JPH09325491A - 感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性積層体及びフレキシブルプリント板の製造法

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JPH09325491A
JPH09325491A JP13876096A JP13876096A JPH09325491A JP H09325491 A JPH09325491 A JP H09325491A JP 13876096 A JP13876096 A JP 13876096A JP 13876096 A JP13876096 A JP 13876096A JP H09325491 A JPH09325491 A JP H09325491A
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JP13876096A
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English (en)
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Ritsuko Obata
立子 小畑
Fumihiko Ota
文彦 太田
Shinji Tsuchikawa
信次 土川
Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Hiroshi Nishizawa
広 西沢
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィーによりパターンを精度
良く形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱性及び難燃性
に優れ、フィルム上への塗布作業性に優れた感光性樹脂
組成物及びこの組成物を用いた感光性積層体を提供する
こと。 【解決手段】 (A)主鎖の水素がアルキル基で置換さ
れているメチレン鎖とカーボネート基で構成されている
ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分
として含んでなる多価カルボン酸成分とジイソシアネー
トとを反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系
樹脂に、エポキシ樹脂を反応させて得られるエポキシ基
含有ポリアミド系樹脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)
光カチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とする
感光性樹脂組成物及びこの組成物の層を積層してなる感
光性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成
物、これを用いた感光性積層体及びフレキシブルプリン
ト板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルプリント板の外層回
路保護には、ポリイミドフィルムを金型で打抜き、熱圧
着するカバーレイ、又はポリイミド樹脂のインクをスク
リーン印刷するカバーコートが用いられているが、前者
の場合、打抜きパターンの微細化に限界があり、狭ピッ
チ化するQFPパッド間のソルダダムへ適用できない、
また、張り合わせ時の位置精度にも限界があり、位置ず
れ裕度を考慮した回路設計が必要であるため、フレキシ
ブルプリント板を高密度化及び小型化できないという問
題があった。また、後者の場合、スクリーン印刷のため
同様にパターンの微細化に限界があり、また、作業性が
悪いという問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、各種
ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)とエチレン性不飽
和基含有光橋架け剤と光重合開始剤とからなる感光性樹
脂組成物の層をフレキシブルプリント板上に形成し、露
光、現像、加熱により微細パターンを有するカバーレイ
を形成する方法が特開昭64−2037号、特開昭64
−484893号、特開平5−158237号及び特開
平6−298935号公報などに提案されている。しか
しながら、光線透過率の点からカバーレイに必要な十分
な厚みを確保できない、最終的にポリアミック酸を閉環
してポリイミド骨格にするため250℃以上の高温で加
熱する工程が必要であり、銅回路の酸化、接着剤層の劣
化、基板の反り等の問題があった。
【0004】また、フレキシブルプリント板に熱可塑性
ポリイミドと非熱可塑性ポリイミドの二層構造のカバー
レイを熱圧着で形成し、その上にスクリーン印刷でレジ
ストパターンを形成してカバーレイをアルカリエッチで
パターニングする方法が特開平5−183260号公報
に、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)層と感光性樹
脂層の二層型フィルムをフレキシブルプリント板上にラ
ミネートし、まず、感光性樹脂層を露光、現像してパタ
ーンを形成した後、感光性樹脂層をエッチングレジスト
とし、引き続きポリアミック酸層をアルカリエッチでパ
ターニングする方法が特開平5−254064号公報に
提案されている。しかしながら、前者の方法では、スク
リーン印刷のためパターンの微細化に限界があり、また
作業性が悪く、二層構造のポリイミドフィルムのためコ
ストが高いという問題があり、後者の方法ではいわゆる
ウエットラミネーションが必要である、感光性樹脂層と
ポリアミック酸層の2回の現像プロセスが必要であるな
ど、作業性に問題があり、さらに最終的にポリアミック
酸を閉環してポリイミド骨格にするため250℃以上の
高温に加熱する工程が必要であり、銅回路の酸化、接着
剤層の劣化、基板の反り等の問題がある。
【0005】一方、従来印刷配線板分野で主流を占めて
いるアクリル樹脂系の感光性フィルムをカバーレイに用
いたフレキシブルプリント板の製造方法が特開昭56−
6498号、特開昭59−230014号(特公昭61
−10484号)公報に提案されている。この方法で
は、従来の印刷配線板の分野で用いられてきたドライフ
ィルムタイプの永久マスクレジストと同様のプロセスで
容易にカバーレイを形成でき、かつ安価であるが、可撓
性と耐熱性、或いは可撓性と耐溶剤性の両立が十分でな
い。また、アクリル樹脂と特定のウレタンモノマーを組
み合わせてなる感光性フィルムをカバーレイフィルムに
用いることが特願平5−117523号公報に開示され
ているが、耐溶剤性、電気的信頼性が十分でない。さら
に、アクリル樹脂系感光性フィルムではいずれも難燃性
が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2記載の
発明は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィ
ーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、
はんだ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、フ
ィルム上への塗布作業性に優れた感光性樹脂組成物を提
供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の発明の効果を奏し、より耐折性、はんだ耐熱
性に優れた感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】請求項4記載の発明は、感度及び光硬化性
に優れ、フォトリソグラフィーによりパターンを効率よ
く形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、
密着性及び難燃性に優れ、取扱性、基板への積層作業性
に優れた感光性積層体を提供するものである。請求項5
記載の発明は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグ
ラフィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐
折性、はんだ耐熱性及び難燃性に優れ、また、取扱性に
優れ、フレキシブルプリント板の製造作業性に優れた感
光性積層体を提供するものである。請求項6記載の発明
は、感度及び光硬化性に極めて優れ、フォトリソグラフ
ィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐折
性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優
れ、また、取扱性に極めて優れ、フレキシブルプリント
板の製造作業性に優れた感光性積層体を提供するもので
ある。
【0008】請求項7記載の発明は、耐折性、はんだ耐
熱性、耐溶剤性及び難燃性に優れ、また、高密度実装性
及び電気的信頼性に優れたフレキシブルプリント板を作
業性、歩留まりよく製造できるフレキシブルプリント板
の製造法を提供するものである。請求項8記載の発明
は、請求項7記載の発明の効果を奏し、よりはんだ耐熱
性に優れたフレキシブルプリント板の製造法を提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)主鎖の
一部の水素がアルキル基で置換されているメチレン鎖と
カーボネート基で構成されているポリカーボネートジオ
ール変性ジカルボン酸を必須成分として含んでなる多価
カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを当
量比〔(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネー
ト基〕が1を超える条件で反応させて得られるカルボン
酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂
