JPH09306839A - 半導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法 - Google Patents

半導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法

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JPH09306839A
JPH09306839A JP25696896A JP25696896A JPH09306839A JP H09306839 A JPH09306839 A JP H09306839A JP 25696896 A JP25696896 A JP 25696896A JP 25696896 A JP25696896 A JP 25696896A JP H09306839 A JPH09306839 A JP H09306839A
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semiconductor
pulse
melting
crystallization
laser
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JP25696896A
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Hiroshi Yoshikawa
博志 吉川
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1台のパルスレーザによって半導体を溶融さ
せ、その後の結晶化時の凝固速度を遅くすることがで
き、薄膜トランジスタ用半導体膜の結晶化工程に用いて
好適な半導体の溶融結晶化方法を提供するとともに、半
導体の結晶性を損なうことなく、トランジスタ特性の悪
化を回避できる半導体の不純物活性化方法を提供する。 【解決手段】 1台のパルスレーザによる半導体の溶融
結晶化方法において、パルス半値幅Δtを制御すること
によって、パルスの立ち上がり、または立ち下がりの傾
きm1,m2を時間的に制御する。また、半導体の温度
が高くなりすぎないように1パルスのパルス強度を制御
する。同様に、パルスレーザを用いる不純物活性化方法
において、パルス半値幅Δt並びにパルス強度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザによ
る半導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法に関す
る。これらの方法は、例えば、基板上に薄膜トランジス
タを製造する工程中に好適に実施される。
【0002】
【従来の技術】石英、ガラス等の絶縁性基板上に形成し
た非晶質または結晶性半導体膜を、パルスレーザによっ
て溶融させ、凝固(固化)させる方法は、一般にレーザ
アニール方法と呼ばれる。即ち、半導体膜にレーザ照射
を行うと、該半導体の溶融(再)結晶化が起こり、結晶
成長させることによって基板上に所望の特性を有する結
晶性半導体膜を得る方法である。このレーザアニール方
法は、例えば、アクティブマトリクス型の画像表示装置
等に利用される薄膜トランジスタ用半導体膜の結晶化工
程などで実施される。
【0003】特開平6−5538号公報では、上記レー
ザアニール方法において、半導体の凝固時間を長くする
方法が開示されている。即ち、パルスレーザと半導体層
との間に2枚のメニスカス凸レンズと1枚の両面凸レン
ズとを設置し、光路差が発生することを利用してパルス
幅が時間的に拡がるようにして半導体の凝固時間が長く
なるようにしている。
【0004】また、1995年春の応用物理学会の講演
予稿集29p−Q−4、及び1995年秋の応用物理学
会の講演予稿集26p−ZN−1では、2台のパルスエ
キシマレーザを用いてシリコン薄膜を溶融結晶化させる
方法が報告されている。即ち、まず、1台の23ns幅
のパルスレーザでシリコンを溶融させ、凝固させる間に
もう1台のパルスレーザを照射して、凝固速度を遅くし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の2台の
パルスレーザを組み合わせたレーザアニール方法では、
以下の問題を生じる。
【0006】上記方法では、1台目のパルスエキシマレ
ーザでシリコン薄膜を溶融させ、その後、もう1台のパ
ルスレーザを1台目のレーザパルスに対して数μ秒の遅
れ時間で照射し、シリコンの凝固速度を遅くしている。
その結果、4μ秒の遅れ時間のとき16μmの粒径とな
る多結晶シリコンを作製している。しかしながら、レー
ザは共にパルス幅が23ns程度のため、最初のレーザ
エネルギ密度を大きくしてシリコンの溶融温度を高く
し、レーザのパルス幅に依存したシリコンの凝固時間を
できるだけ長くする必要がある。そうしなければ、ある
遅れ時間で2番目のレーザを照射する時に、すでに凝固
が終了していてシリコンの凝固速度を遅くする効果が生
じない。ところが、レーザのエネルギ密度が高く、パル
スの立ち上がり(時間に対するパルス強度)が大きい場
合、シリコンの表面荒れや膜蒸発が発生しやすくなり、
また大面積で均一性の良い膜を作製することが困難とな
