JPH093123A - 吸水性ポリマーおよびその製法 - Google Patents

吸水性ポリマーおよびその製法

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JPH093123A
JPH093123A JP15129795A JP15129795A JPH093123A JP H093123 A JPH093123 A JP H093123A JP 15129795 A JP15129795 A JP 15129795A JP 15129795 A JP15129795 A JP 15129795A JP H093123 A JPH093123 A JP H093123A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸水性ポリマーの保有する吸水能を、高濃度
下においても効率的に発揮できる新規な吸水性ポリマー
を提供する。 【構成】 含水液体と接触して遅延結合性を示すことを
特徴とする吸水性ポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水性ポリマー、詳しく
は、使い捨ておむつなどの吸水物品の吸水体中において
高濃度下で使用した場合に、その吸水体の吸水能を著し
く改善できる新規な吸水性ポリマーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、体液を吸収させることを目的と
し、紙オムツ、生理用ナプキンなどの衛生材料の構成材
料の一つとして吸水性ポリマーが幅広く利用されてい
る。また衛生材料以外にも、土壌保水剤並びに食品など
のドリップシート等、吸水・保水を目的として吸水性ポ
リマーが広範に利用されている。
【0003】これらの吸水性ポリマーとしては、例え
ば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体(特開昭55−8
4304号、特開昭55−108407号、特開昭55
−133413号)、澱粉−アクリロニトリルグラフト
重合体の加水分解物(特開昭46−43995号)、澱
粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物(特開昭51−
125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体のケン化物(特開昭52−14689号)、アク
リロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体
の加水分解物(特開昭53−15959号)またはこれ
らの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体(特開昭58
−154709号、特開昭58−154710号)など
が既知である。一般的にこれら吸水性ポリマーは粉末状
あるいは繊維状であるためにそれ単独で使用されること
は少なく、粉砕パルプや紙等のような親水性のセルロー
ス材料に代表される支持構造体と複合化されて使用され
ている。おむつのように短時間の間に多量の水性液体を
吸収させるような用途では、吸水性ポリマー単独ではそ
の吸水速度に限界があるため、このような複合化は特に
必要となる。支持構造体は、粉末状の吸水性ポリマーを
保持したり、吸水性ポリマーが水性液体を吸収するまで
吸水性ポリマー周囲に水性液体を保持したり、或いは、
毛細管現象によって、その周辺に分布している吸水性ポ
リマー粒子にまんべんなく水性液体を行き渡らせたりす
る働きがある。
【0004】吸水性ポリマーに望まれる特性としては水
性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速度、通
液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から
水を吸い上げる吸引量等があげられる。しかしながら、
これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さ
ず、たとえば吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル強
度、吸収速度等の物性は低下してしまう。そこで、この
ような吸水性ポリマーの吸水諸特性をバランス良く改良
する方法として吸水性ポリマーの表面近傍を架橋する技
術が知られており、これまでに様々な方法が提案されて
いる。例えば、架橋剤として、多価アルコールを用いる
方法(特開昭58−180233号、特開昭61−16
903号)、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化
合物、多価アミン化合物、多価イソシアネ−ト化合物を
用いる方法(特開昭59−189103号)、グリオキ
サールを用いる方法(特開昭52−117393号)、
多価金属を用いる方法(特開昭51−136588号、
特開昭61−257235号、特開昭62−7745
号)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭61
−211305号、特開昭61−252212号、特開
昭61−264006号)、エポキシ化合物とヒドロキ
シ化合物を用いる方法(特開平2−132103号)、
アルキレンカーボネートを用いる方法(DE−4020
780)等が知られている。また架橋反応時に、不活性
無機粉末を存在させる方法(特開昭60−163956
号、特開昭60−255814号)、二価アルコ−ルを
存在させる方法(特開平1−292004号)、水とエ
−テル化合物を存在させる方法(特開平2−15390
3号)、1価アルコ−ルのアルキレンオキサイド付加
物、有機酸塩、ラクタム等を存在させる方法(欧州特許
第555692号)等も知られている。
【0005】これらの方法によって、吸水性ポリマーの
諸物性のバランスの改良や加圧下における吸収量の向上
はある程度達成されるものの、従来の吸水性ポリマーの
改質方法は、吸水性ポリマーが水性液体と接触した時に
出来る限り速やかに圧力下においても吸水するように設
計することを目的としたものがほとんどである。従っ
て、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の衛生用品、と
りわけ近年のトレンドである、吸水性ポリマーを多量に
使用した薄型化された衛生用品における吸水体の吸水特
性にまで踏み込んだ上での、吸水性ポリマーの必要特性
にまで思慮された提案は皆無に近いのが現状である。
【0006】吸水性ポリマーを高濃度に含有する吸水体
中の吸水性ポリマーの必要特性として、幾つかの提案も
なされている。例えば特開平5ー200068号公報で
は吸水性ポリマーの負荷時の変形および吸い上げ指数の
重要性が、特開平6−254118号公報には吸水性ポ
リマーの圧力下における吸水量の重要性が、更に特開平
5−96159号公報には吸水性ポリマーとセルロース
繊維に代表される支持構造体の吸水時の湿潤結合性の重
要性について開示されている。これらの提案は、なるほ
ど吸水性ポリマーを高濃度に含有する吸水体の吸水特性
を考慮している点で、特に後者においては吸水性ポリマ
ーの吸水時の移動や脱落が大きく抑えられるという点で
著しい改善効果はみられているものの、実使用面からみ
て改良すべき問題点が多々残されているのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公知の技術により
得られた吸水性ポリマーあるいはそれを含む吸水体は、
例えば、紙おむつの吸水体として使用した場合以下のよ
うな課題を有することが本発明者らにより見い出され
た。
【0008】すなわち、特開平5−200068号公報
や特開平6−254118号公報では吸水性ポリマーの
