JPH09318739A - 車両の障害物警報装置 - Google Patents

車両の障害物警報装置

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Publication number
JPH09318739A
JPH09318739A JP8136641A JP13664196A JPH09318739A JP H09318739 A JPH09318739 A JP H09318739A JP 8136641 A JP8136641 A JP 8136641A JP 13664196 A JP13664196 A JP 13664196A JP H09318739 A JPH09318739 A JP H09318739A
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JP
Japan
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obstacle
vehicle
radius
alarm
relative position
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Pending
Application number
JP8136641A
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English (en)
Inventor
Takamasa Shirai
孝昌 白井
Katsuhiko Hibino
克彦 日比野
Takao Nishimura
隆雄 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
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Publication of JPH09318739A publication Critical patent/JPH09318739A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 障害物との相対速度が小さい場合において
も、精度よく推定走行半径を算出することにより、正確
に警報を発生することができる車両の障害物警報装置を
提供する。 【解決手段】 カーブ半径推定処理A,B(S231
0,S2370)において、相対位置データの採用周期
を障害物との相対速度Vr の大きさに応じて可変に設定
し(S2315,S2318)、この採用された相対位
置データに基づいてカーブ半径を演算(S2317)す
るとともに、この半径に基づいて、所定の警報領域を設
定する(S2330,S2380)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車幅方向の所定角
度範囲内で障害物を検出し、その検出された障害物が所
定の警報領域に存在するとき警報を発生する車両用障害
物警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の前方にある障害物をレ
ーダ等で検出し、その障害物が車両に接近したとき警報
を発生してドライバーに注意を促す車両用障害物警報装
置が考えられている。ところが、車両のカーブ走行時に
は、カーブの外側にある路側物や、自車走行車線とは異
なる車線を走行する前車を障害物として検出し、追突の
恐れのないこれらの物体に対して警報を発生してしまう
ことがあった。このような事態を防止するため、例え
ば、特開平3−16846号公報では、次のような技術
が提案されている。すなわち、同一障害物について複数
の時点で検出された距離および角度に基づきその障害物
の軌跡を直線で近似し、その直線が自車位置を通過する
場合にのみ警報を発生するという技術である。
【0003】ところが、障害物の軌跡を直線で近似した
だけでは、その障害物が車両に衝突するものであるか否
かの判定(衝突判定)を充分に正確に行うことができな
い。そこで、特開平7−262499(特願平6−55
967)号公報においては、同一障害物についての連続
する5点の相対位置データに基いて、その障害物を基準
とした自車の相対的な推定走行曲線の半径を算出し、そ
の算出された半径に基づいて所定の警報領域を設定し、
障害物がその警報領域内で検出されたときに警報を発生
するという技術が提案されている。この場合、自車の推
定走行曲線を円弧で近似しているので、カーブ走行時に
も比較的正確に警報を発生することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平7−262499号公報によっても、障害物との相
対速度が小さい場合には、衝突判定を充分正確に行うこ
とができない。すなわち、図26(a)に示すように、
障害物との相対速度が大きい場合には、測定点(X1 ,
Y1 )〜(X5 ,Y5 )のそれぞれがY座標方向に対し
て疎となるため、この5点の相対位置データに基づいて
算出される推定走行曲線の半径は正確である。これに対
して、障害物との相対速度が小さい場合には、図26
(b)に示すように、測定点(X1 ,Y1 )〜(X5 ,
Y5 )のそれぞれがY座標方向に対して密となるため、
この5点の相対位置データに基づいて算出される推定走
行曲線の半径は誤差を含んだものとなり、正確な警報領
域の設定ができないという問題があった。
【0005】そこで、本発明は、障害物との相対速度が
小さい場合においても、精度よく推定走行曲線の半径を
算出することにより、正確に警報を発生することのでき
る車両用障害物警報装置を提供することを目的としてな
されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するために
請求項1記載の技術手段を採用する。この技術手段の採
用によれば、障害物検出手段が、車幅方向の所定角度範
囲において送信波あるいはレーザ光を照射し、障害物か
らの反射波あるいは反射光に基づいて、自車両と障害物
との距離及び角度に基づいて、自車両に対する障害物の
相対位置を算出する。そして、相対位置算出手段によっ
て算出された、同一障害物についての複数時点の相対位
置データに基づき、半径算出手段が、その障害物を基準
とした自車両の相対的な推定走行曲線の半径を算出す
る。ここで、複数時点の相対位置データは、障害物との
相対速度に基づいて設定された採用周期に基づき選択さ
れたものである。次いで、半径算出手段によって算出さ
れた半径に基づいて、警報領域設定手段が所定の警報領
域を設定する。そして、その警報領域に障害物が存在す
る場合に、警報処理手段が所定の警報を行う。
【0007】この結果、障害物を基準とした自車両の相
対的な推定走行曲線の半径を算出し、その半径に基づい
