JPH09297335A - カメラの自動焦点調節装置 - Google Patents

カメラの自動焦点調節装置

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JPH09297335A
JPH09297335A JP1560997A JP1560997A JPH09297335A JP H09297335 A JPH09297335 A JP H09297335A JP 1560997 A JP1560997 A JP 1560997A JP 1560997 A JP1560997 A JP 1560997A JP H09297335 A JPH09297335 A JP H09297335A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】状況に応じて動体予測の可否が自動的に設定で
き、適切な写真撮影が可能なカメラの自動焦点調節装置
を提供する。 【解決手段】撮影レンズによって形成された被写体像の
焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出力
する焦点検出部1と、上記複数の焦点検出信号に基づい
て予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動し
ている被写体に合焦するように焦点調節を行う動体判定
部2と、撮影者の手振れの影響を防止する手振れ防止手
段と、この手振れ防止手段が選択された場合には、上記
動体判定部2による予測動作を禁止する禁止手段(シー
ケンス制御部13)とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラの自動焦点
調節装置、詳しくは、移動している被写体に対して撮影
レンズを合焦させる動体予測機能を有するカメラの自動
焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被写体の撮影レンズの光軸方
向の移動を検出し、所定時間後の被写体の像面位置を予
測し、予測した像面位置まで撮影レンズを駆動すること
によって移動被写体にも合焦するようにした、いわゆ
る、動体予測機能を持つカメラの自動焦点調節装置が特
公平8−27425号公報等をはじめとして数多く提案
されている。
【0003】ところで、この動体予測機能は、被写界深
度が深くなるようにプログラム線図がシフトする風景モ
ードや、長時間露光するようにプログラム線図がシフト
する夜景モードや、被写界深度が浅くなるようにプログ
ラム線図がシフトする人物撮影モードでは、一般的に静
止被写体を撮影するので動体予測を行っても効果を得る
ことは少ない。さらに、測距ばらつきやノイズによって
予測精度に誤差を生じる場合を避けるために、従来これ
らのモードでは動体予測を禁止しているカメラが多々知
られている。
【0004】また、記念写真や集合写真の撮影において
はセルフタイマー撮影が使用されることが多いが、特開
平5−203861号公報には、セルフタイマー撮影モ
ード時に動体予測を禁止する技術手段が開示されてい
る。
【0005】さらに、同公報には、被写体距離が所定値
より遠いときに動体予測を禁止する技術手段も開示され
ている。これは、遠い被写体は被写界深度が深いので動
体予測無しでも合焦する可能性が高いことに起因するも
のである。
【0006】また、手振れ防止モードを有するカメラの
技術も数多く提案されている。すなわち、手振れによる
画像劣化を防止するために、振動ジャイロで手振れを検
出し、検出した手振れを相殺するように撮影レンズの一
部を光軸と直交する方向に移動する技術が良く知られて
いるが、より簡易的な手振れ防止技術として、レリーズ
ボタンを押圧するときの手の動きやミラーアップの衝撃
のためにレリーズボタン押圧後の手振れが大きいことに
着目し、単にレリーズボタン押圧後に一定時間シャッタ
遅延をする技術や、特開平3−92830号公報に開示
されているように、振動ジャイロで手振れを検出して検
出した手振れが小さくなるタイミングまでシャッタを遅
延させる技術が知られている。
【0007】このような動体予測技術とシャッタを遅延
させる手振れ防止技術を組み合わせた従来技術として、
特開平6−289283号公報ではミラーアップ動作後
にシャッタ動作を予め設定した時間だけ遅延する手振れ
防止モードが設定された場合には、この遅延時間中の被
写体の移動を考慮して動体予測する技術が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−203861号公報に開示されているセルフタ
イマー撮影モードで動体予測を禁止する技術、ならびに
風景撮影モード、夜景撮影モード、人物撮影モードが設
定されている場合に動体予測を禁止するカメラにおいて
は、動体予測が強制的に禁止されたにもかかわらずその
旨を表示しない場合には、たまたまこれらのモードにお
いて移動被写体を撮影しようとした場合に撮影者が認識
しないという問題点がある。
【0009】また、セルフタイマーと同様に記念写真や
集合写真に使用されるものにリモートコントロールを使
用した撮影技術が知られている。そして、このリモート
コントロール撮影においても動体予測の禁止は望ましい
限りだが、しかしながら、上記特開平5−203861
号公報においては、セルフタイマー撮影モードで動体予
測を禁止する技術は開示されているものの、セルフタイ
マーと同様のケースで起こり得る上記リモートコントロ
ールを使用した撮影における動体予測禁止に関しては何
等開示はなく、またこれを示唆する記述も見あたらな
い。
【0010】また、同公報には、上述したように被写体
が遠い場合にのみ動体予測を禁止する技術が開示されて
いる。しかしながら動体予測の禁止はこのように被写体
