JPH09301282A - 船舶推進装置 - Google Patents

船舶推進装置

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Publication number
JPH09301282A
JPH09301282A JP8120125A JP12012596A JPH09301282A JP H09301282 A JPH09301282 A JP H09301282A JP 8120125 A JP8120125 A JP 8120125A JP 12012596 A JP12012596 A JP 12012596A JP H09301282 A JPH09301282 A JP H09301282A
Authority
JP
Japan
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shaft
fluid coupling
propeller
rotation
engine
Prior art date
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Application number
JP8120125A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Nakayasu
良和 中安
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な断面積の排気通路を確保しつつ、船舶
の加速性向上を図ることができる船舶推進装置を提供す
ること。 【構成】 エンジンの回転を駆動軸29及び前後進切換
機構40を経て内軸5及び外軸6(プロペラ軸)に伝達
し、該内軸5及び外軸6にそれぞれ結着されたプロペラ
3,2を回転駆動して所要の推進力を発生する船舶推進
装置1において、前記前後進切換機構40を構成する垂
直ベベルギヤ9の前方に流体継手18を配置し、少なく
とも前進時には前記駆動軸29の回転を流体継手18を
介して前記内軸5に伝達するよう構成する。本発明によ
れば、前進時には駆動軸29と内軸5とは流体継手18
を介して連結されるため、加速初期においては内軸5の
回転に滑りが発生してエンジン負荷が軽くなり、この結
果、エンジンの回転上昇が早められて加速時間が短縮さ
れるため、船舶の加速性が高められる。又、流体継手1
8は排気通路39を塞ぐことがなく、十分大きな断面積
の排気通路39を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機等に設けら
れる船舶推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船外機等に設けられる船舶推進装置は、
エンジンの回転を駆動軸及び前後進切換機構を経てプロ
ペラ軸に伝達し、該プロペラ軸に結着されたプロペラを
回転駆動して所要の推進力を発生するものである。
【0003】ところで、船舶の加速性を高める方法とし
て、可変ピッチプロペラの採用や加速時に排気ガスをプ
ロペラに巻き込ませてエンジン負荷を軽くする方法等が
提案されている。
【0004】又、船舶推進装置の動力伝達系にビスカス
カップリング等の流体継手を用いてプロペラの低速回転
を実現し、トローリングや離着岸に適した極低速での航
行を可能にする提案もなされており(特開平7−816
84号公報参照)、斯かる提案においても加速初期のエ
ンジン負荷を軽くして加速性向上を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、可変ピッチ
プロペラを採用する方法では機構が複雑化してコストア
ップを招き、又、加速時に排気ガスをプロペラに巻き込
ませる方法では加速時以外でも排気ガスがプロペラに巻
き込まれるためにプロペラの本来の性能を十分発揮させ
ることができないという問題があった。
【0006】又、流体継手を用いてエンジン負荷を軽減
する前記従来の提案に係る船舶推進装置にあっては、流
体継手が前後進切換機構の後方(船体の前後方向に対し
て)に配されていたため、十分な断面積の排気通路を形
成することが困難であるという問題があった。
【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、十分な断面積の排気通路を確
保しつつ、船舶の加速性向上を図ることができる船舶推
進装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンの回転を駆動軸及
び前後進切換機構を経てプロペラ軸に伝達し、該プロペ
ラ軸に結着されたプロペラを回転駆動して所要の推進力
を発生する船舶推進装置において、前記前後進切換機構
を構成するギヤ郡の前方に流体継手を配置し、少なくと
も前進時には前記駆動軸の回転を流体継手を介して前記