て所定の警報領域を設定するため、特にカーブ走行時に
おいても適切な警報ができる。また、障害物との相対速
度に応じて相対位置データの採用周期を可変にすること
により、障害物との相対速度が小さい場合においても精
度よく推定走行曲線の半径を算出することができ正確に
警報を発生することができる。
【0008】請求項2記載の技術手段を採用することに
より、半径算出手段が、同一障害物についての3点以上
の相対位置データを最小二乗法等によって補正した2点
に基づいて、自車両の相対的な推定走行曲線の半径を算
出することにより、例えば先行車両後部のリフレクタが
左右両側見えたりあるいは片側しか見えなかったりする
ような障害物からの反射の変化のために生じる相対位置
データの誤差を少なくしてより正確な半径算出ができ
る。
【0009】請求項3記載の技術手段を採用することに
より、直進状態擬制手段が、相対位置算出手段によって
算出された同一障害物についての複数時点の相対位置デ
ータに基づき、障害物が自車両の所定の正面領域に存在
しており、かつ障害物の、自車両の車幅方向への相対的
な移動量が所定値以下の場合には直進状態と擬制する。
そして、直進状態であると擬制された場合には、半径算
出手段は、通常の半径算出処理を行うことなく半径を無
限大と推定し、警報領域設定手段は、その推定した無限
大の半径と自車両の車幅データに基づいて所定の警報領
域を設定する。この結果、センサ横方向分解能に起因す
る誤差を含む相対位置データによって推定走行曲線の半
径を算出すると、実際にはほぼ直線的に自車に接近して
そのままでは衝突してしまう停止物があったとしても、
自車とは衝突しないカーブであるとしてしまうことによ
り、警報すべき状況にあるにも関わらず警報しないとい
う誤判定をなくすことができる。
【0010】また、請求項4に記載の技術手段によれ
ば、特に障害物検出手段の検出可能な角度範囲に起因す
る誤差を解消し、主に本来は衝突しない障害物に対して
誤警報してしまうようなことを解消しようとするもので
ある。すなわち、障害物検出手段で検出可能な所定角度
範囲内から範囲外へ、障害物の一部でも相対移動してい
く場合には、所定角度範囲外へ移動する前に、相対位置
算出手段における障害物の相対位置を、その障害物にお
ける自車両から近い側の端部に対応する位置データとし
て算出させるのである。
【0011】上記検出可能な角度範囲に起因する誤差に
よる問題点及びその対策をより具体的に理解できるよ
う、スキャニングタイプの一例である図14を参照して
以下の説明を進める。例えば障害物として前方車両を検
出する場合に、その前方車両の後部に配設されているリ
フレクタからの反射光等に頼ることが多い。停止車両や
遅い車両を追い越すときのように前方車両がステャニン
グ領域SP外へ出ていくときは、左右両側のリフレクタ
が見える状態から片側のリフレクタしか見えない状態に
変化する。そのため、図14(a)に示すように、前方
車両に関しての実際の中心は図中黒丸(●)で示すよう
に自車両と平行に移動していくものであるのに、測距手
段で検出する中心は図中白丸(○)で示すように、自車
両に向かってくるカーブであると誤推定してしまい、そ
のデータから警報領域を設定すると、障害物である前方
車両に対して衝突すると判定し誤警報してしまうのであ
る。
【0012】しかし、障害物である前方車両がスキャニ
ング領域SP外へ出ていくときは、全てが領域外となる
まで内側のリフレクタ(自車両に近い側のリフレクタ)
は見え続けている。そこで、対策として、内側のリフレ
クタを見続けるために(図14(b)に示すように、物
体中心ではなく自車両から近い側の端部、つまり内側エ
ッジ部分の相対位置データに基づくことで、カーブ半径
の推定を誤らないようにし、誤警報を防止することがで
きるのである。
【0013】また、請求項5に記載の技術手段は、例え
ば車両の後部に配設されているリフレクタが汚れている
ことに起因する誤差を解消しようとするものであり、認
識された障害物の幅が、所定の車幅相当あり、かつ車両
に配設されるリフレクタの片側幅相当である場合には、
そのリフレクタ片側幅相当のデータの全データに対する
占有割合によって、推定走行曲線の半径算出方法を変更
するのである。
【0014】リフレクタ汚れに起因する誤差について補
足すると、前車のリフレクタが汚れており、左右両側に
あるリフレクタの片側だけしか見えない状態があり、こ
のような場合にもカーブ半径の推定を誤って誤警報する
恐れがある。従って、例えばリフレクタ片側幅相当のデ
ータの全データに対する占有割合が小さいときには、そ
のデータは使用しないでカーブ半径を推定し、占有割合
が大きいときには物体のエッジからカーブ半径を推定す
るようにすることが考えられる。
【0015】請求項6記載の技術手段を採用することに
より、第2半径算出手段は、半径算出手段とは異なる組
合わせの複数の時点で検出された上記相対位置データに
基づき、上記推定進行曲線の半径を算出する。そして、
第2の警報領域設定手段は、この第2半径算出手段によ
り算出された半径に基づいて、第2の警報領域を設定す
る。このため、自車の進行曲線の半径が変化しつつある
場合、それが、半径算出手段が算出した半径と第2半径
算出手段が算出した半径との相違として反映される。警
報領域設定手段および第2警報領域設定手段は、半径算
出手段または第2半径算出手段が算出した半径に基づい
て警報領域または第2の警報領域を個々に設定し、警報
処理手段は、その警報領域および第2の警報領域と障害
物との位置関係に基づき警報処理を行う。従って、警報
処理手段は、自車の進行曲線の半径変化に応じて警報を
発生することができる。よって、カーブの出入口など自
車の進行曲線の半径が変化する場所でも正確に警報を発
生することができる。
【0016】請求項7記載の技術手段を採用することに
より、上記警報処理手段が、検出された障害物が上記警
報領域と上記第2警報領域とに共通して存在するとき警
報処理を行うことを特徴としている。このため、障害物
がいずれか一方の警報領域に存在しても、その障害物が
もう一方の領域に存在しない限り警報処理を実行しな
い。例えば、操舵角の変更に伴って自車の進行曲線の半
径が変化しつつある場合、上記各半径算出手段が算出す
る半径が異なり、警報領域と第2の警報領域とが一致し
ない。この場合、両警報領域に共通して障害物が存在す
るときのみ警報処理を実行するのである。従って、誤警
報の発生を一層良好に防止することができるといった効
果が生じる。
【0017】請求項8記載の技術手段を採用することに
より、上記半径算出手段が、上記第2の半径算出手段が
半径の算出に使用する上記距離および角度と、その距離
および角度が検出された上記複数の時点より前の時点で
検出された上記距離および角度とに基づき、上記推定進
