JPH09286904A - 車両用外装部品 - Google Patents

車両用外装部品

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JPH09286904A
JPH09286904A JP10243996A JP10243996A JPH09286904A JP H09286904 A JPH09286904 A JP H09286904A JP 10243996 A JP10243996 A JP 10243996A JP 10243996 A JP10243996 A JP 10243996A JP H09286904 A JPH09286904 A JP H09286904A
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aromatic polycarbonate
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Kiyotaka Nakai
清隆 中井
Takayoshi Ito
孝悦 伊藤
Tetsuro Tanimoto
哲朗 谷本
Morihito Nomura
守人 野村
Yoshihide Hashimoto
喜秀 橋元
Kazuo Kitamura
一生 喜多村
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面外観が良好であり、更に耐薬品性、疲労
特性、剛性等の機械的特性に優れた芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物からの車両用外装部品を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート
とからなり、その配合割合が1/3〜1/7である熱可
塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物に対し
て、特定のワラストナイト、ゴム質重合体、カルボキシ
ル基及び/又はその無水物基を含有するオレフィン系ワ
ックスを配合した充填剤で補強された芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物からなる車両用外装部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は充填剤で補強された
芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性ポリエステ
ル樹脂からなる車両用外装部品に関する。更に詳しくは
塗装外観が良好であり、更に耐薬品性、疲労特性、剛性
等の機械的特性に優れる充填剤補強芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物よりなる車両用外装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑
性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂成形品は、機械
特性、熱的特性、耐薬品性などに優れる為、各種車両用
外装部品に幅広く使用されている。
【0003】芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑性
芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物の剛性を改
良する為に、ガラス繊維などの繊維状充填剤を配合する
方法(特開昭54−94556号、特開平6−4934
4号)又、タルク、マイカなどの鱗片状、板状の無機充
填剤を配合する方法(特開昭55−129444号、特
開平5−222283号)が開示されている。
【0004】ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維
状充填剤で強化した芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱
可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物は、
耐薬品性、疲労特性、剛性等の機械特性に優れる材料と
して自動車ドアハンドルなどの車両用外装部品などに幅
広く使用されている。しかしながら、ガラス繊維、カー
ボン繊維等の繊維状充填剤で強化した芳香族ポリカーボ
ネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂から
なる車両用外装部品は通常の金型温度(100℃以下)
で成形した場合、その外観にはガラス繊維、カーボン繊
維等の繊維状充填剤の浮きが目立ち、良好な塗装外観が
必要な場合、その塗膜を非常に厚くしなければならない
という欠点を有している。また、非常に高温の金型温度
(120℃〜130℃)で成形したガラス繊維、カーボ
ン繊維等の繊維状充填剤で強化した芳香族ポリカーボネ
ート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からな
る車両用外装部品は、通常の塗装厚みにて、通常の金型
温度にて成形したものよりは良好な塗装外観をもつが、
十分とはいいがたいものであり、非常に高温の金型温度
の為に成形サイクルが長くなり、生産性が著しく低下す
るという問題点を有するものである。
【0005】一方、タルク、マイカ等の鱗片状、板状の
無機充填剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂及び
熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂を成形してなる車両用
外装部品の外観は、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維
状充填剤を添加した樹脂組成物よりなる車両用外装部品
の外観よりも良好であり、良好な塗装外観をもつ車両用
外装部品を得ることができるが、その補強効果が小さい
為に疲労特性、耐薬品性、機械特性が低下するという欠
点を有するものである。
【0006】そこで、疲労性、耐薬品性、剛性等の機械
的特性に優れた充填剤強化芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物からなり、塗装外観が良好な車両用外装部品が要
求されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐薬品性、
疲労特性、剛性等の機械特性に優れる充填剤強化芳香族
ポリカーボネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステ
ル樹脂からなり、塗装外観が良好な車両用外装部品を提
供することを目的とする。
【0008】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂及び、
ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレ
フタレート樹脂からなる樹脂組成物に特定のワラストナ
イト、特定のゴム質重合体、カルボキシル基及び/又は
カルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックスを
配合してなる樹脂組成物により目的とする車両用外装部
品が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(a成分)80〜50重量%、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート
樹脂とからなり、その配合重量比が1/3〜1/7であ
る熱可塑性ポリエステル樹脂(b成分)20〜50重量
%からなる樹脂組成物100重量部に対して、ワラスト
ナイト(c成分)8〜15重量部、ポリオルガノシロキ
サンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有
している複合ゴムに一種又は二種以上のビニル系単量体
がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体
(d成分)1〜30重量部、カルボキシル基及び/又は
カルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス
(e成分)0.02〜5重量部からなる樹脂組成物から
なることを特徴とする車両用外装部品に係るものであ
る。
【0010】本発明で使用する芳香族ポリカーボネート
樹脂(a成分)は、2価フェノールより誘導される粘度
平均分子量10,000〜100,000、好ましくは
15,000〜60,000の芳香族ポリカーボネート
樹脂であり、通常2価フェノールとカーボネート前駆体
との溶液法あるいは溶融法で反応させて製造される。こ
こで使用する2価フェノールとしては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノ
ールA]を対象とするが、その一部又は全部を他の二価
フェノールで置換えてもよい。他の二価フェノールとし
ては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドキシフェニル)エタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフォン等があげられる。また、カーボネート前駆体
としてはカルボニルハライド、カルボニルエステル又は
ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジ
フェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメ
ート及びこれらの混合物である。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を製造するに当り、適当な分子量調節剤、分岐
剤、反応を促進するための触媒等も使用できる。かくし
て得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混
合しても差し支えない。
【0011】芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)の
配合割合が80重量%よりも多くなると耐薬品性が不十
分となり、50重量%未満では機械的強度が低下するよ
うになり好ましくない。
【0012】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂(b成
分)は、ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリブチレ
ンテレフタレート樹脂とからなり、その混合重量割合は
1/3〜1/7であることが必要である。ポリエチレン
テレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂
との配合割合が1/3よりも大きくなると耐薬品性が低
下するようになり、1/7よりも小さくなると疲労性が
低下するようになり好ましくない。
【0013】本発明で使用するポリエチレンテレフタレ
ート樹脂は通常、テレフタル酸あるいはその誘導体と、
エチレングリコールあるいはその誘導体とから重縮合反
応により得られる樹脂であるが、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、他のジカルボン酸、グリコールを共重合す
ることが可能である。
【0014】共重合可能なジカルボン酸としては、イソ
フタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロ
テレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチ
ルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン
酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メ
タン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを挙げること
ができる。これら共重合可能なジカルボン酸は単独で
も、2種類以上混合しても用いる事ができる。
【0015】共重合可能なグリコールとしては、1,4
−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチルー1,3
−プロパンジオール、トランス−またはシス−2,2,
