JPH103897A - 電池用セパレーター - Google Patents

電池用セパレーター

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JPH103897A
JPH103897A JP8154258A JP15425896A JPH103897A JP H103897 A JPH103897 A JP H103897A JP 8154258 A JP8154258 A JP 8154258A JP 15425896 A JP15425896 A JP 15425896A JP H103897 A JPH103897 A JP H103897A
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JP
Japan
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separator
battery
copolymer
vinylidene fluoride
thin film
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Withdrawn
Application number
JP8154258A
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English (en)
Inventor
Nobuhito Hoshi
星  信人
Takashi Namikata
尚 南方
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質溶液を含浸したときのイオン伝導度が
高く、電解液の含浸による寸法安定性、耐熱性に優れ、
且つ電池を構成したときに高い安全性が確保できる電池
用セパレーターを提供する。 【解決手段】 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたは
フッ化ビニリデンを含む共重合体からなる薄膜または独
立泡を有する発泡体薄膜であることを特徴とする電池用
セパレーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムイオン電池
等で電極間の短絡を防ぐために用いられるセパレーター
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話やパソコン等の小型化、
軽量化のために高エネルギー密度の電池が要求され、こ
れに対応する電池としてリチウムイオン電池のような新
型電池が開発され、工業化されている。このような高エ
ネルギー密度の電池では、エネルギー密度を高めるため
に正極および負極間の間隔は極力狭められ、電極間の短
絡を防ぐために貫通孔を有する多孔質高分子セパレータ
ーが用いられている。電解質溶液はこのセパレーターに
含浸した状態で存在している。
【0003】このセパレーターには電極間の短絡を防ぐ
機能以外にも、安全性を確保するための種々の機能が要
求されている。例えばリチウムイオン電池のように高エ
ネルギー密度の電池で可燃性液体が用いられているよう
な場合には、発火を防ぐ機能も要求されている。即ち、
何らかの理由で電池内で局所的な大電流が発生した場合
には発熱が起こり、セパレーターが高熱に曝されること
になるが、現在広く用いられているポリエチレン等のポ
リオレフィンの微多孔膜の場合には、溶融により多孔質
の孔がふさがれ、導通を遮断する機構(フューズ効果)
が採用されている。
【0004】また耐薬品性や耐候性等に優れた材料とし
てフッ素系重合体を電池用セパレーターとして用いるこ
とも提案されている(特開平4−239041号公
報)。この場合、多孔体の孔径を適当な範囲に設定する
ことでデンドライトとよばれる樹状電析物の発生による
性能低下や短絡を防止することができ、このような目的
でポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンの共重合体
からなる多孔体を用い得ることは知られている。
【0005】また、電解質溶液をポリマー中に膨潤させ
たゲル状電解質として用いるためのセパレーターとし
て、空隙を持たない架橋フッ化ビニリデン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体フィルムを用いることも提案さ
れている(米国特許第5429891号明細書)。この
材料は架橋構造を形成するためにポリフッ化ビニリデン
系樹脂に架橋性ビニルモノマーとして、アクリレートエ
ステル、ジまたはトリアリルエステル、ジまたはトリグ
リシジルエステルを共存させ、これら重合性モノマーを
架橋させている。
【0006】しかしながら、現在リチウムイオン電池等
で広く用いられているポリオレフィンの微多孔膜の場合
には、その材質が非イオン伝導性であること、またフュ
ーズ効果を確実に発現させるために空隙率を小さく設定
していることから、電解質溶液を含浸したときの層全体
としての伝導度が極めて低く、実際、電解質溶液そのも
