JPH09301716A - Bi層状構造強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents
Bi層状構造強誘電体薄膜の製造方法Info
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Abstract
現性良く形成することができるBi層状構造強誘電体薄
膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 成長室5内が減圧状態のCVD装置の収
容槽1aにSr[Ta(OC2H 5)6]2を、収容槽1bにBi(OC(C
H3)2C2H5)3を封入し、Sr[Ta(OC2H5)6]2 用の第1の供給
系(収容槽1a、配管16a)を150℃に保持し、Bi
(OC(CH3)2C2H5)3用の第2の供給系(収容槽1b、配管
16b)を80℃に保持し、キャリアガスであるN2 を
第1の供給系及び第2の供給系に流すことにより、Sr[T
a(OC2H5)6] 2 およびBi(OC(CH3)2C2H5)3 の蒸気を成膜室
5内に導入する。これと同時に成膜室5内に酸素(ガ
ス)を導入して、成膜室5内のその表面にPtが成膜さ
れ、加熱されたSiウエハ8上にて前記二種の蒸気ガス
を熱分解させる。
Description
状構造強誘電体薄膜の製造方法に関し、特に所望の組成
のBi層状構造強誘電体薄膜を再現性よく製造できるB
i層状構造強誘電体膜の製造方法に関する。
込みおよび高速読み出し可能な不揮発性RAM(Random
Access Memory)の実用化を目指し、自発分極特性を有
する強誘電体膜を容量絶縁膜とする容量素子を半導体集
積回路上に形成するための技術開発が盛んに行われてい
る。この研究開発の流れの中で、最近、Bi層状構造強
誘電体と呼ばれる一群の物質を、容量絶縁膜に使用する
ことが検討されている。特に、Bi層状構造強誘電体の
一種であるSrBi2Ta2O9 を用いた場合、従来の強
誘電体不揮発性メモリで問題になっていた、分極反転を
繰り返すことによる強誘電体膜の特性劣化が生じないこ
とが判明している。ここで、Bi層状構造強誘電体と
は、比較的粗な充填をした(Bi2O2)2+層と、Bi以
外の1種または2種以上の金属元素と酸素とからなり、
比較的密な充填をした仮想ペロブスカイト格子を単数ま
たは複数含んで構成された擬ペロブスカイト層とが交互
に積み重なった結晶構造を有する物質である。
としては、一般にMOD(Metal Organic Deposition)
法、CVD(Chemical Vapor Deposition) 法(化学気相
成長法)、スパッタ法等が知られている。また、スピン
コート等により基板上に有機金属化合物を有機溶媒に溶
解して得られた溶液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥
し、更に酸素雰囲気下で焼結して強誘電体膜を形成する
方法も一般的である。
成膜する際の原料としては通常有機金属化合物が用いら
れるが、従来は成膜すべきBi層状構造強誘電体の構成
金属元素毎にその金属元素を含む有機金属化合物が用い
られるため、成膜すべきBi層状構造強誘電体の構成金
属元素の数が多くなると、原料として用いる有機金属化
合物の数も多くなり、成膜時に膜中に含有させるべき各
金属元素の含有量を精度よく制御することが困難にな
り、所望の元素組成からなるBi層状構造強誘電体の薄
膜を再現性よく製造することが困難になるという課題が
あった。
膜する場合は段差被覆性に優れ、しかも、低温プロセス
にて成膜がなされる必要があり、この点においてCVD
法は有効な方法と考えられている。そして、通常、CV
D法により強誘電体薄膜を形成する場合、原料である有
機金属化合物を気化して(ガス化して)基板上に供給し
なければならず、所望の組成の薄膜を安定に形成するた
めには、有機金属化合物に、これをガス化して成膜室に
供給する時、すなわち、これの蒸気圧を成膜に必要な蒸
気圧となるまで加熱した時に、その温度領域で熱分解し
たり、他の物質と反応して変成することがなく、しか
も、基板上に到達した時は速やかにかつ一様に熱分解す
ることが要求される。しかしながら、従来から前記した
Bi層状構造強誘電体のBi以外の金属元素の原料とし
て用いられている有機金属化合物には、前記要求を充分
に満足できるものがなく、CVD法により所望の組成の
薄膜を再現性よく形成することが困難であった。
たもので、所望の組成のBi層状構造強誘電体薄膜を再
現性よく形成することができるBi層状構造強誘電体薄
膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