4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオー
ル、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラ
ブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール
A−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などを挙げ
ることができる。これら共重合可能なグリコールは単独
でも、2種類以上を混合しても用いる事ができる。
【0016】本発明で使用するポリブチレンテレフタレ
ート樹脂は通常、テレフタル酸あるいはその誘導体と、
1,4−ブタンジオールあるいはその誘導体とから重縮
合反応により得られる樹脂であるが、本発明の目的を損
なわない範囲で、他のジカルボン酸、グリコールを共重
合することが可能である。
【0017】共重合可能なジカルボン酸としては、イソ
フタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロ
テレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチ
ルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン
酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メ
タン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを挙げること
ができる。これら共重合可能なジカルボン酸は単独で
も、2種類以上混合しても用いる事ができる。
【0018】共重合可能なグリコールとしては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,
4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクヘキサンジメタノール、デカ
メチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キ
シレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス
(2−ヒドロキシエチルエーテル)などを挙げることが
できる。これら共重合可能なグリコールは単独でも、2
種類以上を混合しても用いる事ができる。
【0019】本発明で使用するワラストナイト(c成
分)は針状結晶をもつ天然白色鉱物(カルシウムメタシ
リケート)であり、化学式CaSiO3 で表され、通常
SiO2 50重量%、CaO47重量%、その他Fe2
3 、Al2 3 などを含有しており、比重は約2.9
である。本発明においては、該ワラストナイトの粒子径
分布3μm以上が75%以上、10μm以上が5%以下
であり、且つ、アスペクト比L/D=8〜50、好まし
くは10〜40の範囲にあることが好ましい。本発明で
粒子径分布とは、ワラストナイト5gを10%ヘキサメ
タ燐酸ソーダ5mlとともに250mlメスシリンダー
に加えた後、純水を250mlまで加え、良く分散させ
た懸濁液を任意の吸引時間(t)、任意の吸引位置
(h)で10mlホールピペットにより吸引し、吸引し
た懸濁液を蒸発皿に移し、蒸発乾固した重量(w)を次
式に挿入して求めたものである。
【0020】
【数1】
【0021】(但し、分散剤重量はヘキサメタ燐酸ソー
ダの重量で0.02g) 粒子径(d)は、任意の吸引時間(t)、任意の吸引位
置(h)、ワラストナイトの真比重(ρP )を次式に挿
入して求めたものである。
【0022】
【数2】
【0023】この測定法は、アンドレアゼンピペット法
に準ずるものである。
【0024】また、アスペクト比L/Dとは、ワラスト
ナイトを走査型電子顕微鏡写真を撮影し、写真中の10
0個のワラストナイト繊維の平均繊維長(L)と平均繊
維径(D)との比で表されるものである。
【0025】また、該ワラストナイトは、通常の表面処
理剤、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤などのカップリング剤などで表面処理を施
したものを使用しても差し支えない。アスペクト比が3
未満では、補強効果が不十分であり、耐薬品性、疲労特
性が低下するようになり、アスペクト比が50を超える
と得られる成形品の外観が悪化するようになり好ましく
ない。また、該ワラストナイトは、通常の表面処理剤、
例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤などのカップリング剤などで表面処理を施したも
のを使用しても差し支えない。
【0026】ワラストナイト(c成分)の配合割合が、
15重量部よりも多くなると機械的強度が低下するよう
になり、8重量部未満では剛性改良効果が不十分となり
好ましくない。
【0027】本発明で使用するポリオルガノシロキサン
ゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
とが分離できないように相互に絡み合った構造を有して
いる複合ゴムに一種又は二種以上のビニル系単量体がグ
ラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体(d
成分)とは三員環以上の環状オルガノシロキサン、例え
ばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン等と架橋剤及び/又はグラフト交叉剤を用いて乳化
重合によりポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを
調整し、次にアルキル(メタ)アクリレート単量体、架
橋剤及び/又はグラフト交叉剤とをポリオルガノシロキ
サンゴムのラテックスに含浸させてから重合することに
よって得ることができる。ここで用いられるアルキル
(メタ)アクリレート単量体としてはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキル
メタクリレートが挙げられるが、特に、n−ブチルアク
リレートを用いることが好ましい。この複合ゴムにグラ
フト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル酸エステル等が挙げられ、これらは単独もしくは二
