JPH0931088A - Wb968物質群およびその製造法 - Google Patents

Wb968物質群およびその製造法

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JPH0931088A
JPH0931088A JP7179878A JP17987895A JPH0931088A JP H0931088 A JPH0931088 A JP H0931088A JP 7179878 A JP7179878 A JP 7179878A JP 17987895 A JP17987895 A JP 17987895A JP H0931088 A JPH0931088 A JP H0931088A
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reaction
substance
replaceable
methanol
amino acid
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JP7179878A
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English (en)
Inventor
Tomomi Higaki
知臣 檜垣
Koji Nagao
康次 長尾
Satoshi Isogo
智 五十子
Munekazu Kanda
宗和 神田
Kunio Fujita
国雄 藤田
Michio Yamashita
道雄 山下
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、生理活性を有し、医療の分野で使
用される新規化合物のWB968物質群を提供する。 【解決手段】 抗菌および抗腫瘍活性を有するWB96
8物質群(FR183737物質、FR183739物
質、FR183742物質、FR183743物質)、
それらの製造法およびそれらを含有する医薬組成物に関
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】この発明は、生物活性を有
する新規化合物、詳しくはFR183737物質、FR
183739物質、FR183742物質およびFR1
83743物質(以下WB968物質群と呼ぶ)に関す
る。より詳しくは、この発明は、抗菌活性および抗腫瘍
活性を有する生物学的に活性な新規WB968物質群、
それらの製造法およびそれらを含有してなる医薬組成物
に関する。
【0002】
【発明の構成】この発明のWB968物質群は、クロモ
バクテリウム・ヴィオラセウム(Chromobact
erium violaceum)WB968などのク
ロモバクテリウム属に属するWB968物質群生産菌を
栄養培地中で発酵させることによって製造できる。
【0003】この発酵プロセスを以下詳細に説明する。 (1)微生物 WB968物質群の製造に用いる微生物の詳細を以下に
説明する。
【0004】WB968株に関する分類学的研究:WB
968株は、山形県で採集された土壌試料から単離され
た。この分類学的研究には、主として、バ−ジ−ズ・マ
ニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ−
(第1巻)に記載されている諸方法を採用した。
【0005】(i)形態特性 WB968株の形態観察を、栄養培地および寒天を用い
て30℃で20時間培養した細胞について、光学顕微鏡
および電子顕微鏡の下で行った。WB968株は、グラ
ム陰性の運動性細菌であった。細胞の形態は桿菌であ
り、大きさは約0.5〜0.6×1.2〜1.8μmで
あった。結果を第1表に示す。
【0006】第1表 WB968株の形態特性
【0007】(ii)生理学的特性 WB968株の生理学的特性を第2表にまとめた。成育
温度域は15〜40℃であった。WB968株は、オキ
シダ−ゼ陽性、カタラ−ゼ陽性で、O−Fテストは発酵
性を示した。カゼインは加水分解され、エスクリン加水
分解は陰性であった。グルコ−ス、フルクト−スおよび
トレハロ−スは発酵させられた。インド−ルテストは陰
性であった。フォ−ゲス・プレスカウエルテストは陰性
であった。β−ガラクトシダ−ゼテスト(ONPGテス
ト)も陰性であった。
【0008】第2表 WB968株の生理学的特性
【0009】(iii)同定 バ−ジ−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・バ
クテリオロジ−(第1巻)に従い、上記の諸特性から、
WB968株はクロモバクテリウム・ヴィオラセウム
(Chromobacterium violaceu
m)であると同定された。クロモバクテリウム・ヴィオ
ラセウムWB968の培養物が、ブタペスト条約に基い
て、1988年7月20日付で、工業技術院生命工学工
業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1−3)に寄託
されている(寄託番号FERM BP−1968)。な
お、WB968株が該機関に寄託された時点では、該株
はアエロモナス属菌(Aeromonas sp.)で
あると同定されていたが、現在では、該株は前記の通り
同定されている。
【0010】(2)WB968物質群の製造 この発明のWB968物質群は、クロモバクテリウム属
に属するWB968物質群生産菌(例えばクロモバクテ
リウム・ヴィオラセウムWB968)を、同化性炭素源
および同化性窒素源を含有する栄養培地中で、好気的条
件下に(例えば振盪培養、液内培養など)培養すると
き、生産される。
【0011】該栄養培地中の好ましい炭素源は、グルコ
−ス、でんぷん、フルクト−ス、グリセリンなどの炭水
化物である。好ましい窒素源は、ブイヨン、酵母エキ
ス、ペプトン、グルテン粉、綿実粉、大豆粉、コ−ン・
スティ−プ・リカ−、乾燥酵母、小麦麦芽など、並びに
アンモニウム塩類(例えば硝酸アンモニウム、硫酸アン
モニウム、燐酸アンモニウムなど)、尿素、アミノ酸類
などの無機および有機窒素化合物である。炭素源および
窒素源は、組合わせて用いるのが有利であるが、純粋な
形で使用する必要はない。微量の成長因子および相当量
の無機栄養素を含有する純度の高くない材料も使用に適
しているからである。
【0012】所望により、炭酸ナトリウムもしくは炭酸
カルシウム、燐酸ナトリウムもしくは燐酸カリウム、塩
化ナトリウムもしくは塩化カリウム、沃化ナトリウムも
しくは沃化カリウム、マグネシウム塩類、銅塩類、コバ
ルト塩類などの無機塩類を培地に添加してもよい。必要
ならば、特に培地が著しく発泡するときは、流動パラフ
ィン、脂肪油、植物油、鉱油、シリコ−ンなどの消泡剤
を加えてもよい。他の生物活性物質の大量生産に好まし
く用いられる諸方法の場合と同様に、WB968物質群
の大量生産には、好気的液内培養条件が好ましい。小量
生産には、フラスコ中での振盪培養を用いる。
【0013】また、培養を大型タンク内で実施するとき
には、WB968物質群生産プロセスでの成育遅延を避
けるために、該細菌の増殖形細胞を用いて生産タンクへ
の接種を行うことが好ましい。従って、まず該細菌の細
胞を比較的小量の培地に接種し、該接種ずみ培地を培養
