JP2005089686A - 高誘電性エラストマー組成物およびそれを用いた電子材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高誘電率で低誘電正接の特性を有し、軽量な高誘電性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】 エラストマーに誘電性セラミックスを合計重量を基準として、80〜95wt%配合したことを特徴とする。誘電率は15以上であることが好ましい。エラストマーの比重は0.8〜1.1であることが好ましい。配合したエラストマーの誘電正接は0.007以下であることが好ましい。

Description

この発明は、高周波域に使用されるアンテナ等の電子部品材料用途や、センサー用途、電界緩和用途など用いられる高誘電性エラストマー組成物に関する。
高誘電性エラストマー組成物として、従来より、ハロゲン原子、アクリロニトリル等の極性成分を有する極性合成ゴムにチタン酸バリウム、カーボンブラック、金属酸化物および金属粉等の添加剤を加えた組成のもの(特許文献1)や、非極性合成ゴムにチタン酸カルシウムを添加したもの(特許文献2)等が知られており、電界緩和などの用途に用いられている。このほかに、エラストマーに繊維状誘電性セラミックスを5〜80wt%配合して高誘電率化を試みた例(特許文献3)がある。
特公昭57−7441号公報 特公昭58−24455号公報 特開平9−31244号公報
上記高周波域用のアンテナ用途、センサー用途、電界緩和用途などに用いられるエラストマー組成物は、高誘電率・低誘電正接があることが重要となる。
特許文献1,2に開示される高誘電性エラストマー組成物は、誘電性粉末を配合したものであるが、エラストマーの選定、誘電性粉末の選定、およびその配合量の選定が不十分であり、十分な誘電率を得られていない。
また、特許文献3に開示される高誘電性エラストマー組成物は、繊維状誘電性セラミックスを配合して高誘電率化を試みた例であるが、誘電正接の高いエラストマーを使用していたり、誘電性セラミックスの配合量の選定が不十分であることから、高誘電率で、かつ低誘電正接の材料を得ることが困難である。さらに、これらの組成物は、ベースとなるエラストマーの比重を考慮していないため、高比重のエラストマーを用いた場合、製品重量が重くなり、製品の軽量化を妨げる要因となるために好ましくない。
この発明の目的は、高周波域で使用されるアンテナ等の電子部品材料、センサー、電界緩和材などに用いる場合に特に重要な高誘電率の特性を有し、かつ脆性面で実用的な強度を有する高誘電性エラストマー組成物を提供することである。
この発明の他の目的は、低誘電正接を有するものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、軽量化を図ることである。
この発明のさらに他の目的は、高誘電率・低誘電正接の特性を有する高周波用電子材料を提供することである。
この発明の高誘電性エラストマー組成物は、エラストマーに誘電性セラミックスを、合計重量を基準として、80〜95wt%配合したことを特徴とする。
高誘電性エラストマー組成物を高誘電率化するためには、誘電性セラッミクスの配合量をできるだけ高くするのが望ましい。しかし、その配合量が95wt%を超えると高誘電性エラストマー組成物が非常に脆くなるので実用的ではない。配合量が80wt%未満であると、高誘電率化を満足することができない。そこで、誘電性セラミックスの配合量を80〜95wt%とすることにより、組成が脆くなることなく、満足できる高誘電率化を図ることができる。
この発明の高誘電性エラストマー組成物において、誘電率(「比誘電率」とも呼ばれる)を15以上としてもよい。高誘電性エラストマー組成物を、例えば高周波域に使用されるアンテナ等の電子部品やセンサーなどの材料として用い、波長短縮効果による製品の小型化を図る場合、誘電率は10以上が好ましいが、15以上とであることがより一層好ましい。
この発明の高誘電性エラストマー組成物において、エラストマーの比重は0.8〜1.1としてもよい。高誘電性エラストマー組成物を材料に用いた製品を軽量化する観点からは、エラストマーの比重は小さい方が好ましい。一般的にゴムの比重は0.8〜2.0程度であるが、高誘電性エラストマー組成物のエラストマーとしてゴムを用いる場合、その比重は0.8〜1.1、より好ましくは0.8〜1.0の範囲とするのがよい。
この発明の高誘電性エラストマー組成物において、配合したエラストマーの誘電正接が0.007以下であってもよい。エラストマー組成物において、誘電正接は無効成分となるため、小さいことが好ましいが、ベースとなるエラストマーの特性に大きく依存するので、ベースとなるエラストマーの誘電正接を低くする必要がある。このベースとなるエラストマーの誘電正接は、好ましくは0.007以下であり、より好ましくは0.006以下である。
誘電正接が0.007以下のエラストマーをベースとし、誘電性セラミックスを80〜95wt%配合することで、誘電率が15以上の高誘電性エラストマー組成物を得ることができる。
この場合に、エラストマーとしては、誘電正接が0.007以下であれば特に種類を制限されるものではなく、常温でゴム状の弾性を有する物質であれば、有機物、無機物を問わず、また天然のものであっても合成されたものであっても良い。
