JPH09314376A - 急冷凝固薄帯よりなる円錐台リング接合材並びに円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の製造方法、製造用ノズルおよび製造用装置 - Google Patents

急冷凝固薄帯よりなる円錐台リング接合材並びに円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の製造方法、製造用ノズルおよび製造用装置

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JPH09314376A
JPH09314376A JP14203096A JP14203096A JPH09314376A JP H09314376 A JPH09314376 A JP H09314376A JP 14203096 A JP14203096 A JP 14203096A JP 14203096 A JP14203096 A JP 14203096A JP H09314376 A JPH09314376 A JP H09314376A
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tapered
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JP14203096A
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Yuichi Sato
有一 佐藤
Shigekatsu Ozaki
茂克 尾崎
Hiroshi Hasegawa
泰士 長谷川
Eiji Tsuru
英司 津留
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、より強固な開先継手接合を
実現するための接合材およびその製法さらには製造装置
を提供することにある。 【解決手段】 接合材の形状を、1箇所のテーパー部
と、少なくとも1箇所の水平部若しくはテーパー部を有
する円錐台リングとする。この接合材は、接合する鋼管
の継手部の形状に合わせた冷却ロールおよびノズルから
なる装置を用い、溶融合金の噴出位置を選択することに
より製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単ロール法で製造
する急冷凝固薄帯からなり、例えば鋼管や丸棒などの溶
接継手のための円錐台リング形状にして使用する接合材
並びにこの接合材用の急冷凝固薄帯の製造法、製造用ノ
ズル及び製造用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来からの鋼管の溶接継手とし
て、低炭素鋼よりなる比較的小径のものではフラッシュ
バット溶接が行われ、合金鋼よりなる比較的高級な鋼管
では、高価なMIGやTIG溶接が行われている。
【0003】一方、油井鋼管等の特殊管の継手には、例
えば、図12に示すように、一対の鋼管3、4のそれぞ
れの接続部に、角度αの傾斜を持つ凹テーパー13及び
凸テーパー14を設け、一方の鋼管3接合部に他方の鋼
管4接合部を嵌合する際に、この凹凸テーパー13、1
4間に円錐台リング接合材12を挿入した後、加熱して
接合する方法(以下、開先継手接合と称す)が採用され
ている。なお、この開先継手接合における接合のメカニ
ズムは採用する接合条件により異なり、円錐台リング状
接合材12が溶解、接合後、ろうとして接合界面に残存
するいわゆるろう付けにより接合される場合や、円錐台
リング接合材12中に高速に拡散する元素(例えば、
B、P等)を含有し、溶解後にこれらの元素が高速で被
接合材中に拡散して接合される場合(以下、この接合法
を液相拡散接合と称す)がある。液相拡散接合による場
合、接合強度はろう付けより強固で、接合後の引張試験
で母材破断を起こすほどにまで達することもある。
【0004】本発明者らは、図12に示すような開先継
手接合に用いる円錐台リング接合材12として、急冷凝
固薄帯よりなる円錐台リング接合材を以前に提案した。
この急冷凝固薄帯よりなる円錐台リング接合材およびそ
の製法については特開平5−123890号公報に開示