に、本発明のBi層状構造強誘電体薄膜の製造方法は、
下記一般式(化3)で表されるBi(ビスマス)層状構
造強誘電体の薄膜を製造する方法であって、Biを含む
有機化合物と、下記一般式(化4)で表される金属アル
コキシド化合物の1種以上であって、下記一般式(化
3)中のA1〜An及びB1〜Btに相当する種類の金属元素を
含む金属アルコキシド化合物を原料として用いることを
特徴とする。
般式(化4)で表される金属アルコキシド化合物は2種
または3種の金属元素を含むことから、これとBiを含
む有機化合物を原料にしてBi層状構造強誘電体を形成
することができ、従来に比べて原料として用いる有機金
属化合物の数を減らすことができる。従って、従来に比
べて原料の供給量(使用量)の制御が容易になり、所望
の組成のBi層状構造強誘電体の薄膜を再現性よく製造
することができる。
製造方法においては、Biを含む有機化合物と一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物を原料にし
て、化学気相成長法(CVD法)により基板上に一般式
(化3)で表されるBi層状構造強誘電体の薄膜を成長
させるのが好ましい。
構造強誘電体薄膜を製造する方法においては、一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物のRj1、
Rj2、…Rj 6、Rk1、Rk2、…Rk6のそれぞれがエチル基ま
たはイソプロピル基であるのが好ましい。このような構
成にしたことにより、一般式(化4)で表される金属ア
ルコキシド化合物のうちのその12個のアルコキシ基の
それぞれがエトキシ基またはプロポキシ基からなるもの
は、他のものに比べて前記した比較的低温の温度領域
(250℃以下)でCVD法による成膜に十分な蒸気圧
が得られ、基板上への供給量の制御が一層容易になり、
その結果、強誘電体薄膜中のBi以外の金属元素の含有
量をより精度良く制御できることとなる。
構造強誘電体薄膜を製造する方法においては、一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物のAiがSr
またはBaであり、BjがNbまたはTaであり、BkがN
bまたはTaであるのが好ましい。このような構成にし
たことにより、得られるBi層状構造強誘電体薄膜が不
揮発性メモリ用容量絶縁膜として優れた特性を有するも
のとなる。
構造強誘電体薄膜を製造する方法においては、Biを含
む有機化合物としてBiターシャリブトキシドあるいは
Biターシャリペントキシドを用いるのが好ましい。こ
のような構成にしたことにより、Biターシャリブトキ
シド及びBiターシャリペントキシドが昇華性を有し、
低温度領域での蒸気圧が高い(100℃で0.3Tor
r以上)ので、基板上への供給量の制御をより精度よく
行うことができ、強誘電体薄膜中のBiの含有量をより
精度良く制御することがきる。
構造強誘電体薄膜を製造する方法においては、Biを含
む有機化合物と一般式(化4)で表される金属アルコキ
シド化合物とを有機溶媒に溶解して得られた溶液を気化
させ、この気化により得られたガスを基板上に供給し
て、一般式(化3)で表されるBi層状構造強誘電体の
薄膜の成長を行うのが好ましい。このような構成にした
ことにより、溶液中のBiを含む有機化合物と一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物のそれぞれ
の濃度を所望の濃度に調整すると、これがBi層状構造
強誘電体の組成にそのままを反映することとなり、より
容易に所望の組成のBi層状構造強誘電体薄膜を製造す
ることができる。
構造強誘電体薄膜を製造する方法においては、原料ガス
の熱分解雰囲気に紫外線を照射するのが好ましい。この
ような構成にしたことにより、原料ガスの分解が促進さ
れ、膜の成長温度をより低温度化させることができる。
また、原料ガスの励起状態を変化させることができ、誘
電体膜の配向性及び膜質等を制御することができる。
構造強誘電体膜を製造する方法においては、基板上での
原料ガスの熱分解時に原料ガスをプラズマ励起させるの
が好ましい。このような構成にしたことにより、原料ガ
スの分解が促進され、膜の成長温度をより低温度化させ
ることができる。また、原料ガスの励起状態を変化させ
ることができ、誘電体膜の配向性及び膜質等を制御する
ことができる。
造方法においては、Biを含む有機化合物と一般式(化
4)で表される金属アルコキシド化合物とを有機溶媒に
溶解して得られた溶液の塗膜を基板上に形成した後、前
記塗膜の乾燥及び酸素雰囲気下での焼結を行うことによ
り一般式(化3)で表されるBi層状構造強誘電体の薄
