JPH09309997A - ペースト用塩化ビニル樹脂顆粒及びその製造方法 - Google Patents

ペースト用塩化ビニル樹脂顆粒及びその製造方法

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JPH09309997A
JPH09309997A JP12696096A JP12696096A JPH09309997A JP H09309997 A JPH09309997 A JP H09309997A JP 12696096 A JP12696096 A JP 12696096A JP 12696096 A JP12696096 A JP 12696096A JP H09309997 A JPH09309997 A JP H09309997A
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vinyl chloride
paste
monomer
chloride monomer
residual
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JP12696096A
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English (en)
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Koji Inage
康二 稲毛
Makoto Morita
真 森田
Yasushi Hori
靖史 堀
Shinichi Yoshida
信一 吉田
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドリング性に優れ、塩化ビニル単量体の
放出による環境、作業環境を悪化させることがないペー
スト塩ビ顆粒を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル単量体の残存含有濃度が30
ppm未満であり、平均粒径20μm以上100μm以
下を有するペースト用塩化ビニル樹脂顆粒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト用塩化ビ
ニル樹脂顆粒及びその製造方法に関するものである。更
に詳しくは、輸送、加工する際に、環境、作業環境の悪
化の原因となる塩化ビニル単量体の放出を大幅に低減す
ることができるペースト用塩化ビニル樹脂顆粒及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のペースト用塩化ビニル樹脂(以
下、ペースト塩ビという。)は、塩化ビニル単量体単独
又は塩化ビニル単量体とこれと共重合可能なビニル単量
体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体という。)を
微細懸濁重合法、乳化重合法、播種懸濁重合法により、
得られた塩化ビニル樹脂ラテックスを噴霧乾燥し、得ら
れた顆粒を粉砕することにより微粒状のペースト塩ビと
して得られる。
【0003】そして、得られたペースト塩ビは、可塑
剤、安定剤、顔料その他の配合剤と共に混練することに
より、ペースト塩ビゾルに調整され、ナイフコート成
形、スクリーン塗布成形等の加工法により様々な最終加
工成形品に加工される。
【0004】しかし、このようなペースト塩ビは微粒状
であるためハンドリングが悪く、加工工程において作業
効率の悪いものであった。
【0005】そこで、ペースト塩ビのハンドリングを改
良するために塩化ビニル樹脂ラテックスに界面活性剤、
多価アルコール等の分散剤等を添加し噴霧乾燥を行うペ
ースト塩ビ顆粒が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的にペースト塩ビ
は、加工時に加熱硬化されるため残存含有されていた塩
化ビニル単量体は、加工時に大気中に放出され最終加工
製品中への塩化ビニル単量体の残存含有濃度は0.1p
pm以下となる。そして、通常のペースト塩ビである微
粒状ペースト塩ビの場合、その塩化ビニル単量体の残存
含有濃度は1〜5ppmとごく微量であるため余り問題
にならなかった。
【0007】しかし、上記のような方法により得られた
ペースト塩ビ顆粒の場合、顆粒の形状を有していること
からハンドリング性は改良されたものの、塩化ビニル単
量体の残存含有濃度は50〜200ppmと非常に多い
為、加工時に大量の塩化ビニル単量体が大気中に放出さ
れ環境、作業環境の悪化するという問題が生じてきた。
【0008】そこで、本発明の目的は、ハンドリング性
に優れ、環境、作業環境の悪化の原因となる塩化ビニル
単量体の残存含有量の少ないペースト塩ビ顆粒及びその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、特定の平均粒径を有し、特
定の塩化ビニル単量体残存含有量を有するペースト塩ビ
顆粒がハンドリング性に優れ、環境、作業環境を悪化さ
せないことを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、塩化ビニル単量体の残存