されているが、その製法は概ね以下の通りである。すな
わち、図11に示すように、表面をテーパー状に形成し
た冷却ロール5を高速回転させ、ルツボ7のノズル8を
該冷却ロール5のテーパー面に接近させて、このテーパ
ー面とほぼ平行に位置せしめ、高速回転する冷却ロール
5のテーパー面に溶融合金6を噴出して円錐台リング接
合材用薄帯11を溶融合金6から直接製造するものであ
る。なお、円錐台リング接合用薄帯11は、薄帯剥離用
ノズル10を用いて剥離する。
【0005】つまり、このような単ロール法という急冷
凝固法を応用して容易に、かつ、安価に円錐台リング状
接合材が得られるようになったことから、開先継手接合
がより安価にできるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな開先継手接合において接合強度をさらに向上させる
ためには、接合するもの同士の開先形状を、例えば図3
(a)に示すように、テーパー部3a、3b間に水平部
3hを、テーパー部4a、4b間に水平部4hを有する
ようなテーパー形状とした鋼管3、4とするか、若しく
は図3(b)の如く、三箇所のテーパー部3a、3b、
3c及び4a、4b、4cを有するようなテーパー形状
とした鋼管3、4とするか、或いは図3(c)の如く、
二箇所のテーパー部3a、3b及び4a、4bを有する
ようなテーパー形状とした鋼管3、4とすることによ
り、接合後の長手方向での引張応力に対して強化される
からより強力な接合が可能となる。もちろん、このよう
なより強固な開先継手接合を実現するためには、図3
(a)〜(c)に示すような水平部とテーパー部若しく
は複数のテーパー部を有するようなテーパー形状の円錐
台リング接合材2が必要となる。
【0007】本発明の目的は、このようなより強固な開
先継手接合を実現するために、開先継手接合用のテーパ
ー形状の接合材およびその製法さらには製造装置を提供
することにある。
【0008】
【発明が解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、
(1)所定の直径で巻いたとき、少なくとも1箇所の水
平部と、少なくとも1箇所のテーパー部を有する真正な
円錐台リングを形成することを特徴とする急冷凝固薄帯
よりなる円錐台リング接合材、(2)所定の直径で巻い
たとき、2箇所以上のテーパー部からなる真正な円錐台
リングを形成することを特徴とする急冷凝固薄帯よりな
る円錐台リング接合材。(3)表面に水平部およびテー
パー部を隣合わせに、それぞれ少なくとも1箇所ずつ形
成した単ロールを用い、該テーパー面付近に接近し、且
つ該テーパー面付近の単ロール表面とほぼ平行に溶融合
金収容器のノズル面を位置せしめ、高速回転する前記単
ロールのテーパー面付近に溶融合金を噴出せしめて急冷
凝固薄帯とすることを特徴とする円錐台リング接合材用
急冷凝固薄帯の製造方法、(4)表面に隣合わせに2箇
所以上のテーパー部を形成した単ロールを用い、該テー
パー面付近に接近し、且つ該テーパー面付近の単ロール
表面とほぼ平行に溶融合金収容器のノズル面を位置せし
め、高速回転する前記単ロールのテーパー面付近に溶融
合金を噴出せしめて急冷凝固薄帯とすることを特徴とす
る円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の製造方法、
(5)底面に水平部およびテーパー部を隣合わせに、若
しくはテーパー部どうしを隣合わせに、それぞれ少なく
とも1箇所ずつ形成し、該テーパー部若しくは水平部の
それぞれ全部又は一部にわたって、開口を設けたことを
特徴とする円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の製造用
ノズル、(6)急冷凝固薄帯の製造を可能とする単ロー
ル急冷凝固製造設備において、冷却ロールとして、表面
の少なくとも1箇所にテーパー面を形成した単ロール、
及び、高速回転する冷却ロールの表面に溶融合金を供給
するためのノズルとして、底面の少なくとも1箇所をテ
ーパー状に形成し、該テーパー部の一部から始まる開口
を設けたノズルからなることを特徴とする円錐台リング
接合材用急冷凝固薄帯の製造用装置。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について図を用い
