、感光層をこのフレ
キシブルプリント板シートに加熱圧着させることにより
連続的に積層する工程を経て、感光層を積層したフレキ
シブルプリント板シートをロール状に巻き取ることもで
きる。感光層を連続的に積層する工程において、フレキ
シブルプリント板に対する感光層の追従性をさらに向上
させるために、真空ラミネータを用いて4000Pa以下
の減圧下で加熱圧着することが好ましい。
【0036】このようにして積層が完了した感光層は、
次いで、ネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光
で画像的に露光される。この際感光層上に存在する重合
体フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよい
が、不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光
層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、こ
の重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光
することが好ましい。活性光としては、公知の活性光
源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノ
ンアーク、その他から発生する光が用いられる。感光層
に含まれる光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域にお
いて最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有
効に放射するものにすべきである。もちろん、光開始剤
が可視光線に感受性のもの、例えば、9,10−フェナ
ンスレンキノン等である場合には、活性光として可視光
が用いられ、その光源としては前記のもの以外に写真用
フラッド電球、太陽ランプなども用いられる。
【0037】活性光で画像的に露光した感光性樹脂組成
物の層は、露光部分の橋架けを誘起又は促進するため
に、露光後に加熱するのが普通である。露光後の加熱
は、例えば、約85〜110℃の温度で約5分〜60分
加熱する。
【0038】露光後、感光層上に重合体フィルムが存在
している場合には、これを除去した後、有機な溶剤等の
公知の現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、
ブラッシング、スクラッビング等の公知方法により未露
光部を除去して現像する。現像液として用いられる有機
溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセト
ン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基を有する
アルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトンなど
が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。また、その温度は感光層の現
像性に合わせて調整することができる。この現像液中に
界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。これ
らの現像液には、引火防止の目的で1〜30容量%の範
囲で水を添加することもできる。
【0039】さらに、現像後、フレキシブルプリント板
用カバーレイのはんだ耐熱性、耐薬品性などを向上させ
る目的で、高圧水銀ランプ等による活性光の照射を行っ
てもよい。活性光の照射量は、一般的に、0.2〜10
J/cm2程度であり、照射の際に60〜180℃の加熱を
行ってもよい。また、同様の目的で現像後、加熱を行っ
てもよい。加熱は、100〜180℃程度の範囲で15
〜90分行うことが好ましい。これらの活性光を照射す
る工程と加熱する工程を両方行ってもよく、その場合、
両工程を任意の順序で行うことができる。
【0040】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。
【0041】合成例1(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) 攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を
装備したフラスコに、ポリカーボネートジオール(ダイ
セル化学工業(株)製、商品名プラクセルCD210、平
均分子量1,000)を1000重量部(1モル)、セ
バシン酸を405重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通
気下、途中、副生してくる縮合水をトルエンで共沸させ
て留去しながら、1時間かけて200℃に昇温した。同
温度で3時間保温して脱水エステル化反応を完結させた
後、冷却し、酸価82.5、分子量(酸価からの算出
値)1,360のポリカーボネートジオール変性ジカル
ボン酸(以下、P−1と記す)を得た。
【0042】合成例2(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学工業
(株)製の商品名プラクセルCD220(平均分子量2,
000)を2000重量部使用し、セバシン酸の代わり
にアジピン酸292重量部を用いた以外は、合成例1と
同様の操作により、酸価49.6、分子量2,260の
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(以下、P
−2と記す)を得た。
【0043】合成例3(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学工業
(株)製の商品名プラクセルCD220(平均分子量2,
000)を2000重量部使用した以外は、合成例1と
同様の操作により、酸価47.0、分子量2,390の
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(以下、P
−3と記す)を得た。
【0044】合成例4(エポキシ基含有ポリアミド系樹
脂の合成) 攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した
フラスコに、多価カルボン酸成分(a)として合成例1
で得たポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(P
−1)57.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン
酸4.9重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.
8重量部(33.7ミリモル)及びイソフタル酸11.
2重量部(67.5ミリモル)の計177.2ミリモ
ル、ジイソシアネート(b)として4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(以下、MDIと記す)2
2.1重量部(88.4ミリモル)及びトリレンジイソ
シアネート(以下、TDIと記す。2,6−異性体/
2,4−異性体=80/20モル%)10.3重量部
(59.2ミリモル)の計147.6ミリモル及び反応
媒体としてγ−ブチロラクトン150重量部を仕込み、
窒素ガス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系外に
排気しながら200℃に昇温した。同温度で3時間保温
して脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150℃まで
冷却し、加熱残分(220℃/1時間)40重量%、酸
価(樹脂分換算)40.2、分子量(酸価からの算出
値)2,790のカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(以
下、c−1と記す)100重量部(樹脂分換算、35.