し、培養された増殖形細胞を大型タンクに移すことが望
ましい。増殖形細胞を生産するための培地は、WB96
8物質群の製造に用いる培地と実質的に同じであっても
異なっていてもよい。
【0014】培養混合物の攪拌および通気は種々の方法
で実施できる。攪拌は、プロペラなどの機械的攪拌装置
により、ファ−メンタ−の回転または振盪により、種々
のポンプ装置により、または減菌空気を培地に通じるこ
とによりもたらしうる。通気は、減菌空気を発酵混合物
に通じることによって実現できる。発酵は、通常、約1
0〜40℃の間の温度、好ましくは20〜35℃で、約
15〜20時間にわたって行う。発酵時間は、発酵条件
および規模に応じて変えればよい。
【0015】発酵完了後、培養液を、生物活性物質の回
収、精製のために慣用されている種々のプロセス、例え
ば適当な溶媒または何種類かの溶媒の混合物による溶媒
抽出、クロマトグラフィ−、適当な溶媒または何種類か
の溶媒の混合物からの再結晶などに付して、WB968
物質群を回収する。この発明によれば、一般にWB96
8物質群は主として細菌細胞内に存在する。従って、培
養液全体を直接、例えば熱湯、アセトン、酢酸エチル、
これらの溶媒の混合物などの適当な溶媒を用いての抽出
によるなどの、WB968物質群単離プロセスに付す。
【0016】抽出液を常法により処理して、WB968
物質群を得る。例えば、抽出液を蒸発または蒸留によっ
て小量に濃縮し、ここで得られた活性物質、すなわちW
B968物質群を含有する残留物を、慣用の精製プロセ
ス、例えばクロマトグラフィ−や適当な溶媒または何種
類かの溶媒の混合物からの再結晶によって、精製する。
【0017】WB968物質群の物理化学的性質 上記発酵プロセスに従って得られたWB968物質群は
次の物理化学的性質を有する。
【0018】(i)FR183737物質: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:181−187℃ 比旋光度:[α]D23=−7゜(c=1.0, CHC
3:MeOH=1:1) 分子式: C2642472 元素分析:C2642472として 計算値: C51.64; H 7.33; N 9.
26 (%) 実測値: C51.99; H 7.04; N 9.
23 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 587(M+H)+ HRFAB−MS: C2642472+Hとして 計算値:587.2573 実測値:587.2600 溶解性: 易溶:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶:メタノ−ル 不溶:水、n−ヘキサン
【0019】呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリッ
ヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中)
【0020】赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3
300, 3250, 2960,2930, 172
0, 1680, 1650, 1620, 153
0,1380, 1210, 1030, 980 c
-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
(5:1), 400MHz] δ:8.71(1H,br.s,交換可能),8.17
(1H,br.d,J=6Hz,交換可能),7.57
(1H,d,J=7Hz,交換可能),6.98(1
H,d,J=8Hz,交換可能),6.69(1H,
q,J=7Hz),5.72(1H,m),5.62
(1H,m),4.81(1H,br.d,J=8H
z,交換可能),4.74(1H,m),4.50−
4.40(2H,m),4.23−4.12(3H,
m),3.29(1H,dd,J=15,4Hz),
3.06−2.90(2H,m),2.77(1H,
m),2.65−2.57(2H,m),2.51−
2.43(2H,m),2.20(1H,m),2.1
0(1H,m),1.74(3H,d,J=7Hz),
1.29(3H,t,J=7Hz),0.99(6H,
d,J=7Hz),0.97(6H,d,J=7Hz)
ppm
【0021】13H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3
−CD3OD(5:1), 100MHz] δ:173.0(s),172.1(s),171.8
(s),169.3(s),164.4(s),13
3.2(d),131.6(d),128.8(s),
128.2(d),69.0(d),61.0(d),
59.3(d),57.7(d),55.0(d),4
1.9(t),39.9(t),39.3(t),3
1.1(t),30.8(t),30.2(d),1
8.7(q),18.5(q),17.9(q),1
7.7(q),13.7(q),12.9(q) pp
【0022】アミノ酸分析:FR183737物質(1
mg)を、封管中、6N塩酸(1mg)により110℃
で20時間加水分解した。この混合物を自動アミノ酸分
析計で分析した。FR183737物質のアミノ酸分析
の結果、バリンおよびアンモニアの存在(1:1)が判
明した。
【0023】(ii)FR183739物質: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:246−251℃ 比旋光度:[α]D23=−157゜(c=1.0, C
HCl3:MeOH=1:1) 分子式:C2436462 元素分析:C2436462として 計算値:C 53.31; H 6.71; N 1
0.36; S 11.86 (%) 実測値:C 53.24; H 6.75; N 1
0.05; S 11.49 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 541(M+H)+ HRFAB−MS:C2436462+Hとして 計算値:541.2155 実測値:541.2162 溶解性: 易溶:クロロホルム、アセトン 可溶:メタノ−ル、酢酸エチル 不溶:水、n−ヘキサン
【0024】呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリッ
ヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中)
【0025】赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3
400, 3300, 2970,2920, 171
0, 1680, 1650, 1520, 133
0,1270, 1160, 1050, 990 c
-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
(5:1), 400MHz] δ:8.85(1H,br.s,交換可能),7.62
(1H,d,J=8Hz,交換可能),7.41(1
H,d,J=8Hz,交換可能),7.32(1H,
d,J=7Hz,交換可能),6.28(1H,br.