て具体的に説明する。図1は、本発明の水平部を有する
円錐台リング接合材の製法の一例を説明するための模式
図である。すなわち、下部にノズル8を有し、溶融合金
6を保持するルツボ7を高速回転する冷却ロール5上に
接近させ、ルツボ7の下部の開口から溶融合金6を噴出
する。このとき、用いる冷却ロール5の表面は中央部が
平坦部で両端にはテーパー加工したものを用いる。ルツ
ボ7の底部に設けた開口から噴出された溶融合金6は、
ノズル8の底部と冷却ロール5との間に湯溜であるパド
ル15を形成し、このパドル15の底部、すなわち、パ
ドル15の冷却ロール5側から溶融合金6は凝固し始め
る。そして、凝固した合金の形状は冷却ロール5の表面
の形状を転写した形状となり、円錐台リング接合材用急
冷凝固薄帯1が得られる。なお、この円錐台リング接合
材用急冷凝固薄帯1を連続的に製造するために、例えば
薄帯剥離用ノズル10から高圧ガスを吹き付けて円錐台
リング接合材用急冷凝固薄帯1を冷却ロール5の表面か
ら剥離する。
【0010】本発明の図1に示す製法について、図2を
用いてさらに詳しく説明する。図2(a)は、図1を拡
大して示す模式図で、ルツボ7から噴出された溶融合金
が冷却ロール5上でパドル15を形成し、円錐台リング
接合材用急冷凝固薄帯1となる様子を模式的に示してい
る。冷却ロール5の表面は前述のように、中央部を平坦
とし、その両端にはテーパーを加工しているので、溶融
合金を図に示すような冷却ロールの表面位置に噴出すれ
ば、円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯1は点線で示す
位置に折り目を有するものとなる。
【0011】その結果、得られた円錐台リング接合材用
急冷凝固薄帯1から用いた冷却ロール5の円周に相当す
る長さだけサンプルを採取し一周巻きすると、図2の
(b)に示すように、本発明の円錐台リング接合材2が
形成される。なお、本発明の円錐台リング接合材2は、
例えば図2(b)に示すように、水平部2hおよびテー
パー部2a、2bから形成される。
【0012】このような円錐台リング接合材2が得られ
ることにより、図3(a)に示すような開継手接合が可
能となる。すなわち、図3(a)は本発明の水平部を有
する円錐台リング接合材を用いて開先継手接合を行う様
子を示す模式図であるが、接合される鋼管3、4にはそ
れぞれ凹テーパー、凸テーパーを予め加工しておく。開
先継手接合をする際は、これら鋼管3、4の接合面とな
る凹凸テーパー面間に円錐台リング接合材2をインサ−
ト材として配置し、接合部を適度な温度まで加熱して接
合する。インサート材として用いる円錐台リング接合材
2の好ましい形状については後述するが、円錐台リング
接合材2の形状は、鋼管3、4に加工したテーパー形状
に相似形状となるようにする。
【0013】本発明の図1に示す製法で用いるノズル
は、図4(a)に示すように、ルツボ7の下部に設けら
れ、底面にテーパー部および水平部をそれぞれ隣合わせ
に形成させたものである。なお、図4(a)には、中央
に水平部を設け、その両端にテーパー部を形成したもの
を示している。また、図4(a)には、ルツボ7とノズ
ル8とが一体化した場合を例として示しているが、これ
らは一体化してもよいし、しなくてもよい。
【0014】このノズルの開口は、例えば図4(b)に
示すように、ノズル底部の一方のテーパー部から他方の
テーパー部までつながった1個の矩形開口9とするとよ
い。ここで、本発明の円錐台リング接合材の幅は、この
矩形開口長さで決定されるので、ノズルの開口長さは、
要求される円錐台リング接合材の幅に応じて決定する。
なお、本発明のノズルの開口9は1個の矩形孔とした場
合に限定せず、例えば図4(c)に示すような2個の矩
形孔を平行に並べてもよい。また、図4(b)および
(c)において点線で示すところは、図4(a)で点線
で示した円錐台リング接合材の折り目の位置に相当す
る。
【0015】次に、本発明の水平部を有する円錐台リン
グ接合材の形状について説明する。この円錐台リング接
合材の形状は、少なくとも1箇所の水平部を有するとし
ているが、ここで言う「水平部」とは多少の勾配を有す
