JP3174716B2 - 搬送用平ベルト及びその製造方法 - Google Patents

搬送用平ベルト及びその製造方法

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JP3174716B2
JP3174716B2 JP15720195A JP15720195A JP3174716B2 JP 3174716 B2 JP3174716 B2 JP 3174716B2 JP 15720195 A JP15720195 A JP 15720195A JP 15720195 A JP15720195 A JP 15720195A JP 3174716 B2 JP3174716 B2 JP 3174716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は搬送用平ベルトに係り、
詳しくは軸間距離調節機構を持たないレイアウトにおい
て使用され、伸縮可能でしかも耐引き裂き性を向上させ
た搬送用平ベルトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に軸間距離調節機構を持たないレイ
アウトにおいて使用される搬送用平ベルトは、ベルト取
付時にベルトが容易に伸縮する必要があるため、伸縮性
のある弾性体単体のベルトが使用されていた。しかしな
がら、弾性体単体のベルトは引き裂き抵抗性に乏しくて
紙葉類搬送中にベルトの切断故障が発生しやすかった。
このため、最近ではこれを改善するために、補強体とし
て編み立て機で筒状に編んだ伸縮性に富んだ丸編み布を
使用したベルトが使用されている。
【0003】更に、最近では、ベルトの周方向に短繊維
を配向させたゴム層を設け、ベルトの周方向に対する引
裂力を向上させ、紙葉類を挟んだ状態で多方向に搬送す
る搬送用平ベルトが特開平5−221548号公報に開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の弾性体
単体のベルトでは、ベルトの均質性は保たれるが、耐引
き裂き性において充分でない。特に、ベルト端面に何ら
かに理由により小さな亀裂が生じた場合、この亀裂の伝
播が速くて早期のベルト故障の原因になっていた。
【0005】一方、耐引き裂き性を向上させる目的で編
み布を埋設したベルトでは、端面に発生する亀裂の伝播
が遅くなるが、編み布が蛇行したり、編み目密度がベル
トの長手方向あるいは幅方向で均一でないために均質性
に欠け、ベルトの伸びに局部的な差が生じていた。これ
はベルトが搬送中に蛇行したり、プーリから外れたり、
あるいは搬送速度に差が生じる原因になっていた。更
に、ベルトの周方向に短繊維を配向させたゴム層を設け
たベルトでは、伸縮性に欠ける問題があった。また、液
状原料を回転する円筒形の金型内で硬化させる方法でベ
ルトを製造することができるが、外金型に該外金型より
小径の内金型を挿入し両金型間でベルト成形する方法の
場合には、ベルト中に気泡が残ってしまう不良が発生す
るという問題が起こっていた。本発明は、このような問
題点を改善するものであり、伸縮可能でしかも耐引き裂
き性を向上させた搬送用平ベルトおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴とす
るところは、熱硬化性液状ゴムからなるエラストマー層
に少なくとも一層の引き裂き防止層を配した搬送用平ベ
ルトにおいて、上記引き裂き防止層では短繊維がエラス
トマー中に分散し、しかも該短繊維の大多数が平面上で
2軸方向にランダムに配向している搬送用平ベルトにあ
る。また、本発明は引き裂き防止層の上下にエラストマ
ー層を設けたり、引き裂き防止層を表面層に配置した
り、短繊維の添加量が全エラストマー100重量部に対
して1〜20重量部であったり、短繊維の長さが0.0
5〜5mmで、繊維径が10〜30μmである搬送用平
ベルトも含む。また、ウレタン等の液状プレポリマーに
短繊維を混入した短繊維入り液状原料を垂直に配置した
円筒形の内外両金型間に注型し、金型の回転させてから
液状プレポリマーを架橋してベルトスリーブを形成し、
脱型したベルトスリーブを所定幅にカットすることによ
ってベルトを得る搬送用平ベルトの製造方法も含まれる
ものである。
【0007】
【作用】本発明の搬送用平ベルトでは、引き裂き防止層