q,J=7Hz),6.12(1H,m),5.65
(1H,br.d,J=15.5Hz),5.51(1
H,m),4.93(1H,m),4.36−4.31
(2H,m),3.71(1H,dd,J=15,3H
z),3.25−3.08(3H,m),2.94(1
H,m),2.65(1H,m),2.45(1H,
m),2.28(1H,m),2.15(1H,m),
1.95(1H,m),1.73(3H,d,J=7H
z),1.03(3H,d,J=7Hz),1.02
(3H,d,J=7Hz),1.01(3H,d,J=
7Hz),1.00(3H,d,J=7Hz) ppm
【0026】13H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3
−CD3OD(5:1), 100MHz] δ:173.0(s),171.3(s),169.8
(s),168.8(s),166.9(s),13
1.1(s),130.3(d),129.2(d),
124.9(d),71.1(d),60.0(d),
59.5(d),50.8(d),40.7(t),3
9.1(t),37.0(t),31.5(t),3
0.5(d),28.9(d),18.9(q),1
8.4(q),18.1(q),17.1(q),1
2.2(q) ppm
【0027】アミノ酸分析:FR183739物質(1
mg)を、封管中、6N塩酸(1mg)により110℃
で20時間加水分解した。この混合物を自動アミノ酸分
析計で分析した。FR183739物質のアミノ酸分析
の結果、バリンおよびアンモニアの存在(1:1)が判
明した。
【0028】(iii)FR183742物質: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:247−253℃ 比旋光度:[α]D23=+6゜(c=1.0, CHC
3:MeOH=1:1) 分子式:C2538462 元素分析:C2538462・1/2H2Oとして 計算値:C 53.27; H 6.97; N 9.
94 (%) 実測値:C 53.27; H 6.77; N 9.
84 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 555(M+H)+ HRFAB−MS:C2538462+Hとして 計算値:555.2311 実測値:555.2312 溶解性: 易溶:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶:メタノ−ル 不溶:水、n−ヘキサン
【0029】呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリッ
ヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中)
【0030】赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3
400, 3300, 2960,2920, 174
5, 1695, 1640, 1530, 135
0,1260, 1220, 1025, 980 c
-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
(5:1), 400MHz] δ:8.40(1H,br.s,交換可能),8.22
(1H,br.d,J=4Hz,交換可能),7.81
(1H,d,J=7Hz,交換可能),7.69(1
H,d,J=8Hz,交換可能),6.37(1H,
q,J=7Hz),5.77(1H,m),5.71−
5.64(2H,m),4.72(1H,m),4.5
8(1H,dd,J=8,4Hz),4.00(1H,
m),3.23−3.10(3H,m),3.01(1
H,m),2.82(1H,dd,J=14,1.5H
z),2.73−2.58(3H,m),2.24(1
H,m),2.09(1H,m),1.75(3H,
d,J=7Hz),1.59(1H,m),1.39
(1H,m),1.12(3H,d,J=7Hz),
1.11(3H,d,J=7Hz),0.99(3H,
d, J=7Hz),0.97(3H,t,J=7H
z) ppm
【0031】13H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3
−CD3OD(5:1), 100MHz] δ:172.2(s),171.4(s),168.8
(s),168.4(s),165.3(s),13
0.3(d),129.6 (s),129.5(d),129.2(d),70.
0(d),62.4(d),57.6(d),56.5
(d),38.1(d),37.8(t),37.5
(t),34.5(t),29.9(t),28.9
(d),25.5(t),18.9(q),18.8
(q),14.5(q),12.9(q),11.5
(q) ppm
【0032】アミノ酸分析:FR183742物質(1
mg)を、封管中、6N塩酸(1mg)により110℃
で20時間加水分解した。この混合物を自動アミノ酸分
析計で分析した。FR183742物質のアミノ酸分析
の結果、バリン、イソロイシンおよびアンモニアの存在
(1:1:1)が判明した。
【0033】(iv)FR183743物質: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:254−256℃ 比旋光度:[α]D23=−9゜(c=1.0, CHC
3:MeOH=1:1) 分子式:C2538462 元素分析:C2538462として 計算値:C 54.13; H 6.90; N 1
0.10; S 11.56 (%) 実測値:C 53.91; H 7.02; N 1
0.08; S 11.44 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 555(M+H)+ HRFAB−MS:C2538462+Hとして 計算値:555.2311 実測値:555.2323 溶解性: 易溶:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶:メタノ−ル 不溶:水、n−ヘキサン
【0034】呈色反応: 陽性:酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリッ
ヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中)
【0035】赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3
370, 3300, 2960,2930, 174
0, 1695, 1660, 1640, 152
