JPH09316778A - 布靴の甲皮用織物 - Google Patents

布靴の甲皮用織物

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JPH09316778A
JPH09316778A JP8137952A JP13795296A JPH09316778A JP H09316778 A JPH09316778 A JP H09316778A JP 8137952 A JP8137952 A JP 8137952A JP 13795296 A JP13795296 A JP 13795296A JP H09316778 A JPH09316778 A JP H09316778A
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woven fabric
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JP8137952A
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Yoshihisa Okamoto
佳久 岡本
Kentaro Mitani
健太郎 三谷
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性,防汚性,速乾性,耐光性,スリップ
防止性の各性能に優れた布靴の甲皮用織物を提供する。 【解決手段】 繊維の製造時に蛍光増白剤を0.01〜0.
3重量%混入してなるポリエステル繊維より構成された
織物に,アニオン系またはノニオン系界面活性剤で乳化
分散したフッ素系撥水剤を0.2〜1.0重量%含有せしめ
た織物であって,該織物が中央節結ななこ織組織であ
り,かつ空隙率が20%以上である布靴の甲皮用織物。 【効果】 布靴の着用時に泥水で汚れにくく,一度付着
した土,砂等の汚れ粒子も洗濯で簡単に除去でき,かつ
着用中にスリップを起こさず,素早く乾燥する白度保持
性の高い布靴を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,布靴の甲皮用織物
に関するものであり,さらに詳しくは,靴底をゴムまた
は合成樹脂にて形成する布靴に撥水性,防汚性,速乾
性,耐光性の機能とスリップを起こしにくい機能を付加
した甲皮用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】布靴は,一般に2枚あるいはそれ以上の
布帛を張り合わせたものを甲皮用織物として用い,これ
を予め縫製して靴主体を形成した後,その靴底,すなわ
ち,外底にゴムを接着剤で張り合わせるか,あるいはポ
リ塩化ビニル樹脂のような合成樹脂を射出成形して一体
に接合することによって製造されている。この場合,甲
皮を構成する布帛の素材としては,木綿が主に用いられ
ているが,ナイロン,ポリエステル繊維等の合成繊維も
多く用いられるようになってきた。従来より,布靴は白
色が多く,汚れが目立ちやすいという問題があり,特に
泥のような水を含んだ汚れは,靴の内部にまで水ととも
に浸入し,汚れが非常に落ちにくくなり,さらに,靴内
部に浸入した水のため,履心地が非常に悪くなる欠点が
あった。
【0003】汚れの問題に対しては,過去に,甲皮用織
物を親水化して洗濯による汚れ除去性を向上させる方法
や,甲皮用織物に撥水加工を施し,泥水をはじかせるこ
とによって汚れ防止を行う方法が提案されている。しか
しながら,前者の親水化方法では,靴の着用時に泥水の
靴内部への浸入を防ぐことができず,逆に吸水性が高い
ために泥水を吸収しやすく,汚れやすくなるといった欠
点があった。これに対して,後者のごとき甲皮用織物に
撥水加工を行う方法は,泥に対して非常に有効な方法で
あり,かなり実用化されているが,未だ十分でなく,種
々の問題があった。具体的に挙げると,木綿に撥水加工
した甲皮用織物は,撥水性能の耐久性が乏しく,靴を数
回洗うと撥水性がなくなってしまい,その上,靴を洗っ
た後,非常に乾きにくいという致命的な欠点があった。
【0004】これに対して,ナイロンやポリエステル等
の合成繊維に撥水加工を施した甲皮用織物は,耐久性に
優れた撥水性が得られ,かつ速乾性にも優れた甲皮用織
物が得られる利点がある。しかしながら,ナイロンには
耐光性に問題があり,短期間で黄変して白色素材に使用
できない欠点があり,ポリエステルには,汚れが撥水加
工した甲皮用織物に付着すると,洗濯しても除去しにく
くなり,汚れが残留して黒ずむという欠点があった。さ
らにナイロンやポリエステル等の合成繊維は,木綿に比
べてスリップを起こしやすい織物になるといった欠点を
有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行われたもので,撥水性,防汚性,速乾性,
耐光性に優れた性能を有し,かつスリップを起こしにく
い甲皮用織物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成を有するものである。すなわ
ち,本発明は,繊維の製造時に蛍光増白剤を0.01〜0.