プロペラ軸に伝達するよう構成したことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記駆動軸の端部に結着された水平ベベル
ギヤと、該水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直ベ
ベルギヤと、該垂直ベベルギヤに選択的に係合する前後
一対のドッグを含んで前記前後進切換機構を構成すると
ともに、前方のドッグを前記流体継手を組み込んで構成
し、前記プロペラ軸を互いに独立に回転可能な内軸と外
軸とで構成し、少なくとも前進時には前記内軸と外軸を
前記各ドッグと一体的に回転させてこれらに結着された
2枚のプロペラを互いに逆方向に回転駆動する二重反転
方式を採用することを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記流体継手を遠心クラッチ付ビス
カスカップリングで構成したことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、前記エンジンを4サイクルエン
ジンとしたことを特徴とする。
【0012】従って、本発明によれば、少なくとも前進
時には駆動軸とプロペラ軸とは流体継手を介して連結さ
れるため、加速初期においてはプロペラ軸と駆動軸との
回転にスリップが発生してエンジン負荷が軽くなり、こ
の結果、エンジンの回転上昇が早められて加速時間が短
縮されるため、船舶の加速性が高められる。
【0013】又、流体継手は前後進切換機構を構成する
ギヤ群の前方に配置されるため、これが排気通路を塞ぐ
ことがなく、十分大きな断面積の排気通路を確保するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明に係る船舶推進装置を備える
船外機の側面図、図2は同船外機下部(船舶推進装置部
分)の側断面図、図3は船舶推進装置要部の拡大断面
図、図4は同船外機のシフト機構の斜視図、図5はエン
ジンの加速特性を示す図である。
【0016】図1に示す船外機50は、クランプブラケ
ット51によって船体60の船尾板60aに取り付けら
れており、該船外機50の上部のカウリング52内には
4サイクルエンジン53が収納されている。尚、4サイ
クルエンジン53は複数の気筒を上下方向に配して構成
されており、そのクランク軸54は図示のように垂直に
配されている。
【0017】又、船外機50の下部には本発明に係る船
舶推進装置1が設けられており、該船舶推進装置1は、
前進時には前記エンジン53によってその前後一対のプ
ロペラ2,3が互いに逆方向に回転駆動される所謂二重
反転方式を採用している。
【0018】ここで、本発明に係る前記船舶推進装置1
の構成の詳細を図2乃至図4に基づいて説明する。
【0019】図2において、4はロアケースであって、
このロアケース4の下部には内外二重軸を構成する内軸
5と外軸6が前後方向(図2の左右方向)に水平に、且
つ、回転自在に配されている。
【0020】そして、上記外軸6のロアケース4から後
方へ延出する後端部には前記前プロペラ2がダンパー部
材7を介して結着されており、該前プロペラ2の後方で
あって、且つ、内軸5の外軸6から後方へ延出する後端
部には前記後プロペラ3がダンパー部材8を介して結着
されている。
【0021】ところで、上記内軸5と外軸6の各前端部
外周には前後一対の垂直ベベルギヤ9,10が回転自在
に支承されている。即ち、前側の垂直ベベルギヤ9はニ
ードルベアリング11(図3参照)を介して内軸5の外
周に回転自在に支承されるとともに、その外周部はテー
パローラベアリング12を介してロアケース4に回転自
在に支承されている。又、後側の垂直ベベルギヤ10は
ニードルベアリング13(図3参照)を介して外軸6の
外周に回転自在に支承されるとともに、その外周部はテ
ーパローラベアリング14を介してベアリングハウジン
グ15に回転自在に支承されている。尚、ベアリングハ
ウジング15はロアケース4に嵌合され、その後端部は
ロアケース4に螺着されたリングナット16によって固
定されている。
【0022】又、図3に詳細に示すように、外軸6の前
端外周部であって、且つ、前後一対の垂直ベベルギヤ
9,10間には、ドッグ17が外軸6に沿って前後方向
に摺動自在にスプライン嵌合されている。そして、この
ドッグ17の前、後端部には、垂直ベベルギヤ9,10
の各内側に形成された爪9a,10aに選択的に係合す
る爪17a,17bがそれぞれ形成されている。
【0023】他方、内軸5の前端部外周であって、且
つ、前側の垂直ベベルギヤ9の前方にはドッグを構成す
る流体継手18が内軸5に沿って前後方向に摺動自在に
スプライン嵌合されている。
【0024】上記流体継手18は遠心クラッチ付ビスカ
スカップリングで構成されており、図3に詳細に示すよ
うに、内軸5の外周に摺動自在にスプライン嵌合された
