JPH09298211A - 圧接型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

圧接型半導体装置およびその製造方法

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JPH09298211A
JPH09298211A JP8113591A JP11359196A JPH09298211A JP H09298211 A JPH09298211 A JP H09298211A JP 8113591 A JP8113591 A JP 8113591A JP 11359196 A JP11359196 A JP 11359196A JP H09298211 A JPH09298211 A JP H09298211A
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Japan
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semiconductor substrate
heat compensating
heat
semiconductor device
edge
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JP8113591A
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Kenichi Honda
憲一 本田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極層と陰極層との間の電位差に起因する沿
面放電の防止能力を向上した圧接型半導体装置を提供す
るとともに、構成を簡単化し、製造工程を簡略化した圧
接型半導体装置を提供する。 【解決手段】 端面保護部材80はセラミックス等の絶
縁材料で構成され、外周端面の断面輪郭が略円形の凹凸
が連続した波打ち形状で、内部が有底無蓋の円筒形状で
あり、陽極熱補償板6、半導体基体19、陰極熱補償板
7が順にその内部に挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧接型半導体装置お
よびその製造方法に関し、特に、半導体基体と熱補償板
とがアロイフリーで接触する圧接型半導体装置およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧接型半導体装置のうちの一つのタイプ
として、半導体基体がアロイフリー、すなわちロウ付け
なしで装置内に組込まれたものが知られている。図14
は、従来のアロイフリー型の圧接型半導体装置として構
成されたサイリスタ99の断面を示す図である。図14
において、この圧接型半導体装置では、少なくとも1の
PN接合部を有する半導体基板1の下主面および上主面
に各々陽極層2および陰極層4が、また半導体基板1の
上主面の中心部にはゲート電極層3が形成されて半導体
基体19となっている。なお、半導体基板1の外周端縁
には、当該外周端縁に露出するPN接合部を絶縁及び保
護するポリイミドワニス5が塗布されている。
【0003】また、円盤状の陽極熱補償板6および陰極
熱補償板7が、各々陽極層2および陰極層4の表面にア
ロイフリーで接触するように設けられているとともに、
これら陽極熱補償板6および陰極熱補償板7の各々の表
面に接触するように、陽極銅ブロック15および陰極銅
ブロック16がそれぞれ設けられている。
【0004】これらの構成体は円筒状のセラミック製の
ケーシング14に収容されており、陽極銅ブロック15
および陰極銅ブロック16の各々の基部が、それぞれ金
属製のフランジ151および161を介してケーシング
14に連結されている。
【0005】ゲート電極層3上部の陰極熱補償板7の中
央には貫通孔7Hが設けられ、これに対応して陰極銅ブ
ロック16には非貫通孔16Hが設けられており、この
貫通孔7Hと非貫通孔16Hによって形成される挿入孔
にゲート電極支持体12が摺動可能に挿入される。ゲー
ト電極層3は、ゲート電極支持体12内を貫通しケーシ
ング14の外部に引き出されたL字型のゲートリード1
1の一端に接続されている。また、ゲート電極支持体1
2は、非貫通孔16Hの底面とゲート電極支持体12の
端面との間に介挿されたバネ13によって半導体基体1
9の方向に付勢されている。
【0006】また、半導体基体19の端縁部を保護する
ための端面保護部材8が、陽極熱補償板6の外周端縁に
内接するように設けられている。端面保護部材8はセラ
ミックス等の絶縁材料で構成され、有底無蓋の円筒形状
であり、陽極熱補償板6、半導体基体19、陰極熱補償
板7が順にその内部に挿入されている。
【0007】従って、端面保護部材8は陽極熱補償板6
の下主面端縁に接するとともに、陽極熱補償板6、半導
体基体19、陰極熱補償板7の周囲を取り囲んでいる。
なお、陽極熱補償板6の外周端縁には内接するが、半導
体基体19および陰極熱補償板71の外周端縁には内接
していない。
【0008】そして、端面保護部材8の内面と半導体基
体19の端縁部との間には、半導体基板1の外周端縁に
沿った沿面放電の防止と、半導体基板1の外周端縁の保
護を兼ねて、半導体基体19の端縁部および陽極熱補償
板6の上主面端縁を覆うように絶縁保持材9が形成され
ている。なお、絶縁保持材9は液状の樹脂を硬化させる
ことによって形成される。
【0009】絶縁保持材9は陰極熱補償板7の外周端縁
を取り囲んでいるが、直接には接触しておらず、陰極熱
補償板7の外周端縁と絶縁保持材9との間には、絶縁保
持材10が介在している。なお、絶縁保持材10は絶縁
保持材9よりも流動性の低い(すなわち粘性の高い)液
状の樹脂を硬化させることによって形成される。
【0010】絶縁保持材9は、端面保護部材8の内面、
半導体基体19の端縁部、陽極熱補償板6の上主面端縁
に固着し、絶縁保持材10は陰極熱補償板7と、半導体
