JPH0930967A - 抗潰瘍剤 - Google Patents

抗潰瘍剤

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JPH0930967A
JPH0930967A JP17996095A JP17996095A JPH0930967A JP H0930967 A JPH0930967 A JP H0930967A JP 17996095 A JP17996095 A JP 17996095A JP 17996095 A JP17996095 A JP 17996095A JP H0930967 A JPH0930967 A JP H0930967A
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proton
proton pump
gastric mucosal
prodigiosin
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JP17996095A
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Katsuji Okuma
勝治 大熊
Kazuo Nagai
和夫 永井
Kazuyoshi Ichimura
和義 市村
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な抗潰瘍剤を提供すること。 【解決手段】 プロジギオシン類を有効成分として含有
する抗潰瘍剤、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
性に対する選択的阻害作用を有する阻害剤を有効成分と
して含有する抗潰瘍剤、並びに、胃粘膜プロトンポンプ
のプロトン放出活性に対する阻害作用とVタイプのプロ
トンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用とを併
有する阻害剤を有効成分として含有する抗潰瘍剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗潰瘍剤に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、プロジギオシン(prod
igiosin)類を有効成分として含有する抗潰瘍剤、胃粘
膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対する選択的阻
害作用を有する阻害剤を有効成分として含有する抗潰瘍
剤、並びに、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性
に対する阻害作用とVタイプのプロトンポンプのプロト
ン放出活性に対する阻害作用とを併有する阻害剤を有効
成分として含有する抗潰瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】潰瘍とは、壊死に基づく、粘膜や皮膚の
一定の深さの組織の欠損を指す病理状態である。潰瘍に
は急性に生ずる場合と、慢性に経過する場合が知られて
おり、その原因としては、(1)物理的損傷、(2)炎
症、(3)外来性または内在性化学物質による腐食作
用、(4)循環障害、(5)栄養神経障害、等が挙げら
れる。このうち、内在性化学物質による潰瘍としては、
胃や十二指腸の消化性潰瘍が代表的であるが、この場合
には胃液による消化のほかに、抹消循環障害や栄養神経
の影響も加わっているものと考えられている。
【0003】消化性潰瘍の治療法としては当初、入院安
静、各種薬剤(例えば、制酸薬、粘膜保護薬、抗コリン
薬、精神安定薬など)の併用投与、食事療法といった人
体の自然治癒力を支援補佐するに過ぎない治療法が中心
であった。しかし、近年、潰瘍、特に消化性潰瘍の治療
に用いることができる抗潰瘍剤が開発されるようになっ
てきた。1972年に出現したH2拮抗薬は、胃内の塩
酸分泌を強力に抑制することによって潰瘍の治療を促進
し、症状の消失と高率な潰瘍の治癒を得ることを容易に
した。しかし、消化性潰瘍はいったん治癒した後も再発
しやすい疾患(潰瘍症)であり、H2拮抗薬はこの再発
しやすいという潰瘍の傾向を減少せしめることはでき
ず、むしろ、高率に治癒せしめるがゆえに、従来よりも
早期かつ高頻度に再発してくるようにも見えた。
【0004】このような状況下、胃酸分泌抑制効果を発
揮することができる各種のプロトンポンプ阻害剤が抗潰
瘍剤として有効に使用できると考えられるようになって
きている。プロトンポンプとは、生体膜に存在し、膜の
両側の電気化学ポテンシャルに逆らってH+の能動輸送
を行う膜タンパク質であり、狭義には、H+の輸送のエ
ネルギー源としてATPを消費し、あるいは逆にATP
の合成のエネルギー源としてH+の化学浸透的エネルギ
ーを利用するATPアーゼである。
【0005】このプロトンポンプには各種の型のものが
存在するが、潰瘍に関係があるものとしては、胃粘膜の
壁細胞(Parietal Cell)に存在するPタイプの(H+