膜を形成するのが好ましい。このような構成にしたこと
により、前記溶液中のBiを含む有機化合物と一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物のそれぞれ
の濃度を所望の濃度に調整すると、これがBi層状構造
強誘電体の組成にそのままを反映することとなり、所望
の組成のBi層状構造強誘電体薄膜を極めて再現性良く
形成することができる。
ランを含んでいるのが好ましい。これは、テトラヒドロ
フランへのBiを含む有機化合物及び一般式(化4)で
表される金属アルコキシド化合物の溶解度が大きく、前
記溶液中にBiを含む化合物及び一般式(化4)で表さ
れる金属アルコキシド化合物を均一に溶解させることが
でき、Bi層状構造強誘電体の組成の均一性が向上する
ためである。
表される金属アルコキシド化合物を用いるが、かかる金
属アルコキシド化合物はその製造時には合成・分離・精
製が容易であり、かつ、前記したように比較的低温(2
50℃以下)で高い蒸気圧が得られ、しかも、熱分解し
たり、他の物質と反応することがないという優れた特徴
を有している。また、その分子構造からBi以外の金属
元素の組成比が決まっており、形成すべき誘電体膜にお
ける金属元素の存在比率を厳密に制御できるという利点
も有している。かかる金属アルコキシド化合物中の金属
元素(Ai)の具体例としてはSr,Ba等のIIa 族元素
や、Na,K等のIa族元素や、Pbなどが挙げられる。
また、金属元素(Bj,Bk)の具体例としてはNb,Ta
等のVa族元素や、Fe,Ti,Wなどが挙げられる。特
に金属元素(Ai)がSr,Ba等のIIa 族元素、金属元
素(Bj,Bk)がNb,Ta等のVa族元素である場合、得
られるBi層状構造強誘電体薄膜が不揮発性メモリ用容
量絶縁膜として優れた特性(自発分極特性)を有するも
のとなる。また、金属アルコキシド化合物中のアルコキ
シ基(式(化4)中のORj1、ORj2、…ORj6、ORk1、O
Rk2、…ORk6)のアルキル基は一般に炭素数が1〜5の
アルキル基であり、具体例としてはメチル基、エチル
基、イソプロピル基、ターシャリブチル基、イソペンチ
ル基等である。ここで金属元素(Bj,Bk)に配位する6
つのアルキル基は、全てが同じ基であっても、全てが異
なる基であっても、2〜5種類の基であってもよい。特
に、化合物中のアルキル基(金属元素(Bj)に配位する
アルキル基及び金属元素(Bk)に配位するアルキル基)
がエチル基またはイソプロピル基である場合、これらが
他のアルキル基である場合に比べて金属アルコキシド化
合物が比較的低温の温度領域(250℃以下)でCVD
法による成膜に十分な蒸気圧が得られることとなり、C
VD法によりBi層状構造強誘電体薄膜を成長させる際
にBi以外の金属元素の含有量をより精度良く制御でき
るので、好ましい。このようなCVD法に適した金属ア
ルコキシド化合物の好適な具体例としては、Sr[Ta
(OiPr)6]2、Sr[Nb(OiPr)6]2、Ba
[Ta(OiPr)6]2、Ba[Nb(OiP
r) 6]2、Sr[Ta(OiPr)6 ][Nb(OiP
r)6]、 Ba[Ta(OiPr)6][Nb(OiP
r)6]、Sr[Ta(OiPr)3 (OEt)3]2、
Sr[Ta(OiPr)3 (OEt)3][Ta(Oi
Pr)2 (OEt)4]等(Etはエチル基、iPrは
イソプロピル基である。)を挙げることができる。本発
明において以上の金属アルコキシド化合物は1種または
2種以上が使用される。
例としては、トリフェニルビスマス、Biターシャリブ
トキシド、Biターシャリペントキシド等であり、これ
らのうちの1種または2種以上が使用される。このう
ち、Biターシャリブトキシド及びBiターシャリペン
トキシドは昇華性を有し、低温度領域での蒸気圧が高い
(100℃で0.3Torr以上)ので、CVD法によ
りBi層状構造強誘電体薄膜を成長させる際に、基板上
への供給量の制御を精度よく行うことができる。
化合物及びBiを含む有機化合物のとともに、Bi以外
でかつ前記金属アルコキシド化合物が含む金属とは異な
る金属を含む前記金属アルコキシド化合物及びBiを含
む有機化合物とは異なる他の有機化合物を原料として用
いることができる。この場合、かかる有機化合物に含ま
れる金属は前記一般式(化3)で表される本発明により
製造すべきBi層状構造強誘電体中の金属元素A1、A2、
…、An、B1、B2、…、Btのいずれか1種に相当する。例
えばPbを含む有機化合物を用いると、Bi層状構造強
誘電体薄膜の残留分極値が大きくなるという利点があ
る。このPbを含む有機化合物の具体例としてはPbM
e4 ,PbEt4 ,PbEt3 (OCH2 CMe3 ),
