JPH09302095A - 硬化性組成物、成形体及び製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、成形体及び製造方法

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JPH09302095A
JPH09302095A JP14077196A JP14077196A JPH09302095A JP H09302095 A JPH09302095 A JP H09302095A JP 14077196 A JP14077196 A JP 14077196A JP 14077196 A JP14077196 A JP 14077196A JP H09302095 A JPH09302095 A JP H09302095A
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JP
Japan
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group
compound
carbon atoms
curable composition
independently
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Application number
JP14077196A
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English (en)
Inventor
Shintarou Yukimitsu
新太郎 幸光
Koji Himeno
光二 姫野
Naoaki Nakanishi
直明 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温又は比較的低温の加熱下において硬化成
形することができ、かつ、低腐食性、低毒性である硬化
性組成物、その成形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素−炭素二重結合を有するフェノール
系化合物(A)、及び、SiH基を有する化合物(B)
を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温又は比較的低
温の加熱下で硬化して成形体を生成しうる新規な硬化性
組成物、その成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成形性に優れた熱硬化性樹脂は工業的利
用価値が大きく、なかでも、フェノール樹脂は、機械特
性、難燃性等が良好であることから、成形材、積層材、
注入材等に幅広く使用されている。
【0003】このようなフェノール樹脂には、酸性触媒
を用いて合成されるノボラック樹脂と、アルカリ触媒を
用いて合成されるレゾール樹脂とがある。ノボラック樹
脂は、硬化時に加熱が必要であることから用途が制限さ
れている。
【0004】レゾール樹脂は、酸触媒により常温で硬化
させることできるが、酸による金属の腐食が問題とな
り、中和剤の添加等によりこれを克服することが研究さ
れているが、いまだ解決するには至っていない。更にレ
ゾール樹脂については、ウレタン系の架橋反応による硬
化が検討されているが、毒性のあるイソシアネートを使
用しなければならず、使用範囲が限定される欠点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、常温又は比較的低温の加熱下において硬化成形する
ことができ、かつ、低腐食性、低毒性である硬化性組成
物、その成形体及びその製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、炭素−炭素二重結合を有するフェノール系化
合物(A)、SiH基を有する化合物(B)を含有する
ことを特徴とする硬化性組成物を用いることにより、上
記の課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
【0007】本発明の(A)成分と(B)成分はヒドロ
シリル化反応によって付加型の架橋反応を行うことによ
り、常温又は比較的低温で硬化し、成形体を形成するこ
とが可能となるものである。以下、各成分について順に
説明する。
【0008】本発明の(A)成分としては、(B)成分
とのヒドロシリル化による付加型架橋反応が可能な炭素
−炭素二重結合を含有すること以外は特に限定されない
が、成形体の機械的特性の発現に必要なフェノール樹脂
骨格を有することが好ましく、原材料入手の簡便さか
ら、上記(A)成分としては、下記の一般式(1)、一
般式(2)又は一般式(3)で表されるものが、より好
ましい。
【0009】
【化3】
【0010】式中、R1 は、H又はCH3 を表す。
2 ,R3 は、独立して、炭素数1〜6の2価の有機基
を表す。R4 ,R5 は、独立して、水酸基又は炭素数0
〜6の1価の置換基を表す。X,Yは、独立して、炭素
数0〜10の2価の置換基を表す。n、m、lは、独立
して、1〜300の整数を表す。p,qは、独立して、
0〜3の整数を表す。
【0011】
【化4】
【0012】式中、R1 は、H又はCH3 を表す。
6 ,R7 ,R8 は、独立して、炭素数1〜6の2価の
有機基を表す。R9 ,R10,R11は、独立して、水酸基
又は炭素数0〜6の1価の置換基を表す。X,Yは、独
立して、炭素数0〜10の2価の置換基を表す。n,
m,l,sは、独立して、1〜300の整数を表す。
p,q,rは、独立して、0〜3の整数を表す。
【0013】
【化5】
【0014】式中、R1 は、H又はCH3 を表す。R12
は、炭素数0〜6の2価の置換基を表す。R13,R
14は、独立して、水酸基又は炭素数0〜10の1価の置
換基を表す。X,Yは、独立して、炭素数0〜10の2
価の置換基を表す。n,mは、独立して、0〜4の整数
を表す。
【0015】上記(A)成分に係る上記フェノール樹脂
骨格としては特に限定されず、通常使用されているいず
れのものも使用でき、例えば、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ピロガロ
