JPH09316314A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからの成形品 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからの成形品

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JPH09316314A
JPH09316314A JP8131721A JP13172196A JPH09316314A JP H09316314 A JPH09316314 A JP H09316314A JP 8131721 A JP8131721 A JP 8131721A JP 13172196 A JP13172196 A JP 13172196A JP H09316314 A JPH09316314 A JP H09316314A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
aromatic polycarbonate
titanium oxide
weight
resin composition
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Application number
JP8131721A
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English (en)
Inventor
Hisanaga Shimizu
久永 清水
Kazuo Kitamura
一生 喜多村
Takumi Tanaka
巧 田中
Akio Hamamoto
秋雄 浜元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daito Kasei Kogyo Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Daito Kasei Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、優れた機械的特性および熱安定性
を有し、且つ黄変による白色度、反射性能の低下がな
く、特に反射板用途に適する芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が、
樹脂成分100重量%中の50重量%以上である熱可塑
性樹脂(a成分)99.95〜60重量部および(B)
トリメチルシロキシシリケートで表面処理された酸化チ
タン(b成分)0.05〜40重量部からなる芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物およびそれからの成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な白色度を有
する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に
詳しくは、機械的特性、熱安定性に優れるとともに、優
れた白色度、高い光線反射性能を有する芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物およびそれからの成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃
性等の機械的特性や、透明性、耐熱性、電気的特性、寸
法安定性等に優れることから機械、電気・電子機器、自
動車等の幅広い用途にて使用されている。それら用途に
よっては未塗装のため、成形材料自体に着色を施すこと
が要求される場合がある。従来熱可塑性樹脂を白色に着
色したり光線遮蔽性や光線反射性を付与するために、一
般的に酸化チタンが使用されるが、ポリカーボネート樹
脂に酸化チタンを配合すると酸化チタンの表面に存在す
る化学的活性点の影響によりかかる樹脂の分子量や機械
的特性が低下すると同時にヤケ等により、良好な白色度
が得られないという問題があった。
【0003】また、従来より液晶表示盤やLED(発光
ダイオード)の表示盤等の反射板として樹脂成形品にメ
ッキ加工および塗装されたものが利用されてきたが、樹
脂成形品をメッキ加工および塗装するには時間と費用を
要するため、樹脂成形品自体が高い反射性を有し、メッ
キ加工・塗装を必要としない反射板が望まれている。芳
香族ポリカーボネート樹脂は機械的特性、寸法安定性、
耐熱性等に優れているので液晶表示盤やLEDの表示盤
等の反射板用途に適しているが、光線反射率を高めるに
は酸化チタンの配合量を多くする必要があり、そのため
に分子量低下、機械的強度の低下が起こると同時にヤケ
等により着色が起こり、満足する反射板を提供すること
は困難であった。
【0004】従来ポリカーボネート樹脂に酸化チタンを
配合する際、変色、分子量低下を抑制する方法として種
々の方法が提案されている。例えば特開昭57−835
49号公報では、ポリカーボネート樹脂と酸化チタン等
の顔料、シランカップリング剤を均一にブレンド後溶融
混練しペレットを得る方法が開示され、特公昭63−2
6140号公報では、ポリカーボネート樹脂と連鎖停止
ポリオルガノ水素シロキサン、酸化チタン、安定剤から
なる組成物が開示され、また特開平4−159359号
公報では、ポリカーボネート樹脂にアルミナ水和物とケ
イ酸水和物で表面処理された酸化チタン粉体および特定
の硅素化合物からなる組成物が提案されているが、いず
れの方法から得られる組成物も未だ要求性能を十分に満
