JPH09318827A - 光導波路デバイス - Google Patents

光導波路デバイス

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JPH09318827A
JPH09318827A JP8130448A JP13044896A JPH09318827A JP H09318827 A JPH09318827 A JP H09318827A JP 8130448 A JP8130448 A JP 8130448A JP 13044896 A JP13044896 A JP 13044896A JP H09318827 A JPH09318827 A JP H09318827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で低駆動電力の光導波路デバイスを提供
すること。 【解決手段】 電気光学効果を有する光学材料を用いた
光導波路デバイスに於いて、前記光学材料が、c軸が基
板表面に垂直な方向に配向している鉛含有ペロブスカイ
ト型強誘電体単結晶膜であることを特徴とする光導波路
デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムや
光応用計測装置等に使用される光導波路デバイスに係
り、特に、電気光学効果を有する光学材料として鉛含有
ペロブスカイト型強誘電体単結晶膜を用いた光導波路デ
バイスに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電気光
学効果を有する光学材料(光学基板)を用いた光導波路
デバイスとしては、例えば、電気光学効果を有するニオ
ブ酸リチュウム(LiNbO3)基板を用いた光変調器が知ら
れている。(O plus E No.140 104-112 (1991)) この光変調器は、例えば、図4に示したように結晶のZ
軸が基板の厚み方向となるようにカットされたニオブ酸
リチウム基板3の主面上にチタン(Ti)を熱拡散によっ
てMach-Zehnder型光導波路1を作製し、その上に所望の
変調特性が得られるように誘電体層と制御用の電極2を
設けたものである。
【0003】又、National Technical Report Vol.33 N
o.6 Dec. p27-34(1987)には、スパッタ法によるPLZ
T薄膜を用いた光スイッチが示されている。この光スイ
ッチは、サファイア基板上にプレーナマグネトロンスパ
ッタ法でPLZT薄膜を成膜し、次にクラッド層及びス
トリップ層であるTa2O5薄膜を形成し、さらにバッファ
ー層とアルミニウム電極を設けたものである。
【0004】ところで、光変調器に於いて、変調するこ
とができる帯域幅Δfとその変調の際に進行波電極(以
下、電極という)に印可される変調信号の電力P(以
下、駆動電力という)の関係は次式で与えられる。
【0005】
【数1】
【0006】上記式からもわかるように、変調効率を高
くするため(同一の帯域幅Δfを変調することができる
駆動電力Pを小さくするため、又は、同一の駆動電力P
で変調することができる帯域幅Δfを大きくするため)
には、以下のようにする必要があった。
【0007】(1)電極間距離dを小さくする。
【0008】(2)電極長(相互作用長)Lを長くす
る。
【0009】(3)光導波路に屈折率nと電気工学係数
33の大きな材料(以下、電気光学効果の大きい材料と
いう)を用いる。
【0010】しかし、電極間距離dを小さくすることに
は、加工上限界があり、電極長Lを長くすることは、信
号波(変調波)と光との速度非整合の増大や装置の大型
化を招くため好ましくなかった。
【0011】従って、光変調器の駆動電力の低減し、装
置を小型化するためには、光導波路に電気光学効果の大
きい材料を用いる必要があった。又、光導波路に電気光
学効果の大きい材料を用いれば電極長Lを短くすること
ができるので、信号波と光との速度整合をとることも容
易となる。
【0012】しかし、ニオブ酸リチウムに変わる電気光
学効果の大きな単結晶材料を得ることが困難であった。
【0013】そこで、本発明は、電気光学効果を有する
光学材料として、鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結
晶膜を用いた小型で低駆動電力の光導波路デバイスを提
供することを目的とする。
【0014】尚、上記強誘電体単結晶膜は、鉛を含有
し、化学式ABO3(Aの部分(以下、Aサイトとい
う)に鉛を含有)で示さるペロブスカイト型結晶構造の
単結晶膜であり、顕著な誘電性、圧電性、光物性等を示
すことが知られている(セラミストのための電気物性入門、内
田老鶴圃、P.84(1990)・強誘電性と高温超伝導、P.52〜6
7、裳華房(1993))。上記誘電体としては、PbTiO3、(PbL
a)TiO3、Pb(TiZr)O3、(PbLa)(TiZr)O3等に代表される強
誘電体がある。これらの強誘電体は、その多くが、正方
晶の結晶構造を有し、c軸方向に自発分極するものであ
り、優れた誘電性、圧電性、光物性等を示す。
【0015】これらの優れた特性を利用したデバイスと
しては、上述の光導波路デバイスの他、誘電性を利用し
たコンデンサ、圧電性を利用した圧電素子や振動子、光
物性を利用した光変調器や光スイッチ等が挙げられる。
更に、近年では誘電体メモリー素子への応用も検討され
ている。又、この単結晶膜は、材料学的にも数々の利点
を有している(薄膜材料工学、P.4〜5、海文堂(1989))。
【0016】しかし、これらのデバイスに於いて、良好
な特性を得るためには、膜質の良い強誘電体の単結晶膜
を形成する必要があるが、それには以下の問題があっ
た。
【0017】上記強誘電体からなる膜の製造方法として
は、スパッタ法などの気相法やゾル・ゲル法などの液相
法が一般的であるが、これにより製造された膜は一般に
多結晶状態であるため、強誘電体にみられる自発分極の
