JP3658806B2 - 紫外線硬化型組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、相溶性の改良された変性パーフルオロポリエーテルを含有する紫外線硬化型組成物に関し、さらに詳しくは摺動記録方式をとる光磁気ディスクのコーティング剤として好適な紫外線硬化型組成物に関する。特にミニディスク(MD)用コーティング剤として適している。
【0002】
【従来の技術】
近年、光磁気ディスクの記録方式としてオーバーライト可能な磁界変調方式が検討されている。この場合磁気ヘッドがディスク面に接触する摺動記録方式をとるため、ディスク面に潤滑性が要求される。
【0003】
一般的にこのディスク面にはその記録膜保護のため紫外線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜より成るオーバーコート層が形成されているが、該オーバーコート層は十分な潤滑性を有さないので、例えば特開平5−128611号公報に記載されているようにシリコーン系オイルやフッ素系潤滑剤をそれらが可溶の溶剤に溶解しスピンコートすることにより、オーバーコート層の上に更に潤滑層を別途設け、摺動特性を持たせている。従って潤滑剤を塗布する工程が別途余計に必要となり、生産性の低下、製造コストのアップをまねくため、工程の簡略化が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この様なプロセス上の問題点を解決し生産性のアップを計るため、紫外線硬化型樹脂組成物に潤滑剤を添加する方法が検討されている。しかしながら摺動記録方式をとる光磁気ディスクにおいては、低い動摩擦係数が要求され、同時に高温高湿環境下に長時間放置後も初期値と同等の動摩擦係数を維持できることが必要であり、潤滑剤添加型の紫外線硬化型樹脂組成物でこのような特性を満足するものはなく、その開発が望まれている。
【0005】
ところで、特開平5−128611号公報にも記載があるように、パーフルオロポリエーテルは優れた潤滑性を有するため、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体の潤滑剤として多くの検討がなされている。しかし、有機溶剤との相溶性が良くないため、一般的にはフロン系溶剤等に溶解してオーバーコート層の上に別途コーティングする方法を採らざるを得ず、工程の煩雑化のみならずフロンによる環境汚染対策を考慮する必要性がある等、使用上多くの問題点を抱えている。特開平6−176353号公報においてはパーフルオロポリエーテルを光硬化樹脂と混練して使用する方法が提案されている。しかしこの場合パーフルオロポリエーテルが光硬化樹脂と相溶しないので混練後比重の重いパーフルオロポリエーテルが混練物底部に相分離して沈殿するため、この様な系では実用に供さないのが実態であった。
【0006】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、相溶性の改良された変性パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とし、潤滑性に優れ且つ高温高湿環境下でも潤滑性を維持できる塗膜表面が得られる紫外線硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の変性をしたパーフルオロポリエーテルにおいて、紫外線硬化樹脂との相溶性が極めて良好になることを見いだし、更にこの変性パーフルオロポリエーテルを潤滑剤として用い、同時に特定成分を含有する紫外線硬化型組成物を使用することにより、上記課題を解決できることを見いだした。
【0008】
すなわち本発明は、上記課題を解決するために、潤滑剤として、水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)を必須成分として含有する紫外線硬化型組成物を提供する。さらに、化合物(A)と同時に硬化性成分として分子量が450以下の多官能(メタ)アクリレート(B)を含有する紫外線硬化型組成物を提供する。
【0009】
本発明に使用する環状ラクトン付加物(A)は、水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(1)と環状ラクトン化合物(2)から得られる。前記の水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(1)とは、分子末端の少なくとも一方に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルのことであって、例えば四フッ化エチレンから合成される下記構造式を有する化合物が挙げられる。
【0010】
【化1】
1−CF2−(OC24p−(OCF2q−OCF2−R2
(ここで、R1、R2の少なくとも一方は−CH2OH、−CH2−(OCH2CH2n−OH、−CH2OCH2CH(OH)CH2OHの中から選ばれる基であり、R1、R2のいずれか一方のみが前記の基である時、他方は−Fである。)
【0011】
これらものの分子量は、通常1000〜4000の範囲である。使用にあっては、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。市販品としては、例えばモンテカチーニ社のFOMBLIN−Z−DOL、FOMBLIN−ZDOL−TX、FOMBLIN−Z−TETRAOL等がある。
【0012】
一方これらと反応させる環状ラクトン化合物(2)としては、例えば、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、α,β,γ−トリメトキシ−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、ラクチド、グリコリド等が挙げられる。ここで、水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(1)と環状ラクトン化合物(2)の反応モル比((1):(2))は1:9〜1:12とするのが好ましい。1:8以下だと紫外線硬化型組成物との相溶性が不十分で相分離してしまい、1:13以上だと相溶性は良くなるものの、潤滑性が低下し好ましくない。また該環状ラクトン化合物のうち、潤滑性の点でβ−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンが特に好ましい。
【0013】
水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと環状ラクトン化合物から得られた付加物に対し、更に酸無水物を反応させることにより、紫外線硬化型組成物との相溶性を調整することもできる。酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。
【0014】
水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(1)と環状ラクトン化合物(2)の付加物、即ち水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)は、常法に従って得ることが出来、例えば100〜200℃で、パーフルオロポリエーテル(1)と環状ラクトン化合物(2)の混合物に触媒を加え攪拌することにより得られる。触媒としては例えばテトラブチルチタネート、オクチル酸スズ、ジブチルスズラウレート等が使用できる。反応は無溶媒で行ってもよいし、溶媒中で行ってもよい。
【0015】
