JPH09324036A - 光学シート - Google Patents

光学シート

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JPH09324036A
JPH09324036A JP16521396A JP16521396A JPH09324036A JP H09324036 A JPH09324036 A JP H09324036A JP 16521396 A JP16521396 A JP 16521396A JP 16521396 A JP16521396 A JP 16521396A JP H09324036 A JPH09324036 A JP H09324036A
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JP
Japan
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monomer
sheet
hydrogen atom
optical sheet
polymer
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JP16521396A
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English (en)
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Hironobu Shinohara
弘信 篠原
Yasuo Hara
康夫 原
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶ディスプレイなど各種ディスプレイ素子
などに用いられる光学シートに関し、特に大型ディスプ
レイに用いた場合に強度に優れ、かつ密着性に優れ鮮明
な画像を与える光学シートを得る。 【構成】 極性基を有する少なくとも一種のノルボルネ
ン誘導体よりなる単量体もしくはこの単量体と共重合可
能な共重合性単量体を開環重合して得られる重合体また
はその水素添加物からなる、厚さ0.5〜5mm、厚さ
ムラ±50μm以下、シート表面高さRmax値が0.
2μm以下の光学シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイな
ど各種ディスプレイ素子などに用いられる光学シートに
関し、特に大型ディスプレイに用いた場合に強度に優
れ、かつ密着性に優れ鮮明な画像を与える光学シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ディスプレイの液晶基板など
のディスプレイ基板としては主としてガラス基板が用い
られてきた。しかしながら、ガラス基板はガラスの機械
的強度が弱いため薄型が困難なこと、柔軟性に欠けるた
め形状の自由度がないこと、大型化が困難なこと、割れ
やすいため生産性に難があるという問題点があった。ま
た、最近液晶ディスプレイの小型、軽量化に対する要望
が強い。そこで、ガラスに代わって透明樹脂が用いられ
るようになってきた。透明樹脂としてはポリメタクリル
酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂が
用いられているが、ポリカーボネート樹脂やポリエステ
ル樹脂は複屈折が大きく、アクリル系樹脂は耐熱性およ
び耐湿性が不足しているという問題点があった。そのた
め、これらの樹脂からレターデーションの均一なディス
プレイ基板を得ることは困難であった。このような問題
点を改良するために、特開平5−61226号公報には
吸水性が0.05重量%以下の水添熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂からなるシートを液晶基板として用いることが
提案され、該公報によればポリカーボネートのごとく吸
水性が高いと吸水することによってレターデーションが
変化するため好ましくないと言及され、ノルボルネン系
樹脂は、この吸水率が0.05重量%以下のものが容易
に得られるとされている。ところがノルボルネン系樹脂
はその骨格構造や置換基によりポリマー物性が大きく異
なり、すべての樹脂が吸水率0.05%となるとは限ら
ない。吸水率を0.05重量%以下とするためには、ノ
ルボルネン系樹脂は炭素と水素のみからなる通称ポリオ
レフィンか、ハロゲンを一部含む構成でのみ達成され
る。このような樹脂からなるディスプレイ基板は、例え
ば液晶ディスプレイなど種々のフィルムやシートからな
る用途に用いる場合、これらのフィルムやシートあるい
は各種コーティング剤との密着性が不充分であり、フィ
ルム間に水分などが浸入する、あるいはコーティング剤
が剥離することによってディスプレイの性能が著しく劣
化する問題があった。また、ノルボルネン系樹脂はその
構造がノルボルネン構造のかさ高さに由来して、透明性
や低複屈折性、低吸水性などの優れた特性を有している
が、酸素や熱に対する耐久性に劣る問題点がありこの改
良のために酸化防止剤の添加が必要となるが、酸化防止
剤は樹脂に混合されて用いられたり、成形品の表面に塗
布されて用いられるが、ディスプレイ基板として用いら
れる際に、吸水性を低くおさえようとするとノルボルネ
ン系樹脂の構成を炭素原子と水素原子のみ、あるいはこ
れらにハロゲン原子を含む構成に限定せざるを得ないた
めに、酸化防止剤との相溶性が不充分となり、そのため
に多量に添加すると透明性が低下したり、表面にブリー
ドしてくるなどの問題があり、実質的に耐久性に優れた
ものを得ることが困難であった。上記の問題を解決する
ために、特定のノルボルネン系樹脂を用いることにより
フィルムやシートの密着性を改善した液晶基板が特開平
7−287123号公報に開示されている。しかし該公
報の技術を用いてなる液晶基板は、大型のディスプレイ
基板に用いるとシートのたわみが発生し組立作業時にシ
ートを平坦にする作業が必須となるなど生産性に劣り、
また機械的耐久性が劣る場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、しかもレターデーションの均一性に優れ、各種ディ
スプレイを構成する他のフィルムや各種コーティング剤
との粘着性または接着性に優れ、酸化防止剤などの相溶
性にも優れ、さらに大型ディスプレイにした場合優れた