方向は個々の結晶粒毎に異なり、全体として分極方向が
ランダムとなり、強誘電性をほとんど示さない。従っ
て、スパッタ法などの気相法やゾル・ゲル法などの液相
法で強誘電単結晶膜を形成した場合には、上記デバイス
に応用しても十分な特性を発揮することができなかっ
た。
【0018】又、この改善策として、膜に垂直な方向に
電界印加等を行い、結晶粒のc軸方向を強制的に揃える
こと(以後これを分極操作と記す)がある。しかし、この
分極操作により結晶粒のc軸方向を強制的に揃えた場
合、結晶格子の変形による応力が発生し、膜内部にクラ
ックが発生したり、基板と膜とが剥離することがあり、
薄膜材料として上記デバイスに用いることができなかっ
た。
【0019】又、J.J.A.P、vol.30、No.9B、P.2145〜2148
(1991)に於いては、MgO基板等を用いてスパッタ法等に
よりPbTiO3膜を成膜する場合に、成膜時の基板温度と成
膜された膜のキュリー点との温度差や、基板と膜との格
子定数差によって、膜面に平行に働く圧縮応力が発生
し、この圧縮応力によって膜面に垂直な方向に大部分の
c軸成分が向いている多結晶膜が得られることが示され
ている。
【0020】そして、J.Mat.Sci.Lett.、No.14、P.629〜6
32(1995)に於いては、上記圧縮応力が、成膜時の基板温
度と成膜された膜のキュリー点との温度差△Tが大きい
程強くなり、c軸配向度が大きくなることが示されてい
る。
【0021】しかし、上記デバイスに応用して良好な特
性を得るには、ほぼ100%のc軸配向度(以下、膜面
に垂直な方向にほぼ100%のc軸成分が向いている膜
をc軸配向膜という)が要求されるが、上記文献の記載
に従ってc軸配向膜を得るには、△Tを500℃程度に
する必要があり、この条件下で品質の良い膜を得ること
は困難である。
【0022】例えば、PbTiO3からなるc軸配向膜を成膜
する場合には、成膜時の基板温度を990℃という高温
にしなければならないが、この基板温度で成膜を行った
場合、成膜された膜からのPbOの再蒸発が著しくなり、
結晶完全性の高い膜を得ることができない。一方、結晶
完全性の高い、品質の良い膜が得られる基板温度は60
0℃程度とされるが、この基板温度ではc軸配向度がほ
ぼ100%のc軸配向膜を得ることができない。
【0023】以上述べたように鉛を含有するペロブスカ
イト型強誘電体で、完全なc軸配向膜を得ることは困難
であった。
【0024】又、c軸配向度がほぼ100%のc軸配向
膜が得られたとしても、そのc軸配向膜が多結晶膜であ
れば、単結晶の場合ような高い特性が得られない(単結
晶(製造と展望)、内田老鶴圃、P.37〜40(1990))。例え
ば、多結晶膜を光デバイスに用いた場合、この多結晶膜
中を光が透過する際に、その結晶粒界における損失が大
きくなり、良好な特性が得られない。
【0025】又、一般に誘電体薄膜を基板上に形成する
場合に用いられるCVD、蒸着等の気相法、ゾル・ゲル
法、水熱合成法、液相エピタキシャル法、電着等の液相
法、スピンコート、ドクターブレード、スクリーン印刷
等の塗布法(固相法)についても以下に述べる問題があ
った。
【0026】気相法(表面科学、vol.16、No.7、P.410〜414
(1995))によるものは、そのほとんどが結晶粒界をも
ち、単結晶ではなく、又、約1μm以上の膜厚の場合に
は、十分なc軸配向性をもったc軸配向膜が得られな
い。
【0027】ゾル・ゲル法では、得られる膜は多結晶状
になり、水熱合成法(J.J.A.P、vol.30、No.9B、P.2174〜21
77、(1991))では、微細な結晶の集合体しか得られてい
ない。
【0028】塗布法(日本セラミックス協会学術論文誌103巻N
o.7、P.660〜663(1995))の場合も、得られる膜は多結晶
状になる。
【0029】ところで、液相エピタキシャル法による成
膜については液相−固相平衡に近い状態で成長がおこな
われるため、一般に高品質の単結晶膜が得られるとされ
ている(ELEMENTARY CRYSTAL GROWTH、Saan Publishers、
P.489〜520、(1994))。
【0030】この方法による酸化物単結晶膜の作製例と
しては、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネッ
ト)基板上のガーネットフェライト、LiNbO3又は
LiTaO3基板上のLiNbO3、LiTaO3(日本結
晶学会誌第31巻、P.105(1989))や、高温超伝導材料(App
l.Phys.Lett.、vol.66(11)、No.13、P.1421、1995)等が知ら
れている。
【0031】しかし、この方法によってc軸配向膜であ
る鉛含有ペロブスカイト強誘電体単結晶膜を形成するに
は、以下の条件を満たす必要となるが、これら全ての条
件を満たすことは容易でなかった。
【0032】まず、得られる鉛ペロブスカイト強誘電体
のキュリー点以下の温度で成膜が可能なメルト(溶液又
は溶融液)を作製する(メルト組成を見いだす)必要が
ある。つまり、メルトの過冷却温度、つまり液相エピタ
キシャル法により成膜(エピタキシャル成長)を行うと
きの温度が、膜のキュリー点より低い温度でなければな
らない。
【0033】しかし、一般に液相エピタキシャル法で
は、500℃以下での成膜が可能なメルト(溶液又は溶
融液)を作製すること(メルト組成を見いだすこと)が
困難である。それは、目的組成が生成するメルト組成
や、低温でエピタキシャル成長可能な範囲を示した状態
図はほとんどないため、この条件を満たすメルト組成の
検討することが困難なためである(日本結晶学会誌第20
巻、No.4、P.389(1993))。
【0034】尚、鉛ペロブスカイト強誘電体のキュリー
点以上の温度で成膜した場合、成膜後の冷却過程におい
て膜の結晶構造変化が起こり、その結果、大きな内部応
力によるクラックが発生する。又、基板に垂直な方向に
c軸成分とa軸成分の混在する90°ドメイン構造とな
