JPH09314050A - アルミニウム材の被覆、保護方法 - Google Patents

アルミニウム材の被覆、保護方法

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JPH09314050A
JPH09314050A JP15880096A JP15880096A JPH09314050A JP H09314050 A JPH09314050 A JP H09314050A JP 15880096 A JP15880096 A JP 15880096A JP 15880096 A JP15880096 A JP 15880096A JP H09314050 A JPH09314050 A JP H09314050A
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JP
Japan
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aluminum material
coating
protecting
acid
isocyanate
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JP15880096A
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English (en)
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Takuo Kusano
拓男 草野
Koji Izumo
孝治 出雲
Shozo Uenaka
章三 上中
Toshiyuki Oshima
敏幸 大島
Hirotada Yano
広忠 矢野
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Nippon Light Metal Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム材を、付着性が良好であり、耐
擦傷性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性に優れた被膜で
被覆することにより、衝撃、引っかき、摩擦等による損
傷からアルミニウム材を保護する方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム材の表面を脱脂処理する工
程(I)、上記工程(I)で脱脂処理されたアルミニウ
ム材の表面に下塗塗料を塗布、硬化させる工程(I
I)、並びに、上記工程(II)で塗布、硬化された下
塗塗膜の上にイソシアネート成分(A)、及び、ポリア
ミン成分(B)を、上記イソシアネート成分(A)中の
イソシアネート基に対する上記ポリアミン成分(B)中
のアミノ基の当量比が、0.7〜1.5となる混合比
で、高圧二液衝突混合型吹付装置により塗布し、反応硬
化させてポリウレア樹脂塗膜を形成する工程(III)
からなるアルミニウム材の被覆、保護方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム材の
表面をポリウレア樹脂塗膜により被覆、保護する方法に
関する。
【0001】
【従来技術】アルミニウム材は、軽量であり、成型が容
易であるので、トラックの荷台床材、新幹線用車両のボ
ディー、建設用の足場、ユニット住宅の土台等の用途
に、鉄材等に代わるものとして、近年、使用が広がりつ
つある。特に、トラックの荷台には、規制緩和によって
荷台の大きさを従来のものより大きくすることができる
ようになったので、車体重量を軽くするために、アルミ
ニウムのような軽量な素材を使用することが望まれてい
る。
【0002】しかしながら、アルミニウム材は、鉄材等
と比較して、軟質であるため、外部からの衝撃、摩擦等
により傷が付きやすい。また、その傷から腐食が発生す
るおそれがある。このため、良好な耐擦傷性、耐衝撃
性、耐摩耗性、耐薬品性等を必要とする用途への使用に
は、改善すべき点があった。
【0003】そこで、アルミニウム材の表面を保護し
て、上述したような特性を向上させる試みが行われてい
る。表面の保護方法としては、例えば、アルマイト処理
によって無機質の保護被膜を形成させる方法、熱硬化性
塗料を用いて、電着塗装、ロール塗装、スプレー塗装に
より有機被膜を形成させる方法等が行われている。
【0004】しかしながら、アルマイト処理では、耐擦
傷性が充分ではなく、例えば、トラックの荷台に使用し
た場合、ドラム缶等の重量物との接触等により生じた傷
から腐食が進行するおそれがあった。また、水分が付着
すると、表面が滑りやすくなり、例えば、トラックの荷
台では、作業性が悪くなり、建設用の足場では、作業者
の危険性が増大する可能性があった。
【0005】一方、熱硬化性塗料による有機被膜では、
膜厚が、5〜100μmと比較的薄いため、耐擦傷性や
耐衝撃性を充分に向上させることは困難であった。そこ
で、有機被膜の膜厚を厚くして、アルミニウム材の表面
を保護することが提案されている。しかし、従来使用さ
れている熱硬化性樹脂は、水性又は溶剤型であるので、
一度に厚塗りすると、ピンホール等の欠陥が生じ、良好
な厚膜を形成することができないので、数回から数十回
に分けて塗り重ねなければならなかった。また、このよ
うな厚膜の有機被膜は、表面処理工程を経ないアルミニ
ウム材への付着性が充分ではなく、アルミニウム材から
の剥離が生じやすいので、被覆、保護の方法としては充
分な性能を発揮することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、アルミニウム材を、付着性
が良好であり、耐擦傷性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品