るものも含む。すなわち、図5(b)を用いて説明する
と、図5(c)は、本発明の円錐台リング接合材2のう
ち、1個の水平部を有する円錐台リング接合材の断面図
を模式的に示している。本発明で言う「水平部」とは、
図中に2hとして示す箇所のことであり、一般に、水平
であると言うことは、θ2 の角度がゼロと言うことであ
るが、本発明で言う「水平部」とは、このθ2 がゼロで
ある場合だけでなく、0〜5°程度までの範囲を言う。
【0016】さらに、その他の形状パラメ−タ−である
θ1 、θ3 、a1 、a2 、a3 、さらには、b1
2 、b3 については特に限定しない。これらの形状パ
ラメーターは、開先継手接合の際の被接合材の開先形状
に合わせて、その形状の相似形状なるよう適宜設定す
る。もちろん、設定した円錐台リング接合材を製造する
際は、例えば図5(a)及び(b)に示すように、ノズ
ル及び冷却ロールの形状もそれぞれ、製造する円錐台リ
ング接合材のθ1 、θ2 、θ3 、a1 、a2 、a3 、さ
らに、b1 、b2 、b3 の値に合わせた形状とする。こ
れらの形状パラメーターの具体的な値に関して実施例に
て詳しく説明する。
【0017】なお、本発明の円錐台リング接合材の形状
は、図5(c)に示すような1個の水平部と、その両端
にテーパー部を有する形状に限定せず、例えば図6
(a)、(b)に示すような1箇所の水平部と1箇所の
テーパー部で構成した形状でもよい。さらに、水平部が
2個以上となってもよい。但し、用いるノズルは例えば
図7に示すように、設定した円錐台リング接合材の形状
に合わせた形状とする。つまり、例えば図7(a)及び
(b)に示すノズルの形状及び開口の長さは、それぞ
れ、図6(a)および(b)に示す円錐台リング接合材
を製造する際に用いるノズルおよび開口の長さを示して
いる。
【0018】一方、本発明の水平部を有する接合材の製
造装置は、図1に示すように、表面に水平部およびテー
パー部を少なくとも1箇所ずつ形成させた高速回転可能
な単ロール5、および、高速回転する該冷却ロール5の
表面に溶融合金を供給するためのノズルとして、底部に
少なくとも1箇所ずつ水平部およびテーパー部を形成
し、該テーパー部の一部から始まる開口を設けたノズル
8からなる単ロール急冷凝固製造装置である。
【0019】次に、本発明の他の例である2以上のテー
パー部のみからなる円錐台リング接合材及びその製造方
法について説明する。上記に説明した水平部を有する円
錐台リング接合材を用いて鋼管を図3(a)に示す如く
接合する例は、鋼管の肉厚が比較的薄く、そのため接合
部を可及的に長くとることによって接合強度を高めよう
とする意図の下に、水平部を存在させたものであるが、
鋼管の肉厚が比較的厚い場合には、複数のテーパー部の
みで接合材を形成しても、充分な接合強度が得られ、そ
の結果接合部も短くすることができる。図3(b)が三
箇所のテーパー部を有する接合形態の例、図3(c)が
鋼管接合部のテーパー角度αが大きい場合で、二箇所の
テーパー部を有する接合形態の例を示している。
【0020】図8は、図3(b)の三箇所のテーパー部
2a、2b、2cを有する円錐台リング接合材を製造す
る単ロール急冷凝固製造設備を例示するものであり、図
1に示す装置と同一符号は同一のものを示す。この例に
おいては、ルツボ7先端の溶融合金6を供給するための
ノズル8には、その底部に三箇所のテーパー部を形成
し、その両端側のテーパー部の一部から始まる開口を設
けると共に、高速回転する単ロール5の表面にもノズル
8のテーパー角度の対応する三箇所の連続するテーパー
部を形成する点で、図1のものと相違している。
【0021】図9は、図3(c)の接合形態に使用する
二箇所のテーパー部2a、2bを有する接合材を得るに
適した水平型の単ロール急冷凝固製造設備を例示するも
ので、図1或いは図8の冷却ロールを水平状態にした形
式である。この例ではルツボ7のノズル8は、底部とい
うよりも側面に近い箇所から溶融金属を噴出させてい
る。この形式によれば比較的テーパー角度αが大きい場
合の鋼管接合用の接合材を得るのに適している。
【0022】図10(a)、(b)、(c)は三箇所の
連続するテーパー部を有する接合形態に適用するノズ
ル、冷却ロール及びこれらによって得られる円錐台リン