が遠い場合のみならず、近い場合であっても実施するこ
とが望ましい場合がある。すなわち、いわゆるマクロモ
ード等の近接撮影モードや、被写体が比較的近い場合、
たとえば3m程度の撮影の場合、高速で移動する被写体
を撮影する機会はあまりありえないため、動体予測は禁
止することが望ましい。たとえ、近距離撮影で高速移動
被写体の撮影機会が生じたとしても、合焦することは困
難であるので、やはり動体予測は禁止することが望まし
い。
【0011】また、特開平6−289283号公報に開
示の手振れ防止モードで動体予測を行う従来技術におい
ては、動体予測の効果が著しく低くなるという問題点が
ある。なぜならば、ミラーアップの衝撃による画像劣化
よりもレリーズボタン押圧に起因する手振れによる画像
劣化のほうが大きいために、手振れの周波数が10Hz
前後であることを考慮すると、手振れ防止の効果を得る
ためには数十msから百数十msの遅延時間が必要であ
り、このような長い時間余計に動体予測するために動体
予測効果が低下することになるからである。また、露光
が遅延する手振れ防止モードで移動する被写体を撮影す
ることは、シャッタチャンスを逃がすことになるので好
ましくなく、手振れ防止モードでは動体予測を禁止した
ほうがよい。
【0012】また、ズームレンズで移動する被写体を撮
影する場合には、長焦点側を使用することが多い。一
方、短焦点側はもともと被写界深度が深いために動体予
測をしなくても合焦するため誤動作を防ぐ意味からも短
焦点側では動体予測を禁止する方が望ましい。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、状況に応じて動体予測の可否が自動的に設定
でき、適切な写真撮影が可能なカメラの自動焦点調節装
置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の第1のカメラの自動焦点調節装置は、撮影
レンズによって形成された被写体像の焦点状態に応じて
複数の焦点検出信号を時系列的に出力する焦点検出手段
と、上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行
い、上記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に
合焦するように焦点調節を行う動体予測手段と、撮影者
の手振れの影響を防止する手振れ防止手段と、この手振
れ防止手段が選択された場合には、上記動体予測手段に
よる予測動作を禁止する第1禁止手段と、を具備する。
【0015】上記の目的を達成するために本発明の第2
のカメラの自動焦点調節装置は、撮影レンズによって形
成された被写体像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信
号を時系列的に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦
点検出信号に基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズ
の光軸方向に移動している被写体に合焦するように焦点
調節を行う動体予測手段と、カメラの遠隔操作を行うた
めのリモートコントロール撮影モードの設定手段と、こ
のリモートコントロール撮影モード設定手段によってリ
モートコントロール撮影モードが選択された場合には、
上記動体予測手段による予測動作を禁止する第2禁止手
段と、を具備する。
【0016】上記の目的を達成するために本発明の第3
のカメラの自動焦点調節装置は、撮影レンズによって形
成された被写体像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信
号を時系列的に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦
点検出信号に基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズ
の光軸方向に移動している被写体に合焦するように焦点
調節を行う動体予測手段と、被写体距離が所定の距離よ
りも近いか否かを判定する被写体距離判定手段と、この
被写体距離判定手段によって被写体距離が所定の距離よ
りも近いと判定された場合には、上記動体予測手段によ
る予測動作を禁止する第3禁止手段と、を具備する。
【0017】上記の目的を達成するために本発明の第4
のカメラの自動焦点調節装置は、撮影レンズによって形
成された被写体像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信
号を時系列的に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦
点検出信号に基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズ
の光軸方向に移動している被写体に合焦するように焦点
調節を行う動体予測手段と、近接撮影を行うための近接
撮影モードの設定手段と、この近接撮影モード設定手段
によって近接撮影モードが選択された場合には、上記動
体予測手段による予測動作を禁止する第4禁止手段と、
を具備する。
【0018】上記の目的を達成するために本発明の第5
のカメラの自動焦点調節装置は、撮影レンズによって形
成された被写体像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信
号を時系列的に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦
点検出信号に基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズ
の光軸方向に移動している被写体に合焦するように焦点
