JP3512550B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
半導体装置の作製方法Info
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Description
半導体材料に対するイオンドーピング法に関するもので
ある。
に関して、以下にその主な効果を3点挙げる。
にドーピングする場合。 半導体材料上に形成されるトランジスタのソース、ドレ
イン領域にドーピング(例えば、シリコン中にリンやボ
ロンを打ち込む。)をする目的は、キャリア(電子や正
孔)を半導体材料内に生成して、トランジスタのON電
流を大幅に高めることにある。例えば、薄膜トランジス
タ(TFT)のソース、ドレイン領域にリンを打ち込ん
でn型半導体領域を作製するには、1×1019〜1×1
021個 /cm3 の濃度でリンを半導体材料中に打ち込まな
ければ、TFTが動作するようなn型半導体領域を形成
することができない。
ングする場合。 トランジスタのチャネル領域にドーピングを行う技術は
広く知られて、チャネルドープと呼ばれ、しきい電圧値
(以下、Vthと略記する。)を制御する目的で実施され
ている。本来、真性の半導体材料のVthは0Vであるは
ずなのだが、半導体材料の結晶性、あるいは半導体材料
の均質性等を向上する目的で、半導体材料を加工したた
め、あるいはそれ以外の原因で、Vthが0Vからシフト
する場合がある。チャネルドープにより、このようなV
thのシフトを0Vに戻すことができる。
は、ドーパントにP型のイオン、例えは硼素イオンを注
入して、Vthをプラス側にシフトさせる。他方、Vthか
プラス側にずれている場合には、ドーパントにN型のイ
オン、例えば燐イオンを注入して、Vthをマイナス側に
シフトさせる。
する不純物イオンのドーズ量を適宜に調整する必要があ
る。一般に、チャネル領域に打ち込むドーズ量は、ソー
ス/ドレインに打ち込まれるドーズ量よりも少ない。
グする場合 LDD(ライトドープドレイン)技術は、トランジスタ
の劣化を防ぐ、OFF 電流の抑制、等の効果をもたらす。
具体的にLDDの技術に関して説明すると、ソース/ド
レイン領域とチャネル領域との間にLDD領域なるもの
を設け、その領域にソース/ドレインに打ち込むドーズ
量よりも少ないドーズを打ち込む手法のことをいう。
の間に両者の物性(主に電気的な物性)の中間の特性を
有する領域、即ちLDD領域が形成されるため、両者の
物性の落差に1つクッションが生まれるのである。この
ことにより、オフ電流が低減されて、トランジスタの特
性の劣化が抑制される。
のドーパントが半導体材料に打ち込まれたことにより、
格子欠陥が形成される。一般に、ドーピングされた領域
は非晶質化する。従って、一般にドーピング工程の終了
後、格子欠陥をを修復するために、アニール工程が必要
である。
ス基板上に結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタを低
温で作製する技術が求められている。これは、アクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置を低い生産コストで得る
ために必要とされる技術である。
VD法で成膜された非晶質珪素膜を600℃以上の温度
で数10時間以上の加熱処理が必要とされている。しか
しながら、ガラス基板は通常600℃程度以上の温度に
長時間曝されると、変形(歪み)や縮みが顕著になり、
数100Å程度の膜厚の半導体薄膜で構成される薄膜半
導体素子を形成するための基板としては利用することは
できない。600℃以上の高温に耐えるガラス基板も存
在するが、高価であり、生産コストの高騰に大きな影響
を与えてしまう。
によって、非晶質珪素膜を結晶化させる技術が知られて
いるが、大面積にわたり、高出力なレーザービームが必
要とれるので、生産コストや生産性の点で問題が生ず
る。また、レーザー光の照射のみで結晶性珪素膜を得る
と特性のバラツキが生じてしまう。
が、ガラス基板の耐える温度での加熱処理で結晶性珪素
膜を得る技術である。このような技術としては、本出願
人による特開平6─232059号に記載された技術が
ある。これは、珪素の結晶化を条する特定の金属元素を
非晶質珪素膜の表面に接して保持させ、しかる後に加熱
処理を加えることによって、従来よりも低温でしかも短
時間で結晶性珪素膜を得ることができることがものであ
る。例えば、珪素の結晶化を助長する金属元素として、
ニッケルを用いた場合、550℃程度の温度で、しかも
4時間程度の加熱処理で結晶性珪素膜を得ることができ
る。
膜トランジスタを安価なガラス基板上に形成できること
が確認されている。しかしながら、アクティブマトリク
ス型の液晶表示装置を構成するために必要とされる薄膜
トランジスタの特性としては不満足な点がある。
イナス側にシフトしてしまうという問題が挙げられる。
このVthがマイナス側にシフトしてしまうという問題
は、薄膜トランジスタがNチャネル型であってもPチャ
ネル型であっても同じ傾向で現れてしまうことが確認さ
れている。
明者らは以下の結論を得た。即ち、薄膜トランジスタの
Vthがマイナス側にシフトしてしまうということは、チ
ャネル形成領域は程度の差はあれ、N型化しているとい
うことである。一方、珪素半導体を弱いN型化させる
(換言すれば弱いN型化の状況を示させる)元素として
は、非意図的に添加されてしまう酸素や、各種金属元素
を挙げることができる。従って、N型化の原因は結晶化
を助長するために導入された金属元素であると結論され
る。
により、Vthがマイナス側にシフトすると、薄膜トラン
