JPH09320617A - 高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質の製造方法

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JPH09320617A
JPH09320617A JP8137857A JP13785796A JPH09320617A JP H09320617 A JPH09320617 A JP H09320617A JP 8137857 A JP8137857 A JP 8137857A JP 13785796 A JP13785796 A JP 13785796A JP H09320617 A JPH09320617 A JP H09320617A
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electrolyte
polymer
polymer solid
plasticizer
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Masakatsu Kuroki
正勝 黒木
Takashi Namikata
尚 南方
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスとして容易であり、溶媒の残存によ
る電池性能の劣化、溶媒揮発時の危険性などの問題がな
い高分子固体電解質の製造方法を提供する。 【解決手段】 35℃〜200℃の温度範囲で電解液の
可塑剤溶液をポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体に含浸
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン伝導性高分子
材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質をイオン移動媒体として構成
した固体電池は、従来の電解液をイオン移動媒体とした
電池に比べ、液漏れがないため電池の信頼性、安全性が
向上するとともに、薄膜化や積層体形成、パッケージの
簡略化、軽量化が期待されている。この固体電解質材料
として、イオン伝導性のセラミック材料またはポリマー
材料が提案されているが、前者のイオン伝導性セラミッ
ク材料はもろい性質を有し電極との積層体形成が難し
い。一方、イオン伝導性ポリマー材料は、加工柔軟性を
有するため、固体電解質材料として電池との積層構造体
形成、電極のイオン吸蔵放出による体積変化に追随した
界面保持ができるなど好ましい。
【0003】このポリマー固体電解質の試みとして、W
rightによりポリエチレンオキシドのアルカリ金属
塩複合体が、British Polymer Jou
rnal,7 P.319(1975年)に報告され、
以来ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド
などのポリアルキレンエーテル系材料を中心として、ポ
リアクリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリシロキサ
ンなどを骨格とした固体電解質材料が活発に研究されて
いる。
【0004】しかしながら、これらポリマーをマトリッ
クスとして金属塩を含有させ固溶させた高分子固体電解
質のイオン伝導度は電解液のイオン伝導度に比較してか
なり小さく、これを用いて構成した電池は充放電電流密
度が限定されるなどの問題を有する。このため、高いイ
オン伝導度を有する高分子固体電解質材料が要求されて
いる。
【0005】Gozdzらは、フッ化ビニリデンとヘキ
サフルオロプロピレンからなる共重合体を用い、これに
電解質と可塑剤を含ませることで比較的高いイオン伝導
度を有する高分子電解質材料を報告している(米国特許
第5296318号明細書)。しかしながら、この場
合、電解質と可塑剤を含んだ高分子材料を得るために、
いったんフッ化ビニリデン系ポリマーを低沸点の溶媒に
溶解させた溶液を、電解質や可塑剤と混合し、シート状
にキャストして、この後に溶媒を乾燥するという操作を
行っている。この方法は煩雑であるばかりでなく、大量
の低沸点溶媒を揮発させる際の危険性および作業環境の
悪化、固体電解質中に溶媒が残存すると充放電中に好ま
しくない副反応があること、などから工業用のプロセス
としては問題があった。またGozdzらの国際特許9
5/15589号では、ポリマーの低沸点溶媒溶液にジ
ブチルフタレートを加えて成膜し、低沸点溶媒を揮発さ
せ、得られたシートを電解質の可塑剤溶液に浸けてシー
ト中のジブチルフタレートを液置換で除く、という方法
も提案されている。だがこの手法も操作の煩雑さ、ジブ
チルフタレートの残存といった問題があり、プロセス上
の改良とはなっていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プロセスと
して容易であって、低沸点溶媒を用いる必要のない、か