(d)を当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカルボ
キシル基〕が1以上となる条件で反応させて得られるエ
ポキシ基含有ポリアミド系樹脂、(B)エポキシ樹脂及
び(C)光カチオン重合開始剤を含有してなることを特
徴とする感光性樹脂組成物に関する。
【0010】また、本発明は、前記多価カルボン酸成分
(a)中のポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸
を構成する、主鎖の一部の水素がアルキル基で置換され
ているメチレン鎖とカーボネート基で構成されているポ
リカーボネートジオールが下記一般式(I)
【化2】 〔式中、m、n及びkは正の整数を示し、Rは炭素数1
〜10のアルキル基を示す〕で表される化合物である前
記感光性樹脂組成物に関する。また、本発明は、(A)
成分のエポキシ基含有ポリアミド系樹脂100重量部に
対して、(B)成分のエポキシ樹脂を5〜50重量部、
(C)成分の光カチオン重合開始剤を0.01〜30重
量部含有してなる前記感光性樹脂組成物に関する。
【0011】また、本発明は、前記感光性樹脂組成物の
層と該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性積
層体に関する。また、本発明は、フレキシブルプリント
板用基板の表面に前記感光性樹脂組成物の層を有する感
光性積層体に関する。また、本発明は、前記感光性樹脂
組成物の層の片面にフレキシブルプリント板、他方の表
面に支持体フィルムを有する感光性積層体に関する。ま
た、本発明は、前記感光性積層体を活性光で像的に照射
し、現像することによりフレキシブルプリント板の表面
上に感光性樹脂組成物のパターンを形成することを特徴
とするフレキシブルプリント板の製造法に関する。ま
た、本発明は、現像後に活性光を照射する工程と後加熱
する工程を含む前記フレキシブルプリント板の製造法に
関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)主鎖の一部の水素がアルキル基で置換されている
メチレン鎖とカーボネート基で構成されているポリカー
ボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成分として含
んでなる多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネート
(b)とを当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)の
イソシアネート基〕が1を超える条件で反応させて得ら
れるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、
エポキシ樹脂(d)を当量比〔(d)のエポキシ基/
(c)のカルボキシル基〕が1以上となる条件で反応さ
せて得られるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂、(B)
エポキシ樹脂及び(C)光カチオン重合開始剤を必須成
分とする。
【0013】本発明において(A)成分であるエポキシ
基含有ポリアミド系樹脂の製造原料である多価カルボン
酸成分(a)は、主鎖の一部の水素がアルキル基で置換
されているメチレン鎖とカーボネート基で構成されてい
るポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必須成
分として含んでなる。多価カルボン酸成分(a)中のポ
リカーボネートジオール変性ジカルボン酸の配合量は、
10〜100重量%とすることが好ましく、30〜90
重量%とすることがより好ましく、50〜80重量%と
することが特に好ましい。配合量が10重量%未満であ
るとフレキシブルプリント板用カバーレイとしての耐折
性が得られなくなる傾向がある。
【0014】主鎖の一部の水素がアルキル基で置換され
ているメチレン鎖とカーボネート基で構成されているポ
リカーボネートジオール変性ジカルボン酸は、主鎖の一
部の水素がアルキル基で置換されているメチレン鎖とカ
ーボネート基で構成されているポリカーボネートジオー
ルとジカルボン酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキ
シル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が1を超
える条件で反応(脱水エステル化)させることにより合
成することができる。この当量比(ジカルボン酸のカル
ボキシル基/ポリカーボネートジオールの水酸基)は、
1.1〜3とすることが好ましく、1.3〜2.5とす
ることがより好ましく、1.5〜2とすることが特に好
ましい。この当量比が1未満では、片末端にしかカルボ
キシル基を持たないもの(他方の片末端に水酸基を有す
るもの)や両末端ともカルボキシル基を持たないもの
(両末端に水酸基を有するもの)が生成し易く、3を超
えるとジカルボン酸が未反応物として残存しやすく、フ
レキシブルプリント板用カバーレイとしての耐熱性が低
下する傾向がある。
【0015】ポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸を合成するための主鎖の一部の水素がアルキル基で置
換されているメチレン鎖とカーボネート基で構成されて
いるポリカーボネートジオールとしては、特に制限はな
く、例えば、下記一般式(I)
【化3】 〔式中、m、n及びkは正の整数を示し、Rは炭素数1
〜10のアルキル基を示す〕で表されるポリカーボネー
トジオールが挙げられる。
【0016】このようなポリカーボネートジオールとし
ては、例えば、ダイセル化学工業株式会社製の商品名プ
ラクセルCD−PLシリーズ、株式会社クラレ製の商品
名PNOCシリーズなどが挙げられる。これらのポリカ
ーボネートジオールは、単独で又は2種類以上組み合わ
せて用いられる。なお、ポリカーボネートジオールの分
子量(水酸価からの算出値)は、200〜5,000と
することが好ましく、500〜4,000とすることが
より好ましく、1,000〜3,000とすることが特
に好ましい。分子量が200未満であると、フレキシブ
ルプリント板用カバーレイとしての耐折性が得られなく
なる傾向があり、分子量が5,000を超えると、耐熱
性が得られなくなる傾向がある。
【0017】また、ポリカーボネートジオール変性ジカ
ルボン酸を合成するためのジカルボン酸としては、特に
制限はなく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、ダイマ
ー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式
ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらのジカルボン酸は、単独で又は2種類以上組
み合わせて用いられる。
【0018】多価カルボン酸成分(a)において、ポリ
カーボネートジオール変性ジカルボン酸と併用できる他
の多価カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、
上記ポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を合成
するためのジカルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロ
メリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、s−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、メチルシ
クロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリ
コールビスアンヒドロトリメリテート等の多価カルボン
酸無水物、ポリエチレングリコール変性ジカルボン酸、
ポリプロピレングリコール変性ジカルボン酸、ポリテト
ラメチレングリコール変性ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの多価カルボン酸は、単独又は2種類以上組
み合わせて用いられる。
【0019】本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分で
あるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂の製造中間体であ
るカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(c)は、上記多価
カルボン酸成分(a)とジイソシアネート(b)とを、
当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネ
ート基〕が1を超える条件で反応(脱炭酸アミド化)さ
せて得られる。この当量比〔(a)のカルボキシル基/
(b)のイソシアネート基〕は、1.03〜3とするこ
とが好ましく、1.05〜1.5とすることがより好ま
しく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。この
当量比〔(a)のカルボキシル基/(b)のイソシアネ
ート基〕が1.03未満であると、カルボキシル基を持
たないものが生成し易く、また、反応を制御しにくい
(反応系がイソシアネート基の副反応によりゲル化し易
い)、一方、当量比が3を超えると、多価カルボン酸が
未反応物として残存しやすく、フレキシブルプリント板
用カバーレイとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0020】ジイソシアネート(b)としては、特に制
限はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテ
ルジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添化