において熱硬化性液状ゴムからなるエラストマー中に分
散した短繊維の大多数が2軸方向にランダム配向、即ち
3軸配向でなく平面配向しているために、各短繊維はベ
ルト長さ方向の引張力に対して効率よく補強して耐引き
裂き性も向上し、更に各短繊維は絡みあうことなく独立
して分散しているために伸縮性も損なうことがなく、伸
長下のベルトの走行でも引き裂きに対する耐久性が優れ
ている。また、短繊維の大多数を2軸方向にランダム配
向させ、かつ独立分散させているために、短繊維の添加
量を少なくすることができて良好なベルト伸縮性が維持
される。また、本発明の製造方法によると短繊維をベル
ト中にて様々な形態で2軸に配向した引き裂き防止層を
形成することができるとともに、エラストマー中の気泡
による不良も少ないベルトを得ることができる。
【0008】
【実施例】以下、添付図面を参照し、本発明の実施例を
説明する。図1は本発明に係る搬送用平ベルトの断面
図、図2は引き裂き防止層の断面斜視図、図3は本発明
に係る他の搬送用平ベルトの断面図、そして図4は本発
明に係る更に他の搬送用平ベルトの断面図である
【0009】図において、搬送用平ベルト1では、引き
裂き防止層2と上下のエラストマー層3からなり、この
エラストマー層3はそれぞれエラストマー単体からな
り、搬送物と接する搬送層6とプーリと接する駆動層7
とを形成している。一方、引き裂き防止層2では、エラ
ストマー中に分散している短繊維5の大多数が平面上で
2軸方向にランダム配向、即ち3軸配向でなく平面配向
している。各短繊維5はベルト長さ方向の引張力に対し
て効率よく補強し、かつ耐引き裂き性を向上させてい
る。更に、各短繊維5は絡みあうことなく独立して分散
しているために、ベルトに充分な伸縮性を与えている。
この引き裂き防止層2は、一層あるいはそれ以上でもよ
い。
【0010】このように短繊維5の大多数をエラストマ
ー中に平面上で2軸方向にランダム配向させた層が上記
引き裂き防止層2を形成し、ベルト補強層を担ってい
る。このため、引き裂き防止層2の厚さはベルト1の全
厚みの10〜90%、好ましくは20〜60%であり、
またこの層2に分散している短繊維5の添加量は全エラ
ストマー100重量部に対して1〜20重量%である。
1重量%未満になると、短繊維による補強効果が軽減し
て引き裂きが起こりやすくなり、このベルトは後で説明
するように遠心注型によって製造されるが、短繊維の添
加量が20%を超えると、遠心注型による成形ができ
ず、また短繊維同志が互いに絡み合って独立して分散し
なくなり、分散状態が不均一になって、ベルトの伸縮性
が損なわれる問題が発生する。
【0011】上記短繊維5は、ナイロン、ポリエステ
ル、アラミド、綿、ガラス等であり、これらの短繊維の
長さは0.05〜5mmで、繊維径が10〜30μmで
あり、最も好ましいのはフロックと呼ばれるものであ
る。もし、短繊維の長さが0.05mm未満になると、
平面上で2軸方向にランダム配向させる効果がなくなっ
て、ベルトの引き裂き防止効果が乏しくなる。一方、繊
維長が5mmを越えて長くなると、短繊維同志が互いに
絡み合って独立して分散しなくなり、分散状態が不均一
になって、ベルトの伸縮性が損なわれる。
【0012】図3に示す搬送用平ベルト1は、短繊維5
の大多数を平面上で2軸方向にランダム配向し、かつ独
立分散させた引き裂き防止層2と、エラストマー単体か
らなるエラストマー層3から形成されたものである。こ
のベルト1ではエラストマー層3側にそりが発生する傾
向があるが、伸縮可能で耐引き裂き性が向上する。
【0013】図4に示す搬送用平ベルト1は、短繊維5
の大多数を平面上で2軸方向にランダム配向し、かつ独
立分散させた引き裂き防止層2と、同じ構成の短繊維5
を含むエラストマー層3とから形成されている。しか
し、上記引き裂き防止層2に分散している短繊維5の添
加量がエラストマー層3のそれより大きくなっていると
とみに、短繊維の分散密度が引き裂き防止層2の外表面
9からエラストマー層3の内表面10に向かって徐々に
小さくなっている。
【0014】搬送用平ベルト1においては、その搬送物
および搬送方法によってスリップさせていけない場合に
は、高い摩擦係数が要求される。また、搬送物の取り込
み時に搬送物を破損させないためにある程度のスリップ
が要求される場合には、比較的低い摩擦係数が要求され
