JPH09324158A - 粘着テープの製造方法 - Google Patents

粘着テープの製造方法

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JPH09324158A
JPH09324158A JP14194896A JP14194896A JPH09324158A JP H09324158 A JPH09324158 A JP H09324158A JP 14194896 A JP14194896 A JP 14194896A JP 14194896 A JP14194896 A JP 14194896A JP H09324158 A JPH09324158 A JP H09324158A
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JP
Japan
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pressure
adhesive
sensitive adhesive
tape
adhesive layer
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Application number
JP14194896A
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English (en)
Inventor
Ikusuke Shimizu
郁輔 清水
Chikara Matsuki
主税 松木
Kenji Atsuta
健治 篤田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大掛りな設備及び大きなエネルギーコストを
要することなく、簡便に気泡形成の制御を行うことがで
き、気泡含有粘着剤層の性能を確実に発揮させ得る粘着
テープを安価に提供し得る方法を得る。 【解決手段】 少なくとも1層以上の第1の粘着剤層3
と、少なくとも1層以上の第2の粘着剤層5との間に気
化性物質4を介在させてなる少なくとも2層以上の粘着
剤層をテープ支持体2上に形成し、気化性物質4をガス
化させることにより、粘着剤層中に多数の独立気泡Aを
形成する粘着テープの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の独立気泡を
有する粘着テープの製造方法に関し、より詳しくは、テ
ープ支持体にホットメルト系粘着剤層を設けてなり、該
粘着剤層中に多数の独立気泡が形成されている粘着テー
プの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着テープの製造方法としては、
テープ支持体にエマルジョン系または溶剤系の粘着剤を
塗布し、乾燥する方法、あるいはテープ支持体に熱可塑
性ゴムを主成分とするホットメルト系粘着剤を溶融状態
で塗布する方法などが一般的に知られている。
【0003】熱可塑性ゴムを主成分とするホットメルト
系粘着剤は、天然ゴムを主成分とする溶剤型粘着剤に比
べて、環境汚染を生じ難く、溶剤の乾燥に長時間を要す
ることがないという利点を有する。しかしながら、熱可
塑性ゴムを主成分とするホットメルト系粘着剤では、低
温における初期接着力や粗面に対する接着性が十分でな
く、かつ常温から高温における接着力が高くなり過ぎ、
剥離除去性が低下するという欠点があった。
【0004】このような欠点を解決するために、粘着剤
層中に無数の微小気泡を含有させることが試みられてい
る。すなわち、無数の独立気泡を含有させることによ
り、低温における被着面への接着性や、粗面に対する接
着性が改善され、かつ接触面積の増大により接合強度が
改善されることが知られている。
【0005】しかしながら、無数の微小気泡を含有させ
るためのホットメルト系粘着剤を発泡させる技術では、
その制御が困難であるという問題があった。例えば、特
開昭57−159572号公報には、ポリエチレン樹脂
を主成分とする熱可塑性樹脂接着剤を加熱溶融し、これ
にガスを供給し、攪拌した後に、低圧下で吐出すること
により気泡を含有させる方法が開示されている。しかし
ながら、この方法では、均一な気泡を得るための制御が
難しく、かつ特殊な付帯装置が必要であるという問題が
あった。
【0006】他方、特開平6−17015号公報には、
熱により分解し得る発泡剤を含有した粘着剤を該発泡剤
の分解温度以下でテープ基材に塗布した後に、加熱し、
発泡剤を分解させて多数の微小気泡を形成する方法が開
示されている。
【0007】しかしながら、粘着剤中に熱分解型発泡剤
を添加し、加熱により発泡させる方法では、粘着剤を塗
布した後に粘着剤塗工時よりも高い温度に粘着剤層を加
熱する必要があった。そのため、粘着剤の劣化によ
り、粘着性能が低下したり、テープ支持体の溶融、伸
縮もしくは劣化による強度の低下が生じたり、あるいは
離型剤の溶融や劣化等による展開不良などの製品への
悪影響が生じたりするという問題があった。加えて、
発泡剤を分解させるために、高温の加熱炉を必要とし、
エネルギーコストが高くつき、かつ生産速度を上げるに
は長い加熱炉が必要となるため、設備コスト及び設備を
設置する面積が大きくなるという問題もあった。さら
に、分解温度や発生ガスの量などによって、発泡剤の
選択に制限があった。
【0008】そこで、特公平2−29705号公報に
は、テープ基材に揮散性物質を浸透させ、この基材に粘
着剤を塗布した後に、揮散性物質をガス化させて粘着剤
層中に無数の微小気泡を含有させたり、あるいは多孔性
のテープ基材上に粘着剤を塗工した後に、揮散性物質を
テープ基材側から供給し、該揮散性物質をガス化させて
粘着剤層中に無数の微小気泡を含有させる方法が提案さ
れている。
【0009】特公平2−29705号公報に記載の方法
は、簡便であり、揮散性物質の量や条件等を制御するこ
とが比較的容易である。しかしながら、テープ基材と