基体19の上主面の陽極層2と、絶縁保持材9とに固着
しているので、端面保護部材8は陽極熱補償板6、半導
体基体19、陰極熱補償板7と実質的に一体化してい
る。
【0011】そして、端面保護部材8の外径寸法をケー
シング14の内径寸法とほぼ一致させることで、端面保
護部材8のケーシング14内における水平方向の位置が
決まるので、ゲートリード11とゲート電極層3との水
平方向の位置も自動的に決まることになる。
【0012】このような構成のサイリスタ99を所定の
機器内で使用するときには、図14に矢示するように、
陽極銅ブロック15および陰極銅ブロック16方向から
力を加えることで、陽極銅ブロック15および陰極銅ブ
ロック16を介して、陽極熱補償板6および陰極熱補償
板7が半導体基体19の陽極層2および陰極層4に圧接
され、電気的な接続が保たれることになる。
【0013】次に、図15〜図18を用いてサイリスタ
99の製造工程について説明する。まず、図15に示す
工程において端面保護部材8内に陽極熱補償板6を挿入
する。陽極熱補償板6は上主面に突出部61を有し、突
出部61は半導体基体19が陽極熱補償板6の上主面上
の所定の位置に配置された状態において、半導体基体1
9の陽極層2と陽極熱補償板6が接触する接触面62の
外径を規定している。
【0014】そして、接触面62の端縁部には断面形状
がV字形のリング状の溝部63が形成されている。ま
た、溝部63の底面から、陽極熱補償板6の主面に垂直
な方向に延びた複数の貫通孔64aが設けられ、接触面
62の中央部にも貫通孔64bが設けれられている。
【0015】次に、図16に示す工程において陽極熱補
償板6の接触面62に陽極層2が接触するように半導体
基体19を載置する。
【0016】次に、図17に示す工程において半導体基
体19の陰極層4およびゲート電極層3を覆うように治
具J1を載置する。治具J1の外径寸法は陰極熱補償板
7の外径寸法よりも大きく、その厚さは、半導体基体1
9上に搭載した状態で上主面が端面保護部材8の上部端
面より厚くなるように設定される。そして、半導体基体
19、陽極熱補償板6、治具J1、端面保護部材8とで
規定される空間内に、液状の樹脂R1を流し込み、真空
脱泡、熱硬化(ベーク)の工程を経て絶縁保持材9の形
成が完了する。
【0017】なお、樹脂R1を流し込み、真空脱泡を行
うと、半導体基体19の陽極層2と陽極熱補償板6との
間に毛細管現象により樹脂R1が侵入するが、陽極熱補
償板6の端縁部に設けられた溝部63に流入し、溝部6
3よりも径方向内側には樹脂R1が侵入することが防止
される。
【0018】また、真空脱泡とは、樹脂R1の充填が終
了した状態で、真空槽(図示せず)内に上記構成を配置
し、真空下で樹脂R1から発生する泡を除去する作業で
あり、このとき、半導体基体19と陽極熱補償板6との
間には、空気や樹脂R1から発生したガスが溜まること
があるが、貫通孔64aおよび64bにより排気される
ので、真空中で圧力差により半導体基体19が撓むなど
の不具合が防止される。
【0019】絶縁保持材9が形成された後、治具J1を
取り外し、代わりに陰極熱補償板7を陰極層4上に載置
する。治具J1の外径寸法は陰極熱補償板7のそれより
も大きいので、陰極熱補償板7の外周端縁と、絶縁保持
材9の内周端縁との間には、所定の幅を有するリング状
の間隙が形成されることになる。そして、図18に示す
工程において、当該間隙内に流動性の低い(すなわち粘
性の高い)液状の樹脂R2を流し込み、硬化することで
絶縁保持材10が形成され、陰極熱補償板7と半導体基
体19の上主面の陽極層2と絶縁保持材9とが接着され
ることになる。
【0020】なお、実質的に一体化した端面保護部材
8、陽極熱補償板6、半導体基体19、陰極熱補償板7
を、ケーシング14内に挿入し、ゲート電極支持体1
2、ゲートリード11を配設して、陽極銅ブロック15
および陰極銅ブロック16で挟持することでサイリスタ
99が完成するが、これらの工程については本発明との
関係が薄いので詳細説明は省略する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
図14に示す従来の圧接型半導体装置では、陽極熱補償
板6、半導体基体19、陰極熱補償板7を端面保護部材
8内に挿入し、実質的に一体化した構成としている。こ
のような構成とするのは、半導体基体19の端縁部を保
護するとともに、半導体基体19の端縁部において陽極
層2と陰極層4との間の絶縁が破壊されるのを防止する
ために、沿面距離を長くする目的を有している。
【0022】しかし、端面保護部材8は外観形状が単純
な円筒形状であったので、沿面距離が十分に得られない
という問題があった。
【0023】また、絶縁保持材10を用いて陰極熱補償
板7と絶縁保持材9とを接着する構成としていたので、
治具J1を用いて絶縁保持材9の形成を行い、治具J1
を取り外した後に陰極熱補償板7を陰極層4上に載置
し、陰極熱補償板7と絶縁保持材9との間に絶縁保持材
10の原料となる樹脂R2を流し込むなど、製造工程が
煩雑であるという問題もあった。
【0024】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、陽極層と陰極層との間の電位差に
起因する沿面放電の防止能力を向上した圧接型半導体装
置を提供するとともに、構成を簡単化し、製造工程を簡
略化した圧接型半導体装置を提供する。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の圧接型半導体装置は、少なくとも1つのPN接合を
有する半導体基体と、該半導体基体を挟持してアロイフ
リーで圧接する第1および第2の熱補償板と、前記半導
体基体の端面を保護する端面保護部材とを有し、前記端
面保護部材は、前記半導体基体、前記第1および第2の
熱補償板を囲むように配設され、前記端面保護部材の内
側面、前記半導体基体の端縁部、前記第1および第2の