り、完全なc軸配向とはならない。
【0035】次に、液相エピタキシャル法による成膜
(エピタキシャル成長)に於いては、メルトと基板が高
温状態で接触するが、メルトはこの際に基板と反応しな
いものでなければならない(日本結晶学会誌 第31巻、P.1
05(1989))。
【0036】しかし、一般的なフラックスを用いたメル
トでは、このフラックス成分により基板がメルト中で溶
解作用を受けるため(Journal of Crystal Growth、vol.
3 No.4、P.443〜444(1968))、フラックス成分についても
慎重に検討する必要がある。
【0037】又、本発明にかかる強誘電体のように鉛を
含有する化合物を必須の主成分とするものは、PbO、
PbF2、PbCl2等の自己フラックスを用いることが
望ましいが、これらは高温では蒸気圧が高いため、メル
ト組成が変化してしまい、液相の過冷却状態を維持する
ことが困難である。更に、鉛を含有するフラックスは基
板に対する浸食性が特に高いため、メルト中の基板の溶
解現象が顕著に現れてしまう。
【0038】以上に述べたように、優れた誘電性、圧電
性、光物性等を示す鉛含有ペロブスカイト強誘電体単結
晶膜を上記デバイスに利用するために、上記の問題を解
決する必要がある。この解決策として、本発明に於いて
は、鉛ペロブスカイト強誘電体のキュリー点以下の温度
で成膜が可能なメルト(溶液又は溶融液)組成を見いだ
し、そのメルトを用い液相エピタキシャル法により成膜
をおこなっている。
【0039】尚、この液相エピタキシャル法による成膜
は、成膜速度がMO-CVD法やスパッタ法に比して、
成膜速度が速い(10〜100倍程度)ため、工業化に
適している。
【0040】又、鉛ペロブスカイト強誘電体の圧電定数
(d33)は、セラミック材料の2〜3倍程度である。更
に、セラミック材料のように粒界やポアがないため加工
性にもすぐれている。
【0041】又、鉛ペロブスカイト強誘電体の電気光学
定数は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)の4から7倍程度
である。
【0042】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光導波路
デバイスは、電気光学効果を有する光学材料を用いた光
導波路デバイスに於いて、前記光学材料が、c軸が基板
表面に垂直な方向に配向している鉛含有ペロブスカイト
型強誘電体単結晶膜であることを特徴とするものであ
る。
【0043】請求項2の光導波路デバイスは、請求項1
記載の光導波路デバイスに於いて、上記強誘電体単結晶
膜の組成式が、 (Pbx-aM1a)M2yz であり、該組成式のM1は、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、ビスマス又はランタンの少なくとも1種以上を
表し、M2は、チタン、ジルコン又はチタンとジルコン
の双方を主成分とする元素を表すことを特徴とするもの
である。
【0044】請求項3記載の光導波路デバイスは、請求
項1又は2記載の光導波路デバイスに於いて、上記強誘
電体単結晶膜が、液層エピタキシャル法により成膜され
たものであることを特徴とするものである。
【0045】
【発明の実施の態様】本発明にかかる光導波路デバイス
は、帯状の導波路を形成する部分に鉛含有ペロブスカイ
ト型強誘電体単結晶膜を用いたものである。前記導波路
としては、例えば、鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単
結晶膜にエッチング処理を施し、膜の表面に帯状の凸部
を形成したリッジ型の光導波路が挙げられる。
【0046】そして、この光導波路の両側に電極を設
け、この電極に電圧を印加することにより、前記光導波
路を伝搬する光の位相を制御している。この光の位相変
化を利用したものとしては、光変調器や光スイッチがあ
げられる。
【0047】ところで、上記光の位相変化は、上記電極
間に生じた電界により光導波路の屈折率が変化すること
によるものであり、この現象(電界に比例して屈折率が
変化する現象)をポッケルス効果(電気光学効果)とい
う。又、電気光学係数の大きい材料ほど、電界を印加し
たときの屈折率変化がきくなる。
【0048】上記電気光学効果を利用した光変調器で
は、分岐した2つの導波路を伝搬する光に位相差を生じ
させ、この位相差を制御することにより合波した光の強
度を変調している。ここで、前記位相差は、電界を印加
した側の導波路を伝搬する光の位相変化によって生じた
ものである。
【0049】尚、本発明に於いて、光導波路の材料とし
て用いた鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結晶膜は、
その電気光学係数がニオブ酸リチウムの4〜7倍程度あ
り、導波路を伝搬する光により大きな位相変化を生じさ
せることができる。
【0050】次に、上記鉛含有ペロブスカイト型強誘電
体単結晶膜及びその製造方法について説明する。
【0051】[鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結晶
膜について]上記鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結
晶膜は、c軸配向度が高い、鉛を含有するペロブスカイ
ト型構造の単結晶膜である。ここで、ペロブスカイト型
構造とは、一般式ABOzで示される化合物のとる結晶構造
の1形式であって、代表的化合物として灰チタン石(CaT
iO3)が知られている。上記一般式において、A及びBは
陽イオンを表し、結晶が化学量論比を構成する場合は、
A/Bモル比は1であり、zは3である。
【0052】しかし、通常は、正確にこのような組成比
となることは稀であるが、A/Bモル比が0.8〜1.1の
範囲から逸脱すると結晶品質が低下すると共に、絶縁性