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トラ
ンスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添
化m−キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシ
アネート、3,9−ビス(3−イソシアネートプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウン
デカン等の複素環式ジイソシアネートなどが挙げられ、
なかでも、カバーレイとしての耐熱性の点で芳香族ジイ
ソシアネートが好ましい。これらのジイソシアネート
(b)は単独で使用してもよいが、2種類以上組み合わ
せて使用する方が、エポキシ基含有ポリアミド系樹脂
(A)の溶剤溶解性向上などの点で好ましい。
【0021】多価カルボン酸成分(a)とジイソシアネ
ート(b)から、カルボン酸含有ポリアミド系樹脂
(c)を得る反応(脱炭酸アミド化)は、有機溶媒中で
実施することができる。有機溶媒としては、特に制限は
なく、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、シ
クロヘキサノン等のケトン類、ジグライム、トリグライ
ム、テトラグライム等のグライム類、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類、N,N−ジメチル
エチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、
テトラメチルウレア等のウレア類、スルホラン等のスル
ホン類などが挙げられ、なかでも、γ−ブチロラクトン
を主成分とするのが、感光性カバーレイフィルム製造プ
ロセスにおける残存溶剤低減の点で好ましい。
【0022】本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分で
あるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂は、上記カルボン
酸含有ポリアミド系樹脂(c)に対して、エポキシ樹脂
(d)を当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカルボ
キシル基〕が1以上となる条件で反応(ヒドロキシエチ
ルエステル化)させて得られる。この当量比〔(d)の
エポキシ基/(c)のカルボキシル基〕は、1〜3とす
ることが好ましく、1.05〜1.5とすることがより
好ましく、1.1〜1.3とすることが特に好ましい。
当量比〔(d)のエポキシ基/(c)のカルボキシル
基〕が1未満であると、エポキシ基を持たないものが生
成し易く、一方、当量比が3を超えると、過剰に残存す
るエポキシ樹脂により、カバーレイの橋架け密度が高く
なり、耐折性が低下する傾向がある。
【0023】また、(A)成分であるエポキシ基含有ポ
リアミド系樹脂のエポキシ当量は、1000〜4000
0とすることが好ましく、2000〜30000とする
ことがより好ましく、3000〜20000とすること
が特に好ましく、5000〜15000とすることが極
めて好ましい。エポキシ当量が1000未満であるとフ
ィルム形成性が低下する傾向があり、40000を超え
ると感光性樹脂組成物の現像性が低下する傾向がある。
【0024】ここで用いられるエポキシ樹脂(d)とし
ては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の
2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹
脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官
能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ
樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサ
ンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジル
エーテル、水添化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の
2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グ
リセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエ
ーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香
族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジ
グリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオ
ロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、
N,N,N′,N′−テトラグリシジル−4,4−ジア
ミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリ
グリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グ
リシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセター
ル、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイ
クリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグ
リシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環
式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹
脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが
挙げられる。これらのうちでは、反応の制御し易さの点
などで2官能エポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ
樹脂のなかでも、カバーレイとしての耐熱性向上の点で
2官能芳香族グリシジルエーテルがより好ましく、その
なかでも廉価等の点でビスフェノールA型エポキシ樹脂
が特に好ましく、難燃性向上の点でテトラブロモビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエ
ポキシ樹脂(d)は、単独で又は2種類以上組み合わせ
て用いられる。
【0025】本発明の感光性樹脂組成物に(B)成分と
して用いられるエポキシ樹脂としては、特に制限はな
く、上記のエポキシ樹脂(d)として列挙したものが挙
げられ、同様に、反応の制御し易さの点などで2官能エ
ポキシ樹脂が好ましく、2官能エポキシ樹脂のなかで
も、カバーレイとしての耐熱性向上の点で2官能芳香族
グリシジルエーテルがより好ましく、そのなかでも廉価
等の点でビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好まし
く、難燃性向上の点でテトラブロモビスフェノールA型
エポキシ樹脂が特に好ましい。(B)成分のエポキシ樹
脂は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いられ、エ
ポキシ樹脂(d)と同一であっても異なっていてもよ
い。(B)成分のエポキシ樹脂の配合量は、(A)成分
であるエポキシ基含有ポリアミド系樹脂100重量部に
対して5〜50重量部とすることが好ましく、10〜3
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が5重
量部未満であると、感度、解像度、はんだ耐熱性及び耐
溶剤性が低下する傾向があり、50重量部を超えると解
像度、耐折性及び保存安定性が低下する傾向がある。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物に(C)成分と
して用いられる光カチオン重合開始剤としては、例え
ば、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリルセレノニ
ウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアル
キル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩及びスル
ホン酸エステルなどが挙げられる。
【0027】アリールジアゾニウム塩は、一般式(II)
【化4】 〔式中、Ar1はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、(X1)- は(PF6)- 、(As
6)- 、(SbF6)- 、(SbCl6)- 、(BF4)- 又は(Fe
Cl4)- である〕で示され、光照射によりルイス酸を発
生する。アリールジアゾニウム塩の具体的な化合物とし
ては、例えば、4−モルホリノ−2,5−ジブチロキシ
ベンゼンジアゾニウムホウフッ化塩、フェニルジアゾニ
ウムヘキサフロロホスホニウム塩、フェニルジアゾニウ
ムホウフッ化塩、フェニルジアゾニウムヘキサフロロア
ンチモネート塩などが挙げられる。
【0028】ジアリールヨードニウム塩は、一般式(II
I)
【化5】 〔式中、Ar2はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、(X2)- は(PF6)- 、(As
6)- 、(BF4)-、(ClO4)- 、(CF3SO3)- 、(F
SO3)- 又は(F2PO2)- である〕で示される化合物で
ある。ジアリールヨードニウム塩の具体的な化合物とし
