JPH09321926A - ディスプレー画面読み取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶、ブラウン管よりなるディスプレーの表
面をイメージセンサでなぞって画像を読み取る場合、画
像はディスプレーの表面より奥まった位置にあり、イメ
ージセンサの受光素子上にボケた結像となるという課題
があった。 【解決手段】 液晶ディスプレー表面２とイメージセン
サ５間に屈折率分布型レンズアレー（ｂ）３を設け、液
晶ディスプレー表面２より奥まった位置の液晶ディスプ
レー像面１をイメージセンサの受光素子６上に結像させ
るディスプレー画面読み取り装置の構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機などのディスプレーの文字情報を含む画像を直接に印
刷するために、前記文字情報を含む画像をイメージセン
サを用いて読み取るディスプレー画面読み取り装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、テレビ番組等で画面の文字情報
を記録したいといった要望がある。たとえば料理番組の
レシピ、懸賞応募の宛先等の書き写しなど、この要望は
最近の文字放送等の発達により、今後、一層に高まると
考えられる。

【０００３】このようなことから、最近では２画面テレ
ビが開発され、必要な画像を片方の画面に静止できるよ
うにしている。また、文字情報を含む画面をビデオに録
画した後、ビデオプリンタを用いて画面を印刷するよう
にしている。

【０００４】さらに、テレビ等の放送中の文字情報を含
む画面を印刷する手段として、ディスプレー内部の映像
信号をサンプリングし、Ａ／Ｄ変換し、画像処理を行っ
た後、ディスプレーの持つプリンタ出力端子によりプリ
ンタにハードコピーさせるものが考えられている。

【０００５】前記手書き写しは面倒なものであり、ま
た、ビデオによる録画、プリンタによる印刷は作業に時
間を要して一般的でない。また、映像信号を処理してプ
リントアウトするものは、ディスプレー側の回路の負担
が大きく、まだ、実用化されていない。

【０００６】一方、紙面等に書かれた文字や絵の読み取
り手段としてスキャナーがあり、紙面をなぞるだけで、
その情報を手軽に読み取ることができ、便利な画像読み
取り装置として多用されるようになってきている。ま
た、ファクシミリの原稿読み取り部を外し、スキャナー
として使用できるものも開発されている。

【０００７】そこで、本発明者等はスキャナー感覚でデ
ィスプレー画面をなぞることで、必要な画面情報が読み
取れ、それが印刷されて出てくるようなディスプレー画
面の読み取り装置を考えてきた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなデ
ィスプレー画面読み取り装置は次のような問題がある。
すなわち、ディスプレーの像面は、液晶、ブラウン管に
しても、ディスプレー表面より奥まった位置にあり、ス
キャナーと同等の光学系ではイメージセンサの受光素子
上にボケなく結像させることができない。また、ブラウ
ン管では、像面（スクリーン面）自体が曲面であるた
め、イメージセンサの主走査方向全体にわたってボケな
く結像させることができないものである。

【０００９】本発明は上記問題に留意し、イメージセン
サによって液晶、ブラウン管よりなるディスプレーの画
像を読み取る装置において、奥まった位置にあるデイス
プレーの画像をイメージセンサの受光素子上にボケなく
結像でき、また、デイスプレーの像面が曲面であっても
その画像をボケなくイメージセンサの受光素子上に結像
できるディスプレー画面読み取り装置を提供することを
目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、イメージセンサによってディスプレーの
表面を走査して画像を読み取る装置であって、液晶ディ
スプレーの表面とイメージセンサ間に、屈折率分布型レ
ンズアレーを設けた構成とする。

【００１１】この発明によれば、液晶ディスプレーの表
面より奥まった位置にある画像が屈折率分布型レンズア
レーを介してイメージセンサの受光素子上に結像し、そ
の結像にボケがなく、良好な画像読み取りができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、液晶ディスプレーと、前記液晶ディスプレーの表面
を走査してディスプレー画面を読み取るイメージセンサ
を備え、前記液晶ディスプレーの表面とイメージセンサ
間に、液晶ディスプレーの表面より奥まった位置にある
像面をイメージセンサの受光素子上に結像させる屈折率
分布型レンズアレーを設けたことを特徴とするディスプ
レー画面読み取り装置としたものであり、液晶ディスプ
レーの奥まった位置の像面を屈折率分布型レンズアレー
を介してイメージセンサの表面に位置する押圧板上に正
確に結像し、押圧板上に結像した像をイメージセンサ内
部の光学系でもって受光素子上に再び正確に結像する作
用を有する。

