JPH0931244A - 高誘電性エラストマー組成物及びそれを用いた電子材料 - Google Patents

高誘電性エラストマー組成物及びそれを用いた電子材料

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JPH0931244A
JPH0931244A JP20759695A JP20759695A JPH0931244A JP H0931244 A JPH0931244 A JP H0931244A JP 20759695 A JP20759695 A JP 20759695A JP 20759695 A JP20759695 A JP 20759695A JP H0931244 A JPH0931244 A JP H0931244A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電率の高い高誘電性エラストマー組成物、
引き裂き強度等機械的強度に優れ耐久性ある高誘電性エ
ラストマー組成物、電界緩和用途やセンサー用途等に用
いる際に特に重要である均一な誘電性を発現する高誘電
性エラストマー組成物、電子部品材料用途やセンサー用
途等に用いる際に特に重要である低誘電正接の高誘電性
エラストマー組成物及びそれを用いた電子材料を提供す
る。 【構成】 エラストマーマトリクス中に、一般式MO・
TiO2(式中、MはBa、Sr、Ca、Mg、Co、Pd、Z
n、Be、Cdからなる群から選ばれた一種又は二種以上
の金属元素を示す)で表されるチタン酸金属塩繊維状物
及び/又は該チタン酸金属塩を非晶質酸化チタンが包み
こんだ態様で複合一体化した複合繊維であって金属Mと
Tiとのモル比が1:1.005〜1.5の範囲にある複
合繊維を、合計重量を基準として5〜80重量%配合し
てなる高誘電性エラストマー組成物及びそれを用いた電
子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高誘電性エラストマ
ー組成物及びそれを用いた電子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】高誘電性エラストマーとしては従来より
ハロゲン原子、アクリロニトリル等の極性成分を有する
極性合成ゴムにチタン酸バリウム、カーボンブラック、
金属酸化物及び金属粉等の添加剤を加えた組成のもの
(特公昭57−7441号公報)、非極性合成ゴムにチ
タン酸カルシウムを添加したもの(特公昭58−244
55号公報)等が知られており電界緩和用途等に用いら
れている。これら従来の誘電性エラストマーはいずれも
エラストマーに誘電体粉体を配合したものであるが、有
機高分子材料であるエラストマーは一般に誘電率が低い
ため粉体の誘電体を配合する限りにおいては複合材料と
して十分な誘電率を得ることはできなかった。
【0003】また、粉体を配合することによりエラスト
マーとしての物性を損なうため、配合量が限定される
上、引き裂き強度等の機械的強度が不十分であるという
欠点を有していた。さらに粉落を生じる等の欠点を有し
ていた。一方、誘電体として繊維状のものを用いて有機
高分子材料と複合させる試みも行われている。例えば、
特公昭62−7160号公報、特公昭62−55243
号公報、特開昭63−260822号公報等に繊維状チ
タン酸バリウムもしくは多結晶体チタン酸バリウム繊維
の製造方法が開示されている。しかしながら、これらの
誘電体繊維はいずれも強度の不十分な繊維であるかアス
ペクト比の小さな繊維であったためエラストマーに配合
して可撓性ある高誘電材料を製造する目的には応用の難
しい材料であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的は
誘電率の高い高誘電性エラストマー組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、引き裂き強度等機械的
強度に優れ耐久性ある高誘電性エラストマー組成物を提
供することにある。本発明の他の目的は、電界緩和用途
やセンサー用途等に用いる際に特に重要である均一な誘
電性を発現する高誘電性エラストマー組成物を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、電子部品材料用途や
センサー用途等に用いる際に特に重要である低誘電正接
の高誘電性エラストマー組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は高誘電性エラストマー組成物を用い