行曲線の半径を算出することを特徴としている。すなわ
ち、半径算出手段および第2の半径算出手段が、時間的
に近い時点で検出された上記距離および角度を共通に使
用して半径を算出するのである。このため、各半径算出
手段が算出した半径には、時間的に近い時点における進
行曲線がより正確に反映される。従って、一層正確に警
報を発生することができるといった効果が生じる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明が適用された車両用
障害物警報装置(以下、単に障害物警報装置と記載)1
について、図面と共に説明する。この障害物警報装置1
は、自動車に搭載され、自動車の前方の物体を捉えて、
警報すべき領域に障害物が所定の状況で存在する場合
に、警報を出力して運転者に知らせる装置である。
【0019】図1は、そのシステムブロック図である。
本障害物警報装置1は制御器3を中心に構成されてい
る。制御器3はマイクロコンピュータを主な構成として
入出力インターフェース(I/O)および各種の駆動回
路や検出回路を備えている。これらのハード構成は一般
的なものであるので詳細な説明は省略する。制御器3は
障害物検出手段をなす距離・角度測定器5及び、車速セ
ンサ7、ブレーキスイッチ9、スロットル開度センサ1
1から各々所定の検出データを入力している。 また制
御器3は、警報音発生器13、距離表示器15、センサ
異常表示器17、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動
器21および自動変速機制御器23に所定の駆動信号を
出力している。なお、本実施形態の警報音発生器13、
警報感度設定器25、警報音量設定器27が警報処理手
段に該当する。
【0020】更に制御器3は、警報感度設定器25およ
び警報音量設定器27を備えて、その設定を警報音量や
後述する処理に反映している。また制御器3は、電源ス
イッチ29を備え、その「オン」により、所定の処理を
開始する。ここで、距離・角度測定器5は、送受信部3
1および距離・角度演算部33を備え、送受信部31か
らは所定範囲で車両前方へレーザ光をスキャンして出力
かつ反射光を検出すると共に、距離・角度演算部33に
て反射光を捉えるまでの時間に基づき、前方の物体まで
の距離を検出する装置である。このような装置は既によ
く知られているので詳細な説明は省略する。またレーザ
光を用いるものの他に、マイクロ波等の電波や超音波等
を用いるものであってもよい。更に、スキャン式ではな
く、モノパルス式、すなわち、送受信部31が二つ以上
の受信部を有し、距離・角度演算部33が受信信号の強
度差や位相差(時間差)などに基づいて距離および角度
を演算するものであってもよい。
【0021】制御器3は、このように構成されているこ
とにより、障害物が後述する所定の警報領域に所定時間
存在した場合等に警報する機能を果たしている。障害物
としては、自車の前方を走行する前車やまたは停止して
いる前車あるいは路側にある物体(ガードレールや支柱
物等)等が該当する。また、図1のブレーキ駆動器1
9、スロットル駆動器21および自動変速機制御器23
はなくてもよいが、本障害物警報装置1では、これらを
設けて、前車の状況に合わせて車速を制御する、いわゆ
るクルーズ制御も同時に実施している。
【0022】図2は制御器3の制御ブロック図を示して
いる。距離・角度測定器5の距離・角度演算部33から
出力された距離Lとスキャン角度θとのデータは、座標
変換ブロック41により自車を原点(0,0)とするX
Y直交座標に変換される。センサ異常検出ブロック43
により、この変換結果の値が異常な範囲を示していれ
ば、センサ異常表示器17にその旨の表示がなされる。
【0023】また、XY直交座標からは、相対位置算出
手段をなす物体認識ブロック45で認識種別、物体幅
W、物体の中心位置座標(X,Y)が求められる。認識
種別とは停止物であるか移動物であるかを認識するもの
である。物体の中心位置に基づいて距離表示物体選択ブ
ロック47により走行に影響する物体が選択されて、そ
の距離が距離表示器15により表示される。
【0024】また、車速センサ7の検出値に基づいて車
速演算ブロック49から出力される車速(自車速)V
と、上記物体の中心位置とに基づいて、相対速度演算ブ
ロック51にて、自車位置を基準とすると前車等の障害
物の相対速度Vrが求められる。更に、車速と、物体の
中心位置とに基づき、前車加速度演算ブロック53にて
自車位置を基準とする前車の加速度が演算される。
【0025】そして、警報判定およびクルーズ判定ブロ
ック55が、自車速、前車相対速度、前車加速度、物体
中心位置、物体幅、認識種別、ブレーキスイッチ9の出
力、スロットル開度センサ11からの開度および警報感
度設定器25による感度設定値に基づいて、警報判定な
らば警報するか否かを判定し、クルーズ判定ならば車速
制御の内容を決定する。その結果を、警報が必要なら
ば、警報発生信号を音量調整ブロック57を介して警報
音発生器13に出力する。なお、音量調整ブロック57
は警報音量設定器27の設定値に基づき、警報音発生器
13の出力音量を制御する。また、クルーズ判定なら
ば、自動変速機制御器23、ブレーキ駆動器19および
スロットル駆動器21に制御信号を出力して、必要な制
御を実施する。
【0026】次に、警報判定およびクルーズ判定ブロッ
ク55の内、警報判定・警報を中心としてフローチャー
トに基づいて説明する。なお、クルーズ判定については
本発明とは直接関係ないので説明を省略する。図3に警
報処理のフローチャートを示す。本処理は電源スイッチ
29がオンされると繰り返し実施される処理である。先
ず、物体認識がなされその結果が判定される(ステップ
1000:以下ステップを単にSと記す)。この物体認
識は、前方の物体がスキャニングされた結果に基づい
て、停止物であるか移動物であるかを判定するものであ
る。
【0027】具体的には、車速と相対速度とに基づい
て、物体認識ブロック45においてそれらが判断され
る。そして、この結果に基づいて、停止物ならば、停止
物警報処理(S2000)に移り、移動物ならば移動物
警報処理(S3000)に移る。先ず、停止物警報処理
(S2000)について図4のフローチャートに基づい
て説明する。先ず、停止物警報距離演算(S2100)
がなされる。この停止物警報距離について補足してお
く。
【0028】停止物警報距離は、基本的には停止物に対
しては停止できるだけの余裕を持って警報するのが望ま
しいのであるが、センサの検知能力や衝突の判定に制約
があるため、停止物警報距離を一様に長くしても実質的
に役に立たない場合がある。そこで低速走行域(例え
ば、60Km/h以下)では通常にブレーキをかけて停
止できる距離を停止物警報距離とし、60Km/hより
高い高速警報域では、強めにブレーキをかけて停止でき