グ接合材を示すもので、前記図5(a)、(b)、
(c)に対応するものである。図10における形状パラ
メーターθ1 、θ2 、θ3 、a1 、a2 、a3 、b1
2、b3 は、開先継手接合の際の被接合材の開先形状
に合わせて、その形状の相似形状なるよう適宜設定す
る。なお、円錐台リング接合材は、図示の二箇所或いは
三箇所のテーパー部を形成することに限定することな
く、四箇所以上のテーパー部を形成することも可能であ
る。
【0023】さらに、複数のテーパー部のみからなる円
錐台リング接合材を製作する場合には使用するノズルに
ついては、特に図示しないが、水平部を有する接合材用
のノズル開口として示した図4及び図7のものを、水平
部をテーパー部に置き換えることにより、そのまま適用
し得るものである。従って本発明においては、ノズル開
口は、テーパー部及び水平部のそれぞれの全部又は一部
にわたって形成することになる。
【0024】なお、本発明で言う単ロール急冷凝固製造
装置には、ドラムの内壁を使う遠心急冷装置や単ロール
上に沿って高速で移動するエンドレスタイプのベルト上
に鋳造する装置や、これらの改良型、例えば補助ロール
や、ロール表面温度制御装置を付属させたもの、あるい
は減圧下ないし真空中または不活性ガス中での鋳造に用
いられる装置も含まれる。
【0025】また、本発明において採用される鋳造条件
について説明すると、溶融合金の噴出圧は0.01〜3
kg/cm2 で、冷却ロールの回転速度(表面速度)は5〜
60m/秒の範囲が好ましい。これらの条件は目的とす
る薄帯の板厚やその他の製造条件に合わせて最適な値を
選択する。
【0026】さらに、本発明に適用しうる合金は、アモ
ルファスになり易い合金や圧延などの加工が困難な金属
および合金の場合に特に利点が大きいが、これらに限定
されるものではなく、各種の溶融合金からの薄帯の製造
に適用可能である。
【0027】
【実施例】
(実施例1)外径63mm、内径51mm、厚さ6mmの鋼管
を接合するに当たり、継手部を図3(a)に示すような
開先継手接合を試みた。この開先継手接合に使用する円
錐台リング接合材の形状として図5(c)に示す形状パ
ラメーターのうち、a1 、a2 、a3 をそれぞれ4mm、
17mm、4mmとし、また、b1 、b2 、b3 をそれぞ
2.4mm、1.2mm、2.4mm、さらに、θ1 、θ2
θ3 をそれぞれ、31°、4°、31°とした。被接合
材となる鋼管の継手部は、この円錐台リング接合材の寸
法に合わせて、それぞれ旋盤を用いて加工し、図3
(a)に示すような開先継手接合ができる形状とした。
【0028】一方、上記のような寸法の円錐台リング形
状接合材の製作は以下のようにして行った。すなわち、
外径(φmax )90mm、内径(φmin )25mm、厚さ7
0mmの図5(b)に示すような形状の銅製冷却ロールを
準備し、この冷却ロールからなる単ロール急冷凝固製造
装置を用いて急冷凝固薄帯を製造した。この冷却ロール
の形状を図5(b)に示す冷却ロールの形状パラメータ
ーを用いて説明すると、t1 、t2 、t3 をそれぞれ、
26.5mm、17mm、26.5mmとした。また、θ1
θ2 、θ3 はそれぞれ、31°、4°、31°とした。
【0029】また、用いたノズルは、図5(a)に示す
ような底部の中央に水平部、その両側にテーパー部を有
すノズルであった。このノズルの底部には矩形孔を1個
設けてノズルの開口とした。このノズルの矩形状開口の
寸法は、冷却ロール回転方向長さを0.4mmとし、冷却
ロール幅方向の長さは、a1 、a2 、a3 をそれぞれ4
mm、17mm、4mm、b1 、さらに、b2 、b3 をそれぞ
れ、2.4mm、1.2mm、2.4mm、θ1 、θ2 、θ3
をそれぞれ、31°、4°、31°とした。
【0030】円錐台リング接合材の製造に際しては、鋳
造時のノズルの位置を、ノズル開口の中央の水平部と冷
却ロール表面中央の水平部とが、0.3mmの間隔を置い
て上下位置で一致するようにセットした。予め溶解させ
ていたFe−9wt%Si−1.5wt%Bよりなる溶融合
金200gを、5200rpm で高速回転する冷却ロール
上に、噴出圧0.2kg/cm2 で噴出し急冷凝固させた。
