JPH09324755A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JPH09324755A
JPH09324755A JP14406996A JP14406996A JPH09324755A JP H09324755 A JPH09324755 A JP H09324755A JP 14406996 A JP14406996 A JP 14406996A JP 14406996 A JP14406996 A JP 14406996A JP H09324755 A JPH09324755 A JP H09324755A
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JP
Japan
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bearing
compressor
thrust
oil
rotor
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JP14406996A
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English (en)
Inventor
Jinko Kataoka
仁孝 片岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は冷凍冷蔵装置や空調機などに用いら
れる圧縮機に関するものであり、非圧縮ガスとしてハイ
ドロフルオロカーボンを使用した圧縮機に対して、摺動
材料の最適化及び油膜の形成されやすい構成を図り、圧
縮機の摺動損失を低減させると共に、耐久性を向上させ
ることを目的とする。 【解決手段】 圧縮機を構成する要素において、ベアリ
ング9のスラスト受け面に三角形状からなる油溝の溝角
度を120°以上の鈍角にすると共に、ロータ3とベア
リング9の間にエステル等の分子内に酸素原子を含む潤
滑油と親和性を有する有機薄膜又は潤滑性を有するハイ
ドロフルオロカーボンの有機薄膜で表面被覆された金属
板からなるスラスト受け11を取り付けることにより、
スラスト受けとベアリングの摺動面における潤滑・摩耗
特性を改善し圧縮機の効率、耐久性を向上させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍冷蔵装置や空調
機等に用いられる圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊等の環境問題のた
め従来使用してきた分子内に塩素を含む冷媒ジフルオロ
ジクロロメタン(以下CFC12と称する)の製造、お
よび冷凍冷蔵装置への使用が禁止となり、その代替とし
て分子内に塩素を含まない1、1、1、2テトラフルオ
ロエタン(以下HFC134aと称する)が使用されて
いる。ところが、分子内に塩素を含まない前記冷媒は潤
滑性能が悪いため、従来冷媒の場合では磨耗が発生しな
かった摺動部において、磨耗が発生し、摺動損失の増
加、圧縮機の耐久性の低下を引き起こす。したがって、
圧縮機の摺動材料の特性の向上、部品構成等の見直しを
図る必要がある。
【0003】以下従来の圧縮機の一例を図3、図4、図
5、図6及び図7を参照しながら説明する。1は圧縮機
である。2はシャフト、3はロータ、4はステータであ
り、ロータ3とステータ4は一対で電動モータを形成す
る。また5はコンロッド、6はシリンダ、7はピスト
ン、8はピストンピンである。ロータ3とステータ4で
形成されたモータにより、ロータ3に圧入されたシャフ
ト2がベアリング9に沿って回転する。この時、シャフ
ト2に取り付けられたコンロッド5及び、コンロッド5
の他端に取り付けられたピストン7に固定されたピスト
ンピン8を介して、シャフト2の回転運動が伝達されピ
ストン7がシリンダ6内を往復運動する。そして、ピス
トン7とシリンダ6により形成される空間10内におい
て、冷媒ガスが吸入、圧縮される。圧縮機下部の潤滑油
12がシャフト下部に取り付けられた給油管13よって
汲み上げられた後、シャフト2に施された螺旋上の給油
溝によって、さらに圧縮機上部に汲み上げられ、各摺動
部に給油される。
【0004】従来ではシャフト2とロータ3の自重が懸
かったままロータ3とベアリング9が直接摺動し、ベア
