JPH09311201A - 光学物品の製造方法 - Google Patents

光学物品の製造方法

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JPH09311201A
JPH09311201A JP9004163A JP416397A JPH09311201A JP H09311201 A JPH09311201 A JP H09311201A JP 9004163 A JP9004163 A JP 9004163A JP 416397 A JP416397 A JP 416397A JP H09311201 A JPH09311201 A JP H09311201A
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JP
Japan
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aminosilane
bis
diaminosilane
tris
ethyl
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Pending
Application number
JP9004163A
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English (en)
Inventor
Etsuo Okanoe
悦男 岡上
Mikito Nakajima
幹人 中島
Takao Mogami
隆夫 最上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機コート膜を有する光学物品においてヤケの
発生を抑制する。 【解決手段】基板上方に設けられた最表層が主として二
酸化珪素からなる単層または多層の無機コート膜に、下
記(1)式で示されるシラン化合物あるいはそのオリゴ
マー、もしくはポリマーを少なくとも1種以上含む組成
物を反応あるいは吸着させ、かつ前記組成物を反応ある
いは吸着させた前記無機コート膜の表面の水に対する静
止接触角が101度以上であることを特徴とする無機コ
ート膜を有する光学物品。 【化4】 (ここでR1 はフッ素を含む有機基、R2 、R3 、R4
は水素または有機基、a、b、cはそれぞれ次の範囲で
ある。1≦a≦3、0≦b≦2、1≦c≦3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機コート膜を有
する光学物品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法などによって得られる無機コート膜
は、眼鏡、レンズ、ディスプレイ装置のパネル等、光学
材料の反射防止膜、ハードコート膜、各種機能性膜等に
広く用いられている。特に二酸化珪素膜は、その基板と
の付着力、硬度、取扱い易さ等の点で幅広く使用されて
いる。 また、表面改質に関しては、無機コート膜に係わ
らず、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、アルキル
ポリシロキサンを用いた処理方法が開示されている。
(例えば、特公昭35−9760号公報、特開昭49−
12833号公報、特公昭50−15473号公報、特
開昭61−130902号公報など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら無機コ
ート膜の表面には、表面に付着した水滴の乾燥過程にお
いて、光学ガラスに発生するヤケ現象に似たヤケが発生
し、外観、光学特性などに好ましくない影響を及ぼして
いる。特に眼鏡レンズは、玉摺加工時及び使用時に水滴
が付着し易く、水滴が付着した状能で短時間でも放置す
ると、ヤケが発生していた。一般に光学ガラスに発生す
るヤケの原因は次の様に考えられている。先ず、表面に
付着した水滴にガラス内部のイオンであるNa+ 、Ba
2+、Pb2+などが溶け出し、水滴がアルカリ性の溶液と
なる。次に、この溶液と空気中のCO2 、SO2 等の酸
性ガスが反応し、Na2CO3、BaCO3 、PbC
3 、BaSO4 等が化合物として生成し、表面に残り
ヤケの原因となる。一方、合成樹脂製基板表面に形成し
た二酸化珪素膜などの無機コート膜には、陽イオンが含
まれておらず、発生するヤケの原因は、未だ不明の所が
多かった。本発明者らが、実験、分析を行なった結果、
これらのコート膜上に発生するヤケの原因は、付着した
水滴から生ずる珪素化合物を中心とした蒸発残留物が、
表面に強固に付着して起こることが判明した。このこと
は以下に述べる事実から明らかにされたものである。 超純水をコート膜表面に付着させた場合、ヤケは発
生しない。(光学ガラスに発用するヤケの生成過程で
は、超純水に於いてもヤケは発生する。) 透過型電子顕微鏡(TEM)により、ヤケの発生し
たコート膜表面付近を断面観察したところ、表面に付着
物が観察された。 で観察された付着物の元素分析を行なったとこ
ろ、Siが主に検出された。そこで本発明は、このよう
な問題点を解決するもので、その目的とするところは、
無機コート膜の表面状態を改質し、この問題を解消でき
うる機能を表面に持たせるところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の無機
コート膜を有する光学物品及びその製造方法は、最表層
が主として二酸化珪素からなる単層または多層の無機コ
ート膜に、下記式(1)で示されるシラン化合物、ある
いはそのオリゴマー、もしくはポリマーを少なくとも1
種以上含む混合物よりなる組成物を反応あるいは吸着さ
せ、かつ処理した表面の水に対する静止接触角が101
度以上であることを特徴とする。さらには、最表層が主
として二酸化珪素からなる無機コート膜に、下記(1)
式で表されるシラン化合物、あるいはそのオリゴマー、
もしくはポリマーを少なくとも1種以上含む組成物を塗
布し、しかる後乾燥することを特徴とする。さらに、最
表層が主として二酸化珪素からなる無機コート膜に、真
空中或いは大気中で気体の下記(1)式で表されるシラ
ン化合物、あるいはそのオリゴマー、もしくはポリマー
を少なくとも1種以上含む組成物を反応あるいは吸着さ
せたことを特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】(ここでR1 はフッ素を含む有機基、
2 、R3 、R4 は水素または有機基、a、b、cはそ
れぞれ次の範囲である。1≦a≦3、0≦b≦2、1≦
c≦3) 前記に示した様に、無機コート膜の表面でのヤケの発生
原因は、水滴中の成分が蒸発残留物として表面に付着す
るためである。蒸発残留物の成分は、Siを中心として
おり、二酸化珪素のような無機コート膜との親和性が大
きく、コート膜表面と強固に付着していると考えられ
る。ヤケの発生を防ぐには、無機コート膜表面を改質
し、表面と蒸発残留物との親和性を小さくすることが必
要である。鋭意研究の結果、撥水性を表面に持たせるこ
とにより、蒸発残留物の無機コート膜表面との付着強度
が弱まり、たとえ表面に残留物が残っても、布等で軽く
拭き取れることが判った。さらに、撥水性を持たせるこ
とにより、水滴自体も表面に付着しにくくなり、ヤケの
発生低下に役立つことも判った。ここで言う撥水性の基
準としては、純水の表面に対する接触角が101°以上
あるのが望ましい。また、無機コート膜に処理を行なう
には、すでに、基材上に存在しているコート膜の性質、
密着性、耐久性を低下させることなく処理を行なう必要
がある。特に、合成樹脂性基板上に設けた無機コート膜
に処理を行う場合、高温で処理を行なうと、無機コート
膜にクラックが発生し、外観、耐久性が著しく低下す
る。従って、処理前の密着性、耐久性、外観、反射防止
膜における分光特性などに悪影響を与えない程度の処理
層の厚み、温度範囲、環境で処理できることが望まし
い。
【0007】基板表面に撥水性を付与するには、従来か
ら用いられているシリコンオイルを薄く塗布したり、四
フッ化エチレンを基材表面に形成させて表面の撥水性を
高める方法が知られている。しかし、これらの方法は、
処理剤が、表面と反応するわけではなく化学的には表面
と結合しているとは言えない。そのため、拭きや溶剤で
容易に表面から処理剤が脱落していた。一方、本発明
で、無機コート膜表面との反応、あるいは吸着に用いる
物質は、処理温度範囲が常温付近から高温までと広く、
上記の条件を満足し、常温においても十分な処理膜が得
られる。また、従来使用されている撥水処理剤であるア
ルコキシシラン、ハロゲン化シラン、アルキルポリシロ
キサンなどと比較して、取扱いも簡単で、液の寿命も長
い。本発明に使用する物質として、次のような物が挙げ
られる。2、2、2−トリフルオロエチルトリアミノシ
ラン,3、3、3−トリフルオロプロピルトリアミノシ
ラン,2、2、2、3、3、3−へキサフルオロトリア
ミノシラン,4、4、4−トリフルオロブチルトリアミ
ノシラン,2−(パーフルオロエチル)エチルトリアミ
ノシラン,5、5、5−トリフルオロペンチルトリアミ
ノシラン,3−(パーフルオロエチル)プロピルトリア
ミノシラン。2−(パーフルオロプロピル)エチルトリ
アミノシラン,(パーフルオロプロピルメチル)トリア
ミノシラン,(パーフルオロブチルメチル)トリアミノ
シラン,6、6、6−トリフルオロへキシルトリアミノ
シラン,4−(パーフルオロエチル)ブチルトリアミノ
シラン,3−(パーフルオロプロピル)プロピルトリア
ミノシラン,4−(パーフルオロブチル)エチルトリア
ミノシラン,5−(パーフルオロペンチル)メチルトリ
アミノシラン,7、7、7−トリフルオロへブチルトリ
アミノシラン,5−(パーフルオロエチル)ペンチルト
リアミノシラン,4−(パーフルオロプロピル)ブチル
トリアミノシラン。3−(パーフルオロブチル)プロピ
ルトリアミノシラン,2−(パーフルオロぺンチル)エ
チルトリアミノシラン,(パーフルオロへキシルメチ
ル)トリアミノシラン,8、8、8−トリフルオロオク
チルトリアミノシラン,6−(パーフルオロエチル)へ
キシルトリアミノシラン,5−(バーフルオロプロピ
ル)ペンチルトリアミノシラン,4−(パーフルオロブ
チル)ブチルトリアミノシラノ,3−(パーフルオロペ
ンチル)ブチルトリアミノシラン,2−(パーフルオロ
へキシル)エチルトリアミノシラン,(パールオロへブ
チルメチル)トリアミノシラン,9、9、9−トリフル
オロノニルトリアミノシラン,7−(パーフルオロエチ
ル)へプチルトリアミノシラン,6−(パーフルオロプ
ロピル)へキシルトリアミノシラン,5−(パーフルオ
ロブチル)ヘ゜ンチルトリアミノシラン,4−(パーフル
オロペンチル)ブチルトリアミノシラン,3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピルトリアミノシラン,2−(パ
ーフルオロへプチル)エチルトリアミノシラン,(パー
フルオロオクチルメチル)トリアミノシラン,10、1
0、10−トリフリオロデシルトリアミノシラン,8−
(パーフルオロエチル)オクチルトリアミノシラン,7
−(パーフルオロプロピル)へプチルトリアミノシラ
ン,6−(パーフルオロブチル)へキシルトリアミノシ
ラン,5−(パーフルオロペンチル)ペンチルトリアミ
ノシラン,4−(パーフルオロへキシル)ブチルトリア
ミノシラン,3−(パーフルオロへプチル)プロピルト
リアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル
トリアミノシラン,(パーフルオロノニルメチル)トリ
アミノシラン,11、11、11−トリフルオロウンデ
シルトリアミノシラン,9−(パーフルオロエチル)ノ