使用したルツボ、ノズルは石英製で、両者を一体化させ
たものであった。
【0031】製造実験の結果、板幅およそ25mm、板厚
30μmのカール状のつながった1枚の薄帯が得られ
た。これを冷却ロール1周分で切断し、切断部を突き合
わせてリングを形成させたところ、円錐台リング接合材
として所望していた形状となった。すなわち、これは、
前記鋼管の継手部形状に嵌合した際合致するサイズであ
り、鋼管の開先継手接合用円錐台リング接合材として極
めて好適であった。
【0032】(実施例2)外径264.4mm、内径22
8.6mm、厚さ17.8mmの2本の鋼管を接合するに当
たり、継手部を図3(b)に示すような三段テーパーの
開先継手接合を試みた。この開先継手接合に使用する円
錐台リング接合材の形状として、図10(c)に示す形
状パラメーターのうち、a1 、a2 、a3 をそれぞれ5
mm、15mm、5mmとし、また、b1 、b2 、b3 をそれ
ぞ4.2mm、9.4mm、4.2mm、さらに、θ1
θ2 、θ3 をそれぞれ、40°、32°、40°とし
た。被接合材となる鋼管の継手部は、この円錐台リング
接合材の寸法に合わせて、それぞれ旋盤を用いて加工
し、図3(b)に示すような開先継手接合ができる形状
とした。
【0033】また、外径(φmax )289mm、内径(φ
min )195mm、厚さ50mmの図10(b)に示すよう
な形状の銅製冷却ロールを準備し、この冷却ロールから
なる単ロール急冷凝固製造装置を用いて急冷凝固薄帯を
製造した。この冷却ロールの形状を図10(b)に示す
冷却ロールの形状パラメーターを用いて説明すると、t
1 、t2 、t3 をそれぞれ、20mm、15mm、15mmと
した。また、θ1 、θ2 、θ3 はそれぞれ、40°、3
2°、40°とした。
【0034】また、用いたノズルは、図10(a)に示
すような底部に三箇所のテーパー部を有するノズルであ
った。このノズルの底部には矩形孔を1個設けてノズル
の開口とした。このノズルの矩形状開口の寸法は、冷却
ロール回転方向長さを長径側0.8mm、短径側0.6mm
とし、冷却ロール幅方向の長さは、a1 、a2 、a3
それぞれ5mm、15mm、5mm、b1 、b2 、b3 をそれ
ぞれ、4.2mm、9.4mm、4.2mm、θ1 、θ2 、θ
3 をそれぞれ、40°、32°、40°とした。
【0035】鋳造条件等を実施例1と同様にして所望の
形状の円錐台リング接合材(板幅25mm、板厚25μ
m)を製作し、これを鋼管継手に適用したところ、接合
部に形状に合致し、好適な結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、開先継手
接合用として水平部若しくは複数のテーパー部を有する
円錐台リング接合材が安価に提供できるようになったこ
とから、より強固な開先継手接合が可能となった。ま
た、このようにして得られる円錐台リング接合材は、使
用する冷却ロールの形状を接合しようとする鋼管の継手
部のテーパー形状に合わせ、また溶融合金の噴出位置を
選ぶことにより、容易に所望のサイズとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水平部を有する接合材の製造方法を説
明する模式図。
【図2】本発明の図1の製造方法を説明する拡大模式図
および本発明の接合材の形状を示す模式図。
【図3】本発明の接合材を用いる接合方法の三つの例を
示す模式図。
【図4】本発明の図1の製造方法を説明する拡大模式図
および本発明のノズルの開口を示す模式図。
【図5】本発明の水平部を有する接合材製造装置の冷却
ロールおよびノズルの横断面形状を示す模式図および本
発明の接合材の形状を示す模式図。
【図6】本発明の接合材の形状を示す模式図。
【図7】本発明のノズルおよびノズル開口を示す模式
図。
【図8】本発明の三箇所のテーパー部を有する接合材の
製造方法を説明する模式図。
【図9】本発明の二箇所のテーパー部を有する接合材の
製造方法を説明する模式図。
【図10】本発明のテーパー部を有する接合材製造装置
の冷却ロールおよびノズルの横断面形状を示す模式図お
よび本発明の接合材の形状を示す模式図。
【図11】従来の接合材用薄帯の製造方法を説明する模
式図。