ール等を用いたノボラック及び/又はレゾール型フェノ
ールや、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフ
ェノール系化合物類等を挙げることができる。
【0016】上記(A)成分に係る炭素−炭素二重結合
は、アルケニル基を導入することにより含有させること
ができる。上記アルケニル基導入方法としては、フェノ
ール樹脂骨格を合成後にアルケニル基を導入する方法
と、アルケニル基を有する化合物を一部又は全部用いて
フェノール樹脂骨格を合成する方法とに大別することが
できる。
【0017】フェノール樹脂骨格を合成後にアルケニル
基を導入する方法としては、例えば、末端、主鎖又は側
鎖に水酸基、アルコキシド基、カルボキシル基、エポキ
シ基等の官能基を有する主鎖骨格を予め合成し、その官
能基に対して反応性を示す活性基とアルケニル基の両方
を有する有機化合物を反応させることによりアルケニル
基を導入する方法等を挙げることができる。
【0018】上記官能基に対して反応性を示す活性基と
アルケニル基との両方を有する有機化合物としては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリ
ル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド等の炭素数3〜
20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、酸無水物等;ビニル
アルコール、アリルアルコール、3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール、6−ヘプテン−1−オール、7−オクテン−1−
オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オ
ール、2−(アリルオキシ)エタノール、ネオペンチル
グリコールモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ト
リメチロールエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリアリルエーテル、1,2,6−ヘキサントリ
オールジアリルエーテル、ソルビタンジアリルエーテ
ル、ビニルベンジルアルコール等の不飽和脂肪族アルコ
ール;アリルクロロホルメート(CH2 =CHCH2
OCOCl)、アリルブロモホルメート(CH2 =CH
CH2 −OCOBr)等の炭素数3〜20の不飽和脂肪
族アルコール置換炭酸ハライド;アリルクロライド、ア
リルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、ア
リル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン、ア
リルイソシアネート、アリルグリシジルエーテル等を挙
げることができる。
【0019】具体的な反応としては、フェノール基とア
リルブロマイドとを塩基触媒存在下で反応させる方法
や、フェノール基とアリルグリシジルエーテルとをエポ
キシ化触媒下で反応させる方法、イソシアネートとアリ
ルアルコールとをウレタン化触媒存在下で反応させる方
法等を挙げることができる。
【0020】また、エステル交換法を用いてアルケニル
基を導入する方法がある。この方法は、ポリエステル樹
脂やアクリル樹脂のエステル部分のアルコール残基をエ
ステル交換触媒を用いてアルケニル基含有アルコール又
はアルケニル基含有フェノール誘導体とエステル交換す
る方法である。この場合、アルコール残基との交換に用
いるアルケニル基含有アルコール及びアルケニル基含有
フェノール誘導体は、少なくとも1個のアルケニル基を
有し、少なくとも1個の水酸基を有するアルコール又は
フェノール誘導体であれば良い。この反応において、触
媒は使用してもしなくても良いが、使用するとすれば酸
又はチタン系及び錫系の触媒が好ましい。
【0021】アルケニル基を有する化合物を一部又は全
部用いてフェノール樹脂骨格を合成する方法としては、
二重結合を有する芳香族化合物とフェノール類とを、例
えば、ホルムアルデヒドやジイソシアネートにより反応
させる方法があり、具体的には、アリルフェノールと他
のフェノール類とを、酸又は塩基存在下、ホルムアルデ
ヒドにより、重縮合させる方法がある。
【0022】上記(A)成分の炭素−炭素二重結合の数
は、平均して1分子当たり1.0個を超えることが好ま
しく、特に2個以上であることが好ましい。上記(A)
成分の1分子内の炭素−炭素二重結合の数が1個以下の
場合は、(B)成分と反応しても架橋構造とならないた
め好ましくない。
【0023】上記(A)成分の構造は直鎖状でも分枝状
でもよく、分子量は特に限定されないが、(B)成分と
均一に混合し、成形するためには、平均分子量が100
〜10万であることが好ましく、更に、100〜1万が
より好ましい。
【0024】本発明の硬化性組成物は、上記(A)成分
とともに、(B)成分を含有する。上記(B)成分であ
るSiH基を有する化合物は、上記(A)成分中の炭素
−炭素二重結合との反応性を有するものであれば特に限
定はないが、原材料の入手しやすさから、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンや特開平3−95266号公
報、特開平3−200807号公報に示されているもの
が好ましい。
【0025】具体的には、例えば、下記一般式(4)、
下記一般式(5)で示される化合物が挙げられる。
【0026】
【化6】
【0027】式中、mは2以上の整数を表し、n,l,
pは、独立して、0以上の整数を表し、10≦(m+n
+l)×p≦80の関係を満たす。R15は、実質的に、
ポリオキシアルキレン基又はヒドロシリル基とアルケニ
ル芳香族化合物との反応により生じる有機基を表す。R
16,R17,R18,R19は、独立して、水素又は炭素数1
〜20の炭化水素基を表し、1個以上のフェニル基を含
有していてもよい。
【0028】
【化7】