調節を行う動体予測手段と、撮影レンズの焦点距離が所
定の焦点距離よりも短焦点側にあるか否かを判定する焦
点距離判定手段と、この焦点距離判定手段によって焦点
距離が所定の焦点距離よりも短焦点側にあると判定され
た場合には、上記動体予測手段による予測動作を禁止す
る第5禁止手段と、を具備する。
【0019】上記の目的を達成するために本発明の第6
のカメラの自動焦点調節装置は、撮影レンズによって形
成された被写体像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信
号を時系列的に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦
点検出信号に基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズ
の光軸方向に移動している被写体に合焦するように焦点
調節を行う動体予測手段と、複数の撮影モードを設定す
るモード設定手段と、このモード設定手段によって特定
の撮影モードが設定された場合には、上記動体予測手段
による予測動作を禁止する第6禁止手段と、この第6禁
止手段によって動体予測が禁止された場合には、動体予
測が禁止されたことを表示する表示手段と、を具備す
る。
【0020】上記第1のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、第1禁止手段で、撮影者の手振れの影響を防止する
手振れ防止手段が選択された場合には、上記動体予測手
段による予測動作を禁止する。
【0021】上記第2のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、カメラの遠隔操作を行うためのリモートコントロー
ル撮影モード設定手段によってリモートコントロール撮
影モードが選択された場合には、第2禁止手段で上記動
体予測手段による予測動作を禁止する。
【0022】上記第3のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、被写体距離が所定の距離よりも近いか否かを判定す
る被写体距離判定手段によって被写体距離が所定の距離
よりも近いと判定された場合には、第3禁止手段で上記
動体予測手段による予測動作を禁止する。
【0023】上記第4のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、近接撮影を行うための近接撮影モードの設定手段に
よって近接撮影モードが選択された場合には、第4禁止
手段で上記動体予測手段による予測動作を禁止する。
【0024】上記第5のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、撮影レンズの焦点距離が所定の焦点距離よりも短焦
点側にあるか否かを判定する焦点距離判定手段によって
焦点距離が所定の焦点距離よりも短焦点側にあると判定
された場合には、第5禁止手段で上記動体予測手段によ
る予測動作を禁止する。
【0025】上記第6のカメラの自動焦点調節装置は、
焦点検出手段で、撮影レンズによって形成された被写体
像の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に
出力し、動体予測手段で、上記複数の焦点検出信号に基
づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移
動している被写体に合焦するように焦点調節を行う。ま
た、モード設定手段は、複数の撮影モードを設定可能で
あり、このモード設定手段によって特定の撮影モードが
設定された場合には、第6禁止手段で、上記動体予測手
段による予測動作を禁止する。さらに、上記第6禁止手
段によって動体予測が禁止された場合には、動体予測が
禁止されたことを表示手段で表示する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0027】まず、本発明の実施形態の自動焦点調節装
置が適用されるカメラシステムについて説明する。図2
は、当該自動焦点調節装置が適用されたカメラシステム
において、ズームレンズ機構を内蔵するカメラシステム
の光学系を示した要部側面図である。
【0028】同図に於いて、被写体光線は、5つのレン
ズ群と撮影絞りから成る撮影レンズ101を通り、メイ
ンミラー102に入る。撮影レンズ101は第1群、第
2群でフォーカシング作用を行ない、第3群、第4群が
ズーム作用を行う第5群は固定である。ズーミング時は
第3群、第4群を動かすと同時に、第1群、第2群をカ
ム構造で駆動しズーミング時のピントずれを防いでい
る。
【0029】上記メインミラー102はハーフミラーに
なっており、入射光量の2/3がファインダ光学系10
3に反射される。入射光量の残りの1/3は、メインミ
ラーを透過しサブミラー104で反射されて、AF光学
系105へ導かれる。AF光学系105は、視野絞り1
06、赤外カットフィルタ107、コンデンサレンズ1
08、ミラー109、再結像絞り110、再結像レンズ
111、AFIC112から成る。
【0030】視野絞り106は、撮影画面中からAF検
出する視野を決定し、再結像レンズ111によって分割
される2つの光像が干渉しないようにするものである。
赤外カットフィルタ107は、AF検出に不要な赤外光
をカットし、赤外光による収差ずれを防ぐ。コンデンサ
レンズ108は、撮影レンズ101による被写体光像の
結像面、すなわちフィルム等価面の近傍に設置されるも
ので、再結像レンズ111と共にフィルム等価面近傍に
結像した被写体光像をAFIC112に再結像させる。
また、再結像絞り110は、光軸に対称で且つ対をなし
いるもので、コンデンサレンズ108を通過した被写体
光線の中から2つの光束を選択して通過させる。再結像