足するものは得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た機械的特性および熱安定性を有し且つ黄変による白色
度、反射性能の低下がなく、白色度の要求される用途、
特に反射板用途に適する芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物を提供することにある。本発明者は、上記目的を達
成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂に、トリメチルシロキシシリケートで表面処理さ
れた酸化チタンを配合することにより上記目的が達成さ
れることを見いだし、本発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば(A)芳香族ポリカーボネート樹脂が樹脂成分100
重量%中の50重量%以上である熱可塑性樹脂(a成
分)99.95〜60重量部および(B)トリメチルシ
ロキシシリケートで表面処理された酸化チタン(b成
分)0.05〜40重量部からなる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物が提供される。
【0007】本発明において、a成分として使用される
熱可塑性樹脂は、その樹脂成分100重量%中の50重
量%以上が芳香族ポリカーボネート樹脂である。かかる
芳香族ポリカーボネート樹脂は通常二価フェノールとカ
ーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカー
ボネート樹脂である。ここで使用される二価フェノール
の代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称 ビスフェノールA)、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に
好ましい。
【0008】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0009】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに
当たり、二価フェノールは単独または2種以上を使用す
ることができ、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化
防止剤等を使用してもよい。また芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合し
た分岐ポリカーボネート樹脂であっても、2種以上の芳
香族ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
【0010】かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子
量は、粘度平均分子量(Mv)で10,000〜60,0
00が好ましく、15,000〜30,000が特に好ま
しい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン10
0mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを20℃
で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入
して求める。
【0011】ηsp/c=[η]+0.45[η]2
(但し[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-4v 0.83 c=0.7 かかる芳香族ポリカーボネート樹脂は、熱可塑性樹脂成
分100重量%中の50重量%以上であり、70重量%
以上が好ましく、熱可塑性樹脂成分が実質的に芳香族ポ
リカーボネート樹脂単独であることが特に好ましい。
【0012】a成分の熱可塑性樹脂において、芳香族ポ
リカーボネート樹脂の他に使用される樹脂としては、例
えば芳香族ポリエステル樹脂、熱可塑性グラフト共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が
挙げられ、なかでも芳香族ポリエステル樹脂、熱可塑性
グラフト共重合体が好ましく用いられる。
【0013】該芳香族ポリエステル樹脂は、ジカルボン
酸成分と、グリコール成分との重縮合反応により得られ
る樹脂で、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のい
ずれかが芳香族基を有するものである。ジカルボン酸成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2−
クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、
2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボ
ン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、
ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセン
ジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらを単独、あ
るいは2種以上混合して用いることができる。これらの
ジカルボン酸成分の中では、テレフタル酸、イソフタル
酸の単独あるいはこれらの混合物が好ましく用いられ
る。
【0014】グリコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノ
ール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオー
ル、p−キシレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等が挙げ
られ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。これらのグリコール成分の中でエチレング
リコール、1,4−ブタンジオールが好ましく用いられ
る。
【0015】かかる芳香族ポリエステル樹脂の具体例と
してはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リ(エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタ
レート/エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブ
チレンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)ポ
リエステルエーテル共重合体およびポリアリレート等が
挙げられ、これらの熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂を
単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。これら
の熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂の中で、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂またはポリブチレンテレフタレー
ト樹脂が好ましく用いられる。
【0016】また、該熱可塑性グラフト共重合体は、ジ
エンゴム成分を幹とし、それにグラフト共重合可能な芳
香族ビニル化合物成分およびシアン化ビニル化合物成分
をグラフト重合させた共重合体である。ジエンゴム成分
としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンおよ
びスチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、なかで
もポリブタジエンが好ましく使用される。これらのジエ
ンゴム成分にグラフトされる芳香族ビニル化合物成分と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、アルコキシスチレンおよびハロゲン化ス
チレン等が挙げられ、なかでもスチレンが好ましく用い
られる。また、シアン化ビニル化合物成分としては、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびクロ
ロアクリロニトリル等が挙げられ、なかでもアクリロニ
トリルが好ましく用いられる。更に、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸オクチル等を使
用することができる。これらの熱可塑性グラフト共重合
体の中で、ABS樹脂が好ましく用いられる。これらの
熱可塑性グラフト共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合のいずれかの重合法で製造してもよ
く、また、グラフトの方式としては一段グラフトでも多
段グラフトでもよい。更に熱可塑性グラフト共重合体は
1種のみならず2種以上を混合して使用することができ
る。
【0017】本発明において、b成分として使用される
トリメチルシロキシシリケートで表面処理された酸化チ
タンのベースとなる酸化チタンは、製造方法および結晶
構造によって限定されるものではないが、塩素法により
製造され、ルチル形の結晶構造をとる酸化チタンが好ま
しい。また、使用される酸化チタンの平均粒子径として
は、特に限定されるものではないが、0.01〜0.5μ
mのものが好ましく、0.1〜0.3μmのものが特に好
ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、通常
酸化チタンの表面処理剤として使用される処理剤であら
かじめ処理されていても構わない。かかる処理剤として
は、例えばアルミナおよびシリカが挙げられ、各々単独
で使用しても、併用して使用しても構わない。またそれ
ら表面処理剤中には、本発明を阻害しない程度の量で有
機分散剤や安定剤等が含まれていてもよい。また本発明
に使用する表面処理剤のトリメチルシロキシシリケート
は、ガラス中のナトリウムをトリメチルシリル基で置換
したもので、下記一般式(1)に示す化学構造を有する
ものである。 [(CH33SiO1/2X[SiO2Y ・・・(1) X=1〜3、Y=0.5〜8
【0018】上記酸化チタンを前記トリメチルシロキシ
シリケートで表面処理を施すに際し、トリメチルシロキ
シシリケートはそのものが固形物であるため、また酸化
チタン表面への被覆をより均一にするために、このトリ
メチルシロキシシリケートを適当な溶媒、例えば比較的
低分子量のメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、塩化メチ
レン、1,1,1−トリクロロエタン、あるいはこれらの
溶媒の混合物等に溶解させた溶液を使用することが好ま
しい。溶媒により溶解希釈された溶液は市場より容易に
入手することができる、例えば信越化学工業(株)より
市販されているKF7312J(溶媒:デカメチルシク
ロペンタシロキサン)、KF7312F(溶媒:オクタ
メチルシクロテトラシロキサン)、KF7312K(溶
