JPH0931361A - 紫外線硬化型組成物 - Google Patents

紫外線硬化型組成物

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JPH0931361A
JPH0931361A JP18402995A JP18402995A JPH0931361A JP H0931361 A JPH0931361 A JP H0931361A JP 18402995 A JP18402995 A JP 18402995A JP 18402995 A JP18402995 A JP 18402995A JP H0931361 A JPH0931361 A JP H0931361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた潤滑性能を有し、且つ、高温高湿環境
下でも潤滑性を維持できる塗膜表面が得られる紫外線硬
化型組成物を提供する。 【解決手段】 潤滑剤として、水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)を必須成
分として含有する紫外線硬化型組成物。更に分子量が4
50以下の多官能(メタ)アクリレート(B)を併用す
ることを特徴とする紫外線硬化型組成物。 【効果】 高温高湿環境放置後も高い潤滑性を維持でき
る塗膜が得られる。摺動記録方式をとる光磁気ディスク
用コーティング剤、特にミニディスク(MD)用保護コ
ーティング剤として極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相溶性の改良された変
性パーフルオロポリエーテルを含有する紫外線硬化型組
成物に関し、さらに詳しくは摺動記録方式をとる光磁気
ディスクのコーティング剤として好適な紫外線硬化型組
成物に関する。特にミニディスク(MD)用コーティン
グ剤として適している。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気ディスクの記録方式として
オーバーライト可能な磁界変調方式が検討されている。
この場合磁気ヘッドがディスク面に接触する摺動記録方
式をとるため、ディスク面に潤滑性が要求される。
【0003】一般的にこのディスク面にはその記録膜保
護のため紫外線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜より成るオ
ーバーコート層が形成されているが、該オーバーコート
層は十分な潤滑性を有さないので、例えば特開平5−1
28611号公報に記載されているようにシリコーン系
オイルやフッ素系潤滑剤をそれらが可溶の溶剤に溶解し
スピンコートすることにより、オーバーコート層の上に
更に潤滑層を別途設け、摺動特性を持たせている。従っ
て潤滑剤を塗布する工程が別途余計に必要となり、生産
性の低下、製造コストのアップをまねくため、工程の簡
略化が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様なプロセス上の
問題点を解決し生産性のアップを計るため、紫外線硬化
型樹脂組成物に潤滑剤を添加する方法が検討されてい
る。しかしながら摺動記録方式をとる光磁気ディスクに
おいては、低い動摩擦係数が要求され、同時に高温高湿
環境下に長時間放置後も初期値と同等の動摩擦係数を維
持できることが必要であり、潤滑剤添加型の紫外線硬化
型樹脂組成物でこのような特性を満足するものはなく、
その開発が望まれている。
【0005】ところで、特開平5−128611号公報
にも記載があるように、パーフルオロポリエーテルは優
れた潤滑性を有するため、磁気テープ、磁気ディスク等
の磁気記録媒体の潤滑剤として多くの検討がなされてい
る。しかし、有機溶剤との相溶性が良くないため、一般
的にはフロン系溶剤等に溶解してオーバーコート層の上
に別途コーティングする方法を採らざるを得ず、工程の
煩雑化のみならずフロンによる環境汚染対策を考慮する
必要性がある等、使用上多くの問題点を抱えている。特
開平6−176353号公報においてはパーフルオロポ
リエーテルを光硬化樹脂と混練して使用する方法が提案
されている。しかしこの場合パーフルオロポリエーテル
が光硬化樹脂と相溶しないので混練後比重の重いパーフ
ルオロポリエーテルが混練物底部に相分離して沈殿する
ため、この様な系では実用に供さないのが実態であっ
た。
【0006】本発明はかかる状況に鑑みてなされたもの
であり、相溶性の改良された変性パーフルオロポリエー
テルを含むことを特徴とし、潤滑性に優れ且つ高温高湿
環境下でも潤滑性を維持できる塗膜表面が得られる紫外
線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の変性をした
パーフルオロポリエーテルにおいて、紫外線硬化樹脂と
の相溶性が極めて良好になることを見いだし、更にこの
変性パーフルオロポリエーテルを潤滑剤として用い、同
時に特定成分を含有する紫外線硬化型組成物を使用する
ことにより、上記課題を解決できることを見いだした。
【0008】すなわち本発明は、上記課題を解決するた
めに、潤滑剤として、水酸基を有するパーフルオロポリ
エーテルの環状ラクトン付加物(A)を必須成分として
含有する紫外線硬化型組成物を提供する。さらに、化合
物(A)と同時に硬化性成分として分子量が450以下
の多官能(メタ)アクリレート(B)を含有する紫外線
硬化型組成物を提供する。
【0009】本発明に使用する環状ラクトン付加物
(A)は、水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
(1)と環状ラクトン化合物(2)から得られる。前記
の水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(1)と
は、分子末端の少なくとも一方に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルのことであって、例えば四フッ化エ
チレンから合成される下記構造式を有する化合物が挙げ
られる。
【0010】
【化1】R1−CF2−(OC24p−(OCF2q
OCF2−R2 (ここで、R1、R2の少なくとも一方は−CH2OH、
−CH2−(OCH2CH2n−OH、−CH2OCH2
H(OH)CH2OHの中から選ばれる基であり、R1
2のいずれか一方のみが前記の基である時、他方は−
Fである。)
【0011】これらものの分子量は、通常1000〜4
000の範囲である。使用にあっては、これらは単独で
も2種以上を混合して用いてもよい。市販品としては、
例えばモンテカチーニ社のFOMBLIN−Z−DO
L、FOMBLIN−ZDOL−TX、FOMBLIN
−Z−TETRAOL等がある。
【0012】一方これらと反応させる環状ラクトン化合
物(2)としては、例えば、β−プロピオラクトン、δ