3重量%混入してなるポリエステル繊維より構成された
織物に,アニオン系またはノニオン系界面活性剤で乳化
分散したフッ素系撥水剤を0.2〜1.0重量%含有せしめ
た織物であって,該織物が中央節結ななこ織組織であ
り,かつ,次式の空隙率が20%以上であることを特徴
とする布靴の甲皮用織物を要旨とするものである。 空隙率(%)=〔(28−K1)/28〕×〔(28−K
2)/28〕×100 (ただし,K1 は織物の経糸のカバーファクター K2 は織物の緯糸のカバーファクター)
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
まず,本発明の布靴の甲皮用織物は,繊維製造時に蛍光
増白剤を0.01〜0.3重量%混入してなるポリエステル
繊維で構成された織物である。本発明でいうポリエステ
ル繊維は,主鎖の構造単位として脂肪族あるいは芳香族
を有し,エステル基−COO−を形成しながら繰り返し
結合している鎖状高分子を溶融紡糸して得られる熱可塑
性繊維であり,例えば,ポリエチレンテレフタレート,
ポリブチレンテレフタレート等を挙げることができる。
蛍光増白剤は,ピレン系,オキサゾール系,クマリン
系,チアゾール系,イミダゾール系,イミダゾロン系,
ピラゾール系,ベンチジン系,ジアミノカルバゾール
系,ジアミノスチルベンジスルホン酸系等を挙げること
ができる。この中でも,オキサゾール系蛍光増白剤が良
好な白度と耐酸性を有しているので,最も好ましい。
【0008】本発明で用いるポリエステル繊維は,予め
チップ中に蛍光増白剤を練り込んだ後に紡糸した白色の
着色繊維である。繊維中への蛍光増白剤の練込み量は,
繊維重量に対して0.01〜0.3重量%の範囲であること
が必要であり,ここで練込み量が0.3重量%を超えると
黄変し,0.01重量%未満であれば良好な白度が得られ
ない。
【0009】本発明では,繊維の製造時に蛍光増白剤を
練り込んだポリエステル繊維で構成された織物に,アニ
オン系またはノニオン系界面活性剤で乳化分散したフッ
素系撥水剤を0.2〜1.0重量%含有している。ここでい
うフッ素系撥水剤とは,パーフルオロアルキル基を含有
するアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル
のごときフルオロアルキル基含有の重合し得る化合物
と,共重合可能なラジカル反応性の不飽和結合をもった
アクリル酸アミド誘導体や塩化ビニル,塩化ビニリデン
等の化合物とを,アニオン系またはノニオン系界面活性
剤と必要に応じて水可溶の有機溶媒を分散助剤として乳
化重合することによって得られる共重合体が水分散され
たものをいう。
【0010】本発明では,フッ素系撥水剤を乳化分散し
ている界面活性剤がアニオン系またはノニオン系である
ことが必須である。アニオン系界面活性剤としては,ア
ルキルスルホン酸とその塩,アルキルベンゼンスルホン
酸とその塩,アルキルカルボン酸とその塩,アルコキシ
ポリオキシエチレンスルホン酸ナトリウムなどを挙げる
ことができ,ノニオン系界面活性剤としては,ポリオキ
シエチレンモノオレイルエーテル,ポリオキシエチレン
モノアルキルエーテル,ポリオキシエチレンモノ(アル
キルフェニル)エーテル,ポリオキシエチレンモノオレ
イル酸エステル,ポリオキシエチレンモノアルキルカル
ボン酸エステル,ソルビタンエステル,ショ糖エステル
などを挙げることができる。ここで界面活性剤がカチオ
ン系であると,織物の防汚性が低下するので不適当であ
る。
【0011】フッ素系撥水剤は,乳化重合して得られた
共重合体が繊維重量に対して0.2〜1.0重量%の範囲で
含有されていなければならない。ここで含有量が0.2重
量%未満であると,良好な撥水性が得られず,一方,1.