る。そこで、1番目のレーザのエネルギ密度を低く抑え
て溶融させるとすると、2番目のレーザ照射の遅れ時間
をかなり短くしなければならなくなる。この場合、2台
のレーザを使用する効果が小さくなる。
【0007】また、2台のレーザで溶融結晶化する場
合、大面積の基板上のシリコンに対して結晶化すること
は装置の幾何学的な問題のために困難となる。
【0008】さらに、薄膜トランジスタを製造する際に
実施される不純物活性化工程においても、パルスレーザ
を用いる場合がある。具体的には、半導体のソース/ド
レイン部に注入された不純物イオンを、パルスレーザに
よるレーザ照射を行って活性化させる。この場合、半導
体の結晶性を損なわないように、かつ、トランジスタ特
性を悪化させることのないように、パルスレーザのパル
ス半値幅並びにパルス強度を設定する必要がある。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
のであり、その第1の目的は、1台のパルスレーザによ
って半導体を溶融させ、その後の結晶化時の凝固速度を
遅くすることができ、薄膜トランジスタ用半導体膜の結
晶化工程に用いて好適な半導体の溶融結晶化方法を提供
することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、半導体の結
晶性を損なうことなく、トランジスタ特性の悪化を回避
できる半導体の不純物活性化方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る半
導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法は、上記の
課題を解決するために、パルスレーザによる半導体の溶
融結晶化方法及び不純物活性化方法において、パルスの
立ち下がり、または立ち上がりの傾きもしくは形状を時
間的に制御することを特徴としている。
【0012】上記の溶融結晶化方法により、半導体を1
台のパルスレーザによって溶融させた後、凝固(固化)
させる溶融結晶化方法において、半導体の結晶化時の凝
固速度を遅くすることができる。その結果、結晶内、及
び粒界欠陥を減少させるとともに、結晶粒径を大きくす
ることができるので、例えば、薄膜トランジスタ用半導
体膜の結晶化工程に用いた場合に、良好な特性を有する
薄膜トランジスタを得ることができる。
【0013】また、1台のレーザによって半導体を溶融
させ、その後の結晶化時の凝固速度を遅くすることがで
きるので、大面積の基板上の半導体を良好に溶融結晶化
させることができる。
【0014】さらに、上記の不純物活性化方法により、
半導体の温度を不所望に著しく上昇させることなく、半
導体に注入された不純物を活性化させるレーザ照射が可
能になる。これにより、半導体の急激な温度上昇に伴っ
て、急激に水素が移動し該半導体から突沸するように飛
び出すことを防止できる。また、不純物が真性領域へ拡
散することを抑制できる。したがって、半導体の結晶性
を損なうことがなく、かつ、トランジスタ特性の悪化を
回避できる。
【0015】請求項2の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項1の方法において、パルスレーザの半値幅
を制御してパルスの立ち上がり、及び立ち下がりの傾き
を時間的に制御することを特徴としている。
【0016】上記の方法によれば、パルスレーザの半値
幅を制御して適当な値に設定することで、パルスの立ち
上がり、及び立ち下がりの傾きを時間的に制御する。パ
ルスの半値幅は長い時間に設定することが好ましく、こ
れにより、半導体の結晶化時の凝固速度を遅くすること
ができ、或いは、半導体に注入された不純物を良好に活
性化することができる。
【0017】請求項3の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項1の方法において、パルスの立ち上がり、
及び立ち下がりの傾きをそれぞれ独立して時間的に制御
することを特徴としている。
【0018】上記の方法によれば、パルスの立ち上が
り、及び立ち下がりの傾きをそれぞれ独立して時間的に
制御する。これにより、半導体の結晶化時の凝固速度を
遅くすることができ、或いは、半導体に注入された不純
物を良好に活性化することができる。
【0019】請求項4の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項3の方法において、パルスの立ち上がりの
傾きm1とパルスの立ち下がりの傾きm2との絶対値が
異なり、パルスの半値幅Δtを変えることでm1とm2
を共に時間的に制御することを特徴としている。
【0020】即ち、本発明の方法では、立ち上がりの傾
きm1と立ち下がりの傾きm2との絶対値が異なってい
ても、何ら差し支えることなく、パルスの半値幅Δtを
調整しm1とm2を共に時間的に制御することで、上記
した作用・効果を奏するものである。
【0021】請求項5の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項3の方法において、パルスの立ち上がりの
傾きm1とパルスの立ち下がりの傾きm2とを|m1|
≧|m2|となるように時間的に制御することを特徴と
