JPH09301983A - 環状エステル化合物及びその製造方法 - Google Patents
環状エステル化合物及びその製造方法Info
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- JPH09301983A JPH09301983A JP12349496A JP12349496A JPH09301983A JP H09301983 A JPH09301983 A JP H09301983A JP 12349496 A JP12349496 A JP 12349496A JP 12349496 A JP12349496 A JP 12349496A JP H09301983 A JPH09301983 A JP H09301983A
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Abstract
β−不飽和エステル化合物からの新規なシリルエチルス
ルホキシ基を有する環状エステル化合物の製造方法、並
びに該化合物からのシリルビニル基を有する環状エステ
ル化合物及びビニル環状エステル化合物の製造方法。 【解決手段】 式(1) 【化1】 〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基を意味
し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基又はフェニル基を意味し、W1、W2、W3、Z1及び
Z2はそれぞれ独立に置換されていてもよいC1〜C6ア
ルキル基又は置換されていてもよいアリール基を意味
し、nは1〜6の整数を意味する。〕で表わされるシリ
ルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物。
Description
性物質の中間体として有用な新規なシリルエチルスルホ
キシ基を有する環状エステル化合物及びその製造方法、
該環状エステル化合物からのシリルビニル基を有する環
状エステル化合物及びビニル環状エステル化合物の製造
方法に関する。
は生理活性物質の骨格化合物として重要である。3員環
化合物である光学活性シクロプロパン化合物は、ピレス
ロイド系殺虫剤やβ−ラクタム系抗生物質の合成中間体
としてよく知られている。
えば3員環化合物はオレフィンのシクロプロパン化反応
による製造法、6員環化合物はディールスアルダー反応
による製造法が知られている。中でも、光学活性な環状
化合物の製造法として、Synlett 638 (1993)、J. Am.Ch
em. Soc., 113, 1423 (1991)及び J. Am.Chem. Soc., 1
16, 2223 (1994)には、金属錯体触媒を用いた不斉シク
ロプロパン化反応による3員環形成反応が記載されてい
る。
92)、J. Am. Chem. Soc., 111,5340 (1989)及び J. Am.
Chem. Soc., 110, 6254 (1989)には、光学活性なルイ
ス酸触媒を用いた不斉ディールスアルダー反応による6
員環形成反応が記載されている。
も優れた方法ではあるが、高価な不斉源を使用する必要
があったり、得られる光学活性体の光学純度が満足のい
くものではなかったりと現在も更に精力的に開発研究が
行なわれているのが現状である。
の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、新規なシリ
ルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物及び
その製造方法、該環状エステル化合物からのシリルビニ
ル基を有する環状エステル化合物及びビニル環状エステ
ル化合物の製造方法を開発し、これらの化合物が生理活
性物質の中間体として有用な環状化合物の前駆物質とな
ることを見出し本発明を完成するに至った。
ール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1
〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味
する。) を意味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立
にC1〜C4アルキル基又はフェニ ル基を意味し、
W1、W2、W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換され
ていて もよいC1〜C6アルキル基(該置換基として
は、C1〜C6アルキル基、C1〜 C6アルコキシ基、フ
ェニル基、ハロゲン原子を意味する。)又は置換されて
いてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6
アルキル基、C1〜C6ア ルコキシ基、フェニル基、ハ
ロゲン原子を意味する。)を意味し、nは1〜6 の整
数を意味する。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ
基を有する環状エステル化合物、式(2)
同じ。〕で表わされるβ−シリルエチルスルホキシド化
合物を、式(3)
W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表
わされるα,β−不飽和エステル化合物と、塩基の存在
下反応させることを特徴とする、式(1)
W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされ
るシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物の製造方法、式(1)
W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされ
るシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物を加熱することを特徴とする 式(4)
Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされるシリルビ
ニル基を有する環状エステル化合物の製造方法及び式
(1)
W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされ
るシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物を、フッ素イオン及び/又は塩基と反応させることを
特徴とする 式(5)
は前記に同じ。〕で表わされるビニル環状エステル化合
物の製造方法に関するものである。
先ず、置換基Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z
1及びZ2について説明する。アリール基としては、フェ
ニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、
3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチル
フェニル基、2,4,6−トリ−i−プロピルフェニル
基、4−iプロピルフェニル基、4−tert−ブチル
フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメト
キシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオ
ロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロルフ
ェニル基、3−クロルフェニル基、4−クロルフェニル
基、2−ブロムフェニル基、3−ブロムフェニル基、4
−ブロムフェニル基、2,4−ジクロルフェニル基、4