前記した環状ラクトン付加物(A)を必須成分として含有する本発明の紫外線硬化型組成物には、分子量が450以下の多官能(メタ)アクリレート(B)を重合性モノマー成分として含有するとよい。
【0016】
このような多官能(メタ)アクリレート(B)としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオール等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトール等のポリ(メタ)アクリレートあるいはトリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
【0017】
これら多官能(メタ)アクリレート(B)は、単独又は2種以上併用して使用することができる。多官能(メタ)アクリレート(B)としては、常温〜40℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。良好な潤滑性を有する硬化塗膜を得るためには、用いる該多官能(メタ)アクリレート(B)全重量を100wt%とした時、3官能以上の該(メタ)アクリレート(B)を50wt%以上となる様に使用するのが好ましい。
【0018】
水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)の使用量は、特に制限されないが、多官能(メタ)アクリレート(B)100重量部当たり、通常0.1〜5重量部、溶解性や経済性等の観点から、好ましくは0.5〜3重量部の範囲で添加される。
【0019】
また、本発明では、必須成分ではないが、脂肪族モノアルコールの脂肪酸エステル(C)を併用すると、得られる塗膜は、特に初期における潤滑性の点で格別顕著な効果が得られる。
【0020】
脂肪酸エステル(C)としては、例えば脂肪酸成分として炭素数8〜30のもの、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等と脂肪族モノアルコールのエステルが使用できるが、アルコール成分としては炭素数8〜24の脂肪族モノアルコールから選ぶのが良い。これら脂肪酸エステルのうちパルミチン酸又はステアリン酸エステルが好ましく、常温における潤滑性が優れている点でパルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチルが特に好ましい。これらの該脂肪酸エステル(C)の使用量は、特に制限されないが、多官能(メタ)アクリレート(B)100重量部当たり、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の範囲で添加される。
【0021】
本発明の組成物を調製するに際しては、多官能(メタ)アクリレート(B)の他に必要に応じて、その他の重合性モノマーを併用することが出来る。その他の重合性モノマーとしては、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を有する(メタ)アクリレート/ ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート/ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート/ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート/N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルアクリルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合物、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等があげられる。
【0022】
また重合性モノマーと同様に併用できるものとしては、重合性オリゴマーとしてポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
【0023】
本発明の組成物においては、必ずしも重合性モノマーや重合性オリゴマーを必要としないが、併用する場合には、多官能(メタ)アクリレート(B)との相溶性が良好であり、均一で比較的薄い塗布膜厚が得られる様、組成物粘度を低く保てるものを選択して用いる。
【0024】
本発明の組成物には通常光重合開始剤が併用され、光によりラジカルを発生し、そのラジカルが重合性不飽和化合物と効率的に反応するものであれば良い。分子が開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族ケトンと水素供与体の組合せのように複合して用いられるものがある。
【0025】
前者に属する例としては、例えば、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン等を挙げることができる。
【0026】
後者の例の芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルスルフイド、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン等が挙げられ、これと組合せる水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物等が挙げられるが、一般にアミン系化合物が好ましい。
【0027】
アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0028】
これらの光重合開始剤は、単独で用いても良いし、二種類以上組合せて用いても良い。光重合開始剤に使用量は、特に限定されるものではないが、通常重合硬化しうる成分100重量部当たり、0.1〜8重量部である。
【0029】
環状ラクトン付加物(A)を含有する本発明の紫外線硬化型組成物を調製するのに特別は方法は必要でなく、例えば重合性モノマー成分、重合開始剤等の成分を配合、混合して紫外線硬化型組成物を調製する際に、当該環状ラクトン付加物(A)を存在させるだけでよい。
【0030】
また、本発明の組成物には、必要であれば、さらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、酸化防止剤、可塑剤及びシランカップリング剤等を各種特性を改良する目的で配合することもできる。
【0031】
本発明の組成物は、所定の膜厚に塗布した後に、紫外線を所定量照射することにより、硬化塗膜を得ることができる。
【0032】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下実施例中「部」は「重量部」を表す。
【0033】
実施例1
ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメチロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DOL−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパーフルオロポリエーテル、分子量2000)1モルとε−カプロラクトン10モルを触媒としてオクチル酸スズ約500ppm、反応温度140℃で8時間反応させて得た付加物1部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を作製した。この組成物は室温1ヶ月放置後においても外観変化はなく、沈殿物の生成も見られなかった。
【0034】
〈試験方法〉