している。
【0022】上記の方法によれば、半導体の結晶化時の
凝固時間を遅くでき、或いは、半導体に注入された不純
物を良好に活性化できるので、薄膜トランジスタ用半導
体膜の結晶化工程に用いた場合、或いは、該半導体膜に
注入された不純物の活性化工程に用いた場合に、良好な
特性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。
【0023】請求項6の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、パルスレーザによる半導体の溶融結晶化方法及び
不純物活性化方法において、温度を半導体の融点以上に
上昇させる強度であって、かつ、温度が前記融点より高
くなりすぎない強度に1パルスのパルス強度を設定する
ことを特徴としている。
【0024】上記の溶融結晶化方法により、1パルスの
パルス強度を制御することによって、半導体を溶融させ
るとともに、半導体の温度を該半導体の融点付近となる
ように低く抑えることができる。これにより、半導体の
表面荒れ、膜飛び、膜蒸発の発生を防止・抑制すること
ができるので、半導体を良好に溶融結晶化させることが
できる。
【0025】さらに、上記の不純物活性化方法により、
半導体の温度を不所望に著しく上昇させることなく、半
導体に注入された不純物を活性化させるレーザ照射が可
能になる。これにより、半導体の急激な温度上昇に伴っ
て、急激に水素が移動し該半導体から突沸するように飛
び出すことを防止できる。また、不純物が真性領域へ拡
散することを抑制できる。したがって、半導体の結晶性
を損なうことがなく、かつ、トランジスタ特性の悪化を
回避できる。
【0026】請求項7の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項6の方法において、パルスの強度が、パル
スレーザのエネルギ密度をW、パルスレーザの半値幅を
Δtとすると、W/Δtの値によって決定されることを
特徴としている。
【0027】上記の方法によれば、パルス強度をW/Δ
tの値によって決定する。即ち、W/Δtの値を、半導
体は溶融するがその溶融温度が高くなりすぎない程度に
制御・設定した上でレーザアニールを行う。これによ
り、半導体を良好に溶融結晶化させることができ、或い
は、半導体に注入された不純物を良好に活性化させるこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0029】本形態に係る半導体の溶融結晶化方法及び
不純物活性化方法は、基板上に薄膜トランジスタを製造
する工程中に実施される。該溶融結晶化方法は、より詳
細には、大面積の基板上に複数の薄膜トランジスタを製
造する際に、基板上に作製される半導体薄膜を溶融結晶
化させる工程で実施される。製造された薄膜トランジス
タは、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置
等に利用される。
【0030】以下では、まず、図2及び図3を参照して
上記薄膜トランジスタの製造方法を詳述する。尚、比較
のため、後述する半導体の溶融結晶化工程において、使
用するパルスレーザのパルス半値幅及びエネルギ密度を
相互に異なる条件にしてレーザアニールを行い、試料と
して複数の薄膜トランジスタを製造した。
【0031】図2及び図3は、それぞれこの薄膜トラン
ジスタの製造工程を説明するための断面図と工程図であ
る。まず図2(a)及び図3のステップS1に示すよう
に、厚さ1.1mm、対角5インチの正方形のガラス板
を電気絶縁性の基板1として用意し、この基板1上に、
ガラス基板中に含まれる不純物による悪影響を防止する
ために、コーティング膜としてSiO2 膜やSiNx
等からなる層間絶縁膜2を成膜する。例えば、層間絶縁
膜2の膜厚は100〜500nmとした。より詳細に
は、常圧CVD法により430℃でSiH4 ガスとO2
ガスとを用いて成膜したSiO2 膜や、スパッタ法、減
圧CVD法、プラズマCVD法、リモートプラズマCV
D法のいずれかによる膜厚100〜500nmのSiO
2 膜等を、層間絶縁膜2として用いることができる。
【0032】次いで図2(a)及びステップS2に示す
ように、層間絶縁膜2上に非晶質シリコン(a−Si)
からなる半導体膜3を成膜する。半導体膜3の膜厚は3
0〜150nmとする。この半導体膜3は、プラズマC
VD法によりSiH4 ガスとH2 ガスとを用いて基板温
度200〜300℃で成膜するか、または減圧CVD法
により基板温度400〜570℃で成膜することができ
る。尚、半導体膜3としては、Si、SiGe、または
リンやボロンを含むシリコン半導体を用いることがで
き、非晶質に限らず微結晶や多結晶半導体を成膜しても
よい。
【0033】次に、図2(b)及びステップS3に示す
ように、パルスレーザ5によって半導体膜3にレーザを
照射し、該半導体を溶融させ結晶化させて多結晶シリコ
ンからなる結晶性半導体膜4を得る。このレーザアニー
ル方法においては、特に短波長のパルスレーザ5を用い
れば下地の基板1に熱的ダメージを与えることなく半導
体膜3を効率良くアニールすることができ、例えば、X
eCl(波長308nm)、KrF(波長248n
m)、ArF(波長193nm)等のエキシマレーザを