リング9のスラスト受け面に磨耗が発生するのを防止す
るために、ロータ3とベアリング9の間にスラスト受け
11を使用している。このスラスト受け11には、ベア
リング9の材料であるアルミ系合金材料と耐磨耗面から
相性の良い鉄系材料である工具鋼が用いられている。ま
た、このスラスト受け11がロータ3、及びシャフト2
と共回りさせるために、中空円板状のスラスト受け11
の対極に2個の半円状の爪部11aを有する形状になっ
ており、ロータ3のスラスト受け面に設けられた半円形
状の溝部3aにより支持されている。一方のベアリング
9のスラスト受け面には、ベアリング9とスラスト受け
11から構成されるスラスト面に潤滑油12を給油する
ことと潤滑油12を圧縮機下部へと循環させることを主
眼とした溝角度90°以下からなる三角形状の油溝を施
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、スラスト受けとベアリングの接触部が
圧縮機内の構成要素の摺動部の中で最も給油管から離れ
ており、また、スラスト受けとベアリングは面接触での
摺動になるために、ベアリング受けに到達した潤滑油が
摺動部に入り込みにくいので、給油状態が他の摺動部に
比べてあまり良くないと言える。
【0006】また、ロータのスラスト受け面とスラスト
受けの平面度に部品精度及び組み立て精度上の問題によ
り、スラスト受け及びベアリングから構成されるスラス
ト摺動面の外周側、あるいは内周側において片当たりが
生じ、部分的に凝着磨耗等が発生し、磨耗量が著しく大
きくなる可能性がある。
【0007】さらに、ベアリングのスラスト受け面に設
けられた油溝は、潤滑油の循環機能を有するため溝角度
が90°以下であると溝の深さが1〜2mm程度とな
る。一般的にベアリングのスラスト受け面と三角形状か
らなる油溝の斜面にて形成される角度が90°に近づけ
は近づくほどスラスト面における油膜が油溝のすみ角に
おいて破断する傾向が強くなる。したがって、溝角度が
90°以下となると、スラスト面の油膜の形成性が低下
し、凝着磨耗等の発生要因にもなっている。
【0008】ここで、上記のような構成でも、CFC1
2を冷媒として用いた圧縮機において磨耗が発生しなか
った要因は、潤滑油以外に冷媒として封入されているC
FC12そのものが高い潤滑性能を有していたからであ
る。
【0009】分子内に塩素を含まず潤滑性能の劣る冷媒
HFC134aを封入した圧縮機の場合には、特に給油
条件の比較的良くないスラスト受けとベアリングの摺動
部において、摺動損失が増加し、圧縮効率が悪化する。
また部品精度上の影響を受けやすく、油膜が形成されに
くいことから、金属接触を起こしやすいので一旦凝着磨
耗が発生すると、圧縮機の十分な耐久性が得られない。
【0010】そこで、冷媒HFC134aに対して、新
たに摺動材料の最適化などを至急図る必要がある。
【0011】本発明は上記課題に鑑み、冷媒HFC13
4a等のハイドロフルオロカーボン冷媒を使用する圧縮
機に対して、摺動材料の最適化及び油膜が形成されやす
い構成を図り、圧縮機の摺動損失を低減させるととも
に、圧縮機の耐久性を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決させるた
めに本発明の圧縮機は、被圧縮ガスを冷媒HFC134
aとし、ベアリングのスラスト受け面に形成された三角
形状からなる油溝の溝角度を120°以上の鈍角にする
とともに、ロータとベアリングの間にCHCL 3、C2
3CL3等のハイドロクロロカーボンをプラズマ照射した
有機薄膜被膜で表面処理を施した金属板からなるスラス
ト受けを取り付けたものである。この発明によれば、ス
ラスト受けとベアリングからなるスラスト摺動部の油膜
の形成性が改善できることから摺動損失の低減が可能と
なるその結果圧縮機の高効率、及び耐久性の向上が実現
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ベアリングのスラスト受け面に形成された三角形状
からなる油溝の溝角度を120°以上の鈍角にするとと
もに、ロータとベアリングの間にエチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多
価アルコールをプラズマ照射した有機薄膜被膜で表面処
理を施した金属板からなるスラスト受けを取り付けたも
のである。これにより、スラスト、油膜の形成性が改善