しては、揮散性物質を浸透し得る多孔質なものに制限さ
れるという問題があった。また、揮散性物質の浸透に
より、テープ基材の厚み変化や強度低下等が生じ、粘着
テープの製品としての特性に悪影響を及ぼすことがあっ
た。さらに、テープ基材に揮散性物質を浸透させた
後、粘着剤を塗工する場合には、粘着剤とテープ基材と
のアンカー性が損なわれるという問題もあった。また、
温度や圧力の変化等により気泡が安定せず、均一な気
泡が形成され難く、気泡が消失してしまうこともあっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大掛
りな設備及び大きなエネルギーコストを要することな
く、簡便に気泡形成の制御を行うことができ、気泡含有
粘着剤層の性能を確実に発揮させ得る粘着テープを製造
することを可能とする方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1〜4に記載
の各発明は、それぞれ、下記の構成を備えることを特徴
とする。
【0012】請求項1に記載の発明は、多数の独立気泡
を含有する粘着剤層を備えた粘着テープの製造方法であ
って、少なくとも1層以上の第1の粘着剤層と、少なく
とも1層以上の第2の粘着剤層との間に気化性物質を介
在させてなる少なくとも2層以上の粘着剤層をテープ支
持体上に形成する工程と、前記気化性物質をガス化させ
ることにより、粘着剤層中に多数の独立気泡を形成する
工程とを備えることを特徴とする粘着テープの製造方法
である。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、多数の独
立気泡を含有する粘着剤層を備えた粘着テープの製造方
法であって、多孔質基材からなるテープ支持体に気化性
物質を浸透させる工程と、前記気化性物質が浸透された
テープ支持体に、粘着剤層の厚みの30〜90%の粒径
を有するガラス微球体を20〜80体積%含有するよう
に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程と、加熱に
より前記気化性物質をガス化する工程とを備えることを
特徴とする粘着テープの製造方法である。
【0014】請求項3に記載の発明は、多数の独立気泡
を有する粘着剤層を備えた粘着テープの製造方法であっ
て、塗工ロール表面に気化性物質を塗布する工程と、前
記気化性物質が塗布された塗工ロール表面に、粘着剤を
前記気化性物質の沸点以上の温度で塗布し、塗工ロール
上で多数の独立気泡を含む粘着剤層を形成する工程と、
前記粘着剤層をテープ支持体に転写する工程とを備える
ことを特徴とする粘着テープの製造方法である。
【0015】請求項4に記載の発明は、多数の独立気泡
を含有する粘着剤層を備えた粘着テープの製造方法であ
って、塗工ロール表面に気化性物質を塗布する工程と、
気化性物質が塗布された塗工ロール表面に粘着剤を前記
気化性物質の沸点以上の温度で塗布し、塗工ロール上に
おいて多数の独立気泡を含有する粘着剤層を形成する工
程と、前記粘着剤層を加熱ロールに転写する工程と、前
記加熱ロールに転写された粘着剤層を、さらにテープ支
持体に転写する工程とを備えることを特徴とする粘着テ
ープの製造方法である。
【0016】請求項1〜4に記載の発明は、上記課題を
達成することにおいて共通するものであり、それによっ
て多数の独立気泡が均一に分散形成されており、独立気
泡含有粘着剤層の粘着性能を確実に発揮し得る粘着テー
プを簡便に提供することができる。
【0017】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1に記載の発明 請求項1に記載の発明では、先ず、第1,第2の粘着剤
層間に気化性物質が供給される。この場合、粘着剤層間
に気化性物質を介在させる第1の方法としては、図1に
示すように、予め所定の厚みの粘着剤1をテープ支持体
2に塗布して第1の粘着剤層3を形成した後に、気化性
物質4を上記テープ支持体2の第1の粘着剤層3の表面
に塗布または噴霧し、しかる後、気化性物質4を塗布さ
れた第1の粘着剤層3の気化性物質塗布面上に、さらに
所定の厚みの粘着剤を塗布し、第2の粘着剤層5を形成
する方法を挙げることができる。また、第2の方法とし
て、スロットダイから押出塗工される熱溶融型の押出ラ
ミネート法において、気化性物質を最外層以外の層から
押出し、かつ気化性物質を間に挟むように粘着剤層を同
時に2層または3層以上押出し、テープ支持体上にラミ
ネート塗工する方法も採用し得る。
【0018】上記第1の方法で粘着剤を塗工する設備と
しては、一般的に知られたホットメルト型接着剤の塗工
装置として用いられているダイコーターやロールコータ
ーなどを用いることができ、上記第2の方法では、ポリ
オレフィンフィルムを押出成形するのに用いられるTダ
イなどを用いることができる。
【0019】請求項1に記載の発明において、気化性物
質をガス化させるための加熱工程についても、特に限定
されるものではなく、使用する気化性物質の種類や量に
応じて、適宜の温度で適宜の時間加熱すればよい。この
場合、加熱方法については、図2(a)に示す通常の熱
風乾燥による加熱方法の他、赤外線ヒーターを用いた加
熱方法等を適宜採用することができる。加熱により、気
化性物質はガス化し、図2(b)に示すように気泡Aが
多数形成される。さらに、加熱により気化性物質をガス
化した後に、短時間で冷却することが好ましく、それに
よって、形成される気泡の数や形状を容易に制御するこ
とができる。
【0020】気化性物質としては、水、またはアルコー
ル、トルエンもしくは酢酸エチルなどの有機溶剤、また
はこれらの水溶液や無機物との分散液などを例示するこ
とができ、特に限定されるものではない。もっとも、粘
着物性への影響、コストあるいは耐環境性の点から、水
を用いることが最も好ましい。
【0021】気化性物質の塗布量は、粘着剤や発泡倍率
にもよるが、1〜30g/m2 の範囲が好ましい。気化
性物質の使用量が1g/m2 より少ない場合には、ガス