圧力下における吸水特性の重要性には触れられているも
のの、このような吸水性ポリマーを吸水体中に高濃度に
含んだ場合には、吸水体の湿潤時の保形性や拡散性が低
下して、その改善のために更に補助手段を要し吸水体の
トータルコストが大幅にアップする。
【0009】一方、特開平5−96159号公報は、吸
水体の湿潤時の保形性を改善できる点で画期的である
が、その反作用として、(1)湿潤結合による吸水体中
の吸水性ポリマー粒子間の加圧下における空隙の確保が
不十分となることがあり、それが吸水体中の空隙容積の
減少や通液空間の閉塞を招き、吸水性ポリマーの高濃度
化に限界があった。(2)水性液体と接触した際にただ
ちに吸水性ポリマーゲル間の湿潤結合が形成されると、
吸水体の復元弾性および吸水体の湿潤時の物理的破壊は
改善されるものの、吸水性ポリマー内部への液体の浸透
が遅くなることがある。(3)吸水性ポリマーの湿潤結
合性は乾燥状態におけるハンドリング性と負相関にあ
り、そのため湿潤結合性を追求しすぎると吸水性ポリマ
ーの流動性が低下し、例えば製品充填器内や配管内、輸
送中での吸湿ケーキングを招いて作業性が低下するなど
の問題がある。すなわち、湿潤下における吸水性ポリマ
ーゲル層およびこれを含む吸水体の復元弾性の向上は吸
水体のトータルな吸水能力の改善につながるが、吸水性
ポリマーのハンドリング性・作業性を維持したまま、水
性液体との接触時に吸水性ポリマーゲル同士が湿潤結合
し、同時に吸水性ポリマー粒子間の液体拡散性や通液性
を改善することが特に解決すべき課題となりつつあるこ
とが本発明者らにより新たに見い出されたのである。
【0010】本発明者らはそのような現状に鑑み、鋭意
検討を加え、遅延結合性という新たなる必要特性に着目
したのである。その結果、或る特定の吸水性架橋重合体
を合成し、この吸水性架橋重合体を特定のポカチオン化
合物で処理してなる吸水性ポリマーが、取り扱い性・保
水量を維持しながら、湿潤結合性を有し、しかも加圧下
における通液性・拡散性が改善されるという極めて特異
な吸水特性を有することを見い出し、更に本吸水性ポリ
マーを高濃度に含有する吸水体が著しく優れた復元弾性
・保形性・吸水挙動を示し、上記課題をことごとく解決
できることを見い出したのである。
【0011】従って本発明の目的は、吸水性ポリマーの
保有する吸水能を、高濃度下においても効率的に発揮で
きる新規な吸水性ポリマーを提供するものである。従っ
て本発明の吸水性ポリマーは、おむつ、生理用ナプキ
ン、および失禁者のための治具や創傷保護材、創傷治癒
材のような体液のための吸収物品、食品のためのドリッ
プ吸収材、鮮度保持材、止水材、土壌保水材など種々の
用途に好ましく使用できる。
【0012】
【発明を解決するための手段】前記諸目的は、「含水液
体と接触して遅延結合性を示すことを特徴とする吸水性
ポリマー。」、「含水液体と接触して遅延結合性を示す
ことを特徴とする吸水性ポリマーを含有する支持構造体
からなる吸水体。」、「生理食塩水25g/吸水性ポリ
マーgを吸水し得られる膨潤ヒドロゲルに直径15/3
2インチの鋼球を20cmの高さから自由落下させたと
きに、吸水開始5分以降にはじめて該膨潤ヒドロゲルへ
の鋼球侵入がなくなる吸水性ポリマーであって、かつ加
圧下の通液性が200秒以下で拡散吸収倍率が25g/
g以上であることを特徴とする吸水性ポリマー。」、お
よび「20g/cm2の荷重下の生理食塩水に対する拡
散吸収倍率が少なくとも25g/gである酸基を有する
吸水性架橋重合体100重量部を、平均分子量5000
以上のポリアミン化合物0.1〜10重量部で処理する
ことを特徴とする吸水性ポリマーの製法。」により達成
される。
【0013】以下、本発明の吸水性ポリマーについて、
その典型的製造方法と共にさらに詳しく説明する。
【0014】本発明は、第一に、含水液体と接触して遅
延結合性を示すことを特徴とする吸水性ポリマーであ
る。本発明の吸水性ポリマーは水性液体と接触吸水後た
だちに得られるばらばらの膨潤ヒドロゲル同士の結合が
起こるのではなく、水性液体を吸収してから徐々に経時
的に膨潤ヒドロゲル同士間の結合力が増加し、持続する
という新規な特徴を有している。ここにいう遅延結合性
とは、例えばいわゆるゲルブロック現象として知られて
いるような、吸水性ポリマー中の最初に水性液体と接触
した部分同士が接着しそのために残余の乾燥部分のその
後の液体膨潤性が制限されるような現象とは大きく区別
されるものであり、水性液体と接触したときに吸水性ポ
リマー中の液体膨潤性を全く制限することなく、例えば
含水粒子を接触させた状態で含水ゲル層を形成し、物理
的な破壊力を加えなければ粒子同士がはずれない一つの
含水ゲル層として扱うことのできる状態を、経時的に徐
々に遅くとも60分間以内に達成することを示すもので
ある。驚くべきことに、このような挙動を示す本発明の
吸水性ポリマーを粉砕パルプや紙などの支持構造体に含
有する吸水体は、吸水し膨潤した吸水性ポリマー間にお
ける液の閉塞を起こさず、しかも吸水体自体の圧縮復元
性および湿潤強度を著しく向上できることが判明したの
である。
【0015】吸水後の吸水性ポリマー間の結合性を表す
その結合力の大きさは、前記生理食塩水25g/吸水性
ポリマーgを吸水する際に、得られる膨潤ヒドロゲルに
直径15/32インチの鋼球を20cmの高さから自由
落下させたとき、該膨潤ヒドロゲルへの鋼球侵入がある
かないかにより比較することができるが、本発明の遅延
結合性を示す吸水性ポリマーは、生理食塩水と接触後5
分以降60分の間にその結合力の増加が起こり鋼球の侵
入がなくなることを特徴としている。このような特徴を
有する本発明の吸水性ポリマーは通液性、加圧下の吸水
倍率に優れるのみならず、水性液体の通液性・拡散性に
も優れるといった特徴を有するものである。更に本発明
の吸水性ポリマーは前述のような適度な速度の吸水結合
性を有しているために、支持構造体と複合化した場合に
も吸水性ポリマー間における液体の初期拡散性に優れ、
結合後に形成される吸水性ポリマーマトリックス間への
2次・3次の液体の濡れ性や得られる吸水体の拡散吸水
倍率にもすぐれるという特徴をも有するものである。
【0016】更に本発明の吸水性ポリマーは、生理食塩
水25g/吸水性ポリマーgを吸水し得られる膨潤ヒド
ロゲルに直径15/32インチの鋼球を20cmの高さ
から自由落下させたときに、吸水開始5分以降にはじめ
て該膨潤ヒドロゲルへの鋼球侵入がなくなる吸水性ポリ
マーであって、かつ加圧下の通液性が200秒以下で拡
散吸収倍率が25g/g以上であるといった、これまで
その負相関のために不可能と考えられていた結合性と拡
散・通液性を兼ね備えた特徴を有する吸水性ポリマーを
も提供するものである。
【0017】このような本発明の吸水性ポリマーは、例
えば、20g/cm2の荷重下の生理食塩水に対する拡
散吸収倍率が少なくとも25g/gである酸基を有する
吸水性架橋重合体100重量部を、平均分子量5000
以上のポリアミン化合物0.1〜10重量部で処理する
ことを特徴とする吸水性ポリマーの製法により得ること
ができる。
【0018】本発明の酸基を有する吸水性架橋重合体と
しては、例えば、カルボキシル基含有吸水性架橋重合体
を例示でき、その典型的な例はアクリル酸またはその塩
を主成分とする親水性単量体を重合して得ることができ
る。このようなものは例えば、部分中和架橋ポリアクリ
ル酸重合体(米国特許第4625001号、同第465
4039号、同第5250640号、同第527577
3号、欧州特許第456136号等)、架橋され部分的
に中和された澱粉ーアクリル酸グラフトポリマー(米国
特許第4076663号)、イソブチレンーマレイン酸
共重合体(米国特許第4389513号)、酢酸ビニル
ーアクリル酸共重合体のケン化物(米国特許第4124
748号)、アクリルアミド(共)重合体の加水分解物
