JPH09323109A - 圧延機の異常判定制御装置及び方法 - Google Patents

圧延機の異常判定制御装置及び方法

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JPH09323109A
JPH09323109A JP14306796A JP14306796A JPH09323109A JP H09323109 A JPH09323109 A JP H09323109A JP 14306796 A JP14306796 A JP 14306796A JP 14306796 A JP14306796 A JP 14306796A JP H09323109 A JPH09323109 A JP H09323109A
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JP14306796A
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Inventor
Takashi Okada
岡田  隆
Yasuo Morooka
泰男 諸岡
Yutaka Saito
裕 斉藤
Satoru Hattori
哲 服部
Yasunori Katayama
恭紀 片山
Takashige Watabiki
高重 渡引
Kazuhiro Hirohata
和宏 広畑
Shigeru Kuroda
茂 黒田
Hisafumi Tsuchida
尚史 土田
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JFE Steel Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経年変化や材料変化等による圧延機での圧延状
態の変化に応じて異常判定基準を調整し、当該判定され
た異常現象に対するより適切な処理を実行する異常判定
制御装置及び方法を提供する。 【解決手段】状態計測部1-3での測定データ自体の異
常を判定するデータ異常判定部2と、圧延状態をモデル
を使用して推定するモデル部3と、正常と判定されたデ
ータとモデル推定値から圧延機1-1の圧延状態の特徴
量を演算する特徴量演算部4と、前記特徴量毎に定めら
れている異常判定用しきい値を記憶するしきい値記憶部
5と、前記特徴量とそれに対応するしきい値とから異常
を判定し、当該異常に対応する処理を実行する異常判定
・処理実行部7と、異常と判定されない場合で運転員1
0による手介が生じた時に修正すべき特徴量のしきい値
を推論し、当該しきい値を修正する推論修正部6とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機システムの
制御装置及び方法に係り、特に、圧延状態の異常あるい
は圧延機の異常を判定すると共に、当該異常判定時に圧
延機システムの制御を行う異常判定制御装置及び方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機の異常判定方法に関しては、従来
より圧延状態に関するいくつかの物理量を計測し、その
物理量の計測値を予め設定しておいたしきい値と比較す
ることで、圧延状態が異常か否かを判定する方法が一般
的に用いられていた。また、従来、その判定に用いられ
る異常判定用のしきい値には、予め設定された一定の値
が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、経年変
化、操業条件変化、材料変化等によって圧延機の機械的
な状態や圧延状態自体が変化すると、異常と判断すべき
状態も変化してくるが、従来は、前記のような変化を無
視して、一定のしきい値や一定の制御ルールを用いてい
たため、異常の判定を適切に行うことができなくなる場
合が生じるという問題があった。
【0004】また、通常、制御部を備えている圧延機シ
ステムの操業においても、運転員が圧延状態を監視し、
圧延状態が異常であり当該状態を補正するための修正制
御が必要であると運転員が判断した場合には、運転員は
圧延状態を直接変更するための修正指示を前記制御部へ
直接送っていた。このような動作は、いわゆる手介(手
動介入)動作と呼ばれている。
【0005】ところで、手介動作はその運転員の経験に
より有効性が変化し、手介により圧延状態が改善されな
い場合もあった。このため、従来の圧延機システムで
は、手介による制御は装置側制御部による制御に対して
優先されるものの、両者は独立して行われており、圧延
機システムの自動制御において運転員の経験が必ずしも
活かされている言えない場合があった。
【0006】本発明の目的は、運転員による手介動作を
参考とすることにより、経年変化、材料変化、操業変化
等により圧延機システムでの圧延状態が変化した場合で
も、当該変化した圧延状態に対応して異常判定の判定基
準を調整することができる圧延機の異常判定制御装置及
び方法を提供することにある。
【0007】本発明の目的は、さらに、上記発明による
装置及び方法において、調整された判定基準を使用して
異常現象を判定し、当該判定された異常現象に対してよ
り適切な処理を実行することができる圧延機の異常判定
制御装置及び方法を提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の異常判定制御装置は、圧延機と、前記圧延
機の圧延状態を変更させる制御部と、前記圧延状態を計
測する状態計測部とを備える圧延機システムにおける圧
延状態の異常判定を行うと共に、当該異常判定結果に応
じて前記制御部を制御する異常判定制御装置において、
前記状態計測部で計測されたデータから、前記圧延状態
を記述する特徴量の値を求める特徴量演算手段と、前記
特徴量について設定されている、異常判定のためのしき
い値を記憶するしきい値記憶手段と、前記求められた特
徴量と前記記憶されているしきい値とから、圧延状態が
異常であるかを判定する異常判定手段と、異常と判定さ
れた場合には、その時点での圧延状態に応じて決定した
制御処理を実行させるための制御指令を前記制御部へ送
る異常処理手段と、運転員の手介による前記制御部への
指示を受け付ける手介受付手段と、前記異常判定手段に
より異常ではないと判定され、かつ、手介を受け付けた
場合には、当該手介による指示内容から当該手介が行わ
れた原因を推定し、当該推定された原因に応じて前記し
きい値記憶手段に記憶されているしきい値を修正する修
正手段とを有する。
【0009】上記目的を達成するために、本発明の異常
判定制御装置は、また、前記状態計測部で計測されたデ
ータから、前記圧延状態を記述する複数種類の特徴量の
値をそれぞれ求める特徴量演算手段と、前記特徴量のそ
れぞれについて設定されている、異常判定のための複数
のしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、前記求めら
れた複数種類の特徴量と当該複数種類の特徴量に対応す
る複数のしきい値とから圧延状態を記述する状態認識手
段と、異常である圧延状態とその状態での前記状態認識
手段による認識結果との対応関係を示す第1の関係と、
前記異常である圧延状態とそれに対応する制御処理との
関係を示す第2の関係とを記憶する状態関係記憶手段
と、前記状態認識手段による認識結果と前記状態関係記
憶手段に記憶されている前記第1の関係とから、圧延状
態が異常であるかを判定する異常判定手段と、異常と判
定された場合には、前記第2の関係を用いて、その時点
での異常状態に対応する制御処理を決定し、当該決定し
た制御処理を実行させるための制御指令を前記制御部へ
送る異常処理手段と、運転員の手介による前記制御部へ
の指示を受け付ける手介受付手段と、前記異常判定手段
により異常ではないと判定され、かつ、手介を受け付け
た場合には、当該手介による指示内容、前記第2の関
係、及びその時点での前記状態認識手段による認識結果
から当該手介が行われた原因を推定し、当該推定された
原因と前記第1の関係とから修正すべきしきい値とその