8ミリモル)を得た。
【0045】次いで、150℃で保温状態にある(c−
1)に、エポキシ樹脂(d)としてビスフェノールA型
エポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化
学工業(株)製商品名)16.2重量部(43.1ミリモ
ル)及び反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド
66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒド
ロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却し、
加熱残分(220℃/1時間)35重量%、エポキシ当
量(樹脂分換算)8100、水酸当量(樹脂分換算)1
620、分子量(設計値)16,200のエポキシ基含
有ポリアミド系樹脂(以下、e−1と記す)を得た。
【0046】また、同様の操作により、表1に示す配合
(樹脂分換算)、性状のカルボン酸含有ポリアミド系樹
脂(c−2、c−3及びc−4で示す)及び比較用カル
ボン酸含有ポリアミド系樹脂(c−5及びc−6で示
す)を得た後、表2に示す配合(樹脂分換算)、性状の
エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e−2、e−3及び
e−4で示す)及び比較用エポキシ基含有ポリアミド系
樹脂(e−5及びe−6で示す)を得た。なお、表1中
のIPDIはイソホロンジイソシアネートであり、表2
中のエピコート1001は、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ(株)社製)であり、表1及
び表2中の配合量の単位は重量部である。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】合成例5(エポキシ基封鎖型ポリアミド系
樹脂の合成) 攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した
フラスコに、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)と
して、合成例4で得た(e−1)100重量部(樹脂分
換算、6.17ミリモル)、モノカルボン酸(f)とし
てメタクリル酸2.1重量部(24.4ミリモル)、メ
トキノン(ラジカル重合禁止剤)0.21重量部
((f)の10重量%)及びN,N−ジメチルベンジル
アミン(触媒)2.9重量部((e)の溶液の1重量
%)を仕込み、乾燥空気通気下、100℃に昇温した。
同温度で6時間保温してエポキシ基封鎖反応を完結さ
せ、水酸基当量(樹脂分換算)1360、分子量(設計
値)16,370のエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂
(以下、A−1)を得た。
【0050】また、同様の操作により、表3に示す配合
(樹脂分換算)、性状のエポキシ基封鎖型ポリアミド系
樹脂(A−2、A−3、A−4で示す。)及び比較用エ
ポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂(A−5、A−6で示
す。)を得た。なお、表3中の配合量の単位は、重量部
である。
【0051】
【表3】
【0052】実施例1 表4の材料を配合して感光性樹脂組成物の溶液を調製し
た。
【表4】
【0053】得られた感光性樹脂組成物の溶液6を図1
に示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレンテレ
フタレートフィルム12上に均一に塗布し、80〜11
0℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して溶剤を
除去した。感光性樹脂組成物の層の乾燥後の厚さは、約
50μmであった。感光性樹脂組成物の層の上には、さ
らに図1に示したようにして厚さ約25μmのポリエチ
レンフィルム13を保護フィルムとして貼り合わせ、本
発明の感光性積層体(感光性エレメント)を得た。な
お、図1において、1はポリエチレンテレフタレートフ
ィルム繰り出しロール、2、3、4、9及び10はロー
ル、5はナイフ、8はポリエチレンフィルム繰り出しロ
ール、11は感光性エレメント巻き取りロールである。
【0054】得られた感光性エレメントの回路埋め込み
性及び感光特性、レジスト形成後のはんだ耐熱性、耐折
性、難燃性及び保存安定性について、下記の方法で評価
し、結果を表7に示す。
【0055】 回路埋め込み性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F
30VC125RC11)の銅箔を常法に従ってエッチ
ングし、ライン/スペース(μm)=165/165、
318/318、636/636の3つのテストパター
ン銅回路を形成したフレキシブルプリント板上に連続式
真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−
1型)を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネー
ト速度0.5m/s、気圧4000Pa以下、圧着圧力
3.0×105Paで前記感光性エレメントをポリエチレ
ンフィルムを剥がしながら積層した。
【0056】続いて、3つのテストパターン部分を実体
顕微鏡で外観観察し、銅回路周囲に気泡等の残留の有無
を調べるとともに、3つのテストパターン部分を切り出
し、エポキシ注型法で銅回路断面観察用のサンプルを作
製し、電子顕微鏡で銅回路周囲のカバーレイの追従状況
を調べて、回路埋め込み性の判定を行った。評価基準
は、次のとおりである。 良好:気泡の残留がなく、銅回路周囲での間隙がないも
の 不良:気泡の残留があるもの、又は銅回路周囲での間隙
があるもの
【0057】 感光特性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F
30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨
し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント板用
基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、
商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度12
0℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4000Pa以
下、圧着圧力3.0×105Paで前記感光性エレメント
をポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。次
に、得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィル
ムの上から、コダックステップタブレットNo.2(イー
ストマンコダック(株)製、21段ステップタブレット)
を密着させ、(株)オーク製作所製HMW−201GX型
露光機を使用し、ステップタブレット段数8段を得るた
めに必要な露光量を感度とした。
【0058】また、フォトツール(コダックステップタ
ブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/3
0〜250/250(解像度)、及びライン/スペース
(μm)=30/400〜250/400(密着性)の
ネガパターンを有するフォトツール)を、得られた試料
のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着さ
せ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で露
光し、現像したときに矩形のレジスト形成が得られる最
も小さい解像度パターンのライン/スペースの値を解像
度とした。
【0059】 はんだ耐熱性 上記と同様に、フレキシブルプリント板用基板に感光
性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着させ、ス
テップタブレット段数8段を得られる露光量で露光し
た。常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテレ
フタレートフィルムを剥がし、N−メチル−2−ピロリ
ドンを用いて、25℃で70秒間スプレー現像し、80
℃で10分間乾燥した。次いで、東芝電材(株)製紫外線
照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さ
らに150℃で40分間加熱処理を行い、カバーレイを
形成したフレキシブルプリント板を得た。
【0060】次いで、ロジン系フラックスMH−820
V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃のはん
だ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行った。こ
のような操作の後、カバーレイのクラック発生状況、基
板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で次の
基準で評価した。 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
【0061】 耐溶剤性 上記と同様に、フレキシブルプリント板用基板に感光
性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着させ、ス
テップタブレット段数8段が得られるように露光した。
常温で1時間放置した後、試料のポリエチレンテレフタ
レートフィルムを剥がし、N−メチル−2−ピロリドン
を用いて、25℃で70秒間スプレー現像し、80℃で
10分間乾燥した。次いで、東芝電材(株)製紫外線照射
装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに
150℃で40分間加熱処理を行い、カバーレイを形成
したフレキシブルプリント板を得た。次いで、カバーレ
イを形成したフレキシブルプリント板を室温でメチルエ
チルケトン及びイソプロピルアルコール中に10分間浸
漬した後、基板からのカバーレイの浮き及び剥がれの状
況を目視で下記の基準で評価した。 良好:浮き及び剥がれのないもの 不良:浮き及び剥がれがあるもの
【0062】 耐折性 上記と同様の操作で得たフレキシブルプリント板用基
板上にカバーレイを形成し、はんだ付け処理を行った試
料をはぜ折りで180°折り曲げ、折り曲げた際のカバ
ーレイのクラックの発生状況を目視で下記の基準で評価
した。 良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの
【0063】 難燃性 フレキシブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、
商品名F30VC125RC11)の銅箔をエッチング
で除去した接着剤付きポリイミド基材に、真空ラミネー
タ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)を用い
て、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度0.5
m/s、気圧4000Pa以下、圧着圧力2.94×10
5Paで前記感光性エレメントをポリエチレンフィルムを
剥がしながら積層し、ステップタブレット段数8段が得
られるように露光した。常温で1時間放置した後、試料
のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、N−
メチルピロリドンを用いて25℃で70秒間スプレー現
像し、80℃で10分間乾燥した。次いで、東芝電材
(株)製紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照
射を行い、さらに150℃で40分間加熱処理を行い、
難燃性評価用試料を得た。得られたカバーレイを形成し
たフレキシブルプリント板について、UL94規格(V
TM法)に従って難燃性を評価した。
【0064】 保存安定性 ロール状に巻き取られた長さ90mの感光性エレメント
を温度23℃、湿度60%で保管し、ロール側面からの
感光層のしみ出しの様子を6ケ月間にわたって下記の基
準で目視で評価した。 良好:6ケ月後でも感光層のしみ出しがないもの 不良:6ケ月間の間に感光層のしみ出しが発生したもの
【0065】実施例2〜7及び比較例1〜6 実施例1で用いたエポキシ基封鎖型ポリアミド系樹脂、
光重合不飽和化合物及び添加剤を、表5及び表6に示す
ものに変えた以外は、実施例1と同様にして感光性エレ
メントを作製し、実施例1と同様にカバーレイとして加
工し、評価し、結果を表7及び表8に示す。なお、表5
及び表6において、TM−Aは、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート2モル、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート2モル及びシクロヘキサンジメタノール1
モルとから合成したウレタンアクリレート化合物であ
り、BPはベンゾフェノン、EABは4,4′−ビスジ
エチルアミノベンゾフェノンである。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】表7及び表8から明らかなように、本発明
の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを用いること
によって、はんだ耐熱性及び耐折性がともに良好で、か
つ、難燃性が94V−1(UL規格)であるフレキシブ
ルプリント板用カバーレイが得られることが分かる。
【0071】
【発明の効果】請求項1記載の感光性樹脂組成物は、感
度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーによりパ
ターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱
性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、フィルム上へ
の塗布作業性に優れる。請求項2記載の感光性樹脂組成
物は、請求項1記載の発明の効果を奏し、より耐折性、
はんだ耐熱性に優れる。
【0072】請求項3記載の感光性積層体は、感度及び
光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーによりパターン
を効率よく形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、耐
溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、取扱性、基板への積
層作業性に優れる。請求項4記載の感光性積層体は、感
度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーによりパ
ターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱
性及び難燃性に優れ、取扱性に優れ、フレキシブルプリ
ント板の製造作業性に優れる。請求項5記載の感光性積
層体は、感度及び光硬化性に極めて優れ、フォトリソグ
ラフィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐
折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優
れ、また、取扱性に極めて優れ、フレキシブルプリント
板の製造作業性に優れる。
【0073】請求項6記載のフレキシブルプリント板の
製造法により、耐折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性及び難
燃性に優れ、また、高密度実装性及び電気的信頼性に優
れたフレキシブルプリント板を作業性、歩留まりよく製
造できる。請求項7記載のフレキシブルプリント板の製
造法は、請求項6記載の発明の効果を奏し、よりはんだ
耐熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた感光性エレメントの
製造装置の略示系統図である。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム繰り出しロー
ル 2、3、4 ロール 5 ナイフ 6 感光性樹脂組成物の溶液 7 乾燥機 8 ポリエチレンフィルム繰り出しロール 9、10 ロール 11 感光性エレメント巻き取りロール 12 ポリエチレンテレフタレートフィルム 13 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 299/02 C08F 299/02 C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 63/00 NKE C08L 63/00 NKE 77/00 KKU 77/00 KKU C09D 4/00 PDU C09D 4/00 PDU 4/02 PDR 4/02 PDR G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/027 502 7/027 502 7/028 7/028 7/038 503 7/038 503 504 504 7/40 501 7/40 501 H05K 1/03 670 H05K 1/03 670A 3/28 3/28 D (72)発明者 天野倉 仁 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 鈴木 健司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 西沢 広 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネートジオール変性ジ
    カルボン酸を必須成分として含んでなる多価カルボン酸
    成分(a)とジイソシアネート(b)とを当量比
    〔(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネート
    基〕が1を超える条件で反応させて得られるカルボン酸
    含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂
    (d)を当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカルボ
    キシル基〕が1以上となる条件で反応させて得られるエ
    ポキシ基含有ポリアミド系樹脂(e)に対してモノカル
    ボン酸(f)を当量比〔(f)のカルボキシル基/
    (e)のエポキシ基〕が1以上となる条件で反応させて
    得られるエポキシ基封鎖型ポリアミド樹脂、(B)末端
    にエチレン系不飽和基を少なくとも1個有する光重合性
    不飽和化合物及び(C)活性光の照射により遊離ラジカ
    ルを生成する光重合開始剤を含有してなることを特徴と
    する感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)酸無水物変性ポリアミド系樹脂
    が、20〜95重量部、(B)光重合性不飽和化合物
    が、5〜80重量部(ただし(A)成分及び(B)成分
    の総量を100重量部とする)並びに(C)光重合開始
    剤が、0.01〜20重量部(ただし(A)成分及び
    (B)成分の総量を100重量部に対して)の配合割合
    とした請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層と
    該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性積層
    体。
  4. 【請求項4】 フレキシブルプリント板用基板の表面に
    請求項1記載の感光性樹脂組成物の層を有する感光性積
    層体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層の
    片面にフレキシブルプリント板、他方の表面に支持体フ
    ィルムを有する感光性積層体。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の感光性積層体を活
    性光で像的に照射し、現像することによりフレキシブル
    プリント板の表面上に感光性樹脂組成物のパターンを形
    成することを特徴とするフレキシブルプリント板の製造
    法。
  7. 【請求項7】 現像後に活性光を照射する工程と後加熱
    する工程を含む請求項6記載のフレキシブルプリント板
    の製造法。
JP8138761A 1996-05-31 1996-05-31 感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント板の製造法 Pending JPH09325489A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009140A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Nippon Kayaku Co Ltd 感光性共重合物、その組成物、硬化物、製造法、基材、物品及び用途。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007009140A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Nippon Kayaku Co Ltd 感光性共重合物、その組成物、硬化物、製造法、基材、物品及び用途。

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