用いることができる。通常、このように非晶質シリコン
膜をアニールして多結晶シリコン膜にしたほうが、直接
多結晶シリコン膜を成膜するよりも結晶粒径が大きくな
り、良好な特性の多結晶シリコン膜が得られる。
【0034】また上述のように、上記半導体の溶融結晶
化工程において、使用するパルスレーザ5のパルス半値
幅及びエネルギ密度を相互に異なる条件にしてレーザア
ニールを行い、各条件で製造された薄膜トランジスタの
トランジスタ特性を調べた。これについては、後述す
る。
【0035】次に、図2(c)及びステップS4に示す
ように、作製した上記結晶性半導体膜4を、エッチング
によってパターニングして島状の結晶性半導体膜4を形
成する(アイランド化)。その後、図2(d)及びステ
ップS5に示すように、膜厚50〜150nmのゲート
絶縁膜6を成膜する。ゲート絶縁膜6としては、常圧C
VD法により430℃でSiH4 ガスとO2 ガスとを用
いて成膜したSiO2膜を用いた。尚、ここでは常圧C
VD法を用いたが、スパッタ法、減圧CVD法、プラズ
マCVD法、リモートプラズマCVD法のいずれかによ
る膜厚50〜150nmのSiO2 膜を用いてもよいこ
とは言うまでもない。また、段差の被覆性良好なTEO
S(Tetra-Ethyl-Ortho-Silicate、Si(OC2H5)4)ガスを
用いた常圧CVD法、プラズマCVD法によるSiO2
膜を用いてもよい。さらに、ここではSiO2 膜を用い
たが、SiNx 、Al23 、Ta25 、またはこれらの
組み合わせを用いてもよい。
【0036】その後ステップS6に示すように、ゲート
絶縁膜6を改善するために、N2 雰囲気中600℃で1
2時間のアニールを行った。
【0037】次に、図2(e)及びステップS7に示す
ように、ゲート絶縁膜6上に膜厚200〜500nmの
ゲート電極7を形成する。ゲート電極7はスパッタ法に
より形成し、材料としてTaまたはAl、AlSi、A
lTi、AlSc等のAlを含む金属を用いた。特に、
Alを含む金属のほうが低抵抗電極配線を形成できるの
で好ましい。その後、図2(f)及びステップS8に示
すように、ゲート金属を陽極酸化して陽極酸化膜8を形
成する。陽極酸化膜8の膜厚は50nm〜1μmとす
る。
【0038】次に、図2(g)及びステップS9に示す
ように、ゲート電極7と陽極酸化膜8とをマスクにして
自己整合でゲート絶縁膜6をエッチングし、結晶性半導
体膜4のソース/ドレイン部となる部分を露出させる。
エッチングには、エッチング液を用いたウエットエッチ
ングやプラズマを用いたドライエッチングを用いること
ができる。
【0039】次に、図2(h)及びステップS10に示
すように、不純物イオン9の注入を行う(イオンドーピ
ング)。N型にするにはリン、ヒ素を、P型にするには
ボロンを注入する。このようにして、不純物注入された
ソース部シリコン半導体4Sと不純物注入されたドレイ
ン部シリコン半導体4Dとを形成する。また、結晶性半
導体膜4におけるソース部シリコン半導体4Sとドレイ
ン部シリコン半導体4Dとの間は、不純物イオン9が注
入されない真性領域4Cとなる。
【0040】上記イオン注入方法としてプラズマを利用
したイオン注入装置で行った。ここで注入条件の一例を
示す。水素希釈5%のPH3 ガスを導入し、プラズマ形
成のための高周波パワーを100〜200W、イオンの
トータル加速電圧を10〜60kV、イオン電流密度を
5〜20μA/cm2 、全イオン注入量を2×1014
5×1016個/cm3 とした。このようなイオン注入装
置を用いた場合、不純物イオン9と同時に水素イオンを
注入することになり、不純物イオン9より多い水素を結
晶性半導体膜4中に注入してしまう。上記のような注入
条件の場合、注入された結晶性半導体膜4中の水素量
は、1019〜1021個/cm3 程度になる。
【0041】次に、図2(i)及びステップS11に示
すように、脱水素処理(脱水素アニール)を行う。即
ち、N2 雰囲気中で300〜500℃の熱アニールを行
い、結晶性半導体膜4やそれ以外のゲート絶縁膜6、ゲ
ート電極7等の部分に含まれる水素を抜く。300℃以
上の温度で水素は抜けるが、500℃以上の温度になる
と水素が急激に抜けるためデバイスに悪影響を及ぼすの
で、300〜500℃の温度で脱水素処理を行った。た
だし、300℃では水素が抜ける量が少ないため処理に
時間がかかるので、好ましくは350℃以上の温度で処
理する。さらに、できるだけ水素を抜くときにデバイス
に悪影響を及ぼさないために、時間をかけて脱水素する
ほうがよいので450℃以下の温度で処理することが好
ましい。例えば、ここでは400℃で1〜2時間の処理
を行った。また、脱水素処理によって、多結晶シリコン
からなる結晶性半導体膜4中の水素量を5×1019個/
cm3 以下、特に好ましくは5×1018個/cm3 以下
にするほうがよい。結晶性半導体膜4中の残留水素量
は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy:二次
イオン質量分析計)によって評価した。結晶性半導体膜
4中の水素量を5×1019個/cm3 以下にしたとき、
逆バイアス電圧を低く抑えて使用すれば(例えばVG
−5V)特に問題がないので、水素量は5×1019個/