熱補償板の端縁部で規定される空間内に絶縁保持材が形
成された圧接型半導体装置において、前記絶縁保持材
は、前記端面保護部材の内側面、前記半導体基体の端縁
部、前記第1および第2の熱補償板の端縁部に固着する
ように、前記空間内全体に渡って形成されている。
【0026】本発明に係る請求項2記載の圧接型半導体
装置は、前記端面保護部材が、その外周端面の断面輪郭
形状が、凹凸が連続した形状である。
【0027】本発明に係る請求項3記載の圧接型半導体
装置は、少なくとも1つのPN接合を有する半導体基体
と、該半導体基体を挟持してアロイフリーで圧接する第
1および第2の熱補償板と、それらを収容する絶縁性の
ケーシングとを有する圧接型半導体装置において、前記
半導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償板の
端縁部を取り囲むように覆い、その外径寸法が前記ケー
シングの内径寸法とほぼ一致するように形成された絶縁
保持材を備えている。
【0028】本発明に係る請求項4記載の圧接型半導体
装置は、前記絶縁保持材が、前記第1および第2の熱補
償板のそれぞれの前記半導体基体に対向する主面とは反
対側の主面の端縁部の、第1および第2の熱補償板を挟
持する部材の外周端縁に等しくなる位置まで延在する
が、該所定位置よりも前記第1および第2の熱補償板の
径方向内側には存在しないように形成されている。
【0029】本発明に係る請求項5記載の圧接型半導体
装置は、前記第1および第2の熱補償板が、前記半導体
基体に対向する主面の端縁部の前記半導体基体を圧接す
る圧接領域よりも外側に、リング状の第1および第2の
溝部をそれぞれ有している。
【0030】本発明に係る請求項6記載の圧接型半導体
装置は、少なくとも1つのPN接合を有する半導体基体
と、該半導体基体を挟持してアロイフリーで圧接する第
1および第2の熱補償板と、前記半導体基体の端面を保
護する端面保護部材とを有し、前記端面保護部材は、前
記半導体基体、前記第1および第2の熱補償板を囲むよ
うに配設され、前記端面保護部材の内側面、前記半導体
基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償板の端縁部
で規定される空間内に、前記第1の熱補償板および前記
半導体基体の端縁部に固着するとともに、前記第2の熱
補償板の外周端縁に対向するように形成された第1の絶
縁保持材と、前記第1の絶縁保持材と前記第2の熱補償
板の外周端縁とに固着するように形成された第2の絶縁
保持材とを有する圧接型半導体装置において、前記端面
保護部材は、その外周端面の断面輪郭形状が、凹凸が連
続した形状である。
【0031】本発明に係る請求項7記載の圧接型半導体
装置の製造方法は、請求項2記載の圧接型半導体装置を
製造する方法であって、その底面中央に、周囲よりも突
出し前記第1の熱補償板の前記半導体基体に対向する主
面とは反対側の主面の所定領域のみを覆う大きさの突出
部を有し、その内径寸法が、前記ケーシングの内径寸法
とほぼ一致する略凹形状の第1の成形治具を準備する工
程(a)と、前記第1の成形治具と対をなし、その端縁部
に樹脂導入用の樹脂導入部を、その主面中央に、周囲よ
りも突出し前記第2の熱補償板の前記半導体基体に対向
する主面とは反対側の主面の所定領域のみを覆う大きさ
の突出部を有する略凸形状の第2の成形治具を準備する
工程(b)と、前記第1の成形治具の突出部上に、前記第
1の熱補償板、前記半導体基体、前記第2の熱補償板を
順に載置する工程(c)と、それぞれの突出部が向き合う
ように、前記第1の成形治具と前記第2の成形治具とを
組み合わせ、前記第1の熱補償板、前記半導体基体、前
記第2の熱補償板を内部に密閉する工程(d)と、前記樹
脂導入部から所定の樹脂を導入し、前記第1の熱補償板
の端縁部、前記半導体基体の端縁部、前記第2の熱補償
板の端縁部と前記第1および第2の成形治具の内面とで
規定される空間内に前記樹脂を充填する工程(e)と、充
填された前記所定の樹脂を硬化して前記絶縁保持材を形
成する工程(f)とを備えている。
【0032】本発明に係る請求項8記載の圧接型半導体
装置の製造方法は、前記第1の成形治具が、その底面に
所定の位置合わせマークを有し、前記工程(c)は、前記
第1の成形治具の前記所定の位置合わせマークと、前記
第1の熱補償板および前記半導体基体の外径寸法とを一
致させることで、前記第1の熱補償板および前記半導体
基体の位置決めを行う工程を含んでいる。
【0033】
【発明の実施の形態】
<A.実施の形態1> <A−1.装置構成>図1に本発明に係る圧接型半導体
装置の実施の形態1として、サイリスタ100の構成を
断面図で示す。図1において、この圧接型半導体装置で
は、少なくとも1のPN接合部を有する半導体基板1の
下主面および上主面に各々陽極層2および陰極層4が、
また半導体基板1の上主面の中心部にはゲート電極層3
が形成されて半導体基体19となっている。なお、半導
体基板1の外周端縁には、当該外周端縁に露出するPN
接合部を絶縁及び保護するポリイミドワニス5が塗布さ
れている。
【0034】また、円盤状の陽極熱補償板(第1の熱補
償板)6および陰極熱補償板(第2の熱補償板)7が、
各々陽極層2および陰極層4の表面にアロイフリーで接
触するように設けられているとともに、これら陽極熱補
償板6および陰極熱補償板7の各々の表面に接触するよ
うに、陽極銅ブロック15および陰極銅ブロック16が
それぞれ設けられている。
【0035】これらの構成体は円筒状のセラミック製の
ケーシング140に収容されており、陽極銅ブロック1
5および陰極銅ブロック16の各々の基部が、それぞれ
金属製のフランジ151および161を介してケーシン
グ140に連結されている。
【0036】ゲート電極層3上部の陰極熱補償板7の中
央には貫通孔7Hが設けられ、これに対応して陰極銅ブ
ロック16には非貫通孔16Hが設けられており、この
貫通孔7Hと非貫通孔16Hによって形成される挿入孔
