JPH09316024A - (メタ)アクリル酸用重合防止剤およびこれを用いてなる(メタ)アクリル酸の重合防止方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸用重合防止剤およびこれを用いてなる(メタ)アクリル酸の重合防止方法

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JPH09316024A
JPH09316024A JP13038896A JP13038896A JPH09316024A JP H09316024 A JPH09316024 A JP H09316024A JP 13038896 A JP13038896 A JP 13038896A JP 13038896 A JP13038896 A JP 13038896A JP H09316024 A JPH09316024 A JP H09316024A
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JP
Japan
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acrylic acid
meth
polymerization
polymerization inhibitor
inhibitor
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Application number
JP13038896A
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Katsuji Imi
勝治 伊美
Kozo Kato
幸三 加藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸の製造に際し、少量の重
合防止剤で優れた重合防止効果を付与すると共に、蒸留
工程等の高温状態に於いても優れた重合防止効果を発揮
する重合防止剤を提供すること。 【解決手段】 重合防止剤としてビス(2−ヒドロキシ
エチル)ジチオカルバミン酸銅を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は(メタ)アクリル酸
用重合防止剤およびこれを用いてなる(メタ)アクリル
酸の重合防止方法に関する。さらに詳細にはビス(2−
ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅を重合防止剤
とし、これを例えば(メタ)アクリル酸を含む系の蒸留
等に際して用いることを特徴とする(メタ)アクリル酸
の重合防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸は、熱、光、過酸化
物等によって容易に、しかも極めて激しい重合を起こす
性質を有しているため、これらを蒸留塔により精製する
際に、多量の重合物の発生による蒸留塔の能力の低下
や、蒸留塔リボイラー伝熱面への重合物の付着による伝
熱性能の低下をもたらすばかりでなく、蒸留塔内での重
合物による閉塞も起こすことが知られている。これらの
現象は(メタ)アクリル酸を製造するプロセスにおいて
は、極めて大きな支障となっており、重合をいかに制御
するかが、工業的製造には重要である。
【0003】従来、(メタ)アクリル酸の重合防止方法
の1つとして、重合禁止剤を添加することが古くから提
案され実施されている。代表的な重合防止剤としては、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等
のフェノール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等
のアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、
酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物およびニト
ロソ化合物等が知られている。そして、これらの重合防
止剤を1種或いは2種以上で用いたり、更にはこれら重
合防止剤と分子状酸素含有ガスとを併用する方法も提案
されている。
【0004】しかしながら、従来提案されている重合防
止剤は、アクリル酸製造プロセスの蒸留工程などの高温
状態で使用する場合にはその効果が小さく、多量に添加
しなければ所望とする効果が得難いことより、工業的実
施において、必ずしも満足すべきものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情下に鑑み、
本発明者らは少量添加で(メタ)アクリル酸に対する重
合防止効果を有する重合防止剤を見出すことを目的とし
て鋭意検討を行った結果、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)ジチオカルバミン酸銅を重合防止剤として適用する
場合には、顕著な重合防止効果を発揮することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ビス
(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅よりな
る(メタ)アクリル酸用重合防止剤を提供するにある。
さらには、(メタ)アクリル酸に重合防止剤としてビス
(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅を用い
ることを特徴とする(メタ)アクリル酸の重合防止方法
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに具体
的に説明する。本発明は(メタ)アクリル酸の重合防止
剤として有効に適用し得るものであり本発明に於いて
(メタ)アクリル酸とはアクリル酸、メタクリル酸およ
びこれらのエステル、或いはこれら化合物を含有する組
成物を包含するものである。(メタ)アクリル酸のエス
テルとはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0008】本発明に於いて、重合防止剤としてのビス
(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅は(メ
タ)アクリル酸に対し約1〜約5000ppm、好まし
くは約10〜約500ppm添加される。重合防止剤の
使用量が上記範囲未満の場合には重合防止効果が充分で