(米国特許第3959569号)、アクリロニトリル重
合体の加水分解物(米国特許第3935099号)等に
開示されている。中でも好ましいものはポリアクリル酸
塩架橋重合体である。ポリアクリル酸塩架橋重合体とし
ては、重合体中の酸基の50〜90モル%が中和されて
いることが好ましく、塩としてはアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、アミン塩などを例示する事ができる。
【0019】本発明に用いられる酸基を有する吸水性架
橋重合体は、単量体主成分として用いられる上記アクリ
ル酸またはその塩に併用して、必要により他の単量体を
共重合させたものであってもよい。他の単量体の具体例
としては、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイル
プロパンスルホン酸などのアニオン性不飽和単量体およ
びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−
エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジ
ン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジ
ン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親
水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四級塩など
のカチオン性不飽和単量体などを挙げることができる。
これらのアクリル酸以外の他の単量体の使用量は通常全
単量体中0〜30モル%、好ましくは0〜10モル%で
ある。
【0020】本発明に用いられる酸基を有する吸水性架
橋重合体は架橋構造を導入する方法として、架橋剤を使
用しない自己架橋型のものや、2個以上の重合性不飽和
基或は2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合
または反応させるもの等を例示できる。好ましくは内部
架橋剤を共重合または反応させたものである。
【0021】これらの内部架橋剤の具体例としては、例
えば、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアク
リレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタ
エリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)ア
リロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、
エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル
(メタ)アクリレートなどを挙げることが出来る。また
これらの内部架橋剤は2種以上使用してもよい。中で
も、得られる吸水性ポリマーの吸水特性などから、2個
以上の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤とし
て必須に用いることが好ましく、その使用量としては前
記単量体成分に対して0.005〜3モル%、より好ま
しくは0.01〜1.5モル%である。
【0022】なお重合に際しては、澱粉・セルロ−ス、
澱粉・セルロ−スの誘導体、ポリビニルアルコ−ル、ポ
リアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の
親水性高分子や、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を添
加してもよい。
【0023】本発明に用いられる酸基を有する吸水性架
橋重合体を得る為に上記したアクリル酸またはその塩を
主成分とする単量体を重合するに際しては、バルク重合
や沈澱重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の
制御の容易さから、単量体を水溶液として、水溶液重
合、逆相懸濁重合を行うことが好ましい。かかる重合方
法は、従来公知であって例えば、米国特許第46250
01号、同4769427号、同4873299号、同
4093776号、同4367323号、同44462
61号、同4683274号、同4690996号、同
4721647号、同4738867号、同47480
76号などに記載されている。
【0024】また重合を行うにあたり、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル
重合開始剤、紫外線や電子線などの活性エネルギー線等
を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始
剤を用いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併
用してレドックス重合としても良い。これらの重合開始
剤の使用量は通常0.001〜2モル%、好ましくは
0.01〜0.5モル%である。
【0025】上記の重合により得られた酸基を有する吸
水性架橋重合体の形状は不定形破砕状、球状、繊維状、
棒状、略球状、偏平状等種々のものが本発明に好ましく
使用できる。また、これら酸基を有する吸水性架橋重合
体は、上記20g/cm2の荷重下の生理食塩水に対す
る拡散吸収倍率が少なくとも25g/gであるという吸
水特性を満足したものである。
【0026】本発明の、20g/cm2の荷重下の生理
食塩水に対する拡散吸収倍率が少なくとも25g/gで
ある酸基を有する吸水性架橋重合体を得るための最も好
ましい方法としては、特願平7−145012号、特願
平7−145010号に記載されているような方法を挙
げることができる。より具体的には、1)平均粒径が2
00μm〜600μmの範囲内で、粒径が106μm未
満の粒子の割合が10重量%以下の、カルボキシル基を
有する吸水性架橋重合体前駆体を、該カルボキシル基と
反応可能な、溶解度パラメーターが12.5(cal/
cm31/2以上の第1表面架橋剤、および、溶解度パラ
メーターが12.5(cal/cm31 /2未満の第2表
面架橋剤の存在下、160℃以上で加熱処理する方法。
2)50モル%以上が中和されたアクリル酸を主成分と
する親水性不飽和単量体を、分散剤および特定の架橋剤
の存在下に水溶液重合して得られた吸水性架橋重合体前
駆体を、含水率が10%以下、かつ、平均粒径が200
〜600μmの範囲内で、しかも、粒径が106μm未
満の粒子の割合が10重量%以下となるように調整した
後、該吸水性架橋重合体前駆体を表面架橋剤の存在下に
加熱処理する方法。等が例示できる。
【0027】本発明で使用される、ポリアミン化合物と
しては、例えば、分子中に第1級、第2級および第3級
アミノ基の1種またはそれ以上を含むポリアミン化合物
を例示できる。このような化合物としては、(1)モノ
またはジアリルアミン誘導体の単独重合体;(2)2種
以上のモノまたはジアリルアミン誘導体の共重合体;
(3)モノまたはジアリルアミン誘導体とジアルキルジ
アリルアンモニウム塩との共重合体;(4)第3級アミ
ノ基を有する不飽和カルボン酸誘導体の単独重合体;
(5)第3級アミノ基を有する不飽和カルボン酸誘導体
の群から選ばれる2種以上の単量体の共重合体;(6)
第3級アミノ基を有する不飽和カルボン酸誘導体と、該
誘導体の第3級アミノ基をアルキル化若しくはプロトン
化した第4級アンモニウム塩および/またはジアルキル
ジアリルアンモニウム塩との共重合体;(7)第3級ア
ミノ基を有する不飽和カルボン酸誘導体と、該誘導体の
第3級アミノ基をアルキル化若しくはプロトン化した第
4級アンモニウム塩および/またはジアルキルジアリル
アンモニウム塩と、それらと重合可能な他のビニル単量