性に優れた被膜で被覆することにより、衝撃、引っか
き、摩擦等による損傷からアルミニウム材を保護する方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、アルミ
ニウム材の表面を、酸含有水溶液又はアルカリ含有水溶
液を使用して脱脂処理する工程(I)、上記工程(I)
で脱脂処理されたアルミニウム材の表面に、変性エポキ
シ樹脂からなる下塗塗料を塗布、硬化させる工程(I
I)、並びに、上記工程(II)で塗布、硬化された下
塗塗膜の上に、有機ポリイソシアネート(a−1)、及
び、有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基の一
部を分子量200〜8000のポリオールと反応させて
なる部分プレポリマー(a−2)のうち少なくとも1種
からなるイソシアネート成分(A)、並びに、分子内に
少なくとも2個の脂肪族アミノ基を有し、平均分子量が
1000〜10000であるポリオキシアルキレンポリ
アミン(b−1)100重量部、及び、トルエンジアミ
ンを除く、芳香核に電子吸引基を有さず、かつ、アミノ
基が結合する炭素原子と隣接した炭素原子に炭素数1〜
5のアルキル置換基を有する活性芳香族ジアミン(b−
2)15〜100重量部からなるポリアミン成分(B)
を、上記イソシアネート成分(A)中のイソシアネート
基に対する上記ポリアミン成分(B)中のアミノ基の当
量比が、0.7〜1.5となる混合比で、高圧二液衝突
混合型吹付装置により塗布し、反応硬化させてポリウレ
ア樹脂塗膜を形成する工程(III)からなるアルミニ
ウム材の被覆、保護方法に存する。以下に本発明を詳述
する。
【0008】本発明においては、酸含有水溶液又はアル
カリ含有水溶液を使用して脱脂処理する工程(I)、上
記工程(I)で脱脂処理されたアルミニウム材の表面
に、変性エポキシ樹脂からなる下塗塗料を塗布、硬化さ
せる工程(II)、並びに、上記工程(II)で塗布、
硬化された下塗塗膜の上に、イソシアネート成分(A)
及びポリアミン成分(B)を、高圧二液衝突混合型吹付
装置により塗布し、反応硬化させてポリウレア樹脂塗膜
を形成する工程(III)により、アルミニウム材を被
覆、保護する。
【0009】上記工程(I)においては、アルミニウム
材の表面を酸含有水溶液又はアルカリ含有水溶液を使用
して脱脂処理する。上記アルミニウム材としては特に限
定されず、本発明の被覆、保護方法が適用可能であれば
よく、例えば、平板形状のものであっても、型抜き等に
より成型されたものであってもよく、また、複数の部材
から構成されているものであってもよく、更に、アルマ
イト処理等による無機被膜が形成されたものや、プレコ
ートメタル(PCM)であってもよい。
【0010】上記酸含有水溶液としては、金属表面の脱
脂処理に使用することができるものであれば特に限定さ
れず、例えば、酸水溶液に、界面活性剤、キレート剤、
必要に応じて、その他の添加剤を加えてなるもの等を挙
げることができる。上記酸としては、特に限定されない
が、硫酸、りん酸、ふっ酸、硝酸を使用することが好ま
しい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。上記界面活性剤としては特に限定され
ず、例えば、高級アルコールやアルキルフェノールのポ
リエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
上記キレート剤としては特に限定されず、例えば、アル
キルスルホン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、ポリカル
ボン酸類等を挙げることができる。上記酸含有水溶液の
pHは、0.7〜4.5が好ましい。
【0011】上記アルカリ含有水溶液としては、金属表
面の脱脂処理に使用することができるものであれば特に
限定されず、例えば、アルカリを含有してなる水溶液
に、界面活性剤、キレート剤、必要に応じて、その他の
添加剤を加えてなるもの等を挙げることができる。上記
アルカリとしては、特に限定されないが、アルカリけい
酸塩、アルカリりん酸塩、アルカリ縮合りん酸塩、アル
カリ炭酸塩、アルカリほう酸塩、アルカリ水酸化物を使
用することが好ましい。これらは、単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。上記アルカリ含有水溶
液のpHは、8.5〜13.0が好ましい。
【0012】上記工程(I)においては、上記アルミニ
ウム材を上記酸含有水溶液又は上記アルカリ含有水溶液
によって脱脂した後、水洗することにより、上記酸含有
水溶液又は上記アルカリ含有水溶液を除去する。また、
必要に応じて、水洗後、温風等で乾燥してもよい。
【0013】本発明においては、上記工程(I)の後、
上記工程(I)により脱脂処理されたアルミニウム材
を、更に、クロム含有表面処理剤又はノンクロム表面処
理剤により被膜化成処理することが好ましい。上記クロ
ム含有表面処理剤としては特に限定されないが、りん酸
クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート表面処
理剤を使用することが好ましい。上記ノンクロム表面処
理剤としては特に限定されないが、ジルコニウム、及
び、りん酸、ふっ酸等の酸からなるジルコニウム系ノン
クロム表面処理剤、又は、チタン、及び、りん酸、ふっ
酸等の酸からなるチタン系ノンクロム表面処理剤を使用
することが好ましい。上記被膜化成処理においては、上
記クロム含有表面処理剤又は上記ノンクロム表面処理剤
を使用した後、必要に応じて、水洗、乾燥してもよい。
【0014】本発明においては、上記工程(I)によっ
て処理されるか、又は、更に上記被膜化成処理されたア
ルミニウム材には、上記工程(II)により、変性エポ
キシ樹脂からなる下塗塗料を塗布、硬化させる。上記下