PbEt3(OiPr),PbEt3 (OtBu),P
b(dpm)2 ,Pb(tmhpd)2 ,Pb(OtB
u)2 ,Pb4 O(OtBu)6 等(ここで、Meはメ
チル基、Etはエチル基、iPrはイソプロピル基、t
Buはターシャリブチル基、dpmはジピバロイルメタ
ナート、tmhpdは2,2,6−トリメチルヘプタン
−3,5−ジオナートである。)である。前記例示のP
bを含む有機化合物のうちPbにアルキル基が直接結合
した前5者は毒性が強く、これらに続くβ−ジケトナー
トからなる2者はCVD法によりBi層状構造強誘電体
薄膜を成長させる際に前記金属アルコキシド化合物と反
応室内への輸送路において反応する可能性があることか
ら、CVD法によりBi層状構造強誘電体薄膜を成長さ
せる際は後2者のPbターシャリブトキシド及びPbオ
キソターシャリブトキシドから選ばれる少なくとも1つ
を使用するのが好ましい。Pbターシャリブトキシドは
Pbアルコキシドのうちで最も揮発性の高い化合物で真
空下100℃で昇華し、昇華中に一部が熱分解し、Pb
オキソターシャリブトキシド(Pb4 O(OtB
u)6 )に変化する。Pbオキソターシャリブトキシド
は熱的により安定で、真空下130℃以上で昇華するの
でCVD原料としてより好ましい。かかるPbオキソタ
ーシャリブトキシドは、例えば、R.Papiernik,L.G.Hube
rt-Pfalzgraf and M.C.Massiani, Polyhedron vol.14 1
657 (1991)に記載された方法で合成することができる。
れる金属アルコキシド化合物によって供給される所定の
金属元素(例えばSr,Ta,Nb)だけでは所望とす
る膜組成が得られない場合、すなわち、金属アルコキシ
ド化合物だけでは膜に含有させるべき所定の金属元素
(Sr,Ta,Nb)の量が足りない場合は、先の一般
式(化4)で表される金属アルコキシド化合物とは別
に、この金属アルコキシド化合物が含む金属元素のうち
の一つの金属元素を含むアルコキシド(例えばSrアル
コキシド、Taアルコキシド、Nbアルコキシド)を原
料として用いるようにする。この際、かかるアルコキシ
ドのアルコキシ基は先の一般式(化4)で表される金属
アルコキシド化合物のアルコキシ基と同じであるのが好
ましい。
くとも前記一般式(化4)で表される金属アルコキシド
化合物、Biを含む有機化合物)を原料にしてBi層状
構造強誘電体薄膜の成膜を行うが、成膜方法としては前
記従来技術で例示したMOD法、CVD法、スパッタ法
等のそれ自体公知の成膜方法を適用できる。このうち、
半導体集積回路上(半導体基板上)での成膜を考えた場
合は前記したようにCVD法を用いるのが好ましく、ま
た、成膜作業の容易さからは、原料となる有機金属化合
物を有機溶媒に溶解した単一の溶液を作製し、スピンコ
ート等の公知の塗膜形成方法により基板上に前記溶液の
塗膜を形成した後、記塗膜の乾燥および酸素雰囲気下で
の焼結を行う成膜方法が有利である。
解及び基板上への堆積(膜成長)を大気圧下で行う常圧
CVD法や減圧下で行う減圧CVD法、原料ガスの熱分
解雰囲気に紫外線を照射して成長反応を促進させる光C
VD法、及び原料ガスの熱分解時に原料ガスをプラズマ
励起させて成長反応を促進させるプラズマCVD法等の
それ自体公知の各種形態のCVD法を用いることができ
る。本発明において前記の原料化合物(一般式(化4)
で表される金属アルコキシド化合物、Biを含む有機化
合物、Pbを含む有機化合物)は常温では液体または固
体であり、CVD法によって成膜する場合、通常これら
は加熱により気体状態にされる。また、この気化(ガス
化)においては、各化合物を各化合物毎に原料溜りを形
成して、すなわち、各化合物を各化合物毎に所定の原料
収容容器に収容して、各化合物毎に気化(ガス化)する
のが一般的であるが、全ての原料化合物を単一の有機溶
媒中に溶解し、得られた単一溶液を気化(ガス化)させ
るのが好ましい。これは、溶液中の各原料化合物の濃度
比が、気化(ガス化)により得られた気体(ガス)に含
まれる各原料化合物の重量比にそのまま反映するため、
溶液を作製する際に各原料化合物を所望の濃度に調整す
ることにより、所望の組成のBi層状構造強誘電体薄膜
を成長させることができ、各化合物毎に気化(ガス化)
し、各化合物毎の気体(ガス)の反応室内への供給量を
制御してBi層状構造強誘電体薄膜を成膜する場合に比
して、膜組成の制御を容易に行えるためである。このよ
うな原料化合物の単一溶液化に使用される有機溶媒とし
ては、炭化水素類、ニトロパラフィン類、有機硫黄化合
物、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、エー