体との3元共重合体;(8)不飽和カルボン酸および該
不飽和カルボン酸と重合可能な他の不飽和単量体から製
造した共重合体のカルボキシル基をアルキレンイミンと
反応させてなる重合体;(9)ポリアルキレンイミン;
(10)ポリアルキレンイミン・エピハロヒドリン樹
脂;(11)ポリアルキレンポリアミン;(12)(2
−メタクリロイルオキシエチル)エチレンイミンの重合
体および該(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレ
ンイミンと重合可能な不飽和単量体の共重合体;(1
3)ポリアミドポリアミン;(14)ポリアミドアミン
・エピハロヒドリン樹脂;(15)ポリアクリルアミド
およびポリメタクリルアミドのマンニッヒ反応変性物;
(16)ポリビニルアミンおよびビニルアミンと該ビニ
ルアミンと重合可能な不飽和単量体との共重合体;(1
7)ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合
物;等を挙げることができる。本発明に使用される上記
ポリアミン化合物はその平均分子量が5000以上、好
ましくは平均分子量が10000〜10000000の
範囲のものである。平均分子量が5000未満では、得
られる吸水性ポリマーの湿潤結合性や通液性が不十分と
なることがあって好ましくない。
【0028】平均分子量が5000以上のポリアミン化
合物をより具体的に示すならば、例えばポリアリルアミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリ(N−アルキルアリルア
ミン)、ポリ(アルキルジアリルアミン)、モノアリル
アミンとジアリルアミンの共重合体、モノアリルアミン
とN−アルキルアリルアミンの共重合体、モノアリルア
ミンとジアルキルジアリルアンモニウム塩の共重合体、
ジアリルアミンとジアルキルジアリルアンモニウム塩の
共重合体、ポリジメチルアミノエチルアクリレート、ポ
リジエチルアミノエチルアクリレート、ポリジメチルア
ミノエチルアクリルアミド、直鎖ポリエチレンイミン、
分岐ポリエチレンイミン、ポリエチレンポリアミン、ポ
リプロピレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリ
エーテルポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミドポ
リアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアクリルアミ
ド又はポリメタクリルアミドにホルムアルデヒドとジエ
チルアミンを反応させて合成されるアミノ化された変性
体、ポリアミジンなどが例示される。
【0029】本発明において、上記平均分子量5000
以上のポリアミン化合物は、さらに酸性化合物を含んだ
状態で好ましく使用される。
【0030】この場合には、前述したような遅延結合性
という特質が顕著に付与され、添加される酸性化合物の
添加量、種類、添加方法などにより、この遅延結合性を
任意にコントロールすることが可能である。ここに酸性
化合物とは、該ポリアミン化合物を中和することのでき
る化合物を指し、無機酸・有機酸を問わない。本発明で
使用される無機酸としては、炭酸;塩酸、フッ化水素酸
のような水素酸;硫酸、亜硫酸、亜硫酸水素、硝酸、次
亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次亜リン酸、メタ
リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウ
ルトラリン酸、過塩素などの酸素酸;前記酸素酸の塩;
などを例示できる。また有機酸としては、カルボン酸、
スルフィン酸、スルホン酸、フェノール、エノール、チ
オール、酸イミド、オキシム、スルホンアミド等の酸性
の官能基を有する化合物を例示でき、グリコール酸、乳
酸、トリクロロ乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、タルトロン酸、没食子酸などのオキシ酸
やアスパラギン酸などのアミノ酸などを列挙できる。本
発明において上記酸性化合物のうち、結合力の速度制御
を最適範囲に保つためには、水溶液中の酸解離定数(p
Ka、25℃)が約4未満の強酸を使用することがより
好ましい。
【0031】本発明において、酸性化合物を含むポリア
ミン化合物は、典型的にはポリアミン化合物の溶液また
は分散液に酸性化合物を添加し混合することにより、或
いは溶液として滴下混合されることにより調整される。
反応溶媒としては、特に限定されないが、水または水と
相溶性のある親水性有機溶媒が好ましく、水とアルコー
ルなどの親水性有機溶媒も使用できる。またこの場合の
ポリアミン化合物に対する酸性化合物の添加量は、有機
酸・無機酸あるいはこれらの誘導体が1価の酸である場
合の添加量は、通常、ポリアミンの第1級、第2級およ
び第3級アミノ基の総和の0から100モル%、好まし
くは50から100モル%、より好ましくは70から9
9モル%の範囲であり、多価の酸である場合には、0か
ら100モル%、好ましくは50から100モル%、よ
り好ましくは70から99モル%をその価数で除した量
である。
【0032】本発明の吸水性ポリマーは、前記20g/
cm2の荷重下の生理食塩水に対する拡散吸収倍率が少
なくとも25g/gである酸基を有する吸水性架橋重合
体100重量部を、平均分子量5000以上のポリアミ
ン化合物0.1〜10重量部で処理することにより得る
ことができる。ポリアミン化合物の量が0.1重量部よ
りも少ない場合、得られる吸水性ポリマーの水性液体と
接触した時の結合性が不足し、10重量部よりも多い場
合には保水倍率の低下が起こって好ましくない。
【0033】本発明において、吸水性架橋重合体をポリ
アミン化合物で処理するには、吸水性架橋重合体に、ポ
リアミン化合物を、例えば、水溶液、親水性有機溶媒溶
液、混合溶媒溶液あるいは分散液として、噴霧するかも
しくは滴下した上、混合するのが一般的である。この
際、混合に使用する装置としては、通常の装置でよく、
例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュ
ー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V
型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混
合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサ
ー、転動式混合機などを挙げることができ、混合の際の
速度は高速、低速を問わない。この場合、添加或いは混
合に際し、無機微粉末などを共存あるいは後添加させて
もよく、好適に使用されうる無機微粉末としては、例え
ば、各種の無機化合物ないし粘土鉱物の微粒子が例示で
きる。中でも水に対して適度な親和性を有し、かつ水不
溶性あるいは水難溶性のものが好ましく、このようなも
のとしては、二酸化珪素、酸化チタンなどの金属酸化物
や天然または合成のゼオライト、カオリン、タルク、ク
レー、ベントナイトなどを挙げることができる。特に微
粉珪酸またはその塩および二酸化珪素がこのましく、コ
ールターカウンター法により測定された平均粒子径が2
00μm以下のものが好ましく使用できる。
【0034】このようにして得られる本発明の吸水性ポ
リマーは、吸水性ポリマー前駆体である吸水性架橋重合
体が、上記拡散吸水倍率範囲を満足しており、且つポリ
アミン化合物で処理されているために、水性液体と接触
した際の膨潤ヒドロゲル同士の結合性に優れ、しかも加
圧下の通液性が200秒を満足し、さらに拡散吸水倍率
が25g/g以上であるといった、これまでその負相関
のために不可能と考えられていた結合性と拡散・通液性