0重量%を超えると,良好な撥水性を得ることができる
とはいえ,汚れ粒子が残留しやすくなり,防汚性を大き
く低下させるので好ましくない。本発明では,フッ素系
撥水剤を該布帛に含有せしめる方法について特に限定す
るものではなく,布帛に処理液を含浸し,マングル等で
絞液後乾燥する方法や,処理液を布帛に噴霧した後乾燥
する方法等の公知の方法で行えばよい。また,必要なら
ば,適当な架橋剤とともに使用し,キュアリングを行っ
てもよい。
【0012】本発明の甲皮用織物は,織組織として特に
中央節結ななこ織組織を採用するものである。中央節結
ななこ織組織とは,経糸,緯糸とも3本以上引き揃えて
用いた平織組織であるななこ織組織から,図1〜図3に
示すごとく,浮き糸部の中央の一部の糸1,11,21
が沈んだ組織あるいは沈み糸部の中央の一部の糸2,1
2,22が浮いた組織をいうものである。本発明の甲皮
用織物は,次式によって定義される空隙率が20%以上
でなければならない。 空隙率(%)=〔(28−K1)/28〕×〔(28−K
2)/28〕×100 (ただし,K1 は織物の経糸のカバーファクター K2 は織物の緯糸のカバーファクター)
【0013】カバーファクターK1 ,K2 は,織物の表
面積をどれだけの糸で被覆しているかを示すバロメータ
ーであり,繊度をデニールで表す場合,次式で求めるこ
とができる。
【0014】
【数1】
【0015】ここで空隙率が20%未満になると,緻密
な織物になりすぎて防汚性と速乾性の向上が望めなくな
るので注意を要する。本発明は,以上の構成よりなるも
のである。
【0016】
【作用】本発明によって何故に撥水性,防汚性,速乾
性,耐光性に優れたスリップの起こりにくい布靴の甲皮
用織物が得られるのか,その理由は必ずしも明確ではな
いが,本発明者らは次のように推測している。通常,洗
浄液中の繊維と汚れ粒子との間の付着や脱離現象は,異
種粒子間相互作用に関する理論の“ヘテロ凝集理論”に
よって論じられ,粒子と繊維間に生じる引力のポテンシ
ャルエネルギーと反発力のポテンシャルエネルギーの和
である全相互作用のポテンシャルエネルギーによって汚
れ除去性は左右され,全相互作用のポテンシャルエネル
ギーが大きくなるほど汚れ除去性は向上する。ゼータ電
位は,全相互作用のポテンシャルエネルギーに大きく関
与する因子であり,土,砂等の汚れ粒子は,洗浄中は負
に帯電している。本発明者らは,上記の点に着目して研
究した結果,ポリエステル繊維表面のゼータ電位を−1
5mv以下にすることにより,優れた防汚性が得られるこ
とを見出した。
【0017】本発明の布靴の甲皮用織物のごとく,繊維
製造時に蛍光増白剤を0.01〜0.3重量%混入してなる
ポリエステル繊維で構成すると,染色時に繊維表面の負
のゼータ電位を低下させて染色性を上げ,染色して蛍光
増白するポリエステル繊維に比べて耐光性に優れるとと
もに,ゼータ電位が−15mv以下になっているので,土
や砂等の汚れ粒子の除去性が大幅に向上し,防汚性に優
れる。このような甲皮用織物にアニオン系またはノニオ
ン系界面活性剤で乳化分散したフッ素系撥水剤を0.2〜
1.0重量%含有せしめておくと,ポリエステル繊維表面
のゼータ電位を−15mvより正に変化させることなく撥
水性を付与することができ,防汚性が低下することなく
優れた撥水性を付与することができるようになる。
【0018】そして,本発明のごとく織組織の点では,
平織組織にスリップ防止に有用な節結点を有した中央節
結ななこ織組織を採用し,その空隙率を20%以上にし
ておくと,スリップの起こりにくい,通気性の高い織物
になるので,靴に縫製した後に着用しても,甲皮がスリ
ップを起こさない靴となり,さらに洗濯した後には,フ
ッ素系撥水剤の優れた撥水性能と上述の空隙率をもつ織
組織の相乗効果から,簡単に水を除去することが可能と
なり,例えば,手で水切りするだけで織物の組織点に付
着した水が除去されるとともに,ポリエステル繊維自身
の疎水性と相まって,速乾性を大幅に向上させた防汚性
の良好な布靴の甲皮用織物となる。
【0019】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定,評価
は,下記の方法で行った。 (1)洗濯による汚れ除去性 試料を20cm×20cmにカットし,その試料2枚とJI
