JPH0929855A - 丸ベルト及びその製造方法 - Google Patents

丸ベルト及びその製造方法

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JPH0929855A
JPH0929855A JP18685095A JP18685095A JPH0929855A JP H0929855 A JPH0929855 A JP H0929855A JP 18685095 A JP18685095 A JP 18685095A JP 18685095 A JP18685095 A JP 18685095A JP H0929855 A JPH0929855 A JP H0929855A
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JP
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round belt
cavity
molding
ring
belt
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JP18685095A
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Chiaki Kaneharu
千秋 金治
Motoyoshi Yoshikawa
元祥 吉川
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中に丸ベルトが偏摩耗したり、クラック
や切断が発生する。 【解決手段】 フッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱可
塑性ポリウレタンエラストマーで丸ベルト8を成形し、
その表面粗さRa を5〜30μmに形成する。丸ベルト
8の外周りにゲート部カット跡及びウェルド樹脂溜め部
カット跡ができるようにする。これにより、丸ベルトの
偏摩耗、クラック及び切断を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、ローラコンベヤや
各種自動化機器及び各種の工作機械等において電動モー
タの動力を摩擦伝動により伝えるために用いられる丸ベ
ルト及びその製造方法に関するものであり、特に丸ベル
トの長寿命化対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の丸ベルトは、駆動プーリと従動
プーリとに緊張状態で掛け渡され、電動モータの動力を
摩擦伝動により伝えるようになされている。この丸ベル
トは、駆動プーリの回転軸と従動プーリの回転軸とが直
交するクォータターン掛けで使用されると、駆動プーリ
及び従動プーリに巻き付く直前で捩れが生じる。図5に
拡大詳示するように、この捩れた丸ベルトaは、矢印b
方向の捩り力によって矢印c方向に自転しながらプーリ
dを下向き走行から上向き走行に向きを変えて走行す
る。この場合、丸ベルトaとプーリdとの摩擦係数が高
過ぎると、丸ベルトaは矢印c方向には自転せずに仮想
線にて示すように矢印e方向にプーリdの丸溝fを移動
し、その結果、丸ベルトaに偏摩耗が発生してベルト寿
命が短くなるという問題がある。
【0003】そこで、例えば実開昭59−144245
号公報に開示されているように、丸ベルトの表面全体に
小突起や溝等を形成してベルト表面を粗面にすることに
より、丸ベルトとプーリとの摩擦係数を低減するように
した丸ベルトが提案されている。
【0004】また、最近では、材質面からの改良も試み
られており、熱可塑性ポリウレタンエラストマーで丸ベ
ルトを成形することにより、永久伸びや偏摩耗を低減さ
せるようにしているものもある。
【0005】ところで、この熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーを成形原料とする成形方法は射出成形等によっ
て成形されるのが一般的であるが、成形金型のキャビテ
ィ周りでその周方向180°反対の位置には、成形原料
をキャビティに供給するゲート部と、供給に伴いキャビ
ティ内のガスを押しやるウェルド樹脂溜め部とが形成さ
れているため、成形直後のリング状成形体には、上記ゲ
ート部及びウェルド樹脂溜め部に対応して固形樹脂が一
体に形成されており、これらは製品には不要なものであ
るので脱型後に切断除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
丸ベルトの表面を小突起等によって粗面にしても、この
小突起等はベルト走行中に摩耗して消失し、摩擦係数の
低減効果がなくなってしまうという問題がある。
【0007】また、単に、材質を熱可塑性ポリウレタン
エラストマーに変更してみても、高負荷、長寿命の要求