絞りを通過した2つの光束は、AFIC112上の2つ
の光電変換素子列に再結像される。
【0031】上記ファインダ光学系103は、フォーカ
シングスクリーン113、コンデンサレンズ114、プ
リズム115、モールドダハミラー116、接眼レンズ
117で構成されている。上記撮影レンズ101を通過
した被写体光像は、フォーカシングスクリーン113に
結像される。そして、結像された像は、コンデンサレン
ズ114、接眼レンズ117を通して撮影者により観察
されることができる。
【0032】メインミラー102とサブミラー104
は、フィルム露光時には図中の点線の位置(図示矢印G
6方向)を退避する。そして撮影レンズ101を通過し
た被写体光は、シャッタ118の先幕が開く時から後幕
が閉じる時までの間に、フィルム119に露光される。
【0033】図3は、本実施形態の自動焦点調節装置が
適用されるカメラシステムのブロック構成図である。
【0034】本実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラシステムには、CPU201、インターフェー
スIC202、電源ユニット203、ストロボユニット
204、ミラーシャッタユニット205、巻き上げユニ
ット206、レンズユニット207、ファインダユニッ
ト208、表示ユニット209、AFユニット210の
各ユニット等で構成される。
【0035】CPU201は、カメラシステム全ての制
御を行うもので、シリアル通信ライン211を介して、
インターフェースIC202、LCDIC235、AF
IC240、EEPROM237とデータの送受信を行
う。また、CPU201とインターフェースIC202
との間には別の通信ラインがあり、各種アナログ信号の
入力、PIの波形整形後の信号入力等を行う。アナログ
信号は、CPU201のA/D変換入力端子に入力され
てデジタル変換される。更に、CPU201は、各種の
演算部やデータの記憶部、時間の計測部を有している。
【0036】インターフェースIC202はデジタル・
アナログ回路混在のBi−CMOSICであって、モー
タ、マグネットの駆動、測光、バッテリチェック、バッ
クライトLED、補助光LEDの点灯回路、フォトイン
タラプタの波形整形回路等のアナログ処理部と、スイッ
チ(SW)の入力シリアル通信データ変換等のデジタル
処理部で構成されている。
【0037】電源ユニット203は、2系統の電源を供
給する。1つはモータやマグネット等のパワーを必要と
するドライバに使われる電源では、常時、電池212の
電圧が供給される。他の1つはDC/DCコンバータ2
13によって安定化された小信号用の電源であり、CP
U201よりインターフェース202を通して制御され
る。
【0038】ストロボユニット204は、ストロボ充電
回路214、メインコンデンサ215、ストロボ発光回
路216、ストロボ発光管217等から成る。低輝度ま
たは逆光状態でストロボの発光が必要な時は、CPU2
01の制御信号によりインターフェースIC202を介
して、ストロボ充電回路214が電池電圧を昇圧してメ
インコンデンサ215に充電を行う。同時に、ストロボ
充電回路214から分圧された充電電圧が、CPU20
1のA/D変換入力端子に入力される。これにより、C
PU201は充電電圧の制御を行う。充電電圧が所定レ
ベルに達したならば、CPU201からインターフェー
スIC202を介してストロボ充電回路214に充電停
止信号が通信されて、メインコンデンサ215の充電が
停止する。CPU201はフィルム露光時に、所定のタ
イミングでストロボ発光回路216を介してストロボ発
光管217の発光開始、発光停止の制御を行う。
【0039】ミラーシャッタユニット205は、ミラー
シャッタモータ218と、先幕、後幕の走行を制御する
2つのシャッタマグネット219と、シーケンススイッ
チ群244に含まれる先幕走行完了スイッチ等で構成さ
れる。ミラーシャッタモータ218は、CPU201よ
りインターフェースIC202、モータドライバ241
を介して制御され、その正回転によりメインミラー10
2のアップダウン、撮影絞りの絞り込みと、開放シャッ
タのチャージ(先幕を閉じて後幕を開ける)を行う。
【0040】シャッタマグネット219は、インターフ
ェースIC202を介してCPU201により制御され
る。露光開始時には、先ず開始直前にミラーシャッタモ
ータ218により、メインミラーの退避と、撮影絞りの
絞り込みが行われる。次に、シャッタマグネット219
に通電を行い、マグネットを吸着する露光開始と同時
に、先幕のシャッタマグネット219の吸着が解除され
ることにより、先幕が開かれる。先幕先行完了スイッチ
244の入力から、所望の露光時間経過後に後幕のシャ
ッタマグネット219の吸着が解除されることにより、
後幕が閉じられる。こうして、先幕の開と後幕の閉の間
に、フィルムに露光される。次にシャッタモータ218
の正転によりミラーがダウンし、撮影絞りが開放状態に
なる。同時に、シャッタのチャージを行う。
【0041】尚、シャッタモータ218は、逆転するこ
とによりフィルムの巻き戻しを行うものである。
【0042】上記巻き上げユニット206は、巻き上げ
モータ220とフィルム検出フォトインタラプタ221
等で構成される。巻き上げモータ220は、インターフ
ェースIC202、モータドライバ241を介して、C
PU201で制御される。フィルム検出PI221の出
力は、インターフェースIC201で波形整形され、C
PU201に伝達されて、巻き上げ量フィードバックパ
ルスを生成する。CPU201は、パルス数をカウント
することによって1駒分の巻き上げ量を制御する。
【0043】レンズユニット207は、撮影レンズ22
2、ズームモータ223、ズームギア列224、AFモ