cm3 以下にすることが必要である。また、特に水素量
を5×1018個/cm3 以下にしたほうが、特性マージ
ンも大きくなり安定して良好なトランジスタを作製でき
ることがわかったので、好ましくは水素量を5×1018
個/cm3 以下にするほうがよい。
【0042】また、上記脱水素処理をレーザ照射によっ
て行ってもよい。例えば、前述のソース/ドレイン部シ
リコン半導体4S,4Dに注入した不純物イオン9を電
気的に活性化するためのレーザ照射よりも低いエネルギ
密度のレーザ照射によって行うことができる。
【0043】次に、図2(j)及びステップS12に示
すように、ソース/ドレイン部シリコン半導体4S,4
Dに注入した不純物イオン9を電気的に活性化するため
のパルスレーザ5によるレーザ照射を行う。特に、短波
長のパルスレーザ5を用いれば下地の基板1に熱的ダメ
ージを与えることなく結晶性半導体膜4を効率良くアニ
ールすることができ、例えば、XeCl(波長308n
m)、KrF(波長248nm)、ArF(波長193
nm)等のエキシマレーザを用いることができる。レー
ザのエネルギ密度は、例えば200〜300mJ/cm
2 で照射した。しかし、通常レーザ照射によって不純物
の活性化を行うとレーザ照射された半導体膜表面は60
0℃以上になり、また、シリコン半導体の場合には表面
が溶融することもあり1000℃以上に急激に温度上昇
する。このとき半導体膜中に水素が含まれていると急激
に水素が移動し、場合によっては突沸するように膜から
飛び出すので、半導体の結晶性が損なわれてしまう。特
に、半導体の溶融温度を大きく越えると、ソース/ドレ
イン部シリコン半導体4S,4Dに注入されたリン、ヒ
素、ボロン等の不純物イオン9が真性領域4Cへ拡散し
やすくなり、トランジスタ特性を悪くする。これらの不
純物の拡散の程度は、結晶の温度とその時間に依存す
る。例えば、表面拡散の場合、ポテンシャル障壁の高さ
をU、結晶の温度をT、ボルツマン定数をkとすると、
拡散係数DはD0 exp(−U/kT)と表される。異
なる2種類のパルス強度で照射して共に半導体が溶融し
たとき、パルス強度の強い照射のほうが拡散係数が大き
くなる。仮に凝固するまでの時間が同じとすると拡散距
離(Dt)1/2 (tは時間)も大きくなる。従って、パ
ルスレーザ5の強度は半導体が溶融する温度に設定し、
パルス半値幅を適当な長い時間(例えば、最高1μs程
度)に設定して、不純物イオン9を活性化させたほうが
よい。ただし、半導体の溶融温度を大きく超えないほう
がよい。これにより、不純物イオン9の真性領域4Cへ
の拡散を抑制することができる。
【0044】尚、上記の不純物活性化方法では、パルス
半値幅を制御して適切な値に設定することで、パルスの
立ち下がり、または立ち上がりの形状(傾き)を時間的
に制御している。該不純物活性化方法における好ましい
パルス半値幅の値並びにパルス強度の値は、溶融結晶化
方法におけるそれぞれの好ましい値に準ずるものであ
る。
【0045】また、ここではレーザ照射による不純物の
活性化を示したが、炉アニール等の熱処理によって活性
化を行ってもよい。
【0046】次に、図2(k)及びステップS13に示
すように、層間絶縁膜10を成膜する。ここで、層間絶
縁膜10は段差の被覆性良好な常圧CVD法によるSi
2膜、またはTEOS(Tetra-Ethyl-Ortho-Silicat
e、Si(OC2H5)4)ガスを用いた常圧CVD法、プラズマ
CVD法によるSiO2 膜を膜厚300〜500nmで
成膜した。あるいは、プラズマCVD法により200〜
250℃で窒化シリコン膜を形成してもよい。
【0047】次に、図2(l)及びステップS14に示
すように、コンタクトホール11を形成する。最後に、
図2(m)及びステップS15に示すように、電極(ソ
ース/ドレイン配線)12を、スパッタ法により成膜し
たのちパターニングして形成する。
【0048】以上のようにして、上述の図2(b)及び
ステップS3に示す溶融結晶化工程において、パルスレ
ーザ5のパルス半値幅及びエネルギ密度の条件のみが異
なる複数の薄膜トランジスタを試料として作製した。
【0049】図1は、パルス化したエキシマレーザ、即
ちパルスレーザ5の時間に対する模式的なパルス形状を
表したグラフであり、上記パルス半値幅は、図1におい
てΔtで示される。また、パルスの立ち上がりの傾きと
立ち下がりの傾きとが、それぞれm1とm2とで示され
る。同図においては、立ち上がりの傾きm1と立ち下が
りの傾きm2の絶対値が同じ状態のパルスを示してい
る。本形態の溶融結晶化方法では、これらの傾きm1,
m2を時間的に制御した。本形態の溶融結晶化方法で
は、パルスの立ち上がりの傾きm1と立ち下がりの傾き
m2の絶対値が異なっていても差し支えない。
【0050】図4(a)は、パルス半値幅Δt=40n
sに設定したパルスレーザ5の時間に対する実際のパル
ス形状を表したグラフであり、同図に示すように、実際
のパルスにおける立ち上がり及び立ち下がりの形状は直
線ではない。しかしながら、図4(a)に示す実際のパ
ルス形状を近似的に表せば、図4(b)に示すように、
立ち上がり及び立ち下がりの形状をほぼ直線とみなすこ
とができる。図1においては、実際のパルス形状が模式