ニルトリアミノシラン,8−(パーフルオロプロピル)
オクチルトリアミノシラン,7−(パーフルオロブチ
ル)へプチルトリアミノシラン,6−(パーフルオロペ
ンチル)へキシルトリアミノシラン,5−(パーフルオ
ロへキシル)ペンチルトリアミノシラン,4−(パーフ
ルオロへプチル)ブチルトリアミノシラン,3−(パー
フルオロオクチル)プロピルトリアミノシラン,2−
(パーフルオロノニル)エチルトリアミノシラン。(パ
ーフルオロデシルメチル)トリアミノシラン,12、1
2、12−トリフルオロドデシルトリアミノシラン,1
0−(パーフルオロエチル)デシルトリアミノシラン,
9−(パーフルオロプロピル)ノニルトリアミノシラ
ン,8−(パーフルオロブチル)オクチルトリアミノシ
ラン,7−(パーフルオロペンチル)へプチルトリアミ
ノシラン,6−(パーフルオロへキシル)へキシルトリ
アミノシラン,5−(パーフルオロへプチル)ペンチル
トリアミノシラン,4−(パープルオロオクチル)ブチ
ルトリアミノシラン,3−(パーフルオロノニル)プロ
ピルトリアミノシラン,2−(パーフルオロデシル)エ
チルトリアミノシラン,(パーフルオロウンデシルメチ
ル)トリアミノシラン,13、13、13、−トリフル
オロトリデシルトリアミノシラン,11−(パーフルオ
ロエチル)ウンデシルトリアミノシラン,10−(パー
フルオロプロピル)デシルトリアミノンラン,9−(パ
ーフルオロブチル)ノニルトリアミノシラン,8−(パ
ーフルオロペンチル)オクチルトリアミノシラン、7−
(パーフルオロへキシル)へプチルトリアミノシラン,
6−(パーフルオロへプチル)へキシルトリアミノシラ
ン,5−(パーフルオロオクチル)ペンチルトリアミノ
シラン,4−(パーフルオロノニル)ブチルトリアミノ
シラン,3−(パーフルオロデシル)プロピルトリアミ
ノシラン,2−(パーフルオロウンデシル)エチルトリ
アミノシラン,(パーフルオロドデシルメチル)トリア
ミノシラン,ビス(2、2、2−トリフルオロエチル)
ジアミノシラン,ビス(3、3、3−トリフルオロプロ
ピル)ジアミノシラン。ビス(2、2、2、3、3、3
−へキサフルオロ)ジアミノシラン,ビス(4、4、4
−トリフリオロブチル)ジアミノシラン,ビス(2−
(パーフルオロエチル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(5、5、5−トリフルオロペンチル)ジアミノシラ
ン,ビス(3−(パーフルオロエチル)プロピル)ジア
ミノシラン,ビス(2−(パーフルオロプロピル)エチ
ル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロプロピルメチ
ル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロブチルメチ
ル)ジアミノシラン,ビス(6、6、6−トリフルオロ
へキシル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロ
エチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフ
ルオロプロピル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(4
−(パーフルオロブチル)エチル)ジアミノシラン,ビ
ス(5−(パーフルオロペンチル)メチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7、7、7−トリフルオロへプチル)ジア
ミノシラン,ビス(5−(パーフルオロエチル)ペンチ
ル)ジアミノシラン。ビス(4−(パーフルオロプロピ
ル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフルオ
ロブチル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2−(パ
ーフルオロペンチル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(パーフルオロへキシルメチル)ジアミノシラン,ビス
(8、8、8−トリフルオロオクチル)ジアミノシラ
ン,ビス(6−(パーフルオロエチル)へキシル)ジア
ミノシラン,ビス(5−(パーフルオロプロピル)ペン
チル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロブチ
ル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフルオ
ロペンチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(2−(パ
ーフルオロへキシル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(パールオロへプチルメチル)ジアミノシラン,ビス
(9、9、9−トリフルオロノニル)ジアミノシラン,
ビス(7−(パフルオロエチル)へプチル)ジアミノシ
ラン,ビス(6−(パーフルオロプロピル)へキシル)
ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロブチル)ペ
ンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロペ
ンチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2
−(パーフルオロへプチル)エチル)ジアミノシラン,
ビス(パーフルオロオクチルメチル)ジアミノシラン,
ビス(10、10、10−トリフリオロデシル)ジアミ
ノシラン,ビス(8−(パーフルオロエチル)オクチ
ル)ジアミノシラン,ビス(7−(パーフルオロプロピ
ル)へプチル)ジアミノシラン,ビス(6−(パーフル
オロブチル)へキシル)ジアミノシラン,ビス(5−
(パーフルオロペンチル)ペンチル)ジアミノシラン,
ビス(4−(パーフルオロへキシル)ブチル)ジアミノ
シラン,ビス(3−(パーフルオロへプチル)プロピ
ル)ジアミノシラン,ビス(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロノニ
ルメチル)ジアミノシラン,ビス(11、11、11−
トリフルオロウンデシル)ジアミノシラン,ビス(9−
(パーフルオロエチル)ノニル)ジアミノシラン,ビス
(8−(パーフルオロプロピル)オクチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7−(パーフルオロブチル)ヘプチル)ジ
アノシラン,ビス(6−(パーフルオロペンチル)ヘキ
シル)ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロヘキ
シル)ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフ
ルオロへプチル)ブチルジアミノシラン,ビス(3−
(パーフルオロオクチル)プロピル)ジアミノシラン,
ビス(2−(パーフルオロノニル)エチル)ジアミノシ
ラン,ビス(パーフルオルデシル)メチル)ジアミノシ
ラン,ビス(12,12,12−トリフルオロドデシ
ル)ジアミノシラン,ビス(10−(パーフルオロメチ
ル)デシル)ジアミノシラン,ビス(9−(パーフルオ
ロプロピル)ノニル)ジアミノシラン,ビス(8−(パ
ーフルオロブチル)オクチル)ジアミノシラン,ビス
(7−(パーフルオロペンチル)ヘプチル)ジアミノシ
ラン,ビス(6−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル)
ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロヘプチル)
ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロ
オクチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パー
フルオロノニル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2
−(パーフルオロデシル)エチル)ジアミノンラン,ビ
ス(パーフルオロウンデシルメチル)ジアミノシラン,
ビス(13、13、13、−トリフルオロトリデシル)
ジアミノシラン,ビス(11−(パーフルオロエチル)
ウンデシル)ジアミノシラン,ビス(10−(パーフル
オロプロピル)デシル)ジアミノシラン,ビス(9−
(パーフルオロブチル)ノニル)ジアミノシラン,ビス
(8−(パーフルオロペンチル)オクチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7−(パーフルオロへキシル)へプチル)
ジアミノシラン,ビス(6−(パーフルオロへプチル)
へキシル)ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロ
オクチル)ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パ
ーフルオロノニル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3
−(パーフルオロデシル)プロビル)ジアミノシラン,
ビス(2−(パーフルオロウンデシル)エチル)ジアミ
ノシラン,ビス(パーフルオロウンデシルメチル)ジア
ミノシラン,トリス(2、2、2−トリフリオロエチ
ル)アミノシラン,トリス(3、3、3−トリフルオロ
プロピル)アミノシラン、トリス(2、2、2、3、
3、3−へキサフルオロ)アミノシラン,トリス(4、
4、4−トリフルオロブチル)アミノシラン,トリス
(2−(パーフルオロエチル)エチル)アミノシラン,
トリス(5、5、5−トリフルオロペンチル)アミノシ
ラン,トリス(3−(パーフルオロエチル)プロピル)
アミノシラン,トリス(2−(パーフルオロプロピル)
エチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロプロピル
メチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロブチルメ
チル)アミノシラン,トリス(6、6、6−トリフルオ
ロへキシル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオ
ロエチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−パーフ
ルオロプロピル)プロピル)アミノシラン,トリス(4
−(パーフルオロブチル)エチル)アミノシラン,トリ
ス(5−(パーフルオロぺンチル)メチル)アミノシラ
ン,トリス(7、7、7−トリフルオロへプチル)アミ
ノシラン,トリス(5−(パーフルオロエチル)ペンチ
ル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロプロピ
ル)ブチルアミノシラン,トリス(3−(パーフルオロ
ブチル)プロピル)アミノシラン,トリス(2−(パー
フルオロペンチル)エチル)アミノシラン,トリス(パ
ーフルオロへキシルメチル)アミノシラン,トリス
(8、8、8−トリフルオロオクチル)アミノシラン,
トリス(6−(パーフルオロエチル)へキシル)アミノ
シラン,トリス(5−(パーフルオロプロピル)ペンチ
ル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロブチ
ル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−(パーフルオ
ロペンチル)ブチル)アミノシラン,トリス(2−(パ