ジスタのゲイト電極と半導体領域との仕事率が素子間で
大きな格差を生じてしまうために、画素マトリクス配置
される薄膜トランジスタには大きな欠点となる。このた
め、ホウ素をチャネル形成領域に添加して、Vthを0V
にする必要がある。
ピングの技術により、P型の薄膜トランジスタのON電
流を大幅に高めたり、Vthを制御して、N型の薄膜トラ
ンジスタのVthを0Vにすることが可能である。しかし
ドーピング工程後には、ドーピングで生じた欠陥を修復
したり、不純物を活性化するために、アニール工程が必
要である。
いる場合は、ガラス基板の歪み点温度は600℃前後で
あるため、熱アニール工程では加熱温度をあまり高くす
ることができず、長時間を要するので、熱アニール工程
はスループットの点を考えると、あまり効率の良い技術
とは言えない。また、600℃以下の低温での熱アニー
ルだけでは、半導体材料中のドーパントの均質性を向上
したり、格子欠陥を十分に修復することができない。
問題点を解消して、熱アニール工程を不要にする、アニ
ールに要するエネルギーを低下し、更に処理時間を短縮
し得るド─ピング方法を提供することにある。
を解消して、珪素の結晶化を助長する触媒作用を有する
金属元素を導入して結晶化された結晶性珪素膜を用いた
薄膜トランジスタにおけるVthのシフトの問題を解決す
ることにある。
ために、本発明係るドーピング処理の構成は、半導体材
料に対するドーピング処理において、50℃〜500℃
に昇温された半導体材料にドーパントを打ち込む工程を
有することを特徴とする。
ながら、ドーピング処理することは重要である。なぜな
ら、ドーピング後に熱アニールすると、ドーパントが半
導体材料の結晶粒界に偏析してしまい、Vthの制御の効
果を得ることができないためである。
より、ドーパントにより生じた格子欠陥は半導体材料の
熱エネルギーによりただちに修復され、更に、半導体材
料の特性も向上される。ため、ドーピング工程後のアニ
ール工程が不要になる。或いは、アニールに必要な熱エ
ネルギーを低下することができる。この結果、アニール
に要する時間が短縮される。
ても数分なので、ドーピング後の熱アニールに要する時
間に比べて圧倒的に短い時間で済む。またドーピング時
の加熱温度は50℃以上、高くても500℃でよく、ガ
ラス基板の歪点温度よりもかなり低い温度でその効果を
得ることができる。
効果を得るには、珪素膜の膜厚は1500Å以下とする
ことが好ましい。また、膜厚の下限は成膜可能な膜厚で
制限され、一般に100Å程度あるが、実用的には、2
00Å程度である。
より、ドーパントにより生じた格子欠陥は熱エネルギー
によりただちに修復されるが、さらに、ドーピング後に
レーザー光等により、半導体材料に強エネルギーを供与
して、アニールすることは、半導体材料の結晶性を向上
させる手段等のとして有効である。
される半導体デバイスに対するドーピング処理におい
て、上記のように加熱しながらのドーピング工程のみで
は不充分である。なぜなら、ドーピング工程において、
1000℃以上に相当する熱エネルギーを与えなければ
修復しない種類の格子欠陥が生成されるからである。
強エネルギーで、ガラス基板の温度を余り上昇せずに、
半導体薄膜の部分だけアニールできるものは、現状で
は、光エネルギーしかない。本発明では、ドーピング工
程の後にレーザー等の強エネルギーを照射する工程を追
加することにより、半導体材料の特性を向上させ、更に
ドーパントの半導体材料中の均一性を向上させる。
この工程を追加してもスループットにはほとんど影響し
ない。具体的には、パルス幅10nsec以下のパルス
レーザーを使用すればよく、スループットをさらにあげ
るにはレーザーを線状に加工すると良い。詳細は実施例
2で述べる。
用いて非晶質珪素膜を結晶化させた結晶性珪素膜を用い
た薄膜トランジスタにおいては、チャネル形成領域が弱
いN型化となっているので、P型を付与する不純物、具
体的にはホウ素イオンををチャネル形成領域にドーピン
グすることにより、チャネル形成領域を実質的に真正ま
たは実質的に真正に近い特性を有するものとすることが
でき、Vthのシフトを補正することができる。またこの
ドーピングの工程に上記レーザー光の照射によるアニー
ルを併用することで、その再現性や効果を高めることが
できる。
珪素膜中に5×1016個cm-3〜3×1018個cm-3の
濃度で注入するとよい。本発明における珪素膜は珪素を
主成分とする膜とする。従って、ドーパントは電子スピ
ン共鳴(ESR)で計測された珪素膜のスピン濃度の1
/4倍以上4倍以下の濃度で珪素膜中に注入するとよ
い。珪素膜のスピン濃度は代表的には1×1016〜1×
1018cm-3程度である。例えば、珪素膜のスピン濃度
が5×1017cm-3であれば、ドーパントが1.2×1
017cm-3〜2.0×1018cm-3の濃度で珪素膜に注
入されるようにすればよい。ここで、ドーパントの濃度
は2次イオン質量分析法(SIMS)により計測された
値とする。
する金属元素として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、
Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種
または複数種類の元素を用いることができる。これらの
金属元素の中で、ニッケル元素が最も顕著な効果と高い
再現性が得られる。
ので、特に特性の良い薄膜トランジスタの作製方法を示
す。具体的には、V#(th)の制御性のよいもので、同一
基板上に複数の薄膜トランジスタを作製する場合にはV
#(th)のばらつきの少ないものの作製方法を示す。な