を兼ね備えた特徴を有する吸水性ポリマーとすることが
できる。また、使用されるポリアミン化合物がその中
に、酸性化合物を含む場合、驚くべきことに得られる吸
水性ポリマーに遅延結合性といった結合力の速度制御性
を付与することが可能で、加えてそのハンドリング性・
作業性を改善でき、鋼板への付着性をも著しく改善でき
る。
【0035】更に本発明の吸水性ポリマーは、紙、粉砕
パルプなどのような親水性繊維材料からなる支持構造体
と複合されて衛生用品などの吸水体として好ましく使用
されるものである。また、加圧下という条件下において
も、吸水性ポリマー内部への液体の吸収移行のための導
液空間が確保され、しかも粒子間における液体の拡散を
妨げることなく液体吸収時のキャピラリー効果を十分に
発揮でき、支持構造体からの脱落や移動のないものとな
る。従って、本発明の吸水性ポリマーは例えば繊維質材
料とともに複合化して得られる紙おむつや生理用ナプキ
ンのごとき吸水性物品において、50重量%(吸水性ポ
リマーとパルプのような繊維質材料の総和に対する比
率)以上といった高濃度条件下で使用された場合であっ
ても、荷重下におけるキャピラリーの閉塞を引き起こす
ことが無く、従って拡散吸水倍率に優れしかも漏れの少
ない吸水体、吸水性物品を提供することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示すが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。なお、以下に示す実施例
の中でとくに断りのない限り、部および%はすべて重量
部および重量%を示すものとする。本発明において、吸
水性ポリマーの拡散吸収倍率、鋼球落球試験、鋼板への
付着性、加圧下の通液性、吸水体からの吸水性ポリマー
の脱落率、吸水体の拡散吸収倍率は以下の方法で測定し
た。
【0037】(ア)拡散吸収倍率(吸水性架橋重合体お
よび吸水性ポリマー) 先ず、拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置について、
図1および図2を参照しながら、以下に簡単に説明する
図1に示すように、測定装置は、天秤1と、この天秤1
上に載置された所定容量の容器2と、外気吸入パイプ3
と、導管4と、ガラスフィルタ6と、このガラスフィル
タ6上に載置された測定部5とからなっている。上記の
容器2は、その頂部に開口部2aを、その側面部に開口
部2bをそれぞれ有しており、開口部2aに外気吸入パ
イプ3が嵌入される一方、開口部2bに導管4が取り付
けられている。また、容器2には、所定量の生理食塩水
12が入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、生理
食塩水12中に没している。外気吸入パイプ3は、容器
2内の圧力をほぼ大気圧に保つために設けられている。
上記のガラスフィルタ6は、直径70mmに形成されて
いる。そして、容器2およびガラスフィルタ6は、シリ
コーン樹脂からなる導管4によって互いに連通してい
る。また、ガラスフィルタ6は、容器2に対する位置お
よび高さが固定されている。図2に示すように、上記の
測定部5は、濾紙7と、シート8と、支持円筒9と、こ
の支持円筒9の底部に貼着された金網10と、重り11
とを有している。そして、測定部5は、ガラスフィルタ
6上に、濾紙7、シート8、支持円筒9(つまり金網1
0)がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、即
ち、金網10上に重り11が載置されてなっている。シ
ート8は、ポリエチレンテレフタレート(PET)から
なり、中央部に直径18mmの開口部を有する厚さ0.
1mmのドーナツ状に形成されている。支持円筒9は、
内径60mmに形成されている。金網10は、ステンレ
スからなり、400メッシュ(目の大きさ38μm)に
形成されている。また、金網10の上面、つまり、金網
10と吸水性ポリマーもしくは吸水性架橋重合体(以
下、吸水性ポリマーで代表して説明する)20との接触
面の高さは、外気吸入パイプ3の下端面3aの高さと等
しくなるように設定されている。そして、金網10上
に、所定量および所定粒径の吸水性ポリマーが均一に散
布されるようになっている。重り11は、金網10、即
ち、吸水性ポリマー20に対して、20g/cm2の荷
重を均一に加えることができるように、その重量が調製
されている。
【0038】上記構成の測定装置を用いて拡散吸収倍率
を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0039】先ず、容器2に所定量の生理食塩水12を
入れる。容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する、等の所
定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルタ6上に濾
紙7を載置し、この濾紙7上にシート8を、その開口部
がガラスフィルタ6の中心部に位置するようにして載置
した。一方、この載置動作に平行して、支持円筒9内
部、即ち、金網10上に、吸水性ポリマー1.5gを均
一に散布し、この吸水性ポリマー20上に重り11を載
置した。次いで、シート8上に、金網10、つまり、吸
水性ポリマー20および重り11を載置した上記支持円
筒9を、その中心部がガラスフィルター6の中心部に一
致するようにして載置した。そして、シート8上に支持
円筒9を載置した時点から、60分間にわたって経時的
に、該吸水性ポリマーが吸水した生理食塩水の重量を天
秤1の測定値から求めた。尚、図3に示すように、生理
食塩水12は、シート8の開口部を通過した後、吸水性
ポリマーの横方向にほぼ均一に拡散しながら、吸水性ポ
リマーに吸水された。また、同様の操作を吸水性ポリマ
ー20を用いないで行い、ブランク重量、つまり、吸水
性ポリマー以外の例えば濾紙7等が吸水した生理食塩水
の重量を、天秤1の測定値から求め、ブランク値とし
た。ブランク値による補正(差し引く)を行って、吸水
開始後60分後に吸水性ポリマーが実際に吸水した生理
食塩水の重量を、吸水性ポリマーの重量(1.5g)で
除して、拡散吸収倍率(g/g)を算出した。
【0040】(イ)鋼球落球試験 内径50mm、高さ70mmの円筒形のポリプロピレン
製カップに吸水性ポリマー1gを取り、そこに25gの
生理食塩水を注ぎ均一に吸収せしめた。注ぎ始めてから
3分後に、得られた膨潤ヒドロゲルに高さ20cmから
鋼球(直径15/32インチ、重量6.9g:JIS
B−1501の鋼球)を自由落下させた。鋼球が該膨潤
ヒドロゲルから弾むか、もしくは侵入するかを測定し
た。一方、別に生理食塩水を注ぎ始めてから5分後、1
0分後、15分にも同様に測定した。吸水性ポリマーが
生理食塩水と接触後5分後以降にはじめて鋼球侵入がな
くなった場合は、遅延結合性がある。尚、その結果は、
×(鋼球が侵入する);△(0〜3cm弾ねた);○
(3cm以上弾ねた);の3段階で評価し、3回の平均
値により求めた。
【0041】(ウ)鋼板への付着性 坪量が0.02g/cm2、密度が0.025g/c
3、寸法が10cm×10cmのパルプウエブを厚さ
方向に半分に均一に裂いて試験用パルプマットを作成し
た。裂けて毛羽立った面に吸水性ポリマー0.4gを
0.004g/cm2の坪量となるように均一に散布
し、試験用サンプルを調整した。25℃、55%RHの
雰囲気下、アクリル板(寸法10cm×10cm、厚さ
10mm)の上に試験用サンプルを載置し、さらにその
上にステンレス鋼板(SUS304、重量650g、サ
イズ:10cm×10cm×85mm)を載せ、その後
この積層物を油圧式プレス機を用いて5Kg/cm2
荷重で1分間プレスし、鋼板への吸水性ポリマーの付着
性を目視評価した。尚この試験は繰り返し3回行った。