ーフルオロへキシル)エチルアミノシラン,トリス(パ
ールオロへプチルメチル)アミノシラン,トリス(9、
9、9−トリフルオロノニル)アミノシラン,トリス
(7−(パーフルオロエチル)へプチル)アミノシラ
ン。トリス(6−(パーフルオロプロピル)へキシル)
アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロブチル)ペ
ンチル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロペ
ンチル)ブチル)アミノシラン、トリス(3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピル)アミノシラン,トリス(2
−(パーフルオロへプチル)エチル)アミノシラン,ト
リス(パーフルオロオクチルメチル)トリアミノシラ
ン,トリス(10、10、10−トリフルオロデシル)
アミノシラン。トリス(8−(パーフルオロエチル)オ
クチル)アミノシラン,トリス(7−(パーフルオロプ
ロピル)へプチル)アミノシラン,トリス(6−(パー
フルオロブチル)へキシル)アミノシラン,トリス(5
−(パーフルオロペンチル)ペンチル)アミノシラン,
トリス(4−(パーフルオロへキシル)ブチル)アミノ
シラン,トリス(3−(パーフルオロへプチル)プロピ
ル)アミノシラン,トリス(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロノニ
ルメチル)アミノシラン,トリス(11、11、11−
トリフルオロウンデシル)アミノシラン,トリス(9−
(パーフルオロエチル)ノニル)アミノシラン,トリス
(8−(パーフルオロプロピル)オクチル)アミノシラ
ン、トリス(7−(パーフルオロブチル)へプチル)ア
ミノシラン,トリス(6−(パーフルオロペンチル)へ
キシル)アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロへ
キシル)ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パー
フルオロへプチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3
−(パーフルオロオクチル)プロビル)アミノシラン,
トリス(2−(パーフルオロノニル)エチル)アミノシ
ラン,トリス(パーフルオロデシルメチル)アミノシラ
ン,トリス(12、12、12−トリフルオロドデシ
ル)アミノシラン,トリス(10−(パーフルオロエチ
ル)デシル)アミノシラン,トリス(9−(パーフルオ
ロプロピル)ノニル)アミノシラン,トリス(8−(パ
ーフルオロブチル)オクチル)アミノシラン,トリス
(7−(パーフルオロペンチル)へプチル)アミノシラ
ン,トリス(6−(パーフルオロへキシル)へキシル)
アミノシラン,トリス(5−(ハーフルオロヘプチル)
ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロ
オクチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−(パー
フルオロノニル)プロピル)アミノシラン,トリス(2
−(パーフルオロデシル)エチル)アミノシラン,トリ
ス(パーフルオロウンデシルメチル)アミノシラン,ト
リス(13、13、13、−トリフルオロトリデシン)
アミノシラン,トリス(11−(パーフルオロエチル)
ウンデシル)アミノシラン,トリス(10−(パーフル
オロプロピル)デシル)アミノシラン,トリス(9−
(パーフルオロブチル)ノニル)アミノシラン,トリス
(8−(パーフルオロペンチル)オクチル)アミノシラ
ン,トリス(7−(パーフルオロヘキシル)ヘプチル)
アミノシラン,トリス(6−(パーフルオロヘプチル)
ヘキシル)アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロ
オクチル)ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パ
ーフルオロノニル)ブチル)アミノシラン,トリス(3
−(パーフルオロデシル)ブロピル)アミノシラン,ト
リス(2−(パーフルオロウンデシル)エチル)アミノ
シラン,トリス(パーフルオロドデシルメチル)アミノ
シラン,2−(パーフルオロへブチル)エチルジアミノ
シラン,2−(パーフルオロへブチル)エチル−メチル
−ジアミノシラン,2−(パーフルオロへブチル)エチ
ル−ブロピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロへ
ブチル)エチル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パー
フルオロへブチル)エチル−ペンチル−ジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロへブチル)エチル−へキシル−
ジアミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプチ
ル)エチル)−アミノシラン,ビス−(2−(パーフル
オロへプチル)エチル−メチル−アミノシラン,ビス−
(2−(パーフルオロへプチル)エチル)−エチル−ア
ミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプチル)エ
チル)−ブチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフ
ルオロへプチル)エチル)−プロピル−アミノシラン,
ビス−(2−(パーフルオロへプチル)エチル)−ペン
チル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプ
チル)エチル−へキシル−アミノシラン,2−(パーフ
ルオロへプチル)エチルジメチルアミノシラン,2−
(パーフルオロへプチル)エチルメチルエチルアミノシ
ラン,2−(パーフルオロへプチル)エチルメチルプロ
ピルアミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチ
ルジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロへプチ
ル)エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パーフ
ルオロへプチル)エチルジプロピルアミノシラン,2−
(パーフルオロへプチル)エチル−メチルアミノ−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチル−ビ
ス(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオ
ロへプチル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,
2−(パフルオロへプチル)エチル−エチルアミノ−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチル−
ビス(エチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフル
オロへプチル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチルジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−メチル−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−
プロピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パーフル
オロオクチル)エチル−ペンチル−ジアミノシラン。2
−(パーフルオロオクチル)エチル−へキシル−ジアミ
ノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル)−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオク
チル)エチル−メチル−アミノシラン,ビス−(2−
(パーフルオロオクチル)エチル)−エチル−アミノシ
ラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチル)エチル)
−ブチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロ
オクチル)エチル)−プロピル−アミノシラン,ビス−
(2−(パーフルオロオクチル)エチル)−ぺンチル−
アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル−へキシル−アミノシラン,2−(パーフル
オロオタチル)エチルジメチルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロオクチル)エチルメチルエチルアミノシラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチルメチルプロピ
ルアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル
ジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)
エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パーフルオ
ロオクチル)エチルジプロピルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロオクチル)エチル−メチルアミノ−ジアミノ
シラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−ビス
(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオロ
オクチル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,2
−(パーフルオロオクチル)エチル−エチルアミノ−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−
ビス(エチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフル
オロオクチル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラ
ン,2−(パーフルオロノニル)エチルジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロノニル)エチル−メチル−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−プロ
ピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エ
チル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロノ
ニル)エチル−ペンチル−ジアミノシラン,2−(パー
フルオロノニル)エチル−へキシル−ジアミノシラン,
ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル)−アミノ
シラン,ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル−
メチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロノ
ニル)エチル)−エチル−アミノシラン,ビス−(2−
(パーフルオロノニル)エチル)−ブチル−アミノシラ
ン,ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル)−プ
ロピル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロノ
ニル)エチル)−ペンチル−アミノシラン,ビス−(2
−(パーフルオロノニル)エチル−へキシル−アミノシ
ラン,2−(パーフルオロノニル)エチルジメチルアミ
ノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチルメチルエ
チルアミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル
メチルプロピルアミノシラン,2−(パーフルオロノニ
ル)エチルジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロ
ノニル)エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロノニル)エチルジプロピルアミノシラン,2
−(パーフルオロノニル)エチル−メチルアミノ−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−ビス
(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオロ
ノニル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,2−
(パーフルオロノニル)エチル−エチルアミノ−ジアミ
ノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−ビス
(エチルアミノ)−アミノシラン。2−(パーフルオロ
ノニル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラン。本発
明では、これらに限定されるのではなく、特許請求の範
囲に示される一般式のものであれば、本発明の目的を、
達成できることは言うまでもない。また、本発明におい
て、オリゴマー、ポリマーとは、
【0008】
【化3】
【0009】で示される反応基同士が反応して形成され
るオリゴマー、ポリマーを指す。これには、脱アンモニ
アによって形成されるシラザン化合物も含まれる。従っ
て、使用するシラン化合物同士が無機コート膜との反応
前、もしくは反応後結合し、ボリマー化することがあり
えるが、本発明の目的とするところの重合度を得るよう
に調整すればなんら問題はない。また、目的に応じて、
1種以上のシラン化合物を混合して用いてもよい。シラ
ン化合物を無機コート膜に反応あるいは吸着させるに
は、DiP法、スピンナー法、スプレー法等により表面
に塗布し、反応、吸着させる方法を用いることが出来る
が、塗布膜厚を調整するためにシラン化合物を希釈する
ための溶媒が必要となる。また、表面との反応に寄与し
なかったシラン化合物を洗浄するための溶媒も必要であ
る。水酸基を有する水系、アルコール系の溶媒は、溶媒
とシラン化合物が反応したり、溶解性、洗浄性が悪いた
め、使用することが困難である。そのため、今までは人
体に有害な溶媒、環境に有害な溶媒(例えばフロン)を
使用することが一般的であった。フロンに関してはオゾ
ン層破壊物質として世界的に全廃の動きがあり、環境保
護の面からも使用を避ける事が望ましい。また、Dip
法、スピンナー法、スプレー法の場合、真空中で形成し
た無機コート膜を、真空槽内から取り出して新たな工程
を増やす必要があり、洗浄工程も付設しなければならず
効率的とは言えない。従って、反応方法としては、真空
雰囲気中あるいは大気中でシラン化合物のガスを無機コ
ート膜と反応させる方法などを用いることが望ましい。
Dip法などの場合、塗布中の雰囲気、例えば、湿度、
温度を最適にコントロールすることにより、反応速度が
制御でき、また浸漬時間、液温、シラン化合物の濃度を
調節することにより所望の処理膜を得ることができる。
さらに、塗布後、コート膜の特性に影響を与えない程度
の加熱や光照射を行うことにより反応を促進すればより
効果的である。気体のシラン化合物で処理する場合、真
空槽内で無機コート膜を形成中、あるいは形成後にシラ
ン化合物のガスを導入し、反応させてもよい。また、ア
ルゴンや酸素等のプラズマ雰囲気中にシラン化合物のガ
スを導入し、反応性蒸着、反応性イオンプレーティング
等を行うことも可能である。シラン化合物と無機コート
膜との反応性を高めるために前処理して、無機コート膜
表面を、洗浄、薬品処理、プラズマ処理することはより
効果的である。反応に用いるシラン化合物は、単体もし
くは混合で用いてもよく、溶媒で希釈したり、酸や塩基
で前処理して使用することも可能である。反応が終了
後、大気中の水分子と反応したシラン化合物、コート膜
表面付近との反応、吸着に寄与できなかったシラン化合
物を洗浄により洗い流すことにより、処理前の反射防止
特性などの外観が変わらない処理を行うことができる。
いままで述べた処理は、二酸化珪素を主として含む無機
コート膜表面に可能である。
【0010】
【作用】無機コート膜、たとえば、二酸化珪素膜などで
は、その表面に極性の大きな−OH基が露出しており、
これが水滴中に含まれる不純物を吸着し易いため、ヤケ
が起こると説明できる。従って、無機コート膜表面を極
性の小さな、あるいは撥水性の基で置換することによ
り、ヤケの防止ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0012】〔実施例1〕ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)製樹脂からなる合成樹脂製レン
ズを、アセトンで洗浄し、室温で5分間、5%水酸化ナ
トリウム水溶液を用いて表面処理を行い、以下に述べる
コーティング液をディッピング法により、液温5℃、引
き上げ速度40cm/minの条件で塗布した。次に熱
風乾燥炉中で80℃で30分、130℃で2時間加熱硬
化させた。コーティング液は次の様にして作成した。撹
拌装置を備えた反応容器中にエタノール206部、エタ
ノール分散コロイダルシリカ396部(触媒化成工業株
式会杜製“オスカル1232”固形分30%)、γーグ
リシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解
物312部、フローコントロール剤0.2部(日本ユニ
カー(株)製“Lー7604”)及び0.05N酢酸水
溶液86部を加え、室温で3時間撹拌をし、コーティン
グ液とした。上記のようにして得られたレンズを真空槽
内にセットし、真空蒸着法により、基板温度50℃で、
樹脂表面に反射防止処理を行なった。膜構成はレンズ側
から、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の
合成膜厚がλ/4、ZrO2層がλ/4、最上層のSi
2 層がλ/4とした(ここでλ=520nm)。次に
このレンズをアセトンで洗浄し、十分乾燥させた後、液
温20℃の2−(パーフルオロオクチル)エチルトリア
ミノシラン、を1wt%含む1、1、2−トリクロロ−
1、2、2−トリフルオロエタン溶液に5分間浸漬し
た。浸漬後、相対湿度50%、温度50℃雰囲気中に取
り出し、10分間放置した。その後、1、1、2−トリ
クロロ−1、2、2−トリフルオロエタンにより洗浄を
行なった。洗浄後のレンズの外観、反射防止の特性に大
きな変化はみられなかった。
【0013】得られたコート膜の評価方法は以下に示す
方法を用いた。 ヤケ性:水道水をコート膜表面にたらし乾燥させた
のち、布で残留物を拭き取った。残留物が残ればC、完
全に拭きとれればA、一部残ればBと評価した。 接触角:接触角計(協和科学株式会社製CA−D)
を用いて液滴法(純水)により測定した。 温水試験:80℃の温度に5時間浸漬後と同様に
ヤケ性の試験を行なった。
【0014】〔実施例2〕ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)製樹脂からなる合成樹脂製レン
ズをアセトンで洗浄し、その後、真空蒸着法により基板
温度50℃で、樹脂表面に反射防止処理を行なった。反
射防止処理は実施例1と同様の処理を行ない、処理後イ
ソプロビルアルコールで洗浄を行なった。次にこのレン
ズを実施例1で用いた処理液で実施例1と同橡に処理し
た。洗浄後のレンズの外観、反射防止の特性に大きな変
化はみられなかった。
【0015】〔実施例3〕実施例1で用いた反射防止層
の最上層である二酸化珪素層を、次のようにして形成し
た。電子銃を用いて、二酸化珪素を溶解しながら、アル
ゴンとビス(パーフルオロプロピルメチル)ジアミノシ
ランを9:1に混合した気体を真空度が0.01Tor
rになるよう、真空槽内に導入し、13.56MHZ
高周波電場により、雰囲気をプラズマ化した。基板には
300V直流電圧を印加し、高周波出力300Wで反応
性イオンプレーティングを行ないながら二酸化珪素層を
形成した。
【0016】〔実施例4〕実施例1で得られたレンズ
に、実施例1と同様に反射防止処理を行ない、その後、
ビス−(2−パーフルオロへプチル)エチル)−ブチル
−アミノシランを5wt%含む1、1、2、−トリクロ
ロ−1、2、2−トリフルオロエタン溶液に1分間浸漬
した。浸漬後、相対湿度70%、温度60℃雰囲気中に
取り出し、5分間放置した。放置後テトラヒドロフラン
により洗浄を行なった。洗浄後の外観は処理前とほとん
ど変化がなかった。
【0017】〔実施例5〕クラウンガラスからなるレン
ズ表面に、レンズ側から、SiO2 を1μm厚にアルゴ
ンプラズマ中でイオンプレーティングした。この様にし
て得られたレンズを、純水で洗浄後、十分に水を切り乾
燥させた。次に液温20℃の2−(パーフルオロノニ
ル)エチル−ブチル−ジアミノシランを10wt%含む
1、1、2−トリクロロ−1、2、2トリフルオロエタ
ン溶液に2分間浸漬した。浸漬後、相対湿度20%、温
度50℃中に15分間放置した。その後1、1、2−ト
リクロロ−1、2、2−トリフルオロエタンにより洗浄
を行なった。洗浄後のレンズの外観に大きな変化はみら
れなかった。
【0018】〔比較例1〕実施例1で用いた処理前の反
射防止膜付レンズを液温15℃のジメチルジクロロシラ
ン98%溶液に、1分間浸漬した。浸漬後、湿度60
%、温度25℃の雰囲気中で、10cm/秒の速度でレ
ンズを引き上げた。引き上げ後、トリクロロエチレンに
より洗浄を行なった。
【0019】〔比較例2〕実施例1で用いた処理前の反
射防止膜付レンズを、ジメチルジエトキシシラン50g
とイソプロピルアルコール450g、及び0.05N塩
酸20gを混合した液温10℃の溶液に3分間浸漬し
た。浸漬後、湿度75%、温度50℃の雰囲気中で15
分間放置し、その後アセトンにより洗浄を行なった。
【0020】〔比較例3〕実施例1で得られたシラン化
合物による処理を行う前の反射防止膜付きの合成樹脂製
レンズを比較例3とした。
【0021】上記実施例1〜5、比較例1〜3の評価結
果をまとめて表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】無機コート膜表面に、水に対する静止接
触角が101度以上の撥水性を持たせたことにより、表
面エネルギーが低下し、水及び水中の不純物との親和性
が低下し、ヤケ現象を防止することができた。さらに表
面エネルギー低下に伴い、人体から分泌される汗、脂肪
又は食用油等の有機物による汚れも、ティッシュペーパ
ー等で拭くだけで簡単に取り除くことができた。また本