+)ATPアーゼ(本明細書中において、胃粘膜プロ
トンポンプと言う)が知られている。また、最近では真
核細胞のリソソーム膜中に存在する液胞型(vacuolarty
pe)の(H+)ATPアーゼ(本明細書中において、V
タイプのプロトンポンプと言う)の阻害剤が、ヘリコバ
クター・ピロリ(Helicobacter pylori)(本明細書中
以下においてH.ピロリと言う)の感染に伴う慢性胃
炎、胃潰瘍等の治療に有効である可能性が示唆されてい
る(WO94/04161)。この文献で用いられてい
るバフィロマイシンは、Vタイプのプロトンポンプに特
異的な阻害剤であり、Pタイプのプロトンポンプは阻害
しないことが分かっている。
【0006】また、Pタイプの胃粘膜プロトンポンプに
特異的な阻害剤としては、オメプラゾールが知られてお
り、抗潰瘍剤として用いられている。オメプラゾール
は、腸溶カプセルとして投与され、腸から吸収されて胃
の壁細胞の側基底側(血液側)細胞膜を通過して壁細胞
内に入り、次いで、酸が蓄積されている細胞内管腔に入
り、そこに蓄積される。蓄積されたオメプラゾール薬物
は酸により活性体に変化し、この活性体が頂端膜中に存
在する胃粘膜プロトンポンプのシステイン残基に不可逆
的特異的に結合することによって、胃粘膜プロトンポン
プのプロトンポンプ放出活性を阻害する。しかし、オメ
プラゾールは、上記のような作用機構のために、作用が
発現するまでにある程度時間がかかる。また、プロトン
ポンプの阻害の様式が不可逆的であること、及びプロト
ン放出活性の阻害がATPアーゼ活性の阻害とリンクし
ていること等の理由から、安全性の観点においても問題
が起こる可能性がある。
【0007】上記したように、これまで知られているプ
ロトンポンプ阻害剤は各種のプロトンポンプの中のある
種のタイプのプロトンポンプを特異的に阻害するもので
あるが、これはプロトンポンプの種類によってその反応
機構が大きく異なっているためであると考えられる。例
えば、Vタイプのプロトンポンプは、反応時にリン酸化
中間体を形成しないタイプのプロトンポンプであるのに
対して、Pタイプの胃粘膜プロトンポンプは、リン酸化
中間体を形成するタイプのプロトンポンプである。この
ような異なる機構を有するプロトンポンプを同時に阻害
する薬剤が見いだされれば抗潰瘍剤として有効に用いる
ことができる可能性がある。
【0008】さらにまた、胃炎患者の胃前庭部粘膜から
分離、同定されたグラム陰性のラセン状短桿菌として
H.ピロリが知られている。潰瘍に関する研究が進むに
つれ、このH.ピロリと潰瘍との関係が明らかになりつ
つあり、最近では、このH.ピロリを有効に除菌するこ
とが、H.ピロリ陽性の胃十二指腸疾患の患者の消化性
潰瘍の治療法の一つとして、効果的であると考えられる
ようになっている(治療学,Vol.28, No.4, p.25-3O (1
994))。しかし、現在市販されている抗潰瘍剤としての
胃粘膜プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾー
ル)は、H.ピロリに対して抗菌作用を示すことが認め
られているが、その効力は弱く、単独で用いた場合には
抗潰瘍剤として十分な抗菌活性を有しているとは言えな
い。
【0009】また、近年欧米を中心として胃粘膜プロト
ンポンプ阻害薬と抗菌薬の併用が、H.ピロリの除菌に
有効であるとする報告も増加している(治療学,Vol.2
8, No.4, 25-3O (1994))。上記のような観点から、胃
粘膜プロトンポンプ阻害作用と共にH.ピロリに対する
強い抗菌作用をも併有する薬剤が見いだされれば抗潰瘍
剤として有効であることが示唆されるが、現在までの
所、このような薬剤は見いだされていない。
【0010】プロジギオシンは、セラチア属の菌株の1
種であるセルチア・マルセスセンス(Serratia marcesc
ens)が産生する抗生物質の1種である。プロジギオシ
ンは、塩基性物質の赤色色素であり、細菌類に対しては
ほとんど発育阻止作用がなく、ある種のカビや原虫の発
育を阻止することが知られている。また、プロジギオシ
ンに類似した構造を有する幾つかの化合物がプロジギオ
シン様物質として知られている。
【0011】例えば、プロジギオシン25−Cは、スト
レプトマイセス(Streptomyces)属の28−24菌株の赤色
菌株により生産されるプロジギオシン様色素であり、そ
の精製法、物理・化学的性質、及び生物学的性質(ある
種の菌に対し抗菌活性を有すること)が報告されている
(抗生物質・補遺II(1966〜1970),1305〜1310, 1973、
住木論介著、東京大学出版会)。また、メタシクロプロ
ジギオシンは、ストレプトマイセス・ロンギスポラス・
ルーバー(Streptomyces longisporus ruber) M-3株の
赤色菌株により生産されるプロジギオシン様色素であ
り、その精製法、物理・化学的性質及び生物学的性質
(ある種の菌に対し抗菌作用を有すること)が報告され
ている(抗生物質・補遺II(1966〜1970),1305〜1310,