【0042】(エ)加圧下の通液速度 コック付きガラスカラムK(「バイオカラムCF−30
K」株式会社井内盛栄堂カタログコード22−635−
07、下部フィルター#G2、内径1インチ、長さ40
0mm)に、吸水性ポリマー0.5gを充填し、過剰の
生理食塩水を用い、吸水性ポリマーを平衡膨潤させた
(約1時間)。次いで図4に示したように、膨潤した吸
水性ポリマーAが充分に沈降したのち、上部に重りBを
載置可能な円形板Cおよび下部にガラスフィルター付加
圧板Iを設けた加圧棒D(該加圧板Iは、厚さ10mm
で直径約1インチの大きさを有し、最下部にガラスフィ
ルター(#G0)Hを備え、その上部の円盤は直径1m
mの孔が約2mm間隔で64個開孔した構造を有する。
該ガラスフィルター付加圧板IはガラスカラムK内部を
自由に上下可能で、生理食塩水が加圧板I上部よりガラ
スフィルターHを経て通過可能な構造となっている。)
を膨潤した吸水性ポリマーAの上部に空気を抜きながら
載置し、さらに重りBを図4のように載置して、膨潤し
た吸水性ポリマーAに24.5g/平方センチメートル
の荷重を均一にかけた。図4のように液面を液高200
mmのところに合わせてコックを開き、生理食塩水Jが
図1に示す2本の標準線L(液高150mmの液面)と
M(液高100mmの液面)との間(実測により液量2
5ml)を通過する時間を測定し、3回の平均値をとっ
て加圧下の通液速度(秒)とした。尚、本装置を使用し
て、吸水性ポリマーゲルのない状態で測定した値は10
秒である。
【0043】(オ)吸水体からの吸水性ポリマーの脱落
率 吸水性ポリマー100部および粉砕パルプ90部をミキ
サー中で乾式混合し、次いでバッチ型空気抄造装置を用
いてワイヤースクリーン上に空気抄造して、寸法10c
m×19cmのウエブとした。得られたウエブの上下面
を坪量0.0013g/cm2のティッシュペーパーで
挟持し、その後、圧力2Kg/cm2で一分間プレスし
て、坪量約0.05g/cm2の吸水体を得た。このよ
うにして得られた吸水体を2cm×4cmの大きさに打
ち抜き、100ccのビーカー中で100ccの生理食
塩水を攪拌しながら(45mmの攪拌子を用い、100
rpmで攪拌)この打ち抜いた吸水体を投入した。攪拌
10分後、吸水体を取り出し、生理食塩水中に脱落した
吸水性ポリマーの重量を求め、下式数1により吸水性ポ
リマーの脱落率を求めた。
【0044】
【数1】
【0045】(カ)吸水体の拡散吸収倍率 先ず、吸水体の拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置に
ついて、図5および図6を参照しながら、以下に簡単に
説明する。尚、説明の便宜上、前記吸水性ポリマーの拡
散吸収倍率の測定に用いる測定装置と同一の機能を有す
る構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0046】図5に示すように、測定装置は、天秤1
と、容器2と、外気吸入パイプ3と、導管4と、直径1
20mmに形成されたガラスフィルタ6と、このガラス
フィルタ6上に載置された測定部15とからなってい
る。図6に示すように、上記の測定部15は、濾紙7
と、シート8と、支持角筒19と、重り11とを有して
いる。尚、前記の金網は有していない。測定部15は、
ガラスフィルタ6上に、濾紙7、シート8、支持角筒1
9がこの順に載置されると共に、支持角筒19内部に重
り11が載置されてなっている。シート8は、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)からなり、中央部に1
2.5mm×100mmの長方形の開口部を有する厚さ
0.1mmの矩形状に形成されている。支持角筒19
は、内寸法が100mm×100mmに形成されてい
る。そして、支持角筒19内部に所定の大きさの吸水体
が載置されるようになっている。測定装置のその他の構
成は、前記拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置と同一
である。
【0047】上記構成の測定装置を用いて吸水体の拡散
吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明す
る。
【0048】先ず、吸水体を100mm×100mmの
大きさに形成した。評価に使用した吸水体は、吸水性ポ
リマー75重量部および粉砕パルプ25重量部をミキサ
ー中で乾式混合し、得られた混合物を寸法10cm×1
0cmの大きさのウエブに空気抄造し、その後圧力2k
g/cm2で1分間プレスして得た。尚、この吸水体の
坪量は、0.035g/cm2に統一した。
【0049】吸水体の作製と平行して、容器2に所定量
の生理食塩水12を入れる。容器2に外気吸入パイプ3
を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラ
スフィルタ6上に濾紙7を載置し、この濾紙7上にシー
ト8を、その開口部がガラスフィルタ6の中心部に位置
するようにして載置した。次いで、シート8上に支持角
筒19を、その中心部がガラスフィルタ6の中心部に一
致するようにして載置した。
【0050】その後、支持角筒19内部、即ち、シート
8上に吸水体を載置し、この吸水体上に重り11を載置
した。尚、吸水体および重り11の載置動作は、素早く
行った。
【0051】そして、シート8上に吸水体を載置した時
点から、60分間にわたって経時的に、該吸水性ポリマ
ーが吸水した生理食塩水の重量を天秤1の測定値から求
めた。尚、図7に示すように、生理食塩水12は、シー
ト8の開口部を通過した後、吸水体の横方向にほぼ均一
に拡散しながら、吸水体に吸水された。また、同様の操
作を吸水体を用いないで行い、ブランク重量、つまり、
吸水体以外の例えば濾紙7等が吸水した生理食塩水の重
量を、天秤1の測定値から求め、ブランク値とした。ブ
ランク値による補正(差し引く)を行って、吸水体が実
際に吸水した生理食塩水の重量を、吸水体の重量で除し
て、吸水体の拡散吸収倍率(g/g)を算出した。
【0052】(参考例1)75モル%の中和率を有する
アクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度
33%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート
4.4gを溶解し、窒素ガスで脱気後、過硫酸ナトリウ
ム2.4gとl−アスコルビン酸0.12gを添加し重
合を行った。重合が終了した時点で、得られた含水ゲル
状架橋重合体をさらに細分化し、150℃の熱風乾燥機
中で含水ゲル状架橋重合体の含水量が5%以下になるま
で乾燥を行った。乾燥物をロールグラニュレーターで粉
砕し、20メッシュ金網通過物を分取した。このものの
平均粒子径は約400μmで、しかも粒径が106μm
未満の粒子の割合は3重量%であった。20メツシュ通
過物100部に対し、エチレングリコールジグリシジル
エーテル0.05部、グリセリン0.5部、水3部、イ
ソプロピルアルコール0.75部からなる水性液を添加
混合し、得られた混合物を200℃で35分間加熱処理
して弱酸性基を有する吸水性架橋重合体(1)を得た。
このものの拡散吸収倍率は31.5g/gであった。
【0053】(参考例2)75モル%の中和率を有する
アクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度
38%)に、トリメチロールプロパントリアクリレート
(特願平7−145010号記載の調整法1により得
た、高沸成分量を全架橋剤中16%含有するもの)7g
およびポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
1gを溶解し、窒素ガスで脱気後、過硫酸カリウム2.