の確保が困難となる。尚、zはA/Bモル比が決定すれ
ば、上記一般式で示される結晶中の総電荷量が0になる
ように決定される。
【0053】又、上記強誘電体単結晶膜は、鉛含有ペロ
ブスカイト型化合物であるため、その組成式は下記のよ
うに表わすことができる。
【0054】(Pbx-aM1a)M2yz・・・(1) この組成式(1)に於いて、a、xは0≦a<xの関係
を、x、yはx/y=0.8〜1.1の関係を満たす。
zは2.8〜3.2の範囲に含まれ、酸素原子の一部が
塩素原子やふっ素原子などのハロゲン原子で置換されて
いても良い。
【0055】又、M1は通常一価、二価、又は三価の元
素を表し、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、ビ
スマス、ランタン等又はこれらの組合せが挙げられる
が、これらの中でリチウム、ナトリウム、バリウム、ス
トロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマス、
ランタンが好適である。
【0056】又、M2は、通常チタンであるが、その一
部がジルコニウム、スズ、ニオブ等で置換されていても
良い。
【0057】又、上記強誘電体単結晶膜は、自発分極方
位(c軸)が基板に垂直な方向に膜成長したものであっ
て、その膜厚は少なくとも2μm以上であり、成膜した
状態で後加工(表面加工)することなく平滑な表面を有
するものである。
【0058】尚、膜厚については、実用性、経済性及び
膜形成の容易さなどの面から、膜厚は2〜100μmの
範囲が好ましく、特に5〜70μmの範囲が好適であ
る。ここで、前記膜厚は、膜形成後に膜の断面を顕微鏡
で観察し、0.1mm間隔で10点を測定して得た数値の
平均値である。
【0059】[鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結晶
膜の製造方法について]次に、液相エピタキシャル法に
よる上記鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結晶膜の製
造方法について説明する。ここで、液相エピタキシャル
法とは、過冷却状態もしくは過飽和状態にあるメルト
(溶液又は溶融液)中に単結晶種基板を浸漬し、この基
板上にエピタキシャルな結晶を成長させる方法である。
【0060】上記単結晶種基板としては、エピタキシャ
ル成長温度における膜の格子定数との整合性が良く、か
つ熱膨張曲線も膜のそれに近いものであって、鉛含有原
料溶融液により損傷を受けにくいものが用いられる。
尚、膜の格子定数との整合性が良くない基板を用いる
と、膜が多結晶状になったり、全く成長しない場合があ
り、又、熱膨張曲線の差異が大きいと、熱膨脹の違いに
よる応力によって、膜クラックや剥離が生じることがあ
る。
【0061】上記単結晶基板と膜の格子定数の整合をと
るためには、単位結晶格子a、b、cの少なくとも2辺の
長さが3.50〜4.30Aである単結晶種基板、又
は、その値に約20.5(2の平方根に近い値)をかけ
た、5.00〜6.00Aの範囲にある単結晶基板を用
いる必要がある。ここで、5.00〜6.00Aの範囲
にある単結晶基板を用いた場合には、膜の単位格子の対
角線との整合がとれ、エピタキシャル成長が可能にな
る。
【0062】ところで、結晶軸の方向を揃える場合、基
板に平行な方向にa軸を揃えるか、又はc軸を揃えれば
よいが、c軸が基板面に垂直な方向に配向しているもの
の方が、圧電素子等のデバイスに用いたときに、高い特
性が得られるため、上記単結晶種基板として、強誘電体
単結晶膜のa軸及びb軸と格子定数の近い基板を用いて
いる。かかる格子定数を有する基板を用いることによっ
て、強誘電体単結晶膜のc軸を、基板面に垂直な方向に
揃えることができる。
【0063】具体的には、チタン酸ストロンチウム(SrT
iO3)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸ランタン(La
AlO3)、アルミン酸イットリウム(YAlO3)、アルミン酸ネ
オジウム(NdAlO3)、ガリウム酸ランタン(LaGaO3)、ガリ
ウム酸ネオジウム(NdGaO3)、ガリウム酸プラセオジウム
(PrGaO3)、ガリウム酸ストロンチウムランタン(LaSrGaO
4)、サファイア(Al2O3)等の単結晶種基板、又は、その
構成元素の一部を他の元素で置換したものを用いること
ができるが、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 3)、酸化マ
グネシウム(MgO)、アルミン酸ランタン(LaAlO3)の単結
晶種基板は、鉛原料溶融液による損傷を受けにくいた
め、鉛を含有する強誘電体単結晶膜を成膜する単結晶種
基板として好適である。
【0064】次に、上記溶液又は溶融液(メルト)の作
製方法について説明する。
【0065】まず、液相エピタキシャル法により形成さ
れる強誘電体単結晶膜が、上記組成式(1)で示される
組成になるように、原料混合物を調製する方法について
説明する。この原料混合物は、通常、鉛供給成分とチタ
ン供給成分を基本成分とする。
【0066】上記鉛供給成分としては、例えば酸化鉛(P
bO、PbO2、Pb3O4等)とフッ化鉛(PbF2)の割合をPbのモ
ル比に換算して、(酸化鉛:フッ化鉛=)8:2から
4:6の範囲で含有するものを用いることができる。
【0067】上記チタン供給成分としては、例えば酸化
チタン(TiO2)を用いることができ、Ti原子の割合が鉛
供給成分に含まれるPbの総モル数に対して0.02か
ら0.15のモル比の範囲で含有されるように調製す
る。この割合が0.02未満では膜品質が低下し、実用
に供することが困難となり、0.15より大きい場合に
は、成膜時の温度(膜育成温度)が一般的な鉛系強誘電
体のキュリー点の上限である500℃を越え、c軸配向
膜が得られない。
【0068】又、上記鉛供給成分とチタン供給成分とか