1973、住木論介著、東京大学出版会)。
【0012】プロジギオシン25−C及びメタシクロプ
ロジギオシンが有する薬理作用の一つとしては、現在ま
での所、免疫抑制作用が明らかになっている(特公平5
ー86374)。しかし、プロジギオシン類に関するこ
れらの文献からは、プロジギオシン類、特には、プロジ
ギオシン25−C及びメタシクロプロジギオシンが、そ
の他の薬理作用を有することを見いだすことはできな
い。
【0013】さらに最近になって、プロジギオシン25
−Cが、真核生物の細胞のリソソーム膜中に存在するV
タイプのプロトンポンプのプロトン放出活性に対して阻
害作用を示すことが明らかとなった(FEBS Letters, 35
9, 53-59 (1995))。この文献中には、プロジギオシン
25−Cが、Vタイプのプロトンポンプのプロトン放出
活性に対しては強い阻害作用を示すが、そのATPアー
ゼ活性に対しては強い阻害は示さず、両者の阻害濃度は
明らかに解離しているということが記載されている。し
かし、VタイプのプロトンポンプとPタイプの胃粘膜プ
ロトンポンプの作用機構が相違することから考えて、こ
の文献からは、プロジギオシン25−CがPタイプの胃
粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性を阻害すること
は全く不明である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、新規な抗潰瘍剤を提供することである。本発明のも
う一つの目的は、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出
活性を選択的に阻害する薬剤を見いだすことである。本
発明のさらにもう一つの目的は、H.ピロリに対する抗
菌作用、並びに、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出
活性に対する選択的阻害作用とを併有する薬剤を見いだ
すことである。
【0015】本発明のさらにもう一つの目的は、胃粘膜
プロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用と
Vタイプのプロトンポンプのプロトン放出活性に対する
阻害作用とを併有する薬剤を見いだすことである。本発
明のさらにもう一つの目的は、胃粘膜プロトンポンプの
プロトン放出活性に対する阻害作用が選択的であること
を特徴とする、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
性に対する阻害作用とVタイプのプロトンポンプのプロ
トン放出活性に対する阻害作用とを併有する薬剤を見い
だすことである。
【0016】本発明のさらにもう一つの目的は、H.ピ
ロリに対する抗菌作用と、胃粘膜プロトンポンプのプロ
トン放出活性に対する阻害作用と、さらに、Vタイプの
プロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用と
を併有する薬剤を見いだすことである。本発明のさらに
もう一つの目的は、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放
出活性に対する阻害作用が選択的であることを特徴とす
る、H.ピロリに対する抗菌作用と、胃粘膜プロトンポ
ンプのプロトン放出活性に対する阻害作用と、さらに、
Vタイプのプロトンポンプのプロトン放出活性に対する
阻害作用とを併有する薬剤を見いだすことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】今回、本発明者らは、プ
ロジギオシン類、特にはプロジギオシン25−C及びメ
タシクロプロジギオシンが、胃粘膜プロトンポンプのプ
ロトン放出活性に及ぼす影響及び胃粘膜プロトンポンプ
のATPアーゼ活性に及ぼす影響について検討した所、
意外なことにも、Vタイプのプロトンポンプのプロトン
放出活性を阻害することが知られていたプロジギオシン
類が、胃粘膜のプロトンポンプのプロトン放出活性を選
択的に阻害することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0018】さらに本発明者らは、プロジギオシン類、
特にはプロジギオシン25−C及びメタシクロプロジギ
オシンが、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性に
影響を及ぼす際の阻害形式を明らかにすることによっ
て、プロジギオシン類が優れた抗潰瘍剤として使用する
ことができることを見いだした。さらに本発明者らは、
プロジギオシン類、特にはプロジギオシン25−Cが、
H.ピロリに対して及ぼす抗菌作用についても検討する
ことによって、プロジギオシン類が優れた抗潰瘍剤とし
て使用することができることを見いだした。
【0019】即ち、本発明は、プロジギオシン類を有効
成分として含有する抗潰瘍剤を提供するものである。好
ましくは、本発明は、プロジギオシン25−Cあるいは
メタシクロプロジギオシンを有効成分として含有する抗