お、以下ではチャネルドープまでの工程を示し、薄膜ト
ランジスタの完成までの工程にはふれない。本実施例で
得られた膜から通常の方法でトランジスタを形成すれば
良い。
の活性層を形成する結晶性珪素膜の作製工程に応用した
ものである。
上に下地膜として酸化珪素膜をスパッタ法やプラズマC
VD法により、3000Åの厚さに成膜する。さらにプ
ラズマCVD法または減圧熱CVD法により、非晶質珪
素膜を500Åの厚さに成膜する。
素であるニッケル元素を非晶質珪素膜に導入する。本実
施例では、スピンコート法により、1〜30ppmの濃
度、例えば10ppmの濃度のニッケル酢酸塩溶液を塗
布して、乾燥して、ニッケル層を形成する。この結果、
非晶質珪素膜の表面にニッケル元素が接して保持された
状態となる。なお、ニッケル層は完全な層を成している
とはかぎらない。そして550℃、4時間加熱処理し
て、結晶性珪素膜を得る。
を100〜1500Å、例えば1200Åの厚さに成膜
した後に、結晶性珪素膜のチャネル形成領域にN又はP
型の不純物をドーピングして、そのVthを制御する。本
実施例では、ニッケル元素を利用して結晶性珪素膜を形
成するようにしたため、チャネル形成領域に硼素を注入
して、Vthを正側にシフトさせる。なお、結晶性珪素膜
表面の酸化珪素膜は結晶性珪素膜にドーピングされる不
純物の量を制御するためのものである。その作用の詳細
は後述する。
であり、最上部のプラズマソース501中でプラズマが
発生され、そのプラズマ中で生じたイオンをプラズマソ
ース501下のイオンの加速領域で、加速領域に電圧を
かけることによって加速する。図中に示してあるように
3箇所で電圧をかけることができ、上から順番に、引き
出し電圧源501、加速電圧源502、減速電圧源50
4と呼ばれている。実際にドーピングを行なうときは、
下から順番に電圧をかけていく。なお、基板ホルダー5
05にはヒーターが内蔵されており、基板を任意の温度
に保つことができる。
ドーピングガスとして、水素又はヘリウムにより0.1
〜5%に希釈したジボランガスを使用する。本実施例で
は、ヘリウムにより希釈したジボランガスを使用する。
ヘリウムには、ドーピングを均一にして、ドーパントの
濃度分布のばらつきを減少させる作用を有する。
マソース501にジボランガスを注入し、ドーピングさ
れる前の製造途中の薄膜トランジスタが形成されている
基板(ガラス基板)を基板ホルダー505に載置する。
このとき、基板ホルダー505に内蔵されているヒータ
ーは50℃〜500℃に保たれている。温度を高く保つ
ことにより、ドーピング中の半導体材料の活性化が促進
される。
て、プラズマソース501から上記ジボランガスをこの
加速領域に注入し、まず減速電圧源504により−1k
Vの減速電圧を印加する。次に加速電圧源503により
27kVの加速電圧を直ちに印加して、その状態を5秒
間維持する。最後に引き出し電圧源501により3kV
の引き出し電圧を1秒間かけてアナログ的に印加する。
以上のプロセスで酸化珪素膜表面から珪素膜にかけて、
図2で示されるプロファイルで硼素イオンが注入され
る。
らの膜厚を示し、縦軸は硼素イオンの濃度を示す。図2
において、深さ1200Åから1700Åにかけてのプ
ロファイルが示すように、結晶性珪素膜内には1〜3×
1017個cm-3の濃度でドーパントが入っていることが
わかる。これは、硼素原子1個を主とする軽いイオン種
BHx (例えば、BH2 + )によるプロファイルであ
る。
のプロファイルをみると、大きな山状のプロファイルを
示しており、これは、酸化珪素膜内には最大で2×10
19個cm-3のBイオンが注入されていることを示してい
る。この山状のプロファイルは硼素原子2個を主とする
重いイオン種B2 Hy (例えば、B2 H5 + )によるも
のである。
プはソース/ドレインに打ち込まれる濃度より低い濃度
で硼素を打ち込み、その値は5×1016個cm-3〜1×
1018個cm-3の範囲であると、所望の特性を有する薄
膜トランジスタが得られることが分かった。
×1017個cm-3前後の濃度で不純物イオンを結晶性珪
素膜に直接注入することは難しい。このため本実施例で
は、結晶性珪素膜の表面にマスク膜として酸化珪素膜を
形成して、結晶性珪素膜における硼素の濃度を調整して
いる。
素膜が半透過なマスクとして機能しているため、硼素を
1017個cm-3のオーダーで結晶性珪素膜中に注入する
ことができる。酸化珪素膜は後に除去する膜であるた
め、ドーパントがいくら入っても薄膜トランジスタの特
性には全く影響しない。なお、マスク膜を酸化珪素膜と
したのは、後に除去することを考慮して、珪素膜とエッ
チング選択比を高くするためであり、さらに、加熱する
ことを考慮して、耐熱性を備えているためである。ま
た、酸化珪素膜の膜厚は、その膜質、結晶性珪素膜にド
ープするドーパントの濃度等のドーピング条件等によっ
て適宜に設定すればよい。
分の膜のことである。このため、硼素は電子スピン共鳴
(ESR)で計測された珪素膜のスピン濃度の1/4倍
以上4倍以下の濃度で珪素膜中に注入させると、しきい
値を所望の値に制御することができる。一般に珪素膜の
スピン濃度は1×1016〜1×1018cm-3程度、代表
的には1×1017cm-3である。珪素膜のスピン濃度が
1×1017cm-3であれば、珪素膜中の硼素の濃度は
2.5×1016cm-3〜4.0×1017cm-3が適当で
あり、珪素膜のスピン濃度が5×1017cm-3であれ
ば、硼素の濃度は1.2×1017cm-3〜2.0×10
18cm-3が適当である。
等から成るマスク膜をエッチングによって、除去する。