【００１３】本発明の請求項２に記載の発明は、ブラウ
ン管ディスプレーと、前記ブラウン管ディスプレーの表
面を走査しディスプレー画面を読み取るイメージセンサ
を備え、前記イメージセンサの受光側に前記ブラウン管
の表面より奥まった位置にある像面をイメージセンサの
受光素子上に結像させる屈折率分布型レンズアレーを設
け、前記ブラウン管表面と屈折率分布型レンズアレー間
に、厚さがイメージセンサの主走査方向に対して異な
り、かつ、屈折率が１以上である透明部材を設けたこと
を特徴とするディスプレー画面読み取り装置としたもの
であり、曲面を持つブラウン管ディスプレーの奥まった
位置の像面−屈折率分布型レンズアレー間の光学的な距
離を一定にし、前記像面を透明部材、屈折率分布型レン
ズアレーを介してイメージセンサの表面に位置する押圧
板上に正確に結像し、押圧板上に結像した像をイメージ
センサ内部の光学系でもって受光素子上に再び正確に結
像する作用を有する。

【００１４】本発明の請求項３に記載の発明は、ディス
プレーと、前記ディスプレーの表面を走査してディスプ
レー画面を読み取るイメージセンサを備え、前記イメー
ジセンサの電荷蓄積時間をディスプレーの垂直同期信号
周期の整数倍にしてイメージセンサの信号出力を安定に
する信号出力安定化手段を設けたことを特徴とするディ
スプレー画面読み取り装置としたものであり、イメージ
センサの一走査当たりのディスプレー水平走査による実
受光時間が一定として信号を安定にし、デイスプレーの
像をイメージセンサの受光素子上に正確に結像する作用
を有する。

【００１５】以下に、本発明の実施の形態について、図
面を参照して説明する。 （実施の形態１）図１は本発明の実施の形態１のディス
プレー画面読み取り装置の概略構成図を示す。図示のよ
うに液晶ディスプレー像面１は、保護シート等の厚さに
より液晶ディスプレー表面２より奥まった位置にある。
屈折率分布型レンズアレー（ｂ）３は、その像を正立１
対１でイメージセンサの押圧板４（原稿台ガラス）表面
上に結像させるように、イメージセンサ５を液晶ディス
プレー表面２間に光学的設計値（焦点距離）を満たして
配置される。押圧板４表面に結像された像は、イメージ
センサ５内部の屈折率分布型レンズアレー（ａ）７によ
りイメージセンサの受光素子６上に結像され、光電変換
されてスキャナー内部回路により映像信号として処理さ
れる。その処理内容は、通常スキャナーのそれと同様で
ある。

【００１６】（実施の形態２）図２は本発明の実施の形
態２のディスプレー画面読み取り装置ににおける画面が
曲率を持っているブラウン管よりなるディスプレーの場
合であって、イメージセンサの主走査方向全体にわたっ
て結像を実現させるための鍵となる光学的原理を示すも
のである。

【００１７】図２（ａ）は、屈折率分布型レンズアレー
（ａ）７の端面と焦点Ａの間に、屈折率がｎ₁（ｎ₁＞
１）の透明部材８を挿入したものを示し、焦点Ａの位置
が焦点Ｂの位置にずれることを示している。

【００１８】図２（ｂ）、（ｃ）は、それぞれ光学的に
説明するための図であって、同図（ｂ）のように空気中
（屈折率ｎ＝１）から光が屈折率ｎ₁＞１の透明部材８
に進入したとき、その入射角θと出射角θ₁との間には
スネルの法則

【００１９】

【数１】

【００２０】が成立する。また、（数１）は近軸領域で
は

【００２１】

【数２】

【００２２】と近似することができる。同図（ｃ）は光
が屈折率ｎ₁の透明部材８に進入、通過したときの光路
を示している。点線は入射角と同一角度で空気中を進行
する光の光路を示す。この図から、光がχ方向にｄだけ
変位するために必要なｙ方向の変位量は、透明部材８中
ではＬ、空気中ではＬ₁となり、その関係は（数２）よ
り

【００２３】

【数３】

【００２４】と表される。すなわち、屈折率ｎ₁、厚さ
Ｌの透明部材８は、光学的には厚さＬ／ｎ₁の空気（真
空）層と同等とみなせる。

【００２５】そこで図３のように、端面から焦点までの
距離がＬである屈折率分布型レンズアレーの中央部がブ
ラウン管スクリーン面９の中央部とピントが合った状態
で配置し、中央部から周辺部に行くに従い透明部材端面
１０の厚さｇ（χ）を図のように変化させることによ
り、各部における屈折率分布型レンズアレー端面１１と
ブラウン管スクリーン面９間の光学的距離をＬに等しく
することができる。具体的に各部（各χ座標）における
透明部材厚さｇ（χ）は（数４）により示される。