媒:低粘度メチルポリシロキサン)、また東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)より市販されているBY1
1−018(溶媒:デカメチルシクロペンタシロキサ
ン)、DC593(溶媒:低粘度メチルポリシロキサ
ン)等が挙げられる。
【0019】上記酸化チタンを前記トリメチルシロキシ
シリケートで表面処理する方法として、トリメチルシロ
キシシリケートが溶解している前記溶液中に酸化チタン
を添加混合した後に、加熱あるいは減圧することによっ
て溶媒のみを蒸発除去して表面処理を施す方法、また
は、酸化チタンを高速攪拌装置(ヘンシェルミキサー
等)で強攪拌中に、トリメチルシロキシシリケートが溶
解する前記溶液を滴下あるいはスプレー噴霧し、加熱あ
るいは減圧することによって溶媒のみを蒸発除去して表
面処理を施す方法等がある。いずれの方法に際しても、
酸化チタン表面に存在する活性点と前記トリメチルシロ
キシシリケートを反応させ、またトリメチルシロキシシ
リケート同士を架橋重合させ酸化チタン表面を被覆する
ために、2〜15時間、100〜250℃にて高温加熱
処理を行って十分に酸化チタンの活性点を失活させると
ともに、前記トリメチルシロキシシリケートの低分子量
物を除去することによって、より表面処理を安定化させ
ることは非常に有効である。
【0020】前記トリメチルシロキシシリケートの表面
処理量は、酸化チタン100重量部に対して、0.01
〜50重量部が好ましく、0.1〜30重量部がより好
ましく、0.5〜10重量部が特に好ましい。0.01重
量部未満であると、変色および分子量低下の抑制効果が
十分でなく、また酸化チタンが凝集するようになる。ま
た50重量部を越えるとトリメチルシロキシシリケート
の一部が、酸化チタンの表面から溶け出し、芳香族ポリ
カーボネート樹脂の特性を阻害させることになり好まし
くない。
【0021】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂が樹脂
成分100重量%中の50重量%以上である熱可塑性樹
脂(a成分)と(B)トリメチルシロキシシリケートで
表面処理された酸化チタン(b成分)の重量割合は、a
成分が99.95〜60重量部に対して、b成分が0.0
5〜40重量部であり、好ましくはa成分が99.9〜
70重量部に対して、b成分が0.1〜30重量部であ
る。b成分のトリメチルシロキシシリケートで表面処理
された酸化チタンの配合量が、0.05重量部未満で
は、十分な白色度を有する樹脂組成物が得られず、40
重量部を越えると芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量
の低下や物性特に衝撃強度の低下が起こる。
【0022】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で、例えばガラス繊維、カーボン繊維、
ウイスカー(繊維状酸化チタン、チタン酸カリウムウイ
スカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー等)、タルク、
マイカ等の強化剤を配合することも可能であり、また、
必要に応じてその効果が発現する量の種々の添加剤、例
えば安定剤として亜燐酸エステル系、燐酸エステル系
等、酸化防止剤としてヒンダーフェノール系化合物等、
またポリカプロラクトン等の流動性改質剤、その他離型
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染顔料等が含まれてい
てもよい。
【0023】本発明の樹脂組成物を製造するには、任意
の方法で行うことができる。例えば各成分をV型ブレン
ダー、リボンミキサーまたはタンブラー等に投入して均
一に混合した後、一軸または二軸の通常の押出機等で溶
融混練し、冷却した後ペレット状に切断する方法が適宜
用いられる。このとき、酸化チタン等の充填剤や他の成
分の一部を押出機の途中から添加してもよい。また、成
分の一部を予め混合、混練した後、更に残りの成分を添
加し押出してもよい。かくして得られた樹脂組成物は、
押出成形、射出成形、圧縮成形等の方法で容易に成形可
能であり、またブロー成形、真空成形等にも適用でき、
白色度の要求される種々の用途、また高反射特性が要求
される電気電子・OA等の液晶バックライト反射板等の
材料として最適である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、各特性値の測定は下記の方法により求めた。 (a)試験片および見本板の作成:射出成形機[住友重
機械工業(株)製SG−150U]によりシリンダー温
度300℃、金型温度80℃で成形した。試験片は成形
後室温で48時間放置した後測定に供した。 (b)粘度平均分子量:粘度平均分子量(Mv)は、塩
化メチレンに20℃で0.7g/dlの濃度で溶解した
溶液から求めた比粘度ηSPを下記式に挿入して求めた。 ηSP/C=[η]+0.45[η]2C (但し[η]は
極限粘度) [η]=1.23×10-4v 0.83 C=0.7 (c)衝撃強度:ASTM D256に従い、厚さ1/
8”試験片のアイゾットノッチ付き衝撃強度を測定した
(kgf・cm/cm)。 (d)色相:カラーマシン[東京電色(株)製カラーコ
ンピュター TC−1800MKII]により厚さ2mm
の見本板のL値、a値、b値を測定した。 (e)光線反射率:マクベス社製のカラーアイMS20
20PLUSにより厚さ2mmの見本板を使用し、波長
450〜800nmにおける最も低い反射率の値で評価
した。
【0025】製造例1(トリメチルシロキシシリケート