−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、
α,β,γ−トリメトキシ−δ−バレロラクトン、ε−
カプロラクトン、β−メチル−ε−イソプロピル−ε−
カプロラクトン、ラクチド、グリコリド等が挙げられ
る。ここで、水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
(1)と環状ラクトン化合物(2)の反応モル比((1):
(2))は1:9〜1:12とするのが好ましい。1:8
以下だと紫外線硬化型組成物との相溶性が不十分で相分
離してしまい、1:13以上だと相溶性は良くなるもの
の、潤滑性が低下し好ましくない。また該環状ラクトン
化合物のうち、潤滑性の点でβ−メチル−δ−バレロラ
クトン、ε−カプロラクトンが特に好ましい。
【0013】水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
と環状ラクトン化合物から得られた付加物に対し、更に
酸無水物を反応させることにより、紫外線硬化型組成物
との相溶性を調整することもできる。酸無水物として
は、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデセニ
ル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライ
ン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオク
タデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二
酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシ
クロヘキセンジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリ
メリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水
ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。
【0014】水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
(1)と環状ラクトン化合物(2)の付加物、即ち水酸
基を有するパーフルオロポリエーテルの環状ラクトン付
加物(A)は、常法に従って得ることが出来、例えば1
00〜200℃で、パーフルオロポリエーテル(1)と
環状ラクトン化合物(2)の混合物に触媒を加え攪拌す
ることにより得られる。触媒としては例えばテトラブチ
ルチタネート、オクチル酸スズ、ジブチルスズラウレー
ト等が使用できる。反応は無溶媒で行ってもよいし、溶
媒中で行ってもよい。
【0015】前記した環状ラクトン付加物(A)を必須
成分として含有する本発明の紫外線硬化型組成物には、
分子量が450以下の多官能(メタ)アクリレート
(B)を重合性モノマー成分として含有するとよい。
【0016】このような多官能(メタ)アクリレート
(B)としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノ
ールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプ
ロピレンオキサイドを付加して得たジオール等のジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン及びペンタエリスリトール等のポリ(メタ)アクリレ
ートあるいはトリス[(メタ)アクリロキシエチル]イ
ソシアヌレート等が挙げられる。
【0017】これら多官能(メタ)アクリレート(B)
は、単独又は2種以上併用して使用することができる。
多官能(メタ)アクリレート(B)としては、常温〜4
0℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。
良好な潤滑性を有する硬化塗膜を得るためには、用いる
該多官能(メタ)アクリレート(B)全重量を100wt
%とした時、3官能以上の該(メタ)アクリレート
(B)を50wt%以上となる様に使用するのが好まし
い。
【0018】水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
の環状ラクトン付加物(A)の使用量は、特に制限され
ないが、多官能(メタ)アクリレート(B)100重量
部当たり、通常0.1〜5重量部、溶解性や経済性等の
観点から、好ましくは0.5〜3重量部の範囲で添加さ
れる。
【0019】また、本発明では、必須成分ではないが、
脂肪族モノアルコールの脂肪酸エステル(C)を併用す
ると、得られる塗膜は、特に初期における潤滑性の点で
格別顕著な効果が得られる。
【0020】脂肪酸エステル(C)としては、例えば脂
肪酸成分として炭素数8〜30のもの、具体的にはカプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等と
脂肪族モノアルコールのエステルが使用できるが、アル
コール成分としては炭素数8〜24の脂肪族モノアルコ
ールから選ぶのが良い。これら脂肪酸エステルのうちパ
ルミチン酸又はステアリン酸エステルが好ましく、常温
における潤滑性が優れている点でパルミチン酸オクチ
ル、ステアリン酸オクチルが特に好ましい。これらの該
脂肪酸エステル(C)の使用量は、特に制限されない
が、多官能(メタ)アクリレート(B)100重量部当
たり、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重
量部の範囲で添加される。
【0021】本発明の組成物を調製するに際しては、多
官能(メタ)アクリレート(B)の他に必要に応じて、
その他の重合性モノマーを併用することが出来る。その
他の重合性モノマーとしては、置換基としてメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチ
ル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノ
キシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2
−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチ
ル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテ
トラヒドロフルフリル、イソボルニル、ジシクロペンタ
ニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエ
チル等の如き基を有する(メタ)アクリレート/ ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールのジ
(メタ)アクリレート/ジペンタエリスリトールのポリ
(メタ)アクリレート/ネオペンチルグリコール1モル
に4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレン
オキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上の
エチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付
加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオ
キサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得た
ジオールのジ(メタ)アクリレート/N−ビニル−2−
ピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾ
ール、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロ
キシメチルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルア
クリルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合物、カ
プロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチ
ル]イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリ
トールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変
性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジア
クリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキ
サイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキ
サイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が
あげられる。
【0022】また重合性モノマーと同様に併用できるも
のとしては、重合性オリゴマーとしてポリエステルアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリ
レート等が挙げられる。
【0023】本発明の組成物においては、必ずしも重合
性モノマーや重合性オリゴマーを必要としないが、併用
する場合には、多官能(メタ)アクリレート(B)との
相溶性が良好であり、均一で比較的薄い塗布膜厚が得ら
れる様、組成物粘度を低く保てるものを選択して用い
る。
【0024】本発明の組成物には通常光重合開始剤が併
用され、光によりラジカルを発生し、そのラジカルが重
合性不飽和化合物と効率的に反応するものであれば良
い。分子が開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族
ケトンと水素供与体の組合せのように複合して用いられ
るものがある。
【0025】前者に属する例としては、例えば、ベンゾ
イルエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニル−プロパン−1−オン、2、4、6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−
メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−
1−オン等を挙げることができる。
【0026】後者の例の芳香族ケトンとしては、例え
ば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イ
ソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジ
フェニルスルフイド、2、4−ジエチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチ
オキサントン等が挙げられ、これと組合せる水素供与体
としては、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物
等が挙げられるが、一般にアミン系化合物が好ましい。
【0027】アミン系化合物としては、例えば、トリエ
チルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げ
られる。
【0028】これらの光重合開始剤は、単独で用いても
良いし、二種類以上組合せて用いても良い。光重合開始
剤に使用量は、特に限定されるものではないが、通常重
合硬化しうる成分100重量部当たり、0.1〜8重量
部である。
【0029】環状ラクトン付加物(A)を含有する本発
明の紫外線硬化型組成物を調製するのに特別は方法は必
要でなく、例えば重合性モノマー成分、重合開始剤等の
成分を配合、混合して紫外線硬化型組成物を調製する際
に、当該環状ラクトン付加物(A)を存在させるだけで
よい。
【0030】また、本発明の組成物には、必要であれ
ば、さらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、酸化
防止剤、可塑剤及びシランカップリング剤等を各種特性
を改良する目的で配合することもできる。
【0031】本発明の組成物は、所定の膜厚に塗布した
後に、紫外線を所定量照射することにより、硬化塗膜を
得ることができる。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、以下実施例中「部」は「重量部」を表す。
【0033】実施例1 ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル
−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−
プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DO
L−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパー
フルオロポリエーテル、分子量2000)1モルとε−
カプロラクトン10モルを触媒としてオクチル酸スズ約
500ppm、反応温度140℃で8時間反応させて得
た付加物1部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明
の紫外線硬化型組成物を作製した。この組成物は室温1
ヶ月放置後においても外観変化はなく、沈殿物の生成も
見られなかった。
【0034】〈試験方法〉光ディスク用ポリカーボネー
ト基板に、上記組成物をスピンコーターで硬化後の膜厚