発明で用いる物質は、他の表面処理剤と比較して低温で
の反応性も十分で、表面処理の持続性も良いことが判っ
た。さらに、気体のシラン化合物を反応させる方法を用
いると溶剤(例えばフロン)を使用する必要がなくな
り、地球に優しい処理が可能となる。
【0024】本発明は、合成樹脂製眼鏡レンズ、精密機
器用光学レンズ、表示パネル、時計用カバーガラス、窓
ガラス等、無機コート膜を使用した製品に広く適用でき
る方法であり、その用途はさらに拡大されるであろう。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光学物品の製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】 (ここで、R1 はフッ素を含む有機基を表し、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ水素又は有機基を表し、a、b及
びcはそれぞれ次の範囲である。1≦a≦3、0≦b≦
2、1≦c≦3)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機コート膜を有
する光学物品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法などによって得られる無機コート膜
は、眼鏡、レンズ、ディスプレイ装置のパネル等、光学
材料の反射防止膜、ハードコート膜、各種機能性膜等に
広く用いられている。特に二酸化珪素膜は、その基板と
の付着力、硬度、取扱い易さ等の点で幅広く使用されて
いる。 また、表面改質に関しては、無機コート膜に係わ
らず、アルコキシシラン、ハロゲン化シラン、アルキル
ポリシロキサンを用いた処理方法が開示されている。
(例えば、特公昭35−9760号公報、特開昭49−
12833号公報、特公昭50−15473号公報、特
開昭61−130902号公報など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら無機コ
ート膜の表面には、表面に付着した水滴の乾燥過程にお
いて、光学ガラスに発生するヤケ現象に似たヤケが発生
し、外観、光学特性などに好ましくない影響を及ぼして
いる。特に眼鏡レンズは、玉摺加工時及び使用時に水滴
が付着し易く、水滴が付着した状能で短時間でも放置す
ると、ヤケが発生していた。一般に光学ガラスに発生す
るヤケの原因は次の様に考えられている。先ず、表面に
付着した水滴にガラス内部のイオンであるNa+ 、Ba
2+、Pb2+などが溶け出し、水滴がアルカリ性の溶液と
なる。次に、この溶液と空気中のCO2 、SO2 等の酸
性ガスが反応し、Na2CO3、BaCO3 、PbC
3 、BaSO4 等が化合物として生成し、表面に残り
ヤケの原因となる。一方、合成樹脂製基板表面に形成し
た二酸化珪素膜などの無機コート膜には、陽イオンが含
まれておらず、発生するヤケの原因は、未だ不明の所が
多かった。本発明者らが、実験、分析を行なった結果、
これらのコート膜上に発生するヤケの原因は、付着した
水滴から生ずる珪素化合物を中心とした蒸発残留物が、
表面に強固に付着して起こることが判明した。このこと
は以下に述べる事実から明らかにされたものである。 超純水をコート膜表面に付着させた場合、ヤケは発
生しない。(光学ガラスに発用するヤケの生成過程で
は、超純水に於いてもヤケは発生する。) 透過型電子顕微鏡(TEM)により、ヤケの発生し
たコート膜表面付近を断面観察したところ、表面に付着
物が観察された。 で観察された付着物の元素分析を行なったとこ
ろ、Siが主に検出された。そこで本発明は、このよう
な問題点を解決するもので、その目的とするところは、
無機コート膜の表面状態を改質し、この問題を解消でき
うる機能を表面に持たせるところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の無機
コート膜を有する光学物品及びその製造方法は、最表層
が主として二酸化珪素からなる単層または多層の無機コ
ート膜に、下記式(1)で示されるシラン化合物、ある
いはそのオリゴマー、もしくはポリマーを少なくとも1
種以上含む混合物よりなる組成物を反応あるいは吸着さ
せ、かつ処理した表面の水に対する静止接触角が101
度以上であることを特徴とする。さらには、最表層が主
として二酸化珪素からなる無機コート膜に、下記(1)
式で表されるシラン化合物、あるいはそのオリゴマー、
もしくはポリマーを少なくとも1種以上含む組成物を塗
布し、しかる後乾燥することを特徴とする。さらに、最
表層が主として二酸化珪素からなる無機コート膜に、真
空中或いは大気中で気体の下記(1)式で表されるシラ
ン化合物、あるいはそのオリゴマー、もしくはポリマー
を少なくとも1種以上含む組成物を反応あるいは吸着さ
せたことを特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】(ここでR1 はフッ素を含む有機基、
2 、R3 、R4 は水素または有機基、a、b、cはそ
れぞれ次の範囲である。1≦a≦3、0≦b≦2、1≦
c≦3) 前記に示した様に、無機コート膜の表面でのヤケの発生
原因は、水滴中の成分が蒸発残留物として表面に付着す
るためである。蒸発残留物の成分は、Siを中心として
おり、二酸化珪素のような無機コート膜との親和性が大
きく、コート膜表面と強固に付着していると考えられ
る。ヤケの発生を防ぐには、無機コート膜表面を改質
し、表面と蒸発残留物との親和性を小さくすることが必
要である。鋭意研究の結果、撥水性を表面に持たせるこ
とにより、蒸発残留物の無機コート膜表面との付着強度
が弱まり、たとえ表面に残留物が残っても、布等で軽く
拭き取れることが判った。さらに、撥水性を持たせるこ
とにより、水滴自体も表面に付着しにくくなり、ヤケの
発生低下に役立つことも判った。ここで言う撥水性の基
準としては、純水の表面に対する接触角が101°以上
あるのが望ましい。また、無機コート膜に処理を行なう
には、すでに、基材上に存在しているコート膜の性質、
密着性、耐久性を低下させることなく処理を行なう必要
がある。特に、合成樹脂性基板上に設けた無機コート膜
に処理を行う場合、高温で処理を行なうと、無機コート
膜にクラックが発生し、外観、耐久性が著しく低下す
る。従って、処理前の密着性、耐久性、外観、反射防止
膜における分光特性などに悪影響を与えない程度の処理
層の厚み、温度範囲、環境で処理できることが望まし
い。
【0007】基板表面に撥水性を付与するには、従来か
ら用いられているシリコンオイルを薄く塗布したり、四
フッ化エチレンを基材表面に形成させて表面の撥水性を
高める方法が知られている。しかし、これらの方法は、
処理剤が、表面と反応するわけではなく化学的には表面
と結合しているとは言えない。そのため、拭きや溶剤で
容易に表面から処理剤が脱落していた。一方、本発明
で、無機コート膜表面との反応、あるいは吸着に用いる
物質は、処理温度範囲が常温付近から高温までと広く、
上記の条件を満足し、常温においても十分な処理膜が得
られる。また、従来使用されている撥水処理剤であるア
ルコキシシラン、ハロゲン化シラン、アルキルポリシロ
キサンなどと比較して、取扱いも簡単で、液の寿命も長
い。本発明に使用する物質として、次のような物が挙げ
られる。2、2、2−トリフルオロエチルトリアミノシ
ラン,3、3、3−トリフルオロプロピルトリアミノシ
ラン,2、2、2、3、3、3−へキサフルオロトリア
ミノシラン,4、4、4−トリフルオロブチルトリアミ
ノシラン,2−(パーフルオロエチル)エチルトリアミ
ノシラン,5、5、5−トリフルオロペンチルトリアミ
ノシラン,3−(パーフルオロエチル)プロピルトリア
ミノシラン。2−(パーフルオロプロピル)エチルトリ
アミノシラン,(パーフルオロプロピルメチル)トリア
ミノシラン,(パーフルオロブチルメチル)トリアミノ
シラン,6、6、6−トリフルオロへキシルトリアミノ
シラン,4−(パーフルオロエチル)ブチルトリアミノ
シラン,3−(パーフルオロプロピル)プロピルトリア
ミノシラン,4−(パーフルオロブチル)エチルトリア
ミノシラン,5−(パーフルオロペンチル)メチルトリ
アミノシラン,7、7、7−トリフルオロへブチルトリ
アミノシラン,5−(パーフルオロエチル)ペンチルト
リアミノシラン,4−(パーフルオロプロピル)ブチル
トリアミノシラン。3−(パーフルオロブチル)プロピ
ルトリアミノシラン,2−(パーフルオロぺンチル)エ
チルトリアミノシラン,(パーフルオロへキシルメチ
ル)トリアミノシラン,8、8、8−トリフルオロオク
チルトリアミノシラン,6−(パーフルオロエチル)へ
キシルトリアミノシラン,5−(バーフルオロプロピ
ル)ペンチルトリアミノシラン,4−(パーフルオロブ
チル)ブチルトリアミノシラノ,3−(パーフルオロペ
ンチル)ブチルトリアミノシラン,2−(パーフルオロ
へキシル)エチルトリアミノシラン,(パールオロへブ
チルメチル)トリアミノシラン,9、9、9−トリフル
オロノニルトリアミノシラン,7−(パーフルオロエチ
ル)へプチルトリアミノシラン,6−(パーフルオロプ
ロピル)へキシルトリアミノシラン,5−(パーフルオ
ロブチル)ヘ゜ンチルトリアミノシラン,4−(パーフル
オロペンチル)ブチルトリアミノシラン,3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピルトリアミノシラン,2−(パ
ーフルオロへプチル)エチルトリアミノシラン,(パー
フルオロオクチルメチル)トリアミノシラン,10、1
0、10−トリフリオロデシルトリアミノシラン,8−
(パーフルオロエチル)オクチルトリアミノシラン,7
−(パーフルオロプロピル)へプチルトリアミノシラ
ン,6−(パーフルオロブチル)へキシルトリアミノシ
ラン,5−(パーフルオロペンチル)ペンチルトリアミ
ノシラン,4−(パーフルオロへキシル)ブチルトリア
ミノシラン,3−(パーフルオロへプチル)プロピルト
リアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル
トリアミノシラン,(パーフルオロノニルメチル)トリ
アミノシラン,11、11、11−トリフルオロウンデ
シルトリアミノシラン,9−(パーフルオロエチル)ノ
ニルトリアミノシラン,8−(パーフルオロプロピル)
オクチルトリアミノシラン,7−(パーフルオロブチ
ル)へプチルトリアミノシラン,6−(パーフルオロペ
ンチル)へキシルトリアミノシラン,5−(パーフルオ
ロへキシル)ペンチルトリアミノシラン,4−(パーフ
ルオロへプチル)ブチルトリアミノシラン,3−(パー
フルオロオクチル)プロピルトリアミノシラン,2−
(パーフルオロノニル)エチルトリアミノシラン。(パ
ーフルオロデシルメチル)トリアミノシラン,12、1
2、12−トリフルオロドデシルトリアミノシラン,1
0−(パーフルオロエチル)デシルトリアミノシラン,
9−(パーフルオロプロピル)ノニルトリアミノシラ
ン,8−(パーフルオロブチル)オクチルトリアミノシ
ラン,7−(パーフルオロペンチル)へプチルトリアミ
ノシラン,6−(パーフルオロへキシル)へキシルトリ
アミノシラン,5−(パーフルオロへプチル)ペンチル
トリアミノシラン,4−(パープルオロオクチル)ブチ
ルトリアミノシラン,3−(パーフルオロノニル)プロ
ピルトリアミノシラン,2−(パーフルオロデシル)エ
チルトリアミノシラン,(パーフルオロウンデシルメチ
ル)トリアミノシラン,13、13、13、−トリフル
オロトリデシルトリアミノシラン,11−(パーフルオ
ロエチル)ウンデシルトリアミノシラン,10−(パー
フルオロプロピル)デシルトリアミノンラン,9−(パ
ーフルオロブチル)ノニルトリアミノシラン,8−(パ