化による発泡の効果が得られず、独立気泡を形成するの
が困難となることがあり、粘着剤の塗布量にもよるが、
気化性物質の使用量が30g/m2 よりも多い場合に
は、気化性物質を粘着剤層間に介在させること自体が困
難となることがあり、さらにガス化した後の気泡の形状
が微細なものとなり難くなる。
【0022】第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層の厚み
についても、それぞれ、特に限定されるものではない。
すなわち、第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層の厚みは
等しくともよく、異なっていてもよい。また、第1の粘
着剤層が2層以上形成されている場合において、これら
の複数の第1の粘着剤層の厚みについても、等しくとも
よく、異なっていてもよい。同様に、第2の粘着剤層が
複数層形成されている場合においても、複数の第2の粘
着剤層の厚みは等しくともよく、異なっていてもよい。
【0023】もっとも、第1の粘着剤層の厚みや層数並
びに第2の粘着剤層の厚みや層数は、第1,第2の粘着
剤層間に介在されている気化性物質をガス化させた場合
に粘着剤層全体に独立気泡が均一に形成され得るように
選択することが望ましい。
【0024】請求項2に記載の発明 請求項2に記載の発明では、まず、多孔質基材からなる
テープ支持体に気化性物質を浸透させる。この場合、気
化性物質としては、請求項1に記載の発明に係る製造方
法で用いられた気化性物質を用いることができる。ま
た、気化性物質を浸透させる工程については、テープ支
持体に気化性物質を塗布もしくは噴霧したり、テープ支
持体を水などの気化性物質に浸漬し、引き上げることに
より行い得る。この場合においても、気化した後の気化
性物質の回収を考慮すると、取り扱いに便利な水を気化
性物質として用いることが好ましい。
【0025】請求項2に記載の発明において、気化性物
質をテープ支持体に浸透させる量は、気化性物質の種
類、テープ支持体の種類にもよるが、水を例にとると、
約1〜30g/m2 の範囲が好ましい。気化性物質の浸
透量が1g/m2 未満の場合には、十分な粒径の気泡を
得ることができないことがあり、30g/m2 を超える
と、気泡の粒径が大きくなり過ぎたり、その後のガス化
工程において大きなエネルギーを必要とすることがあ
る。なお、気泡を均一に分散させるための核剤として、
上記気化性物質と共に炭酸カルシウムなどの充填剤を粘
着剤層中に混練しておいてもよい。
【0026】請求項2に記載の発明では、多孔質基材か
らなるテープ支持体に上記気化性物質を浸透させた後
に、粘着剤層を形成する。この場合、粘着剤層として
は、請求項1に記載の発明において形成した第1,第2
の粘着剤層に用いた粘着剤と同様のものを用いることが
できるが、請求項2に記載の発明では、粘着剤層中に、
さらに、該粘着剤層の厚みの30〜90%の粒径を有す
るガラス微球体が20〜80体積%の割合で含有されて
いるものを用いる。
【0027】上記ガラス微球体は、気泡の変形や体積収
縮を防止するために添加されており、好ましくは、中空
のガラス微球体が用いられる。すなわち、中空ガラス微
球体は、合成樹脂微球体に比べて耐熱性に優れており、
かつ攪拌時の剪断により破壊され難い。また、中空ガラ
ス微球体は、ガラスビーズに比べて、粘着剤中での分散
性が良好で、かつ粘着剤全体の比重をさほど大きくしな
いため、塗工性を損ない難い。
【0028】ガラス微球体の粒径を粘着剤層の厚みの3
0〜90%の範囲としたのは、粒径が粘着剤層の厚みの
30%未満の場合には気泡の変形や体積収縮を十分に防
止することができず、90%を超えると粘着剤層の表層
部分から微球体が突出し、粘着力を著しく低下させるか
らである。より好ましくは、上記ガラス微球体の粒径
は、粘着剤層の厚みにもよるが、上記範囲を満たし、か
つ200μm以下とされる。
【0029】また、微球体の粘着剤層中に含有されてい
る割合は、上記のように体積百分率で20〜80%とさ
れる。20体積%未満では、微球体の添加による気泡の
変形や体積収縮防止効果が十分に得られず、80体積%
を超えると、粘着剤層中に占める割合が大きくなり過
ぎ、粘着性能が十分に発揮されなくなる。
【0030】なお、従来より用いられている塗工用コー
ターを用いた場合、粘着剤の塗工時に、ヘッドに上記ガ
ラス微球体が目詰まりし、塗工筋が発生することがあ
る。そこで、好ましくは、塗工ヘッドにロッドを設け、
該ロッドが低速で回転するように構成することにより、
微球体による目詰まりを防止することができ、このよう
なロッドを備えた塗工機も従来より知られている。
【0031】請求項2に記載の発明では、上記ガラス微
球体含有粘着剤層を形成した後に、加熱により気化性物
質をガス化する。この気化性物質をガス化するための加
熱方法については、請求項1に記載の発明と同様にして
行われる。
【0032】請求項3に記載の発明 請求項3に記載の発明では、まず塗工ロール表面に気化
性物質を塗布する。塗工ロールとしては、特に限定され
ず、一般的に粘着剤の塗工に用いられている金属ロール
やゴムロール等を用いることができる。気化性物質の塗
布の均一性及び定量性を高めるために、塗工ロール表面
には、エンボス加工やプラズマ加工等の処理が施されて
いるものを用いることが好ましく、あるいはドクターナ
イフなどによる余剰な塗工液のかき落としを必要に応じ
て行うことが好ましい。また、熱によるロールの変形を
防止するために、ロールは、その温度を調節し得るもの
が好ましい。
【0033】上記気化性物質としては、請求項1に記載
の発明における気化性物質と同様のものを用いることが
でき、かつ気化性物質の塗布量についても、粘着剤や発
泡倍率にもよるが、請求項1に記載の発明と同様の理由
により、1〜30g/m2 の範囲が好ましい。
【0034】請求項3に記載の発明では、上記気化性物
質を塗工ロール表面に塗布した後に、該塗工ロール表面