そして、硼素がドーピングされたことによって、しきい
値が最適化された結晶性珪素膜を得る。
ゲイト型の薄膜トランジスタの活性層を形成する場合に
は、トランジスタのチャネル部分は通常ゲイト電極の下
に位置するので、チャネルドープ工程は、ゲイト電極が
形成される前に実施することが必要である。
したドーピング工程の次に、レーザーアニールの工程を
入れる。このレーザー光の照射の目的は、上記結晶性珪
素膜の欠陥格子のさらなる減少、結晶性の向上、並びに
ドーパントの基板面分布の均一化である。レーザーアニ
ール前に酸化珪素膜をエッチングにより取り除いてお
く。
説明する。図3には本実施例で使用するレーザーアニー
ル装置の概念図を示す。レーザー光は発振器2で発振さ
れる。発振器2で発振されるレーザー光は、KrFエキ
シマレーザー(波長248nm、パルス幅25ns)で
ある。勿論、他のエキシマレーザーさらには他の方式の
レーザーを用いることもできる。
射ミラー5、6を経由して増幅器3で増幅され、さらに
全反射ミラー7、8を経由して光学系4に導入される。
光学系に入射する直前のレーザー光のビームは3×2cm
2 程度の長方形であるが、光学系4によって、長さ10
〜30cm、幅0.1 〜1cm程度の細長いビーム(線状ビー
ム)に加工される。この光学系4を経たレーザー光のエ
ネルギーは最大で1000mJ/ショットである。
形するのは、加工性を向上させるためである。即ち、線
状のビームは光学系4を出た後、全反射ミラー9を経
て、試料11に照射されるが、ビームの幅は試料の幅よ
りも長いので、試料を1方向に移動させることで、試料
全体に対してレーザー光を照射することができる。従っ
て、試料のステージ及び駆動装置10は構造が簡単で保
守も容易である。また、試料をセットする際の位置合わ
せの操作(アラインメント)も容易である。
0は、コンピュータにより制御されて、線状のレーザー
光に対して直角方向に動くよう設計されている。また、
ステージ10の下にはヒーターが内臓されており、レー
ザー光の照射時に試料を所定の温度に保つことができ
る。
系4に入射したレーザー光はシリンドリカル凹レンズ
A、シリンドリカル凸レンズB、横方向のフライアイレ
ンズC、Dを通過することによって、レーザー光はそれ
までのガウス分布型から短形分布に変化する。さらに、
シリンドリカル凸レンズE、Fを通過してミラーG(図
3ではミラー9に相当)を介して、シリンドリカルレン
ズHによって集束され、試料に照射される。
う。レーザービームはビーム形状変換レンズを用いて長
方形に整形し、被照射部分でのビーム面積は125mm
×1mmとする。試料は、ステージ10上に載せられて
おり、ステージを2mm/s速度で移動させることによ
って、その全面に照射が行われる。
して150ー250mJ/cm2 、次に本照射として2
00〜380mJ/cm2 の2段階照射とし、パルス数
を30パルス/sとする。ここで、2段階照射とするのはレ
ーザー照射による膜表面の均一性悪化を極力抑さえ、結
晶性のよりよい膜を作るためである。
200℃に保たれている。これは、レーザーによる基板
表面温度の上昇・下降の速度を和らげるために行われて
いる。この実施例では基板温度を200度に設定してい
るが、実際の実施では100℃〜600℃までの間でレ
ーザーアニールに最適な温度を選ぶ。また雰囲気制御は
特に行わず、大気中で照射を行う。
タの作製工程に関する。図5に本実施例に従って、本実
施例を説明する。
グ7059)101上にスパッタ法によって厚さ200
0Åの酸化珪素の下地膜102を形成した。さらに、連
続的にプラズマCVD法によって、厚さ200〜150
0Å、例えば500Åに、非晶質珪素膜を形成した。
た。そして、1〜100ppmの酢酸ニッケル水溶液を
塗布し、乾燥させ、酢酸ニッケル層(図示せず)を形成
した。実施例1のように溶液に界面活性剤を添加しても
よかった。
550℃、4時間熱アニールして結晶化させた。この結
果、結晶性珪素膜103を得る。なお、結晶化工程の後
に、エキマーレーザー等を用いて光アニールや熱アニー
ルおこなってもよい。結晶化工程の後、プラズマCVD
法によって、厚さ100〜1500Å、例えば、120
0Åの酸化珪素膜104をマスク膜として堆積する。
て、硼素をドーピングした。ドーピングガスとしては、
水素で希釈した5%ジボラン(B2 H6 )とし、加速電
圧は30kVとした。ドーズ量は6×1012〜2×10
14原子/cm2 、例えば、3×1013原子/cm3 とし
た。また、基板温度を200〜350℃の範囲に維持す
る。(図5(A))
の終了後、酸化珪素膜104を除去し、図2に示すレー
ザー照射装置において、KrFエキシマーレーザーを結
晶化された珪素膜103に照射して、結晶性を向上させ
ると共に、ドーピング不純物を活性化せしめた。このと
きのレーザーのエネルギー密度は250〜400mJ/
cm2 、例えば、370mJ/cm2 とし、1か所につ
き、2〜20ショットのレーザー光が照射されるように
した。また、基板温度は200℃とした。
れた珪素膜103を島状にエッチングして、活性層10
5を形成した。さらに、プラズマCVD法によって、厚
さ1200Åの酸化珪素膜106をゲイト絶縁膜として
堆積した。プラズマCVDの原料ガスとしては、TEO
Sと酸素を用いた。成膜時の基板温度は250〜380
℃、例えば、300℃とした。
000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウム
膜(0.1〜2%のシリコンを含む)を堆積した。そし
て、アルミニウム膜をエッチングして、ゲイト電極10
7を形成した。