ーフルオロペンチル)オクチルトリアミノシラン、7−
(パーフルオロへキシル)へプチルトリアミノシラン,
6−(パーフルオロへプチル)へキシルトリアミノシラ
ン,5−(パーフルオロオクチル)ペンチルトリアミノ
シラン,4−(パーフルオロノニル)ブチルトリアミノ
シラン,3−(パーフルオロデシル)プロピルトリアミ
ノシラン,2−(パーフルオロウンデシル)エチルトリ
アミノシラン,(パーフルオロドデシルメチル)トリア
ミノシラン,ビス(2、2、2−トリフルオロエチル)
ジアミノシラン,ビス(3、3、3−トリフルオロプロ
ピル)ジアミノシラン。ビス(2、2、2、3、3、3
−へキサフルオロ)ジアミノシラン,ビス(4、4、4
−トリフリオロブチル)ジアミノシラン,ビス(2−
(パーフルオロエチル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(5、5、5−トリフルオロペンチル)ジアミノシラ
ン,ビス(3−(パーフルオロエチル)プロピル)ジア
ミノシラン,ビス(2−(パーフルオロプロピル)エチ
ル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロプロピルメチ
ル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロブチルメチ
ル)ジアミノシラン,ビス(6、6、6−トリフルオロ
へキシル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロ
エチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフ
ルオロプロピル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(4
−(パーフルオロブチル)エチル)ジアミノシラン,ビ
ス(5−(パーフルオロペンチル)メチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7、7、7−トリフルオロへプチル)ジア
ミノシラン,ビス(5−(パーフルオロエチル)ペンチ
ル)ジアミノシラン。ビス(4−(パーフルオロプロピ
ル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフルオ
ロブチル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2−(パ
ーフルオロペンチル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(パーフルオロへキシルメチル)ジアミノシラン,ビス
(8、8、8−トリフルオロオクチル)ジアミノシラ
ン,ビス(6−(パーフルオロエチル)へキシル)ジア
ミノシラン,ビス(5−(パーフルオロプロピル)ペン
チル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロブチ
ル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフルオ
ロペンチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(2−(パ
ーフルオロへキシル)エチル)ジアミノシラン,ビス
(パールオロへプチルメチル)ジアミノシラン,ビス
(9、9、9−トリフルオロノニル)ジアミノシラン,
ビス(7−(パフルオロエチル)へプチル)ジアミノシ
ラン,ビス(6−(パーフルオロプロピル)へキシル)
ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロブチル)ペ
ンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロペ
ンチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2
−(パーフルオロへプチル)エチル)ジアミノシラン,
ビス(パーフルオロオクチルメチル)ジアミノシラン,
ビス(10、10、10−トリフリオロデシル)ジアミ
ノシラン,ビス(8−(パーフルオロエチル)オクチ
ル)ジアミノシラン,ビス(7−(パーフルオロプロピ
ル)へプチル)ジアミノシラン,ビス(6−(パーフル
オロブチル)へキシル)ジアミノシラン,ビス(5−
(パーフルオロペンチル)ペンチル)ジアミノシラン,
ビス(4−(パーフルオロへキシル)ブチル)ジアミノ
シラン,ビス(3−(パーフルオロへプチル)プロピ
ル)ジアミノシラン,ビス(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル)ジアミノシラン,ビス(パーフルオロノニ
ルメチル)ジアミノシラン,ビス(11、11、11−
トリフルオロウンデシル)ジアミノシラン,ビス(9−
(パーフルオロエチル)ノニル)ジアミノシラン,ビス
(8−(パーフルオロプロピル)オクチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7−(パーフルオロブチル)ヘプチル)ジ
アノシラン,ビス(6−(パーフルオロペンチル)ヘキ
シル)ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロヘキ
シル)ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフ
ルオロへプチル)ブチルジアミノシラン,ビス(3−
(パーフルオロオクチル)プロピル)ジアミノシラン,
ビス(2−(パーフルオロノニル)エチル)ジアミノシ
ラン,ビス(パーフルオルデシル)メチル)ジアミノシ
ラン,ビス(12,12,12−トリフルオロドデシ
ル)ジアミノシラン,ビス(10−(パーフルオロメチ
ル)デシル)ジアミノシラン,ビス(9−(パーフルオ
ロプロピル)ノニル)ジアミノシラン,ビス(8−(パ
ーフルオロブチル)オクチル)ジアミノシラン,ビス
(7−(パーフルオロペンチル)ヘプチル)ジアミノシ
ラン,ビス(6−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル)
ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロヘプチル)
ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パーフルオロ
オクチル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3−(パー
フルオロノニル)プロピル)ジアミノシラン,ビス(2
−(パーフルオロデシル)エチル)ジアミノンラン,ビ
ス(パーフルオロウンデシルメチル)ジアミノシラン,
ビス(13、13、13、−トリフルオロトリデシル)
ジアミノシラン,ビス(11−(パーフルオロエチル)
ウンデシル)ジアミノシラン,ビス(10−(パーフル
オロプロピル)デシル)ジアミノシラン,ビス(9−
(パーフルオロブチル)ノニル)ジアミノシラン,ビス
(8−(パーフルオロペンチル)オクチル)ジアミノシ
ラン,ビス(7−(パーフルオロへキシル)へプチル)
ジアミノシラン,ビス(6−(パーフルオロへプチル)
へキシル)ジアミノシラン,ビス(5−(パーフルオロ
オクチル)ペンチル)ジアミノシラン,ビス(4−(パ
ーフルオロノニル)ブチル)ジアミノシラン,ビス(3
−(パーフルオロデシル)プロビル)ジアミノシラン,
ビス(2−(パーフルオロウンデシル)エチル)ジアミ
ノシラン,ビス(パーフルオロウンデシルメチル)ジア
ミノシラン,トリス(2、2、2−トリフリオロエチ
ル)アミノシラン,トリス(3、3、3−トリフルオロ
プロピル)アミノシラン、トリス(2、2、2、3、
3、3−へキサフルオロ)アミノシラン,トリス(4、
4、4−トリフルオロブチル)アミノシラン,トリス
(2−(パーフルオロエチル)エチル)アミノシラン,
トリス(5、5、5−トリフルオロペンチル)アミノシ
ラン,トリス(3−(パーフルオロエチル)プロピル)
アミノシラン,トリス(2−(パーフルオロプロピル)
エチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロプロピル
メチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロブチルメ
チル)アミノシラン,トリス(6、6、6−トリフルオ
ロへキシル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオ
ロエチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−パーフ
ルオロプロピル)プロピル)アミノシラン,トリス(4
−(パーフルオロブチル)エチル)アミノシラン,トリ
ス(5−(パーフルオロぺンチル)メチル)アミノシラ
ン,トリス(7、7、7−トリフルオロへプチル)アミ
ノシラン,トリス(5−(パーフルオロエチル)ペンチ
ル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロプロピ
ル)ブチルアミノシラン,トリス(3−(パーフルオロ
ブチル)プロピル)アミノシラン,トリス(2−(パー
フルオロペンチル)エチル)アミノシラン,トリス(パ
ーフルオロへキシルメチル)アミノシラン,トリス
(8、8、8−トリフルオロオクチル)アミノシラン,
トリス(6−(パーフルオロエチル)へキシル)アミノ
シラン,トリス(5−(パーフルオロプロピル)ペンチ
ル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロブチ
ル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−(パーフルオ
ロペンチル)ブチル)アミノシラン,トリス(2−(パ
ーフルオロへキシル)エチルアミノシラン,トリス(パ
ールオロへプチルメチル)アミノシラン,トリス(9、
9、9−トリフルオロノニル)アミノシラン,トリス
(7−(パーフルオロエチル)へプチル)アミノシラ
ン。トリス(6−(パーフルオロプロピル)へキシル)
アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロブチル)ペ
ンチル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロペ
ンチル)ブチル)アミノシラン、トリス(3−(パーフ
ルオロへキシル)プロピル)アミノシラン,トリス(2
−(パーフルオロへプチル)エチル)アミノシラン,ト
リス(パーフルオロオクチルメチル)トリアミノシラ
ン,トリス(10、10、10−トリフルオロデシル)
アミノシラン。トリス(8−(パーフルオロエチル)オ
クチル)アミノシラン,トリス(7−(パーフルオロプ
ロピル)へプチル)アミノシラン,トリス(6−(パー
フルオロブチル)へキシル)アミノシラン,トリス(5
−(パーフルオロペンチル)ペンチル)アミノシラン,
トリス(4−(パーフルオロへキシル)ブチル)アミノ
シラン,トリス(3−(パーフルオロへプチル)プロピ
ル)アミノシラン,トリス(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル)アミノシラン,トリス(パーフルオロノニ
ルメチル)アミノシラン,トリス(11、11、11−
トリフルオロウンデシル)アミノシラン,トリス(9−
(パーフルオロエチル)ノニル)アミノシラン,トリス
(8−(パーフルオロプロピル)オクチル)アミノシラ
ン、トリス(7−(パーフルオロブチル)へプチル)ア
ミノシラン,トリス(6−(パーフルオロペンチル)へ