強度および耐久性を有する光学シートを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式1
で表される少なくとも一種のノルボルネン誘導体よりな
る単量体(以下、「特定単量体」という)もしくはこの
単量体と共重合可能な共重合性単量体を開環重合して得
られる重合体またはその水素添加物(以下、これらを
「特定重合体」という)からなる、厚さ0.5〜5m
m、厚さムラ±50μm以下、シート表面高さRmax
値が0.2μm以下の光学シートを提供するものであ
る。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、AおよびBは水素原子または炭素
数1〜10の炭化水素基であり、XおよびYは水素原子
または一価の有機基であって、XおよびYの少なくとも
一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する基
を示し、mは0または1である。) 特定単量体のうち、極性基が特に式−(CH2nCOO
Rで表される特定の極性基である特定単量体は、得られ
る開環重合体の水素添加物が高いガラス転移温度と低い
吸湿性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の
極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12の
炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは
通常、0〜5であるがnの値が小さいものほど、得られ
る開環重合体のガラス転移温度が高くなるので好まし
く、さらにnが0である特定単量体は、その合成が容易
である点で、また、得られる開環重合体がガラス転移温
度の高いものとなる点で好ましい。さらに、前記一般式
1においてAまたはBがアルキル基、特にメチル基であ
ることが好ましく、特にこのアルキル基が上記の式−
(CH2nCOORで表せる特定の極性基が結合した炭
素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好まし
い。また、一般式1においてmが1である特定単量体
は、ガラス転移温度の高い開環重合体が得られる点で好
ましい。
【0007】一般式1で表される特定単量体の具体例と
しては、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−エン、5−メチル−5−カルボキシメチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−エン、8−カルボキシメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボ
キシ−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソ
プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−カルボキシ−n−ブチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,1 0]−3−ドデセン、8−メチル−8−カル
ボキシ−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カル
ボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カ
ルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,1 0]−3−ドデセンなどを挙げることがで
きる。これらのうち、8−メチル−8−カルボキシメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセンは、これを開環重合させて得られる重合体が高
いガラス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で
好ましい。上記の特定単量体は必ずしも単独で用いる必
要はなく、2種以上を用いて開環共重合反応を行うこと
もできる。
【0008】本発明において特定重合体は、上記の特定
単量体を単独で開環重合させたものであってもよいが、
当該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させた
ものであってもよい。この場合に使用することのできる
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シク
ロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.
2.1.02,6]−3−デセン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレ
フィンを挙げることができる。さらにポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチ
レン−非共役ジエン重合体、ポリノルボルネンなどの主
鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリ
マーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよ
い。そして、この場合に得られる開環共重合体の水素添
加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用であ
る。
【0009】上記の特定重合体は、前述の特定単量体あ
るいはこれと前記共重合性単量体を例えば特開平7−2
87123号公報に記載されている開環重合触媒や開環
重合反応用溶媒、水素添加触媒などを用いて重合、水素
添加することにより得ることができる。触媒の形態は粉
末でも粒状でもよい。ここで水素添加率は通常50%以
上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以
上である。上記のごとく得られる開環重合体または水添
物の飽和吸水率は、ASTM D570に従い23℃で
1週間浸漬して得た値が0.1〜1重量%の範囲にある
ことが好ましい。飽和吸水率が0.1重量%未満では得
られる光学シートの他のフィルムやシート、あるいはコ
ーティング剤などとの密着性に劣り、使用途中剥離が発