てなる高周波用電子材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はエラストマーマ
トリクス中に、一般式MO・TiO2(式中、MはBa、
Sr、Ca、Mg、Co、Pd、Zn、Be、Cdからなる群か
ら選ばれた一種又は二種以上の金属元素を示す)で表さ
れるチタン酸金属塩繊維状物及び/又は該チタン酸金属
塩を非晶質酸化チタンが包みこんだ態様で複合一体化し
た複合繊維であって金属MとTiとのモル比が1:1.0
05〜1.5の範囲にある複合繊維を、合計重量を基準
として5〜80重量%配合してなる高誘電性エラストマ
ー組成物及びそれを用いた電子材料に係る。
【0006】本発明者等は、特定の高誘電性繊維がエラ
ストマー複合材料の誘電率向上に極めて有効に作用する
ことを見いだすとともに、センサー材料や電界緩和用途
として用いる際にフィラーが繊維形状であることで極め
て有用性を高め得ることを見いだし本発明を完成させ
た。本発明に用いることのできる誘電性繊維状物として
は、一般式MO・TiO2(MはBa、Sr、Ca、Ma、C
o、Pd、Zn、Be、Cdからなる群より選ばれる一種又
は二種以上の金属元素を示す)で表される繊維状チタン
酸金属塩(以下、繊維Aと称し、Mが単独の金属である
ものを繊維A−1と称し、Mが二種以上の金属であるも
のを繊維A−2と称する)及び該繊維状チタン酸金属塩
を非晶質酸化チタンが包みこんだ態様で複合一体化した
複合繊維であって、金属MとTiのモル比が1:1.00
5〜1.5の範囲にあるもの(以下繊維Bと称し、Mが
単独の金属であるものを繊維B−1、Mが二種以上の金
属であるものを繊維B−2と称する)が好ましく用いら
れる。中でもMとして二種以上の金属を用いた繊維A−
2及び繊維B−2は、Mが単独の金属である場合に比べ
て高周波数帯域における誘電正接を低減させるため好ま
しい。
【0007】また、繊維Bはアモルファス酸化チタンに
より繊維Aより一般に高い強度を有するという利点をも
つため、配合時の形状保持率が高くより好ましく用いる
ことができる。尚、繊維Bにおいて金属MとTiのモル
比が1.5を超えるものは比誘電率が劣るため好ましく
ない。本発明の繊維A−1及び繊維A−2の製造方法の
一例としては、一般式TiO2・mH2O(式中mは0≦
m<8)で表されるチタニア化合物やルチルサンド等の
チタン源化合物と、加熱することにより金属Mの酸化物
となりうる物質の一種又は二種以上を混合し、アルカリ
金属ハロゲン化物等のフラックスの存在下600℃〜9
00℃程度の温度で加熱反応させる方法を挙げることが
できる。本発明の繊維A及び繊維Bの好ましい製造方法
の一例としては、繊維状チタニア化合物の表面に、繊維
Aを製造する場合はチタン成分と金属成分のモル比がほ
ぼ等しくなるような割合で、また繊維Bを製造する場合
はチタン成分が金属成分に対して過剰となるような所定
の割合で、一種又は二種以上の金属元素の炭酸塩を沈着
させ、その後加熱処理することによって得ることができ
る。このものは結晶質であるチタン酸金属塩(金属が二
種以上場合はチタン酸金属塩の固溶体となる)の粒状物
が非晶質酸化チタンからなるマトリックスに包み込まれ
た態様の複合繊維である。
【0008】以下に斯かる製造方法を更に詳しく説明す
る。原料の繊維状チタニア化合物としては、繊維長と繊
維径の比が3以上、好ましくは3以上10未満であり繊
維形状を有する一般式TiO2・mH2O(式中mは0≦
m≦8)で表される成分が90%以上であるものが好ま
しく用いられる。このような繊維状チタニア化合物は、
例えば、繊維状チタン酸アルカリ金属塩を酸性溶液中で
処理して、脱アルカリ反応を行なうことによって容易に
得ることができる。尚、チタニア化合物として、m=0
である針状もしくは繊維状の酸化チタンを用いてもよ
い。斯かる繊維状チタニア化合物を水もしくは各種有機
溶媒等の分散媒に分散させてスラリーとした後、一種又
は二種以上の金属元素の化合物溶液を該スラリーに添加
する。斯かる金属元素の化合物としては、金属のハロゲ
ン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、シュウ酸
塩、水酸化物、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩等を例示で
き、これらは各々の金属に対して一種又は二種以上を併
せて用いてもよい。これらの金属元素の化合物が液状で
ない場合には溶解させて溶液とすることができる。斯か
る溶媒としては、水又は各種の有機溶媒を用いることが
できる。添加量として、繊維状チタニア化合物1モルに
対して、一種又は二種以上の金属Mの合計モル数が1.