塗塗料としては、変性エポキシ樹脂からなるものであれ
ば特に限定されず、例えば、ウレタン変性エポキシ樹脂
組成物からなるもの、アルカノールアミン変性エポキシ
樹脂組成物からなるもの等を挙げることができる。
【0015】上記ウレタン変性エポキシ樹脂組成物とし
ては特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(c−1)、脂肪族二塩基酸(c−2)、及び、第
1級ヒドロキシル基を有する第2級アミン(c−3)を
反応させてなる末端に第1級ヒドロキシル基を有するプ
レポリマー(C)と、ポリイソシアネート化合物(d−
1)、及び、イソシアネート保護剤(d−2)を反応さ
せてなる部分保護イソシアネート化合物(D)とを反応
させてなるものを好適に使用することができる。
【0016】上記末端に第1級ヒドロキシル基を有する
プレポリマー(C)は、上記ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(c−1)、上記脂肪族二塩基酸(c−2)、及
び、上記第1級ヒドロキシル基を有する第2級アミン
(c−3)を反応させてなる。
【0017】上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(c
−1)としては特に限定されず、例えば、エポトートY
D−017、YD−014、YD−011、YD−12
8(東都化成社製);エピクロン4050(大日本イン
キ化学工業社製)等を挙げることができる。上記脂肪族
二塩基酸(c−2)としては特に限定されず、例えば、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のポリメチレ
ンジカルボン酸;無水フタル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;ダイマー
酸、ポリブタジエンジカルボン酸、ポリエステルジカル
ボン酸等を挙げることができる。なかでも、アゼライン
酸が好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種
以上を併用してもよい。また、3価のカルボン酸類を併
用してもよい。上記第1級ヒドロキシル基を有する第2
級アミン(c−3)としては特に限定されず、例えば、
ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノ
ールアミン等のジアルカノールアミン;エチルエタノー
ルアミン等のアルキルアルカノールアミン等を挙げるこ
とができる。なかでも、ジエタノールアミンが好まし
い。
【0018】上記部分保護イソシアネート化合物(D)
は、上記ポリイソシアネート化合物(d−1)、及び、
上記イソシアネート保護剤(d−2)を反応させてなる
ものである。
【0019】上記ポリイソシアネート化合物(d−1)
としては特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジ
フェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族
ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート化合物;トリイソシアネート化合
物等を挙げることができる。これらは、単独で使用して
もよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、脂肪族
又は脂環族ジイソシアネート化合物が好ましい。
【0020】上記イソシアネート保護剤(d−2)とし
ては、上記ポリイソシアネート化合物(d−1)のイソ
シアネート基に付加して生成する付加物が常温において
安定で、かつ、140〜250℃に加熱した際に解離し
て遊離のイソシアネート基を再生することができるもの
であれば特に限定されず、例えば、ε−カプロラクタ
ム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系保護剤;メチル
エチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の
オキシム系保護剤;メタノール、エタノール、イソブチ
ルアルコール等のアルコール系保護剤;フェノール、パ
ラ−t−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール
系保護剤等を挙げることができる。
【0021】上記ウレタン変性エポキシ樹脂組成物は、
上記末端に第1級ヒドロキシル基を有するプレポリマー
(C)、及び、上記部分保護イソシアネート化合物
(D)を、上記末端に第1級ヒドロキシル基を有するプ
レポリマー(C)に含まれる第1級ヒドロキシル基の数
と、上記部分保護イソシアネート(D)に含まれる遊離
のイソシアネート基の数との比が、1/1〜10/1と
なる割合で配合して反応させて得ることができる。上記
末端に第1級ヒドロキシル基を有するプレポリマー
(C)に含まれる第1級ヒドロキシル基の数の比が、1
未満であると、塗料製造時のゲル化の原因になり、10
を超えると、塗膜の硬化性が低下する。より好ましく
は、5/1〜5/4である。
【0022】上記ウレタン変性エポキシ樹脂組成物を用
いた下塗塗料としては、具体的には、例えば、スーパー
ラックDIF P−66(日本ペイント社製)等を使用
することができる。
【0023】上記アルカノールアミン変性エポキシ樹脂
組成物としては特に限定されないが、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(e−1)をアルカノールアミンで変性
したアルカノールアミン変性エポキシ樹脂組成物を好適
に使用することができる。
【0024】上記アルカノールアミン変性エポキシ樹脂
組成物は、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(e−