ら成る基本組成に対し、所望により結晶育成を向上させ
るための成分や、結晶育成温度を制御(過冷却状態を制
御)するための成分(以下、結晶育成を向上させるため
や、結晶育成温度を制御するための成分を、結晶育成に
かかる成分という)を加えてもよい。
【0069】上記結晶育成にかかる成分としては、酸化
ホウ素(B2O3)等を用いたホウ素供給成分、又は酸化ビ
スマス(Bi2O3)等を用いたビスマス供給成分が好適であ
るが、酸化カリウム(K2O)、フッ化カリウム(KF)(カリ
ウム供給成分)等のアルカリ金属化合物を用いたアルカ
リ金属供給成分、酸化カルシウム(CaO)(カルシウム供
給成分)等のアルカリ土類金属化合物を用いたアルカリ
土類金属供給成分を用いてもよい。又、これらの結晶育
成にかかる成分は、2種以上用いてもよい。
【0070】上記結晶育成にかかる成分には、次に挙げ
るような作用効果がある。
【0071】上記ホウ素供給成分については、溶融液の
粘性を高める作用、鉛供給成分の蒸発を抑える作用、結
晶育成温度を低下させる作用、過冷却状態を安定化する
作用を有する。しかし、ホウ素供給成分を加える量によ
っては、メルトの粘性が過度に増大し、基板への溶質の
供給が妨げられ、好ましくない。
【0072】このような場合に、ビスマス供給成分、ア
ルカリ金属供給成分、アルカリ土類供給成分は、粘性を
低下させる作用があるため、これらの成分を加えること
により過度に増大した粘性を、好ましい粘性に制御する
ことができる。
【0073】尚、上記結晶育成にかかる成分のうち、膜
中に取り込まれる成分については、その強誘電体単結晶
膜を用いる用途に応じて選択する必要がある。又、膜中
に結晶育成にかかる成分を含ませたくない場合には、膜
中に取り込まれない成分であるホウ素やカリウムからな
る成分用いればよい。ここで、ホウ素やカリウムが形成
された単結晶膜中には含まれないのは、ホウ素について
はイオン半径が極めて小さいためであり、又、カリウム
についてはPbに比べイオン半径が極めて大きいためと
考えられる。
【0074】又、これらの結晶育成にかかる成分が、そ
の作用効果を有効に発揮するために、鉛供給成分に含ま
れるPbの総モル数に対するモル比が、(鉛供給成分に
含まれるPbの総モル数:結晶育成にかかる成分=)8
0:1から1:1の範囲であることが好ましく、より好
ましくは15:1から2:1の範囲である。
【0075】尚、上記に於いては、結晶育成を向上させ
るためや、結晶育成温度を制御(過冷却状態を制御)す
るために、ホウ素供給成分、ビスマス供給成分、アルカ
リ金属供給成分、アルカリ土類供給成分をメルトに加え
たが、ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体単結
晶膜のAサイト(Pb)やBサイト(Ti)の元素の一
部を、他の金属元素で置換するためにかかる金属元素の
化合物をメルトに加えてもよい。
【0076】上記金属元素としては、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、ジルコニウム、ランタン、希土類元素
等が挙げられ、化合物としては、LiCO3、SrCO3、MgCO3
等の炭酸化合物、Bi2O3、ZrO2、La2O3、Y2O3等の酸素化
合物、LiF、NaF、NaCl等のハロゲン化物が挙げられ、こ
れらは一種、又は2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。又、これら化合物は、原料混合物中のPb供給成分
1モルに対し、0.01〜0.6モルの範囲で加えるこ
とが好ましく、より好ましくは0.01〜0.4モルの
範囲である。
【0077】上記金属元素で、強誘電体単結晶膜のAサ
イト(Pb)やBサイト(Ti)の元素の一部を置換し
たものの代表例としては、PZT即ちPb(ZrTi)
3や、PLT即ち(PbLa)TiO3や、PLZT即
ち(PbLa)(ZrTi)O3がある。
【0078】
【実施例】次に、後述する液相エピタキシャル法により
成膜したPZT単結晶膜を用いた光変調器の実施例につ
いて説明する。
【0079】まず、サファイア基板上に成膜されている
PZT単結晶膜にイオンビームエッチング法によるエッ
チング処理を施し、導波路となる帯状の凸部を形成しリ
ッジ型構造のMach-Zehnder型の導波路とした。ここで、
前記導波路の相互作用長は25mmとした。
【0080】続いて、この上にマグネトロンスパッタ法
により、層厚0.2μmの誘電体層(例えば、Ta25
等の誘電体を用いる)を設け、更に、電解メッキ法によ
り、厚さ15μmのAu電極を形成し、光変調素子とし
た。尚、この光変調素子の挿入損失を測定したところ5
dB以下であった。
【0081】次に、この光変調素子を筺体に設置し、駆
動回路等を接続し、光変調器とした。
【0082】この光変調器を、駆動電圧5Vで動作させ
たところ、その変調帯域幅は15GHz以上であった。
一方、ニオブ酸リチウム基板を用いて同一仕様の光導波
路を作製し、駆動電圧5Vで動作させたところ、その変
調帯域幅は8GHzであった。これらの結果から、鉛含
有ペロブスカイト型強誘電体単結晶膜を用いた光導波路
デバイスは、特性が優れたものであることがわかる。
又、鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結晶膜を用いた
場合には、駆動電圧を4Vとして動作させることもでき
る。
【0083】次に、後述する液相エピタキシャル法によ
り成膜したPLZT単結晶膜を用いて、上記と同様の光
変調器を作製し、駆動電圧5Vで動作させたところ、そ
の変調帯域幅は20GHz以上であった。
【0084】上記鉛含有ペロブスカイト型強誘電体単結
晶膜の成膜方法について、以下の実施例で説明する。
【0085】[実施例1]結晶育成にかかる成分として
ホウ素供給成分を用いた場合の実施例について説明す
る。
【0086】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2及びホウ素供給成分