005〜1.5となるように添加する場合には、繊維B
を得ることができ、1となるように添加する場合には繊
維Aを得ることができる。
【0009】次に炭酸イオンを含有する溶液を攪拌しな
がら添加するか、又は攪拌下の溶液に炭酸ガスを吹き込
むことにより原料の繊維状チタニア化合物の表面に金属
化合物の炭酸塩を沈着することができる。この際、反応
中の溶液のpHはアンモニア等のアルカリ性溶液を用い
て8〜10の弱アルカリ性に調整することができ、これ
により生成した炭酸塩の溶解を防止して仕込み比に応じ
た最終目的物を得ることができる。次に、上記炭酸塩が
沈着された繊維状チタニア化合物を、適宜濾別、水洗、
乾燥した後、500℃〜1300℃、好ましくは700
〜1100℃程度の温度で3分〜24時間程度加熱処理
することにより目的の繊維を得ることができる。
【0010】本発明に用いられる繊維状物は、1種を単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。又、本
発明の効果を損なわない範囲でチタン酸バリウム、チタ
ン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウ
ム、チタン酸ジルコン酸鉛等の粉末状の高誘電体を併用
してもよい。本発明に用いられる上記繊維状物のアスペ
クト比(繊維長/繊維径)としては、好ましくは3以
上、更に好ましくは6〜100程度のものがよい。又、
繊維径は、好ましくは0.01〜10μm、さらに好まし
くは0.1〜5μmのものがよい。繊維径が10μmを超
える太い繊維状物を用いた場合、成形品表面の平滑性が
劣り、特に高周波域での信号伝達速度の遅延を起こす恐
れがあり、又、成形品内の誘電率、誘電正接等のバラツ
キを大きくするため好ましくない。
【0011】本発明に用いることのできるエラストマー
としては、特に制限はなく、常温でゴム状の弾性を有す
る物質であれば有機物、無機物を問わず、また天然のも
のであっても合成されたものであってもよい。天然ゴム
系エラストマーとしては、塩化ゴム、塩酸ゴム、環化ゴ
ム、マレイン酸化ゴム、水素化ゴム、天然ゴムの二重結
合にPMMA、PAN、メタクリル酸エステル等のビニ
ルモノマーをグラフトさせてなるグラフト変成ゴム、窒
素気流中でモノマー存在下に天然ゴムを素練してなるブ
ロックコポリマー等を挙げることができる。これらは、
天然ゴムを原料とするものの他、合成cis−1,4−ポリ
イソプレンを原料としたものを含む。
【0012】本発明のエラストマーとして用いることの
できる合成ゴムとしては、VDF−HFP、VDF−C
TFE、VDF−PFVE、フルオロシリコーンゴム、
TFE−PFVE、PTFE−P、フルオロアルコキシ
ポリフォスファゼン等のフッ素ゴム、イソブチレンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエ
ンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、クロロスル
ホン化ポリエチレンゴム等のポリオレフィン系エラスト
マー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
マー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンコポ
リマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンブロックコポリマー(SEBS)等のスチレン系
エラストマー、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴ
ム、ナイロン12、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ
素ゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム等を例示できる。ここでVDF:ビニリデ
ンフルオライド、HFP:ヘキサフルオロプロピレン、
CTFE:クロロトリフルオロエチレン、PFVE:パ
ーフルオロメチルビニルエーテル、TFE:テトラフル
オロエチレン、PTFE−P:ポリテトラフルオロエチ
レン−プロピレンである。
【0013】これらのエラストマーは、一種又は二種以
上を混合して用いることができる。また、エラストマー
の持つ弾力性を損なわない範囲で熱可塑性樹脂の一種又
は二種以上を配合して用いることができる。本発明のエ
ラストマーとして天然ゴム系エラストマー及び/又は合
成非極性エラストマーの内から選ばれる一種又は二種以