つ低沸点溶媒の揮発による危険性もない、高いイオン伝
導度を有する高分子固体電解質の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな煩雑な操作を避ける手段として、高分子固体電解質
の製造方法について検討を重ね、本発明に至った。本発
明は以下のとおりである。 (1) ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体を、電解質
と可塑剤の混合溶液に35℃以上200℃以下で浸漬す
ることを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。 (2) ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、無孔質
材料で形成されていることを特徴とする上記1の高分子
固体電解質の製造方法。 (3) ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、独立泡
を有する多孔質材料で形成されていることを特徴とする
上記1の高分子固体電解質の製造方法。 (4) ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、貫通孔
を含有する多孔質材料で形成されていることを特徴とす
る上記1の高分子固体電解質の製造方法。 (5) ポリフッ化ビニリデン系樹脂が架橋体であるこ
とを特徴とする上記1、2、3又は4の高分子固体電解
質の製造方法。
【0008】以下、本発明の高分子固体電解質の製造方
法について詳細に説明する。従来の高分子固体電解質の
製造方法では(米国特許第5296318号明細書)、
最初にフッ化ビニリデン系ポリマーをアセトンやテトラ
ヒドロフラン(THF)などの低沸点の溶媒に溶解さ
せ、この溶液に所定量の電解質と可塑剤を添加し、シー
ト状にキャストして低沸点の溶媒を揮発させて電解質と
可塑剤によって膨潤したシート状高分子固体電解質を作
製していた。この手法の問題点としては、操作が煩雑で
あること、大量の低沸点溶媒を扱うため危険がともない
作業環境の悪化をもたらすこと、溶媒の揮発操作にとも
なって可塑剤もわずかにではあるが揮発するために組成
がばらつくこと、溶媒が高分子固体電解質中に残存して
いると電池の材料として用いた場合に好ましくない副反
応が起こる可能性があること、などがあげられる。ま
た、フッ化ビニリデン系ポリマーの低沸点溶媒溶液に、
最初はジブチルフタレートを加えて成膜しておき、低沸
点溶媒を揮発させ、得られたシートを電解質の可塑剤溶
液に浸けて、シート中のジブチルフタレートと置き換わ
る形で電解質と可塑剤を浸透させる、という方法も提案
されているが(国際特許95/15589号)、この手
法も操作の煩雑さ、残存ジブチルフタレートが除きにく
い、といった問題があり、プロセス上の改良とはなって
いなかった。
【0009】本発明は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂成
形体を、35℃以上200℃以下の温度で、電解質と可
塑剤の混合溶液に浸漬して膨潤させる高分子固体電解質
の製造方法である。浸漬および膨潤を行う温度は、以下
に述べる電解質および可塑剤の組み合わせや、浸漬する
時間にもよるが、室温程度の低温では長時間の浸漬でも
樹脂成形体の膨潤が不十分であるため得られた高分子固
体電解質の伝導度が低く、またポリフッ化ビニリデンの
融点に近い高温では樹脂成形体が、変形または電解質と
可塑剤の混合溶液に溶解してしまうため、浸漬および膨
潤行程は35℃以上200℃以下、望ましくは50℃以
上180℃以下、さらに望ましくは60℃以上150℃
以下の範囲で行われる。本発明の高分子固体電解質の製
造方法は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体を電解質
と可塑剤の混合溶液に浸漬して膨潤させることを特徴と
するものであり、操作的に簡易で、残存による電池性能
の劣化の恐れのある低沸点溶媒を使用する必要がないと
いう利点を有する。
【0010】本発明に用いられるポリフッ化ビニリデン
系樹脂としては、例えば、ポリ(ビニリデンフルオライ
ド)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフ
ロライド)共重合体、ポリ(パーフルオロビニルエーテ
ル−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(テトラフ
ルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポ
リ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−ビニリデンフ
ロライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン
オキシド−テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロラ
イド)共重合体、ポリ(フルオロエチレン−ビニリデン
フロライド)共重合体などの単独体またはこれらの成分
の混合体を挙げることができる。
【0011】本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂成形
体の構造として、バルク構造、中空構造、多孔質構造い
ずれも使用可能である。この中空構造、多孔質構造の例
として、独立泡構造を含有する発泡材料、貫通孔を含有
する多孔質材料が挙げられ、独立泡構造、貫通孔構造の
複合材料も使用可能である。含浸される材料がポリマー
部分と空孔部とから構成されることが、ポリマー部分が
イオン移動媒体で膨潤されるとともに空孔部にイオン移
動媒体が充填されることにより高いイオン伝導度をもた
らし好ましい。
【0012】本発明において、樹脂の架橋は必ずしも必
要ではないが、用いるポリフッ化ビニリデン系樹脂を架
橋することで強度、高温安定性に優れた高分子固体電解
質を得ることができること、及び高分子固体電解質中の
電解質と可塑剤の含量を広い範囲で選択できることか
ら、樹脂を架橋することが好ましい。ポリフッ化ビニリ
デン系樹脂を架橋する手法としては、電子線、ガンマ
線、X線、紫外線、赤外線などの輻射エネルギー照射、
ラジカル開始剤を含有させて反応架橋させる方法、アル
カリ処理(脱HF)後反応性基を反応架橋させる方法、
樹脂合成時に架橋性モノマーを共存させておき重合架橋
する方法等が挙げられるが、架橋性モノマーを用いると
未反応架橋性モノマーが充放電中に副反応を起こす恐れ
があること、及び操作の簡便性から輻射エネルギーの利
用が好ましい。
【0013】例えば電子線照射を用いる場合の架橋条件
として、この照射量が充分でない場合には架橋による膨
潤した樹脂の強度改良が充分でなく、照射量が多すぎる
場合ポリマー構造が崩壊するため好ましくない。この照
射量は5Mrad以上100Mrad以下であることが
好ましい。本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体
としては、シート状、粒子状、線状、フィラメント、ス
テープルなどの繊維状、織布状、不織布状のいずれも使
用可能であり、利用する目的形態に合わせて成形体を作
成すればよい。特に架橋樹脂を用いる場合には、この成
形体加工方法として、架橋構造形成に先立って成形した
後架橋させる方法、架橋体を所望形状に成形する方法い
ずれも使用可能である。本発明で得られる高分子固体電
解質を電池に用いる場合はシート状、織布状、不織布状
であることが好ましい。
【0014】本発明は、上記のポリフッ化ビニリデン系
樹脂成形体を、電解質と可塑剤の混合溶液に浸漬させて
膨潤させる高分子固体電解質の製造方法である。浸漬お
よび膨潤を行う温度は、室温程度の低温では長時間の浸
漬でも樹脂成形体の膨潤が不十分であるため得られた高
分子固体電解質の伝導度が低く、またポリフッ化ビニリ
デンの融点に近い高温では樹脂成形体が変形または電解
質の可塑剤溶液に溶解してしまうため、35℃以上20
0℃以下、望ましくは50℃以上180℃以下、さらに
望ましくは60℃以上150℃以下の範囲で行われる。
【0015】本発明で用いられる電解質としては無機
塩、有機塩、無機酸、有機酸のいずれも使用可能であ
る。この例として、たとえばテトラフルオロホウ酸、過
塩素酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、塩酸などの無機
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ポリフルオロプロ
ピルスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)イミド酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸
などの有機酸、およびこれら無機酸、有機酸の塩が挙げ
られる。またオリゴマー状または高分子状の多価電解質
を使用することもできる。さらにこれらの無機酸、有機
酸、およびこれらの塩の混合物も電解質として使用可能
である。この塩型の電解質のカチオンとしてアルカリ金
属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属などの単
独または混合状態で用いることができるが好ましくはリ
チウムやナトリウム等のアルカリ金属が使用される。
【0016】このカチオン種は使用する用途によって異
なるため電解質の種類は限定されない。たとえば、本発
明で得られた高分子固体電解質を用いてリチウム電池と
して利用する場合は、添加する電解質としてリチウム塩
を用いることが好ましい。リチウム塩の例としてはLi
Cl、LiBr、LiSCN、LiClO4 、LiNO
3 、Li(C6 5 4 B、Li(C5 11−C=C)
4 B、Li(C4 9−C=C)4 B、Li(C6 5
−((CH2 3 −C=C)4 B、Li2 10Cl10
Li2 12Cl12、Li2 1212、LiCF3