ては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホ
スホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロア
ンチモネート塩などが挙げられる。
【0029】トリアリールスルホニウム塩は、一般式
(IV)
【化6】 〔式中、Ar3はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、(X3)- は(PF6)- 、(As
6)- 、(BF4)-、(ClO4)- 、(CF3SO3)- 、(F
SO3)- 又は(F2 PO2)- である〕で示される化合物
である。トリアリールスルホニウム塩の具体的な化合物
としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサ
フロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノ
キシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニ
ウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−
チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒド
ロキシアンチモネート塩などが挙げられる。
【0030】トリアリールセレノニウム塩は、一般式
(V)
【化7】 〔式中、Ar4はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、(X4)- は(PF6)- 、(As
6)- 、(BF4)-、(ClO4)- 、(CF3SO3)- 、(F
SO3)- 又は(F2PO2)- である〕で示される化合物で
ある。トリアリールセレノニウム塩の具体的な化合物と
しては、例えば、トリフェニルセレノニウムヘキサフロ
ロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ
化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモ
ネート塩などが挙げられる。
【0031】フェナシルスルホニウム塩は、一般式(V
I)
【化8】 〔式中、Ar5はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、R1及びR2はアルキル基又
はベンジル基であり、(X5)- は(AsF6)- 、(SbF6)
- 又は(PF6)- である。〕で示される化合物である。
フェナシルホルホニウム塩としては、例えば、ジメチル
フェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアン
チモネート塩などが挙げられる。
【0032】4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩
は、一般式(VII)
【化9】 〔式中、Ar6はアルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、
モルホリノ基及び塩素のうちから選ばれる1種若しくは
2種以上の置換基を有する1〜3置換のフェニル基又は
無置換のフェニル基であり、R3及びR4はアルキル基又
はベンジル基であり、(X6)- は(AsF6)- 、(SbF6)
- 又は(PF6)- である。〕で示される化合物である。
4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩としては、例え
ば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキ
サフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベ
ンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート
塩などが挙げられる。
【0033】スルホン酸エステルとしては、下記の一般
式(VIII)で示されるα−ヒドロキシメチルベンゾイン
スルホン酸エステル、下記の一般式(IX)で示されるN
−ヒドロキシイミドスルホネート、下記の一般式(X)
で示されるα−スルホニロキシケトン、下記の一般式
(XI)で示されるβ−スルホニロキシケトンなどがあ
る。
【0034】
【化10】 〔式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11
12、R13、R14、R15は、アルキル基又はアリール基
を示す。〕
【0035】上記のR5〜R15において、アルキル基は
分岐していてもよく、また、ハロゲン原子等で置換され
ていてもよい。アルキル基としては、炭素数が1〜18
のものが好ましく、1〜6のものがより好ましく、1〜
4のものが特に好ましい。また、アリール基は、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ
基、ニトロソ基、シアノ基などで置換されていてもよ
い。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェ
ニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0036】(C)成分である光カチオン重合開始剤の
使用量は、光感度及び得られる塗膜の耐熱性から(A)
成分のエポキシ基含有ポリアミド系樹脂100重量部に
対して0.01〜30重量部とすることが好ましく、
0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この
使用量が0.01重量部未満あると、十分な感度が得ら
れず、30重量部を超えると、得られる塗膜の耐熱性が
低下する。本発明に用いられる光カチオン重合開始剤
(C)に光増感剤を併用することにより、さらに感光性
樹脂組成物の光硬化性を促進することができる。光増感
剤としては、例えば、エリスロシン、エオシン、ペリレ
ン、アントラセン、フェノチアジン、ピレン、コロネ
ン、1,2−ベンゾアントラセン、ベンゾフェノン、チ
オキサントン、2−クロルチオキサントン、9−フルオ
レノン、アントラキノンなどが挙げられる。光増感剤の
使用量は、光カチオン重合開始剤に対して0.5〜50
重量%以下とすることが好ましく、0.5〜30重量%
とすることがより好ましい。
【0037】本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、ア
ミンベースの橋架け剤、例えば、メラミンを併用するの
が好ましい。好ましいアミンベースの橋架け剤として
は、例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグ
アナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリコルリル−ホルムアルデヒド樹脂などが
挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用
いることができる。これらの樹脂は、アクリルアミド若
しくはメタクリルアミドコポリマーをアルコール含有溶
液中でホルムアルデヒドと反応させるか、又はN−アル
コキシメチルアクリルアミド若しくはメタクリルアミド
を別の適当なモノマーと共重合させることによって製造
することができる。特に適当なアミンベースの橋架け剤
としては、アメリカン・サイアナミド(American Cyana
mid )社製のメラミン、例えば、サイメル(登録商標)
300、301、303、350、370、380、1
116及び1130、サイメル(登録商標)1123及
び1125のようなベンゾグアナミン、グリコルリル樹
脂サイメル(登録商標)1170、1171及び117
2、並びに尿素ベースの樹脂ビートル(登録商標)6
0、65及び80が挙げられる。他にも多くの類似のア
ミンベースの橋架け剤が市販されている。
【0038】前記のアミンベースの橋架け剤のうち、メ
ラミンがより好ましく、メラミンホルムアルデヒド樹
脂、即ち、メラミンとホルムアルデヒドとの反応生成物
が特に好ましい。これらの樹脂は、通常、トリアルキロ
ールメラミン及びヘキサアルキロールメラミンのような
エーテルである。アルキル基は、炭素原子を1〜8個有
するものが好ましく、メチル基であるのがより好まし
い。反応条件及びホルムアルデヒド濃度次第で、メチル
エーテルを相互に反応させてより複雑な単位を形成して
もよい。橋架け剤の使用量は、前記(A)、(B)及び
(C)成分の総量に対して30重量%以下とすることが
好ましい。
【0039】本発明の感光性樹脂組成物には、難燃性を
さらに向上させるために、例えば、テトラブロモビスフ
ェノールA、テトラブロモビスフェノールAオキシエチ
レンジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノ
ールAビスアリルエチルエーテル、ポリテトラブロモビ
スフェノールA末端ブロモエトキシ化物、トリス(2,
3−ジブロモプロピル)−イソシアヌレート、ビスフェ
ノールA−ビス(クレジルホスフェート)等の難燃剤を
添加することができる。また、同様に三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、硼酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム等の難燃助剤を添加することもできる。この難燃剤
の使用量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の総量
に対して30重量%以下とすることが好ましい。また、
難燃助剤の使用量は、前記(A)、(B)及び(C)成
分の総量に対して15重量%以下とすることが好まし
い。
【0040】本発明の感光性樹脂組成物には、さらに、
染料、発色剤、可塑剤、顔料、密着性付与剤などを必要
に応じて添加してもよい。これらの使用量は、前記
(A)、(B)及び(C)成分の総量に対して2重量%