すイオンドーピング装置において、活性層105にゲイ
ト電極107をマスクとして不純物(燐)を注入する。
ドーピングガスとして、水素で1〜10%に希釈したフ
ォスフィン(PH3 )を用いた。加速電圧は60〜90
kV、例えば80kV、ドーズ量は1×1013〜8×1
015原子/cm2 、例えば、2×1014原子/cm2 と
した。イオンドーピング時の基板温度は200〜350
℃に保持する。
ス)、109(ドレイン)が形成される。ここでは、ま
た加熱しながらドーピングしたため、ドーピングによっ
て生じた欠陥は直ちに修復される。必要であれば、ドー
ピング後にKrFエキシマーレーザー等を用いて光アニ
ールをおこなってもよい。
の酸化珪素膜110を層間絶縁物としてプラズマCVD
法によって形成し、これにコンタクトホールを形成し
て、金属材料、例えば、チタンとアルミニウムの多層膜
によってTFTのソース、ドレインの電極・配線11
1,112を形成した。
50℃の熱アニールをおこなった。このようにして、得
られたTFTの特性例を図6に示す。図5(A)および
(B)に示されるドーピング工程とその後の光アニール
工程をおこなわなかった以外は本実施例と同じ工程によ
って作製したTFTのID −VG 特性は、図6の実線で
示される。明らかにしきい値電圧が負の方向(左側)に
移動していることがわかる。また、ドレイン電流の立ち
上がり(サブスレシュホールド特性)も緩やか(=S値
が大きい)であった。
一点鎖線で示される。しきい値は0V近くで、しかも、
ドレイン電流が急激に立ち上がって(=S値が小さい)
おり、TFTとして好ましい特性を示している。
7に示すように、基板(コーニング1737)301上
にプラズマCVD法によって厚さ3000Åの酸化珪素
の下地膜302を堆積した。さらに、プラズマCVD法
によって、厚さ200〜1500Å、例えば500Åの
真性(I型)の非晶質珪素膜303を堆積した。さら
に、プラズマCVD法によって、厚さ1500Åの酸化
珪素膜306を堆積した。これらの成膜は連続的におこ
なった。
チングして、その一部に開孔部305を形成し、さら
に、他の実施例と同様に酢酸ニッケル層304を形成し
た。その後、基板を450〜650℃、例えば、620
℃で4時間の加熱処理をして、非晶質珪素膜303を結
晶化させた。結晶化は、特開平6−244104にも記
述されているように、開孔部305から周囲に図の矢印
に沿って進行した。結晶化した領域は図において307
で示される。(図7(A))
後に、図1に示す装置において硼素をドーピングした。
ドーピングガスとしては、水素で希釈した5%ジボラン
(B2 H6 )を用い、加速電圧は30kVとした。ドー
ズ量は6×1012〜2×1014原子/cm2 、例えば、
3×1013原子/cm3 とした。また、基板温度を30
0℃とする。
は比較的高濃度(1×1019原子/cm3 程度)の硼素
が注入された。そのため、この領域にはTFTのチャネ
ルを設けてはならない。ただし、ソース/ドレインであ
れば、その後の燐のドーピングにより十分に硼素を上回
る濃度の燐が注入されるので、実質的な問題はない。一
方、その他の領域では、実施例1と同様に酸化珪素膜3
06によって硼素濃度が低下し、1×1017原子/cm
3 程度の硼素が注入された。また、加熱しながらドーピ
ングしたため、ドーピングによる欠陥はその場で修復さ
れた。
6を除去する。この状態で、必要であれば、レーザー等
によって、光アニールを実施してもよい。
された珪素膜307を島状にエッチングして、活性層3
08を形成し、さらに、プラズマCVD法によって厚さ
1200Åの酸化珪素膜309を堆積した。
6000Åのアルミニウム膜(0.1〜0.3%のスカ
ンジウムを含む)を形成し、パターニングして、ゲイト
電極310を形成した。ゲイト電極310の側面および
上面は、特開平5−267667に示されるゲイト電極
の陽極酸化技術によって、バリヤ型陽極酸化物311で
被覆した。本実施例では陽極酸化物311の厚さは15
00〜2000Åとした。
9をエッチングして、ゲイト絶縁膜312を形成し、そ
の際、ゲイト電極部(陽極酸化物311を含む)の端面
とゲイト絶縁膜312の端面をxだけずらした構造とし
た。
すイオンドーピング装置によって、ゲイト電極310お
よびゲイト絶縁膜312をマスクとして、活性層308
に不純物(燐)を注入した。ドーピングガスとして、水
素で5%に希釈したフォスフィン(PH3 )を用いた。
ドーピングは2段階に分けておこなった。最初は、加速
電圧は60〜90kV、例えば80kV、ドーズ量は1
×1012〜1×1014原子/cm2 、例えば、1×10
13原子/cm2 とした。2度目は、加速電圧は10〜3
0kV、例えば20kV、ドーズ量は1×1014〜8×
1015原子/cm2 、例えば、1×1015原子/cm2
とした。
ドーピング)の結果、低濃度ソース316、低濃度ドレ
イン317が、また、低い加速電圧の高濃度ドーピング
(後のドーピング)の結果、ソース313、ドレイン3
14がそれぞれ形成された。
〜350℃に維持する。そのため、ドーピングによる欠
陥はその場で修復されると共に、ドーピングされた不純
物が活性化される。
マCVD法によって厚さ5000Åの酸化珪素膜318
を層間絶縁物として堆積し、これにコンタクトホールを
形成して、チタンのソース、ドレイン電極・配線31
9、320を形成した。
を有するため、オフ電流特性に優れるので、液晶表示の
画素部のスイチッング素子として好適である。
8(A)に示すように、基板(コーニング1737、歪
点663℃)401上にスパッタ法によって厚さ200
0Åの酸化珪素の下地膜402を形成した。さらに、連