る距離を停止物警報距離と設定してある。
【0029】そして、この停止物警報距離は、自車の
ドライバーがブレーキをかけるときの反応時間と自車
のドライバーがブレーキをかけるときの強さの2つの項
目を考慮して決定する。については、ドライバーがブ
レーキをかけようと思ってから実際にブレーキを踏むま
でには所定の反応時間がかかり、この間に進む空走距離
は、その反応時間と自車速に依存するからである。ま
た、については、ドライバーがブレーキをかけてから
実際に停止するまでに進む距離は、ドライバーがブレー
キをかけるときの強さと自車速に依存するからである。
【0030】なお、停止距離にはドライバーによる個人
差が存在する。このようなドライバー固有の危険感覚を
考慮するために、どの程度の距離で警報するかをドライ
バ自身が警報感度設定器25(図1,2参照)を介して
その感度を設定できるようにされている。続いて、自車
と障害物との距離(車間距離)を、上記S2100で演
算した停止物警報距離と比較する(S2200)。そし
て、車間距離が停止物警報距離以下の場合には衝突判定
を行う(S2300)。ここでその衝突判定処理を図5
を参照して説明する。先ず、過去5回のスキャンによっ
て認識された物体の位置変化に基づいてカーブ半径を推
定するカーブ半径推定処理A(S2310)、そのカー
ブ半径に基づき警報エリアを設定する警報エリア設定処
理A(S2330)、および、その警報エリアに基づき
衝突判断を行う衝突判断処理A(S2350)を順次実
行する。
【0031】また、S2350にて「衝突する」と判断
すると、過去3回の認識物体の位置変化に基づいてカー
ブ半径を推定するカーブ半径推定処理B(S237
0)、そのカーブ半径に基づき警報エリアを設定する警
報エリア設定処理B(S2380)、その警報エリアに
基づき衝突判断を行う衝突判断処理B(S2390)を
順次実行して本処理を終了する。一方、S2350にて
「衝突しない」と判断すると、そのまま本処理を終了す
る。そして、S2390にて「衝突する」と判断した場
合は、図4におけるS2400の誤警報対策1へ、S2
350またはS2390にて「衝突しない」と判断した
ときは図4におけるS2600の誤警報対策2へ、それ
ぞれ移行する。
【0032】ここで、図5の衝突判定処理のS2310
のカーブ半径推定処理Aの詳細について、図6を参照し
て説明する。このカーブ半径推定処理においては、認識
物体の横方向(自車の車幅方向:X座標に対応)位置の
データによって、3種類の誤差対策が行われる。第1の
誤差対策は、センサ横方向分解能に起因する誤差に対す
るもので、その問題とは、誤差を含む相対位置データに
よって推定すると、実際にはほぼ直線的に自車に接近し
てそのままでは衝突してしまう停止物があったとして
も、自車とは衝突しないカーブであるとしてしまう可能
性があるというものである。それを補償する対策とし
て、図12に示すように、障害物が自車の所定の正面領
域(警報エリアWA1)に存在しており、かつ車幅方向
への相対的な移動量が小さい場合にはカーブ半径を算出
しないで直進状態と擬制するのである。
【0033】具体的には、算出した位置データの始点
が、スキャンされるレーザ光の正面におけるビーム3ス
テップ以内であり、かつ始点から終点の移動量がビーム
1ステップ以内のときには、S2321に進み、カーブ
半径を推定しないで直進(すなわちカーブ半径無限大)
と擬制して、本処理を終了するのである。次に、第2の
誤差対策は、反射ばらつきに起因する誤差に対するもの
で、その問題とは、例えば前車後部のリフレクタが左右
両側見えたりあるいは片側しか見えなかったりするよう
な反射の変化のために、算出した相対位置には誤差が含
まれる可能性があることである。その対策としてS23
15が実行される。まず、この対策に先立ちS2314
では、相対位置データの採用周期を障害物との相対速度
Vrの大きさに応じて設定する。ここで、相対速度Vr
の符号は、自車から遠ざかる方を正、近づく方を負とす
る。本実施形態では、表1に例示するように、相対速度
がVr ≦−50の場合は相対位置データの採用周期を1
(サンプリングされた全ての相対位置データを採用)と
し、−50<Vr≦−36の場合は採用周期を2(サン
プリングされた相対位置データを1つおきに採用)、−
36<Vr ≦−18の場合は採用周期を3(サンプリン
グされた相対位置データを2つおきに採用)、−18<
Vr の場合は採用周期を4(サンプリングされた相対位
置データを3つおきに採用)とする。
【0034】また、採用周期1(サンプリング周期)は
200msecとした。
【0035】
【表1】
【0036】次いで、S2315では、採用された5点
の相対位置データを最小二乗法によって直線近似して5
点の始点と終点の2点を補正する。5点間の位置変化は
直線近似しても推定には差し支えない。なお、このS2
314及びS2315の処理は、S2313において認
識物体の横方向位置のデータが自車の中心付近にあると
判断した場合に実行される。また、S2314の処理
は、S2315の処理に先立って実行されればよく、例
えばS2310とS2311との間、又はS2311と
S2313との間に実行してもよい。
【0037】このS2315における補正による補正点
の横方向位置は下式に示すようになり、その式を説明す
るための図を図13及び図24に示す。図13は、S2
314にて採用周期1とした場合(相対速度Vr ≦−5
0)を示すものであり、図24はS2314にて採用周
期2とした場合(−50<相対速度Vr≦−36)を示
すものである。
【0038】
【数1】
【0039】なお、本実施例では、サンプリング周期は
一定で、採用周期を可変にしたが、逆に、サンプリング
周期を相対速度に応じて同様に変え、採用周期は一定
(1)としてもよい。それにより、採用周期を2以上に
した場合に生じる未使用データ等の無駄がなくなる。ま
た、サンプリング周期を相対速度に応じてきめ細かく変
えるとも可能であり、これにより精度が更に向上する。
【0040】続いて、第3の誤差対策は、スキャニング
領域に起因する誤差に対するものである。すなわち、こ
の誤差とは、図14(a)に例示するように、例えば停
止車両や遅い車両を追い越すときのように前車がスキャ
ニング領域SP外へ出ていくときは、左右両側のリフレ
クタが見える状態から片側のリフレクタしか見えない状
態に変化するため、前車の実際の中心(●)は自車と平
行に移動していくものであるのに、距離・角度測定器5
で検出する中心(○)が自車に向かってくるカーブであ
ると誤推定してしまうというものである。
【0041】その対策として本障害物警報装置1では、
S2319において、図14(b)に例示するように、
物体の内側エッジ(□)による横方向補正を行う。な
お、この補正は、S2313において認識物体の横方向