る。本発明のベルト1においては、搬送層6に短繊維を
含まない層を形成することにより、高い摩擦係数を得る
ことができ、また短繊維を含む層を表面に設けることに
より、低い摩擦係数を得ることができる。更に、安定し
た搬送を可能にするため、引き裂き防止層2を中心にし
て上下対称にエラストマー単体からなるエラストマー層
3を設けることにより、ベルト幅方向のそりを少なくす
ることができる。
【0015】また、ベルト長手方向に伸びの少ないベル
トを得るために図5に示すようにベルト内に高強力低伸
度のロープ抗張体をスパイラル状に埋設した心線を有す
る仕様にすることも可能である。本発明で使用するエラ
ストマーとしては、ポリウレタン、シリコン、カルボキ
シル基末端ポリブタジエン等の各種炭化水素系合成ゴム
等の熱硬化性液状ゴム等であり、最も好ましいのはポリ
ウレタンである。
【0016】このポリウレタンとは、活性水素末端線状
重合体とモル過剰の有機ポリイソシアネートとを反応さ
せて得られる末端にポリイソシアネート基を有するプレ
ポリマーにグリコール類、アミン類、ヒドラジド類、あ
るいはアミノアルコール類等を反応させて得られた高度
に弾性を有する重合体である。
【0017】前記の活性水素末端線状重合体としては、
完全に線状、または僅かに分岐した分子構造を有する分
子量250〜5000のポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール、ポリ炭化水素ポリオールか
ら適当に選択されるが、反応性、作業性においてはポリ
エーテルポリオールが好ましい。
【0018】有機ポリイソシアネートとしては、2.4
−トルエンジイソシアネート、2.6−トルエンジイソ
シアネート、1.5−ナフタレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(ピュアーMDI)、ポリメリ
ックMDI(クルードMDI)等があり、通常4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を変性
して液状としたものが使用される。
【0019】(搬送用平ベルトの評価)次に、本発明の
搬送用平ベルトを製造し、この特性を評価した。試作し
たベルトは、長さ0.2〜0.7mm、直径25μmの
ナイロン短繊維を平面上で2軸方向にランダムに配向さ
せ、しかも独立分散させた厚さ0.2mmの引き裂き防
止層の上部に厚さ0.3mmのエラストマー層と下部に
厚さ0.5mmのエラストマー層をもち、幅10mm、
内周長310mmを有するものである。
【0020】上記ベルトの製造方法は、以下の通りであ
る。まず、円筒状の内径100.6mmの外型を100
°Cに調節された高温槽内に置かれた遠心注型機に設置
した後、短繊維を含まないウレタン原液(プレポリマー
100重量部、4、4’−ジアミノ−3、3’ジクロロ
ジフェニルメタンである硬化剤8重量部、可塑剤40重
量部、触媒0.5重量部)を外型内に注型して遠心注型
機を回転数4500、5分間回転させて外型に半架橋し
た厚さ0.5mmのエラストマー層を形成した。
【0021】更に、上記ウレタン原液100重量部に対
して長さ0.2〜0.7mm、直径25μmのナイロン
短繊維を5重量%含んだウレタン原液をこの外型内に注
型して遠心注型機を回転数4500、12分間回転させ
た。このとき、ウレタン原液より比重の大きい短繊維は
遠心力により外側へ集まり、短繊維を多量に含み、その
大多数を平面上で2軸方向にランダムに配向し、しかも
独立分散させた架橋した厚さ0.2mmの引き裂き防止
層が形成された。また同時に、この内周面には短繊維を
ほとんど含まない厚さ0.5mmのエラストマー層が形
成された。尚、上記引き裂き防止層と短繊維をほとんど
含まないエラストマー層とは分離しないで一体に成形さ
れている。
【0022】このように形成された厚さ1.2mmの架
橋したスリーブを厚さ1.0mmになるまで外周面をグ
ラインダーによって研磨し、その後カッターで切断して
幅10mmの搬送用平ベルトを得た。
【0023】尚、比較例1では、引き裂き防止層のない
ウレタンエラストマー層からなる全厚さ1.0mm、幅
10mmの搬送用平ベルトを使用した。また、比較例2
では、厚み約0.3mmのポリエステルを素材とした丸
編み布をウレタンエラストマー層のほぼ中心に積層した
全厚さ1.0mm、幅10mmの搬送用平ベルトを使用