続的にプラズマCVD法によって、厚さ200〜150
0Å、例えば500Åの非晶質珪素膜403を形成し
た。そして、実施例1と同様の手段で非晶質珪素膜40
3の表面に酢酸ニッケル水溶液を塗布し、乾燥させ、酢
酸ニッケル層404を形成した。
囲気中、620℃、4時間加熱して結晶化させ、結晶性
珪素膜405を形成する。加熱処理後に、必要であれ
ば、KrFエキマーレーザーを用いて光アニールをおこ
ない、さらに結晶性を向上させてもよい。例えばレーザ
ーのエネルギー密度は150〜350mJ/cm2 、2
50mJ/cm2 とし、1か所につき2〜20ショット
のレーザー光が照射されるようにする。
05の表面に、マスクとして酸化珪素膜406を120
0Åの膜厚に形成する。この状態で、実施例1と同じ条
件で、イオンドーピング法によって硼素をドーピングし
た。ドーピング時にはヒーターにより、基板温度を25
0℃に保持した。この結果、図2に示すように結晶性珪
素膜405中にはオーダで1017原子cm-3 の濃度で
硼素が注入される。
6を除去した後に、結晶性珪素膜405を島状にエッチ
ングして、活性層407、408を形成した。さらに、
プラズマCVD法によって厚さ1000Åの酸化珪素膜
409をゲイト絶縁膜として堆積した。プラズマCVD
の原料ガスとしては、シランと酸素を用いた。
000〜8000Å、例えば5000Åのアルミニウム
膜(0.1〜2%のスカンジウムを含む)を堆積して、
エッチングして、ゲイト電極410、411を形成す
る。
極410、411をマスクとして、図1に示すイオンド
ーピング装置によって、活性層407、408にN型不
純物(燐)をそれぞれ注入する。ドーピングガスとし
て、水素で1〜10パーセントに希釈されたフォスフィ
ンを用いる。加速電圧は60〜90kVとし、ドーズ量
は1×1013〜8×1015原子cm-3とすればよい。本
実施例では、加速電圧は80kVとし、ドーズ量は1×
1014原子cm-3とする。
-3程度のNチャネル型のソース/ドレイン領域412〜
415が形成される。また、ドーピング時には基板温度
を250℃に保持した。このため、ドーピングの間に不
純物が活性化されると共に、ドーピングによる欠陥はそ
の場で修復され、活性層407、408の結晶性が回復
される。
07を被覆するように、ポリイミド又は耐熱性のレジス
トでマスク416を形成する。そして、図1に示すドー
ピング装置を使用して、N型のソース/ドレイン領域4
14、415をP型に反転させるために、硼素を活性層
408にドーピングする。ドーピングガスには、水素で
1〜10%に希釈されたジボランを用いる。本実施例で
は、加速電圧は80kVとし、ドーズ量は4×1014原
子cm-3とする。
ける硼素の濃度が燐の濃度を上回り、その導電型がN型
からP型に反転して、Pチャネル型のソース/ドレイン
417、418が形成される。なお、ソース/ドレイン
417、418における硼素の濃度は3×1019原子c
m-3程度とされる。また、ドーピング時には、基板温度
を250℃に保持した。この結果、ドーピングによる欠
陥はその場で修復されることとなる。
416を除去した後に、厚さ6000Åの酸化珪素膜4
20を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成
し、これにコンタクトホールを形成して、アルミニウム
膜によってTFTのソース、ドレインの電極・配線42
1、422、423をそれぞれ形成する。以上の工程を
経て、N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタと
を相補的に組み合わせたCMOS型薄膜トランジスが作
製される。
ランジスタとP型薄膜トランジスタとを相補的に組み合
わせたCMOS型薄膜トランジスタの作製工程に関す
る。従来例で述べたように、活性層を形成する結晶性珪
素膜は、金属元素等の不純物によってN型化されている
ため、特に本実施例では、Nチャネル型薄膜トランジス
タのみにチャネルドープを実施して、そのしきい値を補
正するようにしたものである。
ように、ガラス基板(コ−ニング1737)601上
に、プラズマCVD法により、下地膜として酸化珪素膜
602を例えば2000Åの厚さに成膜し、真性(I
型)の非晶質珪素膜を500Åの厚さに成膜する。
化法により、酸化して、図示しない酸化膜をごく薄く形
成する。この酸化膜より、非晶質珪素膜603の表面特
性が改善される。次に、スピンコート法により、1〜3
0ppm、例えば、10ppmのニッケルを含有した酢
酸塩溶液を塗布して、乾燥して、酢酸ニッケル層604
を形成する。なお、酢酸ニッケル層604は完全な層を
成しているとは限らない。(図9(A))
熱アニールを施して、非晶質珪素膜603を結晶化す
る。加熱処理により、酢酸ニッケル層604が分解され
て、ニッケル元素が図示しない酸化膜を経て、非晶質珪
素膜603の表面から下地の酸化珪素膜602との界面
へと拡散するのに伴って、非晶質珪素膜603の結晶成
長が進行する。結晶化工程の終了後、レーザー光を照射
して、結晶化された珪素膜の結晶性をさらに向上さても
よい。
原子/cm 以上の高濃度で結晶化された珪素膜中に存
在していると、珪素に金属的性質が表れて、半導体特性
が消滅してしまい、また、この濃度が1×1015原子/
cm3 以下であると、結晶化の効果を得ることができな
い。このため結晶化された珪素膜中のニッケルの濃度は
1×1015〜1×1019原子/cm3 の範囲内となるよ
うに、酢酸塩溶液中のニッケル濃度、酢酸塩溶液の塗布
条件等を予め決定しておく。