位置のデータが自車中心から遠いと判断した場合、例え
ば相対位置5点の始点,終点共に物体中心が横方向に±
2m以上離れていると判断したときに、内側エッジ5点
のデータを用いるのである。なお、この場合もS231
9に先立って、S2318にて相対位置データの採用周
期を障害物との相対速度Vrの大きさに応じて設定する
(上述したS2314と同一の処理)。次いでS231
9では採用された内側エッジ5点の相対位置データを最
小二乗法によって直線近似した5点の始点と終点の2点
を用いてS2317のカーブ半径演算を行う。なお、S
2318の処理は、S2315の処理に先立って実行さ
れればよく、例えばS2310とS2311との間、又
はS2311とS2313との間に実行してもよい。
【0042】ここで、S2317のカーブ半径演算につ
いて説明する。図15は、補正後の始点A(Xe1,Y1
)と終点B(Xe5,Y5 )とからカーブ半径Reとの
関係を示す図である。なお、図15中Weは自車と障害
物との余裕である。カーブ中心Cから始点Aと終点Bま
での距離は等しく(Re+We)である。そして点AC
間のX軸方向距離は(Re−Xe1)、点BC間のX軸方
向距離は(Re−Xe5)である。従って、ピタゴラスの
定理より、以下の関係式が成立する。
【0043】
【数2】
【0044】そして、この2式よりカーブ半径Reを算
出すると、下式のようになる。
【0045】
【数3】
【0046】このようにして、S2315,S2319
の処理を実行した場合にはS2317のカーブ半径演算
を実行し、S2321を実行した場合には、上述したよ
うに、カーブ半径の演算を行わずに直進(カーブ半径無
限大)と擬制して、それぞれ本処理を終了し、図5にお
けるS2330の警報エリア設定処理Aへ移行する。こ
こで、S2330の警報エリア設定について図16を参
照して説明する。図6の処理によって推定されたカーブ
半径Reの曲線(推定進行曲線)を中心として約車幅分
の警報エリアWA1を設定する。図16に示すように、
カーブ半径Reの上記曲線を横方向(X軸方向)に車幅
分±1m平行移動させた一対の円弧L1 ,L2 と、Y=
Y1 およびY=Y5 の一対の直線L3 ,L4 とで囲まれ
た領域を警報エリアWA1とした。なお、この警報エリ
アWA1を構成する円弧L1 ,L2 は、演算量を抑える
ために、放物線近似によって下式で設定した。
【0047】
【数4】
【0048】S2330で警報エリアWA1が設定され
ると、続いて衝突判断処理Aを行う(S2350)。こ
の衝突判断処理Aを図7および図17,25を参照して
説明すると、図7のS2351において物体幅の一部が
警報エリアWA1内に所定時間存在するか否かを判断
し、図17(相対位置データの採用周期が1の場合)に
示すように警報エリアWA1内に所定時間存在する場合
には衝突すると判断し(S2353)、そうでない場合
には衝突しないと判断して(S2355)、本処理を終
了する。なお、図25は、相対位置データの採用周期が
2の場合を示すものであり、図17において説明した処
理と同様の処理が実行される。
【0049】また、S2370,S2380,およびS
2390のカーブ半径推定処理B,警報エリア設定処理
B,および衝突判断処理Bは、上述のS2310〜23
50と同様の処理を時間的に最も近い3点に対して実行
する処理である。例えば、物体中心による横方向位置補
正を行った場合でありかつ相対位置データの採用周期が
1の場合は、図13の測定点(X1 ,Y1 )〜(X5 ,
Y5 )の内、(X3 ,Y3 )〜(X5 ,Y5 )を使用し
てカーブ半径を推定し、また相対位置データの採用周期
が2の場合は、図24の測定点(X1 ,Y1 )〜(X9
,Y9 )の内、(X5 ,Y5 ), (X7 ,Y7 ),
(X9 ,Y9 )を使用してカーブ半径を推定する。この
カーブ半径を有する曲線を、前述のように±1m平行移
動させ、その一対の円弧と一対の直線Y=Y1 ,Y=Y
5 で囲まれた領域(警報エリア)に、物体幅の一部が所
定時間存在するか否かを判断するのである。
【0050】このようにして衝突するか否かの判断を行
い、図4に戻り、その判定結果に基づき、衝突判定処理
A,B(S2350,S2390)で共に衝突すると判
断した場合にはS2400の誤警報対策1を実行し、衝
突しないと判断した場合にはS2600の誤警報対策2
を実行する。先ず、誤警報対策1処理について、図8を
参照して説明する。
【0051】この処理は、警報の動作条件を限定するこ
とにより、誤警報を減少させるためになされるもので、
S2410〜S2440の各判断結果に応じて、警報成
立(S2450)、警報保留(S2460)、判定保留
(S2470)の3つの判断をする。警報成立(S24
50)とするのは、S2410において認識物体が接近
する移動物あるいは停止物であると判断し、S2420
において車速が警報許可車速以上であると判断し、S2
430において非制動中であると判断し、更にS244
0でそれらが所定時間以上継続した場合に限る。また、
S2430までの判断は同じであるが、S2440にお
いて所定時間以上継続ではないと判断した場合にはS2
460の警報保留とする。それら以外の場合はS247
0の判定保留とする。
【0052】これらの判断の意味合いを説明しておく
と、S2410で接近しないと判断した場合には、それ
は自車からの距離が変わらないかあるいは遠ざかってい
く状態であるので、その状態での判定は保留する。ま
た、S2420における警報許可速度とは例えば20K
m/h程度が考えられる。例えば、駐車場では頻繁に方
向転換をするので、何もガードをかけないと、駐車して
いる他の車両や壁、柱に対しても警報を発生してしま
う。従って、それらの誤警報を回避するために、例えば
20Km/h以下の低速では判定を保留して警報しない
ようにするのである。なお、一度20Km/hになった
場合には、15Km/h未満になるまで警報するように
することが好ましい。
【0053】また、S2430では、ブレーキを踏んで
いるときにはドライバーが減速させようとしていると考
えられるため、この場合には警報しないようにするので
ある。そして、S2440の判定における所定時間と
は、相対位置データの採用周期が1の場合は、例えば
0.3秒といった比較的短い時間が設定される。これ
は、ノイズ等による誤警報を防止するためであり、真に
警報が必要な状態では、例えば0.3秒以上は継続する
ので、ノイズによる誤判断を好適に回避でき、必要な場
面での判断も誤ることはない。なお、S2440の継続
時間は、S2314及びS2318にて設定される採用
周期に応じて適宜設定すればよい。
【0054】このような処理でなされた警報成立(S2
450)、警報保留(S2460)、判定保留(S24