潰瘍剤を提供するものである。さらに、本発明は、胃粘
膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対する選択的阻
害剤を有効成分として含有する抗潰瘍剤を提供するもの
である。好ましくは、本発明は、H.ピロリに対して抗
菌作用を示す、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
性に対する選択的阻害剤を有効成分として含有する抗潰
瘍剤を提供するものである。
【0020】さらにまた、本発明は、胃粘膜プロトンポ
ンプのプロトン放出活性に対する阻害作用とVタイプの
プロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用と
を併有する阻害剤を有効成分として含有する抗潰瘍剤を
提供するものである。好ましくは、本発明は、胃粘膜プ
ロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用が選
択的であることを特徴とする、胃粘膜プロトンポンプの
プロトン放出活性に対する阻害作用とVタイプのプロト
ンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用とを併有
する阻害剤を有効成分として含有する抗潰瘍剤を提供す
るものである。さらに好ましくは、本発明は、上記の阻
害剤がヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用を示す
ことを特徴とする、上記の抗潰瘍剤を提供するものであ
る。
【0021】以下に、本発明をより詳細に説明する。本
発明者らは、プロジギオシン類、特にはプロジギオシン
25−C及びメタシクロプロジギオシンが、低薬量で胃
粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性を阻害するが、
ATPアーゼ活性はほとんど阻害しないことを見いだし
た。この事実より、プロジギオシン類は細胞内のATP
のエネルギー代謝に影響を与えずに、抗潰瘍効果を示す
ことが推察され、副作用の少ない抗潰瘍剤となるものと
考えられる。
【0022】また、オメプラゾール等の既存の胃粘膜プ
ロトンポンプ阻害剤は、強酸性の胃管腔(実験条件では
反転した小胞)内部で活性化体になった後、プロトンポ
ンプの管腔側のシステイン残基に不可逆的に結合し、結
合体に変化する。よって、これらのプロトンポンプ阻害
剤は、薬剤投与してからプロトン放出に対する阻害作用
が発現するまでにある程度時間がかかっていた。それに
対して、本発明で使用されるプロジギオシン類の一つの
特徴は、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対
する阻害作用が極めて速く発現するということである。
この特徴により、本発明のプロジギオシン類は速やかに
効力を発現する抗潰瘍剤としての利用が期待できる。
【0023】さらに本発明者らは、本発明のプロジギオ
シン類が胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対
する阻害作用の様式が可逆的であることを証明すること
によって、プロジギオシン類を有効成分として含有する
抗潰瘍剤が、胃内のpHを容易にコントロールでき、人
体に安全な抗潰瘍剤となる可能性を示唆した。さらに、
本発明の抗潰瘍剤は、非特異的なシステイン残基阻害剤
よりも、副作用の発現抑制が容易になることなどが期待
できる。
【0024】さらに本発明者らは、プロジギオシン類
が、潰瘍と深い係わりがあると言われている、H.ピロ
リに対して抗菌作用を示すことを明らかにした。即ち、
本発明者らは、プロジギオシン類が胃粘膜プロトンポン
プのプロトン放出活性に対する阻害作用とH.ピロリに
対する優れた抗菌作用とを併有する優れた抗潰瘍剤とし
て用いることができることを証明した。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、プロジギ
オシン類を有効成分として含有する抗潰瘍剤である。本
発明で用いられるプロジギオシン類は特には制限され
ず、例えば、天然または合成のプロジギオシン、プロジ
ギオシン25−C、ウンデシルプロジギオシン、メタシ
クロプロジギオシン、ノニルプロジギオシン等が挙げら
れ、好ましくは、プロジギオシン25−C及びメタシク
ロプロジギオシンである。
【0026】プロジギオシン25−Cは下記の式I:
【化3】 で示される化合物である。また、メタシクロプロジギオ
シンは下記の式II:
【化4】 で示される化合物である。
【0027】これらの化合物は、例えば、「抗生物質・
補遺II(1966〜1970年)1305〜1310(1973) 住木論介
著、東京大学出版会」に記載されている培養法・精製法
によって得ることができる。即ち、プロジギオシン25
−Cを得るためには、先ず、ストレプトマイセス(Stre
ptomyces)28-24株を適当な培地(グルコース20、溶
性デンプン10、肉エキス1、乾燥酵母4、NaCl