光ディスク用ポリカーボネート基板に、上記組成物をスピンコーターで硬化後の膜厚が5〜8μmとなるように塗布し、集光型高圧水銀ランプ(120W/cm)を用い、照射強度100mW/cm2、照射光量1000mJ/cm2で皮膜を硬化させ、硬化塗膜が設けられた試験用ディスクを作成した。
【0035】
次いで、そのディスクの硬化塗膜面の、室温における初期値及び85℃、95%RH環境下100時間及び500時間後の動摩擦係数を測定した。動摩擦係数測定の測定はプラスチックヘッドを用い、ヘッド荷重2gf、線速1.4m/sで、特開平7−140023号公報に開示された装置により行った。測定結果を第1表に示した。
【0036】
実施例2
実施例1の組成物にさらにステアリン酸オクチル1部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を作製した。この組成物を用いて実施例1と同様にして硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。
【0037】
比較例1
ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメチロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DOL−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパーフルオロポリエーテル、分子量2000)を変性せずそのもの1部を75℃で1時間攪拌混合した。フォンブリンZ−DOL−2000は攪拌中も相溶せず、攪拌停止と同時に容器底部に沈殿し完全に相分離した。この相分離した組成物の上澄みを用いて実施例1と同様にして硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。
【0038】
【表1】
Figure 0003658806
【0039】
第1表に示すように、実施例1の組成物から得られた硬化塗膜の動摩擦係数の初期値は0.3であり、高温高湿における耐久試験後においても0.28と低い値を示した。また、脂肪酸エステル(C)を併用した実施例2の組成物から得られた硬化塗膜のそれの初期値は、0.25と実施例1よりさらに低下し、500時間の耐久試験後も0.28であった。
【0040】
これに対して、ラクトン付加していないパーフルオロポリエーテルを使用した組成物は、パーフルオロポリエーテルが相分離して沈殿し、上澄みから得られた硬化塗膜の動摩擦係数初期値は1.28と高かった。これは潤滑成分を含まない組成物から得られた硬化塗膜の場合と同じ値であり、従って比較例1においては潤滑性の改善は見られなかった。
【0041】
実施例3
ネオペンチルグリコールジアクリレート40部、トリメチロールプロパントリアクリレート50部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン5部、及びフォンブリンZ−DOL−2000(モンテカチーニ社、両末端水酸基のパーフルオロポリエーテル、分子量2000)1モルとβ−メチル−δ−バレロラクトン10モルの付加物1部、ステアリン酸オクチル1部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を作製した。この組成物を用いて実施例1と同様にして、硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した。 尚この組成物は室温1ヶ月放置後においても外観変化はなく、沈殿物の生成も見られなかった。
【0042】
実施例4
実施例1に使用したトリメチロールプロパントリアクリレートを、ペンタエリスリトールトリアクリレートに変更した以外は実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した。
【0043】
実施例5
実施例1に使用したトリメチロールプロパントリアクリレートを、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートに変更した以外は実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した。
【0044】
実施例6
実施例1に使用したネオペンチルグリコールを、1.6−ヘキサンジオールジアクリレートに変更した以外は実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した。
【0045】
実施例7
実施例1に使用したネオペンチルグリコールをトリシクロデカンジメタノールジアクリレートに変更した以外は実施例1と同様の組成物を作製し硬化塗膜の動摩擦係数を測定した。その結果を第2表に示した
【0046】
【表2】
Figure 0003658806
【0047】
実施例1〜7の組成物は、いずれも光磁気ディスク、特にミニディスクの記録膜保護に好適であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の組成物を使用することにより、潤滑剤を塗布する工程が省略でき大幅な生産性アップを実現できる。また、高温高湿の環境下における耐久試験後でも硬化塗膜の潤滑性を維持できる。従って本発明の組成物は、特に、高度の潤滑性が要求される摺動記録方式の光磁気ディスク用コーティング剤として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 潤滑剤として、水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの環状ラクトン付加物(A)を必須成分として含有する紫外線硬化型組成物であって、前記水酸基を有するパーフルオロポリエーテルが、式1
    Figure 0003658806
    式1
    式中、R 1 、R 2 の少なくとも一方は−CH 2 OH、−CH 2 −(OCH 2 CH 2 n −OH、−CH 2 OCH 2 CH(OH)CH 2 OHの中から選ばれる基であり、R 1 、R 2 のいずれか一方のみが前記の基である時、他方は−Fである。)で表される化合物であることを特徴とする紫外線硬化型組成物。
  2. 前記水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの分子量が1000〜4000である請求項1記載の紫外線硬化型組成物。
  3. 前記環状ラクトンが、β−メチル−δ−バレロラクトン又はε−カプロラクトンである請求項1又は2のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  4. 更に、分子量が450以下の多官能(メタ)アクリレート(B)を含有する請求項1、2又は3のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  5. 脂肪族モノアルコールの脂肪酸エステル(C)をさらに併用する請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  6. 請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物からなる、摺動記録方式をとる光磁気ディスク用保護コート剤。
  7. 請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物の硬化塗膜からなるオーバーコート層を備えた摺動記録方式の光磁気ディスク。
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