含有濃度が30ppm未満であり、平均粒径20μm以
上100μm以下を有することを特徴とするペースト塩
ビ顆粒及びその製造方法に関するものである。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体の残存含有濃度が30ppm未満であり、その平
均粒径は20μm以上100μm以下のものである。塩
化ビニル単量体の残存含有濃度が30ppmを越える場
合、このようなペースト塩ビを加工等に用いると有害な
塩化ビニル単量体が大量に放出され環境、作業環境の悪
化原因となり好ましくない。また、平均粒径が20μm
より小さい場合、このようなペースト塩ビはハンドリン
グ性が悪いことから好ましくない。一方、平均粒径が1
00μmを越える場合、このようなペースト塩ビを用い
てペースト塩ビゾルを調整するとペースト塩ビの分散性
が悪く外観の劣る加工成形品しか得られず好ましくな
い。
【0013】本発明のペースト塩ビ顆粒は、ペースト塩
ビ顆粒を加工に供する際の包装開封時に塩化ビニル単量
体の発生が抑制され、特別な塩化ビニル単量体回収設備
等を設置することが必要ないことから各種荷姿(袋、コ
ンテナ、ローリー等)に包装される時点での塩化ビニル
単量体の残存含有濃度が30ppm未満であることが好
ましい。
【0014】本発明のペースト塩ビ顆粒は、優れたハン
ドリング性を有し、塩化ビニル単量体の残存含有量が低
いことから、塩化ビニル単量体の大気放出を削減するた
めに前記の塩化ビニル単量体回収設備等を設置すること
なく、微粒状ペースト塩ビと同様の塩化ビニル単量体濃
度に低減できる効果が得られるものである。
【0015】本発明のペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単独重合体又は塩化ビニル共重合体よりなる。そして、
塩化ビニル共重合体は、塩化ビニル単量体と塩化ビニル
との共重合可能なビニル単量体との混合物を共重合する
ことよりなり、該ビニル単量体としては、例えば酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息
香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又
はその無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、フ
マル酸エステル、桂皮酸エステル等の不飽和カルボン酸
エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエー
テル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレ
フィン類;塩化ビニリデン、スチレン及びその誘導体、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の塩化ビニル
単量体とラジカル共重合し得るビニル化合物の1種以上
のことである。
【0016】本発明のペースト塩ビ顆粒を製造する方法
としては、本発明のペースト塩ビ顆粒を製造することが
可能であればいかなる方法も用いることが可能である。
そして、以下に、容易に本発明のペースト塩ビ顆粒の製
造が可能であることからより好ましい製造方法の一例に
ついて説明する。
【0017】該製造方法は、上記に示した塩化ビニル系
単量体を微細懸濁重合法、乳化重合法、播種懸濁重合法
により重合して得られた未反応塩化ビニル単量体を含む
塩化ビニル樹脂ラテックスを水蒸気ストリッピングし、
塩化ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの未反応塩
化ビニル単量体の残存含有濃度が100ppm以下とな
るまで未反応塩化ビニル単量体を回収した後、得られた
塩化ビニル樹脂ラテックスを噴霧乾燥する方法である。
【0018】ここで、特別なペースト塩ビ顆粒の精製工
程を設けなくても、塩化ビニル単量体の残存含有濃度が
30ppm未満であるペースト塩ビ顆粒が製造できるこ
とから塩化ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの未
反応塩化ビニル単量体の残存含有濃度は100ppm以
下であることが好ましい。
【0019】該製造方法に使用される重合開始剤として
は、一般的にラジカル重合反応に用いられる重合開始剤
を用いることができ、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤;ベンゾ
イルパーオキサイド,p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド等の芳香族ジアシルパーオキサイド、カプロイルパ
ーオキサイド,ラウロイルパーオキサイド等の脂肪族ジ
アシルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル,
アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチ
ルパーオキシピバレート等の有機酸のパーオキシジエス