1)を上記アルカノールアミンで変性してなる。上記ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(e−1)としては特に
限定されず、例えば、上記ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(c−1)として例示したもの等を挙げることがで
き、更に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を脂肪族二
塩基酸で鎖延長したものであってもよい。上記アルカノ
ールアミンとしては特に限定されず、例えば、ジエタノ
ールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミ
ン等を挙げることができる。
【0025】上記アルカノールアミン変性エポキシ樹脂
組成物を用いた下塗塗料としては、具体的には、例え
ば、ニッペスーパーコート660(日本ペイント社製)
等を使用することができる。
【0026】本発明において、上記下塗塗料は、水可溶
分が1重量%以下の防錆顔料を含有することが好まし
い。上記防錆顔料としては特に限定されず、例えば、ク
ロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸
バリウム、クロム酸亜鉛等のクロム酸イオンを含有する
クロメート系防錆顔料;カルシウムモリブデート、りん
酸カルシウム、りん酸アルミニウム、複合りん酸アルミ
ニウム、りん酸チタン、シアナミド鉛、鉛酸カルシウ
ム、塩基性クロム酸等の防錆顔料等を挙げることができ
る。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。なかでも、防錆効果が高いので、クロム酸
ストロンチウム、複合りん酸アルミニウム、又は、これ
らの混合物を使用することが好ましい。
【0027】上記防錆顔料の含有量は、上記下塗塗料の
全重量に対して、5〜30重重%が好ましい。5重量%
未満であると、良好な防錆効果が得られず、30重量%
を超えても防錆力の向上があまり認められず、逆に加工
性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0028】本発明においては、上記工程(II)で施
された下塗塗膜の上に、上記工程(III)によって、
イソシアネート成分(A)及びポリアミン成分(B)
を、上記イソシアネート成分(A)中のイソシアネート
基に対する上記ポリアミン成分(B)中のアミノ基の当
量比が、0.7〜1.5となる混合比で、高圧二液衝突
混合型吹付装置により塗布し、反応硬化させてポリウレ
ア樹脂塗膜を形成し、アルミニウム材を被覆する。
【0029】上記イソシアネート成分(A)は、有機ポ
リイソシアネート(a−1)、及び、有機ポリイソシア
ネート中のイソシアネート基の一部を分子量200〜8
000のポリオールと反応させて得られる部分プレポリ
マー(a−2)のうち少なくとも1種からなる。
【0030】上記有機ポリイソシアネート(a−1)と
しては特に限定されず、公知のポリイソシアネート等を
使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネー
ト類、脂肪族ポリイソシアネート類等を挙げることがで
きる。上記芳香族ポリイソシアネート類としては特に限
定されず、例えば、カルボジイミド変性することにより
得られる液状ジフェニルメタンジイソシアネート又はジ
フェニルメタンジイソシアネートの部分プレポリマー;
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート若しくはこれらの混合物、ジフェニル
メタン−4,4’−ジイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート、これらのカルボジイミ
ド化変性物、ビュレット化変性物等を挙げることができ
る。上記脂肪族ポリイソシアネート類としては特に限定
されず、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシ
アネート、これらのイソシアヌレート化変性物、カルボ
ジイミド化変性物等を挙げることができる。
【0031】上記部分プレポリマー(a−2)は、有機
ポリイソシアネート中のイソシアネート基の一部をポリ
オールと反応させてなるものである。上記有機ポリイソ
シアネートとしては特に限定されず、例えば、上記有機
ポリイソシアネート(a−1)として例示したもの等を
挙げることができる。
【0032】上記ポリオールとしては、分子量200〜
8000のものであれば特に限定されず、例えば、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、2,3−ブチレングリコール等の低
分子量ポリオール;エチレングリコール、プロピレング
リコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキ
レンオキサイドを付加重合してなるポリエーテルポリオ
ール等を挙げることができる。上記反応は、窒素気流
中、70〜80℃で数時間加熱して行うことができる。
【0033】本発明においては、上記有機ポリイソシア
ネート(a−1)及び上記部分プレポリマー(a−2)
は、それぞれ単独で使用することもでき、混合して使用
することもできる。
【0034】上記ポリアミン成分(B)は、分子内に少
なくとも2個の脂肪族アミノ基を有し、平均分子量が1
000〜10000であるポリオキシアルキレンポリア
ミン(b−1)100重量部、及び、トルエンジアミン
を除く、芳香核に電子吸引基を有さず、かつ、アミノ基
が結合する炭素原子と隣接した炭素原子に炭素数1〜5
のアルキル置換基を有する活性芳香族ジアミン(b−