【0029】式中、mは2以上の整数を表し、n,l,
pは、独立して、0以上の整数を表し、3≦(m+n+
l)×p≦20の関係を満たす。R15は、実質的に、ポ
リオキシアルキレン基又はヒドロシリル基とアルケニル
芳香族化合物との反応により生じる有機基を表す。
16,R17は、独立して、水素又は炭素数1〜20の炭
化水素基を表し、1個以上のフェニル基を含有していて
もよい。
【0030】一般式(4)、一般式(5)で表されるポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンを得る方法として
は、末端に二重結合(例えばアリル基)やヒドロキシル
基等のSiH基と反応しうる官能基を有するポリオキシ
アルキレン化合物とポリオルガノハイドロジェンシロキ
サンとの反応による方法;予めポリオキシアルキレン鎖
を有する珪素化合物を用いてポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンを合成する方法;上記珪素化合物とポリオ
ルガノシロキサンとの再分配反応による方法等を用いて
行うことができる。
【0031】更に具体的には、例えば、下記一般式
(6)、下記一般式(7)で表される鎖状又は環状のポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンと、下記化合物群
(8)から選択される化合物との反応;下記一般式
(6)、下記一般式(7)で表される鎖状又は環状のポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンと、下記一般式
(9)、下記一般式(10)で表される化合物等との再
分配、平衡化反応等を挙げることができる。
【0032】
【化8】
【0033】式中、mは2以上の整数を表し、l,p
は、独立して、0以上の整数を表し、10≦(m+n+
l)×p≦80の関係を満たす。R16,R17,R18,R
19は、独立して、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基
を表し、1個以上のフェニル基を含有していてもよい。
【0034】
【化9】
【0035】式中、mは2以上の整数を表し、l,p
は、独立して、0以上の整数を表し、3≦(m+n+
l)×p≦20の関係を満たす。R16,R17は、独立し
て、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、1個
以上のフェニル基を含有していてもよい。
【0036】 化合物群(8): H2 C=CH−Ph H2 C=C(CH3 )−Ph H2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OH H2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OCH3 2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OC2 5 2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OC3 7 2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OC4 9 2 C=CHCH2 −[(PO)n −(EO)m ]l −OPh HO−[(PO)n −(EO)m ]l −CH3 HO−[(PO)n −(EO)m ]l −C2 5 HO−[(PO)n −(EO)m ]l −C3 7 HO−[(PO)n −(EO)m ]l −C4 9 HO−[(PO)n −(EO)m ]l −Ph (ここに、m,n,lは、1≦(m+n)×l≦80、
m,n,l≧0の関係を満たす整数を表す。Phは、フ
ェニル基を表す。POは、プロピレンオキシ基を表す。
EOは、エチレンオキシ基を表す。)
【0037】
【化10】
【0038】式中、mは、5〜80の整数を表す。R15
は、分子量が100〜1万のポリオキシアルキレン鎖又
は炭素数2〜20の炭化水素基を表し、1個以上のフェ
ニル基を含有してもよい。
【0039】
【化11】
【0040】式中、mは、3〜20の整数を表す。R15
は、分子量が100〜1万のポリオキシアルキレン鎖又
は炭素数2〜20の炭化水素基を表し、1個以上のフェ
ニル基を含有してもよい。
【0041】上記(B)成分としては、上記鎖状又は環
状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン以外の有機
系化合物として、例えば、下記一般式(11)で表され
るヒドロシリル基を含有する分子量が3万以下の有機系
化合物等を挙げることができる。
【0042】R20Xa (11) 式中、R20は、炭素数2〜150の1〜4価の有機基を
表す。Xは、少なくとも1個のヒドロシリル基を含む基
を表す。aは、1〜4の整数を表す。
【0043】一般式(11)中のXとしては、更に具体
的には、以下のもの等を挙げることができる。 〔i〕下記一般式(12)、一般式(13)、一般式
(14)で表される各種の多価ハイドロジェンシロキサ
ンより誘導されたヒドロシリル基。
【0044】
【化12】
【0045】式中、nは、1以上の整数を表し、m,l
は、0以上の整数を表し、1≦(m+n)×l≦10の
関係を満たす。R21は、メチル基、エチル基又はフェニ
ル基を表す。Zは、構成元素としてC,H,N,O,
S,Si,ハロゲンのみを含む炭素数0〜10の2価の
置換基を表す。
【0046】
【化13】
【0047】式中、m,nは、独立して、整数を表し、
l,p,q、rは、独立して、0以上の整数を表し、1
≦(m+p)×l+(n+q)×r≦10の関係を満た
し、m+n≧1の関係を満たす。R21は、メチル基、エ
チル基又はフェニル基を表す。Zは、構成元素として
C,H,N,O,S,Si,ハロゲンのみを含む炭素数
0〜10の2価の置換基を表す。
【0048】〔ii〕−Si(H)n (CH3 )3-n 、
−Si(H)n (C2 5 )3-n 、−Si(H)n (C
6 5 )3-n (式中、nは、1〜3の整数を表す。) −SiH2 (C6 13) −Si(CH3 2 OSi(CH3 2