のの伝導度よりも約1桁低い値となっている。また、電
解質溶液との親和性が乏しいため、孔内に液を注入する
ことは極めて困難で、系を真空にしたり界面活性剤を使
用したりする必要があった。系を真空にする方法は効率
が悪い上、製造工程を複雑にし、界面活性剤の使用は電
気的特性に悪影響を及ぼす可能性があった。
【0007】一方、イオン伝導性ポリマーであるポリフ
ッ化ビニリデン系重合体を用いた上記特開平4−239
041号公報の場合には、比較的高いイオン伝導度は得
られるものの、例えばリチウムイオン電池に用いた場合
には高温ではプロピレンカーボネート等からなる電解質
溶液に容易に溶解し、ポリオレフィンの場合とは異なっ
て穴があいて短絡してしまう危険性があった。
【0008】このような問題点を解消するためには架橋
による強度向上が有効な手段と考えられるが、一般にフ
ッ素系ポリマーへの架橋構造の導入は容易でなく、例え
ば電子線照射を行った場合には架橋よりも崩壊が主とし
て進行することが知られている。実際、上記米国特許第
5429891号明細書の例では、架橋フッ化ビニリデ
ン共重合体は開示されているものの、架橋の方法も架橋
性ビニルモノマーを共存させるものであったため、得ら
れた架橋重合体は本来のポリフッ化ビニリデンの化学的
安定性を損なうものであった。また、この方法では架橋
性ビニルモノマーをポリフッ化ビニリデン系共重合体内
に含浸させるために膨潤溶媒や加熱が必要であり膨潤溶
媒の除去が煩雑であり、加熱によるビニルモノマーの重
合抑制が困難であるなど問題であった。また、モノマー
重合時にポリマー可塑剤として、ジブチルフタレートや
トリブトキシエチルフォスフェートが存在すると、架橋
反応条件によっては副反応を起こすことがあり好ましく
ない。さらに可塑剤の混合および抽出工程が煩雑である
とともに、抽出が不完全な場合、残存する可塑剤により
充放電時電極表面での副反応が起こり電池性能を低下さ
せる。
【0009】また、セパレータを電池に利用する際、セ
パレータと電極を積層させた後、電解液をセパレータに
含浸させて用いられる。この際、上記材料は含浸におけ
る寸法変化が大きく、場合によっては溶解することがあ
り電池の構造変形、構造破壊を伴うことがあり問題であ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解質溶液
の注入が容易であって、電解質溶液を含浸したときのイ
オン伝導度が高く、電解質溶液含浸における寸法安定
性、耐熱性に優れ、且つ電池を構成したときに高い安全
性を確保することのできる電池用セパレーターを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点に鑑み、耐薬品性を有するイオン伝導性材料におい
て、高い安全性を確保する機能を有する電池用セパレー
ター材料を得ることを目的として検討を重ね、フッ素系
ポリマーの中でもポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビ
ニリデンを含む共重合体が、架橋性モノマーを用いるこ
となく架橋体として得ることができ、そのものが電池用
セパレーターとして上記の問題点を解決し得るものであ
ることを見いだし、本発明に至った。
【0012】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1) 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化
ビニリデンを含む共重合体薄膜であって、且つこの架橋
されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンを
含む共重合体が架橋性モノマー単位を含まないことを特
徴とする電池用セパレーター。 (2) 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化
ビニリデンを含む共重合体薄膜が独立泡を有する発泡体
薄膜であることを特徴とする上記(1)の電池用セパレ
ーター。 (3) 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化
ビニリデンを含む共重合体薄膜が実質的に中空構造を有
さない薄膜であることを特徴とする上記(1)の電池用
セパレーター。 (4) 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化
ビニリデンを含む共重合体が電子線照射により架橋され
たことを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)の電
池用セパレーター。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電池用セパレーターは電解液を含浸させる含浸工程によ
りイオン伝導性を発現し、イオン移動媒体として作用す
ることを可能とするものである。本発明の電池用セパレ
ータは電極間に積層した形態で電解液を含浸させること
ができ、含浸させることで高いイオン伝導性を示し、電