2)15〜100重量部からなるものである。
【0035】上記ポリオキシアルキレンポリアミン(b
−1)としては、例えば、少なくとも2個の水酸基を有
するポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基を、
水素化−脱水素化触媒を用いて、高温高圧下にアンモニ
アと反応させる等の方法によって得られる分子量100
0〜10000、好ましくは、1000〜8000のも
のを好適に使用することができる。
【0036】上記ポリオキシアルキレンポリアミン(b
−1)としては、市販されているものを使用することが
でき、例えば、ポリオキシプロピレンジアミンとして、
ジェファーミンD−2000(ハンツマン・スペシャリ
ティー・ケミカルズ社製、アミン当量約1000)、ポ
リオキシプロピレントリアミンとして、テックスリムT
−5050(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカル
ズ社製、アミン当量約1930)、ジェファーミンT−
403(ハンツマン・スペシャリティー・ケミカルズ社
製、アミン当量約160)等を挙げることができる。
【0037】上記トルエンジアミンを除く、芳香核に電
子吸引性基を有さず、かつ、アミノ基が結合する炭素原
子と隣接した炭素原子に炭素数1〜5のアルキル置換基
を有する活性芳香族ジアミン(b−2)としては特に限
定されず、例えば、1,3−ジメチル−2,4−ジアミ
ノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベン
ゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、
1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,3,5−
トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−
トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−
トリプロピル−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル
−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−
メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン
等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0038】上記ポリアミン成分(B)において、ポリ
オキシアルキレンポリアミン(b−1)と、活性芳香族
ジアミン(b−2)との配合割合は、上記ポリオキシア
ルキレンポリアミン(b−1)100重量部に対して、
上記活性芳香族ジアミン(b−2)15〜100重量部
である。上記活性芳香族ジアミン(b−2)の配合割合
が15重量部未満であると、形成されるポリウレア樹脂
塗膜が極めて軟らかく、半粘着性を有するので、実用性
に劣り、100重量部を超えると形成されるポリウレア
樹脂塗膜が極めて硬く、かつ、脆くなり、実用的ではな
いので、上記範囲に限定される。好ましくは、20〜4
0重量部である。
【0039】上記イソシアネート成分(A)及び上記ポ
リアミン成分(B)は、必要に応じて、通常、塗料組成
物に使用される可塑剤、難燃剤、充填剤、各種安定剤、
着色剤等の助剤を添加されていてもよい。
【0040】上記工程(III)においては、上記イソ
シアネート成分(A)及び上記ポリアミン成分(B)
を、高圧二液衝突混合型吹付装置によって衝突、混合
し、吹き付けることにより塗布し、反応硬化させること
により、ポリウレア樹脂塗膜を形成する。上記高圧二液
衝突混合型吹付装置に用いられる混合塗工ガンとして
は、塗工作業を簡単かつ能率的に実施することができ、
上記イソシアネート成分(A)及び上記ポリアミン成分
(B)の目詰まりも良好に防止することができるので、
機械的セルフクリーニング機構を備えたものが好まし
い。
【0041】上記高圧二液混合型吹付装置としては特に
限定されず、例えば、プロポーションユニットとして、
H−2000、H−3500、FF−1600(米国ガ
スマー社製);二成分高圧吐出混合マシンMODEL
HF−100(東邦機械工業社製)等を挙げることがで
きる。また、上記機械的セルフクリーニング機構を備え
た高圧二液衝突混合型吹付装置用混合塗工ガンとして
は、例えば、GX−7ガン、GX−7−400ガン(米
国ガスマー社製)等を挙げることができる。エアクリー
ニング機構を備えたものとしては、プロプラーガン(米
国グラスクラフト社製)等を挙げることができる。
【0042】本発明においては、上記高圧二液衝突混合
型吹付装置を使用するに際して、上記イソシアネート成
分(A)と上記ポリアミン成分(B)との混合比は、上
記イソシアネート成分(A)中のイソシアネート基に対
する上記ポリアミン成分(B)中のアミノ基の当量比
で、0.7〜1.5である。0.7未満であっても、
1.5を超えても、ポリウレア樹脂塗膜が良好に形成さ
れず、粘着性を有したままであったり、ポリウレア樹脂
塗膜が形成されても柔らかすぎるので、上記範囲に限定
される。
【0043】上記高圧二液衝突混合型吹付装置を使用す
るに際して、使用圧力は、6MPa以上であることが好
ましい。6MPa未満であると、上記イソシアネート成
分(A)と上記ポリアミン成分(B)との衝突による混
合が悪くなり、正常な塗膜が得られにくい。また、使用
圧力の上限は使用する装置自体の耐圧性によるが、過度
に圧力を上げると取扱上の危険性が増すので、20MP
a以下であることが好ましい。
【0044】本発明においては、上記高圧二液衝突混合
型吹付装置を用いて上記イソシアネート成分(A)及び
上記ポリアミン成分(B)を吹き付けて塗装することに