にゲート電極支持体12が摺動可能に挿入される。ゲー
ト電極層3は、ゲート電極支持体12内を貫通しケーシ
ング140の外部に引き出されたL字型のゲートリード
11の一端に接続されている。また、ゲート電極支持体
12は、非貫通孔16Hの底面とゲート電極支持体12
の端面との間に介挿されたバネ13によって半導体基体
19の方向に付勢されている。また、半導体基体19の
端縁部を保護するための端面保護部材80が、陽極熱補
償板6の外周端縁に内接するように設けられている。
【0037】図2に、端面保護部材80の内部に陽極熱
補償板6、半導体基体19、陰極熱補償板7を組み込ん
だ状態の構成を斜視断面図で示す。
【0038】図2に示すように、端面保護部材80はセ
ラミックス等の絶縁材料で構成され、外周端面の断面輪
郭が略円形の凹凸が連続した波打ち形状で、内部が有底
無蓋の円筒形状であり、陽極熱補償板6、半導体基体1
9、陰極熱補償板7が順にその内部に挿入されている。
なお、端面保護部材80の底部には開口部が設けられ、
陽極銅ブロック15はこの開口部に露出した陽極熱補償
板6の下主面に接触する構成となっている。
【0039】従って、端面保護部材80は陽極熱補償板
6の下主面端縁に接するとともに、陽極熱補償板6、半
導体基体19、陰極熱補償板7の周囲を取り囲んでい
る。なお、端面保護部材80は陽極熱補償板6の外周端
縁には内接するが、半導体基体19および陰極熱補償板
7の外周端縁には内接していない。
【0040】そして、端面保護部材80の内面と半導体
基体19の端縁部との間には、半導体基板1の外周端縁
に沿った沿面放電の防止と、半導体基板1の外周端縁の
保護を兼ねて、半導体基体19の端縁部および陽極熱補
償板6の上主面端縁を覆うように絶縁保持材9が形成さ
れている。なお、絶縁保持材9は液状の樹脂を硬化させ
ることによって形成される。
【0041】絶縁保持材9は陰極熱補償板7の外周端縁
を取り囲んでいるが、直接には接触しておらず、陰極熱
補償板7の外周端縁と絶縁保持材9との間には、絶縁保
持材10が介在している。なお、絶縁保持材10は絶縁
保持材9よりも流動性の低い(すなわち粘性の高い)液
状の樹脂を硬化させることによって形成される。なお、
絶縁保持材9および絶縁保持材10の原料となる樹脂
は、例えばどちらもシリコーンゴム系の樹脂であるが、
その組成の差異によって流動性が異なっている。
【0042】絶縁保持材9は、端面保護部材80の内
面、半導体基体19の端縁部、陽極熱補償板6の上主面
端縁に固着し、絶縁保持材10は、陰極熱補償板7と半
導体基体19の上主面の陽極層2と絶縁保持材9とに固
着しているので、端面保護部材80は陽極熱補償板6、
半導体基体19、陰極熱補償板7と実質的に一体化して
いる。
【0043】なお、以上の説明においてはサイリスタに
本発明を適用した例を示したが、圧接型半導体装置であ
れば整流素子、ゲートターンオフサイリスタ、光トリガ
サイリスタに適用しても良いことは言うまでもない。
【0044】<A−2.特徴的作用効果>以上説明した
ように、本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態1
によれば、端面保護部材80の外周端面の断面輪郭が波
打ち形状となっているので、外観形状が単純な円筒形状
である場合に比べて、外径寸法が同じでも沿面距離を長
くすることができ、陽極層2と陰極層4との間の電位差
に起因する沿面放電の防止能力が向上し、良好な耐圧特
性を有した圧接型半導体装置を得ることができる。
【0045】<A−3.変形例>実施の形態1において
図1および図2を用いて説明したサイリスタ100で
は、外周端面が波打ち形状で、内部が有底無蓋の円筒形
状の端面保護部材80を用いた構成を示したが、沿面距
離を長くできるのであれば外周端面の断面輪郭は波打ち
形状である必要はなく、凹凸形が連続した形状であれば
良い。
【0046】上記のような構成の一例を図3を用いて説
明する。なお、図1および図2を用いて説明したサイリ
スタ100と同一の構成については同一の符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0047】図3において、陽極熱補償板6、半導体基
体19、陰極熱補償板7は、セラミックス等の絶縁材料
で構成され、外周端面の輪郭が、矩形の凹凸形が連続し
た形状で、内部が有底無蓋の円筒形状である端面保護部
材80Aの内部に順に挿入されている。
【0048】このように、外周端面の輪郭が矩形凹凸部
が連続した形状の端面保護部材80Aを使用することに
よっても沿面距離を長くすることができるので、陽極層
2と陰極層4との間の電位差に起因する沿面放電の防止
能力が向上し、良好な耐圧特性を有した圧接型半導体装
置を得ることができる。
【0049】<B.実施の形態2> <B−1.装置構成>図4に本発明に係る圧接型半導体
装置の実施の形態2として、サイリスタ200の構成を
断面図で示す。図4は、サイリスタ200における半導
体基体19周辺の構成のみを示す断面図である。なお、
図1を用いて説明したサイリスタ100と同一の構成に
ついては同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、特徴を明確にするためにその他の構成については
省略している。
【0050】図4に示すように、端面保護部材8の内部
に陽極熱補償板6、半導体基体19、陰極熱補償板70
が順にその内部に挿入されている。そして、端面保護部
材8の内面と半導体基体19の端縁部との間には、半導
体基体19の端縁部および陽極熱補償板6の上主面端縁
および陰極熱補償板70の外周端縁を覆うように絶縁保
持材90が形成されている。
【0051】そして、陰極熱補償板70の下主面端縁部
には断面形状がV字形のリング状の溝部73が形成され
ている。また、溝部73の底面から、陰極熱補償板70
の主面に垂直な方向に延びた複数の貫通孔74が設けら
れている。