05の表面にポリイミド又は耐熱性のフォトレジストに
よりマスク600を形成し、Pチャネル型TFTを形成
する部分を被覆する。この状態で、図1に示す装置を使
用して、イオンドーピング法によって硼素をドーピング
した。ドーピングガスとしては、ヘリウムで希釈した1
%ジボラン(B2 H6 )とし、加速電圧は5kVとし
た。ドーズ量は6×1011〜2×1013原子/cm2 、
例えば、3×1012原子/cm3 とした。また、ドーピ
ング時には基板温度を200〜350℃に保持する。
る部分にのみ微量の硼素がドーピングされた。更に、レ
ーザによってアニールすることにより,素子毎のドーピ
ングの効果を均一することができる。なお、本実施例で
は結晶性珪素膜605を露出した状態で不純物ドーピン
グをおこなったが、実施例1と同様に、ドーピング工程
の前に、結晶性珪素膜605表面に、酸化珪素膜等の保
護膜を形成し、この保護膜を介して、硼素をドーピング
するようにしてもよい。
素膜をエッチングして、活性層606a、606bを形
成する。活性層606aはN型TFTの活性層を構成
し、他方、活性層606bはP型TFTの活性層を構成
する。
00Åの酸化珪素膜607を堆積する。次に、スパッタ
法によりアルミニウム膜を4000Åの厚さに堆積す
る。このアルミニウム膜はゲイト電極608、609を
構成するものであり、このアルミニウム膜には、予めス
カンジウムを0.2wt含有させて、ヒロックやウィス
カ−が発生するのを抑制する。
化して、表面に図示しない緻密な陽極酸化膜を100Å
程度の厚さに形成する。その緻密な陽極酸化膜上に、フ
ォトレジストのマスク610を形成して、アルミニウム
膜をパタ−ニングして、ゲイト電極608、609を形
成する。
レジストのマスク610を着けたままで、ゲイト電極6
08、609を再度陽極酸化する。電解溶液には、クエ
ン酸、シュウ酸、クロム酸又は硫酸を3〜20%含有し
た酸性溶液、例えば3%シュウ酸水溶液を使用する。こ
の場合には、ゲイト電極608、609の表面に、マス
ク610と図示しない緻密な陽極酸化膜が存在するた
め、ゲイト電極608、609の側面のみに多孔質の陽
極酸化物611、612が形成される。この多孔質の陽
極酸化物611、612の成長距離で低濃度不純物領域
(LDD領域)の長さが決定される。この成長距離は陽
極酸化の処理時間で制御することができる。本実施例で
は、多孔質の陽極酸化物611、612を7000Åの
長さに成長させる。
ストのマスク610を除去した後に、再びゲイト電極6
08、609を陽極酸化して、緻密で強固な陽極酸化膜
613、614を形成する。本実施例では、電解溶液と
して3%酒石酸のエチレングリコ−ル溶液を、アンモニ
ア水でPH6.9に中和して使用する。
極酸化物611、612、及び緻密な陽極酸化物61
3、614をマスクにして、酸化珪素膜607をエッチ
ングして、Nチャネル型、Pチャネル型のTFTのゲイ
ト絶縁膜615、616それぞれを形成する。この場合
は、これらの陽極酸化物611〜614をエッチングせ
ず、酸化珪素膜607のみをエッチングすることが可能
であれば、ウェットエッチング法でも、ドライエッチン
グ法のいずれを採用してもよい。本実施例では、ClF
3 ガスを用いたドライエッチングによって、酸化珪素膜
607をエッチングする。
た図示しない緻密な陽極酸化膜、多孔質な陽極酸化物6
11、612を順次に除去する。緻密な陽極酸化膜はバ
ッファーフッ酸で除去し、多孔質の陽極酸化物611、
612は燐酸、酢酸及び硝酸を混合した混酸を用いて除
去する。多孔質の陽極酸化物611、612は容易に除
去できるため、緻密で強固な陽極酸化物613、614
がエッチングされることはない。
にして、イオンド−ピング法により、活性層606a、
606bそれぞれにN型の導電性を付与する不純物とし
て、燐をドーピングする。ドーピングガスとして、水素
で1〜10パーセントに希釈されたフォスフィンを用
い、ドーピング時には基板温度を200〜350℃に保
持する。また、ドーピングは2段階に分けて実施する。
〜30kVとし、ドーズ量は1×1013〜8×1015原
子cm-3とすればよい。本実施例では、加速電圧は10
kVとし、ドーズ量は1×1015原子cm-3とする。こ
のように、加速電圧を比較的低くくして、燐イオンがゲ
イト電極608、609、ゲイト絶縁膜615、616
それぞれを透過しないようにし、主に、活性層606
a、606bの表面が露出している領域にドーピングさ
れるようにする。
加速電圧を高くして、ドーズ量は小さくする。例えば、
加速電圧は60〜90kVとし、ドーズ量は1×1012
〜5×1013原子cm-3とすればよい。本実施例では、
加速電圧は80kVとし、ドーズ量は1.5×1013原
子cm-3とする。この条件下では、燐イオンはゲイト電
極608、609を透過することはできないが、ゲイト
絶縁膜615、616を透過する。また、ゲイト絶縁膜
615、616は半透過なマスクとして機能するため、
その直下の領域は燐イオンの注入量が少なくなってい
る。
6a、606bにおいて、表面が露出されている領域は
高濃度に燐イオンが注入されて、N型のソース/ドレイ
ン617〜620が形成される。また、ゲイト電極60
8、609の直下の領域は燐イオンが注入されないた
め、チャネル形成領域621、622が形成される。ま
た燐イオンがゲイト絶縁膜615、616に遮られるた
めに、ゲイト絶縁膜615、616のみに覆われている
領域は燐の注入量が小さく、N型の低濃度不純物領域6
23〜626がそれぞれ形成される。(図9(F))
N型のソース/ドレイン617〜620において3×1