が5〜8μmとなるように塗布し、集光型高圧水銀ラン
プ(120W/cm)を用い、照射強度100mW/c
2、照射光量1000mJ/cm2で皮膜を硬化させ、
硬化塗膜が設けられた試験用ディスクを作成した。
【0035】次いで、そのディスクの硬化塗膜面の、室
温における初期値及び85℃、95%RH環境下100
時間及び500時間後の動摩擦係数を測定した。動摩擦
係数測定の測定はプラスチックヘッドを用い、ヘッド荷
重2gf、線速1.4m/sで、特開平7−14002
3号公報に開示された装置により行った。測定結果を第
1表に示した。
【0036】実施例2 実施例1の組成物にさらにステアリン酸オクチル1部を
75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型
組成物を作製した。この組成物を用いて実施例1と同様
にして硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。
【0037】比較例1 ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル
−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−
プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DO
L−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパー
フルオロポリエーテル、分子量2000)を変性せずそ
のもの1部を75℃で1時間攪拌混合した。フォンブリ
ンZ−DOL−2000は攪拌中も相溶せず、攪拌停止
と同時に容器底部に沈殿し完全に相分離した。この相分
離した組成物の上澄みを用いて実施例1と同様にして硬
化塗膜の動摩擦係数を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】第1表に示すように、実施例1の組成物か
ら得られた硬化塗膜の動摩擦係数の初期値は0.3であ
り、高温高湿における耐久試験後においても0.28と
低い値を示した。また、脂肪酸エステル(C)を併用し
た実施例2の組成物から得られた硬化塗膜のそれの初期
値は、0.25と実施例1よりさらに低下し、500時
間の耐久試験後も0.28であった。
【0040】これに対して、ラクトン付加していないパ
ーフルオロポリエーテルを使用した組成物は、パーフル
オロポリエーテルが相分離して沈殿し、上澄みから得ら
れた硬化塗膜の動摩擦係数初期値は1.28と高かっ
た。これは潤滑成分を含まない組成物から得られた硬化
塗膜の場合と同じ値であり、従って比較例1においては
潤滑性の改善は見られなかった。
【0041】実施例3 ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル
−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−
プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DO
L−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパー
フルオロポリエーテル、分子量2000)1モルとβ−
メチル−δ−バレロラクトン10モルの付加物1部、ス
テアリン酸オクチル1部を75℃で1時間混合溶解し、
淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を作製した。この組成
物を用いて実施例1と同様にして、硬化塗膜の動摩擦係
数を測定した。その結果を第2表に示した。 尚この組
成物は室温1ヶ月放置後においても外観変化はなく、沈
殿物の生成も見られなかった。
【0042】実施例4 実施例1に使用したトリメチロールプロパントリアクリ
レートを、ペンタエリスリトールトリアクリレートに変
更した以外は実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜
の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した。
【0043】実施例5 実施例1に使用したトリメチロールプロパントリアクリ
レートを、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソ
シアヌレートに変更した以外は実施例1と同様の組成物
を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を
第2表に示した。
【0044】実施例6 実施例1に使用したネオペンチルグリコールを、1.6
−ヘキサンジオールジアクリレートに変更した以外は実
施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を
測定した。その結果を第2表に示した。
【0045】実施例7 実施例1に使用したネオペンチルグリコールをトリシク
ロデカンジメタノールジアクリレートに変更した以外は
実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数
を測定した。その結果を第2表に示した
【0046】
【表2】
【0047】実施例1〜7の組成物は、いずれも光磁気
ディスク、特にミニディスクの記録膜保護に好適であっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の組成物を使用することにより、
潤滑剤を塗布する工程が省略でき大幅な生産性アップを
実現できる。また、高温高湿の環境下における耐久試験
後でも硬化塗膜の潤滑性を維持できる。従って本発明の
組成物は、特に、高度の潤滑性が要求される摺動記録方
式の光磁気ディスク用コーティング剤として極めて有用
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑剤として、水酸基を有するパーフル
    オロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)を必須成
    分として含有する紫外線硬化型組成物。
  2. 【請求項2】 分子量が450以下の多官能(メタ)ア
    クリレート(B)を含有する請求項1記載の紫外線硬化
    型組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪族モノアルコールの脂肪酸エステル
    (C)をさらに併用する請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 摺動記録方式をとる光磁気ディスク用保
    護コート剤である請求項1、2又は3記載の組成物。
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