できることから摺動損失の低減が可能となる。その結果
圧縮機の高効率、及び耐久性の向上が実現できる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、ベアリ
ングのスラスト受け面に形成された三角形状からなる油
溝の溝角度を120°以上の鈍角にするとともに、ロー
タとベアリングの間にCHCL3、C23CL3、C22
CL4等のハイドロクロロカーボンをプラズマ照射した
有機薄膜被膜で表面処理を施した金属板からなるスラス
ト受けを取り付けたものである。これにより、スラスト
受けとベアリングからなるスラスト摺動部の油膜の形成
性が改善できることから摺動損失の低減が可能となる。
その結果圧縮機の高効率、及び耐久性の向上が実現でき
る。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、ベアリ
ングのスラスト受け面に形成された三角形状からなる油
溝の溝角度を120°以上の鈍角にするとともに、ロー
タとベアリングの間に3フッ化ポリエチレン、4フッ化
ポリエチレンの重合対又は共重合体をターゲット材とし
てスパッタリング形成した有機薄膜被膜で表面処理を施
した金属板からなるスラスト受けを取り付けたものであ
る。これにより、スラスト受けとベアリングからなるス
ラスト摺動部の摺動性の改善及び凝着性を解消し、さら
に油膜の形成性が改善できることから摺動損失の低減が
可能となる。その結果圧縮機の高効率、及び耐久性の向
上が実現できる。以下、本発明の実施の形態について図
面を参照しながら説明する。
【0016】(実施の形態1)図1に本発明の圧縮機の
断面図を示す。1は圧縮機である。2はシャフト、3は
ロータ、4はステータであり、ロータ3とステータ4は
一対で電動モータを形成する。また、5はコンロッド、
6はシリンダ、7はピストン、8はピストンピンであ
る。ロータ3とステータ4で形成されたモータにより、
ロータ3に圧入されたシャフト2がベアリング9に沿っ
て、ベアリング9のスラスト受け面とロータ3の間には
スラスト受け11を介在物とし、ロータ3及びシャフト
2の荷重負荷をもって回転する。この時、シャフト2に
取り付けられたコンロッド5、及びコンロッド5の他端
に取り付けれたピストン7に固定されたピストンピン8
を介して、シャフト2の回転運動が伝達されピストン7
がシリンダ6内を往復運動する。そして、ピストン7と
シリンダ6により形成される空間10内において、冷媒
ガスが吸入、圧縮される。圧縮機下部の潤滑油12がシ
ャフト下部に取り付けられた給油管13によって汲み上
げられた後、シャフト2に施された螺旋上の給油溝によ
って、さらに圧縮機上部に汲み上げられ、各摺動部に給
油される。
【0017】ここで、図2に本実施例のベアリング9の
スラスト受け面に形成された油溝の周辺拡大図を示す。
ベアリング9はアルミニウム合金で加工した後、図2に
示すように、溝角度が120〜130°からなる油溝を
形成する。
【0018】スラスト受け11はエチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多
価アルコールをプラズマ照射した有機薄膜被膜で表面処
理された金属板である。
【0019】これらの結果、三角形状からなる油溝の溝
角度を120〜130°と鈍角化することにより、ベア
リングのスラスト受け面と三角形状からなる油溝の斜面
とのなす角度も鈍角化するために、油溝のすみ角による
油膜切れの傾向が小さくなることからスラスト面に油膜
が形成されやすくなる。しかも、このようにベアリング
のスラスト受け面の油溝の溝角度を鈍角化することで、
潤滑特性を改善することができると共に、他摺動部の微
細な磨耗粉を油溝から逃がすことができ、スラスト摺動
面への磨耗粉の噛み込みを防止することもできる。
【0020】一方、スラスト受けを構成する材料の表面
はエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チロールプロパン等の多価アルコールをプラズマ照射す
ることにより、金属板であるスラスト受けの表面にはジ
オール、トリオールのプラズマ照射膜が形成される。そ
のプラズマ照射膜は冷媒HFC134a等のハイドロフ
ルオロカーボンとの相互溶解性が良いとの理由で分子内
に酸素原子を有するポリアルキレングリコール、エステ