3gとl−アスコルビン酸0.11gを添加し重合を行
った。重合が終了した時点で、得られた含水ゲル状架橋
重合体をさらに細分化し、150℃の熱風乾燥機中で含
水ゲル状架橋重合体の含水量が5%以下になるまで乾燥
を行った。乾燥物をロールグラニュレーターで粉砕し、
20メッシュ金網通過物を分取した。このものの平均粒
子径は約390μmで、しかも粒径が106μm未満の
粒子の割合は5重量%であった。20メッシュ通過物1
00部に対し、グリセリン0.5部、水3部、イソプロ
ピルアルコール0.75部からなる水性液を添加混合
し、得られた混合物を200℃で33分間加熱処理して
弱酸性基を有する吸水性架橋重合体(2)を得た。この
ものの拡散吸収倍率は30.1g/gであった。
【0054】(参考例3)アクリル酸ナトリウム塩の水
溶液5500g(単量体濃度20%)に、架橋剤として
メチレンビスアクリルアミド2.35gを溶解させ窒素
ガスで30分脱気後、内容積10Lの攪拌羽根付き反応
器に供給し、単量体を30℃の温度に保ち系を窒素ガス
置換した。次いで、攪拌下に過硫酸アンモニウム1.5
gとl−アスコルビン酸0.07gを添加したところ1
分後に重合が開始した。窒素雰囲気中30〜80℃で重
合を行い、重合を開始して60分後に、中和剤である炭
酸ナトリウム606.7gをさらに加えて攪拌した後、
含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重
合体は中和率が75モル%であり、その径が約5mmに
細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体
を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱
風乾燥した。次いで乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、
更に20メッシュで分級した。このものは平均粒径が3
90μmで、しかも粒径が106μm未満の粒子の割合
が4重量%であった。得られた20メッシュ通過物10
0部に、エチレンカーボネート0.75部、エチレング
リコ−ルジグリシジルエ−テル0.05部、水3部およ
びエチルアルコール0.75部からなる架橋剤組成液を
混合し、混合物を195℃で40分間加熱処理して弱酸
性基を有する吸水性架橋重合体(2)を得た。このもの
の拡散吸収倍率は34.0g/gであった。
【0055】(実施例1)参考例1で得られた吸水性架
橋重合体(1)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)の塩酸塩(100モル%中和物)の
43%水溶液6.5部を添加混合し、混合後30分間室
温で放置した。硬化物を840μmの開孔を有する金網
を通過せしめ、本発明の吸水性ポリマー(1)を得た。
【0056】(実施例2)参考例2で得られた吸水性架
橋重合体(2)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)の塩酸塩(70モル%中和物)の4
3%水溶液5.5部を添加混合し、混合後20分間温度
90℃の熱風乾燥機中で保持した。その後混合物を84
0μmの開孔を有する金網を通過せしめ、本発明の吸水
性ポリマー(2)を得た。
【0057】(実施例3)参考例3で得られた吸水性架
橋重合体(3)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)の塩酸塩(95モル%中和物;50
%ポリエチレンイミン水溶液100部に36%塩酸11
2部を加えて調整)の42.6%水溶液6.4部を添加
混合し、混合後20分間温度90℃の熱風乾燥機中で保
持した。その後混合物を840μmの開孔を有する金網
を通過せしめ、本発明の吸水性ポリマー(3)を得た。
【0058】(実施例4)参考例1で得られた吸水性架
橋重合体(1)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)のリン酸塩(50%ポリエチレンイ
ミン水溶液100部に26.8%リン酸水溶液を141
部加えて調整)の36.4%水溶液7.2部を添加混合
し、混合後20分間70℃の熱風乾燥機中に保持した。
硬化物を840μmの開孔を有する金網を通過せしめ、
本発明の吸水性ポリマー(4)を得た。
【0059】(実施例5)参考例2で得られた吸水性架
橋重合体(2)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)の30%水溶液5部を添加混合し、
混合後20分間温度90℃の熱風乾燥機中で保持した。
その後混合物を840μmの開孔を有する金網を通過せ
しめ、本発明の吸水性ポリマー(5)を得た。
【0060】(実施例6)参考例3で得られた吸水性架
橋重合体(3)100部に対し、ポリエチレンイミン
(平均分子量7万)の乳酸塩(50%ポリエチレンイミ
ン水溶液100部に46.1%乳酸水溶液を227部加
えて調整)の47.3%水溶液6.4部を添加混合し、
混合後20分間温度90℃の熱風乾燥機中で保持した。
その後混合物を840μmの開孔を有する金網を通過せ
しめ、本発明の吸水性ポリマー(6)を得た。
【0061】(比較例1)反応容器中にアクリル酸80
0部、テトラアリルオキシエタン4部、および水316
6部を加えた。窒素を溶液中に吹き込んでバブリング
し、温度を10℃に低下させた。溶存酸素が1ppm以
下になった時に、次の触媒を以下の順序で加えた。イ)
水10部中に2.4部の2,2’−アゾビスアミジノプ
ロパン二塩酸塩、ロ)水10部中に0.2部のアスコル
ビン酸、ハ)水10部中に2.29部の35%過酸化水
素。短時間の誘導期を経た後、重合が開始し、2時間で
最高温度65℃〜70℃に達した。生成ゲルを断熱容器
内に3時間保って、残存モノマーを1000ppm以下
に減少させた。得られたポリマーゲルを挽肉機で切断
し、次いで640部の水酸化ナトリウムの50%水溶液
を加えた。ゲルの温度は水酸化ナトリウム水溶液添加前
はおよそ66℃であり、水酸化ナトリウム水溶液の温度
は38℃であった。均一な中和を行うため塩基水溶液中
で混合すべくゲルを再び細断した。発熱して88℃〜9
3℃まで上昇したゲルに次いで水50部に対し2.4部
のエチレングリコールジグリシジルエーテルから成る2
4℃の溶液を加えた。後架橋剤を均一に分散させるべ
く、ゲルを細断した。ポリマーは次いで回転型ドラムド
ライヤーを用いて105℃で10%の水分含有量となる
まで乾燥した。結果として得られたフレーク状ポリマー
は次いで粉砕され、20〜325メッシュの粒子サイズ
に篩分けされ、比較吸水性ポリマー(1)を得た。比較
吸水性ポリマー(1)の拡散吸収倍率は7g/gであっ
た。また比較吸水性ポリマー(1)の鋼球落球試験結果
は60分後においても鋼球が侵入し、比較吸水性ポリマ
ー(1)は湿潤時の結合性は全くなかった。さらに比較
吸水性ポリマー(1)の吸水体からの脱落率は100%
であった。
【0062】(比較例2)アクリル酸ナトリウム74.