テル類、ケトン類、有機酸類、アミン類、エステル類等
のいわゆる有機溶媒が挙げられ、これらの1種または2
種以上が混合して使用される。また、有機溶媒としてテ
トラヒドロフランを単体で、またはテトラヒドロフラン
と前記例示の溶媒のうちの少なくとも1つとを混合して
用いると、テトラヒドロフランへの前記各原料化合物の
溶解度が大きいため、各原料化合物が均一に溶解した溶
液を得ることができ、Bi層状構造強誘電体薄膜の組成
の均一性が向上する。
溶液は、前記した基板上に塗膜を形成した後、この塗膜
の乾燥および焼結を行う成膜方法にそのまま適用するこ
とができる。
の製造方法に使用されるCVD装置の第1の具体例の概
略構成を模式的に示した図である。1a,1bは前記一
般式(化4)で表される金属アルコキシド化合物20と
Biを含む有機化合物30を収容する収容槽(原料溜)
で、図示しない加熱手段により所定温度に加熱されてい
る。槽には配管15a,15bにより外部から窒素や、
アルゴン等の不活性気体等からなるキャリアガスが供給
されている。ここで収容槽1a,1bが加熱されている
のは、前記一般式(化4)で表される金属アルコキシド
化合物20及びBiを含む有機化合物30は室温では液
体または固体である場合が多いので、加熱により気化
(ガス化)させるためである。収容槽1a,1b内で気
化(ガス化)した化合物20,30は流量制御計2a,
2bによってそれぞれ流量制御され、配管16,16
a,16bを通ってキャリアガスと共に混合器4へ供給
され、混合器4内で酸化剤である酸素と混合された後、
成膜室5内においてシャワーノズル6からヒーター7に
よって加熱されたウエハ(基板)8上へ均一に供給され
る。ウエハ8上に供給された化合物20,30は熱分解
堆積して、Bi層状構造強誘電体薄膜として成長する。
ここで、成膜室5内は常圧状態か減圧状態にされてい
る。なお、原料化合物の供給系は2つ(収容槽1a,1
bと配管16a,16b)であるが、前記一般式(化
4)で表される金属アルコキシド化合物及びBiを含む
有機化合物以外の他の有機金属化合物を原料として用い
る場合は、追加する原料化合物の数に応じて原料を収容
する収容槽及び配管からなる供給系が付加される。
の製造方法に使用されるCVD装置の第2の具体例の概
略構成を模式的に示した図であり、図において、図1と
同一符号は同一または相当する部分を示し、9は窓、1
0は紫外光源である。本装置は前記図1の装置に、成膜
室5内に窓9を通して紫外光源10から紫外光が照射さ
れる構成を付加したものである。かかる構成により、ウ
エハ8上へ原料化合物および酸素が供給される際、これ
らに紫外光を照射することにより、原料化合物の分解が
促進されて膜の成長温度を低温化できる。また、原料化
合物の励起状態を変化させることができ、前記した通常
の熱分解時とは異なる活性種を形成できるため、誘電体
膜の配向性及び膜質等を制御できる。なお、本装置では
励起源として紫外光を用いているが、これに限るもので
はなく、窓9および紫外光源10のかわりにプラズマ発
生手段を設けてもよく、この場合も同様の作用、効果が
得られる。
の製造方法に使用されるCVD装置の第3の具体例の概
略構成を模式的に示した図であり、図において、図1と
同一符号は同一または相当する部分を示している。11
は膜形成用の原料化合物である前記一般式(化4)で表
される金属アルコキシド化合物とBiを含む有機化合物
とを前記した有機溶媒に溶解して得られた溶液40が収
容された収容槽である。溶液40は液体流量制御計12
により流量制御され、図示しない配管により外部から供
給された窒素またはアルゴン等の不活性気体からなるキ
ャリアガスと共に配管17を通して気化器3へ供給され
る。気化器3で溶液40が気化されると、この気化によ
り得られた原料ガスは混合器4内で酸化剤である酸素と
混合され、次いでこの混合ガスが成膜室5内においてシ
ャワーノズル6からヒーター7によって加熱されたウエ
ハ8上へ均一に供給され、Bi層状構造強誘電体薄膜の
成膜が行われる。ここで、成膜室5内は常圧状態か減圧
状態にされている。
化ガスと酸素が混合器4内で混合された後ウエハ8上へ
供給されるよう構成されているが、原料化合物が溶解し
た溶液の気化ガスと酸素とが別の経路から個別にウエハ
8上に供給されるよう構成されていてもよい。また、前
記図2の装置と同様の紫外線照射手段またはプラズマ発
生手段を設けることもできる。
のための気体(ガス)として酸素を使用しているが、オ
ゾン等の他の物質を使用してもよい。
本発明はこれによって限定されるものではない。
ンタルエトキシド(Ta(OC2H5)5 )を50.4
g、エタノールを200ccを入れ、次いで金属ストロ