S−Z−8901(関東ローム層微粒)の砂3gをビニ
ール袋に封入し,ピリングテスターの試験箱に入れて1
時間処理した後,ビニール袋から取り出し,渦巻き型全
自動洗濯機を使用して,速効トップ(ライオン株式会社
製)0.5gにて40℃で10分間の洗濯を行い,さら
に,常温で5分間すすぎを行った後,脱水,乾燥した。
乾燥後,汚染用グレースケールにて5階級判定を行っ
た。5級は土砂が完全に除去された状態,1級は土砂が
まったく除去されていない状態を示す。
【0020】(2)撥水性 JIS−L−1092のスプレー法で,洗濯前と洗濯1
0回後(洗濯法:JIS−L−0217,103法ライ
ンドライ)の試料について測定した。 (3)速乾性 試料を水中に20分間浸漬して含水させ,次に,直径2
5cmの遠心脱水機にて回転数1000rpm ,時間30秒
間の条件で遠心脱水を行った後,温度25℃,湿度60
%の恒温恒湿室に放置し,水分率の経時変化を測定し
た。 (4)耐光性 JIS−L−0842カーボンアークフェードメーター
による第3露光法により測定した。 (5)スリップ JIS−L−1096(ピン引っかけ法)により滑脱抵
抗力を測定した。
【0021】実施例1 イーストブライトOB−1(イーストマンコダック社
製,オキサゾール系蛍光増白剤)をポリエチレンテレフ
タレートの重量に対して0. 1 %混入したチップを溶融
紡糸し,延伸して210d/48fの白色原着糸を得
た。続いて,仮撚加工(加工条件:撚数2470T/
M,第1ヒーター温度190℃,第2ヒーター温度21
0℃)を行い,仮撚捲縮嵩高加工糸とした後,織物の経
糸,緯糸に用いて,ウォータージェット織機にて経糸密
度76本/インチ,緯糸密度72本/インチの図1に示
す4/4中央節結ななこ織組織の織物を製織し,ポリエ
ステル白色原着布とした。
【0022】次に,NaOH1g/リットル,サンモー
ルFL(日華化学株式会社製,ノニオン系界面活性剤)
1g/リットルを含む浴にて,80℃,10分間のリラ
ックス,精練を行い,脱水,乾燥後,下記処方1の処理
浴に浸漬し,マングルにて絞り率100%で含浸処理
し,乾燥後,180℃,30秒間の熱処理を行って,経
糸密度78本/インチ,緯糸密度74本/インチの本発
明の布靴の甲皮用織物を得た。
【0023】 処方1 アサヒガード LS−317 30g/リットル (旭硝子株式会社製,ノニオン系フッ素撥水剤,固形分20%) スミテックスレジン M−3 1g/リットル (住友化学工業株式会社製,メラミン樹脂) スミテックスアクセラレータ ACX 1g/リットル (住友化学工業株式会社製,メラミン樹脂用触媒)
【0024】本発明との比較のために,本実施例におい
て織物の製織に際し,図4に示す4/4ななこ織組織で
製織する他は,本実施例とまったく同一の方法により比
較用の布靴の甲皮用織物(比較例1)を得た。また,本
発明との比較のため,上記比較例1の織物の製織に際し
て,経糸密度80本/インチ,緯糸密度76本/インチ
で製織する他は,比較例1とまったく同一の方法により
経糸密度82本/インチ,緯糸密度78本/インチの比
較用の布靴の甲皮用織物(比較例2)を得た。
【0025】さらに,本発明との比較のため,本実施例
における白色原着布の製造に際して用いた蛍光増白剤を
使用せずに原糸を製造し,本実施例1と同一の条件で仮
撚加工,製織,リラックス,精練,脱水,乾燥を行った
あと,高圧液流染色機を用いて,ユビテックスEBF
(日本チバガイギー株式会社製,後染用蛍光増白剤)1
%o.w.f.にて130℃で15分間の染色を行い,白色布
を得た。続いて,この白色布を本実施例の処方1の処理
浴に投入して,本実施例1と同一条件で含浸,乾燥,熱
処理を行い,比較用の布靴の甲皮用織物(比較例3)を
得た。
【0026】さらにまた,本発明との比較のため,本実
施例で使用した蛍光増白剤を同一濃度混入したナイロン
6チップを溶融紡糸し,延伸して210d/48fのナ
イロン6白原着糸とした。続いて,仮撚加工して仮撚加
工糸とした後,本実施例1と同一条件で製織,リラック
ス,精練,脱水,乾燥し,本実施例の処方1の処理浴に
投入して,本実施例一と同一条件で含浸,乾燥後,17
0℃,30秒間の熱処理を行い,比較用の布靴の甲皮用
織物(比較例4)を得た。