的に示され、立ち上がり及び立ち下がりの形状は傾きm
1,m2として示される。
【0051】パルス半値幅Δtを変えることによって、
上記の傾きm1,m2が変更される。即ち、パルス半値
幅Δtを制御することによって、傾きm1,m2を時間
的に制御することができる。そこで、パルスのパルス半
値幅Δtが互いに異なり、従って傾きm1,m2が相互
に異なるパルスレーザ5を使用して、複数のN型シリコ
ン薄膜トランジスタを作製し、各薄膜トランジスタの特
性を調べた。同時に、パルス半値幅Δtは同じでエネル
ギ密度が互いに異なるパルスレーザ5を使用して、複数
のN型シリコン薄膜トランジスタを作製し、各薄膜トラ
ンジスタの特性を調べた。その結果を、表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】パルスレーザ5となるエキシマレーザに
は、XeCl(波長308nm)、またはKrF(波長
248nm)を使用して溶融結晶化を行った。発振周波
数は、10〜300Hzの間に設定した。図2(b)及
びステップS3に示す溶融結晶化工程において、試料1
−1,1−2は、エキシマレーザのパルス半値幅Δtが
40nsのときにレーザのエネルギ密度Wをそれぞれ2
00と240mJ/cm2 で照射した。試料2−1,2
−2では、パルス半値幅Δtが130nsのときにエネ
ルギ密度Wをそれぞれ350と370mJ/cm2 で照
射した。試料3−1では、△tが25nsのときにWを
200mJ/cm2 で照射した。μは電子移動度を表
し、Ioff は、ソース/ドレイン間電圧VDSが14V、
ゲート電圧VG が−5Vのときのドレイン電流を表す。
thは、しきい値電圧を意味する。また、トランジスタ
サイズはL/W=8/8μmである。
【0054】表1で明らかなことは、試料2−1,2
−2ではドレイン電流Ioff の値が他の試料の値よりも
小さいこと、また、試料2−2においてしきい値電圧
thの値が5.3Vともっとも小さい値となっているこ
と、である。これらの結果は、パルス半値幅△tが大き
くなるとレーザパルスの傾きm2が小さくなり、これに
よりシリコンの凝固時間が遅くなる(長くなる)ことが
反映されているためであると考えられる。そして、結晶
欠陥がより少ない結晶となるために、ドレイン電流I
off としきい値電圧Vthとが良好なものとなる。
【0055】表1において、W/Δtは1パルス時間あ
たりのレーザのエネルギ密度、即ち1パルスのパルス強
度に相当している。W/Δtが大きくなることは、シリ
コンの溶融時の最高温度が高くなることを意味する。試
料1−2と3−1は、W/Δtが大きいため、高い移動
度を示している。これは、シリコンの高い溶融温度が遅
い(長い)凝固時間に反映されているためであると考え
られる。
【0056】ところが、溶融温度が高すぎると表面荒れ
や膜飛びが発生しやすくなり、試料1−2と3−1のド
レイン電流Ioff としきい値電圧Vthとは共に試料2−
2の場合よりも悪い。従って、1パルスのパルス強度で
あるW/Δtの値を、シリコンは溶融するがその溶融温
度が高すぎない程度に設定し、パルス半値幅Δtはでき
るかぎり長くしたほうがよい。これにより、半導体の結
晶化時の凝固時間を遅くすることができ、結晶粒径が大
きくなるとともに、結晶内、及び粒界欠陥を減少させ、
さらに、半導体の表面荒れ、膜飛び、膜蒸発を防止・抑
制することができる。
【0057】上記の結果より、パルス半値幅Δtの値は
130ns以上と長く設定することが好ましい。ただ
し、SiO2 より低い熱伝導率の材料を下地に使用する
ことが実現するならば、130ns未満の短い値も好ま
しいパルス半値幅Δtの範囲に含まれる可能性がある。
また、パルスの立ち上がり及び立ち下がりの形状は、直
線あるいは直線に近い形状が好ましい。ただし、どのよ
うな形状が好ましいかを定性的、定量的に特定すること
はむずかしい。
【0058】また、Δt≧130nsの場合に、1パル
スのパルス強度であるW/Δtの値は、3×109 (mJ/
cm2s) 以下に設定することが好ましい。換言すれば、温
度が半導体の融点より100〜200K程度以上高くな
ることがない強度に、W/Δtの値を制御することが好
ましい。ただし、半導体の膜厚方向に温度分布が生じる
ので、厳密に温度範囲を特定することはむずかしい。
【0059】尚、本形態の溶融結晶化方法では、傾きm
1,m2を時間的に制御するにあたり、パルスの立ち上
がりの傾きm1は立ち下がりの傾きm2の絶対値と概ね
同じにしたが、例えば|m1|≧|m2|の条件で、傾
きm1と傾きm2とをそれぞれ独立に制御してもよい。
これにより、上記と同様に、半導体の結晶化時の凝固時
間を遅くできるとともに、半導体の表面荒れ及び膜飛び
等を防止できる。
【0060】以上のように、本形態の溶融結晶化方法
は、パルスレーザ5の時間的なパルス形状に依存した半
導体膜3の結晶化方法である。即ち、本形態の溶融結晶
化方法では、パルス半値幅Δtを制御することによっ
て、パルスの立ち上がり、または立ち下がりの傾きm
1,m2を時間的に制御している。これにより、半導体
膜3の結晶化時の凝固速度を遅くすることができる。そ
の結果、結晶粒径を大きくすることができるので、薄膜
トランジスタ用半導体膜の結晶化工程に用いた場合に、