ンチウム5.6gを添加して約11時間加熱還流を行っ
た。還流後エタノールを留去し、生成物を真空乾燥し
た。この生成物を減圧下で加熱・蒸留したところ130
℃付近で融解し、留出温度165〜170℃の無色透明
液体を主留分として回収した。この液体は空冷により固
化し、重量は42.0gであった。元素分析および有機
基の分析の結果、この結晶はSr[Ta(OC
2H5)6]2であった。
により強誘電体薄膜の成膜を試みた。成長室5内が0.
3Torrの減圧状態にされた図1のCVD装置を用
い、収容槽1aにSr[Ta(OC2H5)6]2を封入
し、収容槽1bにBi(OC(CH3)2C2H5)3 を封
入し、Sr[Ta(OC2H5)6]2の供給系(収容槽1
a、配管16a等)を150℃に保持し、Bi(OC
(CH3)2C2H5)3 の供給系(収容槽1b、配管16
b等)を80℃に保持した状態で、キャリアガスである
N2 を各々の供給系に流すことにより、Sr[Ta(O
C2H5)6]2およびBi(OC(CH3)2C2H5)3 の
蒸気(ガス)を成膜室5内に導入した。これと同時に成
膜室5内に酸素(ガス)を導入して、成膜室5内のその
表面にPtが成膜されたSiウエハ上にて前記二種のガ
スの熱分解を起こさせ、Siウエハ上に分解物を堆積さ
せた。また、ガスの熱分解雰囲気には紫外線を照射し
た。次にこのSiウエハを酸素雰囲気炉に投入すること
により、表面に形成された薄膜の結晶化処理を行った。
X線回折器(XRD:X−ray diffracti
on)もよる測定の結果、薄膜の組成はSrBi2Ta2
O9 で、所望の組成のBi層状構造強誘電体の薄膜であ
った。図4はかかるXRDによるスペクトル図であり、
Ptのピークに加えて、Bi層状構造を有するSrBi
2Ta2O9 に帰属されるピークが何本も見られている。
49.5gとBi(OC(CH3)2C2H5)342.2
gをテトラヒドロフラン1000ccに溶解して単一の
溶液を作成した。次に、この溶液を図3のCVD装置の
収容槽11に封入し、キャリアガスであるN2 とともに
気化器3へ供給した。次に気化器3により気化された前
記溶液のガスを混合器4内で酸化剤である酸素と混合さ
せ、成膜室5内においてシャワーノズル4から、ヒータ
ーによってに加熱された、その表面にPtが成膜された
Siウエハ上へ供給し、このSiウエハ上にて前記二種
のガスの熱分解を起こさせ、Siウエハ上に分解物を堆
積させた。その後、Siウエハを酸素雰囲気炉に投入す
ることにより、表面に形成された薄膜の結晶化処理を行
った。XRD測定の結果、膜の組成はSrBi2Ta2O
9 で、膜はBi層状構造強誘電体であった。
の原料供給系を追加した、原料供給系を4つ有するCV
D装置を用い、4つ原料供給系の各原料収容槽(a〜
c)のそれぞれに下記表1に示す原料化合物を個別に封
入し、かつ4つの原料供給系のそれぞれの温度を一定温
度に保持した(表1参照)。
で、各原料収容槽(a〜c)にキャリアガスであるN2
を流すことにより各原料収容槽(a〜c)から各原料化
合物の蒸気(ガス)を成膜室5内に導入し、同時に酸素
(ガス)を導入して、0.3Torrに減圧された成膜
室5内のその表面にPtが成膜されたSiウエハ上で前
記二種のガスの熱分解を起こさせ、Siウエハ上に分解
物を堆積させた。この後、Siウエハを酸素雰囲気炉に
投入することにより、表面に形成された薄膜の結晶化処
理を行った。XRD測定及び元素分析の結果、膜の組成
は( Sr0.8Pb0.2)Bi2Ta2O9 で、一般的なB
i層状構造強誘電体であるSrBi2Ta 2O9 と類似の
結晶構造を有するものであった。
57.9gとBi(OC(CH3)2C2H5)347.0
gをトルエン1000ccに溶解することにより、単一
の誘電体膜原料溶液を作製し、スピンコート法によりS
iウエハ(表面にptが成膜されている)上に塗膜を形
成した。このSiウエハを酸素雰囲気炉に投入すること
ににより、堆積膜の結晶化処理を行った。XRD測定の
結果、得られた膜の組成はSrBi 2Ta2O9 で、膜は
Bi層状構造強誘電体であった。
誘電体薄膜の製造方法によれば、前記一般式(化3)で
表されるBi層状構造強誘電体の薄膜を製造する方法に
おいて、Biを含む化合物と前記一般式(化4)で表さ
れる金属アルコキシド化合物を原料として用いるようし
たので、従来に比べて原料として用いる有機金属化合物
の数を減らすことができ、従来に比べて原料の供給量
(使用量)の制御が容易になることから、所望の元素組
成からなるBi層状構造強誘電体の薄膜を再現性よく製
造することができる。
アルコキシド化合物は、CVD法による成膜に必要な蒸
気圧の時に、熱分解したり、他の物質と反応することが