【0052】<B−2.製造工程>次に、図5〜図7を
用いてサイリスタ200の製造工程について説明する。
まず、図5に示す工程において端面保護部材8内に陽極
熱補償板6を挿入する。陽極熱補償板6は上主面に突出
部61を有し、突出部61は半導体基体19が陽極熱補
償板6の上主面上の所定の位置に配置された状態におい
て、半導体基体19の陽極層2と陽極熱補償板6が接触
する接触面62の外径を規定している。
【0053】そして、接触面62の端縁部には断面形状
がV字形のリング状の溝部63が形成されている。ま
た、溝部63の底面から、陽極熱補償板6の主面に垂直
な方向に延びた複数の貫通孔64aが設けられ、接触面
62の中央部にも貫通孔64bが設けれられている。
【0054】次に、図6に示す工程において陽極熱補償
板6の接触面62に陽極層2が接触するように半導体基
体19を載置する。
【0055】次に、図7に示す工程において半導体基体
19の陰極層4およびゲート電極層3を覆うように陰極
熱補償板70を載置する。
【0056】そして、半導体基体19、陽極熱補償板
6、陰極熱補償板70、端面保護部材8とで規定される
空間内に、液状の樹脂R1(例えばシリコーンゴム系の
樹脂)を流し込み、真空脱泡、熱硬化(ベーク)の工程
を経て絶縁保持材90の形成が完了する。
【0057】絶縁保持材90の形成が完了することで、
端面保護部材8、陽極熱補償板6、半導体基体19、陰
極熱補償板70が実質的に一体化することになり、これ
らをケーシング14内に挿入し、ゲート電極支持体1
2、ゲートリード11を配設して、陽極銅ブロック15
および陰極銅ブロック16で挟持することでサイリスタ
200が完成するが、これらの工程については本発明と
の関係が薄いので詳細説明は省略する。
【0058】なお、樹脂R1を流し込み、真空脱泡を行
うと、図8に示すように、半導体基体19の陽極層2と
陽極熱補償板6との間、および陰極層4と陰極熱補償板
70との間に毛細管現象により樹脂R1が侵入するが、
陽極熱補償板6の端縁部に設けられた溝部63および、
陰極熱補償板70の端縁部に設けられた溝部73に流入
し、溝部63および73よりも径方向内側には樹脂R1
が侵入することが防止される。
【0059】図8は、陽極熱補償板6、半導体基体1
9、陰極熱補償板70の端縁部分の詳細図であるが、樹
脂R1の侵入防止の効果を判りやすく説明するため、陽
極層2と陽極熱補償板6との間、および陰極層4と陰極
熱補償板70との間の隙間を実際よりも広く示してい
る。
【0060】また、図8に示す破線BLは圧接領域の境
界目安を示し、この線よりも径方向内側において、陽極
熱補償板6および陰極熱補償板7が半導体基体19の陽
極層2および陰極層4に圧接する。圧接領域に樹脂R1
が侵入して固化し、その状態で圧接を行うと半導体基体
19に局部的応力が集中し、場合によっては半導体基体
19が破損することになる。従って、溝部63および7
3は破線BLよりも径方向外側に設ける必要がある。
【0061】<B−3.特徴的作用効果>以上説明した
ように、本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態2
においては、半導体基体19の端縁部および陽極熱補償
板6の上主面端縁および陰極熱補償板70の外周端縁を
覆うように絶縁保持材90が形成され、絶縁保持材90
によって端面保護部材8、陽極熱補償板6、半導体基体
19、陰極熱補償板70が実質的に一体化している。従
って、図14に示す従来の圧接型半導体装置において、
陰極熱補償板7と絶縁保持材9とを接着するために使用
されていた絶縁保持材10が不要となる。よって、図1
8に示すように絶縁保持材9の原料とは異なる樹脂R2
を準備したり、陰極熱補償板7と絶縁保持材9との間に
絶縁保持材10の原料となる樹脂R2を流し込むための
間隙を準備し、樹脂R2を流し込む工程が不要となるな
ど、製造工程が簡略化されることになる。
【0062】なお、以上の説明においては、端面保護部
材は外観形状が単純な円筒形状の従来のものを使用した
構成であるが、実施の形態1において、図1および図3
を用いて説明した端面保護部材80および80Aなどを
使用しても良いことは言うまでもない。
【0063】<C.実施の形態3> <C−1.装置構成>実施の形態1においては、端面保
護部材80および80Aを使用して沿面距離を長くする
構成を示したが、本発明に係る実施の形態3では端面保
護部材80および80Aを使用せずに、沿面距離を長く
する構成について説明する。
【0064】図9に本発明に係る圧接型半導体装置の実
施の形態3として、サイリスタ300の構成を断面図で
示す。図9において、陽極熱補償板60A、半導体基体
19、陰極熱補償板70Aの端縁部には、3者の端縁部
に沿うとともに、3者の端縁部全体に渡る絶縁保持材1
8が形成されている。絶縁保持材18は、陽極熱補償板
60A、半導体基体19、陰極熱補償板70Aの外周端
縁から、径方向外側に向かう方向に延在し、その外径は
ケーシング140の内径とほぼ同様となっている。
【0065】また、陽極熱補償板60Aおよび陰極熱補
償板70Aとの接触面近傍の陽極銅ブロック15および
陰極銅ブロック16の外周端縁に、絶縁保持材18が係
合している。なお、図1を用いて説明したサイリスタ1
00と同一の構成については同一の符号を付し、重複す
る説明は省略する。
【0066】<C−2.製造工程>次に、図10〜図1
2を用いてサイリスタ300の製造工程について説明す
る。まず、図10に示す工程において、絶縁保持材形成
用の第1成形治具20および第2成形治具30を準備
し、第1成形治具20上に、陽極熱補償板60A、半導
体基体19、陰極熱補償板70Aの順で載置する。
【0067】第1成形治具20は略凹形状の成形治具
で、底面中央に、周囲よりも突出した突出部201を有
し、そこに陽極熱補償板60Aを載置する。なお、陽極
熱補償板60Aの突出部201上への載置、および半導