−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
ル基、1−アントラセルニル基、2−アントラセニル
基、5−アントラセルニル基、2−ピリジル基、3−ピ
リジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
エチル基、n−プロピル基,i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基等が挙げられる。C1〜C6アルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基,i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、ネ
オペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が
挙げられる。
基、エトキシ基、n−プロポキシ基,i−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、n−アミロキシ基、i−
アミロキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。ハロ
ゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃
素原子が挙げられる。
基を有する環状エステル化合物の製造方法について説明
する。式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物
と、式(3)のα,β−不飽和エステル化合物の当量比
は、0.1〜10の範囲、望ましくは、0.5〜2.0
の範囲である。
の代表例としては、4−ハロゲノクロトン酸エステル、
4−ハロゲノ−4−メチル−2−ペンテン酸エステル、
6−ハロゲノ−2−ヘキセン酸エステル、7−ハロゲノ
−2−ヘプテン酸エステル等が挙げられる。具体的に
は、4−クロロクロトン酸メチル、4−クロロクロトン
酸エチル、4−ブロモクロトン酸メチル、4−ブロモク
ロトン酸エチル、4−ヨードクロトン酸メチル、4−ヨ
ードクロトン酸エチル、4−クロロ−4−メチル−2−
ペンテン酸メチル、4−クロロ−4−メチル−2−ペン
テン酸エチル、4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン
酸メチル、4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン酸エ
チル、4−ヨード−4−メチル−2−ペンテン酸メチ
ル、4−ヨード−4−メチル−2−ペンテン酸エチル、
6−クロロ−2−ヘキセン酸メチル、6−クロロ−2−
ヘキセン酸エチル、6−ブロモ−2−ヘキセン酸メチ
ル、6−ブロモ−2−ヘキセン酸エチル、6−ヨード−
2−ヘキセン酸メチル、6−ヨード−2−ヘキセン酸エ
チル、7−クロロ−2−ヘプテン酸メチル、7−クロロ
−2−ヘプテン酸エチル、7−ブロモ−2−ヘプテン酸
メチル、7−ブロモ−2−ヘプテン酸エチル、7−ヨー
ド−2−ヘプテン酸メチル、7−ヨード−2−ヘプテン
酸エチル等が挙げられる。
ミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウム−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムヘ
キサメチルジシラシド等が挙げられる。塩基の使用量
は、式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物に
対して、当量から10当量の範囲、好ましくは、当量か
ら3当量の範囲が望ましい。
溶媒の沸点までの範囲で可能であるが、好ましくは−8
0℃から50℃の範囲で行うのがよい。反応時間は、通
常0.1〜1000時間である。反応溶媒としては、反
応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベ
ンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デ
カン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジ
エチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキ
シエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、テ
トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエー
テルが挙げられる。
せて使用することも出来る。溶媒の使用量は、式(2)
のβ−シリルエチルスルホキシド化合物に対して0.1
〜200重量倍が望ましい。反応終了後は、水を加えて
クエンチして適当な溶媒により目的物の抽出を行い、溶
媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができる。
ー等の常法による精製を行なうことで、純粋な式(1)
のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物を得ることができる。式(4)のシリルビニル基を有
する環状エステル化合物の製造方法について説明する。
キシ基を有する環状エステル化合物を加熱することによ
り容易に進行する。反応温度は、通常0℃から使用する
溶媒の沸点までの範囲で可能であるが、好ましくは40
℃から使用する溶媒の還流温度が望ましい。反応溶媒と
しては、反応に関与しないものであれば特に制限はな
く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族
炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オク
タン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒド
ロピラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテ
ル、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好
ましくは、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタンが挙げ
られる。
せて使用することも出来る。溶媒の使用量は、式(1)
のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物に対して0.1〜200重量倍が望ましい。反応終了
後は、溶媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことで、純粋な式(4)のシリルビニ
ル基を有する環状エステル化合物を得ることができる。
造方法について説明する。本反応は、式(1)のシリル
エチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を、フ
ッ素イオン及び/又は塩基と反応させることにより容易
に進行する。フッ素イオン源としては、テトラn−ブチ
ルアンモニウムフルオライド等の第4級アンモニウム
塩、フッ化カリウム、フッ化水素等が挙げられる。
リルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物に
対して0.1〜20当量の範囲、好ましくは、1.0〜
5.0当量の範囲である。塩基としては、金属水素化物
が望ましく、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
スルホキシ基を有する環状エステル化合物に対して0.