0,1300, 1260, 1220, 980 c
-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
(5:1), 400MHz] δ:8.37(1H,br.s,交換可能),8.14
(1H,br.d,J=4Hz,交換可能),7.78
(1H,d,J=7Hz,交換可能),7.67(1
H,d,J=8Hz,交換可能),6.37(1H,
q,J=7Hz),5.77(1H,m),5.71−
5.63(2H,m),4.73(1H,m),4.5
3(1H,dd,J=8,4Hz),4.19(1H,
m),3.22−3.08(3H,m),2.98(1
H,m),2.83(1H,dd,J=14,1.5H
z),2.71−2.56(3H,m),2.39(1
H,m),2.07(1H,m),1.75(3H,
d,J=7Hz),1.54(1H,m),1.39
(1H,m),1.09(3H,d,J=7Hz),
1.02(3H,d,J=7Hz),1.00(3H,
d, J=7Hz),0.96(3H,t,J=7H
z) ppm
【0036】13H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3
−CD3OD(5:1), 100MHz] δ:172.5(s),171.5(s),169.1
(s),168.3(s),165.6(s),13
0.2(d),129.6(s),129.5(d),
129.2(d),70.1(d),60.5(d),
58.2(d),56.5(d),37.8(t),3
7.5(t),35.2(d),34.7(t),3
1.5(d),29.8(t),25.7(t),1
8.1(q),18.0(q),15.3(q),1
3.0(q),11.3(q) ppm
【0037】アミノ酸分析:FR183743物質(1
mg)を、封管中、6N塩酸(1mg)により110℃
で20時間加水分解した。この混合物を自動アミノ酸分
析計で分析した。FR183743物質のアミノ酸分析
の結果、バリン、allo−イソロイシンおよびアンモ
ニアの存在(1:1:1)が判明した。
【0038】
【発明の効果】WB968物質群の生物学的性質WB9
68物質群の生物活性を示す例として、以下に若干の生
物学的デ−タを説明する。 試験例1 WB968物質群の抗菌活性 WB968物質群の抗菌活性を、サブロ−培地中で寒天
希釈法によって試験した。25℃で48時間培養し、最
小阻止濃度(MIC)をμg/mlで表す。結果を第3
表に示す。
【0039】第3表 WB968物質群の抗菌活性
【0040】試験例2 WB968物質群によるインビトロでのヒト腫瘍細胞成
育の阻害 各ウェル中に10%ウシ胎児血清、ペニシリン(50単
位/ml)およびストレプトマイシン(50μg/m
l)を添加したダルベッコの最小必須培地100μl中
の腫瘍細胞3×103 個を含むマイクロタイタ−プレ
イトを用いて、細胞毒性試験を実施した。すなわち、こ
の発明の目的化合物をメタノ−ルに溶解し、ダルベッコ
の最小必須培地で希釈し、最終濃度1μg/ml以下と
なるように培養物に加えた。それら細胞を37℃で3日
間培養し、モスマン(Mosmann:ジャ−ナル・オ
ブ・イムノロジカル・メソッズ65巻55〜63頁、1
983年)記載の方法に従って、MTT[臭化3−
(4,5−ジメチルチアゾ−ル−2−イル)−2,5−
ジフェニルテトラゾリウム、シグマ社製]比色アッセイ
を行った。MTTを燐酸緩衝液(PBS)に5mg/m
l濃度に溶解し、滅菌濾過して小量の不溶残渣も除去し
た。ヒト腫瘍細胞の培養が終ったのち、このMTT液を
すべてのアッセイウェルに加え、プレ−トをさらに37
℃で4時間インキュベ−トした。全ウェルに酸性イソプ
ロピルアルコ−ル(0.04N HCl イソプロピル
アルコ−ル溶液100μl)を加え、よく混ぜて、暗青
色の結晶を溶解させた。結晶が全部溶解したのち、2波
長マイクロメ−タ−光度計(MTP−22型、コロナ電
気株式会社、勝田市)により、参照波長を660nmと
して、550nmでプレ−トの読み取りを行った。この
結果を第4表に示す。
【0041】第4表 WB968物質群によるインビトロでのヒト腫瘍細胞成
育の阻害
【0042】この発明の医薬組成物は、活性成分として
のWB968物質群を、外用、経口投与または非経口投
与に適した有機もしくは無機の担体もしくは賦形剤との
混合物として含有する。例えば固体、半固体または液体
の形の医薬製剤の形で使用できる。該活性成分は、例え
ば錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、液剤、乳剤、懸濁
剤、その他の使用に適した剤型のための、医薬として許
容しうる通常の無毒性担体などと混合することができ
る。必要ならば、さらに、諸添加物、安定剤、増粘剤、
着色剤、香料を用いてもよい。WB968物質群は、該
医薬組成物中に、疾患の過程または状態に対して所望の
抗腫瘍作用、抗菌作用を示すに十分な量を含有させれば
よい。
【0043】該組成物をヒトに適用するには、それを、
静脈内、筋肉内または経口投与によって適用するのが好
ましい。WB968物質群の治療有効量は、処置される
べき各個の患者の年齢および状態によっても変るが、静
脈内投与の場合にはヒトの体重1kg当り一日量WB9
68物質群を0.1〜100mgを、筋肉内投与の場合
にはヒトの体重1kg当り一日量0.1〜100mg
を、経口投与の場合にはヒトの体重1kg当り一日量
0.1〜100mgを腫瘍および感染症の処置のために
投与するのが一般的である。
【0044】
【実施例】本発明をより詳しく説明するために、以下に
実施例を示す。 実施例1 発酵:500mlエルレンマイヤ−フラスコ16本の各
々に、グルコ−ス(1%)、ブイヨン(1%)、(NH
42SO4(0.1%)およびMgSO4・7H2
(0.006%)を含有する培地(100ml)を注入
し、120℃で20分間減菌処理した。クロモバクテリ
ウム・ヴィオラセウムWB968の斜面培養から1白金
耳ずつを各培地に接種し、回転振盪機上(250rp
m)で25℃で24時間培養した。得られた培養物を、
500 l培養タンク中のグルコ−ス(1%)、ブイヨ
ン(1%)、(NH42SO4(0.1%)、MgSO4
・7H2O(0.006%)およびアデカノ−ルLG1
05(消泡剤、旭電化工業製)(0.1%)を含有する
培地(300 l)(前もって120℃で20分間減菌
ずみ)に接種し、通気量300 l/分、内圧1kg/
cm2、攪拌200rpmのもとに、25℃で24時間
培養した。得られた種培養を、4000 l培養タンク
内のグルコ−ス(1%)、ブイヨン(1%)、(N
42SO4(0.1%)、MgSO4・7H2O(0.