体基体19の陽極熱補償板60A上への載置に際して
は、底面の所定位置に設けられた位置合わせマーク(図
示せず)と、陽極熱補償板60Aの外径寸法および半導
体基体19の外径寸法とを一致させることで、位置決め
を行う。なお、陰極熱補償板70Aは半導体基体19の
陰極層4およびゲート電極層3のパターン形状に合わせ
て位置決めを行う。
【0068】第2成形治具30は略凸形状の成形治具
で、中央に突出部301を有し、そこが陰極熱補償板7
0Aの上主面に接触することになる。そして、第2成形
治具30の端縁部には樹脂導入部302が設けられてい
る。
【0069】ここで、第1成形治具20の突出部201
の外径および、第2成形治具30の突出部301の外径
を、陽極熱補償板60Aおよび陰極熱補償板70Aとの
接触面近傍の陽極銅ブロック15および陰極銅ブロック
16の外径とほぼ同じにすることで、絶縁保持材18を
陽極銅ブロック15および陰極銅ブロック16に係合さ
せることができる。
【0070】次に、図11に示す工程において、第1成
形治具20および第2成形治具30を閉じ、第2成形治
具30の樹脂導入部302から、絶縁保持材18の原料
となる樹脂R3を充填する。なお、図11においては樹
脂R3の存在を明確にするためハッチングを施してい
る。充填終了後、樹脂R3を硬化させ、絶縁保持材18
を形成する。なお、樹脂R3としては、シリコーンゴム
系の樹脂などが使用され、予め脱泡したものを使用す
る。
【0071】最後に、第1成形治具20および第2成形
治具30を取り外して熱硬化させることで、図12に示
すように、絶縁保持材18が陽極熱補償板60A、半導
体基体19、陰極熱補償板70Aの端縁部に沿うととも
に、3者の端縁部全体に渡って形成され、絶縁保持材1
8によって実質的に一体化した構成が得られる。
【0072】なお、第1成形治具20および第2成形治
具30の突出部201および301の段差部に、傾斜を
付けることで、第1成形治具20および第2成形治具3
0の絶縁保持材18からの取り外しが容易になる。
【0073】<C−3.特徴的作用効果>以上説明した
ように、本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態3
においては、陽極熱補償板60A、半導体基体19、陰
極熱補償板70Aの端縁部に沿うとともに、それらの端
縁部全体に渡るように絶縁保持材18を形成しているの
で、端面保護部材を使用することなく沿面距離を長くす
ることができ、陽極層2と陰極層4との間の電位差に起
因する沿面放電の防止能力が向上し、良好な耐圧特性を
有した圧接型半導体装置を得ることができる。
【0074】また、端面保護部材を使用しないので部品
点数を低減することができるとともに、製造工程も簡略
化することができる。
【0075】また、絶縁保持材18が陽極銅ブロック1
5および陰極銅ブロック16に係合する構成となってい
るので、陽極銅ブロック15および陰極銅ブロック16
の水平方向の位置は絶縁保持材18によって規制される
ことになる。そして、絶縁保持材18の外径寸法をケー
シング140の内径寸法とほぼ一致させることで、絶縁
保持材18のケーシング140内における水平方向の位
置が規制されるので、陽極銅ブロック15および陰極銅
ブロック16が水平方向に自由に移動することが防止さ
れ、ゲートリード11とゲート電極層3との水平方向の
位置がずれて接触不良となることが防止される。
【0076】<C−4.変形例>本発明に係る実施の形
態3において、図9〜図12を用いて説明したサイリス
タ300の陽極熱補償板60Aおよび陰極熱補償板70
Aに、樹脂の侵入を防ぐ溝部を備えた構成としても良
い。
【0077】すなわち、図13に示すように、陽極熱補
償板60Aの上主面および陰極熱補償板70Aの下主面
の端縁部に、断面形状がV字形のリング状の溝部63A
および73Aをそれぞれ設ける。このような構成とする
ことで、樹脂R3の充填および硬化の工程において、半
導体基体19の陽極層2と陽極熱補償板60Aとの間、
および陰極層4と陰極熱補償板70Aとの間に毛細管現
象により樹脂R3が侵入した場合でも、溝部63Aおよ
び73Aに流入し、溝部63Aおよび73Aよりも径方
向内側には樹脂R3が侵入することが防止される。
【0078】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の圧接型半導
体装置によれば、絶縁保持材が、端面保護部材の内側
面、半導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償
板の端縁部に固着するように形成されているので、端面
保護部材、半導体基体、第1および第2の熱補償板が1
種類の絶縁保持材によって実質的に一体化することがで
きる。従って、端面保護部材、半導体基体、第1および
第2の熱補償板を実質的に一体化するために複数の絶縁
保持材が必要である構成に比べて、構造が簡単で、製造
工程を簡略化した圧接型半導体装置を得ることができ
る。
【0079】本発明に係る請求項2記載の圧接型半導体
装置によれば、端面保護部材の外周端面の断面輪郭形状
が、凹凸が連続した形状であるので、端面保護部材の外
観形状が単純な円筒形状である場合に比べて、沿面距離
を長くすることができ、半導体基体の両主面間の電位差
に起因する沿面放電の防止能力が向上し、良好な耐圧特
性を有した圧接型半導体装置を得ることができる。
【0080】本発明に係る請求項3記載の圧接型半導体
装置によれば、半導体基体、第1および第2の熱補償板
が1種類の絶縁保持材のみによって実質的に一体化され
るので、構造が簡単で、製造工程を簡略化した圧接型半
導体装置を得ることができる。また、絶縁保持材の外径
寸法がケーシングの内径寸法とほぼ一致するように形成
することで沿面距離を長くすることができ、半導体基体
の両主面間の電位差に起因する沿面放電の防止能力が向
上し、良好な耐圧特性を有した圧接型半導体装置を得る