70)の3つの判断に従い、図4に戻って、警報成立の
場合はS2500で警報を開始し、警報保留の場合は何
もせずにそのまま一旦終了し、判定保留の場合には、S
2600の誤警報対策2の処理へ移行する。続いて、誤
警報対策2処理について、図9を参照して説明する。
【0055】この処理は、図4に示すように、S220
0で車間距離が停止物警報距離より大きい場合、S23
00での衝突判定で衝突しないと判断した場合、そし
て、S2400で判定保留となった場合に行われ、図9
に示すようにS2610でその継続状態を判断し、所定
時間継続した場合に限って警報不成立とし(S262
0)、それ以外の場合は警報保留とする(S263
0)。そして、図4に戻り、警報不成立の場合には警報
を停止し(S2700)、警報保留の場合にはそのまま
処理を終了する。
【0056】つまり、それぞれ警報をしないでもいいよ
うな条件であっても、一瞬だけ成立して警報を停止する
のではなく、警報をしないでもいいような条件が所定時
間継続した場合に限って警報を停止させるのである。以
上が図3におけるS2000の停止物警報処理の内容で
ある。続いて、S300の移動物警報処理について説明
する。この処理は、図10に示すように、図4の停止物
警報処理と基本的に似ており、図10のS3100にお
ける警報距離の演算が移動物に対するものとなり、それ
に伴ってS3200における車間距離との比較対象が移
動物警報距離であること、そして、S3300での衝突
判定で衝突しないと判定した場合に、S3600の衝突
補助判定処理を行うことが異なるのみである。従って、
その相違する部分については詳しく説明するが、同様の
処理の部分については簡単な説明で済ます。
【0057】先ず、S3100で演算され、S3200
で比較に用いられる移動物警報距離については、上述し
た停止物警報距離における、自車のドライバーがブレ
ーキをかけるときの反応時間と自車のドライバーがブ
レーキをかけるときの強さの2つの項目に加えて、ド
ライバーが不安を感じる車間距離と(自車のドライバ
ーが感じる)前車のドライバーがブレーキをかけるとき
の強さを考慮して決定する。
【0058】追加する考慮点のについては、割り込ま
れて車間距離が短くなったときに不安を感じてブレーキ
操作によって車間距離を調整しようとする点を鑑みたも
のであり、この距離はほぼ車速に依存する。また考慮点
は、追従走行しているときドライバーは前車が減速し
た直後にブレーキをかけるが、前車が減速し始めても速
度差が発生するまでには若干の時間がかかるため、前車
との速度差だけを見ていては警報のタイミングが遅れる
ことを鑑みたものである。
【0059】次に、S3600における衝突補助判定処
理について、図11を参照して説明する。この処理は、
S3300における衝突判定処理において衝突しないと
判定した場合に実行され、この衝突補助判定において衝
突すると判定された場合には、S3300の衝突判定処
理において衝突すると判定した場合と同じようにS34
00へ移行する。
【0060】このような補助の判定を行う理由は、移動
物の場合には自車の直前に割り込んでくる場合があるた
め、その場合には素早く警報処理を行う必要があるから
である。従って、図5に示した衝突判定のようにカーブ
半径の推定という演算時間が相対的に長くなる処理をす
るのではなく、以下に説明する図11の処理のような単
純な処理を実行することで、対応を早くして素早い警報
処理を行い、衝突回避がより確実なものとなるようにす
るのである。
【0061】具体的な処理としては、図11に示すよう
に、先ず、警報補助エリアWA2を設定し、物体幅の一
部が所定時間以上警報補助エリアWA2内にあれば衝突
する(S3630)と判定し、その他の場合は衝突しな
い(S3630)と判定するのである。そして、S36
10における警報補助エリアWA2の設定が簡単である
ので、結果として処理時間も短くなるのである。警報補
助エリアWA2の設定について、図18および図19を
参照して説明する。図18(a)は高速道路における警
報補助エリアWA2の一例を示す。このエリアは、自車
を中心として幅が2m、前後方向には中心が30mで端
部がそれぞれ20mの5角形のエリアとされている。そ
して、このエリアの設定にあたっては、カーブ半径30
0m以上、車線幅が3.5mという高速道路自体の基準
と法定速度100Km/hという点を考慮した場合に、
その速度でも衝突を回避できる上に、他車線の車両に誤
警報しないように設定してある。ここで、5角形に設定
した理由を簡単に述べておくと、図18(b)に示すよ
うに、右カーブRCにおいても左カーブLCにおいても
共用でき、中心部においてはできるだけ長くエリアを設
定することを考慮したからである。
【0062】そして、高速道路の場合には、その都度警
報補助エリアWA2の設定のために複雑な演算をするこ
となく、上記予め決まっているエリアを設定するだけで
S3610の処理は終了するため、衝突判定が素早くで
きる。図18(a)に示したものは、高速道路用の警報
補助エリアであったが、一般道路においては、もっと急
なカーブがあるので、この警報補助エリアをそのまま使
用すると誤判定が多くなる。そこで、一般道路用の警報
補助エリアを設定することが望ましい。一般道路は高速
道路に比べて車線幅が狭く、低速で走行するため路肩に
寄って走行し易いので、想定カーブ半径と想定車線幅を
図19(a)および(b)に示すように、車速によって
変化させる。そして、警報補助エリアWA2を、図19
(c)に示すように設定する。
【0063】このように車速によって警報補助エリアW
A2を変化させる場合にでも、図19(c)に示すよう
なマップを記憶させておき、車速に対応してエリア中心
距離とエリア端部距離を読み出すだけで、簡単に設定は
行える。以上説明したように、本障害物警報装置1で
は、S2310,S2370で互いに異なる組み合せの
測定点に基づいてカーブ半径を個々に算出し、各カーブ
半径に基づいて、警報エリアWA1の設定(S233
0,S2380)および衝突判断(S2350,S23
90)を個々に実行している。自車の進行曲線が変化し
つつある場合、その変化がS2310,S2370で個
々に算出した半径の相違として反映され、延いては、上
記各警報エリアWA1の位置、上記各衝突判断の結果に
反映される。このため、本障害物警報装置1では、カー
ブの出入口など自車の進行曲線の半径が変化する場所で
も正確に警報を発生することができる。
【0064】特に、本障害物警報装置1では、S235
0,S2390にて共に衝突すると判断したときにのみ
S2300で衝突すると判断し、警報の発生(S250
0)を可能にしている。このため、誤警報の発生をきわ
めて良好に防止することができる。例えば、操舵角の変
化に伴って自車の進行曲線の半径が変化しつつある場