006%)、KH2PO4(1.1%)、Na2HPO4
12H2O(0.72%)およびアデカノ−ルLG10
5(0.1%)を含有する培地(3000 l)(前も
って120℃で20分間減菌ずみ)に接種し、通気量3
000 l/分、内圧1kg/cm2、攪拌90rpm
のもとに、25℃で24時間培養した。
【0045】単離および精製:培養終了後、培養液(2
800 l)を1N硫酸でpH2.0に調整し、121
℃で30分間減菌した。これを珪藻土(60kg)を用
いて濾過した。菌体を水で洗浄した洗浄液と、先に得た
濾液を合わせ(6000 l)、6N NaOH でp
H6.5とした後、吸着樹脂Diaion HP20カ
ラム(商標:三菱化学製、150 l)に付した。水
(300 l)および25%アセトン水で洗浄後、65
%アセトン水で溶出した。この溶出液を水分含量70%
以上となるように水に希釈した。これ(600 l)を
Diaion HP20ssカラム(50 l)に付し
た。40%アセトン水(200 l)で洗浄後、47%
アセトン水(300 l)で溶出した。溶出液は 0〜
60 lを溶出画分1、60〜170 lを溶出画分
2、170〜290 lを溶出画分3として分画した。
【0046】(FR183737物質の単離)Diai
on HP20ssカラムからの溶出画分2を水分含量
が70%以上となるように水で希釈した。得られた溶液
(250 l)をDiaion HP20カラム(6
l)に付し、20%アセトン水(30 l)で洗浄後、
アセトン(50 l)で溶出した。溶出液を減圧下で濃
縮乾固し、得られた残渣を酢酸エチル(30 l)に溶
解した。これを予めn−ヘキサン:酢酸エチル(1:1
v/v)を用いて充填したシリカゲルカラム(Sili
cagel 60,70−230メッシュ,E.Mer
ck社製)(70 l)に付した。カラムをn−ヘキサ
ン:酢酸エチル(1:1 v/v, 210 l)およ
びn−ヘキサン:酢酸エチル(1:2 v/v, 70
0 l)で展開した。目的化合物を含む画分を合わせ、
減圧下で濃縮した。残渣をアセトン(5 l)に溶解
後、メタノ−ルを加え、減圧濃縮することによりFR9
01228物質の無色柱状結晶(不純物としてFR18
3737物質を含む)250gを得た。FR90122
8物質は、公開特許公報(特開平2−85296)中に
開示されている。得られたFR901228物質の結晶
をアセトン(20 l)に溶解後、n−ヘキサン(20
0 l)をゆっくり加えてFR901228物質を結晶
化させた。得られた母液(200 l)を減圧下で濃縮
乾固し、得られた残渣をメタノ−ル(1 l)に溶解し
た。これを濃縮しFR901228物質を結晶として得
た。同様の結晶化を行うことにより、FR901228
物質の含有量の少ない母液(0.1 l)を得た。これ
を濃縮することにより、白色粉末5gを得た。この粗粉
末をクロロホルム(250ml)に溶解し、予めn−ヘ
キサン:酢酸エチル(1:1 v/v)を用いて充填し
たシリカゲル60カラム(70−230メッシュ)(1
000ml)に付した。カラムをn−ヘキサン:酢酸エ
チル(1:1v/v, 3 l)およびn−ヘキサン:
酢酸エチル(1:2 v/v, 9l)で洗浄後、酢酸
エチル(3 l)で展開した。FR183737物質を
含む画分(0.5〜2.9 l)を合わせ、減圧下で濃
縮し白色粉末 1gを得た。この粉末をクロロホルム
(50ml)に溶解し、予めクロロホルムを用いて充填
したシリカゲル60カラム(70−230メッシュ)
(1000ml)に付した。カラムをクロロホルム:メ
タノ−ル(50:1 v/v, 2 l)およびクロロ
ホルム:メタノ−ル(20:1 v/v, 2 l)で
展開した。目的化合物を含む画分(3〜5 l)を合わ
せ、減圧下で濃縮乾固した。残渣(200mg)をアセ
トン:n−ヘキサン(1:10 v/v, 20ml)
で沈澱させることによりFR183737物質の白色粉
末(100mg)を得た。
【0047】(FR183739物質の単離)Diai
on HP20ssカラムからの溶出画分1を水分含量
が70%以上となるように水で希釈した。得られた溶液
(120 l)をDiaion HP20カラム(5
l)に付し、20%アセトン水(10 l)で洗浄後、
アセトン(30 l)で溶出した。溶出液を減圧下で濃
縮し、水溶液(5 l)を得た。酢酸エチル(10
l)で抽出し、減圧下で濃縮乾固することによりFR1
83739物質の白色粗粉末(2.5g)を得た。この
粗粉末をクロロホルム(50ml)に溶解し、シリカゲ
ル 60(70−230メッシュ)(100g)と混合
した後、減圧濃縮しクロロホルムを除去した。残渣を予
めクロロホルムを用いて充填したシリカゲル60カラム
(70−230メッシュ)(1000ml)の上部に付
した。カラムをクロロホルム(1 l)で洗浄後、クロ
ロホルム:メタノ−ル(50:1 v/v, 3 l)
およびクロロホルム:メタノ−ル(20:1 v/v,
4 l)で展開した。目的化合物を含む画分(4〜7
l)を合わせ、減圧下で濃縮乾固し、粉末(2g)を
得た。これを酢酸エチルに溶解し濃縮することにより、
FR183739物質の白色粉末(1.86g)を得
た。
【0048】(FR901399物質、FR18374
2物質、FR900414物質、FR183743物質
およびFR901402物質)Diaion HP20
ssカラムからの溶出画分3を水分含量が70%以上と
なるように水で希釈した。得られた溶液(120 l)
をDiaion HP20カラム(5 l)に付し、2
0%アセトン水(10 l)で洗浄後、アセトン(30
l)で溶出した。溶出液を減圧下で濃縮し、水溶液
(5 l)を得た。酢酸エチル(10 l)で抽出し、
減圧下で濃縮することにより油状残渣(20ml)を得
た。これを塩化メチレン(20ml)に溶解し、予め酢
酸エチル:メタノ−ル(50:1 v/v)を用いて充
填したγ−アルミナ AC−12カラム(商標:住友化
学製)(2.5 l)に付した。カラムを酢酸エチル:
メタノ−ル(100:1 v/v, 13 l)および
酢酸エチル:メタノ−ル(50:2 v/v, 13
l)で展開した。溶出液は13〜14 lを溶出画分
I、15〜18 lを溶出画分II、18〜25 lを
溶出画分IIIとして分画した。
【0049】(FR901399物質の単離)γ−アル
ミナAC−12カラムからの溶出画分Iを減圧下で濃縮