生する恐れがある。また、酸化防止剤などとの相溶性に
欠けるため、多量に添加する透明性が損なわれたり、表
面にブリードしたりするなどの問題も出やすい。飽和吸
水率が1重量%を超えると、光学シートの耐湿性が劣っ
たものとなるため、吸水によるレターデーションのバラ
ツキが大きくなりやすく、光学的に均一な光学シートを
得にくくなる。
【0010】一般に熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、ノ
ルボルナン骨格における置換基がすべて水素原子あるい
は炭化水素基のような非極性であると、吸水率が0.1
重量%未満となり密着性や酸化防止剤の相溶性に劣るも
のとなる。また、上記一般式1においてA、B、Xおよ
びYのすべてが極性基であると吸水率が1重量%を超え
た大きなものとなることがある。従って本発明において
は、上記一般式1における置換基を樹脂の飽和吸水率が
上記範囲内となるように選択することが好ましい。本発
明において特定重合体には、公知の酸化防止剤、例えば
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’
−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’
−ジオキシブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタ
ン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−(β−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テ
トラオキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリッ
クネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタン
テトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェニル)ホスファイト;紫外線吸収剤、例えば2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安
定化することができる。また、加工性を向上させる目的
で滑剤などの添加剤を添加することもできる。これらの
酸化防止剤の添加量は特定重合体100重量部に対して
通常0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部で
ある。酸化防止剤の使用量が少なすぎる場合には耐久性
の改良効果が不充分であり、多すぎる場合には成形表面
からブリードしたり、透明性が低下するなどの問題点が
生じ好ましくない。
【0011】本発明の光学シートは射出成形法、押出成
形法、圧縮成形法、溶液流延法などの方法により成形す
ることができるが、シートを安定して成形できるという
点で射出成形や押出成形が好ましい。本発明の光学シー
トのシート厚は0.5〜5mm、好ましくは0.8〜2
mmの範囲である。シート厚が0.5mm未満の光学シ
ートは強度に劣り、大型ディスプレイに用いるとその組
立作業時にシートがたわむため何らかの支持構造を要し
コスト高となる問題が起こる。一方シート厚が5mmを
超えるとシートの光学特性に劣りディスプレイの性能に
劣ることが多く、また重量が大きくなるため組立作業や
運搬に余計なコストがかかることがある。本発明の光学
シートの厚さムラは全面で±50μm以下、シート表面
高さRmax値は0.2μm以下、好ましくは厚さムラ
±25μm以下、Rmax値0.1μm以下、特に好ま
しくは厚さムラ±20μm以下、Rmax値0.08μ
m以下である。シートの厚さムラが±50μmより大き
いもの、あるいはRmax値が0.2μmより大きいも
のだと例えばディスプレイ用途に用いた場合表示画像の
歪みが大きくなり性能に劣ったものとなりやすい。
【0012】厚さムラやRmax値を上記の範囲内のシ
ートとするには、例えば充分に研磨した金型を用いて成
形する方法や、前述の方法により成形されたシートを研
磨加工する方法や、シート成形後のシート表面に前述の
特定重合体を適当な溶剤に溶かしてなる溶液を塗布し、
ついで乾燥させる方法などが挙げられる。最後に挙げた
方法において、塗布される特定重合体溶液の樹脂成分
は、シート成形に用いられる特定重合体の同一構造の重
合体であってもよく、異なっていてもよいが、光学特性
を下げることなく表面平滑性を向上させることができる
という点で同一構造のものが特に好ましい。本発明の光
学シートはシート全面におけるレターデーションが小さ
いことが望ましく、波長633nmにおけるレターデー
ションの値が50nm以下、好ましくは30nm以下、
より好ましくは20nm以下である。また本発明の光学
シートはレターデーションのバラツキが小さいことが好
ましく、波長633nmにおけるレターデーションのバ
ラツキが±20%以下であることが好ましい。レターデ
ーション値が50nmより大きいかレターデーションの
バラツキが±20%の範囲外であるシートを例えばディ
スプレイ用途に用いた場合、ディスプレイ画像が歪んだ
りするなど良好な表示性能が得られにくい。
【0013】本発明の光学シートには酸素の透過による
劣化を防ぐために必要に応じて光学シートの両面あるい
は片面にポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコー
ルなどのガスバリア性材料を積層することができる。さ
らに光学シートの耐傷性及び耐熱性を向上させる目的で
ハードコート層が積層されていてもよい。ハードコート
剤としては有機シリコン系樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂などの有機ハードコート材料、ま
たは二酸化ケイ素などの無機系ハードコート材料を用い
ることができる。このうち、有機シリコン系樹脂、アク
リル樹脂などのハードコート材料が好ましい。有機シリ
コン系樹脂の中には各種官能基を持ったものが使用され
るが、エポキシ基を持ったものが好ましい。本発明の光
学シートはさらに金属または金属酸化物などの透明導電
層を積層して透明電極基板とすることができる。本発明
の光学シートは携帯電話、デジタル情報端末、ポケット
ベル、カーナビゲーション、調光パネル、OA機器用デ
ィスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種ディス
プレイ用途に用いられ、特に大型のディスプレイ用途に
好適である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−
3−エン250部と分子調節剤である1−ヘキセン18
部とトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込
み、60℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエ
チルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液
0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールでWC
6 を変性し、t−ブタノールおよびメタノールおよび
タングステンのモル比が0.35:0.3:1とされた
WCl6 溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加
え、80℃で3時間加熱撹拌して、重合体溶液を得た。
この重合反応における重合添加率は97%であった。得
られた反応溶液Aの4000部をオートクレーブに入
れ、これにRuHCl(CO)[P(C65)]3
0.48部を加え、水素ガス圧を100kg/c〓、反応
温度165℃の条件で3時間加熱撹拌して水素添加反応
を行った。得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを
放圧し、水素添加重合体溶液を得た。この水素添加重合
体溶液を大量のメタノール中で凝固させた後、乾燥さ
せ、特定重合体を得た。この重合体の数平均分子量は6
2000、水添率は実質上100%であり、ガラス転移
温度は170℃であった。また、23℃における飽和吸
水率は0.4%であった。 参考例2 6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンに、重合触
媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサ
ン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チ
タンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加して、シ
クロヘキサン中で開環重合し、得られた開環重合体をニ
ッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。この水
素添加重合体溶液をイソプロピルアルコール中で凝固さ
せ、乾燥し、粉末状の重合体を得た。この重合体の数平
均分子量は45000、水素添加率99.9%以上、ガ
ラス転移温度は142℃であった。また、23℃におけ
る飽和吸水率は0.01%であった。
【0015】実施例1 参考例1で得られた特定重合体を用いて市販の射出成形
機に鏡面仕上げの金型を取り付け、樹脂温度320℃、
金型温度130℃、冷却時間20秒として20cm×2
0cm、厚み1mmのシートを成形した。このシートの
片面に酸化インジウム/酸化スズ(重量比95:5)か
らなるターゲットを用いて透明導電膜をスパッタリング
法により形成させて透明電極を得た。この透明電極を2
枚、透明導電膜側を互いに対向させてスペーサーを介し
てウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製タケネート
A−10からなる組成物を接着剤に用いて接着した。こ
こでスペーサーは参考例1で得られた特定重合体100
部をトルエン700部に溶解し、溶液を流延することに
よって得た厚さ20μmのフィルムから、外周から5m
mの幅を残して中心部をくり抜くことによって得たもの
を用いた。接着後、注射器を用いて、注射針を通して内
部に30℃にして液状になったメトキシベンジリデン−
ブチルアニリンを空気が残らないように注入して液晶セ
ルを作成した。この液晶セルに通常の方法で偏光フィル
ム、位相差フィルム、光源が取り付けられた導光板を積
層して液晶ディスプレイパネルを作成した。この液晶デ
ィスプレイパネルについて80℃、90%相対湿度の条
件で耐久試験を行ったところ、1000時間の段階でこ
の積層体に異常は認められず、耐久試験前とほぼ同程度
の鮮明性を有するものであった。 比較例1 特定重合体の代わりに参考例2で得られた重合体を用
い、樹脂温度280℃、金型温度100℃とした他は実
施例1と同様にしてシートを成形し、実施例1と同様の
方法で液晶ディスプレイパネルを作成した。この液晶デ
ィスプレイパネルについて80℃、90%相対湿度の条
件で1000時間の耐久試験を行ったところ、液晶表示
パネルの全面に曇りまたは剥離が目視で観察できるほど
著しくなり、耐久試験前に比べ画像の鮮明性に著しく劣
るものであった。
【0016】
【発明の効果】本発明の光学シートは、特定の構造と特
定の物性を有する樹脂を材料とするため、耐熱性に優
れ、しかもレターデーションの均一性に優れ、各種ディ
スプレイを構成する他のフィルムとの粘着性または接着
性における密着性や酸化防止剤などの相溶性にも優れ、
さらに大型ディスプレイにした場合優れた強度および耐
久性を有し、また組立成形時の支持作業が不要となるた
めディスプレイの生産性の向上が期待できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式1で表される少なくとも一種の
    ノルボルネン誘導体よりなる単量体もしくはこの単量体
    と共重合可能な共重合性単量体を開環重合して得られる
    重合体またはその水素添加物からなる、厚さ0.5〜5
    mm、厚さムラ±50μm以下、シート表面高さRma
    x値が0.2μm以下の光学シート。 【化1】 (式中、AおよびBは水素原子または炭素数1〜10の
    炭化水素基であり、XおよびYは水素原子または一価の
    有機基であって、XおよびYの少なくとも一つは水素原
    子および炭化水素基以外の極性を有する基を示し、mは
    0または1である。)
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