が高まっている現状ではさらなる対策が望まれる。
【0008】さらに、成形直後にゲート部及びウェルド
樹脂溜め部に対応して一体に形成されている不要な固形
樹脂を脱型後に切断除去すると、これらのカット跡が丸
ベルトに残るが、これらのカット跡が丸ベルトの内周り
にある場合には、該内周りの曲率半径は外周りの曲率半
径に比べて小さいことから、クォータターン掛けで使用
する場合に上記カット跡が丸ベルトの自転により駆動プ
ーリ又は従動プーリへの巻付き箇所で外周りに位置した
際、該カット跡の逆曲げの度合いが大きくなって大きく
伸ばされ、ベルト走行中においてカット跡に作用する繰
り返し屈曲疲労が増大してクラックや切断が発生するお
それがある。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、丸ベルトの表面を粗面
にし、かつこの粗面効果が消失してもそれを補い得る特
性を持つ樹脂を併用することにより、丸ベルトとプーリ
との摩擦係数を低減して丸ベルトの偏摩耗をなくすとと
もに、丸ベルトの曲率半径の大きい外周りにカット跡を
形成することによってベルト走行中の繰り返し屈曲疲労
を軽減してクラックや切断をなくそうとすることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、丸ベルト及びその製造方法を対象とし、
次のような解決手段を講じた。
【0011】すなわち、本発明の第1の解決手段は、丸
ベルトに関するものであり、第1の解決手段は、外周り
にゲート部カット跡とウェルド樹脂溜め部カット跡とを
有する丸ベルトをフッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱
可塑性エラストマーで成形し、その表面粗さRa を5〜
30μmに形成したことを特徴とする。
【0012】本発明に用いる熱可塑性エラストマーは、
ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱
可塑性エラストマーであり、これらの中では、特にポリ
ウレタン系の熱可塑性エラストマーが耐摩耗性、耐屈曲
疲労性の点で優れていることから好ましく用いられる。
【0013】熱可塑性エラストマーに添加し含有される
フッ素樹脂は粉末状であり、成形前に熱可塑性エラスト
マーに混合してもよいが、予め押出機で両者を溶融混合
してペレット化しておくことが好ましい。
【0014】熱可塑性エラストマーに対するフッ素樹脂
の添加量を2〜5wt%に設定したのは、2wt%未満では
摩擦係数の低減効果を期待することができず、一方、5
wt%を超えると添加量の増大に比例した摩擦係数の低減
効果が得られなくなるからである。
【0015】丸ベルトの表面粗さRa を5〜30μmに
形成したのは、5μm未満では、丸ベルトと駆動プーリ
及び従動プーリとの摩擦係数が高すぎてベルト走行時に
丸ベルトが偏摩耗するからである一方、30μmより大
きくすることは、研磨による粗面化では不可能であり、
金型による粗面化においても特殊意匠の放電加工等を要
し、金型代が大幅にアップして実用的でなくなるためで
ある。
【0016】本発明の第2及び第3の解決手段は、丸ベ
ルトの製造方法に関するものであり、第2の解決手段
は、丸ベルトの形状に対応するリング状のキャビティを
有し、熱可塑性エラストマーを上記キャビティに供給す
るゲート部と、供給に伴い上記キャビティ内のガスを押
しやるウェルド樹脂溜め部とが上記キャビティの外周り
に形成された成形金型を用意する。そして製造に当たっ
ては、まず、フッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱可塑
性エラストマーを溶融して上記成形金型のキャビティに
ゲート部を経て供給してリング状成形体を成形する。そ
の後、上記ゲート部及びウェルド樹脂溜め部に対応して
上記リング状成形体に一体に形成された固形樹脂を切断
除去した後、このリング状成形体の表面を研磨して表面
粗さRa が5〜30μmに形成された丸ベルトを得るこ
とを特徴とする。
【0017】本発明の第3の解決手段は、丸ベルトの形
状に対応し成形面の表面粗さRa が5〜30μmに形成
されたリング状のキャビティを有し、熱可塑性エラスト
マーを上記キャビティに供給するゲート部と、供給に伴
い上記キャビティ内のガスを押しやるウェルド樹脂溜め
部とが上記キャビティの外周りに形成された成形金型を
用意する。そして製造に当たっては、まず、フッ素樹脂
が2〜5wt%添加された熱可塑性エラストマーを溶融し
て上記成形金型のキャビティにゲート部を経て供給して
リング状成形体を成形する。その後、上記ゲート部及び
ウェルド樹脂溜め部に対応して上記リング状成形体に一
体に形成された固形樹脂を切断除去し、表面粗さRa が