乾固し、残渣(0.3g)を得た。これを酢酸エチル:
n−ヘキサン(1:7 v/v, 120ml)で沈澱
させることによりFR901399物質の白色粉末(2
79mg)を得た。FR901399物質は、公開特許
公報(特開平7−67668)中に開示されている。
【0050】(FR183742物質の単離)γ−アル
ミナAC−12カラムからの溶出画分IIを減圧下で濃
縮乾固し、残渣(0.7g)を得た。これをアセトン:
n−ヘキサン(1:7 v/v, 560ml)で沈澱
させた。この沈澱工程をさらに2回繰り返し、FR18
3742物質を含む白色粗粉末(340mg)を得た。
これを塩化メチレン(10ml)に溶解し、予め酢酸エ
チルを用いて充填したγ−アルミナ AC−12カラム
(600ml)に付した。カラムを酢酸エチル:メタノ
−ル(100:1 v/v, 3 l)で展開した。F
R183742物質を含む画分(1.5〜2.3l)を
合わせ、減圧下で濃縮し残渣(130mg)を得た。こ
れを塩化メチレン(10ml)に溶解し、再度γ−アル
ミナ AC−12カラム(200ml)に付した。カラ
ムを酢酸エチル:メタノ−ル(100:1 v/v)で
展開し、FR183742物質を含む画分を合わせ、減
圧下で濃縮し残渣を得た。これを20%メタノ−ル水
(100ml)に溶解し、逆相シリカゲル ODS−A
M120−S50(商標:山村化学研究所製)カラム
(170ml)に付し、20%メタノ−ル水(170m
l)で洗浄後、55%メタノ−ル水で展開した。FR1
83742物質を含む溶出画分を合わせ、減圧下で濃縮
乾固し白色粉末(112mg)を得た。これをアセト
ン:n−ヘキサン(1:20 v/v, 420ml)
で沈澱させることによりFR183742物質の白色粉
末(103mg)を得た。
【0051】(FR900414物質、FR18374
3物質およびFR901402物質)γ−アルミナAC
−12カラムからの溶出画分IIIを減圧下で濃縮し油
状残渣を得た。これを20%アセトン水(600ml)
に溶解し、Diaion HP20ssカラム(600
ml)に付し、40%アセトン水(1.8 l)で洗浄
後、45%アセトン水で溶出した。溶出液は 1.1〜
1.4 lを溶出画分A、1.9〜2.2 lを溶出画
分Bとして分画した。溶出画分Aを減圧下で濃縮し、水
溶液(100ml)を得た。酢酸エチル(400ml)
で抽出し、減圧下で濃縮することにより油状残渣を得
た。これを小量のクロロホルムに溶解し、予めn−ヘキ
サン:酢酸エチル(1:1 v/v)を用いて充填した
シリカゲル60カラム(70−230メッシュ)(50
0ml)に付した。カラムをn−ヘキサン:酢酸エチル
(1:1 v/v, 1.5 l)およびn−ヘキサ
ン:酢酸エチル(1:2 v/v, 2.5 l)で展
開した。溶出液は 0.5〜0.9 lを溶出画分i、
1.1〜2.3 lを溶出画分iiとして分画した。
【0052】(FR900414物質の単離)溶出画分
iを減圧下で濃縮乾固し残渣(200mg)を得た。こ
れをアセトン:n−ヘキサン(1:7 v/v, 55
0ml)で沈澱させることによりFR900414物質
の白色粉末(233mg)を得た。FR900414物
質は、公開特許公報(特開平7−67668)中に開示
されている。
【0053】(FR183743物質の単離)溶出画分
iiを減圧下で濃縮乾固し残渣(400mg)を得た。
これを塩化メチレン(10ml)に溶解し、予め酢酸エ
チルを用いて充填したγ−アルミナAC−12カラム
(600ml)に付した。カラムを酢酸エチル:メタノ
−ル(100:1 v/v, 3 l)で展開した。F
R183743物質を含む画分(2.0〜2.7 l)
を合わせ、減圧下で濃縮し残渣(350mg)を得た。
これを塩化メチレン(10ml)に溶解し、再度γ−ア
ルミナ AC−12カラム(200ml)に付した。カ
ラムを酢酸エチル:メタノ−ル(100:1 v/v)
で展開し、FR183743物質を含む画分(300〜
600ml)を合わせ、減圧下で濃縮し残渣を得た。こ
れを20%メタノ−ル水(100ml)に溶解し、OD
S−AM 120−S50 カラム(170ml)に付
し、20%メタノ−ル水(510ml)および40%メ
タノ−ル水(510ml)で洗浄後、55%メタノ−ル
水で展開した。FR183743物質を含む溶出画分を
合わせ、減圧下で濃縮乾固し白色粉末(175mg)を
得た。これをアセトン:n−ヘキサン(1:20 v/
v, 420ml)で沈澱させることによりFR183
743物質の白色粉末(157mg)を得た。
【0054】(FR901402物質の単離)溶出画分
Bを減圧下で濃縮し、水溶液(100ml)を得た。酢
酸エチル(400ml)で抽出し、減圧下で濃縮するこ
とにより油状残渣を得た。これをアセトン:n−ヘキサ
ン(1:20 v/v, 500ml)で沈澱させた。
得られた沈澱を20%メタノ−ル水(500ml)に溶
解し、ODS−AM 120−S50 カラム(57m
l)に付し、20%メタノ−ル水(57ml)で洗浄
後、55%メタノ−ル水で展開した。FR901402
物質を含む溶出画分を合わせ、減圧下で濃縮乾固して白
色粉末(60mg)を得た。これをアセトン:n−ヘキ
サン(1:20 v/v, 420ml)で沈澱させる
ことによりFR901402物質の白色粉末(50m
g)を得た。FR901402物質は、公開特許公報
(特開平7−67668)中に開示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (72)発明者 神田 宗和 愛知県名古屋市西区中小田井3丁目289番 地 ライオンズガーデン中小田井509号 (72)発明者 藤田 国雄 岐阜県岐阜市西川手6丁目61番地 (72)発明者 山下 道雄 茨城県つくば市並木3−11−11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FR183737物質、FR18373
    9物質、FR183742物質およびFR183743
    物質を包含するWB968物質群。ここに、FR183
    737物質は次の物理化学的性状を有し: 外観: 白色粉末 本性: 中性物質 融点: 181−187℃ 比旋光度:[α]D23= −7゜(c=1.0, CH
    Cl3:MeOH=1:1) 分子式:C2642472 元素分析:C2642472として 計算値: C51.64; H 7.33; N 9.