ータ225、AFギア列226、AFPI227、ズー
ムエンコーダ228、絞りPI229、絞りマグネット
230等で構成される。ズームモータ223、AFモー
タ225は、インターフェース202、モータドライバ
241を介して、CPU201により制御される。ズー
ムモータ223の回転はズームギア列224により減速
され、これにより撮影レンズ222のズーム系が駆動さ
れる。また、ズームエンコーダ228は、撮影レンズ2
22を支持する鏡枠の周囲に設置された6本のスイッチ
から成るエンコーダであり、6本のスイッチりON、O
FFデータがCPU201に入力され、ズームレンズの
絶対位置が検出されるようになっている。
【0044】CPU201は、ズームレンズの絶対位置
から焦点距離を求めて、焦点距離記憶部247に記憶す
る。AFモータ225の回転はAFギア列226により
減速され、これにより撮影レンズ222のフォーカス系
レンズが駆動される。一方、AFギア列226の中間か
ら、AFフォトインタラプタ227の出力が取り出され
る。AFPI227の出力は、インターフェースIC2
01で波形整形されてCPU201に伝達され、AFレ
ンズ駆動量フィードバックパルスを生成する。CPU2
01は、パルス数をカウントすることによってAFレン
ズの駆動量を制御する。上記AFレンズのメカストッ
パ、または無限基準位置からの駆出し量は、AFPI2
27のパルス量とし、CPU201内のレンズ駆出し量
記憶部246に記憶される。
【0045】絞りマグネット230は、インターフェー
スIC202を介してCPU201で制御される。ミラ
ーアップスタートと同時に、電流が通電されるマグネッ
トが吸着される。撮影絞りは、上述したミラーシャッタ
ユニット205のミラーシャッタモータ218のミラー
アップ動作と同時に、ばねにより機械的に絞り込みが開
始される。そして、所望の絞り値に達した時に絞りマグ
ネット230の吸着が解除されて、絞り込み動作が停止
されることにより設定されるものである。絞りPI22
9の出力は、インターフェースIC202で波形整形さ
れ、CPU201に伝達されて絞り込み量フィードバッ
クパルスを生成する。CPU201は、パルス数をカウ
ントすることによって撮影絞りの絞り込み量を制御す
る。
【0046】ファインダユニット208は、ファインダ
内LCDパネル231と、バックライトLED232
と、測光用8分割フォトダイオード素子233等から成
っている。ファインダ内LCDパネル231は等過形液
晶で構成され、CPU201からLCDIC235に送
られる表示内容に従い、LCDIC235によって表示
制御される。バックライトLED232は、CPU20
1によってインターフェースIC202を介して点灯制
御され、ファインダ内LCDパネル231を照明する。
【0047】上記測光用素子233は、インターフェー
スIC202を介してCPU201で制御される。測光
用素子233で発生した光電流は、8素子毎にインター
フェースIC202に送られ、その内部で電流/電圧変
換される。そして、CPU201で指定された素子の出
力のみが、インターフェースIC202からCPU20
1のA/D入力変換端子に送られ、デジタル変換されて
測光演算に用いられる。
【0048】表示ユニット209は、外部LCDパネル
234、LCDIC235、キースイッチ(SW)群
(1)236等から成る。LCDパネル234は反射型
液晶であり、CPU201からLCDIC235に送出
される表示内容に従い、LCDIC235によって表示
制御される。キースイッチ群(1)236は、主にカメ
ラのモードを設定するためのもので、AFモード選択ス
イッチ、カメラ露出モード選択スイッチ、ストロボモー
ド選択スイッチ、AF/PF切換スイッチ、マクロモー
ドスイッチ等のスイッチが含まれる。これらの各スイッ
チの状態は、LCDIC235を介してCPU201に
読込まれ、これによりそれぞれのモードが設定される。
【0049】AFユニット210は、EEPROM23
7、コンデンサレンズ238、セパレタレンズ239、
AFIC240等で構成される。
【0050】被写体光像の一部は、コンデンサレンズ2
38、再結像レンズ239によって2像に分割され、A
FIC240上の2つの光電変換素子列に受光される。
AFIC240は、各素子毎に光強度に応じたアナログ
出力を発生するもので、これがCPU201のA/D変
換入力端子に送出されてデジタル信号に変換されCPU
201内の素子出力記憶部245に記憶される。
【0051】CPU201は、記憶された素子出力に基
づいて、分割された2像の像間隔、或いは所定時間後の
各像の移動量を、内部の相関演算回路248で計算す
る。更に、CPU201はAFIC240の光電変換動
作を制御する。EEPROM237には、後述する光電
変換素子出力の不均一補正データや、合焦時の2像間隔
等の様々な調整データが、例えば工場出荷時に書込まれ
カメラ動作中は、フィルム駒数等の電源OFF状態にな
っても記憶しておく必要のあるデータが書込まれるよう
になっている。
【0052】モータドライバ241は、上述したミラー
シャッタモータ218、巻き上げモータ220、ズーム
モータ223、AFモータ225等の大電流を制御する
ためのドライバである。
【0053】補助光LED242は、低輝度時に被写体
を照明するためのLEDである。この補助光LED24
2は、AFIC240が所定時間内に光電変換が終了せ
ず、2像の像間隔が検出できない時に点灯して、照明光
による被写体像をAFIC240が光電変換できるよう
にするためのものである。
【0054】キースイッチ(SW)群(2)243は、
カメラの動作を制御するスイッチ群である。これには、
レリーズスイッチの第1ストローク信号(1R)、第2
ストローク信号(2R)、ズームレンズを長焦点側に駆
動するスイッチ、短焦点側に駆動するスイッチ、スポッ