に、粘着剤を気化性物質の沸点以上の温度で塗布し、そ
れによって塗工ロール上で無数の独立気泡を含む粘着剤
層を形成する。すなわち、請求項1に記載の発明と同様
の粘着剤を、気化性物質の沸点以上の温度で塗布するこ
とにより、気化性物質がガス化され、多数の独立気泡が
粘着剤層中に形成されることになる。
【0035】この場合、粘着剤を気化性物質の沸点以上
の温度で塗布するに際しては、粘着剤を気化性物質の沸
点以上の温度に維持しておき、塗工ロール表面に塗布す
る方法、あるいは塗工ロール表面に塗布される部分にお
いて粘着剤を気化性物質の沸点以上の温度とすればよ
い。
【0036】請求項3に記載の発明では、上記粘着剤層
に多数の独立気泡が形成された後、該粘着剤層がテープ
支持体に転写される。好ましくは、転写に先立ち、粘着
剤層は例えば常温程度まで冷却され、それによって独立
気泡が粘着剤層中に安定に維持される。
【0037】請求項4に記載の発明 請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明と同
様にして、独立気泡を有する粘着剤層が形成される。請
求項4に記載の発明が請求項3に記載の発明と異なると
ころは、粘着剤層を形成した後に、該粘着剤層を塗工ロ
ールから一旦加熱ロールに転写することにある。
【0038】請求項4に記載の発明では、図3に示すよ
うに、先ず、塗工ロール6の下部を気化性物質4に浸漬
させつつ回転させる。余分な気化性物質は、ドクター刃
7によりかきとられる。また、塗工ロール6の表面に、
粘着剤8が供給され、粘着剤層9が形成される。粘着剤
層9は、加熱ロール10に移動され、加熱ロール10に
おいて加熱される。
【0039】加熱ロール10は、粘着剤層の一方面に気
泡を有しないスキン層を形成するために用いられてい
る。この加熱ロール10の加熱温度は、上記粘着剤のガ
ラス転移点Tg以上であることが望ましく、粘着剤や処
理速度にもよるが、上記のようにスキン層を形成する上
では、好ましくは、60〜130℃の範囲とされる。加
熱温度が60℃より低い場合には、表面層に気泡が残
り、スキン層を形成し得ないことがあり、130℃を超
えると、粘着剤層表面の溶融がさらに進み、粘着剤層内
部まで気泡が消失したり、粘着剤層表面の平滑性が損な
われたりすることがある。
【0040】加熱ロール10は、好ましくは、加熱後の
粘着剤層の剥離を容易とし得るように、フッ素処理やシ
リコン処理により表面処理されているものであることが
好ましい。
【0041】請求項4に記載の発明では、上記加熱ロー
ル10に転写された粘着剤層が、ロール11を用いてテ
ープ支持体12に転写される。このように、一旦加熱ロ
ール10に転写することにより、請求項4に記載の発明
では、多数の独立気泡を有する粘着剤層の一方面に気泡
を有しないスキン層が形成されることになる。従って、
被着体に対する接触面積が大きくなるため、接着力を高
めることができ、巻重体にした場合に経時による巻巣が
発生し難くなる。
【0042】請求項4に記載の発明では、発泡倍率など
を制御するために、独立気泡が形成された粘着剤層をテ
ープ支持体に転写した後に、さらにこれを加熱し、発泡
してもよい。
【0043】粘着剤 請求項1〜4に記載の発明において用いられる粘着剤層
を構成するための粘着剤としては、熱可塑性ゴムを主成
分とするホットメルト型粘着剤が好ましく用いられ、こ
のような熱可塑性ゴムとしては、スチレン−イソプレン
−スチレン系共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリル系共重合体などを例示することが
でき、好ましくは、スチレン−イソプレン−スチレン共
重合体が粘着性能の発現が比較的容易であるため用いら
れる。また、請求項1に記載の発明のように、粘着剤層
を多層化する場合には、各粘着剤層は異なる粘着剤を主
成分とするものであってもよく、その場合においても、
本発明の効果が特に妨げられるものではない。
【0044】上記ホットメルト型粘着剤には、上述した
主成分としての熱可塑性ゴムに、適宜の粘着付与樹脂、
軟化剤、老化防止剤などを混合してもよく、それによっ
て所定の粘着物性を容易に設計することができる。
【0045】テープ支持体 請求項1,3,4に記載の発明で用いられるテープ支持
体についても特に限定されるものではなく、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルな
どの合成樹脂フィルム、織布、不織布、紙、金属箔など
の任意の材料からなるものを用いることができる。
【0046】もっとも、請求項2に記載の発明では、気
化性物質をテープ支持体に浸透させる必要があるため、
テープ支持体としては、紙、不織布、織布、多孔性フィ
ルムなどの多孔質基材が用いられ、一般的には、クルパ
ック加工されたクラフト紙、スフ布または合成繊維を利
用した織布などが用いられる。
【0047】作用 請求項1に記載の発明では、第1,第2の粘着剤層間に
気化性物質が介在された後に、該気化性物質を加熱によ
りガス化させているため、気化したガスが、粘着剤層中
において三次元的に分散し、多数の独立気泡が粘着剤層
中に均一に形成される。また、ガス化後、短時間で冷却
すれば、粘着剤の冷却・固化により、分散された気泡を
そのまま維持することができる。
【0048】請求項2に記載の発明では、テープ支持体
が多孔質基材からなり、従って気化性物質がテープ支持
体に確実に浸透される。また、気化性物質が浸透された
テープ支持体に、上記特定の粒径を有するガラス微球体
が上記特定の割合で含有された粘着剤を塗工した後に、
加熱により気化性物質がガス化される。従って、加熱に
よりテープ支持体に浸透されていた気化性物質がガス化
し、粘着剤層に供給され、粘着剤層中において多数の独
立気泡が形成される。しかも、上記特定の粒径のガラス
微球体が上記特定の割合で粘着剤層中に含有されている
ため、ガラス微球体の存在により気泡の変形や体積収縮