95モル%、アクリル酸25モル%およびトリメチロー
ルプロパントリアクリレート0.05モル%からなるア
クリル酸塩系単量体の39%水溶液4000部を、過硫
酸ナトリウム5.0部およびL−アスコルビン酸0.2
5部を用いて窒素雰囲気中30〜70℃で重合を行い、
ゲル状含水重合体を得た。得られた含水ゲル状重合体を
150℃の熱風乾燥機で乾燥後、ハンマーミルで粉砕
し、500μmの開孔を有する金網(JIS 32メッ
シュ標準ふるい)でふるい分けして、32メッシュ通過
物を得た。得られた32メッシュ通過物100部に対し
て、ポリエチレンイミン(平均分子量7万)の50%水
溶液を6部添加混合し、室温で1時間放置後、混合物を
解砕し、全ての粒子を840μmの開孔を有する金網を
通過せしめた。さらにこのものにアエロジル200を
0.5部混合して比較吸水性ポリマー(2)を得た。
【0063】(比較例3)比較吸水性ポリマー(1)1
00部に対し、ポリエチレンイミン(平均分子量7万)
の30%水溶液5部を添加混合し、混合後30分間室温
で放置した。硬化物を840μmの開孔を有する金網を
通過せしめ、比較吸水性ポリマー(3)を得た。
【0064】(実施例4)本発明の吸水性ポリマー
(1)〜(6)、比較吸水性ポリマー(1)〜(3)に
ついて吸水性ポリマーの拡散吸収倍率、鋼球落球試験、
加圧下の通液速度、鋼板への付着性、吸水体の拡散吸収
倍率、吸水体からの吸水性ポリマーの脱落率を測定し
た。結果を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の吸水性ポリマーは以下のような
効果を有するものである。
【0067】(1)本発明の吸水性ポリマーは、表面に
存在するポリアミン化合物が酸でブロックされているた
め、水性液体に接触しなければ、殆ど接着性を示さない
状態のまま、貯蔵したり輸送したりすることができ、そ
の貯蔵や輸送が容易である。
【0068】(2)水性液体に接触しても、その粘着性
が発現し結合するまでに遅延効果があるので、吸水性ポ
リマー間にゲルブロキングを引き起こすことなく、吸水
性ポリマー中あるいは層中に液体が浸透することがで
き、従ってこの吸水性ポリマーの有効吸水性が大きく増
大されることになる。
【0069】(3)本発明によって作られた吸水体は、
吸水性ポリマーの粘着性発現速度がコントロールされて
いるため、この吸水体に対する水性液体の流速が速い場
合にも、遅い場合にも有効に働くものとすることができ
る。
【0070】(4)本発明の吸水性ポリマーは加圧下に
おいても拡散吸収倍率および通液性にすぐれるため、例
えば、紙おむつの吸水体中に高濃度で使用した場合に
も、すぐれた液貯蔵能力および液拡散能力を発揮でき
る。
【0071】(5)本発明の吸水性ポリマーは水性液体
と接触して、導液空間を確保したまま結合でき、しかも
その強さで鋼球を反発できるため、吸水体自体の圧縮復
元性および湿潤強度を著しく向上でき、その結果吸水体
の吸水能力を飛躍的に向上できる。
【0072】(6)本発明の吸水性ポリマーは吸水した
後でも、吸水性ポリマーがセルロース繊維など複合の相
手の支持構造体中を移動したり、脱落したりしにくくな
るので、吸水体の吸水量の設計が容易でかつ効果的であ
る。
【0073】従って、本発明の吸水性ポリマーは、紙お
むつ、生理用ナプキン、失禁用パッドなどの衛生材料;
鮮度保持材、保冷材、ドリップ吸収材などの食品用途;
油水分離材、結露防止材、凝固材などの産業用途;止水
材、パッキング材、ゲル水嚢などの土木建築用資材;植
物や土壌などの保水材など、従来知られている吸水性ポ
リマーの各種用途に好適に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吸水性ポリマーが示す性能の一
つである拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略図
の断面図である。
【図2】上記測定装置の要部の断面図である。
【図3】上記測定装置において、生理食塩水の拡散方向
を説明する説明図である。
【図4】本発明における吸水性ポリマーが示す性能の一
つである加圧下の通液性の測定に用いる測定装置の概略
図の断面図である。
【図5】本発明における吸水体が示す性能の一つである
拡散吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略図の断面図
である。
【図6】図5の測定装置の要部の断面図である。
【図7】図7の測定装置において、生理食塩水の拡散方
向を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 天秤 2 容器 3 外気吸入パイプ 4 導管 5 測定部 6 ガラスフィルタ 7 濾紙 8 シート 9 支持円筒 10 金網 11 重り 12 生理食塩水 13 測定部 19 支持角筒 20 吸水性ポリマー A 膨潤した吸水性ポリマー B 重り C 円形板 D 加圧棒 H ガラスフィルター I 加圧板 J 生理食塩水 K コック付きガラスカラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 信幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水液体と接触して遅延結合性を示すこ
    とを特徴とする吸水性ポリマー。
  2. 【請求項2】 含水液体と接触して遅延結合性を示すこ
    とを特徴とする吸水性ポリマーを含有する支持構造体か
    らなる吸水体。
  3. 【請求項3】 生理食塩水25g/吸水性ポリマーgを
    吸水し得られる膨潤ヒドロゲルに直径15/32インチ
    の鋼球を20cmの高さから自由落下させたときに、吸
    水開始5分以降にはじめて該膨潤ヒドロゲルへの鋼球侵
    入がなくなる吸水性ポリマーであって、かつ加圧下の通
    液性が200秒以下で拡散吸収倍率が25g/g以上で
    あることを特徴とする吸水性ポリマー。
  4. 【請求項4】 20g/cm2の荷重下の生理食塩水に
    対する拡散吸収倍率が少なくとも25g/gである酸基
    を有する吸水性架橋重合体100重量部を、平均分子量
    5000以上のポリアミン化合物0.1〜10重量部で
    処理することを特徴とする吸水性ポリマーの製法。
  5. 【請求項5】 ポリアミン化合物がさらに酸性化合物を
    含む請求項4記載の吸水性ポリマーの製法。
  6. 【請求項6】 酸性化合物の量がポリアミン化合物のア
    ミノ基の総和の50モル%以上である請求項5記載の吸
    水性ポリマーの製法。
  7. 【請求項7】 酸性化合物が、その水溶液中の酸解離定
    数(pKa、25℃)が約4未満を示すものである請求
    項6記載の吸水性ポリマーの製法。
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