修正量を決定し、前記しきい値記憶手段に記憶されてい
る、該当するしきい値を修正する修正手段とを有する。
【0010】上記目的を達成するために、本発明の異常
判定制御方法では、前記状態計測部で計測されたデータ
から、前記圧延状態を記述する特徴量の値を求め、前記
求められた特徴量の値と、当該特徴量について予め設定
されている異常判定のためのしきい値とから、圧延状態
が異常であるかを判定し、異常と判定された場合には、
その時点での圧延状態に応じて決定した制御処理を実行
させるための制御指令を前記制御部へ送り、異常ではな
いと判定されたにも係らず、手介が行われた場合には、
当該手介による指示内容から当該手介が行われた原因を
推定し、当該推定された原因に応じて前記しきい値を修
正する。
【0011】上記目的を達成するために、本発明の異常
判定制御方法では、また、前記状態計測部で計測された
データから、前記圧延状態を記述する複数種類の特徴量
の値をそれぞれ求め、前記求められた複数種類の特徴量
と、当該複数種類の特徴量のそれぞれに対応して予め設
定されている異常判定用の複数のしきい値とから、圧延
状態を記述し、異常であると判定すべき圧延状態とその
状態についての認識結果との対応関係を示す、予め設定
されている異常判定ルールを用いて、前記認識結果が示
す圧延状態が異常であるかを判定し、異常と判定された
場合には、その時点での異常状態に応じて制御処理を決
定し、当該決定した制御処理を実行させるための制御指
令を前記制御部へ送り、異常ではないと判定されたにも
係らず、手介が行われた場合には、当該手介による指示
内容及びその時点での圧延状態の認識結果から当該手介
原因を推定し、当該推定した手介原因及び前記異常判定
ルールから修正すべきしきい値とその修正量を決定し
て、該当するしきい値を修正する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を用いて説明する。
【0013】本発明が適用された制御装置の外観を図1
に示す。図1は、また、本発明の制御装置と、その制御
対象である圧延機システム1、及び圧延機システム1の
運転を監視すると共に、必要に応じて圧延機システム1
を直接制御する運転員10との関係を示している。ここ
で、圧延機システム1は、圧延材を圧延する圧延機1-
1と、圧延機1-1の動作制御を行う制御装置1-2と、
圧延状態を計測する状態計測部1-3とから構成される
ものとする。
【0014】本発明の制御装置は、図1に示すように、
状態計測値1-3からの測定データ自体の異常を判定す
るデータ異常判定部2と、データ異常判定部2で正常と
判定されたデータと圧延機1-1を制御するための制御
指令からモデルを用いて圧延状態を予測・推定するモデ
ル部3と、データ異常判定部2で正常と判定されたデー
タとモデル部3での推定値から圧延機1-1の状態の特
徴量を演算する特徴量演算部4と、予め設定されてい
る、前記の各特徴量に応じて異常判定を診断するための
判定用しきい値を記憶するしきい値記憶部5とを有す
る。
【0015】本発明の制御装置は、さらに、特徴量演算
部4で演算された特徴量と当該特徴量に対応するしきい
値記憶部5に記憶されたしきい値とから異常を判定し、
前記異常に対応する処理を実行する異常判定・処理実行
部7と、異常と判定されない場合に運転員10による手
介が生じた時、修正すべき特徴量のしきい値を推論し、
しきい値記憶部5に記憶されているしきい値を修正する
推論修正部6と、異常判定・処理実行部7の行なった判
定結果と処理内容を運転員10に表示する表示部としき
い値記憶部5のしきい値を運転員が修正するための入力
部とを備えるインターフェイス部8とを有する。
【0016】本発明の制御装置は、さらに、異常判定・
処理実行部7からの出力される処理命令に応じた制御指
令を生成して圧延機システム1の制御装置1-2へ送る
と共に、運転員10による手介等の圧延機システム1の
制御に関する操作を受け付け、当該操作に対応した制御
指令を生成する制御指令発生部9を有する。
【0017】ここで、圧延機システム1からの圧延状態
に関する情報、例えば板厚、張力、板速、圧延荷重、ロ
ール速度等が、状態計測部1-3によって計測される。
また、制御指令発生部9から出力された制御命令に含ま
れている圧延機システム1に対する設定値の修正・変更
命令が制御装置1-2に入力され、圧延機システム1の
圧延状態が修正・変更される。修正あるいは変更の対象
となる設定値としては、圧延スケジュール、ロール間隙
設定値、ロール速度設定値、目標出側板厚、目標張力、
設定圧延荷重等がある。
【0018】状態計測部1-3によって計測された圧延
機システム1の圧延状態に関する情報(圧延実績デー
タ)は、データ異常判定部2に入力される。データ異常
判定部2では、状態計測部1-3によって計測されたデ
ータが正常であるか否かを判定し、異常であると判定し
た場合には、該判定結果をインターフェイス部8に出力
して運転員10に、状態計測部1-3での異常を知らせ
る。データ異常判定部2において正常データと判定され
たデータはモデル部3に送られる。
【0019】モデル部3は、データ異常判定部2で正常
と判定された実績データと、予め設定され記憶されてい
るモデルとを用いて圧延状態を推定する。モデル部3に
よる推定結果と状態計測部1-3の計測結果は、特徴量
演算部4に入力される。
【0020】特徴量演算部4では、送られてくる実績デ
ータとモデル推定値とについて、予め設定されている特
徴量をそれぞれ計算することで、その時点での圧延状態
を認識する。特徴量演算部4で計算された各データの特
徴量は、異常判定・処理実行部7に送られる。
【0021】異常判定・処理実行部7では、特徴量演算
部4から送られてくる各特徴量と、しきい値記憶部5に
記憶されている各データに対するしきい値とを用いて、
圧延状態の異常を判定し、異常と判定した場合には、当
該判定結果をインターフェイス部8を通して運転員10
に提示して知らせ、制御指令発生部9に異常を回避する
ための制御指令を送る。
【0022】異常判定・処理実行部7は、例えば、異常
判定部7-1、異常処理部7-2及びルール記憶部7-3
から構成されている。異常判定・処理実行部7では、異
常判定部7-1が、特徴量演算部4から送られてくる各
データの特徴(平均値、振幅値、最小値、最大値、変動
の特徴等)と、しきい値記憶部5から送られてくる各デ
ータの特徴に対応したしきい値とを比較し、その比較結
果とルール記憶部7-3に記憶しているルールとに基づ
いて、異常か否かを判定する。異常判定部7-1での判
定結果は、異常処理部7-2に送られ、その判定結果と
ルール記憶部7-3に記憶されているルールに基づい
て、異常に対応する処理が決定される。決定された異常
処理内容に応じて、制御指令発生部9は、異常を回避す
るような制御指令を圧延機システム1へ出力する。
【0023】本実施形態においては、以上のような動作
が通常の圧延機システム1の操業中に行なわれる。そし
て、異常判定・処理実行部7が異常と判定していないに
もかかわらず、運転員10の手介が行なわれた場合に
は、制御指令発生部9より手介による操作、データ異常
判定部2より前記手介が行われた時点での実績データ、
及び特徴量演算部4より前記実績データについての特徴
が、推論修正部6に送られてくる。
【0024】推論修正部6では手介の原因を推論し、そ
の原因に対応している、しきい値記憶部5に記憶されて
いる判定用しきい値を修正する。また、しきい値記憶部
5のしきい値は、インターフェイス部8を通して運転員
10が直接修正することも可能な構成となっている。
【0025】本実施形態における動作の流れの概略を、
図2のフローチャートを参照して説明する。
【0026】最初、圧延機システム1の状態計測部1-
3において圧延状態を計測し(AS1)、当該計測した
実績データ自体が異常かどうかを判定する(AS2)。
AS2において、データ自体が異常と判定された場合、
その異常に関する情報(計測装置の異常など)を運転員
10に提示し(AS3)、AS1に戻って圧延状態の計