5〜30μmに形成された丸ベルトを得ることを特徴と
する。
【0018】本発明の丸ベルトは、例えば射出成形法に
より得られる。射出成形等に用いられる成形金型は、固
定側型と移動側型とで構成され、各々の型には断面が半
円でリング状の凹部が形成され、型締めした時に両凹部
が合わさって断面円形のリング状のキャビティが形成さ
れる。
【0019】このキャビティに熱可塑性エラストマーを
供給して成形されたリング状成形体は、第2の解決手段
では、例えば成形後に2つの丸ベルト用プーリに90°
捻り(クォータターン掛け)又は180°捻り(たすき
掛け)で掛けられ、走行回転状態で従動側プーリの外方
より砥石を押し当てて研磨することにより粗面化され
る。第3の解決手段では、成形と同時にキャビティ成形
面の粗さによって粗面化される。
【0020】リング状成形体からゲート部及びウェルド
樹脂溜め部に対応する固形樹脂を切断除去するのは、丸
ベルトの外周曲率に合わせた曲率を有する刃物(ニッパ
等)により切断するのがカット跡の凹凸が少なくなって
好ましい。
【0021】上記の構成により、本発明の第1〜3の解
決手段では、5〜30μmの表面粗さRa によって丸ベ
ルトとプーリとの接触面積が少なくなり、両者間の摩擦
係数が低減して丸ベルトが偏摩耗しない。また、丸ベル
トの表面が長期使用により摩耗してその表面粗さRa が
十分でなくなっても、丸ベルト中にあるフッ素樹脂の特
性によって摩擦係数が低減し、さらには耐摩耗性も高く
なる。
【0022】得られた丸ベルトの外周りに成形金型のゲ
ート部及びウェルド樹脂溜め部のカット跡が付く。これ
らのカット跡は、クォータターン掛けで使用する場合に
駆動プーリ又は従動プーリへの巻付き箇所で外周りに位
置するときには順曲げとなって大きく伸ばされることは
ない。一方、上記カット跡が丸ベルトの自転により内周
りに位置するときは逆曲げになるが、該部分は圧縮側に
なっており、逆曲げで伸張される場合のようには大きく
伸びない。したがって、ベルト走行中においてカット跡
に作用する繰り返し屈曲疲労が軽減し、クラックや切断
の発生頻度が少なくなって丸ベルトの寿命が長くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0024】図2はローラコンベヤ1を示し、該ローラ
コンベヤ1は、複数本(図では2本のみ表れる)の支柱
2,2,…に水平に支持された2本のフレーム3,3を
備えてなり、該両フレーム3,3間には、図示しない駆
動モータの作動により回転せしめられる1本のラインシ
ャフト4が平行に配置されているとともに、多数本のロ
ーラ5,5,…が上記ラインシャフト4と直交するよう
に所定間隔をあけて回転自在に配置されている。
【0025】図1にも拡大詳示するように、上記ライン
シャフト4には、多数の駆動プーリ6,6,…が各ロー
ラ5の間隔に対応して遊嵌され、該各駆動プーリ6には
断面が略半円形の丸溝6aが形成されている。一方、上
記各ローラ5には断面が略半円形の丸溝7aが形成さ
れ、該部分でもって従動プーリ7を構成している。
【0026】また、上記各駆動プーリ6と各従動プーリ
7には、本発明の実施例に係る断面が円形の丸ベルト8
が巻き掛けられ、上記各駆動プーリ6は丸ベルト8の張
力により各従動プーリ7側に引っ張られて上記ラインシ
ャフト4に押し付けられ、この押付けにより発生する摩
擦力によって上記ラインシャフト4の回転を各駆動プー
リ6に伝えるようになされている。
【0027】そして、上記ラインシャフト4と各ローラ
5とが直交することから、駆動プーリ6と従動プーリ7
とに巻き掛けられている丸ベルト8は、クォータターン
掛けになっていて駆動プーリ6及び従動プーリ7に巻き
付く直前で捩れが生じている。したがって、捩れた状態
で駆動プーリ6及び従動プーリ7に巻き付いた丸ベルト
8は、図5矢印b方向の捩り力によって図5矢印c方向
に自転しながら駆動プーリ6及び従動プーリ7を上下方
向に向きを変えながら走行する。
【0028】本発明の特徴として、上記丸ベルト8は、
熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主原料とし、かつ
この主原料にフッ素樹脂が2〜5wt%添加された成形原
料で成形され、その表面粗さRa が少なくとも5〜30
μmに形成されている。
【0029】そして、この表面性状により丸ベルト8と
駆動プーリ6及び従動プーリ7との接触面積を少なくす
ることができ、両者の摩擦係数が高くなり過ぎるという
ことがなく、これにより丸ベルト8の駆動プーリ6及び
従動プーリ7上での図5矢印c方向への自転をスムーズ
に行い得、丸ベルト8が図5矢印e方向に移動すること
による偏摩耗を防止することができる。また、丸ベルト
8中に添加されているフッ素樹脂によっても摩擦係数を
低減することができることから、長期使用によって丸ベ