池として好ましいものとなる。また、セパレーターに電
解液を含浸して得られる高分子固体電解質は幅広い電解
液含量組成において強度、高温安定性に優れることが特
徴である。本発明のセパレータは含浸において構造を保
持するだけでなく、含浸時のセパレータの寸法変化が小
さいことから電池として用いる際の電池構造安定性が高
められ好ましいものとなる。
【0014】本発明のセパレーターは架橋構造ポリマー
からなるバルク構造薄膜または独立泡を含む発泡体薄膜
であることが好ましく、いずれの薄膜もセパレータとし
て電池構成要素に用いた際に優れた電池性能を示す。本
発明のセパレータは、架橋構造を有するポリフッ化ビニ
リデンまたはフッ化ビニリデン系共重合体からなること
が必要である。架橋構造を持たないポリフッ化ビニリデ
ンまたはフッ化ビニリデン系共重合体をセパレータに用
いる場合、電解液含浸過程や電池構成後の充放電過程に
おいて電解液に溶解するだけでなく、急速放電や急速充
電などの際に電池が加熱される状態でこのポリマー溶解
が加速されることから好ましくない。
【0015】発泡体をセパレータとして利用する場合、
この薄膜形状として表面がフラットな形状、表面に凹凸
を有する形状が挙げられる。独立泡を含む発泡体は構造
中に封止された中空構造を有すものであり、この独立泡
体積による空孔率は、98体積%以下が好ましく、より
好ましくは95体積%以下である。98体積%を越える
と充分な強度が得られにくく、デンドライトの抑制効果
も乏しくなる。この発泡体は、電解液に含浸した状態で
発泡体の中空部分に電解液が充填され、イオン伝導性を
有するポリマー相と実質的に電解液からなる液相が共存
した複合構造を形成する。この液相はポリマー相に包囲
された構造をとるので液相から外部への液漏れが起こり
にくく、また複合構造体として高い強度を有する。さら
に構造中の液相が高いイオン伝導度を持つため複合構造
体として高いイオン伝導度を有する。このような性質を
持つためセパレータとして有用である。このセパレータ
構造中の独立泡による上記の効果を奏するための独立泡
体積による空孔率は5体積%以上であり、好ましくは2
0体積%以上である。
【0016】本発明の電池用セパレータとして実質的に
中空構造を持たないバルクシートを用いることができ
る。このバルクシートは実質的に中空構造を含まない構
造であり、この形状として、表面がフラットな形状や表
面に凹凸形状を持つ場合、一部内部に中空構造や貫通孔
を持つ形状も含まれる。これら中空構造や貫通孔のセパ
レータ体積全体に占める体積分率は5%以下である。こ
のセパレータは、上記の発泡体を用いる場合の特長はな
いが、含浸した状態で高いイオン伝導度を有し、また架
橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン
系共重合体の薄膜成形体であることから、未架橋のポリ
マーで見られる電解質溶液に容易に溶解してしまうとい
った問題も持たず、セパレータとして良好な性能を示
す。さらに、このバルクシートは、上記の発泡体作製工
程における発泡工程が省略できるので工業上有利であ
る。また、発泡体シートに比較して薄膜作製が容易であ
り、薄膜化による電池エネルギー密度を高められるので
好ましいものとなる。
【0017】該セパレーターの膜厚は使用する電池の種
類により適性の範囲が異なるので一概には限定されるも
のではないが、一般的には5〜500μm程度のものが
用いられる。5μm未満では強度が不足し、また電池を
組みたてたときに電極間でショートしやすくなる。また
500μmを越えると膜全体の実効電気抵抗が高くなり
すぎるうえ、電池としての体積当たりのエネルギー密度
が小さくなる。
【0018】本発明の電池用セパレーターを構成する材
料はポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンを含
む共重合体である。このようなポリフッ化ビニリデン系
の材料はイオン伝導性であるため、セパレーターとして
用いたときにも高い伝導度が得られる。具体的にはフッ
化ビニリデンの単独重合体のほか、フッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン
−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エ
チレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合
体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合
体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げるこ
とがができる。これらは単独またはこれらの重合体の混
合物として用いることができるほか、フッ化ビニリデン
を含まない重合体との混合物としても用いることもでき
る。ここでフッ化ビニリデン成分は、単独で用いる場合
であっても、混合物として用いる場合であっても、全体
の50重量%以上であることが好ましく、さらに好まし