なく、安定であるので、この金属アルコキシド化合物と
Biを含む有機化合物とを原料にしてCVD法により基
板上にBi層状構造強誘電体を成膜すると、基板上への
各原料ガス(Biを含む有機化合物のガスと前記一般式
(化4)で表される金属アルコキシド化合物のガス)の
供給量がそのままBi層状構造強誘電体の元素組成に反
映することとなり、所望の組成のBi層状構造強誘電体
薄膜を極めて再現性良く形成することができる。
アルコキシド化合物とBiを含む有機化合物を有機溶媒
に溶解して得られた溶液の塗膜を基板上に形成した後、
前記塗膜の乾燥及び酸素雰囲気下での焼結を行うことに
よりBi層状構造強誘電体の薄膜を成膜するようにする
と、前記溶液中の一般式(化4)で表される金属アルコ
キシド化合物とBiを含む有機化合物の濃度が、これが
Bi層状構造強誘電体の組成にそのままを反映すること
となり、所望の組成のBi層状構造強誘電体薄膜を極め
て再現性良く形成することができる。
に使用されるCVD装置の第1の具体例の概略構成を模
式的に示した図である。
に使用されるCVD装置の第2の具体例の概略構成を模
式的に示した図である。
に使用されるCVD装置の第3の具体例の概略構成を模
式的に示した図である。
電体薄膜のXRDによるスペクトル図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 下記一般式(化1)で表されるBi(ビ
スマス)層状構造強誘電体の薄膜を製造する方法であっ
て、Biを含む有機化合物と、下記一般式(化2)で表
される金属アルコキシド化合物の1種以上であって、下
記一般式(化1)中のA1〜An及びB1〜Btに相当する種類
の金属元素を含む金属アルコキシド化合物を原料として
用いることを特徴とするBi層状構造強誘電体薄膜の製
造方法。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 Biを含む有機化合物と一般式(化2)
で表される金属アルコキシド化合物を原料にして、化学
気相成長法(CVD法)により基板上に一般式(化1)
で表されるBi層状構造強誘電体の薄膜を成長させる請
求項1に記載のBi層状構造強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 一般式(化2)で表される金属アルコキ
シド化合物のRj1、Rj2、…Rj6、Rk1、Rk2、…Rk6 のそ
れぞれがエチル基またはイソプロピル基である請求項2
に記載のBi層状構造強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(化2)で表される金属アルコキ
シド化合物のAiがSrまたはBaであり、BjがNbまた
はTaであり、BkがNbまたはTaである請求項2また
は3に記載のBi層状構造強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項5】 Biを含む有機化合物としてBiターシ
ャリブトキシド及びBiターシャリペントキシドから選
ばれる少なくとも1つの化合物を用いる請求項2〜4の
いずれかに記載のBi層状構造強誘電体薄膜の製造方
法。 - 【請求項6】 Biを含む有機化合物と一般式(化2)
で表される金属アルコキシド化合物とを有機溶媒に溶解
して得られた溶液を気化させ、この気化により得られた
ガスを基板上に供給して、化学気相成長法(CVD法)
による一般式(化1)で表されるBi層状構造強誘電体
の薄膜の成長を行う請求項2〜5のいずれかに記載のB
i層状構造強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 化学気相成長法(CVD法)が原料ガス
の熱分解雰囲気に紫外線を照射する光CVD法である請
求項2〜6のいずれかに記載のBi層状構造強誘電体薄
膜の製造方法。 - 【請求項8】 化学気相成長法(CVD法)が原料ガス
の熱分解時に原料ガスをプラズマ励起させるプラズマC
VD法である請求項2〜6のいずれかに記載のBi層状
構造強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項9】 Biを含む有機化合物と一般式(化2)
で表される金属アルコキシド化合物とを有機溶媒に溶解
して得られた溶液の塗膜を基板上に形成した後、前記塗
膜の乾燥及び酸素雰囲気下での焼結を行うことにより一
般式(化1)で表されるBi層状構造強誘電体の薄膜を
形成する請求項1に記載のBi層状構造強誘電体薄膜の
製造方法。 - 【請求項10】 有機溶媒がテトラヒドロフランを含ん
でいる請求項6または9に記載のBi層状構造強誘電体
薄膜の製造方法。