    26 (%) 実測値: C51.99; H 7.04; N 9.
    23 (%) 分子量: FAB−MS(m/Z) 587(M+H)
    + HRFAB−MS:C2642472+Hとして 計算値:587.2573 実測値:587.2600 溶解性: 易溶: クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶: メタノ−ル 不溶: 水、n−ヘキサン 呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリ
    ッヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中) 赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3300, 3
    250, 2960,2930, 1720, 168
    0, 1650, 1620, 1530,1380,
    1210, 1030, 980 cm-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 400MHz] δ:8.71(1H, br.s, 交換可能),
    8.17(1H, br.d, J=6Hz, 交換可
    能),7.57(1H,d,J=7Hz,交換可能),
    6.98(1H,d,J=8Hz,交換可能),6.6
    9(1H,q,J=7Hz),5.72(1H,m),
    5.62(1H,m),4.81(1H,br.d,J
    =8Hz,交換可能),4.74(1H,m),4.5
    0−4.40(2H,m),4.23−4.12(3
    H,m),3.29(1H,dd,J=15,4H
    z),3.06−2.90(2H,m),2.77(1
    H,m),2.65−2.57(2H,m),2.51
    −2.43(2H,m),2.20(1H,m),2.
    10(1H,m),1.74(3H,d,J=7H
    z),1.29(3H,t,J=7Hz),0.99
    (6H,d,J=7Hz),0.97(6H,d,J=
    7Hz) ppm13 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 100MHz] δ:173.0(s),172.1(s),171.8
    (s),169.3(s),164.4(s),13
    3.2(d),131.6(d),128.8(s),
    128.2(d),69.0(d),61.0(d),
    59.3(d),57.7(d),55.0(d),4
    1.9(t),39.9(t),39.3(t),3
    1.1(t),30.8(t),30.2(d),1
    8.7(q),18.5(q),17.9(q),1
    7.7(q),13.7(q),12.9(q) pp
    m アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、バリンおよびアン
    モニア(1:1)が存在し; FR183739物質は次の物理化学的性状を有し: 外観: 白色粉末 本性: 中性物質 融点: 246−251℃ 比旋光度:[α]D23= −157゜(c=1.0,
    CHCl3:MeOH=1:1) 分子式:C2436462 元素分析: C2436462として 計算値: C53.31; H 6.71; N 1
    0.36; S 11.86 (%) 実測値: C53.24; H 6.75; N 1
    0.05; S 11.49 (%) 分子量: FAB−MS(m/Z) 541(M+H)
    + HRFAB−MS:C2436462+Hとして 計算値:541.2155 実測値:541.2162 溶解性: 易溶:クロロホルム、アセトン 可溶:メタノ−ル、酢酸エチル 不溶: 水、n−ヘキサン 呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリ
    ッヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中) 赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3400, 3
    300, 2970,2920, 1710, 168
    0, 1650, 1520, 1330,1270,
    1160, 1050, 990 cm-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 400MHz] δ:8.85(1H,br.s,交換可能),7.62
    (1H,d,J=8Hz,交換可能),7.41(1
    H,d,J=8Hz,交換可能),7.32(1H,
    d,J=7Hz,交換可能),6.28(1H,br.
    q,J=7Hz),6.12(1H,m),5.65
    (1H,br.d,J=15.5Hz),5.51(1
    H,m),4.93(1H,m),4.36−4.31
    (2H,m),3.71(1H,dd,J=15,3H
    z),3.25−3.08(3H,m),2.94(1
    H,m),2.65(1H,m),2.45(1H,
    m),2.28(1H,m),2.15(1H,m),
    1.95(1H,m),1.73(3H,d,J=7H
    z),1.03(3H,d,J=7Hz),1.02
    (3H,d,J=7Hz),1.01(3H,d,J=
    7Hz),1.00(3H,d,J=7Hz) ppm13 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 100MHz] δ:173.0(s),171.3(s),169.8
    (s),168.8(s),166.9(s),13
    1.1(s),130.3(d),129.2(d),
    124.9(d),71.1(d),60.0(d),
    59.5(d),50.8(d),40.7(t),3
    9.1(t),37.0(t),31.5(t),3
    0.5(d),28.9(d),18.9(q),1
    8.4(q),18.1(q),17.1(q),1
    2.2(q) ppm アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、バリンおよびアン
    モニア(1:1)が存在し;FR183742物質は次
    の物理化学的性状を有し: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:247−253℃ 比旋光度:[α]D23=+6゜(c=1.0, CHC
    3:MeOH=1:1) 分子式:C2538462 元素分析:C2538462・1/2H2Oとして 計算値:C 53.27; H 6.97; N 9.