テル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジオ
クチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカー
ボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキ
サイド等の油溶性開始剤があげらる。そして、これらは
単独又は2種類以上の組合わせで用いることが可能であ
る。
【0020】該製造方法に使用される乳化剤としては、
一般的に乳化剤として知られているものを用いることが
できる。そして、アルキル硫酸ソーダ、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ
などの一般的なアニオン性乳化剤を用いることが好まし
い。また、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンなどの非イオン系乳化剤を上記アニオン性乳化
剤と併用して用いてもよい。
【0021】また、該製造方法においては必要に応じて
分散補助剤を使用することも可能である。分散補助剤と
しては、例えばセチルアルコール,ラウリルアルコール
等の高級アルコール、ラウリル酸,パルミチン酸,ステ
アリン酸等の高級脂肪酸又はそのエステル類、芳香族炭
化水素、高級脂肪族炭化水素、塩素化パラフィン等のハ
ロゲン化炭化水素、ポリビニルアルコール,ヒドロキシ
メチルセルロース,ポリビニルピロリドン等の水溶性高
分子などがあげられ、これらを1種以上で用いることが
できる。
【0022】重合温度は目的とする重合度により決定さ
れるが、一般的には30〜70℃であることが好まし
い。
【0023】このように製造された塩化ビニル樹脂ラテ
ックスは水蒸気ストリッピングにより固形分あたりの未
反応塩化ビニル単量体の含有残存濃度が100ppm以
下になるまで未反応塩化ビニル単量体が回収される。そ
の際用いられる水蒸気ストリッピングは、一般的なもの
でよく、特に未反応塩化ビニル単量体の回収効率に優れ
ることから真空水蒸気ストリッピングであることが好ま
しい。また、水蒸気ストリッピングを行う装置として
は、塩化ビニル樹脂の製造工程において一般的に未反応
塩化ビニル単量体の回収工程に用いられる装置でよく、
そのような装置としては、例えば水蒸気ストリッピング
塔が挙げられる。
【0024】このような装置による未反応塩化ビニル単
量体の回収条件としては、塩化ビニル樹脂ラテックス中
の固形分あたりの未反応塩化ビニル単量体の含有残存濃
度が100ppm以下になるまで未反応塩化ビニル単量
体を回収することが可能であればよい。そして、未反応
塩化ビニル単量体の回収においては、塩化ビニル樹脂ラ
テックスのエマルジョンが安定な状態で未反応塩化ビニ
ル単量体の回収を行うことができることから70℃以下
の条件であることが好ましい。
【0025】得られた固形分あたりの未反応塩化ビニル
単量体の含有残存濃度が100ppm以下である塩化ビ
ニル樹脂ラテックスを噴霧乾燥することにより本発明の
ペースト塩ビ顆粒が得られる。この際の乾燥機の種類は
特に制限がなく、一般に使用されているものでよく、例
えば「SPRAY DRYING HANDBOOK」
(K.Masters著、3版、1979年、Geor
ge GodwinLimitedより出版)の121
頁第4.10図に記載されている各種のスプレー乾燥機
があげられる。
【0026】このような乾燥機による乾燥条件として
は、乾燥機出口温度が40〜90℃の範囲であり、好ま
しくは40〜70℃、特に好ましくは40〜65℃であ
る。また、得られるペースト塩ビ顆粒の粒径制御は、用
いる乾燥機によりその条件が異なる。例えば円盤型回転
ディスク式スプレー乾燥機を用いる場合、Chem.E
ng.Progr.48,181(1952)に記載の
Friedmanらの式より粒径制御を行うことが可能
である。
【0027】本発明のペースト塩ビ顆粒は、通常のペー
スト塩ビと同様に可塑剤、安定剤、場合に因っては充填
剤等を添加しペースト塩ビゾルを調製し、該ペースト塩
ビゾルを各種成型方法により成型品に加工することが可
能である。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0029】実施例及び比較例の塩化ビニル樹脂ラテッ
クス中の固形分あたりの塩化ビニル単量体の残存含有濃
度、得られたペースト塩ビ顆粒は下記に示す方法により
測定した。
【0030】〜塩化ビニル樹脂ラテックス中の残存塩化
ビニル単量体濃度〜 得られた塩化ビニル樹脂ラテックス50mg採取し、熱
分解炉(島津製作所製、商品名PYROLYZERPY
R−IA)により105℃で1分間加熱し、ガスクロマ
トグラフにて塩化ビニル単量体濃度を分析定量した。分
析定量した塩化ビニル単量体濃度を塩化ビニル樹脂ラテ
ックスの固形分重量あたりの残存塩化ビニル単量体量に
計算し、塩化ビニル樹脂ラテックス中の残存塩化ビニル
単量体濃度とした。
【0031】〜ペースト塩ビ顆粒の残存塩化ビニル単量
体濃度〜 20cm3バイアル瓶に得られたペースト塩ビ顆粒を2
g採取し、分析装置HSS−2Bにて100℃に昇温し
20分間放置後、気相よりガスタイトシリンジにて0.