良好な特性を有する薄膜トランジスタを得ることができ
る。
【0061】また、1台のパルスレーザ5によって半導
体を溶融させ、その後の結晶化時の凝固速度を遅くする
ことができるので、大面積の対角5インチの正方形の基
板1上の半導体膜3を良好に溶融結晶化させることがで
きる。
【0062】さらに、1パルス当たりの光強度、即ち1
パルスのパルス強度であるW/Δtの値を、溶融温度が
半導体膜3の融点付近となるように制御することで、半
導体の表面荒れ、膜飛び、膜蒸発を防止・抑制すること
ができる。
【0063】一方、本形態の不純物活性化方法では、ソ
ース/ドレイン部シリコン半導体4S,4Dに注入した
不純物イオン9を活性化するレーザ照射を行う際に、結
晶性半導体膜4の温度を不所望に著しく上昇させること
がないように、パルス半値幅Δtの値並びにパルス強度
W/Δtの値を制御して適切な値に設定するものであ
る。これにより、結晶性半導体膜4の急激な温度上昇に
伴って、急激に水素が移動し結晶性半導体膜4から突沸
するように飛び出すことを防止できる。また、不純物イ
オン9が真性領域4Cへ拡散することを抑制できる。し
たがって、結晶性半導体膜4の結晶性を損なうことがな
く、かつ、トランジスタ特性の悪化を回避できる。
【0064】
【発明の効果】請求項1の発明に係る半導体の溶融結晶
化方法及び不純物活性化方法は、以上のように、パルス
の立ち下がり、または立ち上がりの傾きもしくは形状を
時間的に制御する方法である。
【0065】上記の溶融結晶化方法により、半導体を1
台のパルスレーザによって溶融させた後、凝固させる溶
融結晶化方法において、半導体の結晶化時の凝固速度を
遅くすることができるので、結晶欠陥をより少なくする
とともに、結晶粒径を大きくすることができるという効
果を奏する。
【0066】それゆえ、例えば、薄膜トランジスタ用半
導体膜の結晶化工程に用いた場合に、良好なトランジス
タ特性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。
【0067】また、1台のレーザによって半導体を溶融
させ、その後の結晶化時の凝固速度を遅くすることがで
きるので、大面積の基板上の半導体を良好に溶融結晶化
させることができる。
【0068】さらに、上記の不純物活性化方法により、
半導体の温度を不所望に著しく上昇させることなく、半
導体に注入された不純物を活性化させるレーザ照射が可
能になる。これにより、半導体の急激な温度上昇に伴っ
て、急激に水素が移動し該半導体から突沸するように飛
び出すことを防止できる。また、不純物が真性領域へ拡
散することを抑制できる。
【0069】それゆえ、半導体の結晶性を損なうことが
なく、かつ、トランジスタ特性の悪化を回避できるとい
う効果を奏する。
【0070】請求項2の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、請求項1
の方法において、パルスレーザの半値幅を制御してパル
スの立ち上がり、及び立ち下がりの傾きを時間的に制御
する方法である。
【0071】即ち、パルスレーザの半値幅を制御して適
当な値に設定することで、パルスの立ち上がり、及び立
ち下がりの傾きを時間的に制御できる。これにより、半
導体の結晶化時の凝固速度を遅くすることができ、或い
は、半導体に注入された不純物を良好に活性化すること
ができる。
【0072】請求項3の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、請求項1
の方法において、パルスの立ち上がり、及び立ち下がり
の傾きをそれぞれ独立して時間的に制御する方法であ
る。
【0073】即ち、パルスの立ち上がり、及び立ち下が
りの傾きをそれぞれ独立して時間的に制御することで、
半導体の結晶化時の凝固速度を遅くすることができ、或
いは、半導体に注入された不純物を良好に活性化するこ
とができる。
【0074】請求項4の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、請求項3
の方法において、パルスの立ち上がりの傾きm1とパル
スの立ち下がりの傾きm2との絶対値が異なり、パルス
の半値幅Δtを変えることでm1とm2を共に時間的に
制御する方法である。
【0075】即ち、立ち上がりの傾きm1と立ち下がり
の傾きm2との絶対値が異なっていても、何ら差し支え
ることなく、パルスの半値幅Δtを調整しm1とm2を
共に時間的に制御することで、半導体の結晶化時の凝固
速度を遅くすることができ、或いは、半導体に注入され
た不純物を良好に活性化することができる。
【0076】請求項5の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、請求項3
の方法において、パルスの立ち上がりの傾きm1とパル
スの立ち下がりの傾きm2とを|m1|≧|m2|とな
るように時間的に制御する方法である。
【0077】これにより、半導体の結晶化時の凝固時間
を遅くでき、或いは、半導体に注入された不純物を良好
に活性化できるので、薄膜トランジスタ用半導体膜の結
晶化工程に用いた場合、或いは、該半導体膜に注入され
た不純物の活性化工程に用いた場合に、良好な特性を有
する薄膜トランジスタを得ることができる。