より、従来、厚膜のポリウレア樹脂塗膜を形成させるこ
とができなかった部分、例えば、成型品のように複雑な
形状であるものにも、良好な塗膜を形成させることがで
きる。また、上記イソシアネート成分(A)及び上記ポ
リアミン成分(B)は、衝突、混合されて塗布されるこ
とにより、加熱することなく、反応硬化して良好なポリ
ウレア樹脂塗膜を形成することができる。
【0045】本発明においては、上記イソシアネート成
分(A)及び上記ポリアミン成分(B)は、得られるポ
リウレア樹脂塗膜の膜厚が0.3〜10mmとなるよう
に吹き付け工法により塗布されることが好ましい。0.
3mm未満であると、形成される塗膜にピンホール等の
欠陥が生じやすくなり、10mmを超えると、上記各成
分の使用量が多くなり、経済的に不利となる。
【0046】本発明において、上記ポリウレア樹脂塗膜
は、被覆されたアルミニウム材を紫外線を受ける環境下
で使用する場合、塗膜の色が黄色味の方に変色する可能
性があるので、アルミニウム材の使用目的により変色を
嫌う場合には、通常使用されている常乾上塗塗料を上記
ポリウレア樹脂塗膜の上に塗装して用いることができ
る。上記常乾上塗塗料としては特に限定されず、例え
ば、二液硬化型ポリウレタン樹脂系塗料等を挙げること
ができる。
【0047】本発明のアルミニウム材の被覆、保護方法
は、使用する上記イソシアネート成分(A)及び上記ポ
リアミン成分(B)が、硬化反応において外部環境、例
えば、温度、湿度の影響を受けにくく、かつ、得られる
ポリウレア樹脂塗膜が、耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬
品性に優れているので、各種腐食環境に曝されるアルミ
ニウム材の防食用途に好適である。
【0048】また、本発明のアルミニウム材の被覆、保
護方法は、形成されるポリウレア樹脂塗膜が、伸長性、
耐摩耗性、耐擦傷性、耐衝撃性に優れ、アルミニウム材
への付着性も良好であり、また、厚膜化が可能であるの
で、被覆されるアルミニウム材を力学的な破壊から保護
する目的にも好適である。更に、本発明のアルミニウム
材の被覆、保護方法は、形成されるポリウレア樹脂塗膜
が、滑り止め効果を有しているので、アルミニウム材を
用いた部材に、良好な作業性を付与することができる。
【0049】本発明のアルミニウム材の被覆、保護方法
は、ポリウレア樹脂塗膜を形成する前に、アルミニウム
材の脱脂処理、及び、必要により、被膜化成処理、並び
に、変性エポキシ樹脂系下塗塗料の塗布を行っているの
で、上記イソシアネート成分(A)及び上記ポリアミン
成分(B)をアルミニウム材上に良好な付着性を有する
状態で塗布し、良好な硬化特性、硬化物物性を有する厚
膜のポリウレア樹脂塗膜を形成させることができる。
【0050】本発明のアルミニウム材の被覆、保護方法
において、上記工程(I)、上記工程(II)、及び、
上記工程(III)は、アルミニウム材に連続して適用
してもよく、また、例えば、上記工程(I)、及び、必
要により、被膜化成処理を行った後、アルミニウム材を
成型したり、組み合わせて、例えば、トラックの荷台等
を形成して、その後、上記工程(II)及び上記工程
(III)を施してもよく、上記工程(I)及び上記工
程(II)の後に、アルミニウム材を成型したり、組み
合わせた後、上記工程(III)を施してもよい。
【0051】本発明のアルミニウム材の被覆、保護方法
によりポリウレア樹脂塗膜で被覆されたアルミニウム材
は、例えば、トラックの荷台、新幹線用車両のボディ
ー、建設用の足場、ユニット住宅の土台等に好適に使用
することができる。特に、トラックの荷台、建設用の足
場として好適に使用することができる。
【0052】また、本発明においては、ポリウレア樹脂
塗膜を形成するために、高圧二液衝突混合型吹付装置を
使用しているので、この工程を組立て後のアルミニウム
材に適用することにより、組立て後のアルミニウム材に
直接ポリウレア樹脂塗膜を形成させることができるの
で、トラックの荷台、新幹線用車両のボディー等に適用
することができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0054】実施例1 押出成形アルミニウム材(トラック軽量化ボデー床用:
日本軽金属社製)を、濃度1.5体積%水溶液に調整し
たシリケート系脱脂剤(サーフクリーナー53S:日本
ペイント社製)を用いて、温度55℃、処理時間90秒
の処理条件でスプレー脱脂処理を行った後、水洗し、脱
脂剤を除去した。次に、りん酸クロメート系表面処理剤
(アルサーフ407/47:日本ペイント社製)を3体
積%/0.3体積%水溶液に調製し、被膜化成処理を行
った。処理温度は40℃、処理時間は20秒で、クロム
付着量は約30mg/m2 であった。表面に残存してい
る表面処理剤を水で除去した後、温風で乾燥し表面処理
アルミニウム材を得た。ついで、上記表面処理アルミニ
ウム材表面にエアスプレー塗装機を用い、ウレタン変性
エポキシ系樹脂塗料(スーパーラックDIF P−6
6:日本ペイント社製)を乾燥膜厚が約7μmになるよ
うにスプレー塗装した。10分間室温放置した後、被塗
物温度が150〜160℃の間になってから20分間塗
料を硬化した後、室温まで冷却し下塗塗装アルミニウム
材を得た。上記工程により得られた下塗塗装アルミニウ
ム材表面に二液硬化型ポリウレア系樹脂(タフガードR
−G:日本ペイント社製)をガスマー社製H−2000
の塗装装置と機械的セルフクリーニング機構を有する二
液衝突混合型スプレーガン(GX−7ガン:米国ガスマ
ー社製)を用いて、約2mm厚になるように塗装した。
指触硬化時間は約5秒であった。
【0055】実施例2 0.33mm厚のアルミニウム平板を、濃度2体積%水
溶液に調整したりん酸塩系脱脂剤(サーフクリーナー7
5:日本ペイント社製)を用いて、温度65℃、処理時