ト測光値を記憶するためのスイッチ等が含まれる。これ
らのスイッチの状態は、インターフェースIC202を
介してCPU201に読込まれ、カメラ動作の制御が行
われる。
【0055】シーケンススイッチ(SW)群244は、
カメラの状態を検出するものである。これにはミラーの
上昇位置を検出するスイッチ、シャッタチャージ完了を
検出するスイッチ、シャッタ先幕走行完了を検出するス
イッチ、電源スイッチ、ストロボポップアップ状態を検
出するスイッチ等が含まれる。
【0056】また、ブザー245は、AF合焦時、非合
焦時、電源投入時、手振れ警告時等に発音表示する。
【0057】次にAF光学系について説明する。
【0058】上記AF光学系105は、図4に示される
ように、撮影レンズ121の結像面122の近傍に位置
するコンデンサレンズ123と、一対の再結像レンズ1
24L及び124Rによって構成される。撮影レンズ1
21の合焦時に、上記結像面122上に被写体像125
が結像される。この被写体像125は、上記コンデンサ
レンズ123と、上記一対の再結像レンズ124L及び
124Rにより、光軸126に対して垂直な2次結像面
127(光電変換素子列)上に再形成されて、第1の被
写体像128L、第2の被写体像128Rとなる。
【0059】撮影レンズ121が前ピン、すなわち、上
記結像面122の前方に被写体像129が形成される場
合、その被写体像129は、互いに光軸126に近付い
た形で、光軸126に対して垂直に再結像されて第1の
被写体像130L、第2の被写体像130Rとなる。ま
た、撮影レンズ121が後ピン、すなわち、上記結像面
122の後方に被写体像131が形成される場合、その
被写体像131は、互いに光軸126から離れた位置に
光軸126に対して垂直に再結像されて、第1の被写体
像132L、第2の被写体像132Rとなる。これら第
1の被写体像と第2の被写体像は同一方向を向いてお
り、両像に於いて互いに対応する部分の間隔を検出する
ことにより、撮影レンズ121の合焦状態を先ピン、後
ピン等を含めて検出することができる。
【0060】次に、2つの被写体像信号の相関演算につ
いて説明する。
【0061】本実施形態の装置に於いては、2種類の相
関演算を行う。1つは従来の合焦検出装置と同様に、検
出光学系により分割された第1の被写体像と第2の被写
体像の間で相関演算を行い、2つの像のずれ量からデフ
ォーカス量を求めるものである。もう1つは、時刻t0
での被写体像と時刻t1 での被写体像の間で相関演算を
行い、被写体像の移動量を求めるものである。
【0062】最初に第1の被写体像と第2の被写体像の
間の相関演算について説明する。
【0063】便宜上、第1の被写体像を像L、第1の被
写体像信号をL(I)とし、第2の被写体像を像R、第
2の被写体像信号をR(I)とする。Iは素子番号で、
同実施形態では左から順に1,2,3,…,64であ
る。すなわち、各素子列は各64個の素子を有してい
る。
【0064】図5のフローチャートを参照して説明す
る。先ず、変数SL、SR、Jに、初期値として5、3
7、8がセットされる(ステップA1、ステップA
2)。SLは被写体像信号L(I)のうちから相関検出
する小ブロック素子列の先頭番号を記憶する変数であ
り、同様にSRは被写体像信号R(I)のうちから相関
検出する小ブロック素子列の先頭番号を記憶する変数、
Jは被写体像信号L(I)での小ブロックの移動回数を
カウンタする変数である。次いで、次式により相関出力
F(s)を計算する(ステップA3)。
【0065】
【数1】 この場合小ブロックの素子数は27である。小ブロック
の素子数はファインダに表示された測距枠の大きさと検
出光学系の倍率によって定まる。
【0066】次に、相関出力F(s)の最小値を検出す
る(ステップA4)。すなわち、F(s)をFMIN と比
較し、若しF(s)がFMIN より小さければFMIN にF
(s)を代入し、そのときのSL、SRをSLM、SR
Mに記憶して(ステップA5)、ステップA6に進む。
上記ステップA4でF(s)がFMIN より大きければ、
そのままステップA6に進む。
【0067】このステップA6では、SRから1を減算
し、Jから1を減算する。そして、Jが0でなければ
(ステップA7)、式(1)の相関式を繰返す。すなわ
ち、像Lでの小ブロック位置を固定し、像Rでの小ブロ
ック位置を1素子ずつずらせながら相関をとる。Jが0
になると、次にSLに4を加算し、SRに3を加算して
相関を続ける(ステップA8)。すなわち、像Lでの小
ブロック位置を4素子ずつずらせながら相関を繰返す。
SLの値が29になると相関演算を終える(ステップA
9)。
【0068】以上により、効率的に相関演算を行い相関
出力の最小値を検出することができる。この相関出力の
最小値を示す小ブロックの位置が、最も相関正の高い像
信号の位置関係を示している。
【0069】次に検出した最も相関性の高いブロックの
像信号について、相関性の判定を行なう。先ず、ステッ
プA10にて、次式で示されるように、FM 及びFP の
値を計算する。
【0070】
【数2】
【数3】 すなわち、被写体像Rについて、最小の相関出力を示す
ブロック位置に対して、±1素子だけずらせた時の相関
出力を計算する。この時、FM 、FMIN 、FPは図6の
ような関係になる。ここで検出した像間隔が、相関性の
高いものであれば同図(a)に示されるように、相関出
力F(S)は点S0 に於いて0になる。一方、相関性の
低いものであれば同図(b)に示されるように、0には
ならない。
【0071】ここで、次式のような相関性指数Sk を求
める(ステップA11)。
【0072】
【数4】
【数5】 相関性指数Sk は、同図よりわかるように、相関性の高
い場合はSk =1となり、相関性の低い場合はSk >1
