JPH09322931A - オゾン濃度検出手段付き空気清浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の電源が停止しても装置内の残存オゾンを
を分解し、装置から放出しない安全なオゾン発生器付き
空気清浄装置を提供する。 【解決手段】オゾン濃度検出手段を特定の場所に設置さ
せることによってオゾンの検出精度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、作業空間、居住空
間など環境の塵埃、臭気、ガス、細菌の少なくとも１つ
を除去する空気清浄装置に関するものである。特に、オ
ゾンを利用して脱臭、除菌を行う装置において、安全に
オゾンを取扱うことのできる装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常の、オゾンを利用して脱臭、除菌を
行うオゾン発生器付き空気清浄装置は、例えば、実開平
２−２５０３５号公報に開示されている。この公知例に
は、オゾン発生器の下流側に脱臭チャンバを設け、送風
手段により、脱臭チャンバに臭気を含んだ空気とオゾン
発生器にて発生したオゾンを通過させ、空気の脱臭、除
菌を行う。しかし、オゾンは人体に対し有害であること
から、脱臭、除菌を行ったオゾンを含んだ空気をそのま
ま空気清浄装置外へ排気せず、オゾン分解フィルタなど
のオゾン分解手段によって、オゾンを分解した後に排気
する。図８は従来のオゾン発生器付き空気清浄装置の他
の例を示し、ファン１等の送風手段によって、空気吸込
口１０から悪臭成分を流入し、オゾン発生手段４にて発
生したオゾンとともに脱臭チャンバ５に送り込み、脱
臭、除菌を行う。脱臭チャンバ５内のオゾンはオゾン分
解手段３により分解され脱臭、除菌後の空気が空気排出
口９から排出されるよう構成されている。図９は図８の
従来のオゾン発生器付き空気清浄装置における制御を照
明する図である。制御回路１１は送風手段１、２の起
動、停止と、オゾン発生手段４の起動、停止を行う。オ
ゾン分解手段３はオゾン分解フィルタ等電源を必要とし
ないのでオゾンを含む空気を送風手段１、２によって通
過させるだけでオゾンは分解する。図１０に従来のオゾ
ン発生器付き空気清浄装置の運転フローチャートを示
す。運転が選択された場合、送風手段とオゾン発生手段
が同時にＯＮし、送風とオゾン発生が開始される。停止
を選択された場合、オゾン発生と送風が同時に停止する
よう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、オ
ゾン分解フィルターが埃の付着や、経年変化でオゾン分
解性能が低下すると、人体に有害なオゾンが排気口から
排出する。また、送風手段とオゾン発生手段が同時に停
止されると、オゾンが空気取入口へ逆流する恐れがあ
る。

【０００４】さらに、オゾン濃度検出手段を設ける場
合、送風手段とオゾン濃度検出手段の設置位置によって
はオゾン濃度検出値にばらつきが生じ、有害なオゾン濃
度を正確に測定出来ず、オゾンの排出を阻止することが
できない場合がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、本発明はオゾン濃度検出手段を特定の位置
に設置することにより、安全な運転を可能とする。ま
た、オゾン発生手段を送風手段の風上側に設置すること
により、オゾン発生時ファンが停止した場合でも、オゾ
ンの空気清浄装置外への放出を速く検知できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図７により説明する。図１は、本発明のオゾン発生器
付き空気清浄装置の側面の断面図である。同図におい
て、外ケーシング１２の内側に内ケーシング１２０が設
けられている。内ケーシング１２０内には、空気吸込口
１０側に配置したフィルター４０と、オゾン発生器４
と、脱臭チャンバ５、オゾン分解手段３が内蔵されてい
る。内ケーシング１２０の空気出口には、送風手段とし
てのファン１と、このファン１を駆動するモータ２が設
けられている。１１はオゾン発生器４及び送風手段１、
２を動作させる制御装置。１５はオゾン濃度検出手段で
ある。