2、大豆粕25、K2HPO40.05g/l)で30℃
にて一定期間振盪培養した後、菌体を集める。これをア
セトン抽出し、水の添加後、クロロホルム抽出する。次
いで、抽出液を、濃縮、脱水、蒸発し、溶剤(クロロホ
ルム:石油エーテル=1:4)に溶解した後、これをア
ルミナカラムに通す。適切な溶剤(各種の比率のクロロ
ホルム/石油エーテル溶剤等)による溶出を繰り返すこ
とによって分画し、プロジギオシン25−Cを有する画
分を得ることができる。
【0028】また、メタシクロプロジギオシンを得るた
めには、先ず、ストレプトマイセス・ロンギスポラス・
ルーバー(Streptomyces longisporus ruber)M−3株
を、適切な培地で所定の条件下で培養し、凍結乾燥した
菌体をメチレンクロライドで抽出する。抽出液を、酸及
び続いてアルカリで洗浄した後、塩基性アルミナでクロ
マトグラフィーにかけ、塩酸塩とすると、2個の主成分
が得られるが、そのうちの1つがメタシクロプロジギオ
シンである。
【0029】また、本明細書で後述する実施例に記載さ
れているように、ジャーナル・オブ・アンチバイオティ
ックス(J. Antibiotics)39, 1155-1159 (1986)に記載
の方法により得られたプロジギオシン25−C及びメタ
シクロプロジギオシンを用いることもできる。何れにし
ても、本発明で使用するプロジギオシン25−C及びメ
タシクロプロジギオシンの製造方法は上記のものに限定
されるわけではなく、上記の製造例はあくまで本発明で
使用するプロジギオシン類の製造方法の一例を示すもの
に過ぎない。
【0030】本発明の第2の態様は、胃粘膜プロトンポ
ンプのプロトン放出活性に対する選択的阻害剤を有効成
分として含有する抗潰瘍剤である。本明細書中におい
て、「胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対す
る選択的阻害剤」、あるいは、「胃粘膜プロトンポンプ
のプロトン放出活性に対する阻害作用が選択的である」
とは、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対す
る阻害作用の方が、ATPアーゼ活性に対する阻害作用
より強いことを特徴とする。詳しくは、胃粘膜、例えば
ブタ胃粘膜を用いて、ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)251, 7690-7698
(1976) に記載の方法等を用いることにより得られる胃
粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性阻害濃度のIC
50値が、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J. Biol. Chem.)263, 3652-3656 (1988) に記載
の方法等を用いることによって得られるATPアーゼ活
性阻害濃度のIC50値の1/10以下、好ましくは1/
100以下、さらに好ましくは1/1000以下である
ことを特徴とする。
【0031】本発明の第3の態様は、胃粘膜プロトンポ
ンプのプロトン放出活性に対する阻害作用とVタイプの
プロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用と
を併有する阻害剤を有効成分として含有する抗潰瘍剤で
ある。本明細書中において、「胃粘膜プロトンポンプの
プロトン放出活性に対する阻害作用とVタイプのプロト
ンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用とを併有
する」とは、胃粘膜、例えばブタ胃粘膜を用いて、ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Bio
l. Chem.)251, 7690-7698 (1976) に記載の方法等を用
いることにより得られる胃粘膜プロトンポンプのプロト
ン放出活性阻害濃度のIC50値が、10mM以下、好ま
しくは100μM以下、さらに好ましくは1μM以下、
特にさらに好ましくは100nM以下、最も好ましくは
10nM以下であり、かつ、FEBS Letters, 359, 53-59
(1995) に記載の方法等を用いることにより得られるV
タイプのプロトンポンプのプロトン放出活性阻害濃度の
IC50値が、10mM以下、好ましくは100μM以
下、さらに好ましくは1μM以下、最も好ましくは10
0nM以下であることを意味する。
【0032】また、本発明の第2の態様及び第3の態様
は、好ましくは、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobact
er pylori)に対して抗菌作用を示すことを特徴とする
抗潰瘍剤である。本明細書中において、「ヘリコバクタ
ー・ピロリに対して抗菌作用を示す」という語句は、寒
天希釈(agar dilution)法等の抗菌活性測定法を用い
て、H.ピロリを50%生育を抑制する最小阻害濃度