1〜20モル倍の範囲、好ましくは、2.0〜5.0モ
ル倍の範囲である。反応温度は、通常−100℃から使
用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80
℃から50℃の範囲で行うのがよい。
ある。本反応は、通常溶媒が使用されるが、溶媒として
は反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロ
ルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n
−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化
炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジ
メトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましく
は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチ
ルエーテルが挙げられる。
せて使用することも出来る。溶媒の使用量は、式(1)
のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合
物に対して0.1〜200重量倍が望ましい。反応終了
後は、水を加えてクエンチして適当な溶媒により目的物
を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができ
る。
ー等の常法による精製を行なうことで、式(5)の純粋
なビニル環状エステル化合物を得ることができる。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−
(トリメチルシリル)エチル]シクロヘキサンカルボン
酸エチル(3)の合成
0.3ml中に、ジイソプロピルアミン0.04ml
(0.285ミリモル)を加え、0℃に冷却し、n−ブ
チルリチウムのn−ヘキサン溶液0.17ml(1.6
3M/n−ヘキサン、0.277ミリモル)を3分間か
けて滴下した。10分間攪拌した後、−78℃に冷却
し、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エ
チルスルホキシド(1)53.1mg(0.220ミリ
モル)のテトラヒドロフラン溶液0.25mlを10分
間かけて滴下した後、5分間攪拌した。
ン酸エチル(2)70.0mg(0.298ミリモル)
を一気に加え、10分間−78℃で攪拌した後、0℃に
昇温し、15分間攪拌した。反応終了後、反応溶液に飽
和塩化アンモニウム水溶液を加えクエンチした後、塩化
メチレンで水層を抽出した。
酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した後、カ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル:15g、n−ヘ
キサン/酢酸エチル=4/1)で精製を行ったところ、
目的物(3)の収率は93%であった。以下に分析値を
示す。
1.9,15.0Hz),1.32(t,3H,J=7.1Hz),1.15-2.10(m,9H),2.4
0(s,3H),2.51(ddd,1H,J=2.4,2.4,11.9Hz),2.99(ddd,1H,
J=3.8,11.3,11.3Hz),4.19(dq,2H,J=7.1,3.2Hz),7.29(d,
2H,J=8.3Hz),7.37(d,2H,J=8.3Hz) IR(NaCl) 2950,2850,2740,1720,1500,1450,1250,1180,1100,1050,
850,820,730cm-1 実施例2 2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−
(トリメチルシリル)エチル]シクロヘキサンカルボン
酸エチル(3)の合成
2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)5
2.1mg(0.217ミリモル)と7−ヨード−2−
ヘプテン酸エチル(4)87.0mg(0.308ミリ
モル)から合成した。反応は−78℃で45分間攪拌す
ることによって行ない、実施例1と同様の後処理を行な
ったところ、目的物(3)の収率は77%で、原料
(4)を22%回収した。 実施例3 2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−
(トリメチルシリル)エチル]シクロペンタンカルボン
酸エチル(6)の合成
2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)5
2.4mg(0.218ミリモル)と6−ブロモ−2−
ヘキセン酸エチル(5)63.6mg(0.288ミリ
モル)から合成した。反応は−78℃で40分間攪拌す
ることによって行ない、実施例1と同様の後処理を行な
った。
(シリカゲル:20g、n−ヘキサン/酢酸エチル=8
5/15)で行ったところ、目的物(6)の収率は72
%であった。以下に分析値を示す。1 H-NMR(200 MHz,CDCl3) 0.17(s,9H),0.73(dd,1H,J=3.1,15.1Hz),0.87(dd,1H,J=1
1.0,15.6Hz),1.31(t,3H,J=7.1Hz),1.62-2.18(m,6H),2.4
1(s,3H),2.40-2.55(m,1H),2.82(ddd,1H,J=3.1,3.1,11.0
Hz),3.19(ddd,1H,J=8.3,8.3,10.1Hz),4.19(q,2H,J=7.1H
z),7.28(d,2H,J=8.3Hz),7.35(d,2H,J=8.3Hz) IR(KBr) 2940,2880,1730,1480,1420,1400,1380,1250,1190,1090,
1030,1010,870,860,800,700cm-1 実施例4 2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−
(トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン
酸エチル(8)の合成
2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)1
02.7mg(0.427ミリモル)と4−ブロモクロ
トン酸エチル(7)0.070ml(0.508ミリモ
ル)から合成した。反応は−78℃で40分間攪拌する
ことによって行ない、実施例1と同様の後処理を行なっ