【0049】
【化14】
【0050】等のヒドロシリル基。一般式(12)〜一
般式(14)における2価の置換基Zとしては、下記の
もの等を挙げることができる。
【0051】
【化15】
【0052】また、これらの2価の置換基の2つ以上が
共有結合によりつながって1つの2価の置換基Zを構成
していてもよい。上記一般式(12)〜一般式(14)
で示されるヒドロシリル基の、より具体的な例として
は、下記の化合物等を挙げることができる。
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】上記の各種のヒドロシリル基のうち、
(B)成分の他成分に対する相溶性を損なう可能性が少
ないという点から考えて、更にヒドロシリル基の反応性
をも考慮すれば、特に下記のものが好ましい。
【0056】
【化18】
【0057】上記一般式(11)中のR20は、上記のX
と直接共有結合を介して結合している1価〜4価の有機
基であれば特に限定されず、例えば、下記の化合物等を
挙げることができる(下記式中、ビシクロ環を有する化
合物における波線は、エンド、エキソのどちらでもよい
ことを表す)。
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】これらの中でも、(A)成分との相溶性の
点から、下記のものが好ましい。
【0062】
【化22】
【0063】一般式(11)で示されるヒドロシリル基
を含有する有機系化合物の製造方法については特に制限
はなく、任意の方法を用いればよい。例えば、(i)分
子内にSiCl基をもつ硬化剤前駆体をLiAlH2
NaBH4 等の還元剤で処理して該硬化剤前駆体中のS
iCl基をSiH基に還元する方法、(ii)分子内に官
能基Xをもつ有機化合物と分子内にこの官能基Xと反応
する官能基Y及びヒドロシリル基を同時にもつ化合物と
反応させる方法、(iii) アルケニル基を含有する有機化
合物に対して少なくとも2個のヒドロシリル基をもつポ
リヒドロシラン化合物を選択ヒドロシリル化することに
より反応後もヒドロシリル基を該有機化合物の分子中に
残存させる方法、等が例示される。
【0064】上記の方法のうち、(iii) の方法が、製造
工程が一般に簡便なために好適に用いられる。この場
合、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリル基の
2個以上が有機化合物のアルケニル基と反応し、分子量
が増大する場合があるが、このような有機化合物を
(B)成分として用いても何ら差し支えない。
【0065】上記(B)成分のより具体的な例として
は、下記化合物等を挙げることができる。
【0066】
【化23】
【0067】上記(B)成分におけるヒドロシリル基の
個数については、少なくとも1分子中に平均して1個あ
ればよいが、相溶性を損なわない限り多いほうが好まし
い。上記(A)成分と上記(B)成分とをヒドロシリル
化反応により硬化させる場合、該ヒドロシリル基の個数
が2個未満であると、硬化が遅く硬化不良を起こす場合
が多い。
【0068】上記(A)成分と上記(B)成分との配合
割合は、各成分の構造、目的とする物性により適宜選択
されるものであって特に制限はないが、(A)成分の炭
素−炭素二重結合のモル数xと、(B)成分のSiH基
のモル数yとの比率が、x:y=1:30〜30:1で
あることが好ましい。さらに好ましくは1:10〜1
0:1である。
【0069】上記(A)成分の比率がこれより過剰であ
ると、架橋密度が低くなり十分な機械的強度が得られ
ず、逆に(B)成分の比率がこれより過剰であると、十
分な架橋が起こらないことがある。
【0070】本発明では、(C)成分としてヒドロシリ
ル化反応のための触媒を用いることができる。上記ヒド
ロシリル化反応のための触媒としては、例えば、白金の
単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に
固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸と
アルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オ
レフィン錯体(例えば、Pt(CH2 =CH2 2 (P
Ph3 2 、Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 )、白金
−ビニルシロキサン錯体(例えば、Ptn (ViMe2
SiOSiMe2 Vi)n 、Pt[(MeViSi
O)4 ]m )、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt
(PPh3 4 、Pt(PBu3 4 )、白金−ホスフ
ァイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3 4 、Pt
[P(OBu)3 4)(式中、Meはメチル基、Bu
はブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表
し、n、mは整数を表す)、ジカルボニルジクロロ白
金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、
アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601
号明細書及び第3159662号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、ラモロー(Lamoreau
x)の米国特許第3220972号明細書中に記載され
た白金アルコラート触媒等を挙げることができる。
【0071】更に、モディック(Modic)の米国特
許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−
オレフィン複合体も本発明において有用である。また、
白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh
3 3 、RhCl3 、Rh/Al2 3 、RuCl3