【0027】本発明および比較用の布靴の甲皮用織物に
ついて性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に
示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1より明らかなごとく,本発明の布靴の
甲皮用織物は,撥水性,防汚性,速乾性,耐光性並びに
スリップ防止性に優れた性能を有していた。
【0030】実施例2,3 実施例1で得られたポリエステル白色原着仮撚加工糸2
10d/48fを3本合撚して630d/144fとし
たあと,レピア織機にて経糸密度43本/インチ,緯糸
密度38本/インチの設計で,図2に示す3/3中央節
結ななこ織組織の織物を製織し,ポリエステル白色原着
布とした。次に,実施例1と同一条件でリラックス,精
練,脱水,乾燥後,表2に示す5条件の処理浴を調液
し,それぞれ実施例1と同一条件で含浸,乾燥,熱処理
を行い,経糸密度45本/インチ,緯糸密度40本/イ
ンチの3/3中央節結ななこ織組織の本発明および比較
例5〜7の布靴の甲皮用織物を得た。
【0031】
【表2】
【0032】さらに,本発明との比較のため,30番手
の綿糸を3本合撚し,本実施例2と同一の設計と織組織
にて,図5に示す3/3ななこ織組織を用いてシャット
ル織機で製織した後,常法により毛焼,糊抜き,精練,
漂白し,続いて,ユビテックス2B(日本チバガイギー
株式会社製,綿用蛍光増白剤)0.5%o.w.f.,無水芒硝
3.0g/リットルの染浴で,ウインス染色機を用いて温
度60℃,時間30分間の条件で蛍光増白し,乾燥し,
引き続き,下記処方2の処理浴にて実施例2と同一条件
で含浸,乾燥,熱処理を行い,比較用の布靴の甲皮用織
物(比較例8)を得た。
【0033】処方2 アサヒガード LS−317 30g/リットル (旭硝子株式会社製,ノニオン系フッ素撥水剤,固形分
20%) メイカネート MF 10g/リットル (明成化学工業株式会社製,ブロックイソシアネート系
化合物)
【0034】本発明及び比較用の布靴の甲皮用織物につ
き,これらの性能を測定,評価し,その結果を合わせて
表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】表3より明らかなごとく,本発明の布靴の
甲皮用織物は,撥水性,防汚性,速乾性,耐光性,スリ
ップ防止性のすべての面において優れていた。
【0037】
【発明の効果】本発明の布靴の甲皮用織物は,優れた撥
水性,防汚性,速乾性,耐光性並びにスリップ防止性を
有している。このような甲皮用織物を用いた布靴を着用
したときには,泥水で汚れにくく,さらに,一度付着し
た土,砂等の汚れ粒子も洗濯で簡単に除去でき,かつ,
素早く乾燥する長期間白度の保たれた布靴となるととも
に,スリップを起こしにくい布靴となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる織物の織組織図の一例を示す。
【図2】本発明で用いる織物の織組織図の一例を示す。
【図3】本発明で用いる織物の織組織図の一例を示す。
【図4】本発明との比較用の織物の織組織図を示す。
【図5】本発明との比較用の織物の織組織図を示す。
【符号の説明】
1,11,21 浮き糸部の沈み糸 2,12,22 沈み糸部の浮き糸
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 1/10 D01F 1/10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の製造時に蛍光増白剤を0.01〜0.
    3重量%混入してなるポリエステル繊維より構成された
    織物に,アニオン系またはノニオン系界面活性剤で乳化
    分散したフッ素系撥水剤を0.2〜1.0重量%含有せしめ
    た織物であって,該織物が中央節結ななこ織組織であ
    り,かつ空隙率が20%以上であることを特徴とする布
    靴の甲皮用織物。
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Cited By (2)

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