合、上記各半径が互いに異なり、上記各警報エリアWA
1も互いに一致しない。この場合、障害物が一定時間以
上、上記両警報エリアWA1に共通して存在したときに
のみ警報を発生することができる。
【0065】さらに、本実施形態では、相対速度Vrの
大きさに応じて相対位置データの採用周期を可変に設定
するため、高精度にカーブ半径を推定することができ
る。この様子を、図20,21を参照して更に詳しく説
明する。この例は相対位置データの採用周期が1の場合
を示すものである。なお、図20,21では、説明の便
宜上、測定点(X1 ,Y1 )〜(X5 ,Y5 )の位置を
図13〜17とは若干異ならせている。
【0066】図20に例示するように、S2310で
は、測定点(X1 ,Y1 )〜(X5 ,Y5 )に基づきカ
ーブ半径Reaの曲線Laを求め、S2330では、そ
の曲線Laを±1m平行移動した一対の円弧と、一対の
直線Y=Y1 ,Y=Y5 とによって囲まれた警報エリア
WA1aを設定する。同様に、S2370では、測定点
(X3 ,Y3 )〜(X5 ,Y5 )に基づきカーブ半径R
ebの曲線Lbを求め、S2380では、その曲線Lb
を±1m平行移動した一対の円弧と、一対の直線Y=Y
1 ,Y=Y5 とによって囲まれた警報エリアWA1bを
設定する。カーブの出入口などでは、カーブ半径Re
a,Rebが大きく異なり、図示するように警報エリア
WA1a,WA1bが大きく異なる場合がある。
【0067】そこで、S2350,S2390では、図
21に例示するように、同一の障害物が、両警報エリア
WA1a,WA1bに所定時間以上(図21の例では5
回のスキャン周期)共通して存在したときのみ衝突する
と判定するのである。このため、カーブの出入口等、操
舵角が変化しつつあるときにも正確に警報を発生するこ
とができる。
【0068】更に、S2310,S2370では、時間
的に最も近い時点で検出された測定点(X3 ,Y3 )〜
(X5 ,Y5 )を共通に使用して半径Rea,Rebを
算出している。このため、各半径Rea,Rebには、
時間的に近い時点における進行曲線がより正確に反映さ
れる。従って、きわめて正確に警報を発生することがで
きる。
【0069】なお、上記実施の形態において、S231
0が半径算出手段に、S2330が警報領域設定手段
に、S2314、S2318が採用周期設定手段に、S
2321が直進状態擬制手段に、S2370が第2半径
算出手段に、S2380が第2警報領域設定手段に、そ
れぞれ相当する処理である。また、本発明は上記実施の
形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【0070】例えば、上記図6において3つの誤差に対
する対策処理を説明したが、その他の誤差対策の実施の
形態について図22,23を参照して説明する。これは
リフレクタ汚れに起因する誤差対策であり、上記実施の
形態において適用するならば、図6のS2315の代わ
りに図22の処理を行うこととなる。リフレクタ汚れに
起因する誤差について補足すると、前車のリフレクタが
汚れており、左右両側にあるリフレクタの片側だけしか
見えない状態があり、このような場合にもカーブ半径の
推定を誤って誤警報する恐れがある。この対策として、
片側リフレクタしか見えないときのデータは使用しな
いでカーブ半径を推定する方法と、物体のエッジから
カーブ半径を推定することが考えられる。
【0071】そのため、図22に示すように、先ず認識
物体の相対位置データ5点(または3点)の幅の中に、
車幅相当(例えば1m以上)のものがあり、かつリフレ
クタ片側幅相当(例えば0.6m以下)のものがあるか
否かを判断し(S4010)、ある場合にはリフレクタ
の片側幅相当のデータの数によってカーブの推定方法を
変える(S4020)。リフレクタ片側幅相当のデータ
が少ないとき(1点以下)には、そのデータを除外し
て、物体中心のデータによって横方向位置を補正する
(S4030)。なお、この補正には、上記図6のS2
315における処理と同様に、相対位置データを最小二
乗法によって直線近似して始点と終点の2点を補正す
る。この場合を図示したのが図23(a)である。
【0072】一方、S4020の判断でリフレクタ片側
幅相当のデータが多いとき(2点以上)には、物体のエ
ッジを演算し(S4040)、左右のエッジデータの
内、5点(または3点)の各点間の変化量(絶対値の
和)を比較し(S4050)、その変化量が小さい方の
エッジデータによって横方向位置を補正する(S406
0,S4070)。この場合も、最小二乗法による直線
近似を行う。この場合を図示したのが図23(b)であ
る。
【0073】なお、S4010において、その他と判断
した場合には、S4080へ移行し、物体中心のデータ
で横方向位置の補正を行う。この処理は、上記図6で説
明したS2315の処理と全く同じである。また、カー
ブ半径を算出するために用いる相対位置データとして、
前車の中心,右側エッジ,または左側エッジのどれを選
択するかは種々の方法によって決定することができ、次
のように選択してもよい。すなわち、過去5回または3
回の相対位置データに対して、前車の中心,右側エッ
ジ,左側エッジに対する次の総和を個々に算出し、その
総和が最も小さくなるものを選択するのである。
【0074】Σ(aYj +b−Xj )2 但し、a,bはS2315と同様に計算した定数 リフレクタが確実に検出できる場合は、このような処理
により最も正確にカーブ半径を算出することができる。
更に、上記実施の形態ではS2350,S2390で共
に衝突すると判断したときS2300で衝突すると判断
しているが、S2350,S2390のいずれか一方で
衝突すると判断したときS2300で衝突すると判断し
てもよい。但し、この場合、S2330,S2380で
設定される警報エリアWA1を若干小さい目にするのが
望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された障害物警報装置のシステム
ブロック図である。
【図2】その障害物警報装置における制御器の制御ブロ
ック図である。
【図3】その制御器の警報処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】その制御器の停止物警報処理を示すフローチャ
ートである。
【図5】その制御器の衝突判定処理を示すフローチャー
トである。
【図6】その制御器のカーブ半径推定処理を示すフロー
チャートである。
【図7】その制御器の衝突判断処理を示すフローチャー
トである。
【図8】その制御器の誤警報対策1処理を示すフローチ
ャートである。
【図9】その制御器の誤警報対策2処理を示すフローチ
ャートである。
【図10】その制御器の移動物警報処理を示すフローチ
ャートである。
【図11】その制御器の衝突補助判定処理を示すフロー