キシル)アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロへ
キシル)ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パー
フルオロへプチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3
−(パーフルオロオクチル)プロビル)アミノシラン,
トリス(2−(パーフルオロノニル)エチル)アミノシ
ラン,トリス(パーフルオロデシルメチル)アミノシラ
ン,トリス(12、12、12−トリフルオロドデシ
ル)アミノシラン,トリス(10−(パーフルオロエチ
ル)デシル)アミノシラン,トリス(9−(パーフルオ
ロプロピル)ノニル)アミノシラン,トリス(8−(パ
ーフルオロブチル)オクチル)アミノシラン,トリス
(7−(パーフルオロペンチル)へプチル)アミノシラ
ン,トリス(6−(パーフルオロへキシル)へキシル)
アミノシラン,トリス(5−(ハーフルオロヘプチル)
ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パーフルオロ
オクチル)ブチル)アミノシラン,トリス(3−(パー
フルオロノニル)プロピル)アミノシラン,トリス(2
−(パーフルオロデシル)エチル)アミノシラン,トリ
ス(パーフルオロウンデシルメチル)アミノシラン,ト
リス(13、13、13、−トリフルオロトリデシン)
アミノシラン,トリス(11−(パーフルオロエチル)
ウンデシル)アミノシラン,トリス(10−(パーフル
オロプロピル)デシル)アミノシラン,トリス(9−
(パーフルオロブチル)ノニル)アミノシラン,トリス
(8−(パーフルオロペンチル)オクチル)アミノシラ
ン,トリス(7−(パーフルオロヘキシル)ヘプチル)
アミノシラン,トリス(6−(パーフルオロヘプチル)
ヘキシル)アミノシラン,トリス(5−(パーフルオロ
オクチル)ペンチル)アミノシラン,トリス(4−(パ
ーフルオロノニル)ブチル)アミノシラン,トリス(3
−(パーフルオロデシル)ブロピル)アミノシラン,ト
リス(2−(パーフルオロウンデシル)エチル)アミノ
シラン,トリス(パーフルオロドデシルメチル)アミノ
シラン,2−(パーフルオロへブチル)エチルジアミノ
シラン,2−(パーフルオロへブチル)エチル−メチル
−ジアミノシラン,2−(パーフルオロへブチル)エチ
ル−ブロピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロへ
ブチル)エチル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パー
フルオロへブチル)エチル−ペンチル−ジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロへブチル)エチル−へキシル−
ジアミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプチ
ル)エチル)−アミノシラン,ビス−(2−(パーフル
オロへプチル)エチル−メチル−アミノシラン,ビス−
(2−(パーフルオロへプチル)エチル)−エチル−ア
ミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプチル)エ
チル)−ブチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフ
ルオロへプチル)エチル)−プロピル−アミノシラン,
ビス−(2−(パーフルオロへプチル)エチル)−ペン
チル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロへプ
チル)エチル−へキシル−アミノシラン,2−(パーフ
ルオロへプチル)エチルジメチルアミノシラン,2−
(パーフルオロへプチル)エチルメチルエチルアミノシ
ラン,2−(パーフルオロへプチル)エチルメチルプロ
ピルアミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチ
ルジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロへプチ
ル)エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パーフ
ルオロへプチル)エチルジプロピルアミノシラン,2−
(パーフルオロへプチル)エチル−メチルアミノ−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチル−ビ
ス(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオ
ロへプチル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,
2−(パフルオロへプチル)エチル−エチルアミノ−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロへプチル)エチル−
ビス(エチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフル
オロへプチル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチルジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−メチル−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−
プロピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パーフル
オロオクチル)エチル−ペンチル−ジアミノシラン。2
−(パーフルオロオクチル)エチル−へキシル−ジアミ
ノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル)−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオク
チル)エチル−メチル−アミノシラン,ビス−(2−
(パーフルオロオクチル)エチル)−エチル−アミノシ
ラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチル)エチル)
−ブチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロ
オクチル)エチル)−プロピル−アミノシラン,ビス−
(2−(パーフルオロオクチル)エチル)−ぺンチル−
アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチル−へキシル−アミノシラン,2−(パーフル
オロオタチル)エチルジメチルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロオクチル)エチルメチルエチルアミノシラ
ン,2−(パーフルオロオクチル)エチルメチルプロピ
ルアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル
ジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)
エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パーフルオ
ロオクチル)エチルジプロピルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロオクチル)エチル−メチルアミノ−ジアミノ
シラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−ビス
(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオロ
オクチル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,2
−(パーフルオロオクチル)エチル−エチルアミノ−ジ
アミノシラン,2−(パーフルオロオクチル)エチル−
ビス(エチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフル
オロオクチル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラ
ン,2−(パーフルオロノニル)エチルジアミノシラ
ン,2−(パーフルオロノニル)エチル−メチル−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−プロ
ピル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エ
チル−ブチル−ジアミノシラン,2−(パーフルオロノ
ニル)エチル−ペンチル−ジアミノシラン,2−(パー
フルオロノニル)エチル−へキシル−ジアミノシラン,
ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル)−アミノ
シラン,ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル−
メチル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロノ
ニル)エチル)−エチル−アミノシラン,ビス−(2−
(パーフルオロノニル)エチル)−ブチル−アミノシラ
ン,ビス−(2−(パーフルオロノニル)エチル)−プ
ロピル−アミノシラン,ビス−(2−(パーフルオロノ
ニル)エチル)−ペンチル−アミノシラン,ビス−(2
−(パーフルオロノニル)エチル−へキシル−アミノシ
ラン,2−(パーフルオロノニル)エチルジメチルアミ
ノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチルメチルエ
チルアミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル
メチルプロピルアミノシラン,2−(パーフルオロノニ
ル)エチルジエチルアミノシラン,2−(パーフルオロ
ノニル)エチルエチルプロピルアミノシラン,2−(パ
ーフルオロノニル)エチルジプロピルアミノシラン,2
−(パーフルオロノニル)エチル−メチルアミノ−ジア
ミノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−ビス
(メチルアミノ)−アミノシラン,2−(パーフルオロ
ノニル)エチル−トリス(メチルアミノ)シラン,2−
(パーフルオロノニル)エチル−エチルアミノ−ジアミ
ノシラン,2−(パーフルオロノニル)エチル−ビス
(エチルアミノ)−アミノシラン。2−(パーフルオロ
ノニル)エチル−トリス(エチルアミノ)シラン。本発
明では、これらに限定されるのではなく、特許請求の範
囲に示される一般式のものであれば、本発明の目的を、
達成できることは言うまでもない。また、本発明におい
て、オリゴマー、ポリマーとは、
【0008】
【化3】
【0009】で示される反応基同士が反応して形成され
るオリゴマー、ポリマーを指す。これには、脱アンモニ
アによって形成されるシラザン化合物も含まれる。従っ
て、使用するシラン化合物同士が無機コート膜との反応
前、もしくは反応後結合し、ボリマー化することがあり
えるが、本発明の目的とするところの重合度を得るよう
に調整すればなんら問題はない。また、目的に応じて、
1種以上のシラン化合物を混合して用いてもよい。シラ
ン化合物を無機コート膜に反応あるいは吸着させるに
は、DiP法、スピンナー法、スプレー法等により表面
に塗布し、反応、吸着させる方法を用いることが出来る