が確実に防止され、所望とする気泡を分散形成すること
ができる。
【0049】請求項3に記載の発明では、塗工ロール表
面に気化性物質を塗布した後に、粘着剤を該気化性物質
の沸点以上の温度で塗布するため、気化性物質がガス化
し、塗工ロール上においてガスが粘着剤層中に供給さ
れ、それによって多数の独立気泡が粘着剤層中に形成さ
れる。従って、上記のように塗工ロール上において容易
に独立気泡を粘着剤層中に分散形成することができ、転
写工程によりテープ支持体に独立気泡を有する粘着剤層
を容易に転写することができる。
【0050】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明と同様に、塗工ロール上において、多数の独立
気泡を含有する粘着剤層を容易に形成することができ
る。そして、請求項4に記載の発明では、該独立気泡を
有する粘着剤層が加熱ロールに転写されるため、加熱ロ
ール表面に接触している粘着剤層表面に気泡を有しない
スキン層が確実に形成される。よって、スキン層を有
し、かつ内部には独立気泡が形成された粘着剤層をテー
プ支持体に転写することにより、被着面への接着性に優
れた表面を有する粘着テープを確実に得ることができ
る。
【0051】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、
部は特に断らない限り、重量部を意味する。
【0052】請求項1に記載の発明に係る実施例 (実施例1)坪量73g/m2 のクラフト紙の片面に、
約20μmの厚みのポリエチレン層をラミネートし、さ
らにポリエチレン層上にシリコーン系離型剤を乾燥後に
約1.0g/m2 となるように塗布し、乾燥することに
よりテープ支持体を作製した。
【0053】このテープ支持体のポリエチレンでラミネ
ートされた面とは反対の面に、下記の表1に示す組成を
有する粘着剤を150℃で、約15g/m2 塗工した。
このようにして形成された粘着剤層上に、約3g/m2
の割合で水を噴霧した。水を噴霧した面に、上記と同様
の配合を有する粘着剤を150℃で約15g/m2 塗工
し、粘着テープを得た。この粘着テープを、約120℃
のオーブンに1分間放置し、水をガス化させ、実施例1
の粘着テープとした。
【0054】得られた粘着テープの糊厚は60μmであ
った。粘着剤塗工時に、上記テープ支持体の伸びは見ら
れず、シワ等も入らず、従って粘着剤を良好に塗布する
ことが可能であった。
【0055】(実施例2)沸点80℃のメチルエチルケ
トンを、水の代わりに用いたことを除いては、実施例1
と同様にして、実施例2の粘着テープを作製した。得ら
れた粘着テープにおける糊厚は、60μmであった。ま
た、粘着剤塗工時に、テープ支持体の伸びは見られず、
シワなども入り難く、従って粘着剤を良好に塗布するこ
とが可能であった。
【0056】(実施例3)実施例1において、用いた粘
着剤を、下記の表1に示す配合を有するものから下記の
表2に示す配合を有する粘着剤に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
【0057】得られた粘着テープの糊厚は65μmであ
った。また、粘着剤塗工時にテープ支持体の伸びは見ら
れず、シワなども入らず、従って粘着剤を良好に塗布す
ることができた。
【0058】(実施例4)水に代えて、5重量%の炭酸
カルシウム水分散液(炭酸カルシウムの比重=2.6)
を約3g/m2 となるように塗布したことを除いては、
実施例1と同様にして、実施例4の粘着テープを作製し
た。得られた粘着テープにおいて糊厚は60μmであっ
た。粘着剤塗工時にテープ支持体の伸びは見られず、シ
ワなども入らず、従って粘着剤を良好に塗布することが
できた。
【0059】(実施例5)2軸延伸された厚さ60μm
のポリエチレンフィルムに、長鎖アルキル系離型剤を固
形分約0.2g/m2 となるように塗布し、テープ支持
体を作製した。
【0060】このテープ支持体の離型面とは反対の面
に、下記の表1に示す配合を有する粘着剤を150℃で
約15g/m2 塗工した。さらに、上記粘着剤層上に、
約3g/m2 の割合で水を噴霧した。水を噴霧された粘
着剤層面に、下記の表1に示す配合を有する粘着剤を、
150℃で約15g/m2 塗工し、粘着テープを作製し
た。この粘着テープを、約120℃のオーブンに1分間
放置し、水をガス化させ、実施例5の粘着テープとし
た。
【0061】得られた粘着テープの糊厚は約60μmで
あった。粘着剤塗工時にテープ支持体の伸びは見られ
ず、シワなども入らず、従って粘着剤を良好に塗布する
ことができた。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】(比較例1)坪量73g/m2 のクラフト
紙の片面に約20μmの厚みのポリエチレン層をラミネ
ートし、さらにその上にシリコーン系離型剤を乾燥後に
約1.0g/m2となるように塗布し、乾燥し、テープ
支持体を作製した。
【0065】このテープ支持体のポリエチレン層をラミ
ネートした面とは反対の面に、水を約3g/m2 噴霧
し、含浸させた後、上記の表1に示す配合を有する粘着
剤を150℃で約30g/m2 塗工した。このようにし
て得た粘着テープを約120℃のオーブンに1分間放置
し、水をガス化させたものを比較例1の粘着テープとし
た。
【0066】得られた粘着テープにおいて糊厚は60μ
mであった。テープ支持体に水を噴霧し、含浸させる
と、テープ基材の伸びが発生した。また、粘着剤塗布時
に粘着テープにシワが入った。
【0067】(比較例2)実施例1で用いたテープ支持
体のポリエチレン層をラミネートした面とは反対の面
に、表1に示した配合に、分解温度190℃の発泡剤を
1部添加してなる配合を有するホットメルト系粘着剤を
150℃で30g/m2 塗布した。しかる後、200℃
の温度で1分間加熱し、比較例2の粘着テープを得た。
【0068】得られた粘着テープの糊厚は50μmであ
った。なお、上記発泡剤は高価であり、従って実施例1