くは75重量%以上である。50重量%未満ではイオン
伝導性が低くなる。特に電子線による架橋を行う場合に
はフッ化ビニリデン成分が少なくなると架橋がかかりに
くくなるので85重量%以上であることが好ましい。
【0019】本発明の電池用セパレータは上記のポリフ
ッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン系共重合体が架
橋された構造を持つことが特徴である。本発明の架橋構
造は上記ポリマー分子間によるものであり、架橋性モノ
マー単位を含まないことが特徴である。架橋性モノマー
をポリフッ化ビニリデン系ポリマーに共存させて重合架
橋する場合、残存する架橋性モノマーの存在により電気
化学的副反応を生起し、それによって電池性能低下を引
き起こすことになり好ましくない。この残存架橋性モノ
マーを除去することは可能であるが、セパレータ製造工
程が煩雑となる。また、架橋性モノマー単位の重合体の
種類によっては電気化学的副反応や微量の水分による加
水分解を起こすなど好ましくない。
【0020】ここで架橋性モノマーとは分子内にビニル
基やエポキシ基等の重合性基を2個以上有するモノマー
で、モノマー単位として含まれる場合はその中の少なく
とも1個が重合に寄与していることを示している。この
ような架橋性モノマーとしては具体的にはトリメチロー
ルプロパントリメタクリレート等のジまたはトリ(メ
タ)アクリレートエステル、トリアリルイソシアヌレー
ト等のジまたはトリアリル化合物、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル等のジまたはトリグリシジル
化合物等を挙げることができる。
【0021】本発明のセパレータは上記の架橋性モノマ
ー単位を含有せず、架橋したポリフッ化ビニリデン及び
/またはフッ化ビニリデン系共重合体を含有する。本発
明のセパレータの構造中に架橋されたポリマーと共に、
本発明の効果を損なわない範囲で未架橋のポリフッ化ビ
ニリデンやフッ化ビニリデン系共重合体を一部含有して
いてもよい。
【0022】本発明のセパレーターを製造するにあた
り、架橋構造は重合、薄膜の成膜前、成膜後のどの段階
で導入してもかまわない。発泡体の場合、架橋後に発泡
体構造を形成させることが可能である。また、発泡体薄
膜の成膜後に架橋することもできいずれの方法も用いる
ことができる。この架橋の方法としては例えば電子線、
γ線、X線、紫外線等の輻射エネルギー照射、ラジカル
開始剤を含有させて熱や輻射エネルギー照射により反応
させる方法、アルカリ処理(脱HF)後に反応性基を反
応させる方法等を用いることができる。これらの架橋方
法の中では共存成分による電気化学的副反応や微量の水
分による加水分解等による性能低下を起こさないという
点で電子線照射による架橋が好ましい。電子線照射によ
る架橋を行なう場合、照射量は5〜100Mradの範
囲であることが好ましく、さらに好ましくは8〜50M
radの範囲である。5Mrad未満では架橋の効果が
充分でなく、100Mradを越える照射量では架橋よ
りもポリマー構造の崩壊が進行する。
【0023】この架橋構造形成の確認は、未架橋ポリマ
ーを溶解する溶剤への溶解性により確認することができ
る。即ち、架橋による3次元網目構造を有するポリフッ
化ビニリデン系重合体は可溶性溶剤に溶解しない成分を
有し、均一溶解しないことから架橋構造形成を判別する
ことができる。独立泡を有する発泡体薄膜の製造方法は
特に限定されないが、公知の方法を採用することができ
る。例えば、特公平4−57704号公報に記載の方法
を採用することができる。すなわち、溶融成形して得ら
れた薄膜を電子線照射等により部分架橋させた後、ハロ
ゲン系化合物、炭化水素等の発泡剤を含浸させ、次いで
加熱等の方法で発泡させて発泡体を得ることができる。
【0024】また、本発明の実質的に中空構造を持たな
いバルクシートの作製は、溶融押しだし、溶液キャスト
など公知の方法でシート形態に加工して作製可能であ
る。架橋体の形成は、この原料段階、シート加工工程、
成形後のいずれも可能である。必要があれば、寸法安定
性向上や薄膜化などの目的でシート加工工程またはシー
ト加工後延伸処理を施すことができる。
【0025】本発明の電池用セパレーターは電解液溶液
を含浸させた状態で用いられるが、含浸前のセパレータ
ーに電極を重ね合わせてから含浸させることもでき、セ
パレーターに含浸させてから電極を重ね合わせることも
できる。また含浸させる方法としては、該セパレーター
を電解質溶液に室温または加熱下で含浸させるだけでよ
く、必要により減圧にして空隙内の空気を排除してもよ
い。
【0026】本発明の電池用セパレーターは電解質溶液
を含浸したときのイオン伝導度が高く、液の注入も極め
て容易で、電池を構成したときの安全性が高いことから
リチウムイオン電池にとどまらず、鉛電池、アルカリ電
池、ニッケル水素電池等種々の電池、電気二重層キャパ
シタ、電気化学センサ、エレクトロクロミックデイスプ
レー素子等に応用できるため産業上好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下実施例によって本発明をさら