間10秒の処理条件でスプレー脱脂処理を行った後、水
洗し、脱脂剤を除去した。ついで、バーコーター塗装機
を用い、ウレタン変性エポキシ系樹脂塗料(スーパーラ
ックDIF P−66ホワイトプライマー:日本ペイン
ト社製)を乾燥膜厚が約7μmになるようにバーコータ
ー塗装した。10分間室温放置した後、被塗物温度が2
00℃になってから60秒間塗料を硬化した後、室温ま
で冷却し下塗塗装アルミニウム材を得た。上記工程によ
り得られた下塗塗装アルミニウム材表面に二液衝突混合
型ポリウレア系樹脂(タフガードR−M:日本ペイント
社製)をガスマー社製H−2000の塗装装置と機械的
セルフクリーニング機構を有する二液衝突混合型スプレ
ーガン(GX−7ガン:米国ガスマー社製)を用いて、
約2mm厚になるように塗装した。指触硬化時間は約1
0秒であった。
【0056】実施例3 0.33mm厚のアルミニウム平板を、濃度2体積%水
溶液に調整したりん酸塩系脱脂剤(サーフクリーナー7
5:日本ペイント社製)を用いて、温度65℃、処理時
間10秒の処理条件でスプレー脱脂処理を行った後、水
洗し、脱脂剤を除去した後、温風で乾燥させた。次に、
塗布型クロメート系表面処理剤(サーフコートNRC5
00:日本ペイント社製)を用いて、被膜化成処理を行
った。処理温度は65℃、処理時間は10秒で、クロム
付着量は約30mg/m2 であった。温風で乾燥し表面
処理アルミニウム材を得た。ついで、上記表面処理アル
ミニウム材表面にエアスプレー塗装機を用い、アルカノ
ールアミン変性エポキシ系樹脂塗料(ニッペスーパーコ
ート660ホワイトプライマー:日本ペイント社製)を
乾燥膜厚が約5μmになるようにスプレー塗装した。1
0分間室温放置した後、被塗物温度が230℃になって
から60秒間塗料を硬化した後、室温まで冷却し下塗塗
装アルミニウム材を得た。上記工程により得られた下塗
塗装アルミニウム材表面に二液混合型ポリウレア系樹脂
(タフガードR−M:日本ペイント社製)をガスマー社
製H−2000の塗装装置と機械的セルフクリーニング
機構を有する二液衝突混合型スプレーガン(GX−7ガ
ン:米国ガスマー社製)を用いて、約2mm厚になるよ
うに塗装した。指触硬化時間は約10秒であった。
【0057】比較例1 押出成形アルミニウム材(トラック軽量化ボデー床用:
日本軽金属社製)を、濃度1.5体積%水溶液に調整し
たシリケート系脱脂剤(サーフクリーナー53S:日本
ペイント社製)を用いて、温度55℃、処理時間90秒
の処理条件でスプレー脱脂処理を行った後、水洗し、脱
脂剤を除去した。次に、りん酸クロメート系表面処理剤
(アルサーフ407/47:日本ペイント社製)を3体
積%/0.3体積%水溶液に調製し、被膜化成処理を行
った。処理温度は45℃、処理時間は20秒で、クロム
付着量は約30mg/m2 であった。表面に残存してい
る表面処理剤を水で除去した後、温風で乾燥し表面処理
アルミニウム材を得た。ついで、上記表面処理アルミニ
ウム材表面に、湿気硬化型ポリイソシアネート系樹脂塗
料(タフガードR−Mプライマー:日本ペイント社製)
を乾燥膜厚が約8μmになるように刷毛塗りした。被塗
物温度が20℃になってから60分間塗料を硬化し、下
塗塗装アルミニウム材を得た。上記工程により得られた
下塗塗装アルミニウム材表面に二液硬化型ポリウレア系
樹脂(タフガードR−G:日本ペイント社製)をガスマ
ー社製H−2000の塗装装置と機械的セルフクリーニ
ング機構を有する二液衝突混合型スプレーガン(GX−
7ガン:米国ガスマー社製)を用いて、約2mm厚にな
るように塗装した。指触硬化時間は約5秒であった。
【0058】比較例2 0.33mm厚のアルミニウム平板を、濃度2体積%水
溶液に調整したりん酸塩系脱脂剤(サーフクリーナー7
5:日本ペイント社製)を用いて、温度65℃、処理時
間10秒の処理条件でスプレー脱脂処理を行った後、水
洗し、脱脂剤を除去した後、温風で乾燥させた。つい
で、脱脂処理されたアルミニウム材表面に二液硬化型ポ
リウレア系樹脂(タフガードR−M:日本ペイント社
製)をガスマー社製H−2000の塗装装置と機械的セ
ルフクリーニング機構を有する二液衝突混合型スプレー
ガン(GX−7ガン:米国ガスマー社製)を用いて、約
2mm厚になるように塗装した。指触硬化時間は約10
秒であった。
【0059】付着性の評価 得られた樹脂被覆アルミニウム材を用いて、温水浸漬試
験後の付着性をピーリング試験により評価した。温水浸
漬試験条件は、60℃で10日とした。結果を表1に示
した。 ○:被覆樹脂材料自体が切断し、被覆樹脂はアルミニウ
ム材から剥離せず付着性良好。 ×:被覆樹脂材料がアルミニウム材より剥離し、付着性
不良。
【0060】耐衝撃性の評価 得られた樹脂被膜アルミニウム材を冷蔵容器中に−20
℃で2時間以上保管し、取り出した後、ただちに落錘型
衝撃試験法により評価した。落錘の重さは、1kg、落
錘の高さは、20cmとした。 ○:被覆樹脂材料が割れたり、ヒビが入ったり、アルミ
ニウム材から剥離したりしない。 ×:被覆樹脂材料が割れたり、アルミニウム材から剥離
する。
【0061】耐擦傷性の評価 得られた樹脂被覆アルミニウム材を20℃の室温で2時
間以上保管した後、10円硬貨を用いてスクラッチ試験
を行った。 ○:樹脂被覆アルミニウム材に異常が認められない。 ×:被覆樹脂材料がアルミニウム材から剥離する。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明のアルミニウム材の被覆、保護方
法は上述のとおりであるので、アルミニウム材に対して
良好な付着性を保持するとともに、耐衝撃性、耐摩耗
性、耐擦傷性に優れたポリウレア樹脂塗膜でアルミニウ