した。
【0024】上記作製されたベルトと比較例のベルトの
引き裂き力、引き裂きに対する耐久性、回転変動、走行
中のベルト横振れ量を下記の方法により測定した結果を
表1に示す。
【0025】1.ベルトの引き裂き力 この測定はJIS K6301に基づいて測定した。
【0026】2.引き裂きに対する耐久性 側端部に幅1mmの切り込みを入れた試験ベルトを伸長
率10%にて、直径20mmの平プーリを有する駆動軸
と同径の平プーリを有する従動軸に取り付け、室温下に
て駆動プーリの回転数2000rpm、従動軸負荷無し
で100時間走行させた後のベルトの状態を観測した。
【0027】3.回転変動 この試験方法では、試験ベルトを伸長率10%にて直径
20mmの平プーリを有する駆動軸と同径の平プーリを
有する従動軸に取り付け、室温下にて駆動プーリの回転
数60rpm、従動軸負荷無しで走行させ、従動軸に取
り付けたロータリーエンコーダーによって従動軸の回転
変動を測定した。尚、駆動軸にはモーターによる回転変
動をなくするため充分な慣性重量を有したフライホイル
を取り付けた。
【0028】4.走行中のベルト横振れ量 この試験方法では、試験ベルトを伸長率10%にて直径
20mmの平プーリを有する駆動軸と同径の平プーリを
有する従動軸に取り付け、室温下にて駆動プーリの回転
数500rpm、従動軸負荷無しで走行させ、赤外線タ
イプの横振れ量測定器にて振れ幅を測定した。
【0029】
【表1】
【0030】この結果、本発明の搬送用平ベルトは、引
き裂き防止層をもたないベルトに比較して80%大きな
引き裂き力を有し、また編み布を使用した従来のベルト
に比較しても20%大きな引き裂き力を有している。ベ
ルト伸長下の耐久試験でも、本発明のベルトは従来のベ
ルトに比べて優れていることが判る。また、本発明に係
るベルトの回転変動試験や走行中のベルト横振れは、引
き裂き防止層をもたないベルトと同等で、また従来のベ
ルトに比べて優れていることが判る。
【0031】次に本発明の搬送用平ベルトで、例えばベ
ルト内に心線を埋設するようなベルトを製造する場合に
使用する金型は、内金型を外金型に挿入して行う。その
場合エラストマー中の気泡が抜けにくく気泡を含んだ不
良が発生しがちである。そこで請求項7から11までの
ような方法を用いれば、良好に脱泡することができて不
良を減じることができる。搬送用平ベルト1の実施例の
うち図1に示すベルトの中間部に引き裂き防止層である
2軸に配向された短繊維の層が存在する搬送用平ベルト
の製造方法に係わる具体的実施例を次に説明する。もち
ろん、本発明の製造方法は以下に説明する実施例に限定
されるものではない。
【0032】図5、図6、図7、図8は本発明の製造方
法に係わる実施例を示す断面図である。ベルト表面の搬
送層6形成用の原料Lとしてウレタンの液状プレポリマ
ー100重量部に対し、可塑剤40重量部を加えこれを
攪拌して60°Cに保温し、気泡の消滅性を良くするた
めにこの混合物を予熱後、脱泡しておく。硬化剤を8重
量部に触媒0.5重量部を加え、110°Cで保温す
る。
【0033】引き裂き防止層2及びベルト内側の駆動層
7形成用の原料Rとしてウレタンの液状プレポリマー1
00重量部に対し、ナイロン短繊維(繊維長さ0.2〜
0.7mm 繊維径φ25μm)5重量部を加え、さら
に可塑剤40重量部を加えて攪拌を行う。これを60°
Cに保温する。気泡の消滅性を良くするために、この混
合物を予熱後、脱泡しておく。硬化剤を8重量部に触媒
0.5重量部を加えて110°Cで保温する。
【0034】約φ100mmの円筒状の内金型11を外
金型12に挿入しこの金型を恒温槽内に置く等の手段で
100°Cに調節された遠心成形機上の底金型13に置
き、さらに上金型14を内金型11、外金型12の上に
載せて固定し金型を形成する。図5に示すように予め準
備したベルト表面の駆動層6用の原料Lを内金型11の
内側に金型を低速回転させた状態で注入する。この時の
注入量は、ベルト表面の駆動層6の厚みを所定厚みにす
るため調整する必要がある。
【0035】図6に示すように約4500rpm(約1
0000Nの遠心力がかかる)で金型を回転させてゲー
ト15から金型内に原料Lを注型し、外側の搬送層6を
半架橋させて、脱泡と硬化をする。図7に示すように搬
送層6の半架橋が完了したところで金型の回転を停止さ