であるB23からなる原料を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 TiO2:(PbO+PbF2+TiO2+B23)=
5:100 (PbO+PbF2):B2O3=7:1 のモル比で十分混合した。
【0087】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて700℃に昇
温し、700℃で1時間保持し、更に700℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、450℃で保持した。
【0088】次に、この溶液に(100)面のSrTi
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。 次に、この基板を毎分10℃〜200℃で
室温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表
面に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗い
した後に乾燥した。
【0089】このようにして形成された膜は透明であ
り、うすい黄色を呈し、表面には光沢があり、平滑であ
った。又、膜厚は全体に均一で、4μmであった。又、
蛍光X線分析により膜組成を調べたところ、PbOとT
iO2の比が1:1のPbTiO3であることが確認でき
た。ここで、図1に膜表面の微分干渉顕微鏡写真を示し
た。
【0090】更に、背面ラウエ法により膜の結晶性を調
べたところ、図2に示すようなきれいな4回対称性のス
ポットがみられ、単結晶であることが確認できた。
【0091】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、図3に示す様に膜の(00n)面のみのヒ゜ークがみ
られ、c軸配向した膜であることが確認できた。
【0092】又、偏光顕微鏡を用いて観察したときに、
基板面に垂直な方向にa軸を持つ領域の存在、つまり9
0°ドメインの存在は認められなかった。従って、基板
に垂直な方向にc軸が完全配向した膜であることが確認
できた。
【0093】尚、上記X線回折により求めたc軸長さは
4.113Aであり、熱分析により求めたキュリー温度
は、481℃であった。従って、膜成長はキュリー温度
以下でおこなわれたことがわかる。
【0094】次に膜の結晶性を評価するために、膜表面
をHF+希硝酸で化学エッチングしたところ、転位等の
結晶欠陥に起因するエッチピットがみられた。しかし、
欠陥密度は10〜102個/cm2と少なく、この欠陥密
度は市販の単結晶基板に匹敵する値であり、このことか
ら膜の品質は非常に良いことが確認できた。
【0095】[実施例2]結晶育成にかかる成分として
ホウ素供給成分及びカルシウム供給成分(アルカリ土類
金属供給成分)を用いた場合の実施例について説明す
る。
【0096】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及びカルシウム供給成分であるCaCO3
らなる原料を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:CaCO3=500:
20:1 (PbO+PbF2):B23=6:1 のモル比で十分混合した。
【0097】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、400℃で保持した。
【0098】次に、この溶液に(100)面のMgO単
結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転させ、1
0分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあげ、そ
の基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振り切っ
た。 次に、この基板を毎分10℃〜200℃で室温ま
で冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表面に付
着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗いした後
に乾燥した。
【0099】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0100】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成はPb0.96Ca0.04TiO3であった
(但し、Caは、そのイオン半径より、すべてAサイト
に含まれるとして計算した)。
【0101】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
c軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0102】尚、X線回折により求めたc軸長さは4.
130Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
447℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0103】[実施例3]Aサイトの一部をランタンで
置換した場合の実施例について説明する。
【0104】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及び置換成分であるLa23からなる原料
を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:La23=1000:
50:1 (PbO+PbF2):B23=6:1 のモル比で十分混合した。