3 、LiC4 9SO3 、LiC6 13SO3 、Li
8 17SO3 、LiCF3 CO2 、LiN(CF3
2 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(CH3
SO2 2 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6
LiOOC(CF2 3 COOLi、LiSO3 (CF
2 3 SO3 Li等を挙げることができる。特に、本発
明をリチウム二次電池の固体電解質として利用する場
合、広い電位領域を使用するため、電気化学的に安定な
リチウム塩が好ましく、この例として、CF3 SO3
i、C4 9 SO3 Liなどのフッ素スルホン酸リチウ
ム塩、(CF3 SO2 2NLiに代表されるスルホニ
ルイミドリチウム塩、LiBF4 、LiPF6 、LiC
lO4 、LiAsF6 等を挙げることができる。
【0017】本発明で用いられる可塑剤は、含浸する温
度で液体であって、電解質の含浸および膨潤時の溶媒と
して働く他、高分子固体電解質のイオン解離促進、加工
性、柔軟性などの強度調整などのためにも用いられる。
この可塑剤として、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボ
ネート化合物 、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボ
ネート化合物、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒド
ロフランなどのエーテル化合物、ブチロラクトン、プロ
ピオラクトン、酢酸メチルなどのエステル化合物、アセ
トニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル化合物な
どの低分子有機化合物、ジグライムやテトラグライムな
どのオリゴエチレンオキシドおよびこれらの誘導体を用
いることができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシドなどの脂肪族ポリエーテル、ポリビ
ニリデンフルオライド、ポリ(ビニリデンフルオライド
・ヘキサフルオロプロピレン)共重合体などのフッ素系
ポリマー、ポリアクリロニトリル、脂肪族ポリエステ
ル、脂肪族カーボネートなどのポリマーを上記の可塑剤
に溶解した混合物を可塑剤として利用することもでき
る。
【0018】以上説明した電解質、可塑剤をポリフッ化
ビニリデン系樹脂成形体に含浸させて膨潤することで高
分子固体電解質を作成する。さらに必要があれば、さら
に他のポリマー、セラミック、金属を機械的強度、耐熱
性調整のため添加させることができる。本発明で得られ
る高分子固体電解質はイオン伝導性に優れ、化学的に安
定であることから、特にリチウムイオン二次電池での使
用に好適である。また本発明で得られる高分子固体電解
質は柔軟性、加工性、機械的強度に優れるため、リチウ
ム電池に留まらず、アルカリ電池、鉛電池、ニッケル水
素電池、燃料電池、光電気化学電池、電気化学センサー
など種々の電気化学素子、装置に応用できるため産業上
好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を一層明確にするた
めに実施例を挙げて説明する。
【0020】
【実施例1】ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化
ビニリデン)共重合体樹脂(ヘキサフルオロプロピレン
含量5重量%)を加熱押し出し成形によって膜厚168
μmのシートに成形した。該成形体に照射量10Mra
dで電子線照射を行った後60℃で真空乾燥して生成し
たHFガスを除去した。電子線照射後のポリマーシート
をリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4 )のエ
チレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート
(PC)/γ−ブチロラクトン(γ−BL)混合溶媒
(EC/PC/γ−BL=1/1/2)溶液(LiBF
4 濃度1mol/リットル)に、100℃の温度で1時
間浸漬してリチウム塩を含有する混合溶媒をポリマーシ
ート中に含浸、膨潤させて高分子固体電解質を作成し
た。膨潤後の膜厚は335μmであった。含浸させるこ
とによって得られたポリマーシートの両面をステンレス
シートで挟み、このステンレスシートを電極として交流
インピーダンス解析(EG&G社、398型インピーダ
ンス測定装置、測定周波数100kHz〜1Hz)を行
いナイキストプロットの複素インピーダンス実部切片か
らイオン伝導度を算出した結果、イオン伝導度3.3×
10-3S/cmであった。
【0021】
【比較例1】実施例1の固体電解質製造工程を、電解質
溶液の浸漬温度を30℃とした以外の条件は全く変えず
に行ったところ、実施例1と同じ浸漬時間では電解質の