Priority Applications (10)
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---|---|---|---|
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TW086106105A TW346676B (en) | 1996-05-14 | 1997-05-08 | Method of manufacturing layered ferroelectric Bi containing film |
US08/854,173 US5932281A (en) | 1996-05-14 | 1997-05-09 | Method of manufacturing bi-layered ferroelectric thin film |
SG1997001534A SG55315A1 (en) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Method of manufacturing bi-layered ferroelectric thin film |
DE69730076T DE69730076T2 (de) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Verfahren zur Herstellung eines Bi-beschichteten ferroelektrischen dünnen Films |
CA002205189A CA2205189C (en) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Method of manufacturing bi-layered ferroelectric thin film |
EP97107761A EP0807965B1 (en) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Method of manufacturing layered ferroelectric Bi containing film |
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KR1019970018601A KR100295870B1 (ko) | 1996-05-14 | 1997-05-13 | Bi층형상구조강유전체박막의제조방법 |
CN97114973A CN1113399C (zh) | 1996-05-14 | 1997-05-14 | Bi层状结构强电介质薄膜的制造方法 |
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JP11935096A JP3503790B2 (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | Bi層状構造強誘電体薄膜の製造方法 |
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JPH09301716A true JPH09301716A (ja) | 1997-11-25 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11935096A Expired - Lifetime JP3503790B2 (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | Bi層状構造強誘電体薄膜の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3503790B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007013090A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 内蔵型薄膜キャパシター、積層構造物及びそれらの製造方法 |
-
1996
- 1996-05-14 JP JP11935096A patent/JP3503790B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2007013090A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 内蔵型薄膜キャパシター、積層構造物及びそれらの製造方法 |
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