となる。したがって、相関性指数Sk の値により、検出
する像ずれ量が信頼性のあるものであるか否かが判定で
きる(ステップA12)。実際には、光学系のばらつき
や、光電変換素子のノイズ、変換誤差等により、像L 、
像R 被写体像の不一致成分が生じるため、相関性指数S
k は1にはならない。故に、Sk ≦αの時は相関性あり
判断して像ずれ量を求める(ステップA13及びA1
5)。Sk >αの時は、相関性がないと判断してAF検
出不能と判断する(ステップA14)。
【0073】尚、判定値αの値は約2〜3である。
【0074】また、補助光点灯時は、補助光の色、収差
等の影響で相関性が悪くなるので、判定値を大きくして
AF検出不能になりにくいようにする。相関性がある場
合は図6の関係より、次式の如く、像して像Rとの2像
間隔S0 を求める。
【0075】
【数6】
【数7】 合焦からの像ずれ量ΔZdは、次式のようにして求めら
れる。
【0076】
【数8】 ここで、ΔZ0 は合焦時の像ずれ量であり、製品個々に
測定され記憶装置に記憶される。なお、時刻t0 での1
回目のS0 をΔZ1 、時刻t2 での2回目のS0 をΔZ
2 、時刻t2 での未来の予測されるS0 をΔZ´と記す
ことにする。
【0077】また、像ずれ量ΔZd より光軸上のデフォ
ーカス量ΔDは、次式で求めることができる。
【0078】
【数9】 なお、光軸上のデフォーカス量ΔDよりレンズ駆動量を
求める方法は、従来より数多く提案されているので、こ
こでは詳細な説明は行われない。例えば特開昭64−5
4409号公報に開示された方法では、次式にように求
めることができる。
【0079】
【数10】 さらに、後述する被写体の移動を考慮しなければ、撮影
レンズΔLだけ駆動することによって合焦状態にするこ
とができる。
【0080】なお、本実施形態は、被写体像の移動を特
開平5−93850号に開示され方法で求める。ここ
で、被写体像の移動を求めるための相関演算について述
べる。
【0081】時刻t0 での被写体像L´(I)、R´
(I)と、上述した2像間の相関演算により求められた
相関ブロック位置SLM´、SRM´、相関性係数Sk
´、像ずれΔZは、一旦CPU内の記憶領域に記憶され
る。次いで、時刻t1で被写体像信号L(I)、R(I)
を検出する。
【0082】先ず、像Lの信号について、時刻t0 での
被写体像信号L´(I)と時刻t1での被写体像信号L
(I)について相関演算を行う。
【0083】相関をとる様子を、図7及び図8を参照し
て説明する。像Lの移動量演算方法についてのみ説明す
る。
【0084】まず、変数SLにSLM´−10が代入さ
れる(ステップB1)。変数Jは相関範囲をカウントす
る変数であり、ここでは初期値20が代入される(ステ
ップB2)。そして、ステップB3にて、次式の相関式
により相関出力F(s)を計算する。
【0085】
【数11】 次いで、上述した相関演算と同様にF(s)とFMIN を
比較し(ステップB4)、F(s)より小さければFMIN
にF(s)を代入し、その時のSLをSLMに記憶する
(ステップB5)。この場合、相関をとるブロックの素
子数は、上述した像ずれ量を求める時のブロック素子数
と同じ27である。次にSLに1を加算しJから1を減
算する(ステップB6)。Jが負数になるまで相関式F
(s)を繰り返す(ステップB7)。この場合、±10
素子まで変化させて相関をとったが、この相関範囲は検
出したい移動量範囲により決定される。
【0086】したがって、焦点距離の短い時、すなわち
被写体輝度の明るい時などは被写体像移動量が小さいと
予想されるので相関範囲を小さくする。相関範囲を小さ
くすることによって演算時間を短くすることができる。
逆に、被写体像の移動量が大きいと予想される場合は相
関範囲を大きくする。
【0087】次に相関性の判定を行う。上述した時刻t
0 像間隔を求めたときと同様に次式の如く求める。(ス
テップB8)。
【0088】
【数12】
【数13】 また、相関性係数Sk は上記式(4)及び式(5)によ
り求められる(ステップB9)。そしてSk ≦βのとき
は、相関性ありと判断して移動量を求める(ステップB
10)。
【0089】判定値βは、時刻t0 の像間隔を求めると
きの判定値αより大きな値とする(βは7程度にな
る)。これは被写体が移動していると波形が変化する場
合が多いので相関性が悪くなる可能性が大きいためであ
る。また、被写体像の移動量が大きいほど相関性が悪く
なるので、焦点距離の大きいレンズ、被写体距離の短い
時、時刻t0 からt1 までの時間間隔の長いとき、すな
わち被写体輝度の暗い時などは判定値を大きくする。
【0090】次に像の移動量ΔXL を求める(ステップ
B11)。上述した時刻t0 の像間隔を求めたときと同
様に、次式により求める。
【0091】
【数14】
【数15】 そして、検出不能フラグをクリアして(ステップB1
3)、リターンする。
【0092】同様にして像Rについても相関演算を行
い、相関ブロック位置SRM、移動量ΔXR を求める。
【0093】像L、像Rの被写体像の移動量ΔXR とΔ
XL が求められると時刻t1 での2像間隔ΔZ2 は、時
刻t0 の時の2像間隔ΔZ1 より次式のようにして求め
られる。
【0094】
【数16】 また、より演算誤差を小さくするには、時刻t1 の像L
と像Rの信号に基づいて図5に示した相関演算をやり直
して2像間隔を求めΔZ2 を演算してもよい。
【0095】時刻t2 での2像間隔ΔZ´は前述のよう
に次式で予測される。
【0096】
【数17】 ΔZ´に基いた量だけレンズ駆動することにより、時刻
t2 に於いて移動している被写体にピントを合わせるこ
とができる。
【0097】一方、上記ステップB10にて、Sk ≦β
の関係でなければ、ステップB12に進み、検出不可能