測を続ける(AS5)。一方、AS2においてデータ自
体が正常であると判定された場合は、モデル部3が計測
された正常な実績データを用いて、モデルによる圧延状
態の推定を行なう(AS4)。
【0027】AS4で圧延状態の推定を行なった後は、
実績データとモデルによる推定値とを用いて、現在の圧
延状態を認識するために特徴量を演算する(AS6)。
そして、演算された特徴量と、各データに関して予め記
憶されている、しきい値(張力変動幅のしきい値、先進
率のしきい値等)及び異常判定ルールとを用いて、圧延
異常か否かを判定する(AS7)。
【0028】AS7において異常と判定された場合は、
各種の異常内容に対応して設定されている異常時の処理
ルールをルール記憶部7-3から検索する(AS8)。
このとき、判定された異常内容に対応する異常処理ルー
ルがルール記憶部7-3にない場合は、その旨を運転員
に提示し(AS10)、AS1に戻って圧延状態の計測
を続ける(AS12)。一方、ルール記憶部7-3に対
応するルールが存在する場合、そのルールに従って処理
を実行し(AS8)、その後はAS1に戻って圧延状態
の計測を続ける(AS13)。以上の動作を行ないなが
ら異常判定と異常に対する処理を行なう。
【0029】AS7において正常と判定された場合、す
なわち適合する異常判定ルールが存在しない場合には、
さらに、運転員10による手介が行なわれたかどうかを
判定する(AS9)。ここで、手介が行なわれていなけ
れば、AS1に戻って圧延状態の計測を続ける(AS1
5)。一方、手介が行なわれていれば、実績データ及び
モデル推定値の特徴量とルール記憶部7-3に記憶され
ているルールとを用いて、手介が行なわれた原因を推定
する(AS14)。
【0030】AS14で推定した原因に対応する状態の
しきい値の変更量を実績データのレベルを利用して決定
し(AS16)、AS14において推定された原因を運
転員に提示して知らせる(AS17)。AS17におい
て提示した結果、運転員10によるしきい値変更が行な
われたかどうかを判定する(AS18)。
【0031】AS18において運転員によるしきい値変
更等がない場合、すなわち推定された原因が間違いでは
ないことが運転員10に承認された場合には、AS14
で推定した原因に対して、AS16で決定した修正量だ
け、対応するしきい値の変更を行ない(AS19)、A
S1に戻って圧延状態の計測を続ける(AS21)。ま
た、運転員によるしきい値変更がある場合は、運転員の
指令どおりにしきい値を変更し(AS20)、AS1に
戻って圧延状態の計測を続ける(AS5)。
【0032】次に、本実施形態の装置の要部であるデー
タ異常判定部2の内部詳細図の一例を図3を参照して説
明する。
【0033】データ異常判定部2は、遅延器201-1
〜201-n、平均値計算部202、レベル制限値記憶
部206、比較判定部207、遅延器209、変化値演
算部203、比較判定部204、変化量制限値記憶部2
05、及び判断部208から構成されている。
【0034】状態計測部1-3で計測された実績データ
は、先ず、遅延部201-1〜201-nにより遅延さ
れ、平均値計算部202で実績データのnサンプル分の
平均値が計算される。この平均値は、比較判定部207
において、レベル制限値記憶部206に記憶されてい
る、実績データの種別毎に予め設定されたレベル制限値
と比較され、当該計測された実績データが異常かどうか
の判定が行なわれる。
【0035】平均値計算部202で計算された平均値
は、遅延部209で遅延され、変化値演算部203で平
均値の変化量が計算される。計算された変化量は、比較
判定部204において、計測された実績データの種別毎
に予め設定され、変化量制限値記憶部205に記憶され
ている変化量制限値と比較され、当該計測された実績デ
ータが異常かどうかの判定が行なわれる。比較判定部2
04、207の判定結果は、判断部208に送られる。
判断部208ではレベル異常、変化量異常のどちらかで
も異常と判断された場合にはデータ異常であると判断す
る。
【0036】図3のデータ異常判定部3の概略動作の流
れの一例を、図4のフローチャートを参照して説明す
る。
【0037】最初、状態計測部1-3によって圧延状態
に関する所定の物理量(以下、圧延状態量と略称する)
を計測し(BS1)、この計測された圧延状態量のデー
タ(実績データ)から、設定された時間内での平均値を
計算する(BS2)。次に、平均値が計算された圧延状
態量に対応するレベル制限値をレベル制限値記憶部20
6から取り出し(BS3)、当該圧延状態量の平均値と
対応するレベル制限値との比較からデータの異常を判定
する(BS4)。より具体的には、例えば前記圧延状態
量の平均値が前記レベル制限値以上である場合には、前
記実績データが異常であるとみなし、前記状態量の平均
値が前記レベル制限値未満である場合には、正常とみな
す。
【0038】BS4で異常とみなされた場合には、その
旨を運転員10に提示し(BS5)、その後、BS1へ
戻る(BS6)。一方、BS4で正常とみなされる場合
には、BS2で計算した各実績データの平均値の変化量
を計算し(BS7)、この実績データの平均値の変化量
が計算された圧延状態量に対応した変化量制限値を変化
量制限値記憶部205から取り出し(BS8)、計算し
た各圧延状態量の実績データの平均値の変化量と前記変
化量制限値とを比較して、データの異常を判定する(B
S9)。
【0039】BS9で各状態量の実績値の平均値の変化
量が前記変化量制限値以上である場合、データ変化量の
異常としてデータの異常と判定し、この判定結果を運転
員に提示し(BS10)、BS1へ戻る(BS11)。
また、BS9で正常と判定された場合は、当該実績デー
タを圧延状態を適正に反映している、正常データである
として、後述する各部へ送ると共に、BS1へ戻り、上
記処理を繰り返す(BS12)。
【0040】なお、データ異常判定部2から実績データ
を出力する際には、異常であると判定されたデータにつ
いては全く出力しないようにするか、あるいは、異常で
ある旨を示すラベルをデータに貼付け、正常データと区
別がつくようにして出力するものとする。
【0041】次に、異常判定・処理実行部7の内部詳細
構成の一例、及び異常判定・処理実行部7と特徴量演算
部4との関係について、図5を参照して説明する。
【0042】特徴量演算部4は、偏差算出・データ記憶
部4-1と特徴抽出部4-2とから構成される。偏差算出
・データ記憶部4-1は、データ異常判定部2で正常と
判定された実績データと、当該実績データに対応するモ
デル部3での推定データとを記憶すると共に、前記実績
データ及び推定データのうち、予め定められている特定
の圧延状態量について計測された実績データと、当該実
績データに対応する推定データとを用いて両者の偏差を
求め、この偏差データを記憶する。
【0043】特徴抽出部4-2は、データ記憶部4-1に
記憶された実績データ、推定データ、及び偏差データを
用いて、各データにおける特徴量を求める。特徴量演算
部4で求められた各特徴量は、異常判定・処理実行部7
に入力される。
【0044】異常判定・処理実行部7において、前記特
徴量と各圧延状態量に対応したしきい値は、異常判定部
7-1へ入力され、異常判定が行われる。ルール記憶部
7-3には、異常判定を決定するための知識(ルール)
が記憶されており、異常処理部7-2では、異常時に対
する制御処理を決定する。
【0045】異常判定部7-1は、例えば、しきい値判
定部7-1-1、状態認識部7-1-2、及び判定部7-1-
3を備えている。しきい値判定部7-1-1は、入力され
た特徴量毎に、当該特徴量と、それに対応して、しきい
値記憶部5に記憶されているしきい値の大きさとの比較
を行なう。
【0046】例えば、圧延機システム1の圧延状態を反
映している状態量の1つが張力であり、この張力の特徴
量として振動現象が求められており、その特徴量のしき
い値としての振幅の大きさがftとする。この場合、し
きい値判定部7-1-1では、「実績の張力振動の振幅が