に詳細に説明する。
【0028】
【実施例1】ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化
ビニリデン)共重合体(ヘキサフルオロプロピレン含有
量5重量%)を加熱押し出し成形によって膜厚100μ
mのシートに成形した。該ポリマーシートに照射量15
Mradで電子線照射を行った後、60℃で真空乾燥し
て生成したHFガスを除去した。電子線照射したポリマ
ーシートをジメチルスルフォキシドに浸せきし、100
℃の温度で5時間加熱して溶解性を調べた結果、シート
形状を保持することがわかった。一方、電子線照射を施
す前のポリマーシートを用いて同様に溶解性を調べた結
果、均一溶解した。従って、電子線架橋されたポリマー
シート中に架橋構造が形成されたことが判った。電子線
照射したポリマーシートをセパレータとして、ステンレ
スシートを電極としてセパレータ両面を挟み込んで形成
した積層体をエチレンカーボネート(EC)/プロピレ
ンカーボネート(PC)/γ−ブチルラクトン(γ−B
L)=1/1/2混合溶媒にLiBF4を1mol/リ
ットルの濃度で溶解した溶液に浸せきして100℃の温
度で3時間含浸させた。このステンレスシートを電極と
して交流インピーダンス解析(EG&G社、398型イ
ンピーダンス測定装置、測定周波数100kHz〜1H
z)を行い、ナイキストプロットの複素インピーダンス
実部切片からイオン伝導度を算出した結果、2.0×1
-3S/cmであった。なお膜厚は測定後の積層体の膜
厚測定から求め、セパレータ部分の膜厚は162μmで
あった。
【0029】
【実施例2】実施例1と同様にして押し出し成形した膜
厚50μmのポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリ
デンフロライド)共重合体(ヘキサフルオロプロピレン
含有量5重量%)シートに電子線照射(照射量10Mr
ad)を行い、次いでフロンHFC134aを含浸(5
重量%)させた後、180℃で加熱して膜厚68μmの
白色発泡体を得た。この発泡体の独立泡含有率はエアピ
クノメータ(東芝ベックマン社製、空気比較式比重計)
により求めた。独立泡の発泡体全体の体積に占める割合
は70%であった。該発泡体シートをセパレータとし
て、両面をステンレスシートで挟み込み、エチレンカー
ボネート(EC)/プロピレンカーボネート(PC)=
1/1の混合溶媒にLiBF4 を1mol/リットルの
濃度で溶解した溶液に浸せきした後、100℃の温度で
3時間含浸させた。含浸後の発泡体膜厚は95μmであ
った。実施例1と同様にして交流インピーダンス測定に
よる含浸後の発泡シートの室温におけるイオン伝導度を
求めた結果、3.4×10-3S/cmであった。また、
該含浸体を150℃に加熱した後、冷却して室温のイン
ピーダンス測定を行った結果、イオン伝導度は3.5×
10-3S/cmであり、含浸後の熱履歴によってほとん
ど変化しないことがわかった。
【0030】
【実施例3】平均粒径10μmのLiCoO2 粉末とカ
ーボンブラックを、ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工
業製、KF1100)のN−メチルピロリドン溶液(5
重量%)に混合分散してスラリーを作製した。なお、ス
ラリー中の固形分重量組成は、LiCoO2 (85
%)、カーボンブラック(8%)、ポリマー(7%)と
した。このスラリーをアルミ箔上にドクターブレード法
で塗布乾燥して膜厚110μmのシートを作製した。次
に平均粒径10μmのニードルコークス粉末に、上記と
同じポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液
(5重量%)を混合してスラリーを作製した(乾燥重量
混合比:ニードルコークス(92%)、ポリマー(8
%))。該スラリーを金属銅シートにドクターブレード
法で塗布して乾燥膜厚120μmでフィルム(電極層)
を形成した。
【0031】LiCoO2 電極シート、ニードルコーク
ス電極シートをそれぞれ2cm角に切断し、実施例1で
作成したシートを2.3cm角に切断して、2枚の電極
シートが該シートを挟むように積層してコークス(負
極)/セパレータ/LiCoO 2 (正極)で接合した
後、エチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボ
ネート(PC)/γ−ブチルラクトン(γ−BL)=1
/1/2のLiBF4 の1mol/リットル溶液に含浸
させた後、100℃の温度で15分間加熱処理して電池
を形成した。含浸後のセパレータは両側電極からはみ出
した状態を保持し面内寸法変化がほとんどないことがわ
かった。ついで該電池の正極、負極にステンレス端子を
取り付け、ガラスセルの端子にそれぞれ接続してアルゴ
ン雰囲気中で封入した。該電池を充放電機(北斗電工
製、101SM6)を用い電流密度1mA/cm2 の電
流密度で充放電を行なった。充電後の電極間電位は4.