シリンダ19とこれを覆うハウジング20を有してお
り、両者の間に形成される密閉空間内にはシリコンオイ
ルが充填されるとともに、リング状のクラッチプレート
21とフリクションプレート22が交互に複数枚配列さ
れて収納されている。尚、各クラッチプレート21の内
周部はシリンダ19の外周にスプライン嵌合しており、
各フリクションプレート22の外周部はハウジング20
の内周部にスプライン嵌合している。
【0025】又、シリンダ19とハウジング20の間に
形成される前記密閉空間内には、リング状の圧力プレー
ト23が前後方向に移動自在に収納されており、該圧力
プレート23とハウジング20に形成されたテーパ面2
0aとの間には径方向外方に向かって幅が狭くなる楔状
の空間Sが形成されており、この空間S内には複数のボ
ール24が収納されている。尚、圧力プレート23はス
プリング25によって前方に付勢されており、前記ボー
ル24をハウジング20のテーパ面20aに押圧してい
る。
【0026】ところで、ハウジング20は2分割タイプ
であって、その後端面には、前記前側の垂直ベベルギヤ
9の前端面に形成された爪9bに選択的に係合する爪2
0bが一体に形成されている。
【0027】一方、内軸5の先端部の軸中心には円筒状
のプランジャ26が前後方向に摺動自在に嵌装されてお
り、該プランジャ26には、内軸5に形成された長孔5
a,5bにそれぞれ挿通するピン27,28が軸直角方
向に挿通されている。
【0028】そして、前記ドッグ17はピン27によっ
てプランジャ26に連結されており、前記流体継手18
はピン28によってプランジャ26に連結されている。
従って、ドッグ17と流体継手18とはプランジャ26
とピン27,28によって互いに連結されており、両者
はピン27,28がそれぞれ長孔5a,5b内を移動し
得る範囲で前後方向に摺動可能である。
【0029】他方、ロアケース4内には、前記エンジン
53のクランク軸54(図1参照)に直結された駆動軸
29と、該駆動軸29の前方にこれと平行に延在するシ
フトロッド30が垂設されており、駆動軸29の途中に
はウォータポンプ31が設けられ、同駆動軸29の下端
には、前記一対の垂直ベベルギヤ9,10に噛合する水
平ベベルギヤ32が結着されている。
【0030】又、前記シフトロッド30の下端部にはシ
フトカム33が結着されており、該シフトカム33の下
部には、シフトロッド30の軸中心(回動中心)に対し
て偏心した偏心ピン33aが突設されており、該偏心ピ
ン33aは、前記流体継手18のハウジング20の外周
に全周に亘って形成された溝20cに係合している。
【0031】ここで、シフト機構の構成を図4に基づい
て説明する。
【0032】図4において、34は図示のF(前進)、
N(中立)及びR(後進)の位置を取り得るシフトレバ
ーであって、該シフトレバー34はワイヤー35を介し
てスライダ36に連結されている。スライダ36はスラ
イドガイド37に沿って移動自在に構成されており、こ
れはリンク機構38を介して前記シフトロッド30の上
端部に連結されている。
【0033】ところで、本実施の形態に係る船舶推進装
置1においては、図2に示すように、ロアケース4内の
前記駆動軸29の後方には、エンジン35(図1参照)
の排気系に連なる排気通路39が形成されており、該排
気通路39は前記リングナット16の開口部16aを介
して水中に開口している。
【0034】而して、以上説明した水平ベベルギヤ3
2、垂直ベベルギヤ9,10、ドッグ17、流体継手1
8、シフトロッド30等によって前後進切換機構40が
構成されるが、本発明は、前後進切換機構40において
流体継手18を垂直ベベルギヤ9の前方に配置したこと
をその特徴とする。
【0035】次に、本実施の形態に係る船舶推進装置1
の作用を説明する。
【0036】図1に示す船外機50において、エンジン
53が駆動され、該エンジン53によって駆動軸29が
一方向に回転駆動されると、該駆動軸29の回転は水平
ベベルギヤ32を介して前後一対の垂直ベベルギヤ9,
10に伝達され、両垂直ベベルギヤ9,10が互いに逆
方向に常時回転駆動される。
【0037】ここで、図4に示すシフトレバー34をN
(中立)位置にセットすると、図2及び図3に示すよう
に、ドッグ17と流体継手18は共に垂直ベベルギヤ
9,10に噛み合わない(即ち、ドッグ17の爪17
a,17bは垂直ベベルギヤ9,10の各内側に形成さ
れた爪9a,10aに係合せず、流体継手18の爪20
bが前側の垂直ベベルギヤ9の前端面に形成された爪9
bに係合しない)中立状態に保たれ、このとき、両垂直
ベベルギヤ9,10はそれぞれ内軸5と外軸6上を自由
回転(空転)し、駆動軸29の回転は内軸5及び外軸6
に伝達されない。従って、中立状態においては前後のプ
ロペラ2,3は共に回転せず、推進力は発生しない。
【0038】次に、図4に示すシフトレバー34をF