ftより大きい」あるいは「実績の張力振動の振幅がf
tより小さい」と大小比較が行なわれる。このしきい値
判定部7-1-1の判定結果、及び特徴量演算部4で求め
た特徴量は、それぞれ、状態認識部7-1-2に記憶され
る。
【0047】本実施形態では、状態認識部7-1-2に記
憶される特徴量としきい値判定結果とが異常判定のため
の前件部となり、この前件部に対応するルールをルール
記憶部7-3より取り出して、判定部7-1-3でルール
の適合を求めて、異常の内容を推論する。
【0048】例えば、上記の張力に関する例では、特徴
量演算部4で「振動状態」という特徴量が得られ、その
しきい値判定結果は「張力振幅値はしきい値より大き
い」、「張力振動周波数がしきい値より大きい」と判定
されたとする。このとき、状態認識部7-1-2では、
「張力:振動現象(振幅:しきい値より大、周波数:し
きい値より大)」と圧延状態の認識をする。
【0049】このような場合、判定部7-1-3では、ル
ールの前件部が認識した状態「張力:振動現象(振幅:
しきい値より大、周波数:しきい値より大)」と適合す
る異常判定ルールを、ルール記憶部7-3から取り出し
て異常の判定を行なう。例えば、ルール記憶部7-3
に、次のようなルールが存在する場合、 「IF 張力が振動かつその振幅がしきい値より大かつ
その周波数がしきい値より大 THEN スリップが生
じている可能性大」 判定部7-1-3では、現在の圧延状態ではスリップ現象
が起こっている可能性ありと判定する。
【0050】次に、図5に示した特徴量演算部4と異常
判定部7-1とにおける処理の流れを、図6のフローチ
ャートを参照して説明する。なお、本処理は、図2のフ
ローチャートの処理AS6及びAS7に対応する処理で
ある。
【0051】最初、偏差算出・データ記憶部4-1にお
いて、データ異常判定部2で正常と判定された実績デー
タと、モデル部3からの推定データとを取得する(CS
1)。さらに、これら実績データとモデル推定データと
の偏差を、予め定めた状態量に関して求めるとと共に、
当該求められた偏差と前記両データとをデータ記憶部4
-1にそれぞれ記憶する(CS2)。
【0052】次に、偏差算出・データ記憶部4-1に記
憶されたデータ群から各状態量毎にデータを取り出し
(CS3)、各状態量毎について予め定められている各
種の特徴量を前記取り出したデータから計算する(CS
4)。ここで、状態量とは実績荷重や推定先進率のこと
を指す。また、データとは状態量に対応するものであ
り、実際に測定された実績データ、実績データから推定
された推定データ、および両者の偏差データのいずれを
用いても構わない。
【0053】次に、前記計算された特徴量に対応して設
定されているしきい値をしきい値記憶部5から取り出し
(CS5)、当該しきい値と前記特徴量との比較を行な
う(CS6)。CS4で計算した特徴量、及びCS6で
計算した当該特徴量に対応するしきい値との比較結果を
用いて、圧延データの状態を記述し、記憶する(CS
7)。以上の手順を、残っているデータに対して繰り返
し行なう(CS8)。
【0054】偏差算出・データ記憶部4-1に記憶され
ている全状態量に関して行なった結果が、圧延機システ
ム1の現在の圧延状態の記述結果となり、その結果を圧
延状態の異常判定のための前件部(条件部)とする。そ
して、異常判定のためのルールをルール記憶部7-3か
ら取り出し(CS9)、取り出したルールの前件部とC
S7で記述してきた圧延状態の認識結果との比較を行な
う(CS10)。
【0055】ここで、ルールの前件部と圧延状態の認識
結果が適合した場合には、判定結果を異常処理部7-2
に送る(図2のAS8)と共に、異常内容を運転員に提
示する(図2のAS10)。また、適合しない場合は、
次の異常判定ルールを取り出して(CS11)、CS1
0の処理をルールがなくなるまで繰り返し行なう。
【0056】CS11において、取り出すルールがなく
なった場合には、圧延状態は正常であると判定して、図
2のAS9へ進む。
【0057】なお、本実施形態では、上記処理CS4〜
CS7は、偏差算出・データ記憶部4-1に記憶されて
いる全ての状態量に対して行うものとしているが、本発
明においては必ずしもすべての状態量を使用する必要は
なく、一部の状態量についてだけ特徴量を抽出し、この
抽出された特徴量を用いて圧延状態を認識する構成とし
ても良い。
【0058】次に、図5に示した特徴量演算部4におけ
る特徴抽出部4-2の内部詳細例、及び偏差算出・デー
タ記憶部4-1との関係を、図7を参照して説明する。
【0059】最初、特徴抽出部4-2の内部詳細例につ
いて説明する。特徴抽出部4-2は、データ系列作成部
4-2-1、特徴基本群記憶部4-2-2、データ系列適合
判定部4-2-3、最大・最小値計算部4-2-4、平均値
計算部4-2-5、及び特徴記憶部4-2-6を有してい
る。
【0060】データ異常判定部2で正常と判定された実
績データ、モデル部3で推定された推定データ、及び両
者の偏差データは、偏差算出・データ記憶部4-1にデ
ータ群としてそれぞれ記憶されている。これらの偏差算
出・データ記憶部4-1のデータは、計測あるいは推定
された時間順に対応するように、特徴抽出部4-2のデ
ータ系列作成部4-2-1に順次入力される。
【0061】データ系列作成部4-2-1は、順番に入力
されるデータからデータ系列(ベクトル値)を生成する
ための複数の遅延要素4-2-1aと、生成されたデータ
系列を記憶するデータ系列記憶部4-2-1bとを有して
おり、圧延機システム1の圧延状態を表す各種の圧延状
態量毎にデータ系列をそれぞれ生成して記憶する。
【0062】データ系列作成部4-2-1で作成されたベ
クトル形式のデータ系列は、最大・最小値計算部4-2-
4及び平均値計算部4-2-5へ送られ、作成されたデー
タ系列(ベクトル値)の最大値及び最小値、及び当該デ
ータ系列の平均値が、特徴量としてそれぞれ計算され
る。例えば、モデルを用いて推定した先進率について、
その最大値はfmax、最小値はfmin、平均値はfaveで
あり、実績荷重について、その最大値はPmax、最小値
はPmin、平均値はPaveである等、各状態量に応じて計
算される。
【0063】データ系列作成部4-2-1で作成されたベ
クトル形式のデータ系列は、また、データ系列適合判定
部4-2-3に入力される。データ系列適合判定部4-2-
3では、特徴基本群記憶部4-2-2に記憶されている時
系列信号の特徴に対応した基本系列4-2-2bと比較さ
れ、当該データ系列と適合する基本系列4-2-2bに対
応する特徴4-2-2aが特定される。例えば、モデルに
よる推定先進率が減少している場合、特徴基本群記憶部
4-2-2の中の「単純下降傾向」という特徴が先進率に
ついて判定される。
【0064】データ系列適合判定部4-2-3で判定され
た定性的な特徴と、最大・最小値計算部4-2-4と平均
値計算部4-2-5とで計算された定量的な特徴とは、当
該データ系列の状態量の名称と共に、特徴記憶部4-2-
6に記憶される。例えば、「先進率」という状態量に関
しては「最大値:fmax、最小値:fmin、平均値:fav
e、特徴:単純下降傾向」等のように現在の圧延状態が
記憶される。
【0065】次に、図7に示した特徴抽出部4-2での
特徴抽出処理の流れを、図8のフローチャートを参照し
て説明する。本処理は、図6のCS3及びCS4に対応
する処理の一例であり、図6で状態量が取り出される毎
に実行されるものである。
【0066】本処理では、偏差算出・データ記憶部4-
1に記憶されているデータのうち、選択された状態量に
対応する、所定のサンプリング周期毎に計測された実績
データ、あるいは前記実績データとモデルとを用いてモ
デル部3により推定された推定データが取得され、デー
タ系列作成部4-2-1に入力される(DS1)。ここ
で、取得されるデータの個数は、特徴量の算出を行うべ
き期間に対応するように決定されるものとする。データ
系列作成部4-2-1では、前記取得されたデータを用い