ム材表面を被覆、保護することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上中 章三 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 大島 敏幸 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 矢野 広忠 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材の表面を、酸含有水溶液
    又はアルカリ含有水溶液を使用して脱脂処理する工程
    (I)、前記工程(I)で脱脂処理されたアルミニウム
    材の表面に、変性エポキシ樹脂からなる下塗塗料を塗
    布、硬化させる工程(II)、並びに、前記工程(I
    I)で塗布、硬化された下塗塗膜の上に、有機ポリイソ
    シアネート(a−1)、及び、有機ポリイソシアネート
    中のイソシアネート基の一部を分子量200〜8000
    のポリオールと反応させてなる部分プレポリマー(a−
    2)のうち少なくとも1種からなるイソシアネート成分
    (A)、並びに、分子内に少なくとも2個の脂肪族アミ
    ノ基を有し、平均分子量が1000〜10000である
    ポリオキシアルキレンポリアミン(b−1)100重量
    部、及び、トルエンジアミンを除く、芳香核に電子吸引
    基を有さず、かつ、アミノ基が結合する炭素原子と隣接
    した炭素原子に炭素数1〜5のアルキル置換基を有する
    活性芳香族ジアミン(b−2)15〜100重量部から
    なるポリアミン成分(B)を、前記イソシアネート成分
    (A)中のイソシアネート基に対する前記ポリアミン成
    分(B)中のアミノ基の当量比が、0.7〜1.5とな
    る混合比で、高圧二液衝突混合型吹付装置により塗布
    し、反応硬化させてポリウレア樹脂塗膜を形成する工程
    (III)からなることを特徴とするアルミニウム材の
    被覆、保護方法。
  2. 【請求項2】 酸含有水溶液が、硫酸、りん酸、ふっ酸
    及び硝酸からなる群より選択される少なくとも1種の
    酸、界面活性剤並びにキレート剤からなるpH0.7〜
    4.5のものである請求項1記載のアルミニウム材の被
    覆、保護方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ含有水溶液が、アルカリけい酸
    塩、アルカリりん酸塩、アルカリ縮合りん酸塩、アルカ
    リ炭酸塩、アルカリほう酸塩及びアルカリ水酸化物から
    なる群より選択される少なくとも1種のアルカリ、界面
    活性剤並びにキレート剤からなるpH8.5〜13.0
    のものである請求項1記載のアルミニウム材の被覆、保
    護方法。
  4. 【請求項4】 工程(I)の後、工程(II)の前に、
    更に、クロム含有表面処理剤又はノンクロム表面処理剤
    により被膜化成処理する請求項1、2又は3記載のアル
    ミニウム材の被覆、保護方法。
  5. 【請求項5】 クロム含有表面処理剤が、クロメート表
    面処理剤である請求項4記載のアルミニウム材の被覆、
    保護方法。
  6. 【請求項6】 ノンクロム表面処理剤が、ジルコニウム
    系表面処理剤又はチタン系表面処理剤である請求項4記
    載のアルミニウム材の被覆、保護方法。
  7. 【請求項7】 下塗塗料が、ビスフェノールA型エポキ
    シ樹脂(c−1)、脂肪族二塩基酸(c−2)、及び、
    第1級ヒドロキシル基を有する第2級アミン(c−3)
    を反応させてなる末端に第1級ヒドロキシル基を有する
    プレポリマー(C)と、ポリイソシアネート化合物(d
    −1)、及び、イソシアネート保護剤(d−2)を反応
    させてなる部分保護イソシアネート化合物(D)とを、
    前記末端に第1級ヒドロキシル基を有するプレポリマー
    (C)に含まれる第1級ヒドロキシル基の数と、前記部
    分保護イソシアネート(D)に含まれる遊離のイソシア
    ネート基の数との比が、1/1〜10/1となる割合で
    反応させてなるウレタン変性エポキシ樹脂組成物からな
    るものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のア
    ルミニウム材の被覆、保護方法。
  8. 【請求項8】 下塗塗料が、ビスフェノールA型エポキ
    シ樹脂(e−1)をアルカノールアミンで変性したアル
    カノールアミン変性エポキシ樹脂組成物からなるもので
    ある請求項1、2、3、4、5又は6記載のアルミニウ
    ム材の被覆、保護方法。
  9. 【請求項9】 下塗塗料は、水可溶分が1重量%以下で
    ある防錆顔料を、5〜50重量%含むものである請求項
    1、2、3、4、5、6、7又は8記載のアルミニウム
    材の被覆、保護方法。
  10. 【請求項10】 防錆顔料が、クロム酸ストロンチウム
    及び複合りん酸アルミニウムのうち少なくとも1種であ
    る請求項9記載のアルミニウム材の被覆、保護方法。
  11. 【請求項11】 ポリウレア樹脂塗膜の膜厚が、0.3
    〜10mmである請求項1〜10のいずれかに記載のア
    ルミニウム材の被覆、保護方法
  12. 【請求項12】 アルミニウム材が、トラック荷台用ア
    ルミニウム材である請求項1〜11のいずれかに記載の
    アルミニウム材の被覆、保護方法。
  13. 【請求項13】 アルミニウム材が、トラック荷台のア
    ルミニウム材である請求項1〜11のいずれかに記載の
    アルミニウム材の被覆、保護方法。
  14. 【請求項14】 アルミニウム材が、建設足場用アルミ
    ニウム材である請求項1〜11記載のアルミニウム材の
    被覆、保護方法。
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