(前進)位置に切り換えると、ワイヤー35によってス
ライダ36が図4に示すF位置に移動し、このスライダ
36の移動がリンク機構38によってシフトロッド33
の図示矢印F方向の回動に変換される。この結果、シフ
トカム33に突設された偏心ピン33aが同方向に回動
せしめられ、流体継手18が後方(図示F方向)に摺動
する。すると、ピン27,28及びプランジャ26によ
って流体継手18に連結されたドッグ17も流体継手1
8と共に同方向に摺動し、ドッグ17の爪17bは後側
の垂直ベベルギヤ10の爪10aに係合し、流体継手1
8の爪20bは前側の垂直ベベルギヤ9の爪9bに係合
する。
【0039】而して、駆動軸29の回転は水平ベベルギ
ヤ32と後側の垂直ベベルギヤ10及びドッグ17を介
して外軸6に伝達されるとともに、水平ベベルギヤ32
と前側の垂直ベベルギヤ9及び流体継手18を経て内軸
5に伝達され、外軸6及びこれに結着された前側プロペ
ラ2と内軸5及びこれに結着された後側プロペラ3とが
互いに逆方向に回転駆動される。このように、前進時に
おいては、前後一対のプロペラ2,3が互いに逆方向に
回転駆動される所謂二重反転方式が実行されるため、こ
れらのプロペラ2,3には高い推進効率が得られる。
【0040】ところで、上述のように駆動軸29の回転
は水平ベベルギヤ32、前側の垂直ベベルギヤ9及び流
体継手18を経て内軸5とこれに結着された後側のプロ
ペラ3に伝達されるが、エンジン回転数が低い低速域に
おいては流体継手18の回転速度も低く、該流体継手1
8に収納されたボール24に作用する遠心力が小さいた
めに該ボール24は図2及び図3に示す位置にあって、
圧力プレート23はボール24によって押圧されない状
態に保たれる。従って、流体継手18の各クラッチプレ
ート21とフリクションプレート22とは密着されず
(遠心クラッチOFF状態が保たれ)、駆動軸29の回
転は流体継手18内のシリコンオイルの粘性抵抗によっ
て内軸5に伝達され、この結果、内軸5の回転は駆動軸
29に対してスリップを発生し、後プロペラ3の回転も
前プロペラ2に対してスリップすることとなる。
【0041】而して、シフト操作によってシフトレバー
34をF(前進)位置に切り換える場合には、上述のよ
うに後プロペラ3の回転にスリップが発生するため、エ
ンジン53の負荷が軽くなり、シフトショックが軽減さ
れる。
【0042】そして、エンジン回転数が増加して流体継
手18の回転が高くなると、該流体継手18に収納され
たボール24に作用する遠心力が大きくなり、該ボール
24がハウジング20のテーパ面20aに沿って径方向
外方に移動するため、圧力プレート23がボール24に
よって後方へ押される。この結果、流体継手18の各ク
ラッチプレート21とフリクションプレート22とが密
着して両者がロックされ(遠心クラッチがON状態とな
り)、駆動軸29の回転はスリップを発生することなく
そのまま内軸5及び後プロペラ3に伝達される。
【0043】ここで、本発明に係る船舶推進装置1を備
える船外機50におけるエンジン回転数の経時変化を従
来の船舶推進装置(動力伝達系に流体継手を用いないも
の)を備える船外機のそれとの比較において示すが、本
発明に係る船外機50においては、加速初期の低速時に
内軸5と後プロペラ3の回転にスリップが発生してエン
ジン53の負荷が軽くなるため、該エンジン53の回転
上昇が早められて加速時間が短縮されることとなり、こ
の結果、船体60の加速性が高められる。尚、図5にお
いて実線Aは本発明に係る船舶推進装置1を備える船外
機50におけるエンジン回転数の経時変化を、破線Bは
従来の船舶推進装置を備える船外機のエンジン回転数の
経時変化をそれぞれ示すが、本発明によれば、図に斜線
にて示す部分に対応して加速性が高められる。
【0044】尚、エンジン53からの排気ガスは、ロア
ケース4内に形成された前記排気通路39を下方に向か
って流れ、ベアリングハウジング15の外周に沿って後
方に流れた後、リングナット16の開口部16aから水
中に排出される。
【0045】次に、図4に示すシフトレバー34をR
(後進)位置に切り換えると、ワイヤー35によってス
ライダ36が図4に示すR位置に移動し、このスライダ
36の移動がリンク機構38によってシフトロッド33
の図示矢印R方向の回動に変換される。この結果、シフ
トカム33に突設された偏心ピン33aが同方向に回動
せしめられ、流体継手18が前方(図示R方向)に摺動
する。すると、ピン27,28及びプランジャ26によ
って流体継手18に連結されたドッグ17も流体継手1
8と共に同方向に摺動し、ドッグ17の爪17aは前側
の垂直ベベルギヤ9の爪9aに係合し、流体継手18の
爪20bは前側の垂直ベベルギヤ9の爪9bから離脱す
る。
【0046】このため、駆動軸29の回転は水平ベベル
ギヤ32と前側の垂直ベベルギヤ9及びドッグ17を経