て、ベクトル形態のデータ系列を作成する(DS2)。
【0067】本実施形態では、データ系列の生成は、所
定数のデータが入力される毎に行うものとするが、新た
な実績データが計測される毎に、その実績データを用い
てデータ系列を生成する構成としても構わない。
【0068】次に、データ系列適合判定部4-2-3は、
特徴基本群記憶部4-2-2に記憶されている、最初の特
徴4-2-2aに対応する基本系列4-2-2bを取り出し
(DS3)、DS3で取り出した基本系列4-2-2bと
DS2で作成されたデータ系列との波形の適合度を計算
する(DS7)。適合度の計算方法としては、例えば、
DS2で作成したデータ系列を正規化し、その正規化し
たデータ系列と基本系列4-2-2bとの各データ点の偏
差の二乗和の逆数を用いる方法がある。
【0069】データ系列適合判定部4-2-3では、さら
に、DS7で計算された適合度を予め設定した判定値と
比較することで、特徴基本群記憶部4-2-2から取り出
した基本系列4-2-2bとデータ系列とが適合するかを
判定する(DS8)。DS8で不適合と判定された場合
は、特徴基本群記憶部4-2-2に記憶されている次の特
徴に対応する基本系列4-2-2bを取り出し(DS1
0)、適合した場合は当該基本系列4-2-2bに対応す
る特徴4-2-2aを特徴基本群記憶部4-2-2から取り
出し、当該特徴4-2-2aをデータ系列の定性的な特
徴、すなわち当該状態量の特徴量の1つとして特徴記憶
部4-2-6に記憶する(DS9)。
【0070】特徴記憶部4-2-6に前記特徴4-2-2a
を記憶した後は、同様に、特徴基本群記憶部4-2-2に
記憶されている次の特徴4-2-2aに対応する基本系列
4-2-2bを取り出す(DS10)。DS10で特徴基
本群記憶部4-2-2に記憶されている次の特徴がある場
合にはDS7へ戻り、次の特徴がない場合は本処理を終
了する。
【0071】一方、DS2で作成されたデータ系列は、
そのデータ系列中の最大値と最小値の計算(DS4)と
データの平均値の計算(DS5)が、それぞれ最大・最
小計算部4-2-4と平均値計算部4-2-5とで行なわれ
る。そして、DS4、DS5で計算されたデータ系列の
定量的な特徴も、当該状態量の特徴量の1つとして特徴
記憶部4-2-6に記憶される(DS6)。
【0072】以上のようにして、特徴抽出部4-2で
は、予め設定した特徴量の計算期間における定性的及び
定量的な特徴量が、各状態量毎に抽出される。
【0073】次に、異常判定・処理実行部7の異常判定
部7-1の内部詳細を、図9を参照して説明する。
【0074】異常判定部7-1は、しきい値判定部7-1
-1、状態認識部7-1-2、及び判定部7-1-3を備え
ている。異常判定部7-1において、特徴抽出部4-2で
計算された各状態量(板厚、張力、先進率等)について
の定量的特徴量(平均値、最大・最小値)は、しきい値
判定部7-1-1に入力される。しきい値判定部7-1-1
には、さらに、しきい値記憶部5に記憶されている各状
態量の特徴量に対応して設定されているしきい値も入力
される。
【0075】しきい値判定部7-1-1では、入力された
特徴量のうちの定量的な特徴量としきい値記憶部5のし
きい値とを比較して、現在の定量的な特徴量がしきい値
を越えているか、あるいは、しきい値を下回っているか
を判定する。しきい値判定部7-1-1で判定された結果
と、特徴抽出部4-2からの定性的な特徴量とは、状態
認識部7-1-2に入力される。
【0076】状態認識部7-1-2は、メモリなどで構成
される記憶部を備えており、前記入力された特徴量から
現在の圧延状態を判定するための前件部を作成すると共
に、当該作成した前件部を当該記憶部に記憶する。
【0077】例えば、図9に示す場合には、先進率
(f)という状態量に関しては、定性的な特徴量とし
て、先進率が単純に減少しているという特徴である「単
純下降」と特徴抽出部4-2で判断し、特徴抽出部4-2
での定量的特徴である最小値(fmin)がしきい値判定部
7-1-1でしきい値(εf)より小さいと判断されてい
る。さらに、図9の場合には、状態認識部7-1-2が、
先進率に関する状態として、「先進率:単純下降、しき
い値以下」、張力に関する状態として「張力:振動現
象、しきい値以上」、荷重に関する状態として「荷重偏
差:一定、しきい値以下」という状態を認識しているこ
とを示している。
【0078】状態認識部7-1-2で認識された現在の圧
延状態は、判定部7-1-3に入力される。判定部7-1-
3では、ルール記憶部7-3に記憶されている異常状態
を判定するためのルールが取り出され、状態認識部7-
1-2から送られてきた圧延状態がルール記憶部7の判
定ルールの前件部と適合するルールが検索される。
【0079】例えば、上述の圧延状態であるとすると、
「IF 先進率低下 しきい値以下 and 荷重一定 and
張力振動 ・・・、TEHN スリップによる異常の可能
性が大」というルールが検索される。ここでルールが検
索されると、判定部7-1-3は、前記検索された後件部
の異常内容を異常処理部7-2へ出力する。上述の例で
は、「スリップ異常」という異常内容が出力される。
【0080】次に、異常処理部7-2では、ルール記憶
部7-3に前記異常を判定するためのルールに対応して
予め設定されている異常処理ルール(図示せず)を取り
出し、入力された異常内容に適合したルールを取り出
し、前記検索された異常に対する処理を行なう。例え
ば、上述の例では、「IF スリップ異常 TEHN 目標値
を変更」というルールが選択される。
【0081】次に、上記図9で述べた異常判定部7-1
における処理の流れを、図10のフローチャートを参照
して説明する。なお、本処理は上記図6のCS4〜CS
11に対応するものである。
【0082】本処理においては最初、状態量(先進率、
実績荷重等)の1つに関して特徴抽出部4-2で演算し
た特徴量を取り出す(FS1)。さらに、前記取り出し
た特徴量のうち、定量的な特徴量である最大値、最小
値、平均値に対応するしきい値をしきい値記憶部5から
取り出す(FS2)。
【0083】次に、FS2で取り出した前記しきい値と
FS1で取り出した定量的な特徴量のそれぞれとの大き
さを比較する(FS3)。そして、特徴抽出部4-2か
ら得た定性的な特徴量(例えば単純下降傾向等の時系列
的特徴)と、しきい値判定の結果(例えば「先進率の最
小値がしきい値以下の値になっている」)とを、現時点
での圧延状態を反映する状態量に関する記述として、状
態認識部7-1-2に記憶する(FS4)。
【0084】さらに、圧延状態を示す状態量が他のある
かどうか判定し(FS5)、別の状態量がある場合は、
上記FS1からFS4の動作を繰り返す。また、別の状
態量が存在しない場合は、そこで圧延状態の記述に関す
る処理は終了となり、次の処理へ進む。
【0085】次に、ルール記憶部7-3から異常判定の
ためのルールを取り出す(FS6)。そして、取り出し
たルールの前件部の圧延状態の条件と、上述したステッ
プで作成された圧延状態の記述とを比較し、当該圧延機
システム1の圧延状態が前記条件に適合するかを判定す
る(FS7)。FS7で、ルール記憶部7-3から取り
出したルールの前件部と、上述したステップで作成され
た圧延状態が適合しない場合は、FS6に戻って次のル
ールを取り出す。一方、適合した場合はそのルールの後
件部の異常内容を取り出し、この取り出した異常内容が
現在の圧延異常の内容であると判定する。
【0086】次に、上記図1の推論修正部6の内部詳細
と、推論修正部6、インターフェイス部8、ルール記憶
部7-3、及びしきい値記憶部5の関係を、図11を参
照して説明する。
【0087】推論修正部6は、例えば図11に示すよう
に、手介良否判定部601、手介原因推論部602、し
きい値異常推論部603、及びしきい値修正部604を
備えている。なお、インターフェース部8は、異常原因
等を表示する表示部8-1と、しきい値の修正などに関
する運転員10からの指令を受け付ける入力部8-2と