8cm3を採取し、ガスクロマトグラフに注入し分析定
量した。
【0032】〜ペースト塩ビ顆粒の平均粒径〜 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所
製、商品名LA700)にて測定した。
【0033】実施例1 1リットルオートクレーブに脱イオン水360g、塩化
ビニル単量体300g、重合開始剤として3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド3g、15重量
%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50gを仕込んだ後、
3時間ホモジナイザーを用い循環し、均質化処理後、系
内の温度を40℃に上げて重合を進めた。圧力が低下し
た後、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、固形分含有
率35重量%のシード粒子ラテックスを得た。
【0034】そして、2.5リットルオートクレーブ中
に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、上
記で得られたをシード粒子ラテックス95g、乳化剤と
して5重量%ラウリル硫酸ナトリウム16g仕込み、反
応混合物の温度を65℃に上げると共に、重合開始して
から重合転化率85%までの間、ラウリル硫酸ナトリウ
ム5.7gを含む水溶液を重合反応中に連続的に添加し
た。
【0035】重合圧力が65℃における塩化ビニル単量
体飽和蒸気圧から2Kg/cm2降下した時点で重合を
停止し、塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。
【0036】該塩化ビニル樹脂ラテックスを65℃に保
持したまま、オートクレーブ内を200mmHgの真空
下で70℃の飽和水蒸気をオートクレーブ下部より連続
的にフィードし10分間水蒸気ストリッピングを行い未
反応塩化ビニル単量体を回収した。未反応塩化ビニル単
量体を回収した後の塩化ビニル樹脂ラテックス中の固形
分あたりの塩化ビニル単量体の残存含有濃度は50pp
mであった。
【0037】次いで、得られた塩化ビニル樹脂ラテック
スを回転円盤式噴霧乾燥機を用い乾燥機入口温度120
℃、乾燥機出口温度50℃、円盤回転数14500rp
mにより乾燥を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0038】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0039】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径4
1μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が10p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0040】実施例2 水蒸気ストリッピングを30分間とし、噴霧乾燥前の塩
化ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル
単量体の残存含有濃度を15ppmとした以外は実施例
1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0041】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0042】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径4
0μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が7pp
mであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛散
することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこと
から環境、作業環境に悪影響を与えないものであった。
【0043】実施例3 水蒸気ストリッピングを40分間とし、噴霧乾燥前の塩
化ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル
単量体の残存含有濃度を5ppmとした以外は実施例1
と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0044】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0045】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径4
3μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が1pp
mであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛散
することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこと
から環境、作業環境に悪影響を与えないものであった。
【0046】実施例4 噴霧乾燥の条件を乾燥機入口温度190℃、乾燥機出口
温度60℃、円盤回転数17500rpmとした以外は
実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0047】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0048】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径4
3μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が13p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0049】実施例5 噴霧乾燥の条件を乾燥機入口温度140℃、乾燥機出口
温度50℃、円盤回転数15500rpmとした以外は
実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0050】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0051】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径4
1μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が12p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0052】実施例6 噴霧乾燥の条件を乾燥機入口温度90℃、乾燥機出口温
度40℃、円盤回転数13500rpmとした以外は実
施例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0053】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0054】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径3
7μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が13p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0055】実施例7 噴霧乾燥の際の円盤回転数10000rpmとした以外
は実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得
た。
【0056】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0057】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径5
5μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が13p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0058】実施例8 噴霧乾燥の際の円盤回転数8500rpmとした以外は