せる。次に図8に示すように引き裂き防止層2及びベル
ト内側の駆動層7形成用の原料Rを金型に注入して金型
の回転数を4500rpm(約10000Nの遠心力が
かかる)まで約30秒間かけて徐々に上昇させる。回転
が一定したところで約12分間架橋を行う。架橋完了
後、成形機から金型を取り出し、成形品を脱型するとベ
ルトの中間部に引き裂き防止層2を有するベルトスリー
ブができ、所定幅にカットすることによってベルトを得
ることができる。
【0036】図3に示す、ベルトの表面に引き裂き防止
層2である短繊維を2軸方向に配向した短繊維の層が有
する搬送用平ベルトの場合は、最初から短繊維入りの原
料Rでベルト全体を形成するよりも少し多い量を注入す
ることによって製造することができる。以上のような製
造方法では、短繊維入りの原料Rを金型内へ注型する際
に金型の回転数が高すぎると短繊維が金型内の下部分に
存在するゲート15付近で遠心力により外金型12の内
壁側へ張りついてしまい、ベルトスリーブの全体に平均
的な厚みの引き裂き防止層2を形成することができない
ので、短繊維入り原料を注型するときは金型を低い回転
数で回転させた状態で原料Rを注型するようにする。そ
うすることによって短繊維は円筒状金型の上部までほぼ
一様に分散し、その後に回転を高くすると引き裂き防止
層2も均一な厚みに形成することができる。
【0037】また、金型の回転を低速状態にしておき原
料Lを注入・注型したあと、回転を徐々に増加させるこ
ともできる。原料注入時の回転数は原料にかかる遠心力
が1000N以下になるよう設定する必要がある。遠心
力を1000N以下にするための回転数は金型の径によ
って異なり、遠心力:F〔N〕、金型の半径:r
〔m〕、金型の1分間の回転数:W〔rpm〕とする
と、次式 W=30/π(F/r)1/2 で求められる回転数とする。例えばφ100mmの金型
であれば、約1350rpm以下に設定する。
【0038】また、この製造方法では、短繊維を2軸に
配向した層を有するベルトが得られるとともに、ベルト
中の気泡による不良も起きにくい。それは、遠心力によ
り原料中の気泡は内側に移動し、消滅するが、内金型1
1の表面付近に存在していた気泡は上側のゲート16か
ら逃がすことができるからである。以上、ベルトの表面
に引き裂き防止層2がある場合と、ベルトの中間部に引
き裂き防止層2がある場合の製造工程を説明したが、そ
の他にも架橋するときの回転数を幾分低め(例えば43
0rpm、100N)に設定することによって、図4に
示すような引き裂き防止層2と駆動層7との境界が不明
確なベルトを製造することも可能である。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の搬送用平ベルトで
は、引き裂き防止層においてエラストマー中に分散した
短繊維の大多数が2軸方向にランダム配向、即ち3軸配
向でなく平面配向しているために、各短繊維はベルト長
さ方向の引張力に対して効率よく補強して耐引き裂き性
を向上させ、更に各短繊維は絡みあうことなく独立して
分散し、そして添加量が少ないために伸縮性も損なうこ
とがなく、このため耐久性がよく、回転変動やベルト横
振れが少なく効果がある。また、本発明の製造方法によ
ると短繊維が2軸方向にランダム配向した引き裂き防止
層をベルトの所望の位置に容易に配置形成することがで
きるとともに気泡などの不良の少ないベルトを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送用平ベルトの断面図である。
【図2】引き裂き防止層の断面斜視図である。
【図3】本発明に係る他の搬送用平ベルトの断面図であ
る。
【図4】本発明に係る更に他の搬送用平ベルトの断面図
である。
【図5】図1に示す搬送用平ベルトの製造方法の工程を
示す断面図である。
【図6】図1に示す搬送用平ベルトの製造方法の工程を
示す断面図である。
【図7】図1に示す搬送用平ベルトの製造方法の工程を
示す断面図である。
【図8】図1に示す搬送用平ベルトの製造方法の工程を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 搬送用平ベルト 2 引き裂き防止層 3 エラストマー層 5 短繊維 6 搬送層 7 駆動層 11 内金型 12 外金型 13 上金型 14 底金型 L 搬送面用の原料 R 引き裂き防止層及び駆動面用の原料
