JPH09301251A - 自転車用の折り畳みポストロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、簡単な構造によりワンタッチによっ
てサドルあるいはハンドルのポストを折り畳み、かつ折
り畳み状態を維持するようにした。 【解決手段】折り畳みポストは、車体フレーム１に下部
ヒンジ３を介して起倒折り畳み可能に結合した下方ポス
ト２と、前記下方ポストの上端に上部ヒンジ６を介して
下方ポストに対し同一軸線状態と屈折状態とに回転可能
に結合した上方ポスト５と、前記上方ポストに伸縮可能
に嵌合されたサドル又はハンドルの支持ピラー８とから
構成し、ロック機構は、下端を前記下方ポストの下端に
回転自在に結合し前記下方ポストと平行な軸線で並設さ
れたロッド１２と、前記上部ヒンジに上端が回動可能に
結合されたグリップ１４と、このグリップの下端と一端
が回動可能に結合され、他端は前記ロッドの上端と回動
可能に結合されたリンク１７と、前記上方ポストの上端
に固設され前記リンクとロッドとの結合部を上下方向に
案内するガイドレール１８から構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳み自転車の
サドル又はハンドル支持用の折り畳みポストロック装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自転車を持ち運び易くしたり、小さなス
ペース内に収納するために折畳み可能にした自転車にお
いて、サドルポストを折り畳み可能とした機構が特開平
３−１６８９０号で提供されている。また、ハンドルポ
ストを折り畳み可能とした機構が実開昭６０−４４８９
１号で提供されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記特開平３−１６８
９０号のサドルポストを折り畳み機構はフレームを折り
畳みした後で、クイックレリーズバーにより拡縮するロ
ック機構によってサドルポストインナをサドルポストア
ウタに対しロック解除し、サドルをサドルポストインナ
と共にサドルポストアウタより引き抜き、フレームに付
設されたフランジ部に差し込んで固定する構造である。
この構造では、サドルポストを折り畳む時には、ロック
機構のクイックレリーズバーの操作とサドルをサドルポ
ストインナと共にサドルポストアウタより引き抜く操作
と、さらに、引き抜いたサドルポストインナをフランジ
に差し込み固定する操作を必要とし、サドルを使用状態
にするときには前記の逆の操作を必要としているため、
操作数が多く、迅速，容易なサドルの折り畳み及び使用
状態が得られないという問題がある。

【０００４】また、上記実開昭６０−４４８９１号のハ
ンドルポストを折り畳み機構はハンドルポスト及び前ホ
ークステムを前ホークの向きの位置決め設定位置まで回
転させる操作と、ロックピンを抜き差しする操作を必要
とし、また、ヘッドパイプと前ホークスステムにピン穴
をあけるため剛性が低下し、これを補強するための質量
増加の問題がある。加えて、折り畳み状態においても前
ホークは自由に回転し、前輪の方向が自由に揺動するた
め、自転車の持ち運びや収納時の取扱いに不便性があ
る。

【０００５】本発明の目的は、上記従来の問題に鑑み、
簡単な構造によりワンタッチによってサドルあるいはハ
ンドルのポストを折り畳み、かつ折り畳み状態を維持す
るようにした自転車用の折り畳みポストロック機構を提
供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成要旨は、車体フレームに下部ヒンジを
介して起倒折り畳み可能に結合した下方ポストと、前記
下方ポストの上端に上部ヒンジを介して下方ポストに対
し同一軸線状態と屈折状態とに回転可能に結合した上方
ポストと、前記上方ポストに伸縮可能に嵌合されたサド
ル又はハンドルの支持ピラーとからなる折り畳みポスト
を備え、下端を前記下方ポストの下端に回転自在に結合
し前記下方ポストと平行な軸線で並設されたロッドと、
前記上部ヒンジに上端が回動可能に結合されたグリップ
と、このグリップの下端と一端が回動可能に結合され、
他端は前記ロッドの上端と回動可能に結合されたリンク
と、前記上方ポストの上端に固設され前記リンクとロッ
ドとの結合部を上下方向に案内するガイドレールからな
るロック機構を備えたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１はサドルポストが起立している
正規の状態であり、図２はサドルポストを回転して折り
畳んだ状態である。前記サドルポストは、車体フレーム
１に固設した下部ヒンジ３にヒンジピン４を介して起倒
折り畳み可能に結合した下方ポスト２と、前記下方ポス
ト２の上端にヒンジピン７によって回転可能に結合され
た上部ヒンジ６に固着され、前記上部ヒンジ６を介して
下方ポスト２に対し図１で示す同一軸線状態と図２で示
す屈折状態とに回転する上方ポスト５と、前記上方ポス
ト５に伸縮可能に嵌合されたサドル１１の支持ピラー８
とから構成されている。