チャートである。
【図12】図6のS2321の直進と擬制する処理にか
かる説明図である。
【図13】図6のS2315の補正(相対位置データの
採用周期が1の場合)にかかる説明図である。
【図14】図6のS2319の補正にかかる説明図であ
る。
【図15】図6のS2317のカーブ半径演算にかかる
説明図である。
【図16】図5のS2330の警報エリア設定にかかる
説明図である。
【図17】図5のS2350の衝突判断にかかる説明図
である。
【図18】図11のS3610の警報補助エリア設定に
かかり、高速道路における警報補助エリアの説明図であ
る。
【図19】一般道路にも適用する場合の警報補助エリア
設定に関する説明図である。
【図20】図5のS2330,S2380双方の警報エ
リア設定にかかる説明図である。
【図21】図5のS2350,S2390双方の衝突判
断にかかる説明図である。
【図22】リフレクタ汚れに起因する誤差対策処理を示
すフローチャートである。
【図23】リフレクタ汚れに起因する誤差対策処理の理
解を助ける説明図である。
【図24】図6のS2315の補正(相対位置データの
採用周期2の場合)にかかる説明図である。
【図25】図5のS2350の衝突判断にかかる説明図
である。
【図26】自車両と障害物との相対速度が小さい場合の
問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 障害物警報装置 3 制御器 5 距離・角度測定器 7 車速センサ 13 警報音発生器 25 警報感度設定器 27 警報音量設定器 31 送受信部 33 距離・角度演算部 WA1,WA1a,WA1b 警報エリア WA2 警報補助エリア

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車幅方向の所定角度範囲内で、障害物ま
    での距離および角度を検出する障害物検出手段と、 障害物検出手段によって検出された距離及び角度に基づ
    いて、自車両に対する上記障害物の相対位置を算出する
    相対位置算出手段と、 該相対位置算出手段によって算出された、同一障害物に
    ついての複数時点の相対位置データに基づき、その障害
    物を基準とした自車両の相対的な推定走行曲線の半径を
    算出する半径算出手段と、 該半径算出手段によって算出された半径に基づいて、所
    定の警報領域を設定する警報領域設定手段と、 上記警報領域に上記障害物が存在する場合に、所定の警
    報処理を行う警報処理手段とを備え、 上記半径算出手段は、上記障害物との相対速度に基づい
    て上記相対位置データの採用周期を可変に設定する採用
    周期設定手段を有することを特徴とする車両の障害物警
    報装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両の障害物警報装置に
    おいて、 上記半径算出手段は、同一障害物についての3点以上の
    相対位置データから補正した2点に基づいて、上記自車
    両の相対的な推定走行曲線の半径を算出することを特徴
    とする車両の障害物警報装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両の障害物警報装置に
    おいて、 上記相対位置算出手段によって算出された同一障害物に
    ついての複数時点の相対位置データに基づき、上記障害
    物が自車両の所定の正面領域に存在しており、かつ上記
    障害物の、自車両の車幅方向への相対的な移動量が所定
    値以下の場合には、直進状態と擬制する直進状態擬制手
    段と、 該直進状態擬制手段によって直進状態であると擬制され
    た場合には、上記半径算出手段は、通常の半径算出手段
    を行うことなく半径を無限大と推定し、警報領域設定手
    段は、その推定した無限大の半径と自車両の車幅データ
    に基づいて所定の警報処理を設定することを特徴とする
    車両の障害物警報装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車両の障害物警報装置に
    おいて、 上記障害物検出手段が検出可能な所定角度範囲内から範
    囲外へ、上記障害物の一部でも相対移動していく場合に
    は、上記所定角度範囲外へ移動する前に、上記相対位置
    算出手段における上記障害物の相対位置を、その障害物
    における自車両から近い側の端部に対応する位置データ
    として算出させることを特徴とする車両の障害物警報装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の車両の障害物警報装置に
    おいて、 上記相対位置データに基づいて認識された上記障害物の
    幅が、所定の車幅相当あり、かつ車両に配設されるリフ
    レクタの片側幅相当である場合には、そのリフレクタ片
    側幅相当のデータの全データに対する占有割合によっ
    て、上記推定走行曲線の半径算出方法を変更することを
    特徴とする車両の障害物警報装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の車両の障害物警報装置に
    おいて、 上記半径算出手段とは異なる組み合わせの複数の時点で
    上記相対位置算出手段によって算出された、同一障害物
    についての相対位置データに基づき、その障害物を基準
    とした自車両の相対的な推定走行曲線の半径を算出する
    第2の半径算出手段と、 該第2の半径算出手段により算出された半径に基づい
    て、第2の警報領域を設定する第2の警報領域設定手段
    とを備え、 上記警報処理手段が、上記警報領域設定手段および第2
    の警報領域設定手段により設定された警報領域および第
    2の警報領域と、上記障害物との位置関係に基づき、警
    報を発生することを特徴とする車両の障害物警報装置。
  7. 【請求項7】 上記警報処理手段は、上記障害物が上記
    警報領域と上記第2の警報領域とに共通して存在すると
    き警報を発生することを特徴とする請求項6記載の車両
    用障害物警報装置。
  8. 【請求項8】 上記半径算出手段が、上記第2の半径算
    出手段が半径の算出に使用する上記距離および角度と、
    その距離および角度が検出された上記複数の時点より前
    の時点で検出された上記距離および角度とに基づき、上
    記推定進行曲線の半径を算出することを特徴とする請求
    項6または7記載の車両用障害物警報装置。
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