ル、エーテル等の潤滑油と相互作用(ぬれ性)を示し、
スラスト摺動面の油膜保持性を改善させる。
【0021】したがって、油膜の形成性を向上させるた
めにベアリングのスラスト受け面に設けられた溝角度が
120〜130°と鈍角である油溝と、スラスト受けに
その材料の表面がエチレングリコール、プロピレングリ
コール等の多価アルコールをプラズマ照射して形成され
た被膜を施すため、冷媒HFC134a等のハイドロフ
ルオロカーボンとの相互溶解性に優れる分子内に酸素原
子を有するエステル、エーテル等の潤滑油と相互作用
(ぬれ性)を示し、スラスト摺動面の油膜保持性を改善
させる。それらの相乗効果によって、潤滑性能の劣る冷
媒HFC134a等のハイドロフルオロカーボン冷媒の
雰囲気下においてもベアリングとスラスト受けの摺動部
の磨耗が低減でき、その結果、摺動損失も低減すること
ができる。
【0022】以上のように本実施例において、被圧縮ガ
スをハイドロフルオロカーボンとし、ベアリングのスラ
スト受け面に形成された油溝の溝角度を120〜130
°にすると共に、スラスト受けに、その材料の表面にエ
チレングリコール、プロピレングリコール等の多価アル
コールをプラズマ照射して形成された被膜を施すことに
よってベアリングとスラスト受けの摺動部において摺動
特性を良化することができ、圧縮機の耐久性の向上、及
び高効率化が可能となる。
【0023】(実施の形態2)図1に本発明の圧縮機の
断面図を示す。1は圧縮機である。2はシャフト、3は
ロータ、4はステータであり、ロータ3とステータ4は
一対で電動モータを形成する。また、5はコンロッド、
6はシリンダ、7はピストン、8はピストンピンであ
る。ロータ3とステータ4で形成されたモータにより、
ロータ3に圧入されたシャフト2がベアリング9に沿っ
て、ベアリング9のスラスト受け面とロータ3の間には
スラスト受け11を介在物とし、ロータ3及びシャフト
2の荷重負荷をもって回転する。この時、シャフト2に
取り付けられたコンロッド5、及びコンロッド5の他端
に取り付けられたピストン7に固定されたピストンピン
8を介して、シャフト2の回転運動が伝達されピストン
7がシリンダ6内を往復運動する。そして、ピストン7
とシリンダ6により形成される空間10内において、冷
媒ガスが吸入、圧縮される。圧縮機下部の潤滑油12が
シャフト下部に取り付けられた給油管13によって汲み
上げられた後、シャフト2に施された螺旋上の給油溝に
よって、さらに圧縮機上部に汲み上げられ、各摺動部に
給油される。
【0024】ここで、図2に本実施例のベアリング9の
スラスト受け面に形成された油溝の周辺拡大図を示す。
ベアリング9はアルミニウム合金で加工した後、図2に
示すように、溝角度が120〜130°からなる油溝を
形成する。
【0025】スラスト受け11は、その表面をCHCL
3、C23CL3、C22CL4等のハイドロクロロカー
ボンをプラズマ照射した有機薄膜で表面処理された金属
板である。
【0026】これらの結果、三角形状からなる油溝の溝
角度を120〜130°と鈍角化することにより、ベア
リングのスラスト受け面と三角形状からなる油溝の斜面
とのなす角度も鈍角化するために、油溝のすみ角による
油膜切れの傾向が小さくなることからスラスト面に油膜
が形成されやすくなる。しかも、このようにベアリング
のスラスト受け面の油溝の溝角度を鈍角化することで、
潤滑特性を改善することができると共に、他摺動部の微
細な磨耗粉を油溝から逃がすことができ、スラスト摺動
面への磨耗粉の噛み込みを防止することもできる。
【0027】一方、スラスト受けは、その材料の表面を
CHCL3、C23CL3、C22CL4等のハイドロク
ロロカーボンをプラズマ照射して有機薄膜を形成するた
め、スラスト受けの表面はハイドロクロロカーボンのプ
ラズマ照射膜が形成される。そのプラズマ照射膜は冷媒
HFC134a等のハイドロフルオロカーボンとの相互
溶解性が良いとの理由で分子内に酸素原子を有するポリ
アルキレングリコール、エステル、エーテル等の潤滑油
と相互作用(ぬれ性)を示し、スラスト摺動面の油膜保
持性を向上させる。
【0028】したがって、油膜の形成性を向上させるた
めにベアリングのスラスト受け面に設けられた溝角度が
120〜130°と鈍角である油溝とスラスト受けにC
HCL3、C23CL3、C22CL4等のハイドロクロ
ロカーボンをプラズマ照射した有機薄膜で表面処理する