可塑剤溶液はシートにはほとんど含浸せず、シートの膨
潤もほとんど認められなかった。ナイキストプロットの
複素インピーダンス実部切片からイオン伝導度を算出し
た結果、イオン伝導度は1.0×10-6S/cm以下で
あった。
【0022】
【実施例2】実施例1と同様にして押し出し成形した膜
厚150μmのポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ
化ビニリデン)共重合体樹脂(ヘキサフルオロプロピレ
ン含量5重量%)に電子線を照射(照射量15Mra
d)させ、次いでフロンHFC134aを含浸させた
後、180℃で加熱して膜厚270μmの白色発泡体
(発泡倍率8倍)を得た。該発泡体をリチウムテトラフ
ルオロボレート(LiBF4)のエチレンカーボネート
(EC)/プロピレンカーボネート(PC)/γ−ブチ
ロラクトン(γ−BL)混合溶媒(EC/PC/γ−B
L=1/1/2)溶液(LiBF4 濃度1mol/リッ
トル)に、100℃の温度で2時間浸漬してリチウム塩
を含有する混合溶媒をポリマーシート中に含浸、膨潤さ
せて高分子固体電解質を作成した。膨潤後の膜厚は35
0μmであった。含浸によって得られたポリマーシート
の両面をステンレスシートで挟み、このステンレスシー
トを電極として実施例1と同様にして交流インピーダン
ス解析を行い、ナイキストプロットの複素インピーダン
ス実部切片からイオン伝導度を算出した結果、イオン伝
導度2.8×10-3S/cmであった。
【0023】
【比較例2】実施例2の固体電解質製造工程を、浸漬温
度を30℃とした以外の条件は全く変えずに行ったとこ
ろ、実施例2と同じ浸漬時間では電解質の可塑剤溶液は
発泡シートにはほとんど浸透せず、発泡シート内部の気
泡がそのまま残っていた。さらにこのまま室温で1週間
観察を続けたがシートの膨潤は認められなかった。
【0024】
【実施例3】実施例1で用いたポリ(ヘキサフルオロプ
ロピレン−フッ化ビニリデン)共重合体樹脂(ヘキサフ
ルオロプロピレン含量5重量%)を22.5重量%、平
均分子量200のポリエチレングリコールを12重量%
の濃度で溶解したジメチルアセトアミド溶液を60℃で
加熱し、ガラス板上に100μmのギャップのブレード
で塗布した後、70℃の水中にガラス板を浸漬した後洗
浄乾燥して貫通孔を含有する多孔膜を作製した。この膜
厚は45μmであり、比重からもとめた空孔部体積は7
2%であった。貫通孔の存在により水透過量は60リッ
トル/m2 ・hr・atmであった。乾燥後の多孔膜に
電子線を照射量30Mradで照射を行った後、エチレ
ンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート(P
C)混合溶媒(EC/PC=1/1)に溶解したLiB
4 の1mol/リットル)に浸漬し、100℃の温度
で2時間含浸して高分子固体電解質を作製した。得られ
た含浸体のイオン伝導度を実施例1と同様にしてステン
レスシートで挟み交流インピーダンス解析を行いナイキ
ストプロットの複素インピーダンス実部切片から算出し
た結果、イオン伝導度1.2×10-3S/cmであるこ
とがわかった。
【0025】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質製造方法は、
簡便であって低沸点溶媒を用いる必要もなく、かつ低沸
点溶媒の揮発による危険性もなく、作業環境上も好まし
ことから産業上大いに有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体を、
    電解質と可塑剤の混合溶液に35℃以上200℃以下で
    浸漬することを特徴とする高分子固体電解質の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、
    無孔質材料で形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の高分子固体電解質の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、
    独立泡を有する多孔質材料で形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の高分子固体電解質の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂成形体が、
    貫通孔を含有する多孔質材料で形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の高分子固体電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂が架橋体で
    あることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の高
    分子固体電解質の製造方法。
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