この発明の高誘電性エラストマー組成物において、エラストマーマトリックスは、スチレン系、オレフィン系からなる群より選ばれる1種または2種以上のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーを用いた場合、その多くは誘電正接が0.007以下であることから、複合物であるエラストマー組成分の誘電正接も低くなるので、電子部品材料として好ましい。
この発明の高誘電性エラストマー組成物において、例えば、エラストマーマトリックスはエチレンプロピレンゴムであってもよい。エチレンプロピレンゴムは、誘電正接が極めて低いので、アンテナ等の電子部品やセンサーの用途に好ましく用いることができる。
この発明の高周波用電子部品材料は、この発明の上記いずれかの組成の高誘電性エラストマー組成物を用いてなる電子部品材料であって、周波数100MHz以上の電気信号を取り扱うためのものである。
この発明の高誘電性エラストマー組成物は、高い誘電率が得られるため、周波数が100MHz以上の電気信号を取り扱う電子部品材料として使用でき、波長短縮効果による電子部品製品の小型化が図れる。
この発明の高誘電性エラストマー組成物は、エラストマーに誘電性セラミックスを、合計重量を基準として、80〜95wt%配合したため、脆性面に問題が生じることなく高誘電率の特性を持たせることができる。特に、配合するエラストマーの誘電正接が0.007以下である場合は、誘電性セラミックスの配合を80〜95wt%とすることで、誘電率が15以上と優れた高誘電性エラストマー組成物とできる。また、比重が0.8〜1.1のエラストマーを用いると、軽量化が図れる。これらのため、高周波域で使用されるアンテナ等の電子部品材料、センサー、電界緩和材などへの用途に好適な高誘電性エラストマー組成物とすることができる。
この発明の第1の実施形態を説明する。この実施形態における高誘電性エラストマー組成物は、合計重量を基準として、エラストマーに、誘電性セラミックスを80〜95wt%配合したものである。ベース材料となるエラストマーは、高誘電率を得るために誘電正接が例えば0.007以下と低いものが好ましく、また軽量化のために比重が例えば0.8〜1.1と小さいものが好ましい。このようなエラストマーに誘電性セラミックスを80〜95wt%配合することで、誘電率が15以上の高誘電性エラストマー組成物を得ている。
この高誘電性エラストマー組成物を、例えば高周波域に使用されるアンテナ等の電子部品やセンサーなどの材料として用いて波長短縮効果による製品の小型化を図る場合、誘電率は10以上が好ましいが、この実施形態のように15以上とするのがより一層好ましい。
使用するエラストマーとしては、上記のように比重が0.8〜1.1、誘電正接が0.007以下であれば特に制限されるものではなく、常温でゴム状の弾性を有する物質であれば、有機物,無機物を問わず、また天然のものであっても合成されたものであってもよい。さらに、この高誘電性エラストマー組成物を材料に用いた製品を軽量化する観点からは、エラストマーの比重は小さい方が好ましい。一般的にゴムの比重は0.8〜2.0程度であるが、このゴムをこの実施形態の高誘電性エラストマー組成物のベースとなるエラストマーとして用いる場合、その比重は0.8〜0.1、より好ましくは0.8〜1.0の範囲とするのがよい。
高誘電性エラストマー組成物の高誘電率化を図るためには、誘電性セラッミクスの配合量をできるだけ高くするのが望ましい。しかし、その配合量が95wt%を超えると高誘電性エラストマー組成物が非常に脆くなるので実用的ではない。誘電性セラッミクスの配合量が80wt%未満であると、誘電率を15以上と満足できる範囲まで高めることが難しい。誘電性セラミックスの誘電正接は小さい方が好ましいが、その値はベースとなるエラストマーの特性に大きく依存する。このため、ベースとなるエラストマー(ゴム材)の誘電正接を低くする必要がある。具体的には、ベースとなるエラストマーの誘電正接は0.007以下、好ましくは0.006とするのが良い。
天然ゴム系エラストマーとしては、塩化ゴム、塩酸ゴム、環化ゴム、マレイン酸化ゴム、水素化ゴム、天然ゴムの二重結合にPMMA,PAN,メタクリル酸エステル等のビニルモノマーをグラフトさせてなるグラフト変性ゴム、窒素気流中でモノマー存在下に天然ゴムを粗練してなるブロックコポリマー等を用いることができる。これらエラストマーは天然ゴムを原料とするものの他に、合成cis −1,4−ポリイソプレンを原料としたものを含む。
合成ゴム系エラストマーとしては、イソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等のポリオレフィン系エラストマーや、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等のスチレン系エラストマー、またイソプレンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ナイロン12、ブチルゴム、ブタジエンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を用いることができる。