ことができる。また、絶縁保持材の外径寸法がケーシン
グの内径寸法とほぼ一致するように形成することで、絶
縁保持材のケーシング内における水平方向の位置が規制
され、ひいては半導体基体の水平方向の位置を自動的に
決定することができる。
【0081】本発明に係る請求項4記載の圧接型半導体
装置によれば、絶縁保持材が、第1および第2の熱補償
板のそれぞれの半導体基体に対向する主面とは反対側の
主面の端縁部の、第1および第2の熱補償板を挟持する
部材の外周端縁に等しくなる位置まで延在しており、そ
れより径方向内側には存在しないように形成されている
ので、絶縁保持材が当該部材の外周端縁に係合するの
で、絶縁保持材のケーシング内における水平方向の位置
が規制されることで、当該部材の水平方向の位置も規制
されることになる。よって、第1および第2の熱補償板
を挟持する部材の水平方向の位置が移動することで生じ
る不具合を防止することができる。
【0082】本発明に係る請求項5記載の圧接型半導体
装置によれば、第1および第2の熱補償板は、半導体基
体に対向する主面の端縁部に、第1および第2の溝部を
圧接領域よりも外側に有しているので、絶縁保持材の原
料が半導体基体の主面と第1および第2の熱補償板との
間に侵入しても、第1および第2の溝部に原料が流入
し、第1および第2の溝部よりも内側に当該原料が侵入
することが防止される。従って、侵入した原料が固化
し、その状態で圧接を行った場合に発生する不具合を防
止することができる。
【0083】本発明に係る請求項6記載の圧接型半導体
装置によれば、端面保護部材の外周端面の断面輪郭形状
が、凹凸が連続した形状であるので、端面保護部材の外
観形状が単純な円筒形状である場合に比べて、沿面距離
を長くすることができ、半導体基体の両主面間の電位差
に起因する沿面放電の防止能力が向上し、良好な耐圧特
性を有した圧接型半導体装置を得ることができる。
【0084】本発明に係る請求項7記載の圧接型半導体
装置の製造方法によれば、第1の成形治具と第2の成形
治具とを組み合わせることで、第1の熱補償板の端縁
部、半導体基体の端縁部、第2の熱補償板の端縁部と第
1および第2の成形治具の内面とで規定される空間に樹
脂を充填し、硬化するといった比較的簡単な工程で、半
導体基体、第1および第2の熱補償板が1種類の絶縁保
持材のみによって実質的に一体化された圧接型半導体装
置を得ることができる。
【0085】本発明に係る請求項8記載の圧接型半導体
装置の製造方法によれば、工程(c)において、第1の成
形治具の所定の位置合わせマークと、第1の熱補償板お
よび半導体基体の外径寸法とを一致させるようにするの
で、第1の熱補償板および半導体基体の位置決めを簡単
に、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
1を説明する断面図である。
【図2】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
1の特徴部分を説明する斜視断面図である。
【図3】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
1の変形例の特徴部分を説明する斜視断面図である。
【図4】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
2の特徴部分を説明する断面図である。
【図5】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
2の製造工程を説明する図である。
【図6】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
2の製造工程を説明する図である。
【図7】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
2の製造工程を説明する図である。
【図8】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
2の部分構成を説明する図である。
【図9】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形態
3を説明する断面図である。
【図10】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形
態3の製造工程を説明する図である。
【図11】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形
態3の製造工程を説明する図である。
【図12】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形
態3の特徴部分を説明する斜視断面図である。
【図13】 本発明に係る圧接型半導体装置の実施の形
態3の変形例の特徴部分を説明する斜視断面図である。
【図14】 従来の圧接型半導体装置の構成を説明する
図である。
【図15】 従来の圧接型半導体装置の製造工程を説明
する図である。
【図16】 従来の圧接型半導体装置の製造工程を説明
する図である。
【図17】 従来の圧接型半導体装置の製造工程を説明
する図である。
【図18】 従来の圧接型半導体装置の製造工程を説明
する図である。
【符号の説明】
6 陽極熱補償板、7 陰極熱補償板、9,10,18
絶縁保持材、19半導体基体、20 第1成形治具、
30 第2成形治具、63,63A,73,73A 溝
部、80,80A 端面保護部材、302 樹脂導入
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/56 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのPN接合を有する半導
    体基体と、該半導体基体を挟持してアロイフリーで圧接
    する第1および第2の熱補償板と、前記半導体基体の端
    面を保護する端面保護部材とを有し、前記端面保護部材