種以上の組み合わせで用いられる。なかでも、特に好ま
しいものとしては、三菱レイヨン(株)よりメタブレン
S−2001あるいはRK−120、RK−200とい
う商品名で市販されているものが挙げられる。
【0028】ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリア
ルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できない
ように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに一
種又は二種以上のビニル系単量体がグラフト重合されて
なる複合ゴム系グラフト共重合体(d成分)の配合割合
が30重量部よりも多くなると剛性、耐薬品性が低下す
るようになり、1重量部未満では強度改良効果が不十分
となり好ましくない。本発明で使用するカルボキシル基
及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系
ワックス(e成分)とは、オレフィン系ワックスを特殊
処理して得られるカルボキシル基及び/又はカルボン酸
無水物基を持つワックスである。このワックスを配合す
ることにより、成形加工時のせん断による無機充填剤の
破壊を低減させ、本来のアスペクト比を保持する効果が
発現するものと考えられる。
【0029】このカルボキシル基及びカルボン酸無水物
基は、このオレフィン系ワックスのどの部分に結合して
もよく、またその濃度は特に限定されないが、該オレフ
ィン系ワックス1g当り0.1〜6meq/gの範囲が
好ましい。0.1meq/gより少なくなると剛性及び
耐衝撃性の改良効果が不十分となり、6meq/gより
多くなると該オレフィン系ワックス自身の熱安定性が悪
化し好ましくない。
【0030】かかるオレフィン系ワックスの市販品とし
ては例えばダイヤカルナ−PA30(三菱化成(株)
製:商品名)、ハイワックス酸処理タイプの2203
A、1105A(三井石油化学(株)製:商品名)、あ
るいは酸化パラフィン(日本精蝋(株)製)などが挙げ
られ、これら単独あるいは2種以上の混合物として使用
される。
【0031】カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水
物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)の配合
割合が0.02重量部未満では剛性、強度改良効果が小
さく、5重量部を超えると外観、機械的強度が低下する
ようになり好ましくない。
【0032】ワラストナイト(c成分)の配合割合が、
15重量部よりも多くなると機械的強度が低下するよう
になり、8重量部未満では剛性改良効果が不十分となり
好ましくない。
【0033】本発明の車両用外装部品には、本発明の目
的を損なわない範囲で、樹脂組成物の調整時などに、核
剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、エチレン−アク
リル酸ナトリウム等)、安定剤(例えば、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル等)、酸化防止剤(例えばヒンダ
ードフェノール系化合物等)、光安定剤、着色剤、発泡
剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、等を配合してもよい。
また、少量の他の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
【0034】本発明の車両用外装部品としては、例えば
塗装用ドアハンドル、ピラー、サイドモール、サイドプ
ロテクターなどを挙げることができ、特にドアハンドル
が好ましい。該樹脂組成物の各成分をV型ブレンダー、
リボンミキサー、タンブラー等で均一に混合した後、通
常の押出機などにて溶融混練し、ペレット化する等の方
法により射出成形、押出成形、圧縮成形または回転成形
等の任意の方法で容易に製造することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。なお、評価は下記の方法によった。
【0036】(1)表面粗さ;ドアハンドル前面部(図
1:外径寸法=185mm×70mm)に関西ペイント
(株)製レタンPG60を塗布し、80℃×30分間乾
燥した後、万能表面形状測定機(SURFCOM 3
B.E−MD−S10A:東京精密(株)製)にて触針
径2μm、触針圧0.07gの条件にて平均表面粗さ
(Ra)を測定した。なお塗装膜厚は45μmであっ
た。
【0037】(2)外観;ドアハンドル前面部(図1)
のヒケ等の外観不良の有無を目視により判定した。な
お、判定は下記に従って行った。 ○・・・ヒケ等の外観不良あり ×・・・ヒケ等の外観不良なし (3)破壊強度;ドアハンドル(図1)を用い、23℃
の雰囲気にて図2に示す様にハンドル部を引張り治具を
用い、引張り速度=50mm/sで引張り、破壊時の荷
重を測定した。なお、判定は下記に従って行った。 ○・・・破壊時の荷重が120kgf以上 △・・・破壊時の荷重が120〜80kgf ×・・・破壊時の荷重が80kgf未満 (4)剛性;ドアハンドル(図1)を用い図2に示す様
にして、ハンドル部を引張り治具にてF=20kgfで
引張り、ハンドルの変形量を測定した。なお判定は下記
に従って行った。 ○・・・7mm以下 ×・・・7mm未満 (5)耐薬品性;ドアハンドル(図1)のボス部(図
2:内径=9.5mm、外径=16mm)に金属ナット
(図3:首下長さ=8mm、径=11mm)を予備加熱
350℃×80s以上、圧入速度=10mm/s、圧入
保持=7kgf/cm2 ×3sにて圧入実施後(図
4)、23℃×24hr状態調整後、ワックスリムーバ
(ユシロ化学(株):ST−210)に23℃×24h
rの条件で浸漬後、ボス部のクラックの有無を目視によ
り判定した。なお、判定は下記に従って行った。 ○・・・クラック発生なし ×・・・クラック発生あり 更に、薬品処理後のドアハンドルを23℃の雰囲気にて
図2に示す様にハンドル部を引張り治具を用い、引張り
速度=50mm/sで引張り、破壊時の荷重を測定し
た。なお判定は下記に従って行った。 ○・・・破壊時の荷重が120kgf以上 △・・・破壊時の荷重が120〜80kgf ×・・・破壊時の荷重が80kgf未満 (6)耐久性;ドアハンドル(図1)を用い図2に示す