上を用いた場合には電気絶縁性に優れた高誘電性エラス
トマーを得ることができるので、特に絶縁性の要求され
る用途に好ましく用いることができる。合成非極性のエ
ラストマーとしては、エチレンプロピレンゴム、エチレ
ンプロピレンジエンゴム、イソブチレンゴム、イソプレ
ンゴム、シリコーンゴム等を挙げることができる。本発
明のエラストマーとしてシリコンゴム、ブチルゴム、エ
チレンプロピレンターポリマー、ブタジエンスチレンゴ
ム等を用いた場合には、石油パイプライン等の油漏れ検
知装置用のセンサーケーブルとして好ましく用いること
ができる。
【0014】本発明におけるエラストマーに対する誘電
性繊維状物の配合割合は、使用目的に応じて広い範囲か
ら選択することが可能であるが、エラストマーと誘電性
繊維状物の合計重量に対して通常5〜80重量%の範囲
で配合するのがよい。配合量が5重量%を下回ると組成
物の誘電率向上効果に乏しいため好ましくなく、また8
0重量%を超えると成形が困難になり且つ強度が著しく
低下するため好ましくない。尚、本発明は斯かる配合比
率を調整することにより、目的組成物の比誘電率を広い
範囲で自在に設定可能であるという優れた効果を有す
る。
【0015】本発明においては、上記の必須成分に加え
て本発明の効果を妨げない範囲で(1)ポリマーと繊維
状物の界面の親和性や接合性を向上させ、機械的強度を
改良するために、シラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング
剤等のカップリング剤を、(2)メッキ性を改良するた
めに、タルク、ピロリン酸カルシウム等の微粒子性充填
剤を、(3)熱安定性を一層改善するために酸化防止剤
を、(4)耐光性を改良するために紫外線吸収剤等の光
安定剤を、(5)難燃性を一層改善するために、ハロゲ
ン系もしくはリン系等の難燃剤及びアンチモン系化合
物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化ジルコニウ
ム等の難燃助剤を、(6)耐衝撃性を改良するために耐
衝撃性付与剤を、(7)潤滑性を改良するために滑剤、
摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)を、(8)着
色するために染料、顔料などの着色剤を、(9)物性を
調整するために可塑剤、架橋剤等の添加剤をそれぞれ配
合することができる。
【0016】また本発明の高誘電性エラストマー組成物
には、本発明の目的を損なわない範囲でガラスファイバ
ー、チタン酸カリウムウィスカー等のチタン酸アルカリ
金属繊維、酸化チタン繊維、ホウ酸マグネシウムウィス
カーやホウ酸アルミニウムウィスカー等のホウ酸金属塩
系繊維、ケイ酸亜鉛ウィスカーやケイ酸マグネシウムウ
ィスカー等のケイ酸金属塩系繊維、カーボンファイバ
ー、アルミナ繊維、アラミド繊維等各種の有機又は無機
の充填材を併用してもよい。本発明の高誘電性エラスト
マー組成物の製造方法としては特に制限はなく、各種の
混合成形方法を用いることができる。例えば、二軸押出
機で混練して製造する方法などが好適に用いられる。本
発明の高誘電性エラストマー組成物は、直ちに射出成形
や押出成形等により成形品としてもよいし、ペレットや
棒状物、板状物等の成形用材料としてもよい。本発明の
高誘電性エラストマーは、油センサー用途、圧力センサ
ー用途及び振動素子用途、ケーブルの接続部分のストレ
スコーンや電波シールド等の電界緩和用途、各種電子部
品材料等幅広い分野に応用可能な材料である。特に周波
数100MHz以上の電気信号を取り扱うための高周波
用電子材料として好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に参考例、実施例、比較例を
挙げて本発明を一層明瞭なものとする。 参考例1(繊維状チタン酸バリウムストロンチウムの製
造) 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/8H2O、平均繊
維長15μm、平均繊維径0.3μm)20.0g(0.24
4モル)を1リットルの脱イオン水に分散させ、攪拌し
ながら25%アンモニア水を10ml滴下し、pH9に調
整した後、20.0重量%の酢酸バリウム水溶液153g
(0.120モル)及び20.0重量%の炭酸ストロンチ
ウム水溶液127g(0.123モル)を各々同時に滴下
した。滴下は、室温(20℃)で攪拌しながら30分間
かけて行った。その後、15重量%炭酸アンモニウム水
溶液200gを60分間かけて攪拌しながら滴下した。
更に30分間攪拌を続けた後、固形物を濾取し、水洗及