これらのエラストマーは、1種類または2種類以上を混合して用いることができる。また、エラストマーの持つ弾力性を損なわない範囲内で、熱可塑性樹脂の1種または2種以上を配合して用いることもできる。この実施形態の高誘電性エラストマー組成物において、エラストマーとして、天然ゴム系エラストマーおよび/または合成非極性エラストマーのうちから選ばれる1種または2種以上を用いた場合には、電気絶縁性に優れた高誘電性エラストマー組成物とすることができるので、特に絶縁性の要求される用途に好ましく用いることができる。合成非極性のエラストマーとしては、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等を挙げることができる。とくに、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムは誘電正接が極めて低いので、アンテナ等の電子部品やセンサーの用途に好ましく用いることができる。
この発明,この実施形態の高誘電性エラストマー組成物に用いられる高誘電性セラミックスは、実質的に複合ゴム材料の誘電率を決定するものであり、このような誘電性セラミックス粉末としては、IIa 、IVa 、IIIb、IVb 族の酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、またはIIa 、IVa 、IIIb、IVb 族を含む複合酸化物から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。具体的には、TiO2 、CaTiO3 、MgTiO3 、Al2 3 、BaTiO3 、SrTiO3 、CaCO3 、Ca2 2 7 、SiO2 、Mg2 SiO4 、Ca2 MgSi2 7 等が挙げられる。セラミックス粉末の粒子径は0.01μm〜100μm程度が好ましい。0.01μmより小さい場合、取扱いが困難であり好ましくない。100μmより大きい場合、成形体内での誘電特性のばらつきを引き起こす恐れがあるので好ましくない。より実用的な粒子径の範囲は、0.1μm〜20μm程度である。
この発明,この実施形態においては、上記した必須成分に加えて、高誘電性エラストマー組成物の成分として、この発明の効果を妨げない範囲で、次の各成分を配合することができる。
(1)エラストマー(ゴム)とセラミックス粉末の界面の親和性や接合性を向上させ、機械的強度を改良するために、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコニアルミネート系カップリング剤等のカップリング剤を配合する。
(2)メッキ性を改良するために、タルク、ピロリン酸カルシウム等の微粒子性充填剤を配合する。
(3)熱安定性を一層改善するために、酸化防止剤を配合する。
(4)耐光性を改良するために、紫外線吸収剤等の光安定剤を配合する。
(5)難燃性をいっそう改善するために、ハロゲン系もしくはリン系等の難燃剤、およびアンチモン系化合物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化ジルコニウム等の難燃助剤を配合する。
(6)耐衝撃性を改良するために、耐衝撃性付与剤を配合する。
(7)潤滑性を改良するために、滑剤、摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)を配合する。
(8)着色するために、染料、顔料などの着色剤を配合する。
(9)物性を調整するために、可塑剤、架橋剤を配合する。
(10)加硫を進めるために、加硫促進剤を配合する。
また、この発明,この実施形態では、高誘電性エラストマー組成物の成分として、上記した必須成分のほかに、本来の目的を損なわない範囲内で、以下に挙げる各種有機または無機の充填剤を併用してもよい。
・ガラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカー等のチタン酸アルカリ金属繊維、
・酸化チタン繊維、
・ホウ酸マグネシウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等のホウ酸金属塩系繊維、
・ケイ酸亜鉛ウィスカーやケイ酸マグネシウムウィスカー等のケイ酸金属塩系繊維、
・カーボンファイバ、
・アルミナ繊維、
・アラミド繊維、
等が併用できる。
この高誘電性エラストマー組成物の製造方法としては、特に制限はなく、各種の混合成形方法を用いることができる。例えば、2軸押し出し機で混練して製造する方法などが好適に用いられる。また、その成形では、直ちに射出成形や押し出し成形等により成形品としてもよいし、ペレットや棒状物、板状物等の成形用材料としてもよい。
つぎに、この発明の実施例となる高誘電性エラストマー組成物の各サンプルと比較例の各サンプルについて行った各種特性試験の結果を、表1,表2と共に説明する。
Figure 2005089686
Figure 2005089686
実施例1〜5:エラストマーであるエチレンプロピレンゴム(以下、「EPDM」と記す)、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ170℃×30分である。この成形体から、1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。これらの実施例1〜5のすべての組成物について、誘電率が15以上、誘電正接が0.004以下であり、極めて優れた誘電特性を示すことがわかる。
実施例6〜8:エラストマーであるシリコーンゴム、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ160℃×20分である。この成形体から1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯および5GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。これらの実施例6〜8のすべての組成物について、誘電率が15以上で、誘電正接が0.008以下であり、優れた誘電特性を示すことがわかる。