    94 (%) 実測値:C 53.27; H 6.77; N 9.
    84 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 555(M+H)+ HRFAB−MS:C2538462+Hとして 計算値:555.2311 実測値:555.2312 溶解性: 易溶:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶: メタノ−ル 不溶: 水、n−ヘキサン 呈色反応: 陽性: 硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性: ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリ
    ッヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中) 赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3400, 3
    300, 2960,2920, 1745, 169
    5, 1640, 1530, 1350,1260,
    1220, 1025, 980 cm-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 400MHz] δ:8.40(1H,br.s,交換可能),8.22
    (1H,br.d,J=4Hz,交換可能),7.81
    (1H,d,J=7Hz,交換可能),7.69(1
    H,d,J=8Hz,交換可能),6.37(1H,
    q,J=7Hz),5.77(1H,m),5.71−
    5.64(2H,m),4.72(1H,m),4.5
    8(1H,dd,J=8,4Hz),4.00(1H,
    m),3.23−3.10(3H,m),3.01(1
    H,m),2.82(1H,dd,J=14,1.5H
    z),2.73−2.58(3H,m),2.24(1
    H,m),2.09(1H,m),1.75(3H,
    d,J=7Hz),1.59(1H,m),1.39
    (1H,m),1.12(3H,d,J=7Hz),
    1.11(3H,d,J=7Hz),0.99(3H,
    d, J=7Hz),0.97(3H,t,J=7H
    z) ppm13 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 100MHz] δ:172.2(s),171.4(s),168.8
    (s),168.4(s),165.3(s),13
    0.3(d),129.6(s),129.5(d),
    129.2(d),70.0(d),62.4(d),
    57.6(d),56.5(d),38.1(d),3
    7.8(t),37.5(t),34.5(t),2
    9.9(t),28.9(d),25.5(t),1
    8.9(q),18.8(q),14.5(q),1
    2.9(q),11.5(q) ppm アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、バリン、イソロイ
    シンおよびアンモニア(1:1:1)が存在し;そして
    FR183743物質は次の物理化学的性状を有する: 外観:白色粉末 本性:中性物質 融点:254−256℃ 比旋光度:[α]D23= −9゜(c=1.0, CH
    Cl3:MeOH=1:1) 分子式:C2538462 元素分析:C2538462として 計算値:C 54.13; H 6.90; N 1
    0.10; S 11.56 (%) 実測値:C 53.91; H 7.02; N 1
    0.08; S 11.44 (%) 分子量:FAB−MS(m/Z) 555(M+H)+ HRFAB−MS:C2538462+Hとして 計算値:555.2311 実測値:555.2323 溶解性: 易溶:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン 可溶:メタノ−ル 不溶:水、n−ヘキサン 呈色反応: 陽性:硫酸セリウム反応、硫酸反応、ヨウ素蒸気反応 陰性:ニンヒドリン反応、塩化第2鉄反応、エ−ルリッ
    ヒ反応、モ−リッシュ反応 紫外吸収スペクトル:末端吸収(メタノ−ル中) 赤外吸収スペクトル:νmaxKBr=3370, 3
    300, 2960,2930, 1740, 169
    5, 1660, 1640, 1520,1300,
    1260, 1220, 980 cm-1 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 400MHz] δ:8.37(1H,br.s,交換可能),8.14
    (1H,br.d,J=4Hz,交換可能),7.78
    (1H,d,J=7Hz,交換可能),7.67(1
    H,d,J=8Hz,交換可能),6.37(1H,
    q,J=7Hz),5.77(1H,m),5.71−
    5.63(2H,m),4.73(1H,m),4.5
    3(1H,dd,J=8,4Hz),4.19(1H,
    m),3.22−3.08(3H,m),2.98(1
    H,m),2.83(1H,dd,J=14,1.5H
    z),2.71−2.56(3H,m),2.39(1
    H,m),2.07(1H,m),1.75(3H,
    d,J=7Hz),1.54(1H,m),1.39
    (1H,m),1.09(3H,d,J=7Hz),
    1.02(3H,d,J=7Hz),1.00(3H,
    d, J=7Hz),0.96(3H,t,J=7H
    z) ppm13 H核磁気共鳴スペクトル:[CDCl3−CD3OD
    (5:1), 100MHz] δ:172.5(s),171.5(s),169.1
    (s),168.3(s),165.6(s),13
    0.2(d),129.6(s),129.5(d),
    129.2(d),70.1(d),60.5(d),
    58.2(d),56.5(d),37.8(t),3
    7.5(t),35.2(d),34.7(t),3
    1.5(d),29.8(t),25.7(t),1
    8.1(q),18.0(q),15.3(q),1
    3.0(q),11.3(q) ppm アミノ酸分析:アミノ酸分析の結果、バリン、allo
    −イソロイシンおよびアンモニア(1:1:1)の存在
    が判明。
  2. 【請求項2】 クロモバクテリウム属に属し、WB96
    8物質群を産生しうる菌株を水性栄養培地中で好気的条
    件下に培養し、WB968物質群を回収することを特徴
    とするWB968物質群の製造方法。
  3. 【請求項3】 クロモバクテリウム属菌株がクロモバク
    テリウム・ヴィオラセウムWB968(FERM BP
    −1968)である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 活性成分としてのWB968物質群と医
    薬として許容しうる無毒性の担体とを含有する医薬組成
    物。
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