【0105】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、380℃で保持した。
【0106】次に、この溶液に(100)面のSrTi
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。 次に、この基板を毎分10℃〜200℃で
室温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表
面に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗い
した後に乾燥した。
【0107】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0108】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成はPb0.96La0.04TiO3であった
(但し、Laは、そのイオン半径より、すべてAサイト
に含まれるとして計算した)。
【0109】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
c軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0110】尚、X線回折により求めたc軸長さは4.
082Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
417℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0111】[実施例4]Bサイト(化学式ABO3
示されるペロブスカイト型結晶構造を有する膜のBの部
分)の一部をジルコニウムで置換した場合の実施例につ
いて説明する。
【0112】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及び置換成分であるZrO2からなる原料
を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:ZrO2=100:
3:2 (PbO+PbF2):B23=7:1 のモル比で十分混合した。
【0113】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、420℃で保持した。
【0114】次に、この溶液に(100)面のSrTi
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。次に、この基板を毎分10℃〜200℃で室
温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表面
に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗いし
た後に乾燥した。
【0115】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0116】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成はPb(Ti0.88Zr0.12)O3であ
った(但し、Zrは、そのイオン半径より、すべてBサ
イトに含まれるとして計算した)。
【0117】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
c軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0118】尚、X線回折により求めたc軸長さは4.
095Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
455℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0119】尚、この結晶は一般にPZTといわれ、工
業的に広く使用される重要な圧電材料である。
【0120】[実施例5]Aサイトの一部をランタンで
置換し、Bサイトの一部をジルコニウムで置換した場合
の実施例について説明する。
【0121】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及び置換成分であるZrO2からなる原料
を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:La23:ZrO2
1000:25:0.5:25 (PbO+PbF2):B23=5:1 のモル比で十分混合した。
【0122】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、420℃で保持した。
【0123】次に、この溶液に(100)面のSrTi
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。次に、この基板を毎分10℃〜200℃で室
温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表面
に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗いし
た後に乾燥した。
【0124】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0125】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成は(Pb0.98La0.02)(Ti0.88
0.15)O3であった(但し、Laは、すべてAサイト
に、Zrは、すべてBサイトに含まれるとして計算し
た)。
【0126】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
C軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0127】尚、X線回折により求めたc軸長さは4.
108Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
436℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0128】[実施例6]Aサイトの一部をナトリウム
で置換した場合の実施例について説明する。
【0129】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及び置換成分であるNa2Oからなる原料
を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:Na2O=1000:
25:2 (PbO+PbF2):B23=5:1 のモル比で十分混合した。
【0130】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、400℃で保持した。
【0131】次に、この溶液に(100)面のLaAl
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。 次に、この基板を毎分10℃〜200℃で
室温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表
面に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗い
した後に乾燥した。
【0132】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0133】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成は(Pb0.99Na0.01)TiO3であ
った(但し、Naは、すべてAサイトに含まれるとして
計算した)。
【0134】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
c軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0135】尚、X線回折により求めたC軸長さは4.
114Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
451℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0136】[実施例7]Aサイトの一部をビスマスで
置換した場合の実施例について説明する。
【0137】まず、鉛供給成分であるPbO、Pb
2、チタン供給成分であるTiO2、ホウ素供給成分で
あるB23及び置換成分であるBi23からなる原料
を、 PbO:PbF2=5.5:4.5 (PbO+PbF2):TiO2:Bi23=1000:
25:3 (PbO+PbF2):B23=5:1 のモル比で十分混合した。
【0138】次に、この混合物を白金製ルツボに入れ、
電気炉を用いて毎時200〜400℃にて800℃に昇
温し、800℃で1時間保持し、更に800℃で保持し
た状態で、溶融した溶液を1時間攪拌(白金製の羽根を
用いて200r.p.mで攪拌)した。その後毎時100℃
にて降温し、400℃で保持した。
【0139】次に、この溶液に(100)面のSrTi
3単結晶基板を浸漬し、100r.p.mで基板を回転さ
せ、10分間の結晶育成後、基板を液面より上にひきあ
げ、その基板を500r.p.mで1分間回転し、溶液を振
り切った。 次に、この基板を毎分10℃〜200℃で
室温まで冷却した後、これを希硝酸中に浸漬し、その表
面に付着している原料溶液の固化物を取り除き、水洗い
した後に乾燥した。
【0140】このようにして形成された膜を顕微鏡によ
り測定したところ、基板上に約5μmの厚さで膜が形成
されていることが確認できた。又、膜は平滑な鏡面状で
あった。
【0141】又、この膜を蛍光X線で組成分析したとこ
ろ、およその組成は(Pb0.97Bi0.03)TiO3であ
った(但し、Naは、すべてAサイトに含まれるとして
計算した)。
【0142】又、X線回折で膜の結晶構造を測定したと
ころ、(00n)面のみで構成され、90゜ドメインの
存在は認められなかった。従って、基板に垂直な方向に
c軸が完全配向した膜であることが確認できた。
【0143】尚、X線回折により求めたc軸長さは4.
117Aであり、熱分析により求めたキュリー温度は、
462℃であった。従って、膜成長はキュリー温度以下
でおこなわれたことがわかる。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、電気光学効果を有する
光学材料として、電気光学定数が大きい鉛含有ペロブス
カイト型強誘電体単結晶膜を用いたことにより、以下の
作用効果がえられる。
【0145】(1)駆動電力と変調帯域幅が同一の光導
波路デバイスを、より小型にすることができる。又、電
極長(相互作用長)を短くすることができるので、信号
波と光との速度整合をとることも容易となる。
【0146】(2)変調帯域幅と形状が同一の光導波路
デバイスを、より小さい駆動電力で動作させることがで
きる。
【0147】(3)駆動電力と形状がが同一の光導波路
デバイスで、より広い変調帯域を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜表面の顕微鏡写真(微分干渉顕微鏡写真)を
示す。
【図2】背面ラウエ法により測定したX線写真である。
【図3】X線回折で膜の結晶構造を測定したX線回折図
を示す。
【図4】光変調器の1例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 光導波路 2 電極 3 基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気光学効果を有する光学材料を用いた
    光導波路デバイスに於いて、前記光学材料が、c軸が基
    板表面に垂直な方向に配向している鉛含有ペロブスカイ
    ト型強誘電体単結晶膜であることを特徴とする光導波路
    デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光導波路デバイスに於い
    て、上記強誘電体単結晶膜の組成式が、 (Pbx-aM1a)M2yz であり、該組成式のM1は、アルカリ金属、アルカリ土
    類金属、ビスマス又はランタンの少なくとも1種以上を
    表し、M2は、チタン、ジルコン又はチタンとジルコン
    の双方を主成分とする元素を表すことを特徴とする光導
    波路デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光導波路デバイス
    に於いて、上記強誘電体単結晶膜が、液層エピタキシャ
    ル法により成膜されたものであることを特徴とする光導
    波路デバイス。
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