IrCl3 、FeCl3 、AlCl3 、PdCl2 ・2
2 O、NiCl2 、TiCl4 等を挙げることができ
る。
【0072】これらの中では、触媒活性の点から、塩化
白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサ
ン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用
してもよく、2種以上併用してもよい。
【0073】触媒の添加量は特に限定されないが、Si
H基1モルに対して、10-1〜10-8モルが好ましく、
より好ましくは、10-2〜10-6モルである。上記の触
媒と共に助触媒としてホスフィン系化合物及びホスフィ
ン錯体を使用することができる。
【0074】上記ホスフィン系化合物としては、トリフ
ェニルホスフィン、PMe3 、PEt3 、PPr3 (こ
こに、Prはプロピル基を表す。以下同様。)、P(n
−Bu)3 、P(cyclo−C6 113 、P(p−
6 4 Me)3 、P(o−C6 4 Me)3 等がある
がこれらに限定されるものではない。
【0075】上記ホスフィン錯体としては、例えば、C
r(CO)5 PPh3 、Cr(CO)4 (PPh3
2 (シス及びトランス異性体)、Cr(CO)3 (PP
33 (fac及びmer異性体)、これらCr化合
物のMo及びV類縁体、Fe(CO)4 PPh3 、Fe
(CO)3 (PPh3 2 、これらFe化合物のRu及
びOs類縁体、CoCl2 (PPh3 )、RhCl(P
Ph3 3 、RhCl(CO)(PPh3 3 、IrC
l(CO)(PPh)2 、NiCl2 (PPh)2 、P
dCl2 (PPh)2 、PtCl2 (PPh)2 、及び
ClAu(PPh3 )がある。
【0076】更に、トリフェニルホスフィン以外のホス
フィンを含有する上記の金属の錯体等のような金属錯体
も有効な助触媒となりうる。また、P(OPh)3 等の
ようなホスファイト、AsPh3 等のようなアルシン、
SbPh3 等のようなスチビンを含有する錯体も有効な
助触媒となりうる。
【0077】助触媒の添加量は特に限定されないが、触
媒1モルに対して、10-2〜102モルが好ましく、よ
り好ましくは10-1〜101 モルである。
【0078】本発明の硬化性組成物には、更に、必要に
応じて、充填剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線
吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、ポリジメチルシロキサ
ン−ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、有機界面活
性剤(ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテ
ル等)等の整泡剤、酸又は塩基性化合物、保存安定改良
剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カ
ップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、
帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解
剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤等を本発
明の目的及び効果を損なわない範囲において添加するこ
とができる。
【0079】上記充填剤としては、例えば、ガラス繊
維、炭素繊維、マイカ、グラファイト、ケイソウ土、白
土、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、アル
ミナ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、
石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、亜鉛末、無
機バルーン、ゴムグラニュー、木粉、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂等を挙げることができ
る。
【0080】上記老化防止剤としては、一般に用いられ
ている老化防止剤、例えば、クエン酸、リン酸、硫黄系
老化防止剤等を挙げることができる。上記硫黄系老化防
止剤としては、例えば、メルカプタン類、メルカプタン
の塩類;スルフィドカルボン酸エステル類;ヒンダード
フェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリス
ルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チ
オホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒ
ド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトー
ル類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、ス
ルホキシド類等を挙げることができる。
【0081】上記ラジカル禁止剤としては、例えば、
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤、フェニ
ル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,
N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチ
アジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン等のアミン系ラジカル禁止剤等を挙げることができ
る。
【0082】上記紫外線吸収剤としては、例えば、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジン)セバケート等を挙げるこ
とができる。
【0083】上記接着性改良剤としては、一般に用いら