【０００８】前記サドル１１の支持ピラー８は図８で示
すように、締め付けリング９とクイクレリーズレバー１
０とからなるクランプ機構によって上方ポスト５に対し
任意の伸縮位置に調整するようになっている。

【０００９】前記サドルポストを図１で示す起立してい
る正規の状態と図２で示す折り畳んだ状態でロックする
ロック機構は、下端を前記下部ポスト２の下端の下部ヒ
ンジ３に固定ピン１３によって回転自在に結合し前記下
方ポスト２と平行な軸線で並設されたロッド１２と、前
記上部ヒンジ６に上端が固定ピン１５によって回動可能
に結合されたグリップ１４と、このグリップ１４の下端
と一端がピン１６により回動可能に結合され、他端は前
記ロッド１２の上端とピン１９によって回動可能に結合
されたリンク１７と、前記上部ヒンジ６に固設され前記
リンク１７とロッド１２との結合部であるピン１９を上
下方向に案内するガイドレール１８とから構成されてい
る。尚、前記グリップ１４には操作を容易にするために
操作用レバー１４ａが取り付けられている。

【００１０】上記の構成の作用について説明する。図１
で示すサドルポストが起立している正規の状態では図３
で示すように、下方ポスト２の下端面は下部ヒンジ３の
上面の当て面２０に当接し、上方ヒンジ６は下方ポスト
２の上端の当て面２１に上部ヒンジ６の下面が当接して
下方ポスト２及び上方ポスト５は同一軸線状態で図３の
ｂ方向の倒れを規制する。

【００１１】この時のロック機構は、グリップ１４とリ
ンク１７とを結合しているピン１６部は上部ヒンジ６側
に位置し、ロッド１２とリンク１７とを結合しているピ
ン１９部はガイドレール１８の上端に位置しており、こ
のロッド１２，リンク１７及びグリップ１４によってロ
ッド１２の固定ピン１３とグリップ１４の固定ピン１５
との間に引張力が付与され、これにより図３のａ方向の
倒れを拘束し、前記下方ポスト２及び上方ポスト５の同
一軸線状態をトグルロック作用によってロックしてい
る。

【００１２】前記下方ポスト２及び上方ポスト５の同一
軸線状態のロックを解除し、サドルポストを回転して図
２で示すように折り畳んだ状態にするには、図４で示す
ように、操作用レバー１４ａを引き動かしてグリップ１
４とリンク１７とを結合しているピン１６をロッド１２
とリンク１７とを結合しているピン１９より外側に変位
する。これにより前記ロッド１２の固定ピン１３とグリ
ップ１４の固定ピン１５との間に引張力がなくなり、図
３のａ方向の倒れの拘束が解放される。

【００１３】従って、下方ポスト２は下部ヒンジ３のヒ
ンジピン４を介して図３のａ方向に９０度回転して倒す
ことができ、また、上方ポスト５は上部ヒンジ６のヒン
ジピン７を介して下方ポスト２の軸線に対し９０度回転
して倒すことができ、その結果図６で示すように、下方
ポスト２は車体フレーム１と略平行な軸線に折り畳ま
れ、上方ポスト５は前記折り畳まれた下方ポスト２の軸
線に対し９０度下向きの軸線で折り畳まれる。

【００１４】そして、下方ポスト２の両端を下部ヒンジ
３と上部ヒンジ６との側面で挾み込み、ロック機構のロ
ッド１２とリンク１７は下方ポスト２の軸線と平行に伸
張し、また、グリップ１４は固定ピン１５から上方ポス
ト５の軸線と平行に屈折して前記下方ポスト２及び上方
ポスト５の折り畳み状態をロックする。

【００１５】前記下方ポスト２及び上方ポスト５の折り
畳み状態から図１の起立した正規の状態にするには次の
ように操作する。図２及び図６の折り畳み状態から上部
ヒンジ６をｃ矢視方向に、また、上方ポスト５をｄ矢視
方向にそれぞれ回転して持ち上げる。そして、上部ヒン
ジ６を当て面２１に当接し、下方ポスト２を当て面２０
に当接して下方ポスト２及び上方ポスト５の同一軸線状
態にする。