ように、引張り治具を用い、23℃×10kgf、1H
zの条件にて引張り耐久試験を実施し、破壊に至るまで
の回数を測定した。なお判定は下記に従って行った。 ○・・・破壊に至るまでの回数が10万回以上 △・・・破壊に至るまでの回数が10万回〜7万回 ×・・・破壊に至るまでの回数が7万回未満
【0038】[実施例1〜17及び比較例1〜16]表
1に示す各成分を表記載の量及び、リン系安定剤(サイ
クリック ネオペンタンテトライルビス(オクタデシル
フォスファイト):旭電化工業(株)製PEP−8)を
0.1重量部混合し、径30mmのベント式押出機[ナ
カタニ(株)製VSK−30]によりシリンダー温度2
70℃でペレット化した。このペレットを120℃で5
時間乾燥した後、射出成形機[FANUC(株)製T−
150D]によりシリンダー温度270℃、金型温度9
0℃で図1に示すドアハンドルを作成し、評価結果を表
1に示した。
【0039】なお、表1記載の各成分を示す記号は下記
の通りである。
【0040】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂 ビスフェノールA型ポリカーボネート:パンライトL−
1250;帝人化成(株)製、粘度平均分子量25,0
00(以下PCと称す) (B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(以下熱可塑性
Pes と称する。) ポリブチレンテレフタレート樹脂:TRB−H;帝人
(株)製、固有粘度1.07(以下PBTと称す) ポリエチレンテレフタレート樹脂:TR−8580;
帝人(株)製、固有粘度0.8(以下PETと称す) (C)無機充填剤 ワラストナイト:NN−4;巴工業(株)製、平均径
D=4μm、3μm以上の粒子径分布が82.5%およ
び10μm以上の粒子径分布がは0.7%、アスペクト
比L/D=20(以下W−1と称す) ガラス繊維:3PE−941;日東紡(株)製、平均
径(D)=13μm アスペクト比L/D=230(以下GFと称す) タルク:P−3;日本タルク(株)(以下Tと称す) (D)ゴム質重合体 ポリオルガノシロキサン成分及びポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分が相互侵入網目構造を有して
いる複合ゴム:S−2001;三菱レイヨン(株)製) (E)オレフィン系ワックス α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合によるオ
レフィン系ワックス:ダイヤカルナ−PA30;三菱化
成(株)製(無水マレイン酸含有量=10重量%)(以
下WAXと称す)
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の車両用外装部品は、表面外観が
良好であり、更に詳しくは耐薬品性、疲労特性、剛性等
の機械特性に優れるものであり、特に塗装用ドアハンド
ル、ピラー等の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドアハンドル前面図
【図2】ドアハンドル断面図
【図3】金属ナット
【図4】金属ナット圧入図
【符号の説明】 1 ウエイト 2 スプリング 3 ピン 4 ハンドル 5 ケース 6 引張り治具 7 クッション 8 パッド 9 ケースボス部 10 金属ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPN E05B 1/00 301C E05B 1/00 301 B60J 5/04 H //(C08L 69/00 51:00 91:06) (72)発明者 谷本 哲朗 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 野村 守人 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 橋元 喜秀 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 (72)発明者 喜多村 一生 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)
    80〜50重量%及び、ポリエチレンテレフタレート樹
    脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とからなり、その
    配合重量比が1/3〜1/7である熱可塑性ポリエステ
    ル樹脂(b成分)20〜50重量%からなる樹脂組成物
    100重量部に対して、ワラストナイト(c成分)8〜
    15重量部、及び、ポリオルガノシロキサンゴム成分と
    ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離で
    きないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴ
    ムに一種又は二種以上のビニル系単量体がグラフト重合
    されてなる複合ゴム系グラフト共重合体(d成分)1〜
    30重量部及び、カルボキシル基及び/又はカルボン酸
    無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)を
    0.02〜5重量部配合した芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物からなることを特徴とする車両用外装部品。
  2. 【請求項2】 ワラストナイト(c成分)の粒子径分布
    が3μm以上は75%以上、10μm以上は5%以下で
    あり、且つアスペクト比L/D=8〜50であることを
    特徴とする請求項1記載芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物からなる車両用外装部品。
  3. 【請求項3】 車両用外装部品が車両用ドアハンドルで
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の芳香
    族ポリカーボネート樹脂組成物からなる車両用外装部
    品。
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