れている接着剤やアミノシラン化合物、エポキシシラン
化合物等のシランカップリング剤、その他の化合物を用
いることができる。このような接着性改良剤の具体例と
しては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、クマロン−イ
ンデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノー
ル樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合
体、ポリエチルメチルスチレン、アルキルチタネート
類、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができ
る。
【0084】上記難燃剤としては、テトラブロモビスフ
ェノールA、テトラブロモビスフェノールAエポキシ、
デカブロモジフェニルオキサイド等のハロゲン系剤、ト
リエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプ
ロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホ
スフェート、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐等の燐系難燃
剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化
アンチモン、五酸化アンチモン等の無機系難燃剤等を挙
げることができる。これら難燃剤は、単独で使用しても
併用しても良い。
【0085】次に本発明の成形体及びその製造方法につ
いて述べる。本発明の硬化性組成物を、反応触媒、更に
必要に応じて添加剤を混合し、硬化させることにより成
形体を製造することができる。上記硬化させる温度は、
200℃以下が好ましく、100℃以下が更に好まし
い。200℃を超える高温では、(A)成分と(B)成
分との硬化反応の速度が大きくなりすぎ、また劣化反応
が生じるため、成形体の作製が難しくなる。
【0086】本発明の硬化性組成物における(A)成分
と(B)成分との配合方法については特に限定されない
が、作業性の面から硬化性組成物の(A)成分、(B)
成分それぞれを実質的な成分とする2種以上の組成物を
作製した後、それらを混合することにより、硬化させる
ことが好ましい。
【0087】触媒である(C)成分の添加方法には特に
限定はなく、作業上容易な方法を選択すれば良く、
(A)成分及び(B)成分のどちらかに混合して用いて
も、また、(A)成分、(B)成分の混合と同時に添加
するか、又は、混合終了後に添加しても良い。
【0088】本発明の成形体の製造方法としては、本発
明の硬化性組成物と触媒、更に必要に応じて添加剤を適
当な組み合わせで事前に混合した2液又はそれ以上の数
の別々の混合物を使用直前に混合し、押出又は注入させ
る方法が好ましい。上記混合する方法としては特に限定
されないが、ハンドミキシング、電動ミキサー、スタテ
ィックミキサー、衝突混合等の、通常、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂で使用されている方法を
用いることができる。
【0089】
【実施例】以下に本発明の合成例、実施例及び比較例を
掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0090】合成例1 温度計、還流冷却器、滴下ロート、攪拌モータを備えた
四つ口フラスコに、ビスフェノールAを114g、炭酸
カリウムを145g、臭化アリルを140g、アセトン
を250ml入れ、60℃で12時間撹拌した。上澄み
液をとり、分液ロートで水酸化ナトリウム水溶液により
洗浄し、その後水洗した。油層を硫酸マグネシウムで乾
燥させた後、エバポレーターで溶媒を留去したところ、
淡黄色の液体が得られた。 1H−NMRにより、ビスフ
ェノールAのOH基がアリルエーテル化したアリル化ビ
スフェノール(アリルエーテル型)であることがわかっ
た(A−1)。
【0091】合成例2 合成例1で得られたアリル化ビスフェノールを窒素雰囲
気下で攪拌しながら180℃で3時間加熱したところ、
黄褐色の粘稠な液体が得られた。 1H−NMRの測定に
よりアリル基がクライゼン転位したC−アリル化ビスフ
ェノールであることが確認された(A−2)。
【0092】合成例3 温度計、還流冷却器、滴下ロート、攪拌モータを備えた
四つ口フラスコに、ノボラック型フェノール樹脂(PS
M4261、群栄化学社製、OH含量9.71mmol
/g)36.9g及びアセトン160mlを入れ、炭酸
カリウム50gを攪拌しながら添加した。アリルブロマ
イド52gを少量づつ滴下したのち、55℃で6時間反
応させた。これを濾過し、濃縮して、アルカリ、酸の順
で洗浄した後、エバポレーターで溶媒を留去したとこ
ろ、淡黄色の液体が得られた。 1H−NMRの測定によ
り水酸基がアリル化されたO−アリル化ノボラック型フ
ェノール樹脂(アリルエーテル型)であることが確認さ
れた。
【0093】合成例4 合成例3で得られたアリル化ノボラック型フェノール樹
脂を窒素雰囲気下で攪拌しながら180℃で3時間加熱
したところ、褐色の粘稠な液体が得られた。 1H−NM
Rの測定によりアリル基がクライゼン転位したC−アリ
ル化ノボラック型フェノール樹脂(アリルフェノール
型)であることが確認された(A−3)。
【0094】合成例5 1リットルの四つ口フラスコに、撹拌棒、滴下ロート、
上部に三方コックを付けた冷却管、温度計をセットし
た。このフラスコにメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン(信越化学社製、KF−99)120g(SiH基
2.0mol)、白金−ビニルシロキサン錯体のキシレ
ン溶液241μl(白金原子にして2.0×10-2mm
ol)、トルエン120mlを入れた。混合液を80℃
に加熱し、滴下ロートから片末端がメチル基、もう一方
の末端がアリル基でそれぞれ変性されたエチレンオキシ
ド重合体(数平均分子量350)70g(アリル基0.