はなく、また、この範囲を越える場合には所望とする重
合防止効果は得られるものの生産コストの上昇を招く。
【0009】重合防止剤の添加方法は、通常公知の方法
で実施すればよく特に限定されないが、例えば、アクリ
ル酸を製造する場合に関して説明すれば、重合防止剤を
固体、または液体のまま直接アクリル酸に添加する方法
や、適当な有機溶剤に溶解して添加しても良い。本重合
防止剤であるビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカル
バミン酸銅を水溶液中で合成した場合には、単離を行わ
ず、溶液のまま、又は濃縮して用いても良い。これらは
例えばアクリル酸の製造直後に添加することもできる
が、蒸留を行う直前に添加することが好ましく、工業的
には、蒸留装置へ供給されるアクリル酸の供給原料中や
蒸留によって蒸留缶液側へ還流される液中に溶解させて
供給することもできる。一般に、アクリル酸またはアク
リル酸を含む系の蒸留は、約50〜約150℃、約10
0〜約500mmHgの条件で行われるが、本発明によ
れば、このような高温状態での処理においても十分に重
合を防止することができ、長期の連続運転が可能にな
る。
【0010】本発明に於いては重合防止剤としてビス
(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅を使用
することにより、優れた重合防止効果が得られるが、公
知の他の重合防止剤を更に添加・併用することも可能で
ある。かかる公知の重合防止剤としては、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール
類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類、
ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン
等のマンガン塩、ニトロ化合物およびニトロソ化合物等
が挙げられる。これらの使用は上記した本発明方法に於
いて適用する重合防止剤と同様の方法で使用することが
できる。
【0011】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、少量の重
合防止剤で効果的に(メタ)アクリル酸の重合防止を可
能ならしめるもので、特に高温状態においても、極めて
優れた(メタ)アクリル酸の重合防止効果を発揮するも
ので、その産業上の利用価値は頗る大である。
【0012】
【実施例】以下実施例、比較例によって本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。尚、以下の実施例中に於いて、ビス(2−
ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅をCESCと
略記する場合がある。
【0013】〔ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカ
ルバミン酸銅の合成〕ジエタノールアミン(10.5
g)、CS2 (6.0ml)、水(50ml)中に、N
aOH水溶液(濃度7.4%、54g)を攪拌しながら
滴下し、室温で2時間攪拌後、CuCl2 水溶液(濃度
11.8%、56.7g)を滴下し、更に1時間室温で
攪拌した。このようにして得られた反応液をエバポレー
ターで濃縮後、真空下に乾燥し、黒色の粘凋な固体36
gを得た。次いで該黒色粘凋固体をメタノールと少量の
ヘキサンに溶解した後、再結晶させ、固液分離して灰色
結晶を得た。得られた灰色結晶の元素分析を行った。そ
の結果を表1に示す。この結果より上記合成により得ら
れた灰色結晶物はビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオ
カルバミン酸銅の分子構成比と同一であることが判る。
尚、以下の実施例においてCESCは本合成で得られた
結晶物を使用した。
【0014】
【表1】
【0015】実施例1 アクリル酸50%水溶液に表2に示す重合防止剤を添加
した溶液を、内容積20mlの蓋付き試験管に5g入
れ、窒素ボックス中で100ppmの酸素を含む窒素に
より5分間バブリングし、試験管をその雰囲気下で密栓
した。これを、80℃のオイルバスに浸け、30分経過
したところで取り出し冷却した。この溶液を水で希釈
し、4級アンモニウム塩と反応させ、その濁りの度合い
からポリアクリル酸を定量した。
【0016】
【表2】
【0017】比較例1 上記したCESCの合成例に準じて重合防止剤としてビ
ス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸マンガ
ンを合成した。アクリル酸50%水溶液に、この重合防
止剤を50ppm添加した溶液を、内容積20mlの蓋
付き試験管に5g入れ、窒素ボックス中で100ppm
の酸素を含む窒素により5分間バブリングし、試験管を
その雰囲気下で密栓した。これを、80℃のオイルバス
に浸け、30分経過したところで取り出し冷却した。こ
の溶液を水で希釈し、4級アンモニウム塩と反応させ、
その濁りの度合いからポリアクリル酸を定量したとこ
ろ、639ppmであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカ
    ルバミン酸銅よりなる(メタ)アクリル酸用重合防止
    剤。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸に重合防止剤として
    ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅を
    用いることを特徴とする(メタ)アクリル酸の重合防止
    方法。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸に対するビス(2−
    ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅の添加量が1
    〜5000ppmであることを特徴とする請求項2記載
    の(メタ)アクリル酸の重合防止方法。
JP13038896A 1996-05-24 1996-05-24 (メタ)アクリル酸用重合防止剤およびこれを用いてなる(メタ)アクリル酸の重合防止方法 Pending JPH09316024A (ja)

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