た。
(シリカゲル:20g、塩化メチレン/n−ヘキサン/
エーテル=4/5/1)で行なったところ、目的物
(8)の収率は54%(収量81.2mg)であった。
以下に分析値を示す。1 H-NMR(200 MHz,CDCl3) 0.00(s,9H),0.8-0.9(m,2H),1.1-1.45(m,3H),1.24(t,3H,
J=7.1Hz),1.5-1.65(m, 1H),2.19(ddd,1H,J=7.4,7.4,
9.1Hz),2.43(s,3H),4.11(q,2H,J=7.1Hz),7.32(d, 2H,
J=8.1Hz),7.48(d,2H,J=8.1Hz) IR(KBr) 2980,2960,2930,1730,1500,1450,1410,1370,1340,1290,
1260,1230,1180,1090, 1040,860,840,810cm-1 元素分析:C18H28O3SSi 計算値 C 61.32%,H 8.00% 実測値 C 61.49%,H 8.17% 実施例5 2,2−ジメチル−3−[1−{(R)−p−トリルス
ルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シク
ロプロパンカルボン酸エチル(10)の合成
2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)5
2.8mg(0.220ミリモル)と4−ブロモ−4−
メチル−2−ペンテン酸エチル(9)64.0mg
(0.290ミリモル)から合成した。反応は−78℃
で15分間攪拌することによって行ない、実施例1と同
様の後処理を行なったところ、目的物(10)の収率は
57%であった。
9.4,14.9Hz),1.21(s,3H),1.25(t,2H,J=7.2Hz),1.26(s,3
H),1.40(d,1H,J=5.4Hz),1.55(dd,1H,J=5.4, 11.0Hz),
2.42(s,3H),2.42(m,1H),4.12(dq,2H,J=5.9,7.2Hz),7.30
(d,2H,J=7.2 Hz),7.43(d,2H,J=7.2Hz) IR(KBr) 2950,1730,1460,1430,1380,1270,1200,1170,1120,1040,
1020,870,850,810cm-1 実施例6 (E)−2−(2−トリメチルシリルエテニル)シクロ
プロパン−1−カルボン酸エチル(11)の合成
ニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロ
パンカルボン酸エチル(8)27.1mg(0.083
ミリモル)のベンゼン溶液0.8mlを30分間加熱還
流した後、減圧下で溶媒を留去し、カラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル:3g、n−ヘキサン/塩化メチレ
ン=7/3)で精製し、目的物(11)を収率78%
(収量13.7mg)で得た。
J=7.1Hz),1.39(ddd,1H,J=4.3,5.1,8.8Hz),1.68(ddd,1H,
J=3.7,5.1,8.5Hz),1.95-2.15(m,1H),4.14(q,2H,J=7.1H
z),5.51(dd,1H,J=8.1,18.5Hz),5.82(d,1H,J=18.5Hz) IR(neat) 2990,2960,2900,1730,1610,1450,1410,1390,1320,1300,
1260,1200,1190,1090, 1040,990,840cm-1 実施例7 (E)−1,2−トランス−2−ビニルシクロプロパン
−1−カルボン酸エチル(12)の合成
ニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロ
パンカルボン酸エチル(8)32.2mg(0.091
ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液0.46mlに、
テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドのテトラ
ヒドロフラン溶液0.11ml(1.0M/テトラヒド
ロフラン、0.109ミリモル)を加え30分攪拌後、
減圧下で溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル:3g、n−ヘキサン/塩化メチレン=4/
1)で精製して、目的物(12)を収率56%(収量
7.2mg)で得た。
38(ddd,1H,J=4.3,5.0, 8.8Hz),1.65(ddd,1H,J=4.0,5.
0,8.5Hz),2.03(ddd,1H,J=4.0,6.2,8.3,8.7Hz), 4.14
(q,2H,J=7.1 Hz),5.00(dd,1H,J=1.7,9.9Hz),5.00(dd,1
H,J=1.7,17.1Hz), 5.41(ddd,1H,J=8.3,9.9,17.1Hz) IR(neat) 3090,2990,2940,1740,1650,1460,1400,1390,1320,1300,
1290,1270,1200,1180, 1100,1040,990,910,850cm-1 実施例8 2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボン
酸エチル(13)の合成
p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)
エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(10)9
3.8mg(0.246ミリモル)のテトラヒドロフラ
ン溶液1.0mlに、テトラ−n−ブチルアンモニウム
フルオライドのテトラヒドロフラン溶液0.30ml
(1.0M/テトラヒドロフラン、0.30ミリモル)
を加え30分攪拌後、減圧下で溶媒を留去し、塩化メチ
レンを加えた後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。
後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:15g、
n−ヘキサン/塩化メチレン=4/1)で精製し、目的
物(13)を収率78%(収量32.4mg)で得た。
以下に分析値を示す。1 H-NMR(200 MHz,CDCl3) 1.26(s,3H),1.27(t,2H,J=7.1Hz),1.56(d,1H,J=5.4Hz),
2.05(dd,1H,J=5.4,8.0Hz),4.13(dq,2H,J=1.2,7.1Hz),5.