フロントページの続き (72)発明者 松尾 康則 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三 ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 大川 博司 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三 ツ星ベルト株式会社内 審査官 鳥居 稔 (56)参考文献 特開 平5−77235(JP,A) 特開 昭62−259912(JP,A) 実公 昭47−7537(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 15/30 - 15/58 B29C 47/00 - 47/96

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性液状ゴムからなるエラストマー
    層に少なくとも一層の引き裂き防止層を配した搬送用平
    ベルトにおいて、上記引き裂き防止層では短繊維がエラ
    ストマー中に分散し、しかも該短繊維の大多数が平面上
    で2軸方向にランダムに配向していることを特徴とする
    搬送用平ベルト。
  2. 【請求項2】 短繊維の大多数が独立して分散している
    請求項1記載の搬送用平ベルト。
  3. 【請求項3】 引き裂き防止層の上下にエラストマー層
    配置している請求項1又は2記載の搬送用平ベルト。
  4. 【請求項4】 引き裂き防止層表面層に配置している
    請求項1または2記載の搬送用平ベルト。
  5. 【請求項5】 短繊維の添加量が全エラストマー100
    重量部に対して1〜20重量部である請求項1、2、3
    または4記載の搬送用平ベルト。
  6. 【請求項6】 短繊維の長さが0.05〜5mmで、繊
    維径が10〜30μmである請求項1、2、3または4
    記載の搬送用平ベルト。
  7. 【請求項7】 円筒形の外金型に該外金型より小径の円
    筒形である内金型を挿入したものを軸が略垂直方向にな
    るよう回転装置に設置し、液状プレポリマーに短繊維を
    混入した短繊維入り液状原料を比較的低速で回転してい
    る前記両金型間に注型し、両金型を回転数を上昇させる
    ことにより液状原料内に短繊維が2軸配向した層を形成
    した状態で液状原料を架橋させ円筒形のスリーブ状と
    し、金型から取り出したのちに所定幅にカットすること
    によって引き裂き防止層を有するベルトを得ることを特
    徴とする搬送用平ベルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 円筒形の外金型に該外金型より小径の円
    筒形である内金型を挿入したものを軸が略垂直方向にな
    るよう回転装置に設置し、金型を回転させた状態で、
    繊維を含まない液状原料と硬化剤の混合物を前記両金型
    間に注型し、両金型間の外周側に半架橋の短繊維を含ま
    ないエラストマー層を形成した後に、液状プレポリマー
    に短繊維を混入した短繊維入り液状原料を比較的低速で
    回転している前記両金型間に注型し、両金型を回転数を
    上昇させることにより液状原料内に短繊維が2軸配向し
    た層を、前記短繊維を含まないエラストマー層の内周側
    に形成した状態で液状原料を架橋させ円筒形のスリーブ
    状とし、金型から取り出したのちに所定幅にカットする
    ことによって引き裂き防止層を有するベルトを得ること
    を特徴とする搬送用平ベルトの製造方法。
  9. 【請求項9】 液状プレポリマーに短繊維を混入した短
    繊維入り液状原料を略垂直方向に設置した両金型の下部
    に配置した注型ゲートより金型内に注型する請求項7ま
    たは8記載の搬送用平ベルトの製造方法。
  10. 【請求項10】 短繊維入りの液状原料を注型する際の
    金型の回転数は液状原料にかかる遠心力が1000N以
    下となるように設定した請求項7、8または9に記載の
    搬送用平ベルトの製造方法。
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