び乾燥し、白色の繊維状物61gを得た。この繊維状物
30gをアルミナ製るつぼに入れ、大気雰囲気中で97
0℃にて3時間加熱処理したところ、24.5gの繊維状
チタン酸バリウムストロンチウムを得た。繊維状チタン
酸バリウムストロンチウムは、平均繊維径0.3μm、平
均繊維長8μm、アスペクト比27であった。繊維状チ
タン酸バリウムストロンチウム8.0gをプレス金型内に
充填し、1t/cm2の圧力をかけ仮成形体を得た。この成
形体を取り出し、マッフル炉にて1350℃、2時間焼
成し、焼結体を得た。得られた焼結体の比重を求め、空
隙率を算出したところ3.2%であった。該焼結体の1
GHzにおける比誘電率を測定したところ1110であ
り、対数の混合則により繊維状バリウムストロンチウム
自体の比誘電率を算出すると1400となった。また誘
電正接は0.01であった。
【0018】参考例2(繊維状チタン酸バリウムの製
造) 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/8H2O、平均繊
維長15μm、平均繊維径0.3μm)20.0g(0.24
4モル)を1リットルの脱イオン水に分散させ、攪拌し
ながら25%アンモニア水を10.0ml滴下し、pH9に
調整した後、20重量%の酢酸バリウム水溶液312g
(0.244モル)を滴下した。滴下は、室温(20
℃)で攪拌しながら30分かけて行った。その後15重
量%の炭酸アンモニウム水溶液200gを60分間かけ
て攪拌しながら滴下した。更に30分間攪拌を続けた
後、固形物を濾取し、水洗及び乾燥したところ白色の繊
維状物61gを得た。この繊維状物30gをアルミナ製る
つぼに入れ、大気雰囲気下で980℃にて2時間加熱処
理し、白色のチタン酸バリウム24.3gを得た。この繊
維状チタン酸バリウムは、平均繊維径1μm、平均繊維
長10μm、平均アスペクト比10であった。このもの
の1GHzにおける比誘電率は1000、誘電正接は0.
02であった。
【0019】比較参考例1 加熱処理温度を1050℃とする以外は、参考例2と同
様に操作し、平均繊維径1μm、平均繊維長2μm、平均
アスペクト比2の繊維状チタン酸バリウムを得た。この
ものの1GHzにおける比誘電率は850、誘電正接は
0.03であった。
【0020】参考例3 酢酸バリウム水溶液及び酢酸ストロンチウム水溶液に代
えて、20重量%の塩化カルシウム水溶液67.7g及び
20重量%の塩化マグネシウム水溶液58.1gを用い、
炭酸アンモニウム水溶液の使用量を204gとし、且つ
加熱処理温度を980℃とする以外は、参考例1と同様
に操作し、繊維状チタン酸カルシウムマグネシウムを得
た。繊維状チタン酸カルシウムマグネシウムは、平均繊
維径0.2μm、平均繊維長8μm、平均アスペクト比4
0であった。このものの1GHzにおける比誘電率は1
100、誘電正接は0.08であった。
【0021】実施例1〜4 マトリックス樹脂としてスチレン系エラストマー(商品
名:ラバロン SJ5400N、三菱油化株式会社製)
と参考例1で得た繊維状チタン酸バリウムストロンチウ
ムとを混合し、本発明組成物のペレットを得た。混合に
は、二軸押出機(商品名:PCM45、池貝鉄工株式会
社製)を用い、シリンダー温度210℃にてスチレン系
エラストマーを溶融した後、チタン酸バリウムストロン
チウムを添加するサイドフィード方式を採用し、混合後
にストランドカットを行って本発明の組成物を得た。
【0022】比較例1 無機充填材として、粒子状チタン酸バリウム(平均粒径
0.5μm、富士チタン工業株式会社製)を用いる以外は
実施例1〜4と同様にして、試験片を得、物性測定を行
った。
【0023】比較例2〜3 無機充填材として、繊維状チタン酸カリウム(商品名:
ティスモN、大塚化学株式会社製、平均繊維径0.4μ
m、平均繊維長15μm、平均アスペクト比38、1GH
zにおける誘電正接18、誘電正接0.11)を用いる以
外は実施例1〜4と同様にして試験片を得、物性測定を
行った。
【0024】尚、下記表に示す1MHzにおける比誘電
率及び誘電正接はJIS K6911により、3GHz
における比誘電率及び誘電正接はネットワークアナライ
ザー8719C(ヒューレットパッカード社製)を用
い、空洞共振法により測定した。引張強度は、JIS
K−7113、曲げ強度は、JIS K−7203によ
り測定した。
【0025】
【表1】
【0026】表1により、本発明のエラストマー組成物
は、高比誘電率及び低誘電正接を有し、機械的物性も優
れいていることが判る。更に比較例の組成物は3GHz
以上では、いずれの電気物性も著しく劣っている。又、