て外軸6のみに伝達され、内軸5には伝達されず、外軸
6とこれに結着された前プロペラ2のみが前進時とは逆
方向に回転駆動される。
【0047】而して、本実施の形態においては、船舶推
進装置1の動力伝達系に流体継手18を用いることによ
って前進時には内軸5と後プロペラ3の回転にスリップ
を発生させ、エンジン53の負荷を軽くして加速性を高
めるようにしたが、流体継手18は前側の垂直ベベルギ
ヤ9の前方に配置されるため、これが排気通路39を塞
ぐことがなく、該排気通路39に十分大きな断面積を確
保することができる。
【0048】尚、以上の実施の形態では、流体継手18
として遠心クラッチ付ビスカスカップリングを用いた
が、単なるビスカスカップリング或は他の任意の形式の
流体継手を用いることができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、エンジンの回転を駆動軸及び前後進切換機構を
経てプロペラ軸に伝達し、該プロペラ軸に結着されたプ
ロペラを回転駆動して所要の推進力を発生する船舶推進
装置において、前記前後進切換機構を構成するギヤ郡の
前方に流体継手を配置し、少なくとも前進時には前記駆
動軸の回転を流体継手を介して前記プロペラ軸に伝達す
るよう構成したため、十分な断面積の排気通路を確保し
つつ、船舶の加速性向上を図ることができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船舶推進装置を備える船外機の側
面図である。
【図2】本発明に係る船舶推進装置を備える船外機下部
(船舶推進装置部分)の側断面図である。
【図3】本発明に係る船舶推進装置要部の拡大断面図で
ある。
【図4】本発明に係る船舶推進装置を備える船外機のシ
フト機構の斜視図である。
【図5】本発明に係る船舶推進装置を備える船外機にお
けるエンジンの加速特性を示す図である。
【符号の説明】
1 船舶推進装置 2,3 プロペラ 5 内軸(プロペラ軸) 6 外軸(プロペラ軸) 9,10 垂直ベベルギヤ 17 ドッグ 18 流体継手(遠心クラッチ付ビスカスカップリ
ング) 29 駆動軸 32 水平ベベルギヤ 40 前後進切換機構 50 船外機 53 4サイクルエンジン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転を駆動軸及び前後進切換
    機構を経てプロペラ軸に伝達し、該プロペラ軸に結着さ
    れたプロペラを回転駆動して所要の推進力を発生する船
    舶推進装置において、 前記前後進切換機構を構成するギヤ群の前方に流体継手
    を配置し、少なくとも前進時には前記駆動軸の回転を流
    体継手を介して前記プロペラ軸に伝達するよう構成した
    ことを特徴とする船舶推進装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動軸の端部に結着された水平ベベ
    ルギヤと、該水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直
    ベベルギヤと、該垂直ベベルギヤに選択的に係合する前
    後一対のドッグを含んで前記前後進切換機構を構成する
    とともに、前方のドッグを前記流体継手を組み込んで構
    成し、前記プロペラ軸を互いに独立に回転可能な内軸と
    外軸とで構成し、少なくとも前進時には前記内軸と外軸
    を前記各ドッグと一体的に回転させてこれらに結着され
    た2枚のプロペラを互いに逆方向に回転駆動する二重反
    転方式を採用することを特徴とする請求項1記載の船舶
    推進装置。
  3. 【請求項3】 前記流体継手は、遠心クラッチ付ビスカ
    スカップリングで構成されることを特徴とする請求項1
    又は2記載の船舶推進装置。
  4. 【請求項4】 前記エンジンは、4サイクルエンジンで
    あることを特徴とする請求項1,2又は3記載の船舶推
    進装置。
JP8120125A 1996-05-15 1996-05-15 船舶推進装置 Pending JPH09301282A (ja)

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JP8120125A JPH09301282A (ja) 1996-05-15 1996-05-15 船舶推進装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8087958B2 (en) 2008-02-18 2012-01-03 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Boat propulsion system

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