(MIC50)を測定した場合、MIC50値が50μg/ml
以下、好ましくは10μg/ml以下、さらに好ましくは1
μg/ml以下、最も好ましくは0.5μg/ml以下であるこ
とを意味する。
【0033】本発明者らは、プロジギオシン類の1種で
あるプロジギオシン25−Cならびにメタシクロプロジ
ギオシンが胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性を
選択的に阻害することを見いだした。また、その反応様
式が、オメプラゾール等の既存の胃粘膜プロトンポンプ
阻害剤が不可逆的であるのに対して、プロジギオシン2
5−C及びメタシクロプロジギオシンは可逆的であるこ
とを証明した。
【0034】さらに、本発明者らはプロジギオシン25
−Cが、潰瘍に深い関係があるといわれているH.ピロ
リに対して、強い抗菌作用を有することを明らかにし
た。即ち、本発明者らは、プロジギオシン類が、胃粘膜
プロトンポンプのプロトン放出活性に対する選択的阻害
作用とH.ピロリに対する抗菌作用を併せ持つ薬剤であ
ることを証明し、これによりH.ピロリを有効的に除菌
する胃粘膜プロトンポンプ阻害剤となることが示唆され
た。
【0035】以上のことから、本発明者らは、プロジギ
オシン類が、ヒトまたは動物の消化性潰瘍、詳しくは、
胃炎,胃潰瘍及び下部消化管における潰瘍等、好ましく
は、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらに好ましくは、
胃炎、胃潰瘍に対する抗潰瘍剤として有用であることを
見いだした。
【0036】本発明の抗潰瘍剤の有効成分であるプロジ
ギオシン類は単独で用いてもよいが、通常は普通の賦形
剤またはその他の補助剤と混合して、非経口投与及び好
ましくは経口投与に適する剤形に製剤化することが望ま
しい。好ましい剤形としては、例えば粉剤、顆粒剤、錠
剤、糖衣錠、丸剤、カプセル剤等が挙げられるが、これ
らに限定されるわけではない。これらの製剤は常法によ
り、慣用の賦形剤または補助剤を用いて製造することが
できる。賦形剤及び補助剤としては、例えば、乳糖、シ
ョ糖、各種の澱粉、ブドウ糖、セルロース、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル
硫酸塩、タルク、植物油、各種のポリソルベートポリエ
チレングリコール等が挙げられるが、これらに限定され
るわけではない。また、これらの2種以上の混合物を適
宜用いてもよい。
【0037】経口投与用製剤は活性成分を1〜55重量
%の量で含有することが望ましい。本発明の抗潰瘍剤を
ヒトに経口投与する場合は、有効成分の投与量は1日あ
たり、一般的には0.0001〜100mg/kg、好まし
くは0.001〜10mg/kg、さらに好ましくは0.0
1〜1mg/kgである。また、本発明の抗潰瘍剤を静脈注
射によりヒトに投与する場合は、有効成分の投与量は1
日あたり、一般的には0.0001〜10mg/kg、好ま
しくは0.001〜1.0mg/kg、さらに好ましくは
0.01〜1mg/kgである。
【0038】以下の実施例により、本発明で用いるプロ
ジギオシン類が、胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出
活性に対する阻害作用、並びに、H.ピロリに対する抗
菌作用を有することを示すが、本発明はいかなる意味に
おいてもこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0039】
【実施例】以下の実施例では、ジャーナル・オブ・アン
チバイオティックス(J. Antibiotics)39, 1155-1159
(1986) に記載の方法により得られたプロジギオシン2
5−C及びメタシクロプロジギオシンを使用した。具体
的には、下記の表1に示す操作流れ図に示す手順により
行った。ストレプトマイセス・ヒロシメンシス(Strept
omyces hiroshimensis)の培地からの活性化合物の単離
のための操作の流れ図:
【表1】
【0040】実施例1:胃粘膜プロトンポンプのプロト
ン放出に対する阻害活性 ブタ胃粘膜小胞380μgを含む測定用緩衝液(8mM
PIPES(ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタ
ンスルホン酸))/TMAH(テトラメチルアンモニウ
ム・ハイドロキシド)(pH6.8),2mM 塩化マグ
ネシウム(MgCl2),2μM アクリジンオレンジ,
150mM 塩化カリウム)に、5μMバリノマイシン
と、所定濃度のプロジギオシン25−C、メタシクロプ
ロジギオシン、または比較剤としてのオメプラゾールを
加えた。反応は37℃で行い、各薬液に1mMのATP
を加え、アクリジンオレンジの蛍光消光を測定した。そ
の後、1mMのカルボニルシアニドp−トリフルオロメ
トキシフェニルヒドラゾン(FCCP)を加え、蛍光強
度を回復させ、最後に、0.1%(W/V)のトライト
ンX−100を加えた。
【0041】各薬剤の反応薬液におけるアクリジンオレ