を有する。
【0088】運転員10による手介動作が行われると、
制御指令発生装置9から手介を知らせる信号が、推論修
正部6の手介良否判定部601に入力される。また、手
介良否判定部601には、データ異常判定部2から正常
である判定され出力された実績データが順次入力されて
おり、入力された手介信号と手介前後の実績データか
ら、当該手介自体が圧延状態の改善について有効であっ
たかどうかを判定する。
【0089】有効であったかどうかの判定の方法として
は、例えば、手介前の制御精度と手介後の制御精度とを
比較して制御精度が悪化していなければ、この手介は有
効な(良い)手介であると判断する方法がある。この方
法の詳細に関しては後で述べる。なお、ここでの制御精
度とは、予め設定されている圧延機1-1での目標値と
実績値との偏差の大きさにより判定されるものとする。
【0090】手介良否判定部601で良い手介と判断さ
れると、手介原因推論部602において、実際に行なわ
れた手介内容とルール記憶部7-3に記憶されている異
常処理ルールとを用いて、手介原因の異常内容を推論す
る。例えば、手介動作として、運転員があるスタンドで
の目標値を変更した場合を考える。この場合に対応する
ルールとしては、「IF スリップ異常 TEHN 目標値変
更」、あるいは「IF AGC制御リミット 飽和 TEHN
目標値変更」等のルールが選択される。
【0091】手介原因推論部602で手介原因の異常内
容が推論されると、その異常内容はインターフェイス部
8の表示部8-1により運転員10に提示されると共
に、同時にしきい値異常推論部603にも入力される。
しきい値異常推論部603では、ルール記憶部7-3か
ら異常判定ルールを取り出し、その異常ルールの後件部
と入力された異常内容が適合するルールと取り出す。
【0092】例えば、上述した例のうち、「IF スリッ
プ異常 TEHN 目標値変更」の場合は、「IF 先進率低
下 しきい値以下 and 荷重一定 and 張力振動 ・
・・、TEHN スリップによる異常の可能性が大」という
ルールが取り出され、「IF AGC制御リミット飽和
TEHN 目標値変更」の場合は、「IF 操作量 しきい値
以上 and 板厚偏差 上昇傾向 しきい値以上 and張
力偏差 しきい値以上 ・・・、 TEHN AGC制御リ
ミット飽和の可能性が大」というルールが取り出され
る。そして、そのルールの前件部の状態と特徴量演算部
4から送られてくる現在の圧延状態とを比較し、前件部
の条件がより適合するルールを選択する。上述の例で
は、「IF 先進率低下 しきい値以下 and 荷重一定
and 張力振動 ・・・、 TEHN スリップによる異
常の可能性が大」が適合の度合いが高いとする。
【0093】次に、そのルールの前件部の条件に含まれ
る状態量のうち、現在の圧延状態と合わない状態量を選
択し、その状態量に対応するしきい値を修正すべきしき
い値であると推論する。例えば、上述の例では、「推定
先進率:しきい値以下」の条件だけが適合していないと
すると、先進率のしきい値が修正すべきであると判定す
る。
【0094】しきい値異常推論部603で異常と推論さ
れた状態量に対するしきい値は、インターフェイス部8
の表示部8-1を介して運転員10に提示される。ま
た、この異常と推論された状態量に対するしきい値は、
しきい値修正部604にも入力される。しきい値修正部
604では、しきい値記憶部5に記憶されている、対応
するしきい値を、現時点での実績データに基づいて修正
する。
【0095】より具体的には、例えば、その時点におけ
る実績データから、前記修正すべきしきい値に対応する
状態量の特徴量の値を求め、これを新たなしきい値とす
る。また、しきい値の修正に関してはインターフェイス
部8の入力部8-2を介して運転員10が直接変更する
こともできる構成を備えている。
【0096】次に、上記図11に示した推論修正部6の
内部の動作の流れを、図12のフローチャートを参照し
て説明する。本実施形態において推論修正部6は、手介
動作が行なわれたことをトリガーとして動作するもの
で、図2のAS9以降の処理に対応する。
【0097】手介良否判定部601は、通常状態では、
データ異常判定部2を通して送られてくる実績データを
取得しながら(ES1)、現時点を中心としてその前後
の所定時間内に計測された実績データを常に記憶してお
く。例えば、計測された実績データを一時的に記憶し、
ある時間過ぎると順に消去する構成とする。
【0098】手介動作が制御指令発生装置9を介して行
われたことが計測されると(ES2)、当該手介動作の
前後の実績データは、手介時のデータとして後述する処
理のために保持される(ES3)。
【0099】手介良否判定部601は、さらに、ES3
で保持された手介時の前後の実績データ群を比較し、手
介が行なわれたことにより、圧延状態及び制御精度が悪
化していないかを判断する(ES4)。ここで、手介が
行われた結果、制御精度が悪化したと判断されると、し
きい値の修正は行なわれずに、再び手介が行なわれるこ
とを待ちながら計測が続けられる(ES1)。
【0100】一方、手介によって圧延状態及び制御精度
が悪化していないと判断されると、その手介は良い手介
と判断される。良い手介と判断されると、手介原因推論
部602は、ルール記憶部7-3に記憶されている異常
時の処理ルールを検索して、そのルールの後件部の処理
ルールと実際の手介の内容が適合するルールを取り出
し、その前件部に対応する異常内容を手介が行なわれた
原因として推論する(ES5)。ここで、推論された結
果は運転員10に提示される(ES6)。
【0101】次に、しきい値異常推論部603は、ルー
ル記憶部7-3から異常判定ルールを取り出し、その後
件部の異常内容とES5で推論された異常内容と最も適
合したルールを選択し、そのルールの前件部と現在の状
態を比較し、ルールの前件部と現状の圧延状態のうち合
わない状態量のしきい値を修正すべきしきい値として選
択する(ES7)。この選択されたしきい値も運転員に
提示する(ES8)。
【0102】次に、修正すべきしきい値の修正を実際に
行なう前に、運転員10が直接しきい値を修正するかど
うかを判定し(ES9)、運転員10によるしきい値修
正が行なわれる場合には、推論した修正すべきしきい値
の修正は行なわずに、運転員によるしきい値修正のみが
採用される(ES11、ES12)。
【0103】また、運転員10によるしきい値修正が行
なわれない場合は、しきい値修正部604は、推論で判
定した修正すべきしきい値を、現状の判定結果に合うよ
うに修正するために、手介時の実績データから修正すべ
きしきい値に対応する状態量あるいは特徴量の値を逆算
し、これを新たなしきい値とする(ES10)。
【0104】以上の手順により、行われる手介を参考と
して、異常判定に使用されてきたしきい値を、圧延機1
-1の現在の状態により合ったしきい値に修正すること
ができる。
【0105】次に、推論修正部6の内部の手介良否判定
部601の内部詳細の一例を、図13を参照して説明す
る。
【0106】手介良否判定部601は、データ記憶部6
01-4、手介前実績データ評価部601-1、手介後実
績データ評価部601-2、及び判定部601-3を有し
ている。推論修正部6における手介原因推論やしきい値
修正処理は、手介時のみ行われるものであり、この手介
の有無は制御指令発生部9が判断する。
【0107】手介良否判断部601は、データ異常判定
部2において正常と判定された、手介前後の実績データ
及び手介時の実績データを取り込み、データ記憶部60
1-4に記憶する。記憶された手介前後の実績データの
うち手介前のデータは手介前実績データ評価部601-
1に、手介後のデータは手介後実績データ評価部601
-2に入力され、それぞれのデータに基づいて手介前と
手介後とでの制御精度を計算する。より具体的には、予
め設定されている目標値と実績データとの偏差の時間積
分や、当該偏差の時間平均値等を、制御精度を示すデー
タとして計算する。
【0108】手介前実績データ評価部601-1及び手