【００２６】各部における光学的距離がＬに等しいこと
により

【００２７】

【数４】

【００２８】ここでｆ（χ）はスクリーン面位置を示す
方程式 ｎ₁は透明部材の屈折率 前記（数４）で決定される厚さを持った透明部材によ
り、イメージセンサの主走査方向各部でブラウン管のス
クリーン上の像をイメージセンサ押圧板１２（原稿台ガ
ラス）上に結像させることが可能となる。後は液晶ディ
スプレーの場合に説明したように、イメージセンサ内部
の屈折率分布型レンズアレーにより受光素子上に結像さ
れる。

【００２９】（数４）は説明を簡略化するため、ブラウ
ン管に存在するガラス層の影響をイメージセンサ主走査
方向に対して一様と考え省略したが、光学的距離を計算
する場合は当然このガラス厚を項に加える必要がある。

【００３０】（実施の形態３）図４は本発明の実施の形
態３のディスプレー画面読み取り装置におけるイメージ
センサの電荷蓄積時間とディスプレーの垂直同期信号周
期の関係図である。

【００３１】図示のようにイメージセンサの電荷蓄積時
間ｔｉを垂直同期信号周期ｔｏの整数倍に設定すること
でイメージセンサの一走査当たりのディスプレー水平走
査による実受光時間が一定となり、信号が安定して良好
な画像読み取りができる。

【００３２】図中の（ａ）はディスプレー垂直同期信
号、（ｂ）はイメージセンサスタートパルスを示す。

【００３３】

【発明の効果】前記説明より明らかなように、本発明の
ディスプレー画面読み取り装置は、イメージセンサによ
ってディスプレーの奥まった位置にある画像情報、ある
いは曲面を持つディスプレーの画像情報を正確に読み取
ることが可能となる。その結果、スキャナータイプの画
面読み取り装置が実現でき、いままで書き写すしかなか
った作業を、画面上をなぞるといった手軽な作業に置き
換えることができ、その産業上の効果は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１のディスプレー画面読み
取り装置の概略構成図

【図２】本発明の実施の形態２のディスプレー画面読み
取り装置の光学的原理図

【図３】同ディスプレー画面読み取り装置における部材
の光学的配置図

【図４】本発明の実施の形態３のディスプレー画面読み
取り装置におけるイメージセンサの電荷蓄積時間とディ
スプレーの垂直同期信号周期の関係図

【符号の説明】

１ 液晶ディスプレー像面 ２ 液晶ディスプレー表面 ３ 屈折率分布型レンズアレー（ｂ） ４ 押圧板（原稿台ガラス） ５ イメージセンサ ６ 受光素子 ７ 屈折率分布型レンズアレー（ａ）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液晶ディスプレーと、前記液晶ディスプレ
   ーの表面を走査してディスプレー画面を読み取るイメー
   ジセンサを備え、前記液晶ディスプレーの表面とイメー
   ジセンサ間に、液晶ディスプレーの表面より奥まった位
   置にある像面をイメージセンサの受光素子上に結像させ
   る屈折率分布型レンズアレーを設けたことを特徴とする
   ディスプレー画面読み取り装置。
2. 【請求項２】ブラウン管ディスプレーと、前記ブラウン
   管ディスプレーの表面を走査しディスプレー画面を読み
   取るイメージセンサを備え、前記イメージセンサの受光
   側に前記ブラウン管の表面より奥まった位置にある像面
   をイメージセンサの受光素子上に結像させる屈折率分布
   型レンズアレーを設け、前記ブラウン管表面と屈折率分
   布型レンズアレー間に、厚さがイメージセンサの主走査
   方向に対して異なり、かつ、屈折率が１以上である透明
   部材を設けたことを特徴とするディスプレー画面読み取
   り装置。
3. 【請求項３】ディスプレーと、前記ディスプレーの表面
   を走査してディスプレー画面を読み取るイメージセンサ
   を備え、前記イメージセンサの電荷蓄積時間をディスプ
   レーの垂直同期信号周期の整数倍にしてイメージセンサ
   の信号出力を安定にする信号出力安定化手段を設けたこ
   とを特徴とするディスプレー画面読み取り装置。