20mol)をトルエン70mlに溶解させたものを
0.5時間かけて滴下し、終了後80℃でそのまま2時
間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮することによ
り、無色透明液体を得た。 1H−NMRの測定によりポ
リアルキレンオキシドで変性したメチルハイドロジェン
ポリシロキサンであることが確認された(B−1)。
【0095】合成例6 合成例5に準じて、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン120g、スチレン52g(0.5mol)を用いて
同様の操作を行い、無色透明液体を得た。スチレンで変
性したメチルハイドロジェンポリシロキサンを粘稠液体
として得た(B−2)。
【0096】合成例7 200mlの4つ口フラスコに、3方コック冷却管、均
圧滴下ロート、温度計、マグネチックチップ、ガラスス
トッパーを取り付け、環状ポリハイドロジェンシロキサ
ン(信越化学社製、LS8600)12.03g及びト
ルエン20mlをフラスコ内に入れたのち窒素置換し
た。撹拌しながら50℃に加熱し、滴下ロートより塩化
白金酸触媒溶液(H2 PtCl6 ・6H2 O 1gをエ
タノール1g、1,2−ジメトキシエタン9gに溶かし
た溶液)20μl、トルエン30ml、及び1,9−デ
カジエン2.76gの混合液をフラスコ内へ2時間かけ
て滴下し、滴下終了後50℃で更に1時間反応させた。
反応液を塩化アンモニウム飽和水溶液(100ml×
2)、イオン交換水(100ml×1)で洗浄後、硫酸
ナトリウムで乾燥した。揮発分を溜去し、無色透明の液
を得た。NMR等により、デカジエンの両末端が環状ポ
リシロキサンで変性された化合物であることがわかった
(B−3)。
【0097】実施例1 合成例2で製造したC−アリル化ビスフェノール(A−
2)15.4gに白金−ビニルシロキサンのキシレン溶
液(白金原子で1.9重量%)0.6g、トリフェニル
ホスフィンのキシレン溶液(1重量%)0.19gを加
えて撹拌した組成物と、合成例5で製造したポリアルキ
レンオキシド変性メチルハイドロジェンポリシロキサン
(B−1)11.0gとを室温で混合し、アルミ製の型
枠に流し込み、10分間静置したところ、黄色の硬質成
形体が得られた。得られた成形体のガラス転移点をレオ
メトリックス社製粘弾性スペクトロメーター(曲げモー
ド、10ヘルツ)を用いて測定した結果、約60℃であ
った。
【0098】実施例2 合成例1で製造したO−アリル化ビスフェノール(A−
1)15.4gに白金−ビニルシロキサンのキシレン溶
液(白金原子で1.9重量%)0.6gを加えて撹拌し
た組成物と、合成例6で製造したスチレン変性メチルハ
イドロジェンポリシロキサン(B−2)20.4gとを
60℃で混合し、アルミ製の型枠に流し込み、15分間
静置したところ、淡黄色の硬質成形体が得られた。得ら
れた成形体のガラス転移点は約40℃であった。
【0099】実施例3 合成例3で製造したC−アリル化ノボラック型フェノー
ル樹脂(アリルフェノール型)(A−3)17.0g、
白金−ビニルシロキサンのキシレン溶液(白金原子で
1.9重量%)0.6g、トリフェニルホスフィンのキ
シレン溶液(1重量%)0.19gを加えて撹拌した組
成物と、合成例5で製造したポリアルキレンオキシド変
性メチルハイドロジェンポリシロキサン(B−1)1
0.7gとを室温で混合し、アルミ製の型枠に流し込
み、10分間静置したところ、黄色の硬質成形体が得ら
れた。得られた成形体のガラス転移点は約90℃であっ
た。
【0100】実施例4 合成例2で製造したC−アリル化ビスフェノール(A−
2)15.4gに白金−ビニルシロキサンのキシレン溶
液(白金原子で1.9重量%)0.6gを加えて撹拌し
た組成物と、変性ハイドロジェンポリシロキサン化合物
(B−3)10.0gとを60℃で混合し、アルミ製の
型枠に流し込み、15分間静置したところ、淡黄色の硬
質成形体が得られた。得られた成形体のガラス転移点は
約60℃であった。
【0101】実施例5 合成例2で製造したC−アリル化ビスフェノール(A−
2)15.4gに白金−ビニルシロキサンのキシレン溶
液(白金原子で1.9重量%)0.6gを加えて撹拌し
た組成物と、1,4ービス(ジメチルシリル)ベンゼン
(信越化学製ハイドロジェンポリシロキサン化合物LS
−7310)9.7gとを60℃で混合し、アルミ製の
型枠に流し込み、15分間静置したところ、淡黄色の硬
質成形体が得られた。得られた成形体のガラス転移点は
約40℃であった。
【0102】実施例6 合成例2で製造したC−アリル化ビスフェノール(A−
2)15.4gと白金−ビニルシロキサンのキシレン溶
液(白金原子で1.9重量%)0.6gを撹拌した組成
物と、合成例5で製造したポリアルキレンオキシド変性
メチルハイドロジェンポリシロキサン(B−1)11.