【図12】従来の接合材を用いる接合方法の一例を示す
模式図。
【符号の説明】
1 :円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯 2 :円錐台リング接合材 3、4:鋼管 5 :冷却ロール 6 :溶融合金 7 :ルツボ 8 :ノズル 9 :ノズル開口 10 :薄帯剥離用ノズル 11 :従来円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯 12 :従来円錐台リング接合材 13 :凹テーパー面 14 :凸テーパー面 15 :パドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 35/40 340 B23K 35/40 340B (72)発明者 津留 英司 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の直径で巻いたとき、少なくとも1
    箇所の水平部と、少なくとも1箇所のテーパー部を有す
    る真正な円錐台リングを形成することを特徴とする急冷
    凝固薄帯よりなる円錐台リング接合材。
  2. 【請求項2】 所定の直径で巻いたとき、2箇所以上の
    テーパー部からなる真正な円錐台リングを形成すること
    を特徴とする急冷凝固薄帯よりなる円錐台リング接合
    材。
  3. 【請求項3】 表面に水平部およびテーパー部を隣合わ
    せに、それぞれ少なくとも1箇所ずつ形成した単ロール
    を用い、該テーパー面付近に接近し、且つ該テーパー面
    付近の単ロール表面とほぼ平行に溶融合金収容器のノズ
    ル面を位置せしめ、高速回転する前記単ロールのテーパ
    ー面付近に溶融合金を噴出せしめて急冷凝固薄帯とする
    ことを特徴とする円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 表面に隣合わせに2箇所以上のテーパー
    部を形成した単ロールを用い、該テーパー面付近に接近
    し、且つ該テーパー面付近の単ロール表面とほぼ平行に
    溶融合金収容器のノズル面を位置せしめ、高速回転する
    前記単ロールのテーパー面付近に溶融合金を噴出せしめ
    て急冷凝固薄帯とすることを特徴とする円錐台リング接
    合材用急冷凝固薄帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 底面に水平部およびテーパー部を隣合わ
    せに、若しくはテーパー部どうしを隣合わせに、それぞ
    れ少なくとも1箇所ずつ形成し、該テーパー部若しくは
    水平部のそれぞれ全部又は一部にわたって、開口を設け
    たことを特徴とする円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯
    の製造用ノズル。
  6. 【請求項6】 急冷凝固薄帯の製造を可能とする単ロー
    ル急冷凝固製造設備において、冷却ロールとして、表面
    の少なくとも1箇所にテーパー面を形成した単ロール、
    及び、高速回転する冷却ロールの表面に溶融合金を供給
    するためのノズルとして、底面の少なくとも1箇所をテ
    ーパー状に形成し、該テーパー部の一部から始まる開口
    を設けたノズルからなることを特徴とする円錐台リング
    接合材用急冷凝固薄帯の製造用装置。
JP14203096A 1996-03-29 1996-06-04 急冷凝固薄帯よりなる円錐台リング接合材並びに円錐台リング接合材用急冷凝固薄帯の製造方法、製造用ノズルおよび製造用装置 Withdrawn JPH09314376A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015120335A (ja) * 2013-12-17 2015-07-02 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company コンポーネントを接合するシステム及び方法

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