【0078】請求項6の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、温度を半
導体の融点以上に上昇させる強度であって、かつ、温度
が前記融点より高くなりすぎない強度に1パルスのパル
ス強度を設定する方法である。
【0079】上記の溶融結晶化方法により、1パルスの
パルス強度を制御することによって、半導体を溶融させ
るとともに、半導体の温度を該半導体の融点付近となる
ように低く抑えることができる。
【0080】それゆえ、半導体の表面荒れ、膜飛び、膜
蒸発の発生を防止・抑制することができるので、半導体
を良好に溶融結晶化させることができるという効果を奏
する。
【0081】さらに、上記の不純物活性化方法により、
半導体の温度を不所望に著しく上昇させることなく、半
導体に注入された不純物を活性化させるレーザ照射が可
能になる。これにより、半導体の急激な温度上昇に伴っ
て、急激に水素が移動し該半導体から突沸するように飛
び出すことを防止できる。また、不純物が真性領域へ拡
散することを抑制できる。
【0082】それゆえ、半導体の結晶性を損なうことが
なく、かつ、トランジスタ特性の悪化を回避できるとい
う効果を奏する。
【0083】請求項7の発明に係る半導体の溶融結晶化
方法及び不純物活性化方法は、以上のように、請求項6
の方法において、パルスの強度が、パルスレーザのエネ
ルギ密度をW、パルスレーザの半値幅をΔtとすると、
W/Δtの値によって決定される方法である。
【0084】即ち、W/Δtの値を、半導体は溶融する
がその溶融温度が高くなりすぎない程度に制御・設定し
た上でレーザアニールを行う。これにより、半導体を良
好に溶融結晶化させることができ、或いは、半導体に注
入された不純物を良好に活性化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る半導体の溶融結晶
化方法及び不純物活性化方法を説明するための、パルス
レーザの時間に対する模式的なパルス形状を表したグラ
フである。
【図2】上記溶融結晶化方法及び不純物活性化方法が実
施される薄膜トランジスタの製造方法を説明するための
断面図である。
【図3】上記溶融結晶化方法及び不純物活性化方法が実
施される薄膜トランジスタの製造方法を説明するための
工程図である。
【図4】上記溶融結晶化方法及び不純物活性化方法を説
明するための、パルスレーザの時間に対する実際のパル
ス形状並びにこれに近似的なパルス形状を表したグラフ
である。
【符号の説明】
1 基板 2 層間絶縁膜 3 半導体膜 4 結晶性半導体膜 5 パルスレーザ 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極 8 陽極酸化膜 9 不純物イオン 10 層間絶縁膜 11 コンタクトホール 12 電極 m1 パルスの立ち上がりの傾き m2 パルスの立ち下がりの傾き Δt パルス半値幅

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルスレーザによる半導体の溶融結晶化方
    法及び不純物活性化方法において、 パルスの立ち下がり、または立ち上がりの傾きもしくは
    形状を時間的に制御することを特徴とする半導体の溶融
    結晶化方法及び不純物活性化方法。
  2. 【請求項2】パルスレーザの半値幅を制御してパルスの
    立ち上がり、及び立ち下がりの傾きを時間的に制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体の溶融結晶化方
    法及び不純物活性化方法。
  3. 【請求項3】パルスの立ち上がり、及び立ち下がりの傾
    きをそれぞれ独立して時間的に制御することを特徴とす
    る請求項1記載の半導体の溶融結晶化方法及び不純物活
    性化方法。
  4. 【請求項4】パルスの立ち上がりの傾きm1とパルスの
    立ち下がりの傾きm2との絶対値が異なり、パルスの半
    値幅Δtを変えることでm1とm2を共に時間的に制御
    することを特徴とする請求項3記載の半導体の溶融結晶
    化方法及び不純物活性化方法。
  5. 【請求項5】パルスの立ち上がりの傾きm1とパルスの
    立ち下がりの傾きm2とを|m1|≧|m2|となるよ
    うに時間的に制御することを特徴とする請求項3記載の
    半導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法。
  6. 【請求項6】パルスレーザによる半導体の溶融結晶化方
    法及び不純物活性化方法において、 温度を半導体の融点以上に上昇させる強度であって、か
    つ、温度が前記融点より高くなりすぎない強度に1パル
    スのパルス強度を設定することを特徴とする半導体の溶
    融結晶化方法及び不純物活性化方法。
  7. 【請求項7】パルスの強度は、パルスレーザのエネルギ
    密度をW、パルスレーザの半値幅をΔtとすると、W/
    Δtの値によって決定されることを特徴とする請求項6
    記載の半導体の溶融結晶化方法及び不純物活性化方法。
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