06(ddd,1H,J=1.2,1.9,10.1Hz),5.18(dd,1H,J=1.9,17.1H
z),5.58(ddd,1H,J=8.0,10.1,17.3Hz) IR(NaCl) 3090,2980,2960,2940,2870,1730,1640,1470,1450,1410,
1380,1330,1280,1230, 1180,1150,1070,1040,990,91
0,840,730cm-1
エチルスルホキシド化合物と式(3)のα,β−不飽和
エステル化合物から式(1)のシリルエチルスルホキシ
基を有する環状エステル化合物、更に式(1)シリルエ
チルスルホキシ基を有する環状エステル化合物から式
(4)のシリルビニル基を有する環状エステル化合物及
び式(5)のビニル環状エステル化合物を容易に製造す
ることができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置
換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキ
シ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意
味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にC1〜C4アル
キル基又はフェニ ル基を意味し、W1、W2、W3、Z1
及びZ2はそれぞれ独立に置換されていて もよいC1〜
C6アルキル基(該置換基としては、C1〜C6アルキル
基、C1〜 C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原
子を意味する。)又は 置換され ていてもよいアリー
ル基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜
C6 アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味
する。)を意味し、nは1〜 6の整数を意味する。〕
で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エ
ステル化合物。 - 【請求項2】 nが1である請求項1記載の環状エステ
ル化合物。 - 【請求項3】 nが1、Z1及びZ2がメチル基である請
求項1記載の環状エステル化合物。 - 【請求項4】 環状エステル化合物が光学活性体である
請求項1記載の環状エステル化合物。 - 【請求項5】 式(2) 【化2】 〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置
換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキ
シ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意
味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にC1〜C4アル
キル基又はフェニ ル基を意味する。〕で表わされる
β−シリルエチルスルホキシド化合物を、 式(3) 【化3】 〔式中、W1、W2、W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に
置換されていてもよいC1〜C6アルキル基(該置換基と
しては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、
フェニル基、ハロゲン原子を意味する。)又は置換され
ていてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6
アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、 フェニル基、ハ
ロゲン原子を意味する。)を意味し、Xはハロゲン原子
を意味 し、nは1〜6の整数を意味する。〕で表わさ
れるα,β−不飽和エステル化合物と、塩基の存在下反
応させることを特徴とする、 式(1) 【化4】 〔式中、Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、
Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされるシリルエチル
スルホキシ基を有する環状エステル化合物の製造方法。 - 【請求項6】 β−シリルエチルスルホキシド化合物が
光学活性体である請求項5記載の製造方法。 - 【請求項7】 α,β−不飽和エステル化合物が4−ブ
ロモクロトン酸エチルである請求項5記載の製造方法。 - 【請求項8】 α,β−不飽和エステル化合物が4−ブ
ロモ−4−メチル−2−ペンテン酸エチルである請求項
5記載の製造方法。 - 【請求項9】 式(1) 【化5】 〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置
換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキ
シ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意
味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1〜C4
アルキル基又はフ ェニル基を意味し、W1、W2、
W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換されて いても
よいC1〜C6アルキル基(該置換基としては、C1〜C6
アルキル基、C 1〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハ
ロゲン原子を意味する。)又は置換され ていてもよい
アリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、
C1〜C6 アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を
意味する。)を意味し、nは1〜 6の整数を意味す
る。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する
環状エステル化合物を加熱することを特徴とする 式(4) 【化6】 〔式中、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及び
nは前記に同じ。〕で表わされるシリルビニル基を有す
る環状エステル化合物の製造方法。 - 【請求項10】 式(1) 【化7】 〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置
換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキ
シ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意
味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、C1〜C4
アルキル基又はフ ェニル基を意味し、W1、W2、
W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換されて いても
よいC1〜C6アルキル基(該置換基としては、C1〜C6
アルキル基、C 1〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハ
ロゲン原子を意味する。)又は置換され ていてもよい
アリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、
C1〜C6 アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を
意味する。)を意味し、nは1〜 6の整数を意味す
る。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する
環状エステル化合物を、フッ素イオン及び/又は塩基と
反応させることを特徴とする 式(5) 【化8】 〔式中、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同
じ。〕で表わされるビニル環状エステル化合物の製造方
法。
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JP12349496A JP3879141B2 (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 環状エステル化合物及びその製造方法 |
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JPH09301983A true JPH09301983A (ja) | 1997-11-25 |
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-
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