以下とすることが好ましい。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物は、前記
(A)、(B)及び(C)成分を溶解しうる溶剤、例え
ば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルスル
ホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、クロロ
ホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアル
コール等に溶解、混合させることにより、均一な溶液と
することができる。本発明の感光性樹脂組成物は、前記
のように溶液状態とすることによって液状コーティング
組成物としてスクリーン印刷、フローコーティング、ロ
ーラー塗布、スロットコーティング、スピンコーティン
グ、カーテンコート、スプレーコーティング、浸漬コー
ティングを含む一般的な方法を用いて基板や支持体上に
塗布することができる。この際、液状コーティング組成
物の粘度は、必要に応じて溶剤、増粘剤、充填剤などを
用いて各塗布法の要件を満たすように調整できる。基板
又は支持体上に塗布した後、液状コーティング層を乾燥
し溶剤を除去する。
【0042】本発明の感光性樹脂組成物を支持体上に塗
布、乾燥し、感光性エレメント(積層体)を得ることが
できる。支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等からなるフィルムが用いられ、これらのうちポリ
エチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの
重合体フィルムは、後に感光層から除去可能でなくては
ならないため、除去が不可能となるような表面処理が施
されたものであったり、材質であったりしてはならな
い。これらの重合体フィルムの厚さは、通常、5〜10
0μm、好ましくは10〜30μmである。これらの重
合体フィルムの一つは、感光層の支持フィルムとして、
他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に
積層してもよい。また、本発明の感光性樹脂組成物を上
記のように支持体上に塗布、乾燥して感光層を形成し、
この感光層に配線を形成されたフレキシブルプリント板
を圧着させて積層体を得ることもできる。さらに、本発
明の積層体はロール状に巻き取って貯蔵することもでき
る。
【0043】本発明の感光性エレメントを用いてフォト
レジスト画像を製造するに際しては、前記の保護フィル
ムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感
光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層す
る。フレキシブルプリント板を製造する場合、積層する
表面は、通常、エッチング等により配線が形成されたフ
レキシブルプリント板であるが、特に制限はない。感光
層の加熱圧着は、通常、温度90〜130℃、圧着圧力
3.0×105Paで行われるが、フレキシブルプリント
板に対する感光層の追従性をさらに向上させるために、
4×103Pa以下の減圧下で上記の条件で加熱圧着する
ことが好ましい。減圧下で加熱圧着する場合は、真空チ
ャンバ内で感光層を加熱圧着できる構造の真空ラミネー
タを使用することが好ましい。さらに、感光層を前記の
ように加熱すれば、予め基板を予熱処理する必要はない
が、追従性をさらに向上させるために基板の予熱処理を
行うこともできる。また、ロール状のフレキシブルプリ
ント板シートを連続的に繰り出して、感光層をこのフレ
キシブルプリント板シートに加熱圧着させることにより
連続的に積層する工程を経て、感光層を積層したフレキ
シブルプリント板シートをロール状に巻き取ることもで
きる。感光層を連続的に積層する工程において、フレキ
シブルプリント板に対する感光層の追従性をさらに向上
させるために、真空ラミネータを用いて4×103Pa以
下の減圧下で加熱圧着することが好ましい。
【0044】このようにして積層が完了した感光層は、
次いで、ネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光
で画像的に露光される。この際感光層上に存在する重合
体フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよい
が、不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光
層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、こ
の重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光
することが好ましい。活性光としては、公知の活性光
源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノ
ンアーク、その他から発生する光が用いられる。感光層
に含まれる光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域にお
いて最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有
効に放射するものにすべきである。もちろん、光開始剤
が可視光線に感受性のもの、例えば、9,10−フェナ
ンスレンキノン等である場合には、活性光として可視光
が用いられ、その光源としては前記のもの以外に写真用
フラッド電球、太陽ランプなども用いられる。
【0045】活性光で画像的に露光した感光性樹脂組成
物の層は、露光部分の橋架けを誘起又は促進するため
に、露光後に加熱するのが普通である。露光後の加熱
は、例えば、約85〜110℃の温度で約5分〜60分
加熱する。
【0046】露光後、感光層上に重合体フィルムが存在
している場合には、これを除去した後、適当な現像液を
用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、
スクラッビング等の公知方法により未露光部を除去して
現像する。現像液としては、例えば、三アセトンアルコ
ール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキ
シ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、1,1,1−トリクロロエタン、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−
ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独で又
は2種以上組み合わせて用いることができる。また、そ
の温度は感光層の現像性に合わせて調整することができ
る。この現像液中に界面活性剤、消泡剤などを少量混入
させてもよい。これらの現像液には、引火防止の目的で
1〜30容量%の範囲で水を添加することもできる。
【0047】さらに、現像後、フレキシブルプリント板
用カバーレイのはんだ耐熱性、耐薬品性などを向上させ
る目的で、高圧水銀ランプ等による活性光の照射を行っ
てもよい。活性光の照射量は、一般的に、0.2〜10
J/cm2程度であり、照射の際に60〜180℃の加熱を
行ってもよい。また、同様の目的で現像後、加熱を行っ
てもよい。加熱は、100〜180℃程度の範囲で15
〜90分行うことが好ましい。これらの活性光を照射す
る工程と加熱する工程を両方行ってもよく、その場合、
両工程を任意の順序で行うことができる。
【0048】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0049】合成例1(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) 攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を
装備したフラスコに、ポリカーボネートジオール(ダイ
セル化学(株)製商品名プラクセルCD210PL、平均
分子量1,000)を1000重量部(1モル)、セバ
シン酸を405重量部(2モル)仕込み、窒素ガス通気
下、途中、副生してくる縮合水をトルエンで共沸させて
留去しながら、1時間かけて200℃に昇温した。同温
度で3時間保温して脱水エステル化反応を完結させた
後、冷却し、酸価82.5、分子量(酸価からの算出
値)1,360のポリカーボネートジオール変性ジカル
ボン酸(以下、P−1と記す)を得た。
【0050】合成例2(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学(株)製
の商品名プラクセルCD220PL(平均分子量2,0
00)を2000重量部使用し、セバシン酸の代わりに
アジピン酸292重量部を用いた以外は、合成例1と同
様の操作により、酸価49.6、分子量2,260のポ
リカーボネートジオール変性ジカルボン酸(以下、P−
2と記す)を得た。
【0051】合成例3(ポリカーボネートジオール変性
ジカルボン酸の合成) ポリカーボネートジオールとして、ダイセル化学(株)製
の商品名プラクセルCD220PL(平均分子量2,0
00)を2000重量部使用した以外は、合成例1と同
様の操作により、酸価47.0、分子量2,390のポ
リカーボネートジオール変性ジカルボン酸(以下、P−
3と記す)を得た。
【0052】合成例4(エポキシ基含有ポリアミド系樹
脂の合成) 攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した
フラスコに、多価カルボン酸成分(a)として合成例1
で得たポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸(P
−1)57.7重量部(42.4ミリモル)、アジピン
酸4.9重量部(33.6ミリモル)、セバシン酸6.