【００１６】この時ロック機構は図４で示すように、グ
リップ１４とリンク１７とを結合しているピン１６をロ
ッド１２とリンク１７とを結合しているピン１９より外
側に変位した状態になる。この図４の状態でグリップ１
４及びロッド１２は重力以外の力を受けずにこの状態を
保っている。

【００１７】ここで、ピン１６を図５で示すｅ矢印方向
に力をかけると、グリップ１４は固定ピン１５を回転中
心とするｈ円弧軌跡を、また、リンク１７はピン１９を
回転中心とするｉ円弧軌跡をとろうとし、グリップ１４
は引張の力を受け、リンク１７は圧縮の力を受けること
になる。

【００１８】ロッド１２，リンク１７及びグリップ１４
によってロッド１２の固定ピン１３とグリップ１４の固
定ピン１５との間に引張力が付与され、これにより図３
のａ方向の倒れを拘束し、前記下方ポスト２及び上方ポ
スト５の同一軸線状態をトグルロック作用によってロッ
クするものである。

【００１９】前記ロック強さの調整はピン１６のＢ点の
当り面の移動あるいはグリップ１４，リンク１７，ロッ
ド１２の何れかの長さを調整し、Ａ点及びピン１９の中
心を動かして死線ｆを移動させることによって行われ
る。

【００２０】上記の構成による本発明では、下方ポスト
２及び上方ポスト５の折り畳み状態の収納時のロック機
構の各リンク系が図２及び図６で示すように上部ヒンジ
６，下方ポスト２，下部ヒンジ３にそれぞれ平行に沿う
ように各リンク長を設定しており、リンク系の収納時の
飛び出しを最少限に抑えている。

【００２１】また、ピン１９をガイドレール１８によっ
てスライド可能にしているため、ロック解除の動作が円
滑に得られ、ロック解除の際にピン１９を１度正規の位
置に戻してからロック解除するためのロック解除用のレ
バーの類が不要となり、部品点数、作業工程を低減して
いる。

【００２２】尚、上記実施例ではサドル１１を支持する
サドルポストで説明したが、ハンドルポストにも適用す
ることができ、さらには、３つの部材を１度に固定しよ
うとするものも適用することが可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明による自転車用の折
り畳みポストロック機構は、簡単な構造によりワンタッ
チによってサドルあるいはハンドルのポストを折り畳
み、かつ折り畳み状態を維持するようにした利点を有し
ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明機構を装備したサドルポストの正規状態
の側面図

【図２】サドルポストの折り畳み状態の側面図

【図３】サドルポストの正規状態におけるロック機構の
ロック状態図

【図４】ロック機構のロック解除状態図

【図５】ロック機構のロック作用説明図

【図６】サドルポストの折り畳み状態におけるロック機
構の状態図

【図７】ガイドレール部分の側面図

【図８】サドルポスト上部の斜視図

【図９】本発明の要部構成部品の分解斜視図

【符号の説明】

１ 車体フレーム ２ 下方ポスト ３ 下部ヒンジ ４ ヒンジピン ５ 上方ポスト ６ 上部ヒンジ ７ ヒンジピン ８ 支持ピラー １１ サドル １２ ロッド １３ 固定ピン １４ グリップ １４ａ 操作用レバー １５ 固定ピン １６ ピン １７ リンク １８ ガイドレール １９ ピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体フレームに下部ヒンジを介して起倒
   折り畳み可能に結合した下方ポストと、前記下方ポスト
   の上端に上部ヒンジを介して下方ポストに対し同一軸線
   状態と屈折状態とに回転可能に結合した上方ポストと、
   前記上方ポストに伸縮可能に嵌合されたサドル又はハン
   ドルの支持ピラーとからなる折り畳みポストを備え、 下端を前記下方ポストの下端に回転自在に結合し前記下
   方ポストと平行な軸線で並設されたロッドと、前記上部
   ヒンジに上端が回動可能に結合されたグリップと、この
   グリップの下端と一端が回動可能に結合され、他端は前
   記ロッドの上端と回動可能に結合されたリンクと、前記
   上方ポストの上端に固設され前記リンクとロッドとの結
   合部を上下方向に案内するガイドレールからなるロック
   機構を備えたことを特徴とする自転車用の折り畳みポス
   トロック装置。