に比べてコストが高くついた。また、発泡のために高温
で加熱したところ、ポリエチレンラミネート層の溶融が
発生した。
【0069】(比較例3)実施例5で用いたテープ支持
体の離型面とは反対の面に水を3g/m2 噴霧し、しか
る後上記の表1に示す配合の粘着剤を150℃で約30
g/m2 塗工し、得られた粘着テープを約120℃のオ
ーブンに1分間放置し、水をガス化させ、比較例3の粘
着テープを得た。
【0070】得られた粘着テープの糊厚は60μmであ
った。粘着剤塗工時にテープ支持体の伸びは見られず、
シワ等も入らず、従って粘着剤を良好に塗布することが
できた。
【0071】下記の表3に、実施例1〜4及び比較例
1,2の評価結果、すなわち(1)粘着剤塗工時のシワ
の有無、(2)粘着剤と支持体とのアンカー性、(3)
ポリエチレンラミネート層の溶融の有無、及び(4)剥
離除去性についての評価結果を示す。なお、(2)粘着
剤と支持体とのアンカー性及び(4)剥離除去性は、以
下の要領で評価した。
【0072】(2)粘着剤と支持体とのアンカー性:セ
キスイ布テープNo. 600を標準テープとし、各実施
例、比較例で得られたテープの粘着剤面に、上記標準テ
ープを2kgで圧着、引き剥がした後の粘着剤の移行性
を観察した。 (4)剥離除去性:各実施例、比較例のテープをK6ラ
イナー紙(坪量210〜220g/m2 )に2kgで圧
着、引き剥がした後のライナー紙の表面状態を観察し
た。
【0073】また、実施例5及び比較例3については、
下記の表4に示すように、粘着剤塗工時のシワの有無、
粘着剤と支持体とのアンカー性及び剥離除去性について
評価した。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】表3から明らかなように、比較例1では、
テープ支持体のポリエチレンラミネート層が設けられた
面とは反対の面に、水を直接噴霧し、含浸させた後に、
粘着剤を塗工していたため、粘着剤塗工時の加熱により
テープ基材にシワが入り、かつ粘着剤と支持体とのアン
カー性が極めて悪かった。また、比較例2では、発泡剤
を分解させるために200℃という高温で加熱を行った
ため、ポリエチレンラミネート層が溶融していた。
【0077】これに対して、実施例1〜4では、粘着剤
層間に気化性物質としての水やメチルエチルケトンなど
を介在させて少なくとも2層の粘着剤層を形成した後、
ガス化しているため、粘着剤塗工時にテープ支持体にシ
ワが入らず、テープ支持体と粘着剤層とのアンカー性に
優れており、かつポリエチレンラミネート層の溶融も見
られなかった。
【0078】また、表4から明らかなように、比較例3
では、テープ支持体の表面に直接水を噴霧した後、粘着
剤を塗工していたため、粘着剤と支持体とのアンカー性
が極めて悪かったのに対し、実施例5では、実施例1〜
4と同様に粘着剤層間に気化性物質としての水を介在さ
せて、後工程で加熱によりガス化させているため、粘着
剤と支持体とのアンカー性は良好であった。
【0079】請求項2に記載の発明に係る実施例及び比
較例 (実施例6)クルパック加工されたクラフト紙(73g
/m2 )に水を均一に2g/m2 塗布し、その直後に下
記の表5に示すホットメルト系粘着剤に平均粒径25μ
mの中空ガラス微球体を粘着剤体積の50%を占めるよ
うに加えたものを25g/m 2 塗設した。しかる後、1
20℃で30秒加熱して気泡を発生させ、粘着剤層の厚
みが45μmの粘着テープを得た。気泡径は約25μm
であった。
【0080】(実施例7)クルパック加工されたクラフ
ト紙(73g/m2 )に水を均一に2g/m2 塗布し、
その直後に下記の表5に示すホットメルト系粘着剤に平
均粒径25μmの中空ガラス微球体を粘着剤体積の50
%を占めるように加えたものを40g/m 2 塗設した。
しかる後、120℃で30秒加熱して気泡を発生させ、
粘着剤層の厚みが45μmの粘着テープを得た。気泡径
は約25μmであった。
【0081】(比較例4)上記実施例6において、粘着
剤中にガラス微球体を入れなかったこと以外は、実施例
6と同様にして粘着テープを得た。
【0082】(比較例5)クルパック加工されたクラフ
ト紙(73g/m2 )に下記の表5に示すホットメルト
系粘着剤を45g/m2 塗設し、粘着テープを得た。
【0083】(比較例6)クルパック加工されたクラフ
ト紙(73g/m2 )に水を均一に2g/m2 塗布し、
その直後に下記の表5に示すホットメルト系粘着剤に平
均粒径80μmの中空のガラス微球体を粘着剤体積の5
0%を占めるように加えたものを25g/m2 塗設し
た。しかる後、120℃で30秒加熱して気泡を発生さ
せ、粘着剤厚み45μmの粘着テープを得た。しかし、
粘着剤面よりガラス微球体が飛び出しており粘着感に乏
しかった。
【0084】(比較例7)クルパック加工されたクラフ
ト紙(73g/m2 )に水を均一に2g/m2 塗布し、
その直後に下記の表5に示すホットメルト系粘着剤に平
均粒径25μmの中空のガラス微球体を粘着剤体積の5
%を占めるように加えたものを25g/m 2 塗設した。
しかる後、120℃で30秒加熱して気泡を発生させ、
粘着剤厚み45μmの粘着テープを得た。気泡径は25
μmであった。
【0085】(比較例8)クルパック加工されたクラフ
ト紙(73g/m2 )に水を均一に2g/m2 塗布し、
その直後に下記の表5に示すホットメルト系粘着剤に平
均粒径25μmの中空のガラス微球体を粘着剤体積の9
5%を占めるように加えたものを25g/m2 塗設し
た。しかる後、120℃で30秒加熱して気泡を発生さ
せ、粘着剤厚み45μmの粘着テープを得た。しかし、
粘着感に乏しく、被着体に十分接着しなかった。
【0086】
【表5】
【0087】実施例6,7及び比較例4〜8の評価 (1)梱包性能の評価:市販の段ボール箱(400×3
20×300mm、フラップ衝き合わせ部の長さ400
mm)に50mm幅の粘着テープを0℃の雰囲気下で貼