ことによる相乗効果によって、潤滑性能の劣る冷媒HF
C134a等のハイドロフルオロカーボン冷媒の雰囲気
下においてもベアリングとスラスト受けの摺動部の磨耗
が低減でき、その結果、摺動損失も低減することができ
る。
【0029】以上のように本実施例において、被圧縮ガ
スをハイドロフルオロカーボンとしベアリングのスラス
ト受け面に形成された油溝の溝角度を120〜130°
にすると共に、スラスト受けにCHCL3、C23
3、C22CL4等のハイドロクロロカーボンをプラズ
マ照射した有機薄膜で表面処理することによって、ベア
リングとスラスト受けの摺動部における摺動特性が良化
し、圧縮機の耐久性の向上、及び高効率化が可能とな
る。
【0030】(実施の形態3)図1に本発明の圧縮機の
断面図を示す。1は圧縮機である。2はシャフト、3は
ロータ、4はステータであり、ロータ3とステータ4は
一対で電動モータを形成する。また、5はコンロッド、
6はシリンダ、7はピストン、8はピストンピンであ
る。ロータ3とステータ4で形成されたモータにより、
ロータ3に圧入されたシャフト2がベアリング9に沿っ
て、ベアリング9のスラスト受け面とロータ3の間には
スラスト受け11を介在物とし、ロータ3及びシャフト
2の荷重負荷をもって回転する。この時、シャフト2に
取り付けられたコンロッド5、及びコンロッド5の他端
に取り付けられたピストン7に固定されたピストンピン
8を介して、シャフト2の回転運動が伝達されピストン
7がシリンダ6内を往復運動する。そして、ピストン7
とシリンダ6により形成される空間10内において、冷
媒ガスが吸入、圧縮される。圧縮機下部の潤滑油12が
シャフト下部に取り付けられた給油管13によって汲み
上げられた後、シャフト2に施された螺旋上の給油溝に
よって、さらに圧縮機上部に汲み上げられ、各摺動部に
給油される。
【0031】ここで、図2に本実施例のベアリング9の
スラスト受け面に形成された油溝の周辺拡大図を示す。
ベアリング9はアルミニウム合金で加工した後、図2に
示すように、溝角度が120〜130°からなる油溝を
形成する。
【0032】スラスト受け11は、3フッ化ポリエチレ
ン、4フッ化ポリエチレンの重合体又は共重合体をター
ゲット材としてスパッタリング形成した有機薄膜被膜で
表面処理を施した金属板からなるものである。
【0033】これらの結果、三角形状からなる油溝の溝
角度を120〜130°と鈍角化することにより、ベア
リングのスラスト受け面と三角形状からなる油溝の斜面
とのなす角度も鈍角化するために、油溝のすみ角による
油膜切れの傾向が小さくなることからスラスト面に油膜
が形成されやすくなる。しかも、このようにベアリング
のスラスト受け面の油溝の溝角度を鈍角化することで、
潤滑特性を改善することができると共に、他摺動部の微
細な磨耗粉を油溝から逃がすことができ、スラスト摺動
面への磨耗粉の噛み込みを防止することもできる。
【0034】一方、スラスト受けは、その材料の表面を
3フッ化ポリエチレン、4フッ化ポリエチレンの重合体
又は共重合体をターゲット材としてスパッタリング形成
した有機薄膜被膜で表面処理を施したものであるため、
スラスト受けの表面はハイドロフルオロカーボンの薄膜
で覆われるためベアリングのスラスト受け面との金属接
触もさけられまた潤滑性が向上する。
【0035】したがって、油膜の形成性を向上させるた
めにベアリングのスラスト受け面に設けられた溝角度が
120〜130°と鈍角である油溝と、スラスト受けに
その材料の表面を3フッ化ポリエチレン、4フッ化ポリ
エチレンの重合体又は共重合体をターゲット材としてス
パッタリング形成した有機薄膜で表面処理することによ
る相乗効果によって、潤滑性能の劣る冷媒HFC134
a等のハイドロフルオロカーボン冷媒の雰囲気下におい
てもベアリングとスラスト受けの摺動部の磨耗が低減で
き、その結果、摺動損失も低減することができる。
【0036】以上のように本実施例において、被圧縮ガ
スをハイドロフルオロカーボンとしベアリングのスラス
ト受け面に形成された油溝の溝角度を120〜130°
にすると共に、スラスト受けを3フッ化ポリエチレン、
4フッ化ポリエチレンの重合体又は共重合体をターゲッ
ト材としてスパッタリングした有機薄膜で表面処理する
ことによってスラスト受けの摺動部における摺動特性が
良化し、圧縮機の耐久性の向上、及び高効率化が可能と