    は、前記半導体基体、前記第1および第2の熱補償板を
    囲むように配設され、前記端面保護部材の内側面、前記
    半導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償板の
    端縁部で規定される空間内に絶縁保持材が形成された圧
    接型半導体装置において、 前記絶縁保持材は、前記端面保護部材の内側面、前記半
    導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償板の端
    縁部に固着するように、前記空間内全体に渡って形成さ
    れることを特徴とする圧接型半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記端面保護部材は、その外周端面の断
    面輪郭形状が、凹凸が連続した形状である請求項1記載
    の圧接型半導体装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのPN接合を有する半導
    体基体と、該半導体基体を挟持してアロイフリーで圧接
    する第1および第2の熱補償板と、それらを収容する絶
    縁性のケーシングとを有する圧接型半導体装置におい
    て、 前記半導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償
    板の端縁部を取り囲むように覆い、その外径寸法が前記
    ケーシングの内径寸法とほぼ一致するように形成された
    絶縁保持材を備えることを特徴とする圧接型半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁保持材は、前記第1および第2
    の熱補償板のそれぞれの前記半導体基体に対向する主面
    とは反対側の主面の端縁部の、第1および第2の熱補償
    板を挟持する部材の外周端縁に等しくなる位置まで延在
    するが、該所定位置よりも前記第1および第2の熱補償
    板の径方向内側には存在しないように形成されている請
    求項3記載の圧接型半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の熱補償板は、前記
    半導体基体に対向する主面の端縁部の前記半導体基体を
    圧接する圧接領域よりも外側に、リング状の第1および
    第2の溝部をそれぞれ有する請求項2または請求項4記
    載の圧接型半導体装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つのPN接合を有する半導
    体基体と、該半導体基体を挟持してアロイフリーで圧接
    する第1および第2の熱補償板と、前記半導体基体の端
    面を保護する端面保護部材とを有し、前記端面保護部材
    は、前記半導体基体、前記第1および第2の熱補償板を
    囲むように配設され、前記端面保護部材の内側面、前記
    半導体基体の端縁部、前記第1および第2の熱補償板の
    端縁部で規定される空間内に、前記第1の熱補償板およ
    び前記半導体基体の端縁部に固着するとともに、前記第
    2の熱補償板の外周端縁に対向するように形成された第
    1の絶縁保持材と、前記第1の絶縁保持材と前記第2の
    熱補償板の外周端縁とに固着するように形成された第2
    の絶縁保持材とを有する圧接型半導体装置において、 前記端面保護部材は、その外周端面の断面輪郭形状が、
    凹凸が連続した形状であることを特徴とする圧接型半導
    体装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の圧接型半導体装置を製造
    する方法であって、 (a) その底面中央に、周囲よりも突出し前記第1の熱
    補償板の前記半導体基体に対向する主面とは反対側の主
    面の所定領域のみを覆う大きさの突出部を有し、その内
    径寸法が、前記ケーシングの内径寸法とほぼ一致する略
    凹形状の第1の成形治具を準備する工程と、 (b) 前記第1の成形治具と対をなし、その端縁部に樹
    脂導入用の樹脂導入部を、その主面中央に、周囲よりも
    突出し前記第2の熱補償板の前記半導体基体に対向する
    主面とは反対側の主面の所定領域のみを覆う大きさの突
    出部を有する略凸形状の第2の成形治具を準備する工程
    と、 (c) 前記第1の成形治具の突出部上に、前記第1の熱
    補償板、前記半導体基体、前記第2の熱補償板を順に載
    置する工程と、 (d) それぞれの突出部が向き合うように、前記第1の
    成形治具と前記第2の成形治具とを組み合わせ、前記第
    1の熱補償板、前記半導体基体、前記第2の熱補償板を
    内部に密閉する工程と、 (e) 前記樹脂導入部から所定の樹脂を導入し、前記第
    1の熱補償板の端縁部、前記半導体基体の端縁部、前記
    第2の熱補償板の端縁部と前記第1および第2の成形治
    具の内面とで規定される空間内に前記樹脂を充填する工
    程と、 (f) 充填された前記所定の樹脂を硬化して前記絶縁保
    持材を形成する工程とを備える圧接型半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の成形治具は、その底面に所定
    の位置合わせマークを有し、 前記工程(c)は、前記第1の成形治具の前記所定の位置
    合わせマークと、前記第1の熱補償板および前記半導体
    基体の外径寸法とを一致させることで、前記第1の熱補
    償板および前記半導体基体の位置決めを行う工程を含む
    請求項7記載の圧接型半導体装置の製造方法。
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