8重量部(33.7ミリモル)及びイソフタル酸11.
2重量部(67.5ミリモル)の計177.2ミリモ
ル、ジイソシアネート(b)として4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(以下、MDIと記す)2
2.1重量部(88.4ミリモル)及びトリレンジイソ
シアネート(以下、TDIと記す。2,4−異性体/
2,6−異性体=80/20モル%)10.3重量部
(59.2ミリモル)の計147.6ミリモル及び反応
溶媒としてγ−ブチロラクトン150重量部を仕込み、
窒素ガス通気下、途中、副生してくる炭酸ガスを系外に
排気しながら200℃に昇温した。同温度で3時間保温
して脱炭酸アミド化反応を完結させた後、150℃まで
冷却し、加熱残分(220℃/1時間)40重量%、酸
価(樹脂分換算)40.2、分子量(酸価からの算出
値)2,790のカルボン酸含有ポリアミド系樹脂(以
下、c−1と記す)100重量部(樹脂分換算、35.
8ミリモル)を得た。
【0053】次いで、150℃で保温状態にある(c−
1)に、エポキシ樹脂(d)としてビスフェノールA型
エポキシ樹脂であるエポミックR140P(三井石油化
学工業(株)製商品名)16.2重量部(43.1ミリモ
ル)及び反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド
66.7重量部を添加し、同温度で3時間保温してヒド
ロキシエチルエステル化反応を完結させた後、冷却し、
加熱残分(220℃/1時間)35重量%、エポキシ当
量(樹脂分換算)8100、水酸当量(樹脂分換算)1
620、分子量(設計値)16,200のエポキシ基含
有ポリアミド系樹脂(以下、A−1と記す)を得た。
【0054】また、同様の操作により、表1に示す配合
(樹脂分換算)、性状のカルボン酸含有ポリアミド系樹
脂(c−2、c−3及びc−4で示す)及び比較用カル
ボン酸含有ポリアミド系樹脂(c−5及びc−6で示
す)を得た後、表2に示す配合(樹脂分換算)、性状の
エポキシ基含有ポリアミド系樹脂(A−2、A−3及び
A−4で示す)及び比較用エポキシ基含有ポリアミド系
樹脂(A−5及びA−6で示す)を得た。なお、表1中
のIPDIはイソホロンジイソシアネートであり、表2
中のエピコート1001は、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製)であり、表1及び
表2中の配合量の単位は重量部である。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】実施例1 表3の材料を配合して感光性樹脂組成物の溶液を調製し
た。
【表3】
【0058】得られた感光性樹脂組成物の溶液を180
メッシュステンレススクリーン版使用のスクリーン印刷
機を用いて、35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層
したフレキシブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)
製商品名F30VC125RC11)の銅箔を常法に従
ってエッチングし、ライン/スペース(μm)=165
/165、318/318、636/636の3つのテ
ストパターン銅回路を形成したフレキシブルプリント板
上に、乾燥後の膜厚が約40μmとなるように全面に印
刷した後、約100℃で30分間予備乾燥して試料を作
製した。この試料を用い、下記の方法で特性評価を行
い、結果を表4に示す。
【0059】 感光特性 試料の上にコダックステップタブレットNo.2(イース
トマンコダック(株)製21段ステップタブレット)を密
着させ、(株)オーク製作所製HMW−201GX型露光
機を使用し、所定量露光し、続いて100℃で10分間
加熱した。その後、N−メチル−2−ピロリドン/水=
80/20(容量比)からなる現像液で40℃で70秒
間スプレー現像し、ステップタブレット段数8段を得る
ために必要な露光量を感度とした。また、フォトツール
(コダックステップタブレットNo.2とライン/スペー
ス(μm)=30/30〜250/250(解像度)、
及びライン/スペース(μm)=30/400〜250
/400(密着性)のネガパターンを有するフォトツー
ル)を得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの上から密着させ、ステップタブレット段数8段を
得るために必要な露光量で露光、現像したときに、矩形
のレジスト形状が得られる最も小さい解像度パターンの
ライン/スペースの値を解像度とした。
【0060】 はんだ耐熱性 試料の上に試験用ネガマスクを密着させ、ステップタブ
レット段数8段が得られるように露光し、続いて100
℃で10分間加熱した。その後、N−メチル−2−ピロ
リドン/水=80/20(容量比)からなる現像液で4
0℃で70秒間スプレー現像し、80℃で10分間乾燥
した。次いで、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使
用して3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに150℃で
40分間加熱処理を行い、レジストパターンを形成した
フレキシブルプリント板を得た。次いで、ロジン系フラ
ックスMH−820V(タムラ化研(株)製)を塗布した
後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付
け処理を行った。このような操作の後、レジストのクラ
ック発生状況、基板からのレジストの浮きや剥がれの状
況を目視で次の基準で評価した。 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
【0061】 耐溶剤性 上記のと同様の操作で得たレジストパターンを形成し
たフレキシブルプリント板を室温でメチルエチルケトン
及びイソプロピルアルコール中に10分間浸漬した後、
基板からのレジストの浮き及び剥がれの状況を目視で下
記の基準で評価した。 良好:浮き及び剥がれのないもの 不良:浮き及び剥がれがあるもの
【0062】 耐折性 上記と同様の操作で得たレジストパターンを形成した
フレキシブルプリント板にロジン系フラックスMH−8
20V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃の
はんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行っ
た。その試料をはぜ折りで180°折り曲げ、折り曲げ
た際のレジストのクラックの発生状況を目視で下記の基
準で評価した。 良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの
【0063】 難燃性 表4に示す材料を配合した感光性樹脂組成物の溶液を1
80メッシュステンレススクリーン版使用のスクリーン
印刷機を用いて、フレキシブルプリント板用基板(ニッ
カン工業(株)製商品名F30VC125RC11)の銅
箔をエッチングで除去した接着剤付きポリイミド基材に
乾燥後の膜厚が約40μmとなるように全面に印刷した
後、約100℃で30分間予備乾燥して試料を作製し
た。ステップタブレット段数8段が得られるように露光
し、続いて100℃で10分間加熱した。次いで、試料
のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、東芝
電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して3J/cm2
紫外線照射を行い、さらに150℃で40分間加熱処理
を行い、難燃性評価用試料を得た。得られた試料につい
て、UL94規格(VTM法)に従ってカバーレイを形
成したフレキシブルプリント板の難燃性を評価した。
【0064】実施例2〜4及び比較例1〜2 表4に示す配合の感光性樹脂組成物の溶液を調製し、実
施例1と同様の操作でレジストパターンを形成したフレ
キシブルプリント板を作製し、実施例1と同様に評価
し、結果を表4に示す。なお、表4における配合量の単
位は重量部であり、B−1はエポミックR140、B−
2はエピコート1001を意味し、C−1はトリフェニ
ルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、C−2
はジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩
を意味する。
【0065】