介後実績データ評価部601-2で計算された演算結果
は、判定部601-3に送られ、手介前と手介後の制御
精度を比較して、手介後に制御精度が悪化していないか
どうかを判定する。判定部601-3では、制御精度が
悪化していない場合、当該手介自体は良い手介であると
判断して、手介原因推論部602に手介内容等を送る。
【0109】以上説明したように、本発明の上記実施形
態では、圧延機1-1において計測された圧延状態に関
する実績データのうち、データ異常判定部2によりデー
タ自体の異常を判定することにより、圧延状態を正確に
反映している実績データだけを収集し、当該正常と判定
された実績データ、及びモデル部3で推定された推定デ
ータから、圧延機1-1での圧延状態を予測・推定す
る。
【0110】本実施形態では、さらに、前記実績データ
とモデルの推定値とから、特徴量演算部4が圧延機1-
1の圧延状態を記述するための特徴量を演算し、当該特
徴量としきい値記憶部5に記憶されている各特徴量に対
応したしきい値とから、異常判定・処理実行部7が圧延
状態の異常を判定する。
【0111】本実施形態では、さらに、異常と判定され
た場合、異常判定・処理実行部7がそれに対応する処理
を実行すると共に、インターフェイス部8によりその判
定結果と処理内容を運転員に表示する。また、異常判定
・処理実行部7で異常と判定されない場合でも、運転員
の手介が生じた場合には、推論修正部6において、その
手介信号と特徴量演算部4の演算した特徴量と異常判定
・処理実行部7の異常判定ルールとを用いて、修正すべ
き特徴量のしきい値を推論し、その推論結果を利用し
て、しきい値記憶部5に記憶されているしきい値を修正
するか、あるいは、上記推論結果を運転員にインターフ
ェイス部8で提示し、場合によっては運転員によるイン
ターフェイス部8を通して直接のしきい値修正指示を受
け付ける。
【0112】よって、本実施形態によれば、圧延機1-
1の経年変化、材料変化、操業変化により、圧延状態が
変化した場合でも、その変化した圧延状態により適合す
るように、異常判定に用いるしきい値を変更することが
でき、その結果、圧延状態の変化に対応した異常の判定
及び異常現象に対する制御処理を実行することができる
という効果がある。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、運転員の手介動作を参
考とすることにより、経年変化、材料変化、操業変化等
により圧延機システムでの圧延状態が変化した場合で
も、当該変化した圧延状態に対応して異常判定の判定基
準を調整することができると共に、当該調整された判定
基準を使用して異常現象を判定し、当該判定された異常
現象に対してより適切な処理を実現できる圧延機の異常
判定制御装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態での装置構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の一実施形態における処理の流れの概略
を示すフローチャートである。
【図3】図1の装置の要部であるデータ異常判定部の構
成例を示すブロック図である。
【図4】図1の装置の要部であるデータ異常判定部での
処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1の装置の要部である異常判定・処理実行部
と特徴量演算部との構成例を示すブロック図である。
【図6】図1の装置の要部である異常判定・処理実行部
及び特徴量演算部での処理の流れを示すフローチャート
である。
【図7】図1の装置の要部である特徴抽出部の構成例を
示すブロック図である。
【図8】図1の装置の要部である特徴抽出部での処理の
流れを示すフローチャートである。
【図9】図1の装置の要部である異常判定部の構成例を
示すブロック図である。
【図10】図1の装置の要部である異常判定部での処理
の流れを示すフローチャートである。
【図11】図1の装置の要部である推論修正部の構成例
を示すブロック図である。
【図12】図1の装置の要部である推論修正部での処理
の流れを示すフローチャートである。
【図13】図1の装置の要部である手介良否判定部の構
成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・圧延機システム、2・・・データ異常判定部、
3・・・モデル部、4・・・特徴量演算部、5・・・し
きい値記憶部、6・・・推論修正部、7・・・異常判定
・処理実行部、8・・・インターフェイス部、9・・・
制御指令発生部、4-1・・・偏差算出・データ記憶
部、4-2・・・特徴抽出部、7-1・・・異常判定部、
7-2・・・異常処理部、7-3・・・ルール記憶部、7
-1-1・・・しきい値判定部、7-1-2・・・状態認識
部、7-1-3・・・判定部、601・・・手介良否判定
部、602・・・手介原因推論部、603・・・しきい
値異常推論部、604・・・しきい値修正部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 隆 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 諸岡 泰男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 斉藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 服部 哲 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 片山 恭紀 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 渡引 高重 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 広畑 和宏 岡山県倉敷市水島川崎通1番地 川崎製鉄 株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 黒田 茂 岡山県倉敷市水島川崎通1番地 川崎製鉄 株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 土田 尚史 岡山県倉敷市水島川崎通1番地 川崎製鉄 株式会社水島製鉄所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延機と、前記圧延機の圧延状態を変更さ
    せる制御部と、前記圧延状態を計測する状態計測部とを
    備える圧延機システムにおける圧延状態の異常判定を行
    うと共に、当該異常判定結果に応じて前記制御部を制御
    する異常判定制御装置において、 前記状態計測部で計測されたデータから、前記圧延状態
    を記述する特徴量の値を求める特徴量演算手段と、 前記特徴量について設定されている、異常判定のための
    しきい値を記憶するしきい値記憶手段と、 前記求められた特徴量と前記記憶されているしきい値と
    から、圧延状態が異常であるかを判定する異常判定手段
    と、 異常と判定された場合には、その時点での圧延状態に応
    じて決定した制御処理を実行させるための制御指令を前
    記制御部へ送る異常処理手段と、 運転員の手介による前記制御部への指示を受け付ける手
    介受付手段と、 前記異常判定手段により異常ではないと判定され、か
    つ、手介を受け付けた場合には、当該手介による指示内
    容から当該手介が行われた原因を推定し、当該推定され
    た原因に応じて前記しきい値記憶手段に記憶されている
    しきい値を修正する修正手段とを有することを特徴とす
    る圧延機の異常判定制御装置。
  2. 【請求項2】圧延機と、前記圧延機の圧延状態を変更さ
    せる制御部と、前記圧延状態を計測する状態計測部とを
    備える圧延機システムにおける圧延状態の異常判定を行
    うと共に、当該異常判定結果に応じて前記制御部を制御