019〜1×1021原子/cm3 となるように、また低濃
度不純物領域623〜626において4×1016〜7×
1017原子/cm3 となるように、ドーピング工程の条
件を設定する。また、本実施例では、基板温度を200
〜350℃で保持した状態で、ドーピング工程を実施し
ているため、ドーピングによる活性層の欠陥は直ちに修
復され、不純物が活性化される。
ド又は耐熱性のレジストによってマスク627を形成
し、Nチャネル型TFTとなる領域を被覆する。続い
て、P型の導電性を付与するための不純物として、硼素
をイオンド−ピング法により注入する。ドーピングガス
として、水素で5%に希釈されたジボラン(B2 H6 )
を用いる。イオンドーピング時の基板温度は200〜3
50℃に保持する。また、このドーピング工程も燐イオ
ンのドーピング工程と同様に、2段階に分けて実施す
る。
0〜90kVとし、ドーズ量は1×1014〜5×1014
原子cm-3とし、2回目のドーピング工程は、加速電圧
は10kVとし、ドーズ量は2×1015原子cm-3とす
る。この結果、活性層606bのソース/ドレイン61
9、620、及び低濃度不純物領域625、626はそ
れぞれ導電型が反転して、P型のソース/ドレイン62
8、629、及びP型の低濃度不純物領域630、63
1として画定される。他方、レジスト627で被覆され
たソース/ドレイン617、618、及び低濃度不純物
領域623、624の導電型はN型のまま画定される。
ース・ドレイン628、629において、硼素の濃度が
当該領域中の燐の濃度よりも3×1019〜1×1021原
子/cm3 高く、P型の低濃度不純物領域430、43
1において、硼素の濃度が燐の濃度より3×1017〜4
×1018原子/cm3 高くなるように、ドーピング工程
の条件を決定している。
℃に保持した状態で、ドーピングしているため、添加さ
れた不純物の活性化させると共に、ドーピング工程によ
り損傷された珪素膜の結晶性が回復される。必要であれ
ば、ドーピング工程の後にレーザー光等による光アニー
ルを実施してもよい。
μmの酸化珪素膜を層間絶縁膜632としてプラズマC
VD法により形成し、これにコンタクトホ−ルを形成す
る。そして、このコンタクトホ−ルに、金属材料、例え
ばチタンとアルミニウムの多層膜により、ソ−ス/ドレ
インの電極、配線633、634、635を形成する。
最後に、350℃の水素雰囲気中において、2時間の加
熱処理を行う。以上の工程を経て、CMOS薄膜トラン
ジスタが完成される。
ング処理後、ドーピング工程により生じた格子欠陥の修
復工程が無用、もしくは極短時間ですむようになった。
また、本発明により、従来の方法に比べ、ドーピング処
理をさらに均質に行うことが可能となった。
を有する素子を形成する場合に特に有効である。という
のは、ドーピングの処理が均質に行われない場合、素子
間で特性の不均一が生じるからである。このような不均
一は特に、薄膜トランジスタを使用した、液晶ディスプ
レイ装置中に形成される画素に対して有害なものであ
る。よって、本発明は工業上有益な物であると思われ
る。
を施した薄膜半導体材料上にトランジスタ等の素子を形
成する場合に特に優れた効果をもたらす。その効果は、
Vth(しきい値電圧)の制御、OFF 電流の抑制、薄膜半
導体材料上に複数個の素子を形成する場合の素子間の特
性の均一化、等である。
導入により、結晶化された結晶性珪素膜を用いた薄膜ト
ランジスタにおけるVthのシフトの問題を解決すること
ができる。
図。
図。
図。
す図。
す図。
す図。
す図。
Claims (6)
- 【請求項1】基板に非晶質珪素膜を形成し、 前記非晶質珪素膜を結晶化して、結晶性珪素膜を形成
し、 前記結晶性珪素膜の上にマスク膜を形成し、 前記結晶性珪素膜を50℃〜500℃に昇温した状態
で、前記マスク膜を通過させて、前記結晶性珪素膜にド
ーパントをドーピングし、 前記マスク膜を除去し、 前記ドーパントがドーピングされた前記結晶性珪素膜に
対して、レーザー光を照射することを特徴とする半導体
装置の作製方法。 - 【請求項2】請求項1において、 前記マスク膜は、10nm〜150nmの厚さの酸化珪
素膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項3】請求項1又は2において、 前記レーザー光の照射は、線状のエキシマレーザーを照
射することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項において、 前記結晶性珪素膜へのドーピングは、チャネルドープで
あることを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項において、 前記結晶性珪素膜は、前記非晶質珪素膜に金属元素を用
いて結晶化することによって形成されることを特徴とす
る半導体装置の作製方法。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項において、 前記レーザー光照射後、前記結晶性珪素膜を用いて活性
層を形成し、 前記活性層上にゲイト絶縁膜を形成し、 前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、 前記ゲイト電極をマスクとして前記活性層に不純物を導
入して、前記活性層に不純物領域を形成し、 前記活性層への前記不純物の導入は加熱しながら行われ
ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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