ルト8の表面粗さRa が小さくなっても、そのことによ
って摩擦係数が高くなることを十分に抑制することがで
き、さらには、フッ素樹脂の特性によって耐摩耗性をも
向上させることができる。
【0030】なお、上記丸ベルト8の外周りには、成形
に起因してゲート部カット跡とウェルド樹脂溜め部カッ
ト跡とが付いている(詳細は後述する製法のところに譲
る)。 上述の如く構成された丸ベルト8を製造する前
提として、図3及び図4に示すような成形金型9を用意
する。
【0031】該成形金型9は、各々断面が半円形をなす
固定側型10と移動側型11とで構成され、型締め状態
でこの固定側型10と移動側型11との間に丸ベルト8
の形状に対応する断面が円形でリング状のキャビティ1
2を形成している。また、このキャビティ12の外周り
で成形金型9中心に近い位置には、図示しない射出成形
機に接続され該射出成形機により射出された熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーを上記キャビティ12に供給す
るフィルム状ゲート部13が形成され、その180°反
対の位置には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーの供
給に伴い上記キャビティ12内のガスを押しやるウェル
ド樹脂溜め部14が形成され、該ウェルド樹脂溜め部1
4とキャビティ12との間にはフィルム状連結部15が
介設されている。したがって、射出成形機により射出さ
れた熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、金型中心の
スプルーからランナーを通り、ゲート部13を経てキャ
ビティ12に供給され、ゲート部13より2方向に分か
れてキャビティ12内のエアを金型割面等より型の外に
追い出しながらキャビティ12を充填していき、ウェル
ド部で合流して連結部15を経てウェルド樹脂溜め部1
4に合体部を形成するようになっている。なお、上記ゲ
ート部13及び連結部15をフィルム状にするのは、成
形後の切断がしやすく、また、応力集中が点ゲートのよ
うには起こりにくいからである。
【0032】そして、製造に当たっては、まず、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーの主原料に対しフッ素樹脂
を2〜5wt%の割合で添加した成形原料を射出成形機か
らゲート13を経てキャビティ12に射出してリング状
成形体を成形する。このリング状成形体には、スプル
ー、ランナー、ゲート部13、連結部15及びウェルド
樹脂溜め部14の樹脂が一体となった形成されている。
【0033】次いで、上記成形金型9を型開きして上記
リング状成形体を脱型し、上記ゲート部13及び連結部
15をリングの外周とほぼ同じ曲率を有する刃物(ニッ
パ等)で切断除去して丸ベルト8を得る。
【0034】その後、上記丸ベルト8の表面を表面粗さ
Ra が5〜30μmになるように研磨して粗面化する。
【0035】なお、この方法に代わって次の方法を採用
してもよい。つまり、キャビティ12の成形面の表面粗
さRa を5〜30μmにしておき、リング状成形体を成
形すると同時にその表面を粗面化するようにしてもよ
い。
【0036】次に、本実施例の丸ベルト8の走行試験の
データを比較例と共に表1に示す。このデータを得るに
当たっての条件は下記の如くある。
【0037】<走行試験機>20本のローラに丸ベルト
をクォータターン掛けしたローラコンベヤを用いた(図
1及び図2に参照)。駆動プーリの直径は36mm、従動
プーリの直径は30mmのものを用いた。その軸間距離は
125mm、駆動プーリの回転数は164rpmである。
【0038】<丸ベルト>直径6mmで長さ345mmの丸
ベルトを用いた。丸ベルトを構成する主原料は熱可塑性
ポリウレタンエラストマー(SH−070N 大日精化
(株)製)であり、これに対しフッ素樹脂の添加量を2
wt%と5wt%とに変えた。また、表面粗さRa を1μ
m、5μm、25μmの3段階に変えた。さらに、成形
金型のゲート部及びウェルド樹脂溜め部に対応するカッ
ト跡を丸ベルトの外周り又は内周りに形成した。この丸
ベルトを上記走行試験機の駆動プーリと従動プーリとに
巻き掛け、負荷トルク3kg・cm を掛けて走行させた。な
お、フッ素樹脂を添加していない従来仕様のものを比較
例8として併記する。
【0039】
【表1】
【0040】その結果、実施例1〜4は共に、3000
時間走行後であっても摩耗量が少なく、また、クラック
及び切断も発生しなかったが、比較例1〜8ではこれら
の評価項目を全て満たしたものはなかった。このデータ
からは次のことが言える。つまり、フッ素樹脂を2〜5
wt%添加することで摩擦係数を低減することができる。
また、表面粗さRa が大きい方が摩耗し難い。成形金型