【表4】
【0066】実施例5 表5の成分を配合した感光性樹脂組成物の溶液を調製し
た。
【表5】
【0067】得られた感光性樹脂組成物の溶液6を図1
に示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレンテレ
フタレートフィルム12上に均一に塗布し、80〜11
0℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して溶剤を
除去した。感光性樹脂組成物の層の乾燥後の厚さは、約
50μmであった。感光性樹脂組成物の層の上には、さ
らに図1に示したようにして厚さ約25μmのポリエチ
レンフィルム13を保護フィルムとして貼り合わせ、本
発明の感光性積層体(感光性エレメント)を得た。な
お、図1において、1はポリエチレンテレフタレートフ
ィルム繰り出しロール、2、3、4、9及び10はロー
ル、5はナイフ、8はポリエチレンフィルム繰り出しロ
ール、11は感光性エレメント巻き取りロールである。
【0068】得られた感光性エレメントの回路埋め込み
性及び感光特性、レジスト形成後のはんだ耐熱性、耐折
性、難燃性及び保存安定性について、下記の方法で評価
し、結果を表6に示す。なお、表6中の配合量の単位は
重量部である。
【0069】 回路埋め込み性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F
30VC125RC11)の銅箔を常法に従ってエッチ
ングし、ライン/スペース(μm)=165/165、
318/318、636/636の3つのテストパター
ン銅回路を形成したフレキシブルプリント板上に連続式
真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−
1型)を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネー
ト速度0.5m/s、気圧4×103Pa以下、圧着圧力
3.0×105Paで前記感光性エレメントをポリエチレ
ンフィルムを剥がしながら積層した。
【0070】続いて、3つのテストパターン部分を実体
顕微鏡で外観観察し、銅回路周囲に気泡等の残留の有無
を調べるとともに、3つのテストパターン部分を切り出
し、エポキシ注型法で銅回路断面観察用のサンプルを作
製し、電子顕微鏡で銅回路周囲のカバーレイの追従状況
を調べて、回路埋め込み性の判定を行った。評価基準
は、次のとおりである。 良好:気泡の残留がなく、銅回路周囲での間隙がないも
の 不良:気泡の残留があるもの、又は銅回路周囲での間隙
があるもの
【0071】 感光特性 35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシ
ブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F
30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨
し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント板用
基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、
商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度12
0℃、ラミネート速度0.5m/s、気圧4×103Pa
以下、圧着圧力3.0×105Paで前記感光性エレメン
トをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。次
に、得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィル
ムの上から、コダックステップタブレットNo.2(イー
ストマンコダック(株)製、21段ステップタブレット)
を密着させ、(株)オーク製作所製HMW−201GX型
露光機を使用して所定量露光した。続いて、100℃で
10分間加熱した後、N−メチル−2−ピロリドン/水
=80/20(容量比)からなる現像液で40℃で70
秒間スプレー現像し、ステップタブレット段数8段を得
るために必要な露光量を感度とした。
【0072】また、フォトツール(コダックステップタ
ブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/3
0〜250/250(解像度)、及びライン/スペース
(μm)=30/400〜250/400(密着性)の
ネガパターンを有するフォトツール)を、得られた試料
のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着さ
せ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で露
光し、現像したときに矩形のレジスト形状が得られる最
も小さい解像度パターンのライン/スペースの値を解像
度とした。
【0073】 はんだ耐熱性 上記と同様に、フレキシブルプリント板用基板に感光
性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの上から試験用ネガマスクを密着させ、ス
テップタブレット段数8段を得られる露光量で露光し
た。続いて、100℃で10分間加熱した後、試料のポ
リエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、N−メチ
ル−2−ピロリドン/水=80/20(容量比)からな
る現像液で40℃で70秒間スプレー現像し、80℃で
10分間乾燥した。次いで、東芝電材(株)製紫外線照射
装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに
150℃で40分間加熱処理を行い、カバーレイを形成
したフレキシブルプリント板を得た。
【0074】次いで、ロジン系フラックスMH−820
V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃のはん
だ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行った。こ
のような操作の後、カバーレイのクラック発生状況、基
板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で次の
基準で評価した。 良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの 不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
【0075】 耐溶剤性 上記と同様の操作でカバーレイを形成したフレキシブ
ルプリント板を室温でメチルエチルケトン及びイソプロ
ピルアルコール中に10分間浸漬した後、基板からのカ
バーレイの浮き及び剥がれの状況を目視で下記の基準で
評価した。 良好:浮き及び剥がれのないもの 不良:浮き及び剥がれがあるもの
【0076】 耐折性 上記と同様の操作で得たフレキシブルプリント板用基
板上にカバーレイを形成し、はんだ付け処理を行った試
料をはぜ折りで180°折り曲げ、折り曲げた際のカバ
ーレイのクラックの発生状況を目視で下記の基準で評価
した。 良好:クラックの発生がないもの 不良:クラックが発生したもの
【0077】 難燃性 フレキシブルプリント板用基板(ニッカン工業(株)製商
品名F30VC125RC11)の銅箔をエッチングで
除去した接着剤付きポリイミド基材に、真空ラミネータ
(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)を用い
て、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度0.5
m/s、気圧4×103Pa以下、圧着圧力2.94×1
5Paで前記感光性エレメントをポリエチレンフィルム
を剥がしながら積層し、ステップタブレット段数8段が
得られるように露光した。続いて100℃で10分間加
熱した後、試料のポリエチレンテレフタレートフィルム
を剥がし、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用し
て3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに150℃で40
分間加熱処理を行い、難燃性評価用試料を得た。得られ
た試料について、UL94規格(VTM法)に従ってカ