【０００７】図２は、図１のオゾン発生器付き空気清浄
装置を分解して示す斜視図。図３は図２の化粧パネル９
０を除いた平面図である。図において、９０は空気吸込
口１０と空気排出口９とを一体化した化粧パネル、２０
はオゾン発生器４に電気を供給する電源部、１５はオゾ
ン濃度検出手段、３１は空気排出口９へ通じる風路であ
る。電源部２０には外ケーシング１２の外側から内側へ
貫通した電源線２１で接続されている。２２は電源線引
込みの導入部である。このため、第１の実施態様におい
て、オゾン濃度検出手段１５（１５’）は電源部２０の
近傍に設置される。

【０００８】つぎに、このように構成された空気清浄装
置の動作を説明する。制御装置１１からの運転指令によ
り、オゾン発生手段４及び送風手段１、２が通電され
る。そして、ファン１の回転により、空気吸込口１０よ
り、悪臭成分６の空気が内ケーシング１２０内に吸込ま
れる。

【０００９】オゾン発生器４は、通電されると電源２０
から高圧が印加され、空気中のオゾンを分離してオゾン
の気体が発生する。脱臭チャンバ５はオゾン発生器４で
発生したオゾンが充満し、悪臭成分６の空気と混合す
る。この悪臭成分６の空気とオゾンは、オゾン分解触媒
などのオゾン分解手段３を通過することによりオゾンが
分解され、悪臭成分６の空気は脱臭、殺菌された非悪臭
成分８の空気となる。この非悪臭成分８の空気はモータ
２およびファン１からなる送風手段により、空気排出口
９より空気清浄装置の外へ放出される。

【００１０】図４は風路３１内の風速分布を示すもので
ある。同図において、風速は境界層のある風路の側面
（１５’側）が風路３１の中央（１５）より遅いことが
判る。

【００１１】つぎに、オゾン濃度検出手段１５につい
て、詳しく説明する。図５に示すように、オゾン濃度検
出手段１５は例えば、アルミナ基板１５ａの片面に白金
の薄膜ヒータ１５ｂ、他面に白金の薄膜電極１５ｃを設
け、この電極上に薄膜半導体１５ｄを形成したものであ
る。そして、ヒータ１５ｂによって、一定の高温に保た
れた薄膜半導体１５ｄは、オゾンの分解・吸着により、
抵抗値を増加させる。この抵抗値の変化を測定してオゾ
ン濃度を検出するものである。

【００１２】本発明の第１の実施の態様において、オゾ
ン濃度検出手段１５を風路３１の中で風速の遅い側壁
（１５’）に設けることにある。

【００１３】これにより、オゾン濃度検出手段１５は風
路の中で風速の遅い場所に設けられたので、風速による
ヒータ温度の低下を防止することができ、オゾン濃度を
正確に検知することができる。

【００１４】本発明の第２の実施の態様を説明する。本
実施の形態はオゾン濃度検出手段１５を風路３１の中で
風速の速い中央部に設けたことにある。他の部分の構成
は第１の実施の形態と同様である。これにより、オゾン
濃度検出手段１５が風速の速い箇所に設置されるので、
オゾンの検出時間が速く、オゾン漏れ等の発生を速く検
知でき、通報や表示を速く行うことができる。しかし、
送風手段の能力が高く、オゾン発生手段４の設置箇所で
の風速がオゾン濃度検出手段１５の許容風速より高すぎ
る場合には、オゾン濃度検出手段１５のヒータ温度が下
がり、測定値が不正確になる場合がある。このような場
合には、気流が直接オゾン検出手段１５に当たるのを防
止するため、図３に示すように保護カバー１２を取り付
ける。このような構成にすれば、オゾン発生手段４によ
るオゾン発生からオゾン検知までの時間が速く、かつオ
ゾン濃度検出手段１５のセンサ部の保護を計ることがで
きる。