ンジの蛍光消光の時間的変化は、図1〜3に示した。ま
た、図4では、縦軸にメタシクロプロジギオシン及びプ
ロジギオシン25−C処理区のプロトン放出活性の対無
処理区比(%)を、横軸には対数目盛りによる各薬剤濃
度を示している。図4から明らかなように、メタシクロ
プロジギオシンならびにプロジギオシン25−Cの、プ
ロトンポンプのプロトン放出活性に対するIC50値はメ
タシクロプロジギオシンで約6nM、プロジギオシン2
5−Cでは30〜40nMであった。一方、オメプラゾ
ールは、作用が発現するまでにある程度の時間がかかる
ために、ATP投与から10分間の平均値をもとにIC
50値を導くと、3〜30μMと推測された。その結果、
胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出に対する阻害活性
は、オメプラゾールと比較して、メタシクロプロジギオ
シンで約1000倍、プロジギオシン25−Cで約10
0〜1000倍強力であり、顕著な効力の差が認められ
た。
【0042】また、メタシクロプロジギオシン及びプロ
ジギオシン25−Cと、オメプラゾールとを比較する
と、メタシクロプロジギオシン及びプロジギオシン25
−Cでは、ATP投与後すぐにプロトンポンプ活性を阻
害しているのに対し、オメプラゾールでは、薬剤を処理
してからプロトン放出阻害効果が発現するまである程度
時間がかかる傾向が認められた。
【0043】実施例2:胃粘膜プロトンポンプのATP
アーゼに対する阻害活性 ブタ胃粘膜小胞2.4μgを含む測定用緩衝液(8mM
PIPES/TMAH(pH6.8),20mM 塩化マ
グネシウム,150mM 塩化カリウム)に、所定濃度
のプロジギオシン25−C、メタシクロプロジギオシ
ン、または比較剤としてのオメプラゾールを加えた。そ
の後各薬液に5μMのバリノマイシン、1mMのATP
を加え、37℃で10分間インキュベーションし、遊離
したリン酸をマラカイトグリーン法(アナリティカル・
バイオケミストリー(Anal. Biochem.) 157, 375-380 (1
986))により630nmの吸光度にて測定した。なお、
ブランクには、150mMの塩化カリウムの代わりに、
150mMの塩化コリンを用い、活性値はブランクの値
を引いたものを測定した。また、全ての試験区に、プロ
テアーゼ阻害剤として、ロイペプチン、アンチパイン、
キモスタチン、ペプスタチンを各5μg/ml混入し
た。
【0044】得られた結果を、図5及び6に示した。図
5から分かるように、胃粘膜プロトンポンプのATPア
ーゼ活性に対するIC50値は、メタシクロプロジギオシ
ンでは約3μM、プロジギオシン25−Cについては3
0μM以上である。従って、メタシクロプロジギオシン
及びプロジギオシン25−Cにおいては、プロトン放出
阻害活性の方がATPアーゼ阻害活性より約1000倍
ないしそれ以上強いという事実が認められた。図6から
分かるように、オメプラゾールのATPアーゼ活性に対
するIC50値は約20μMであり、これはプロトンポン
プ活性に対するIC50値とほぼ同等であることが示され
た。
【0045】実施例3:胃粘膜プロトンポンプのプロト
ン放出活性に対する阻害作用の可逆性 ブタ胃粘膜小胞20μl(380μg)を、30nMの
メタシクロプロジギオシンまたは100nMのプロジギ
オシン25−Cを含む測定用緩衝液(8mMPIPES
/TMAH(pH6.8),2mM 塩化マグネシウム,
150mM塩化カリウム,1mM ATP,2μM アク
リジンオレンジ,5μM バリノマイシン,全量100
μl)中で37℃にて3分間前処理した。前処理した反
応液100μlを測定用緩衝液(1.9ml)に加えて
阻害剤を20倍に希釈(メタシクロプロジギオシンの最
終濃度は1.5nM,プロジギオシン25−Cは5n
M)してから胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活性
を測定した。ポジティブコントロールはプロトン放出活
性をほぼ完全に阻害する濃度にあたる30nMのメタシ
クロプロジギオシン、または100nMのプロジギオシ
ン25−Cを含む測定用緩衝液を用いて行った。ネガテ
ィブコントロールは、1%DMSO(溶媒)を含む測定
用緩衝液を用いて行った。活性は、アクリジンオレンジ
の蛍光消光を、励起波長(493nm)、蛍光測定波長
(530nm)で測定した。
【0046】図7から分かるように、プロトン放出活性
がほぼ完全に阻害される濃度の、プロジギオシン25−
C(100nM)またはメタシクロプロジギオシン(3
0nM)の存在下で前処理し、その後20倍に希釈処理
した後のプロトン放出活性は、両薬剤の希釈処理後の濃
度に相当する1.5nMのメタシクロプロジギオシン及
び5nMのプロジギオシン25−C処理の場合の活性と
ほぼ同等の活性を示した。従って、胃粘膜プロトンポン
プのプロトン放出活性は、薬剤を希釈することによって
回復することが示される。これらの結果により、プロジ
ギオシン類の胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出に対