が、塗布膜厚を調整するためにシラン化合物を希釈する
ための溶媒が必要となる。また、表面との反応に寄与し
なかったシラン化合物を洗浄するための溶媒も必要であ
る。水酸基を有する水系、アルコール系の溶媒は、溶媒
とシラン化合物が反応したり、溶解性、洗浄性が悪いた
め、使用することが困難である。そのため、今までは人
体に有害な溶媒、環境に有害な溶媒(例えばフロン)を
使用することが一般的であった。フロンに関してはオゾ
ン層破壊物質として世界的に全廃の動きがあり、環境保
護の面からも使用を避ける事が望ましい。また、Dip
法、スピンナー法、スプレー法の場合、真空中で形成し
た無機コート膜を、真空槽内から取り出して新たな工程
を増やす必要があり、洗浄工程も付設しなければならず
効率的とは言えない。従って、反応方法としては、真空
雰囲気中あるいは大気中でシラン化合物のガスを無機コ
ート膜と反応させる方法などを用いることが望ましい。
Dip法などの場合、塗布中の雰囲気、例えば、湿度、
温度を最適にコントロールすることにより、反応速度が
制御でき、また浸漬時間、液温、シラン化合物の濃度を
調節することにより所望の処理膜を得ることができる。
さらに、塗布後、コート膜の特性に影響を与えない程度
の加熱や光照射を行うことにより反応を促進すればより
効果的である。気体のシラン化合物で処理する場合、真
空槽内で無機コート膜を形成中、あるいは形成後にシラ
ン化合物のガスを導入し、反応させてもよい。また、ア
ルゴンや酸素等のプラズマ雰囲気中にシラン化合物のガ
スを導入し、反応性蒸着、反応性イオンプレーティング
等を行うことも可能である。シラン化合物と無機コート
膜との反応性を高めるために前処理して、無機コート膜
表面を、洗浄、薬品処理、プラズマ処理することはより
効果的である。反応に用いるシラン化合物は、単体もし
くは混合で用いてもよく、溶媒で希釈したり、酸や塩基
で前処理して使用することも可能である。反応が終了
後、大気中の水分子と反応したシラン化合物、コート膜
表面付近との反応、吸着に寄与できなかったシラン化合
物を洗浄により洗い流すことにより、処理前の反射防止
特性などの外観が変わらない処理を行うことができる。
いままで述べた処理は、二酸化珪素を主として含む無機
コート膜表面に可能である。
【0010】
【作用】無機コート膜、たとえば、二酸化珪素膜などで
は、その表面に極性の大きな−OH基が露出しており、
これが水滴中に含まれる不純物を吸着し易いため、ヤケ
が起こると説明できる。従って、無機コート膜表面を極
性の小さな、あるいは撥水性の基で置換することによ
り、ヤケの防止ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0012】〔実施例1〕ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)製樹脂からなる合成樹脂製レン
ズを、アセトンで洗浄し、室温で5分間、5%水酸化ナ
トリウム水溶液を用いて表面処理を行い、以下に述べる
コーティング液をディッピング法により、液温5℃、引
き上げ速度40cm/minの条件で塗布した。次に熱
風乾燥炉中で80℃で30分、130℃で2時間加熱硬
化させた。コーティング液は次の様にして作成した。撹
拌装置を備えた反応容器中にエタノール206部、エタ
ノール分散コロイダルシリカ396部(触媒化成工業株
式会杜製“オスカル1232”固形分30%)、γーグ
リシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解
物312部、フローコントロール剤0.2部(日本ユニ
カー(株)製“Lー7604”)及び0.05N酢酸水
溶液86部を加え、室温で3時間撹拌をし、コーティン
グ液とした。上記のようにして得られたレンズを真空槽
内にセットし、真空蒸着法により、基板温度50℃で、
樹脂表面に反射防止処理を行なった。膜構成はレンズ側
から、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の
合成膜厚がλ/4、ZrO層がλ/4、最上層のSi
層がλ/4とした(ここでλ=520nm)。次
にこのレンズをアセトンで洗浄し、十分乾燥させた後、
液温20℃の2−(パーフルオロオクチル)エチルトリ
アミノシラン、を1wt%含む1、1、2−トリクロロ
−1、2、2−トリフルオロエタン溶液に5分間浸漬し
た。浸漬後、相対湿度50%、温度50℃雰囲気中に取
り出し、10分間放置した。その後、1、1、2−トリ
クロロ−1、2、2−トリフルオロエタンにより洗浄を
行なった。洗浄後のレンズの外観、反射防止の特性に大
きな変化はみられなかった。
【0013】得られたコート膜の評価方法は以下に示す
方法を用いた。 ヤケ性:水道水をコート膜表面にたらし乾燥させた
のち、布で残留物を拭き取った。残留物が残ればC、完
全に拭きとれればA、一部残ればBと評価した。 接触角:接触角計(協和科学株式会社製CA−D)
を用いて液滴法(純水)により測定した。 温水試験:80℃の温度に5時間浸漬後と同様に
ヤケ性の試験を行なった。
【0014】〔実施例2〕ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)製樹脂からなる合成樹脂製レン
ズをアセトンで洗浄し、その後、真空蒸着法により基板
温度50℃で、樹脂表面に反射防止処理を行なった。反
射防止処理は実施例1と同様の処理を行ない、処理後イ
ソプロビルアルコールで洗浄を行なった。次にこのレン
ズを実施例1で用いた処理液で実施例1と同橡に処理し
た。洗浄後のレンズの外観、反射防止の特性に大きな変
化はみられなかった。
【0015】〔実施例3〕実施例1で用いた反射防止層
の最上層である二酸化珪素層を、次のようにして形成し
た。電子銃を用いて、二酸化珪素を溶解しながら、アル
ゴンとビス(パーフルオロプロピルメチル)ジアミノシ
ランを9:1に混合した気体を真空度が0.01Tor
rになるよう、真空槽内に導入し、13.56MHZ
高周波電場により、雰囲気をプラズマ化した。基板には
300V直流電圧を印加し、高周波出力300Wで反応
性イオンプレーティングを行ないながら二酸化珪素層を
形成した。
【0016】〔実施例4〕実施例1で得られたレンズ
に、実施例1と同様に反射防止処理を行ない、その後、
ビス−(2−パーフルオロへプチル)エチル)−ブチル
−アミノシランを5wt%含む1、1、2、−トリクロ
ロ−1、2、2−トリフルオロエタン溶液に1分間浸漬
した。浸漬後、相対湿度70%、温度60℃雰囲気中に
取り出し、5分間放置した。放置後テトラヒドロフラン
により洗浄を行なった。洗浄後の外観は処理前とほとん
ど変化がなかった。
【0017】〔実施例5〕実施例1と同様に反射防止膜
を形成したレンズを、引き続き真空槽内で基板温度を5
0℃に保持した状態で、アルゴンと2−(パーフルオロ
ノニル)エチル−ブチル−ジアミノシランの比を5対1
に混合した気体を、毎分25ccの速度で2分間真空槽
内に導入し表面を処理した。
【0018】〔比較例1〕実施例1で用いた処理前の反
射防止膜付レンズを液温15℃のジメチルジクロロシラ
ン98%溶液に、1分間浸漬した。浸漬後、湿度60
%、温度25℃の雰囲気中で、10cm/秒の速度でレ
ンズを引き上げた。引き上げ後、トリクロロエチレンに
より洗浄を行なった。
【0019】〔比較例2〕実施例1で用いた処理前の反
射防止膜付レンズを、ジメチルジエトキシシラン50g
とイソプロピルアルコール450g、及び0.05N塩
酸20gを混合した液温10℃の溶液に3分間浸漬し
た。浸漬後、湿度75%、温度50℃の雰囲気中で15
分間放置し、その後アセトンにより洗浄を行なった。
【0020】〔比較例3〕実施例1で得られたシラン化
合物による処理を行う前の反射防止膜付きの合成樹脂製
レンズを比較例3とした。
【0021】上記実施例1〜5、比較例1〜3の評価結
果をまとめて表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】無機コート膜表面に、水に対する静止接
触角が101度以上の撥水性を持たせたことにより、表
面エネルギーが低下し、水及び水中の不純物との親和性
が低下し、ヤケ現象を防止することができた。さらに表
面エネルギー低下に伴い、人体から分泌される汗、脂肪
又は食用油等の有機物による汚れも、ティッシュペーパ
ー等で拭くだけで簡単に取り除くことができた。また本
発明で用いる物質は、他の表面処理剤と比較して低温で
の反応性も十分で、表面処理の持続性も良いことが判っ
た。さらに、気体のシラン化合物を反応させる方法を用
いると溶剤(例えばフロン)を使用する必要がなくな
り、地球に優しい処理が可能となる。
【0024】本発明は、合成樹脂製眼鏡レンズ、精密機
器用光学レンズ、表示パネル、時計用カバーガラス、窓
ガラス等、無機コート膜を使用した製品に広く適用でき
る方法であり、その用途はさらに拡大されるであろう。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上方に設けられた最表層が主として二
    酸化珪素からなる単層または多層の無機コート膜に、下
    記(1)式で示されるシラン化合物あるいはそのオリゴ
    マー、もしくはポリマーを少なくとも1種以上含む組成
    物を反応あるいは吸着させ、かつ下記(1)式で示され
    るシラン化合物あるいはそのオリゴマー、もしくはポリ
    マーを少なくとも1種以上含む組成物を反応あるいは吸
    着させた前記無機コート膜の表面の水に対する静止接触
    角が101度以上であることを特徴とする無機コート膜
    を有する光学物品。
  2. 【請求項2】前記無機コート膜は、合成樹脂製レンズ、
    またはハードコート層を有する合成樹脂製レンズ上に形
    成された反射防止膜であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の無機コート膜を有する光学物品。
  3. 【請求項3】基板上方に最表層が主として二酸化珪素か
    らなる単層または多層の無機コート膜を設ける工程、前
    記無機コート膜に、下記(1)式で示されるシラン化合
    物あるいはそのオリゴマー、もしくはポリマーを少なく
    とも1種以上含む組成物からなる膜を反応あるいは吸着
    させる工程を有し、下記(1)式で示されるシラン化合
    物あるいはそのオリゴマー、もしくはポリマーを少なく
    とも1種以上含む組成物を塗布した前記無機コート膜の
    表面の水に対する静止接触角を101度以上とすること
    を特徴とする無機コート膜を有する光学物品の製造方
    法。 【化1】 (ここでR1 はフッ素を含む有機基、R2 、R3 、R4
    は水素または有機基、a、b、cはそれぞれ次の範囲で
    ある。1≦a≦3、0≦b≦2、1≦c≦3)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017522172A (ja) * 2014-05-20 2017-08-10 サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) 超疎水性または超親水性表面の新規製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017522172A (ja) * 2014-05-20 2017-08-10 サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) 超疎水性または超親水性表面の新規製造方法

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