チタン酸カリウムを含むエラストマー組成物は、特に誘
電正接が、本発明の組成物に対して著しく劣っているこ
とが判る。
【0027】参考例4 チタン酸カリウム水和物繊維(2K2O・11TiO2
3H2O、繊維長と繊維径の比が少なくとも10であ
る)2.0gを内容積23mlのモレー型オートクレーブに
水酸化バリウム4.4g、水12.0mlと共に入れ、50
0℃に24時間保った。反応後、急冷した試料を取り出
し、濾過、水洗し、80℃で一昼夜乾燥した。このもの
を化学分析したところ、Ba/Ti=1/1(モル比)で
あることがわかった。またX線回折及び透過型電子顕微
鏡観察の結果からこのものが結晶質BaTiO3であるこ
とがわかった。このものをFA−1と称する。
【0028】参考例5 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/8H2O、平均繊
維長15μm、平均繊維径0.3μm)20gを1リットル
の脱イオン水に分散させ、攪拌しながらアンモニア水
〔25%和光純薬(株)製、試薬特級〕を10ml滴下し
てpHを9に調整した。その後、20重量%の酢酸バリ
ウム水溶液156gと20重量%の酢酸ストロンチウム
水溶液126gを各々同時に滴下した。滴下は室温で攪
拌しながら30分かけて行った。その後15重量%の炭
酸アンモニウム水溶液200gを60分間かけて攪拌し
ながら滴下した。滴下終了後、更に30分間攪拌を続け
た後、濾過、水洗、乾燥したところ白色の繊維状物61
gを得た。この繊維状物はX線回折、赤外線吸収スペク
トル分析及び走査型電子顕微鏡観察の結果から、繊維原
料であるチタニア水和物の形状を保持し、その表面に炭
酸バリウム及び炭酸ストロンチウムが沈着したものであ
ることが判明した。また、蛍光X線分析の結果より、B
a/Sr/Ti=0.500/0.500/1.000(モル
比)であることが判明した。この繊維状物3.0gをアル
ミナるつぼに移し、大気雰囲気下で1000℃、5時間
加熱処理することにより24.3gの白色の繊維状物質を
得た。このものを化学分析したところ、Ba/Sr/Ti
=0.500/0.500/1.000(モル比)である
ことがわかった。またX線回折及び透過型電子顕微鏡観
察の結果からこのものが結晶質(Ba,Sr)TiO3であ
ることが確認された。このものをFA−2と称する。
【0029】実施例5〜6 無機充填材料として、FA−1またはFA−2を用いる
以外は実施例1〜4と同様にして、試験片を得、物性測
定を行った。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明においては、特定の誘電性繊維状
物を用いることにより、誘電率が高く、且つ引き裂き強
度等機械的強度に優れ耐久性ある高誘電性エラストマー
組成物を得ることができる。従って本発明は、電界緩和
用途やセンサー用途等に用いる際に特に重要である均一
な誘電性を発現する高誘電性エラストマー組成物、或い
は電子部品材料用途やセンサー用途等に用いる際に特に
重要である低誘電正接の高誘電性エラストマー組成物を
提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマーマトリクス中に、一般式M
    O・TiO2(式中、MはBa、Sr、Ca、Mg、Co、P
    d、Zn、Be、Cdからなる群から選ばれた一種又は二種
    以上の金属元素を示す)で表されるチタン酸金属塩繊維
    状物及び/又は該チタン酸金属塩を非晶質酸化チタンが
    包みこんだ態様で複合一体化した複合繊維であって金属
    MとTiとのモル比が1:1.005〜1.5の範囲にあ
    る複合繊維を、合計重量を基準として5〜80重量%配
    合してなる高誘電性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 エラストマーマトリクスがスチレン系、
    オレフィン系、含フッ素ポリマー系からなる群より選ば
    れる一種又は二種以上のエラストマーである請求項1記
    載の高誘電性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 Mが二種以上の金属元素である請求項1
    記載の高誘電性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の材料を用
    いてなる周波数100MHz以上の電気信号を取り扱う
    ための高周波用電子材料。
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