なる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本実施例においては、被圧
縮ガスを冷媒HFC134aとし、ベアリングのスラス
ト受け面に形成された三角形状からなる油溝の溝角度を
120°以上の鈍角にするとともに、ロータとベアリン
グの間にエチレングリコール、プロピレングリコール等
の多価アルコールをプラズマ照射して形成された被膜で
表面処理を施した金属板からなるスラスト受けを取り付
けることによって、スラスト受けとベアリングからなる
スラスト摺動部の摺動性の改善及び凝着性を解消し、さ
らに油膜の形成性が改善できることから摺動損失の低減
が可能となるその結果圧縮機の高効率、及び耐久性の向
上が実現できる。
【0038】以上のように本実施例においては、被圧縮
ガスを冷媒HFC134aとし、ベアリングのスラスト
受け面に形成された三角形状からなる油溝の溝角度を1
20°以上の鈍角にするとともに、ロータとベアリング
の間にCHCL3、C23CL3、C22CL4等のハイ
ドロクロロカーボンをプラズマ照射した有機薄膜で表面
処理を施した金属板からなるスラスト受けを取り付けで
ることによって、スラスト受けとベアリングからなるス
ラスト摺動部の摺動性の改善及び凝着性を解消し、さら
に油膜の形成性が改善できることから摺動損失の低減が
可能となるその結果圧縮機の高効率、及び耐久性の向上
が実現できる。
【0039】以上のように本実施例においては、被圧縮
ガスを冷媒HFC134aとし、ベアリングのスラスト
受け面に形成された三角形状からなる油溝の溝角度を1
20°以上の鈍角にするとともに、ロータとベアリング
の間に3フッ化ポリエチレン、4フッ化ポリエチレンの
重合体又は共重合体をターゲット材としてスパッタリン
グした有機薄膜で表面処理を施した金属板からなるスラ
スト受けを取り付けでることによってスラスト受けとベ
アリングからなるスラスト摺動部の摺動性の改善及び凝
着性を解消し、さらに油膜の形成性が改善できることか
ら摺動損失の低減が可能となるその結果圧縮機の高効
率、及び耐久性の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一及び第二の実施例を用いた圧縮機
の断面図
【図2】本発明の第一及び第二の実施例におけるベアリ
ングのスラスト受け面に形成された油溝の周辺拡大図
【図3】従来の圧縮機の断面図
【図4】従来のベアリングのスラスト受け面に形成され
た油溝の周辺拡大図
【図5】従来のスラスト受けの側面から見た図の一部拡
大図
【図6】スラスト受けの形状を示す図
【図7】ロータのスラスト受け面を示す図
【符号の説明】
3 ロータ 9 ベアリング 11 スラスト受け

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧縮ガスを1、1、1、2テトラフル
    オロエタン、ジフルロメタン、ペンタフルオロエタン、
    1、1、1トリフルオロエタン、等の単一またはそれら
    の混合品からなるハイドロフルオロカーボン系のガスを
    冷媒とし、ロータとステータにより形成される電動機と
    連結するシャフトと、前記シャフトを支えるベアリング
    とを備えてなる圧縮機の構成要素において、ロータとベ
    アリングの間にエチレングリコール、プロピレングリコ
    ール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールをプ
    ラズマ照射した有機薄膜系の表面処理を施した金属板か
    らなるスラスト受けを取り付けたことを特徴とする圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 表面処理がCHCL3、C23CL3、C
    22CL4等のハイドロクロロカーボンをプラズマ照射
    した有機薄膜被膜であるところの請求項1記載の圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 表面処理が3フッ化ポリエチレン、4フ
    ッ化ポリエチレンの重合体又は共重合体をターゲット材
    としてスパッタリング形成した有機薄膜被膜であるとこ
    ろの請求項1記載の圧縮機。
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