のゲート部及びウェルド樹脂溜め部に対応するカット跡
を丸ベルトの外周りに設定した方がクラック及び切断の
発生がない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3に係
る本発明によれば、丸ベルトの表面粗さRa を5〜30
μmに設定したので、丸ベルトとプーリとの間の摩擦係
数を低減して丸ベルトの偏摩耗を防止することができ、
さらには、この粗面効果の消失後も、フッ素樹脂の存在
によってこれを十分に補うことができるとともに、耐摩
耗性を高めることができる。また、キャビティの外周り
に形成されたゲート部及びウェルド樹脂溜め部により、
そのカット跡を屈曲半径の大きな丸ベルト外周りに位置
させることができ、走行中における繰り返し屈曲疲労を
軽減してクラックや切断の発生頻度を少なくし、丸ベル
トの長寿命化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラコンベヤにおいて丸ベルトがクォータタ
ーン掛けされた駆動プーリと従動プーリとの配置図であ
る。
【図2】ローラコンベヤの斜視図である。
【図3】成形金型の移動側型を示す平面図である。
【図4】成形金型の縦面図である。
【図5】丸ベルトの偏摩耗の発生メカニズムを説明する
説明図である。
【符号の説明】
8 丸ベルト 9 成形金型 12 キャビティ 13 ゲート部 14 ウェルド樹脂溜め部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 75:00 B29L 29:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱可
    塑性エラストマーで成形され、外周りにゲート部カット
    跡とウェルド樹脂溜め部カット跡とを有し、表面粗さR
    a が5〜30μmに形成されたことを特徴とする丸ベル
    ト。
  2. 【請求項2】 丸ベルトの形状に対応するリング状のキ
    ャビティを有し、熱可塑性エラストマーを上記キャビテ
    ィに供給するゲート部と、供給に伴い上記キャビティ内
    のガスを押しやるウェルド樹脂溜め部とが上記キャビテ
    ィの外周りに形成された成形金型を用意し、 フッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱可塑性エラストマ
    ーを溶融して上記成形金型のキャビティにゲート部を経
    て供給してリング状成形体を成形し、 その後、上記ゲート部及びウェルド樹脂溜め部に対応し
    て上記リング状成形体に一体に形成された固形樹脂を切
    断除去した後、このリング状成形体の表面を研磨して表
    面粗さRa が5〜30μmに形成された丸ベルトを得る
    ことを特徴とする丸ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 丸ベルトの形状に対応し成形面の表面粗
    さRa が5〜30μmに形成されたリング状のキャビテ
    ィを有し、熱可塑性エラストマーを上記キャビティに供
    給するゲート部と、供給に伴い上記キャビティ内のガス
    を押しやるウェルド樹脂溜め部とが上記キャビティの外
    周りに形成された成形金型を用意し、 フッ素樹脂が2〜5wt%添加された熱可塑性エラストマ
    ーを溶融して上記成形金型のキャビティにゲート部を経
    て供給してリング状成形体を成形し、 その後、上記ゲート部及びウェルド樹脂溜め部に対応し
    て上記リング状成形体に一体に形成された固形樹脂を切
    断除去し、表面粗さRa が5〜30μmに形成された丸
    ベルトを得ることを特徴とする丸ベルトの製造方法。
JP18685095A 1995-07-24 1995-07-24 丸ベルト及びその製造方法 Withdrawn JPH0929855A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021038819A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 ダイキン工業株式会社 搬送車
KR20220152118A (ko) * 2021-05-07 2022-11-15 주추임 오버토크 방지장치 및 이를 구비한 회전간판

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021038819A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 ダイキン工業株式会社 搬送車
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