0gとを室温で混合した後、内部をきれいに磨いた冷熱
鋼板製型枠に流し込んだ。温度35℃相対湿度60%の
雰囲気中に2週間放置した後、型枠をこわして、内部を
観察したが、サビの発生は見られなかった。
【0103】比較例1 市販のレゾール型フェノール樹脂10.0gにパラトル
エンスルホン酸70%水溶液0.7gを添加し撹拌した
後、実施例6と同様に冷熱鋼板製型枠に流し込んだ。温
度35℃相対湿度60%の雰囲気中に2週間放置した
後、型枠をこわして、内部を観察したところ、サビが全
面に発生していた。
【0104】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、炭素−炭素二
重結合を有するフェノール系化合物((A)成分)、S
iH基を有する化合物((B)成分)を含有しているの
で、常温又は比較的低温の加熱下において硬化成形する
ことができ、かつ、低腐食性、低毒性であり、この硬化
性組成物を用いた成形体は極めて有用な成形材として家
電製品、自動車部品、建築部材等の分野に適用すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素−炭素二重結合を有するフェノール
    系化合物(A)、及び、SiH基を有する化合物(B)
    を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 更に、ヒドロシリル化反応触媒(C)を
    含有する請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール系化合物(A)の分子骨格
    が、下記一般式(1)、下記一般式(2)、又は、下記
    一般式(3)で表されるものである請求項1又は2記載
    の硬化性組成物。 【化1】 式中、R1 は、H又はCH3 を表す。R2 ,R3 は、独
    立して、炭素数1〜6の2価の有機基を表す。R4 ,R
    5 は、独立して、水酸基又は炭素数0〜6の1価の置換
    基を表す。R6 ,R7 ,R8 は、独立して、炭素数1〜
    6の2価の有機基を表す。R9 ,R10,R11は、独立し
    て、水酸基又は炭素数0〜6の1価の置換基を表す。
    X,Yは、独立して、炭素数0〜10の2価の置換基を
    表す。n,m,l,sは、独立して、1〜300の整数
    を表す。p,q,rは、独立して、0〜3の整数を表
    す。R12は、炭素数0〜6の2価の置換基を表す。
    13,R14は、独立して、水酸基又は炭素数0〜10の
    1価の置換基を表す。
  4. 【請求項4】 SiH基を有する化合物(B)が、下記
    一般式(4)で表される化合物である請求項1、2又は
    3記載の硬化性組成物。 【化2】 式中、mは2以上の整数を表し、n,l,pは、0以上
    の整数を表し、10≦(m+n+l)×p≦80の関係
    を満たす。R15は、実質的にポリオキシアルキレン基又
    はヒドロシリル基とアルケニル芳香族化合物との反応に
    より生じる有機基を表す。R16,R17,R18,R19は、
    独立して、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基を表
    し、1個以上のフェニル基を含有していてもよい。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の硬化性組成物を構成する
    炭素−炭素二重結合を有するフェノール系化合物
    (A)、及び、SiH基を有する化合物(B)、のそれ
    ぞれを実質的な成分とする2種以上の組成物を製造した
    後、それらを混合し、押出又は注入して硬化させ、成形
    することを特徴とする成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 実質的に請求項5記載の成形体の製造方
    法によって製造されることを特徴とする成形体。
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