2V(定電流後4.2V定電位充電)であり充電が確認
できた。また放電はカットオフ電圧2.7V定電流放電
で行った結果、初回充放電効率80%、2回目以降の充
放電効率は99%以上で繰り返し充放電が可能であり、
二次電池として作動することが確認できたことから該ポ
リマーシートがセパレーターとして機能している事が判
った。
【0032】
【実施例4】実施例3と同様にして実施例2で作製した
発泡体シートをセパレータとして、LiCoO2 電極シ
ート、ニードルコークス電極シートをそれぞれ2cm角
に切断し、発泡体シートを2.3cm角に切断して、2
枚の電極シートが該シートを挟むように積層してコーク
ス(負極)/セパレーター/LiCoO2 (正極)で接
合した後、90℃の温度で30分間保持してセパレータ
ーに電解液を含浸させた。この加熱によりセパレーター
は白色から透明シートに変化し含浸が確認された。ま
た、含浸後のセパレーターは両側電極からはみ出した状
態を保持し面内寸法変化がほとんどないことがわかっ
た。ついで該電池の正極、負極にステンレス端子を取り
付け、ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレ
フタレート積層シートでラミネート(ラミネート温度1
20℃、30秒間)してシート状電池を作製した。該電
池を充放電機(北斗電工製、101SM6)を用い電流
密度1mA/cm2 の電流密度で充放電を行なった。充
電後の電極間電位は4.2V(定電流後4.2V定電位
充電)であり充電が確認できた。また放電はカットオフ
電圧2.7V定電流放電で行った結果、初回充放電効率
78%、2回目以降の充放電効率は99%以上で繰り返
し充放電が可能であり、二次電池として作動することが
確認できたことから、該ポリマーシートがセパレーター
として機能している事がわかった。
【0033】
【比較例1】実施例1で作製した電子線架橋を施さない
ポリマーシートを実施例3と同様にして両面をニードル
コークス炭素電極とコバルト酸リチウム電極で挟み込
み、エチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボ
ネート(PC)/γ−ブチルラクトン(γ−BL)=1
/1/2のLiBF4 の1mol/リットル溶液で含浸
させた後、100℃の温度で30分間加熱処理した結
果、ポリマーシートが電解液に溶解し、電極間距離が場
所により不均一化しているもな肉眼で観察できた。ま
た、両電極間で短絡が発生しておりインピーダンス測定
が不可能であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の電池用セパレーターは電解質溶
液を含浸したときのイオン伝導度が高く、電解質溶液含
浸における寸法安定性、耐熱性に優れ、電池を構成した
ときに高い安全性を確保できることから、産業上大いに
有用である。特にリチウムイオン電池に好適に用いるこ
とができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたは
    フッ化ビニリデンを含む共重合体薄膜であって、且つこ
    の架橋されたポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリ
    デンを含む共重合体が架橋性モノマー単位を含まないこ
    とを特徴とする電池用セパレーター。
  2. 【請求項2】 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたは
    フッ化ビニリデンを含む共重合体薄膜が独立泡を有する
    発泡体薄膜であることを特徴とする請求項1記載の電池
    用セパレーター。
  3. 【請求項3】 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたは
    フッ化ビニリデンを含む共重合体薄膜が実質的に中空構
    造を有さない薄膜であることを特徴とする請求項1記載
    の電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 架橋されたポリフッ化ビニリデンまたは
    フッ化ビニリデンを含む共重合体が電子線照射により架
    橋されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の電
    池用セパレーター。
JP8154258A 1996-06-14 1996-06-14 電池用セパレーター Withdrawn JPH103897A (ja)

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