による酸化チタンの表面処理) 表2記載のトリメチルシロキシシリケート溶液(Si溶
液−1)4重量部と塩化メチレン36重量部を混合し、
トリメチルシロキシシリケートを2重量部含有する希釈
溶液を調整する。この希釈溶液中に表1記載の酸化チタ
ン(TiO2A)を100重量部添加して、2時間にわ
たって混合した後、塩化メチレンおよびデカメチルシク
ロペンタシロキサンを蒸発除去し、その後150℃に加
熱し約6時間放置し、トリメチルシロキシシリケートで
表面処理が施された酸化チタン(Ti−1)を得た。
【0026】製造例2(トリメチルシロキシシリケート
よる酸化チタンの表面処理) 表1記載の酸化チタン(TiO2A)100重量部をヘ
ンシェルミキサーに投入し、回転数を1500rpmと
して強攪拌し、この強攪拌中にトリメチルシロキシシリ
ケート4重量部を含有する表2記載のトリメチルシロキ
シシリケート溶液(Si溶液−2)5.7重量部をスプ
レーによって噴霧し、約30分間にわたって混合した
後、ヘンシェルミキサーを150℃に加温し、2時間に
わたってメチルポリシロキサンを蒸発除去し、トリメチ
ルシロキシシリケートで表面処理が施された酸化チタン
(Ti−2)を得た。
【0027】製造例3(トリメチルシロキシシリケート
による酸化チタンの表面処理) 表2記載のトリメチルシロキシシリケート溶液(Si溶
液−1)4重量部と塩化メチレン36重量部を混合し、
トリメチルシロキシシリケートを2重量部含有する希釈
溶液を調整する。この希釈溶液中に表1記載の酸化チタ
ン(TiO2B)を100重量部添加して、2時間にわ
たって混合した後、塩化メチレンおよびデカメチルシク
ロペンタシロキサンを蒸発除去し、その後150℃に加
熱し約6時間放置し、トリメチルシロキシシリケートで
表面処理が施された酸化チタン(Ti−3)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例1〜6および比較例1〜5 a成分としてビスフェノールA、ホスゲンおよびp−t
ert−ブチルフェノール(分子量調節剤)から常法に
より得た粘度平均分子量22,500の芳香族ポリカー
ボネート樹脂を120℃で5時間乾燥した後、これにb
成分として製造例1〜3により得られた各種酸化チタン
微粉体または表1記載の比較用酸化チタン微粉体を表3
記載の量配合し、ブレンダーにより混合した後、ベント
式二軸押出機[日本製鋼所(株)製TEX30XSS
T]によりシリンダー温度280℃で脱気しながら押出
してペレット化した。得られたペレットを120℃の熱
風循環式乾燥機により6時間乾燥した後、試験片および
見本板を作成し、成形前後の粘度平均分子量、衝撃強
度、色相を測定し、その結果を表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】実施例7〜11および比較例6〜8 前記実施例と同様にして、粘度平均分子量22,500
の芳香族ポリカーボネート樹脂に、各種酸化チタン微粉
体を表4記載の量配合し、ペレット化した後、これを成
形し見本板を作成した。この見本板の光線反射率を測定
し、その結果を表4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】表3、表4より明らかなように本発明の樹
脂組成物は、分子量低下が小さく、衝撃強度が良好で、
白色度に優れ充分に満足できるものである。また、光線
反射率が良好であり、本発明の樹脂組成物は反射板とし
て好ましく使用することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、優れた機械的特性、熱
安定性を有し且つ黄変による白色度、反射性能の低下が
なく、更に高い衝撃強度を有する、白色度の要求される
用途、特に反射板用途に適する芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物を提供することが可能になり、その奏する工
業的効果は格別なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 巧 滋賀県大津市坂本3丁目6番21号 (72)発明者 浜元 秋雄 大阪府大東市灰塚4丁目8番3号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が樹
    脂成分100重量%中の50重量%以上である熱可塑性
    樹脂(a成分)99.95〜60重量部および(B)ト
    リメチルシロキシシリケートで表面処理された酸化チタ
    ン(b成分)0.05〜40重量部からなる芳香族ポリ
    カーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該酸化チタンへの該トリメチルシロキシ
    シリケートの表面処理量が、酸化チタン100重量部に
    対して0.01〜50重量部の割合である請求項1記載
    の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該酸化チタンは、該トリメチルシロキシ
    シリケートにて表面処理する際、100〜250℃にて
    加熱処理された酸化チタンである請求項1記載の芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂組成物より形成された成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂組成物より形成された反射板。
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