り付け(I貼り)、5分おきに温度を3℃ずつ高め、4
2℃まで温度を高め(70分経過後)、その際のテープ
の剥がれる割合が50%になる時間を測定した。
【0088】(2)気泡消失性(回復率):50℃の雰
囲気下で粘着テープを10枚積層し、全厚みの90%に
なるまで厚み方向に圧縮した後、2日間放置した。しか
る後、圧力を取り除き、5分後の厚みがどこまで回復し
ているかにより、気泡が消失しているか否かを確認し
た。回復度合いが100%であれば、気泡は全く消失し
ておらず、回復率が低いほど気泡が消失していることを
示す。上記評価結果を、下記の表6に示す。
【0089】
【表6】
【0090】表6から明らかなように、比較例4では、
ガラス微球体を使用していないため、回復率が90%と
低く、体積の収縮が認められた。比較例5では、気化性
物質を使用しなかったため、得られた粘着剤層に気泡が
形成されておらず、従って梱包性能が他に比べて低いも
のであった。
【0091】比較例6では、ガラス微球体の粒径が80
μmと大きく、該ガラス微球体の粒径が粘着剤層の厚み
の178%と大きいため、粘着性が著しく損なわれ、梱
包性能評価に際して粘着テープを段ボール箱に貼り付け
ることができなかった。
【0092】比較例7の粘着テープでは、ガラス微球体
が、粘着剤の体積の5%を占めるように配合されていた
に過ぎなかったため、回復率が45%と低く、従ってガ
ラス微球体の添加による気泡の変形や体積収縮の抑制が
十分でなかった。
【0093】比較例8では、ガラス微球体が粘着体積の
95%と非常に多く用いられていたため、粘着性が低
く、梱包性能の評価に際し、10分後に100%の剥離
が見られた。また、気泡の変形や体積収縮を防止する効
果の評価に際し、粘着テープを厚み方向に圧縮すること
もできなかった。
【0094】これに対して、実施例6,7では、上記特
定の粒径のガラス微球体が、粘着剤の体積の50%を占
めるように添加されていたため、梱包性能が良好であ
り、かつ回復率も80%以上と高かった。従って、中空
ガラス微球体の添加により気泡の変形や体積収縮の抑制
が図られていることがわかる。
【0095】請求項3に記載の発明に係る実施例及び比
較例 (実施例8)塗工ロールとしてのグラビアロールを用い
て、その表面に水を3g/m2 かきあげ、このロール表
面上に前述の表1に示した配合のホットメルト系粘着剤
を150℃で20g/m2 塗布し発泡させ発泡粘着剤層
を形成し、坪量73g/m2のクラフト紙の片面に20
μmの厚みのポリエチレンをラミネートし、その上にシ
リコーン系離型剤を塗布・乾燥させてなるテープ基材の
離型剤面と反対面に、上記発泡粘着剤層を転写し、粘着
テープを得た。得られた粘着テープの糊厚は50μmで
あった。
【0096】(実施例9)実施例8と同様にして粘着テ
ープを作製した後、これを80℃のオーブンで30秒間
加熱した。得られた粘着テープの糊厚は60μmであっ
た。
【0097】(比較例9)坪量73g/m2 のクラフト
紙の片面に20μmの厚みのポリエチレンをラミネート
し、その上にシリコーン系離型剤を塗布・乾燥させたも
のをテープ基材とし、このテープ基材の離型剤面と反対
面に水を3g/m2 塗布、含浸させた後、実施例8で用
いたのと同じホットメルト系粘着剤を150℃で20g
/m2 塗布した。その後、120℃で30秒間加熱を行
い、粘着テープを得た。
【0098】得られた粘着テープの糊厚は40μmであ
った。テープ基材に水を塗布、含浸させると伸びが発生
し、粘着剤塗布時にシワが入った。高温の乾燥炉が必要
であるため、大きな設備費用及び設置面積を必要とす
る。
【0099】(比較例10)坪量73g/m2 のクラフ
ト紙の片面に厚み20μmのポリエチレンをラミネート
し、その上にシリコーン系離型剤を塗布・乾燥させたも
のをテープ基材とし、このテープ基材の離型剤面と反対
面に水を3g/m2 塗布、含浸させた後、実施例8と同
じ配合の粘着剤に分解温度190℃の発泡剤を20部添
加した配合のホットメルト系粘着剤を150℃で20g
/m2 塗布した。しかる後、200℃で1分間加熱を行
い、粘着テープを得た。
【0100】得られた粘着テープの糊厚は40μmであ
った。発泡剤が高価でコストが高くついた。発泡のため
に高温で加熱したことにより、ポリエチレンラミネート
が溶融した。高温の加熱炉が必要であるため、大きな設
備費用及び設置面積が必要であり、また、生産速度をあ
まり上げられず、生産性が悪かった。
【0101】請求項4に記載の発明に係る実施例及び比
較例 (実施例10)塗工ロールとしてグラビアロールを用
い、その表面に水を3g/m2 かきあげ、このロール表
面上に前述した表1に示した配合のホットメルト系粘着
剤を150℃で20g/m2 塗布し発泡させて粘着剤層
を形成し、120℃の加熱シリコーンロールに一旦転写
した後、坪量73g/m2 のクラフト紙の片面に厚さ2
0μmのポリエチレンをラミネートし、その上にシリコ
ーン系離型剤を塗布・乾燥させてなるテープ基材の離型
剤面と反対面に上記粘着剤層を転写し、粘着テープを得
た。
【0102】(実施例11)加熱ロールの温度を50℃
としたこと以外は、実施例10と同様にして粘着テープ
を得た。
【0103】(実施例12)加熱ロールの温度を150
℃としたこと以外は、実施例10と同様にして粘着テー
プを得た。
【0104】(比較例11)加熱ロールを使用せずに、
発泡後すぐにテープ基材に転写したこと以外は、実施例
10と同様にして粘着テープを得た。
【0105】(比較例12)粘着剤の塗布量を16g/
2 としたこと以外は、比較例11と同様にして粘着テ
ープ得た。
【0106】実施例10〜12及び比較例11,12の
評価 実施例10〜12及び比較例11,12で得られた粘着
テープについて、保持力及び巻巣の発生を下記の要領で
評価し、結果を下記の表7に示した。
【0107】(1)保持力…段ボール紙端部に幅25m
m、長さ25mmの面積で粘着テープを200gの圧着
ロールにより荷重しつつ貼り合わせた。しかる後、貼り