    する異常判定制御装置において、 前記状態計測部で計測されたデータから、前記圧延状態
    を記述する複数種類の特徴量の値をそれぞれ求める特徴
    量演算手段と、 前記特徴量のそれぞれについて設定されている、異常判
    定のための複数のしきい値を記憶するしきい値記憶手段
    と、 前記求められた複数種類の特徴量と当該複数種類の特徴
    量に対応する複数のしきい値とから圧延状態を記述する
    状態認識手段と、 異常である圧延状態とその状態での前記状態認識手段に
    よる認識結果との対応関係を示す第1の関係と、前記異
    常である圧延状態とそれに対応する制御処理との関係を
    示す第2の関係とを記憶する状態関係記憶手段と、 前記状態認識手段による認識結果と前記状態関係記憶手
    段に記憶されている前記第1の関係とから、圧延状態が
    異常であるかを判定する異常判定手段と、 異常と判定された場合には、前記第2の関係を用いて、
    その時点での異常状態に対応する制御処理を決定し、当
    該決定した制御処理を実行させるための制御指令を前記
    制御部へ送る異常処理手段と、 運転員の手介による前記制御部への指示を受け付ける手
    介受付手段と、 前記異常判定手段により異常ではないと判定され、か
    つ、手介を受け付けた場合には、当該手介による指示内
    容、前記第2の関係、及びその時点での前記状態認識手
    段による認識結果から当該手介が行われた原因を推定
    し、当該推定された原因と前記第1の関係とから修正す
    べきしきい値とその修正量を決定し、前記しきい値記憶
    手段に記憶されている、該当するしきい値を修正する修
    正手段とを有することを特徴とする圧延機の異常判定制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記手介を行う運転員とのインターフェースを行う、表
    示部と入力部とを備えるインターフェース手段をさらに
    有し、 前記表示部は、前記修正手段によるしきい値の修正処理
    が実行される前に、当該修正手段により推定された原因
    を表示し、 前記入力部は、前記表示部による前記推定された原因の
    表示に対応して、前記しきい値修正処理にに関する運転
    員からの指示を受け付けることを特徴とする圧延機の異
    常判定処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記手介が行われた結果、圧延状態が改善されたかどう
    かを判定する手介良否判定手段をさらに備え、 前記修正手段は、前記手介良否判定手段により圧延状態
    が改善された場合にだけ、前記しきい値の修正処理を行
    うことを特徴とする圧延機の異常判定処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記手介良否判定手段は、 前記状態計測部により計測されたデータを順次取り込
    み、現時点を中心とする予め定めた時間幅の時系列デー
    タを記憶するデータ記憶部と、 手介が発生した時点に前記データ記憶部により記憶され
    ているデータのうち、当該手介前のデータと当該手介後
    のデータとから、それぞれのデータについて予め定めら
    れている目標値との偏差をそれぞれ求めるデータ評価部
    と、 前記手介後の偏差が、前記手介前の偏差よりも大きくな
    っていない場合には、当該手介は良い手介であると判定
    するデータ判定部とを有することを特徴とする圧延機の
    異常判定処理装置。
  6. 【請求項6】請求項2において、 前記状態計測部により計測されたデータとモデルとか
    ら、圧延状態を表現する1以上の物理量の値をそれぞれ
    推定するモデル推定手段をさらに有し、 前記特徴量演算手段は、前記状態計測部により計測され
    たデータ及び前記モデル推定手段により推定された推定
    結果のうち少なくとも一方の時系列データから、前記各
    特徴量を求めることを特徴とする圧延機の異常判定制御
    装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記特徴量演算手段は、前記時系列データにおける、定
    量的及び定性的な特徴のうち少なくとも一方を特徴量と
    して求めるものであり、 前記状態認識手段は、前記求められた特徴量及び当該特
    徴量について設定されているしきい値との比較結果を用
    いて、圧延状態を記述するものであることを特徴とする
    圧延機の異常判定制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記状態計測部で計測されたデータが正常であるかどう
    かを判定するデータ異常判定手段をさらに備え、 前記状態計測部で計測されたデータの代わりに、前記デ
    ータ異常判定手段で正常と判定されたデータを使用する
    ことを特徴とする圧延機の異常判定処理装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記データ異常判定部によりデータが異常であると判定
    された場合、当該判定結果を運転員に告知する告知手段
    をさらに備えることを特徴とする圧延機の異常判定処理
    装置。
  10. 【請求項10】圧延機と、前記圧延機の圧延状態を変更
    させる制御部と、前記圧延状態を計測する状態計測部と
    を備える圧延機システムにおける圧延状態の異常判定を
    行うと共に、当該異常判定結果に応じて前記制御部を制
    御する異常判定制御方法において、 前記状態計測部で計測されたデータから、前記圧延状態
    を記述する特徴量の値を求め、 前記求められた特徴量の値と、当該特徴量について予め
    設定されている異常判定のためのしきい値とから、圧延
    状態が異常であるかを判定し、 異常と判定された場合には、その時点での圧延状態に応
    じて決定した制御処理を実行させるための制御指令を前
    記制御部へ送り、 異常ではないと判定されたにも係らず、手介が行われた
    場合には、当該手介による指示内容から当該手介が行わ
    れた原因を推定し、当該推定された原因に応じて前記し
    きい値を修正することを特徴とする圧延機の異常判定制
    御方法。
  11. 【請求項11】圧延機と、前記圧延機の圧延状態を変更
    させる制御部と、前記圧延状態を計測する状態計測部と
    を備える圧延機システムにおける圧延状態の異常判定を
    行うと共に、当該異常判定結果に応じて前記制御部を制
    御する異常判定制御方法において、 前記状態計測部で計測されたデータから、前記圧延状態
    を記述する複数種類の特徴量の値をそれぞれ求め、 前記求められた複数種類の特徴量と、当該複数種類の特
    徴量のそれぞれに対応して予め設定されている異常判定
    用の複数のしきい値とから圧延状態を記述し、 異常であると判定すべき圧延状態とその状態についての
    認識結果との対応関係を示す、予め設定されている異常
    判定ルールを用いて、前記認識結果が示す圧延状態が異
    常であるかを判定し、 異常と判定された場合には、その時点での異常状態に応
    じて制御処理を決定し、当該決定した制御処理を実行さ
    せるための制御指令を前記制御部へ送り、 異常ではないと判定されたにも係らず、手介が行われた
    場合には、当該手介による指示内容及びその時点での圧
    延状態の認識結果から当該手介原因を推定し、当該推定
    した手介原因及び前記異常判定ルールから修正すべきし
    きい値とその修正量を決定して、該当するしきい値を修
    正することを特徴とする圧延機の異常判定制御方法。
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