実施例9,10:エラストマーであるフッ素ゴム、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ160℃×20分である。この成形体から、1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯および5GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。これらの実施例9,10の組成物は、誘電率がそれぞれ26.5および32と優れた特性を示す。しかし、フッ素ゴムは単体での誘電正接が0.06と高いため、それぞれの組成物も誘電正接が0.06〜0.07と高くなり、誘電正接については実施例1〜8に比べて劣る。
実施例11:エラストマーであるクロロプレンゴム、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ160℃×20分である。この成形体から1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯および5GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。この実施例11の組成物は、誘電率が30と優れた特性を示す。しかし、クロロプレンゴムは単体での誘電正接が0.04と高いため、組成物も誘電正接が0.05と高くなり、誘電正接については実施例1〜8に比べて劣る。
実施例12:エラストマーであるクロロプレンゴム、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストリンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ160℃×20分である。この成形体から1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯および5GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。この実施例12の組成物は、誘電率が36.5と優れた特性を示す。しかし、クロロプレンゴムは比重が1.15とゴムの中では高い種類であり、セラミックスを高配合した場合、組成物の比重が4以上と大きくなり、軽量化の面で好ましくない。また、クロロプレンゴム単体での誘電正接が0.04と高いため、組成物も誘電正接が0.055と高くなり、誘電正接については実施例1〜8に比べて劣る。
比較例1:エラストマーであるEPDM、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ170℃×30分である。この成形体から、1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工し、空洞共振器法により、1GHz帯および5GHz帯で誘電特性(誘電率および誘電正接)を測定した。測定結果を表1に併記する。誘電性セラミックスの配合量が70.5wt%と少ないため、誘電率が約10と低い組成物となった。
比較例2:エラストマーであるEPDM、誘電性セラミックス粉末のチタン酸ストリンチウム(SrTiO3 )、加硫促進剤および加工助剤等の微量添加物をそれぞれ表1に示す配合割合で混合し、加熱圧縮成形により、80mm×80mm×1.5mmの成形体を得た。なお、加硫条件は、それぞれ170℃×30分である。この成形体から、1.5mm×1.5mm×80mmの短冊状試験片を加工しようと試みたが、チタン酸ストロンチウムの配合量が多すぎるため、非常に脆く、試験片形状に加工することができなかった。

Claims (7)

  1. エラストマーに誘電性セラミックスを、合計重量を基準として、80〜95wt%配合したことを特徴とする高誘電性エラストマー組成物。
  2. 誘電率が15以上である請求項1に記載の高誘電性エラストマー組成物。
  3. エラストマーの比重が0.8〜1.1である請求項1または請求項2に記載の高誘電性エラストマー組成物。
  4. 配合したエラストマーの誘電正接が0.007以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高誘電性エラストマー組成物。
  5. エラストマーマトリックスが、スチレン系、オレフィン系からなる群より選ばれる1種または2種以上のエラストマーである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高誘電性エラストマー組成物。
  6. エラストマーマトリックスがエチレンプロピレンゴムである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高誘電性エラストマー組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高誘電性エラストマー組成物を用いてなる周波数100MHz以上の電気信号を取り扱うための高周波用電子部品材料。
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