合わされた粘着テープに1kgの荷重を垂下し、粘着テ
ープが剥がれ落ちるまでの時間を40℃の温度で測定し
た。
【0108】(2)巻巣の発生…巻重体のサンプルを5
0℃のオーブン中に2週間静置し、巻巣の発生を目視に
より確認した。表7における大,中,小は、それぞれ、
下記の内容であることを示す。 大:……幅5mm以上の巣が6箇所以上 中:……幅5mm以上の巣が3〜5箇所 小:……幅5mm以上の巣が2箇所以下
【0109】
【表7】
【0110】表7から明らかなように、比較例11で
は、加熱ロールを用いていないため、スキン層が表面に
形成されていなかったためか、保持力が小さく、かつか
なりの巻巣が発生していた。また、比較例12において
は、粘着剤の塗布量が16g/m2 と少なく、従って、
保持力が小さく、かつ巻巣がかなりの割合で発生してい
た。
【0111】これに対して、実施例10〜12では、粘
着剤層を一旦加熱ロールに転写した後テープ支持体に転
写しているため、表面にスキン層が形成されており、そ
れによって保持力が高くなっており、かつ巻巣の発生が
少なかった。
【0112】
【発明の効果】上述した請求項1〜4に記載の発明の粘
着テープの製造方法では、粘着剤表面に接するように気
化性物質を供給し、加熱により気化性物質をガス化させ
て粘着剤層中に気泡を形成するものであるため、従来の
熱分解型発泡剤を用いた方法に比べて、より低温で処理
することができる。従って、粘着テープに用いるテープ
基材や粘着剤の熱による劣化が生じ難く、気泡形成のた
めに大きなエネルギーを必要とせず、さらに高温の加熱
炉を必要ともしない。よって、請求項1〜4に記載の発
明によれば、多数の独立気泡を有する粘着剤層を備えた
粘着テープを、簡便な装置で効率よくかつ安価に提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、請求項1に記載の発明の粘
着テープの製造方法において、テープ支持体上に、第1
の粘着剤層、気化性物質及び第2の粘着剤層を積層する
工程を説明するための各断面図。
【図2】(a)及び(b)は、請求項1に記載の発明の
粘着テープの製造方法において、それぞれ、第1,第2
の粘着剤層間の気化性物質を加熱する工程及び加熱によ
り多数の独立気泡が形成された粘着剤層を説明するため
の各断面図。
【図3】請求項4に記載の発明の粘着テープの製造方法
を説明するための略図的工程図。
【符号の説明】
1…粘着剤 2…テープ支持体 3…第1の粘着剤層 4…気化性物質 5…第2の粘着剤層 6…塗工ロール 8…粘着剤 9…粘着剤層 10…加熱ロール 12…テープ支持体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の独立気泡を含有する粘着剤層を備
    えた粘着テープの製造方法であって、 少なくとも1層以上の第1の粘着剤層と、少なくとも1
    層以上の第2の粘着剤層との間に気化性物質を介在させ
    てなる少なくとも2層以上の粘着剤層をテープ支持体上
    に形成する工程と、 前記気化性物質をガス化させることにより、粘着剤層中
    に多数の独立気泡を形成する工程とを備えることを特徴
    とする粘着テープの製造方法。
  2. 【請求項2】 多数の独立気泡を含有する粘着剤層を備
    えた粘着テープの製造方法であって、 多孔質基材からなるテープ支持体に気化性物質を浸透さ
    せる工程と、 前記気化性物質が浸透されたテープ支持体に、粘着剤層
    の厚みの30〜90%の粒径を有するガラス微球体を2
    0〜80体積%含有するように粘着剤を塗工して粘着剤
    層を形成する工程と、 加熱により前記気化性物質をガス化する工程とを備える
    ことを特徴とする粘着テープの製造方法。
  3. 【請求項3】 多数の独立気泡を有する粘着剤層を備え
    た粘着テープの製造方法であって、 塗工ロール表面に気化性物質を塗布する工程と、 前記気化性物質が塗布された塗工ロール表面に、粘着剤
    を前記気化性物質の沸点以上の温度で塗布し、塗工ロー
    ル上で多数の独立気泡を含む粘着剤層を形成する工程
    と、 前記粘着剤層をテープ支持体に転写する工程とを備える
    ことを特徴とする粘着テープの製造方法。
  4. 【請求項4】 多数の独立気泡を含有する粘着剤層を備
    えた粘着テープの製造方法であって、 塗工ロール表面に気化性物質を塗布する工程と、 気化性物質が塗布された塗工ロール表面に粘着剤を前記
    気化性物質の沸点以上の温度で塗布し、塗工ロール上に
    おいて多数の独立気泡を含有する粘着剤層を形成する工
    程と、 前記粘着剤層を加熱ロールに転写する工程と、 前記加熱ロールに転写された粘着剤層を、さらにテープ
    支持体に転写する工程とを備えることを特徴とする粘着
    テープの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309189A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物供給装置及び当該粘着剤組成物供給装置を利用した粘着テープ製造装置
JP2008284467A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Nitto Denko Corp 光重合物層の製造方法
JP2010126570A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Sunstar Engineering Inc 壁紙用接着剤組成物、内装用仕上げ材および壁構造
WO2018105643A1 (ja) * 2016-12-07 2018-06-14 パナック株式会社 低誘電接着層及びその製造方法、並びに、低誘電接着シート

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