する阻害形式は、可逆的であることが示唆される。な
お、前処理するとバリノマイシンの効果で、プロトン放
出活性が強まる傾向になる。
【0047】実施例4:H.ピロリに対するプロジギオ
シン25−Cの抗菌作用 H.ピロリに対する抗菌効果の活性は、寒天希釈(agar
dilution) 法を用いて測定した。各濃度の薬剤を含ん
だ5%ウマ血清ミューラー・ヒントン培地(Mueller-Hi
nton agar)を作成した。H.ピロリは、5%ウマ脱繊
維血または5%ウマ血清含有ブルセラ培地(brucella a
gar)で3〜5日間前培養後、エーゼで採取し、ブルセ
ラ液体培地(brucella broth)に懸濁した。106〜1
7CFU/mlのH.ピロリを含む菌液をミクロプランタ
ーで10μlずつ寒天平板へ接種した。37℃、5%C
2で3〜4日間培養した後、以下の方法により判定を
行った。
【0048】寒天平板上にコロニーの形成が確認できな
い最小の薬物濃度を最小阻害濃度(minimum inhibitory
concentration(MIC))とし、50%あるいは90
%の株でコロニーの形成が確認できない薬物の濃度をそ
れぞれMIC50、MIC90とした。H.ピロリに対する
プロジギオシン25−CのMIC50は0.39μg/ml、
MIC90値は1.56μg/mlとなった。よって、プロジ
ギオシン類はH.ピロリに対して強い抗菌作用を有する
ことが明らかとなった。
【0049】
【発明の効果】以上のような作用を示すプロジギオシン
類、特にプロジギオシン25−C及びメタシクロプロジ
ギオシンは、抗潰瘍剤として経口及び非経口的に用いる
ことにより、治療効果が期待できる。さらに、胃粘膜プ
ロトンポンプのプロトン放出活性に対する選択的阻害剤
を有効成分として含有する本発明の薬剤、並びに、胃粘
膜プロトンポンプのプロトン放出活性に対する阻害作用
とVタイプのプロトンポンプのプロトン放出活性に対す
る阻害作用とを併有する阻害剤を有効成分として含有す
る本発明の抗潰瘍剤は、これまで知られていない新規な
ものであり、抗潰瘍剤として経口及び非経口的に用いる
ことにより、治療効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタシクロプロジギオシンのブタ胃粘膜プロト
ンポンプのプロトン放出活性に対する影響を示す図であ
る。
【図2】プロジギオシン25−Cのブタ胃粘膜プロトン
ポンプのプロトン放出活性に対する影響を示す図であ
る。
【図3】オメプラゾールのブタ胃粘膜中プロトンポンプ
のプロトン放出活性に対する影響を示す図である。
【図4】メタシクロプロジギオシン及びプロジギオシン
25−Cのブタ胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
性に対する影響を示す図である。
【図5】メタシクロプロジギオシン及びプロジギオシン
25−Cのブタ胃粘膜プロトンポンプのATPアーゼ活
性に対する影響を示す図である。
【図6】オメプラゾールのブタ胃粘膜プロトンポンプの
ATPアーゼ活性に対する影響を示す図である。
【図7】メタシクロプロジギオシン及びプロジギオシン
25−Cのブタ胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
性阻害形式の可逆性を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロジギオシン類を有効成分として含有
    する抗潰瘍剤。
  2. 【請求項2】 プロジギオシン類が、下記の式Iのプロ
    ジギオシン25−C: 【化1】 または、下記の式IIのメタシクロプロジギオシン: 【化2】 であることを特徴とする請求項1記載の抗潰瘍剤。
  3. 【請求項3】 胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
    性に対する選択的阻害作用を有する阻害剤を有効成分と
    して含有する抗潰瘍剤。
  4. 【請求項4】 阻害剤がヘリコバクター・ピロリ(Heli
    cobactor pylori)に対して抗菌作用を示すことを特徴
    とする、請求項3記載の抗潰瘍剤。
  5. 【請求項5】 胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
    性に対する阻害作用とVタイプのプロトンポンプのプロ
    トン放出活性に対する阻害作用とを併有する阻害剤を有
    効成分として含有する抗潰瘍剤。
  6. 【請求項6】 胃粘膜プロトンポンプのプロトン放出活
    性に対する阻害作用が選択的であることを特徴とする請
    求項5に記載の抗潰瘍剤。
  7. 【請求項7】 阻害剤がヘリコバクター・ピロリ(Heli
    cobactor pylori)に対して抗菌作用を示すことを特徴
    とする、請求項5または6に記載の抗潰瘍剤。
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