バーレイを形成したフレキシブルプリント板の難燃性を
評価した。
【0078】 保存安定性 ロール状に巻き取られた長さ90mの感光性エレメント
を温度23℃、湿度60%で保管し、ロール側面からの
感光層のしみ出しの様子を6ケ月間にわたって下記の基
準で目視で評価した。 良好:6ケ月後でも感光層のしみ出しがないもの 不良:6ケ月間の間に感光層のしみ出しが発生したもの
【0079】実施例6〜8及び比較例3〜4 実施例5で用いたエポキシ基含有ポリアミド系樹脂及び
エポキシ樹脂を表6に示すものに代えた以外は、実施例
5と同様に操作してレジストパターンを形成したフレキ
シブルプリント板を作製し、実施例5と同様にして諸特
性を評価し、結果を表6に示す。なお、表6において、
配合量の単位は重量部である。
【0080】
【表6】
【0081】表4及び表6から明らかなように、本発明
の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを用いること
によって、はんだ耐熱性及び耐折性がともに良好で、か
つ、難燃性が94V−1(UL規格)又は94V−0
(UL規格)であるフレキシブルプリント板用カバーレ
イが得られることが分かる。
【0082】
【発明の効果】請求項1及び2記載の感光性樹脂組成物
は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーに
よりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、はん
だ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、フィル
ム上への塗布作業性に優れる。請求項3記載の感光性樹
脂組成物は、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、
より耐折性、はんだ耐熱性に優れる。
【0083】請求項4記載の感光性積層体は、感度及び
光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーによりパターン
を効率よく形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱性、耐
溶剤性、密着性及び難燃性に優れ、取扱性、基板への積
層作業性に優れる。請求項5記載の感光性積層体は、感
度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーによりパ
ターンを効率よく形成でき、かつ、耐折性、はんだ耐熱
性及び難燃性に優れ、取扱性に優れ、フレキシブルプリ
ント板の製造作業性に優れる。請求項6記載の感光性積
層体は、感度及び光硬化性に極めて優れ、フォトリソグ
ラフィーによりパターンを効率よく形成でき、かつ、耐
折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、密着性及び難燃性に優
れ、また、取扱性に極めて優れ、フレキシブルプリント
板の製造作業性に優れる。
【0084】請求項7記載のフレキシブルプリント板の
製造法により、耐折性、はんだ耐熱性、耐溶剤性及び難
燃性に優れ、また、高密度実装性及び電気的信頼性に優
れたフレキシブルプリント板を作業性、歩留まりよく製
造できる。請求項8記載のフレキシブルプリント板の製
造法は、請求項7記載の発明の効果を奏し、よりはんだ
耐熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた感光性エレメントの
製造装置の略示系統図である。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム繰り出しロー
ル 2、3、4 ロール 5 ナイフ 6 感光性樹脂組成物の溶液 7 乾燥機 8 ポリエチレンフィルム繰り出しロール 9、10 ロール 11 感光性エレメント巻き取りロール 12 ポリエチレンテレフタレートフィルム 13 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQT C08L 77/00 LQT G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/029 7/029 7/032 501 7/032 501 7/40 501 7/40 501 H05K 1/03 670 H05K 1/03 670A 3/28 3/28 D (72)発明者 天野倉 仁 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 鈴木 健司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 西沢 広 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主鎖の一部の水素がアルキル基で
    置換されているメチレン鎖とカーボネート基で構成され
    ているポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸を必
    須成分として含んでなる多価カルボン酸成分(a)とジ
    イソシアネート(b)とを当量比〔(a)のカルボキシ
    ル基/(b)のイソシアネート基〕が1を超える条件で
    反応させて得られるカルボン酸含有ポリアミド系樹脂
    (c)に対して、エポキシ樹脂(d)を当量比〔(d)
    のエポキシ基/(c)のカルボキシル基〕が1以上とな
    る条件で反応させて得られるエポキシ基含有ポリアミド
    系樹脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)光カチオン重合
    開始剤を含有してなることを特徴とする感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多価カルボン酸成分
    (a)中のポリカーボネートジオール変性ジカルボン酸
    を構成する、主鎖の一部の水素がアルキル基で置換され
    ているメチレン鎖とカーボネート基で構成されているポ
    リカーボネートジオールが下記一般式(I) 【化1】 〔式中、m、n及びkは正の整数を示し、Rは炭素数1
    〜10のアルキル基を示す〕で表される化合物である請
    求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のエポキシ基含有ポリアミド
    系樹脂100重量部に対して、(B)成分のエポキシ樹
    脂を5〜50重量部、(C)成分の光カチオン重合開始
    剤を0.01〜30重量部含有してなる請求項1記載の
    感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層と
    該層を支持する支持体フィルムとを有する感光性積層
    体。
  5. 【請求項5】 フレキシブルプリント板用基板の表面に
    請求項1記載の感光性樹脂組成物の層を有する感光性積
    層体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層の
    片面にフレキシブルプリント板、他方の表面に支持体フ
    ィルムを有する感光性積層体。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の感光性積層体を活
    性光で像的に照射し、現像することによりフレキシブル
    プリント板の表面上に感光性樹脂組成物のパターンを形
    成することを特徴とするフレキシブルプリント板の製造
    法。
  8. 【請求項8】 現像後に活性光を照射する工程と後加熱
    する工程を含む請求項7記載のフレキシブルプリント板
    の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6894000B2 (en) 2002-04-26 2005-05-17 Kodak Polychrome Graphics Llc Method for preparing imaged members and imaged members prepared thereby
WO2005093514A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. 感光性樹脂組成物および該組成物を用いたパターン形成方法

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