【００１５】図６は第３の実施の態様を示す。オゾン濃
度検出手段１５を、オゾン発生手段４を基準として、電
源部２０の点対称位置Ｂに設けたものである。このよう
な構成にすれば、電源部２０への電源線を引き込む為の
架橋を設けるが、オゾン濃度検出手段１５の凸部による
通風抵抗と、電源部２０の通風抵抗がバランスし、排気
口９から排出される気流のバランスを良くすることがで
きる。

【００１６】図７は第４の実施の態様を示す。オゾン濃
度検出手段１５をオゾン発生手段４に対し、風上側風路
３２の位置に設けたことにある。このような構成にすれ
ば、ファン１が故障等で停止したままオゾン発生器４で
オゾンが発生した場合、オゾンはオゾン分解手段３には
送りこまれずに空気吸込口１０から機外に流出し危険で
ある。そこで、オゾン濃度検出手段１５をオゾン発生器
４の風上側の風路３２に設けることによりこの状況を検
知できる。制御回路によりオゾン発生器４への電源を遮
断しオゾンの流出を最小限にくい止めることができる。

【００１７】なお、本発明のケーシングは外ケーシング
１２と内ケーシング１２０とを金属や樹脂等により一体
的に構成しても良いことは言うまでもない。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、オゾン発生器を有する空気清
浄装置において、オゾン濃度検出手段を風速の遅い箇所
に設けたので、オゾン濃度検出手段の検出精度が高い効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態を示すオゾン発生器付
き空気清浄装置の断面図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態を示すオゾン発生器
付き空気清浄装置の斜視図である。

【図３】本発明の第２の実施の形態を示すオゾン発生器
付き空気清浄装置の平面図である。

【図４】本発明の第１実施のオゾン発生器付き空気清浄
装置の風路の風速分布を示す図である。

【図５】本発明の実施の形態を説明するためのオゾン濃
度検出装置の斜視図である。

【図６】本発明の第３の実施の態様を示すオゾン発生器
付き空気清浄装置の平面図である。

【図７】本発明の第４の実施の形態を示すオゾン発生器
付き空気清浄装置の断面図である。

【図８】従来技術によるオゾン発生器付き空気清浄装置
の断面図である。

【図９】従来技術によるオゾン発生器付き空気清浄装置
の装置構成である。

【図１０】従来技術によるオゾン発生器付き空気清浄装
置の運転のフローチャートである。

【符号の説明】

１…ファン、 ３…オゾン分解手段、 ４…オゾン発生手段、 ５…脱臭チャンバ、 ９…空気排出口、 １０…空気吸込口、 １２…保護カバー、 １５、１５’…オゾン濃度検出手段、 ３１…風路。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外ケーシングと、該外ケーシング内に配置
   した内ケーシングと、この内ケーシング内に設けたオゾ
   ン発生手段と、該オゾン発生手段で発生したオゾンを除
   去するオゾン分解フィルタと、前記内ケーシングに設け
   た空気取入口から吸い込んだ空気を前記外ケーシングに
   設けた排気口へ送るファンと、を有する空気清浄装置に
   おいて、前記オゾン発生手段により発生したオゾンを検
   出するオゾン濃度検出手段を、前記空気取入口と前記排
   気口との間に設けたことを特徴とするオゾン濃度検出手
   段付空気清浄装置。
2. 【請求項２】前記オゾン濃度検出手段を、すくなくとも
   前記空気取入口と前記オゾン発生手段との間に設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載のオゾン濃度検出手段付空
   気清浄装置。
3. 【請求項３】前記オゾン濃度検出手段を、すくなくとも
   前記排気口と前記オゾン発生手段との間に設けたことを
   特徴とする請求項１記載のオゾン濃度検出手段付空気清
   浄装置。
4. 【請求項４】前記オゾン濃度検出手段を、前記風路をま
   たぐ電源取入場所を貫通させて前記風路内に設けたこと
   を特徴とする請求項３記載のオゾン濃度検出手段付空気
   清浄装置。