実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0059】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0060】得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径6
4μmを有し、塩化ビニル単量体残存含有濃度が10p
pmであることから、粉体流動性に優れ、微粉粒子が飛
散することがなく、塩化ビニル単量体の放出が少ないこ
とから環境、作業環境に悪影響を与えないものであっ
た。
【0061】比較例1 水蒸気ストリッピングを2分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を2000ppmとした以外は実施
例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0062】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0063】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が350ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0064】比較例2 水蒸気ストリッピングを3分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を1000ppmとした以外は実施
例1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0065】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0066】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が260ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0067】比較例3 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとした以外は実施例
1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0068】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0069】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が120ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0070】比較例4 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとした以外は実施例
4と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0071】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0072】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が124ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多いく環境、作業環境に悪影響
を与えるものであった。
【0073】比較例5 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとした以外は実施例
5と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0074】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0075】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が132ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0076】比較例6 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとした以外は実施例
6と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0077】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0078】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が128ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0079】比較例7 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとした以外は実施例
8と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0080】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0081】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が110ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0082】比較例8 水蒸気ストリッピングを5分間とし、噴霧乾燥前の塩化
ビニル樹脂ラテックス中の固形分あたりの塩化ビニル単
量体の残存含有濃度を500ppmとし、噴霧乾燥の際
の円盤の回転数を20000rpmとした以外は実施例
1と同様の方法によりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0083】得られたペースト塩ビ顆粒の評価結果を表
1に示す。
【0084】得られたペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル
単量体残存含有濃度が119ppmであることから、塩
化ビニル単量体の放出が多く環境、作業環境に悪影響を
与えるものであった。
【0085】比較例9 比較例2より得られたペースト塩ビ顆粒の粉砕を行いサ
ンプルを調製した。
【0086】得られたペースト塩ビの評価結果を表1に
示す。
【0087】得られたペースト塩ビは、平均粒径が3μ
mであることから粉体流動性が悪く、微粉粒子が飛散す
ることから作業環境を悪化させるものであった。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明のペースト塩ビ顆粒は、平均粒径
20μm以上100μm以下を有し、塩化ビニル単量体
の残存含有濃度が30ppm未満であることから、ハン
ドリング性に優れ、塩化ビニル単量体の放出による環
境、作業環境の悪化がないことからその工業的価値は非
常に高いものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体の残存含有濃度が30p
    pm未満であり、平均粒径20μm以上100μm以下
    を有することを特徴とするペースト用塩化ビニル樹脂顆
    粒。
  2. 【請求項2】各種荷姿に包装される時点での塩化ビニル
    単量体の残存含有濃度が30ppm未満であることを特
    徴とする請求項1記載のペースト用塩化ビニル樹脂顆
    粒。
  3. 【請求項3】塩化ビニル樹脂ラテックス中の固形分あた
    りの未反応塩化ビニル単量体の残存含有濃度が100p
    pm以下である塩化ビニル樹脂ラテックスを噴霧乾燥す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のペースト用
    塩化ビニル樹脂顆粒の製造方法。
JP12696096A 1996-05-22 1996-05-22 ペースト用塩化ビニル樹脂顆粒及びその製造方法 Pending JPH09309997A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217626A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tosoh Corp 播種重合用種子粒子ラテックスおよびそれを用いたペースト塩化ビニル系樹脂の製造方法

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