フラグがセットされるようになっている。
【0098】尚、被写体像の移動量ΔXR 又はΔXL が
大きすぎる場合は、合焦不能として像ずれ量の予測はし
ない。一方、被写体像の移動量が小さく検出誤差と見な
される場合は、移動量を0にする。この判定値は焦点距
離、被写体距離、被写体輝度に応じて、被写体の移動量
に対して被写体像の移動量が大きいと予測される場合は
大きくする。
【0099】次に、上述したカメラに適用される、本発
明の一実施形態である自動焦点調節装置について説明す
る。
【0100】図1は、本発明の一実施形態のカメラの自
動焦点調節装置の概略構成を示したブロック図である。
【0101】図に示すように、この自動焦点調節装置
は、上記AFIC240等を含むAFユニット210と
焦点検出のための上記演算を行うCPU201内の相関
演算回路249とを備えた焦点検出部1を具備し、この
焦点検出部1には、上記焦点検出部1の出力を演算し、
被写体が撮影レンズの光軸方向に移動しているかを判定
する動体判定部2が接続されている。
【0102】一方、モード設定部3は、撮影者により各
種の撮影モードの可能な設定部であり、手振れ防止(防
振)撮影モード設定部4、リモコン(リモートコントロ
ール)撮影モード設定部5、動体予測AF設定部6、マ
クロモード設定部7、そして風景撮影モード等その他の
撮影モード設定部8を備えている。
【0103】また、被写体距離判定部9は、被写体距離
が所定の被写体距離より近いか否かを判定する判定部で
あり、焦点距離判定部10は、撮影レンズの焦点距離が
所定の焦点距離よりも短焦点側にあるか否かを判定する
判定部である。
【0104】上記焦点検出部1,動体判定部2,モード
設定部3、被写体距離判定部9、焦点距離判定部10の
出力信号は、それぞれデフォーカス量演算部11に対し
て出力され、該デフォーカス量演算部11は、上記焦点
検出部1の出力を演算し、撮影レンズのデフォーカス量
を演算するが、動体判定部2の判定結果とモード設定部
3の設定状況によって、露光時のデフォーカス量を予測
する動体予測を行ったり、動体予測を行わずに現在のデ
フォーカス量を演算するようになっている。
【0105】上記デフォーカス量演算部11に出力信号
は、駆動量演算部12に対して出力され、該駆動量演算
部12は、該デフォーカス量演算部11の演算結果に基
づいて合焦するに必要な撮影レンズの駆動量を演算する
ようになっている。
【0106】また、シーケンス制御部13は、カメラ全
体のシーケンスを制御するコントローラであり、上記C
PU201に対応する。該シーケンス制御部13には、
シャッタ18やズーム16や絞り17やミラー15や撮
影レンズ19そして撮影モードを表示する表示部14
(上記表示ユニット209に対応)等が接続されてい
る。
【0107】図16は、上記モード設定部3および表示
部14の一表示例を示した説明図である。なお、この表
示例は、説明を容易にするために全ての表示部を点灯さ
せた全点灯状態を示している。また、図中、表示部にお
いて示す各符号は、それぞれ対応したモードを示す表示
部であるとともに、便宜上、当該モード自体を示す符号
として以下に説明する。
【0108】図中、符号250はプログラムモード、符
号251は絞り優先オートモード、符号252はシャッ
タスピード優先オートモード、符号253はマニュアル
露出モード、符号254は動きの速い被写体を撮影する
スポーツモードを示す表示部であり、このスポーツモー
ドでは高速シャッタになるようにプログラム線図がシフ
トし、動体予測を行うようになっている。
【0109】また、符号255は人物撮影モードを示す
表示部であり、このモードでは被写界深度が浅くなるよ
うにプログラム線図がシフトする。符号256は風景撮
影モードを示す表示部であり、このモードでは被写界深
度が深くなるようにプログラム線図がシフトする。さら
に、符号257は夜景撮影モードを示す表示部であり、
長時間露光するようにプログラム線図がシフトする。
【0110】また、符号258は手振れ防止モードを示
す表示部であり、このモードでは露光が一定時間遅延す
るようになっている。
【0111】また、符号259は近接撮影モード(マク
ロモード)を示す表示部であり、このモードはマクロ撮
影に適したモードである。
【0112】以上の10種類の撮影モードはボタン26
0を押すことによって選択できるようになっている。
【0113】一方、符号261はセルフタイマー撮影モ
ードを示す表示部であり、同様にボタン262で設定す
る。さらに、符号263はリモートコントロール撮影モ
ードを示す表示部であり、ボタン264で設定するよう
になっている。
【0114】また、符号265は、AFモードが動体予
測を行うコンティニュアスAFになっていることを示す
ものであり、上記スポーツモード254等の動体予測を
行うモードである場合には自動的に点灯するようになっ
ている。また、上記人物撮影モード255、風景撮影モ
ード256、夜景撮影モード257、セルフ撮影モード
261、リモートコントロール撮影モード263および
マクロモード259が選択された場合には自動的に消灯
するようになっている。
【0115】さらに、プログラムモードや絞り優先モー
ドやシャッタ優先モード及びマニュアル露出モードで
は、動体予測をするようにしてもよいし、動体予測しな
いようにしてもよい。撮影者の意図で選択できるように
動体予測を行うスイッチを設けてもよい。以下、動体予
測を行うモードを動体モードと呼ぶ。
【0116】図9は、上記実施形態の自動焦点調節装置
が適用されるカメラ全体の動作を示したフローチャート
である。
【0117】上述したように、CPU201はカメラ全
体のシーケンス制御や各種演算を行うマイクロコンピュ
ータである。撮影者によりカメラのメインスイッチがオ
ンされると、CPU201がパワーオンリセットされて
動作を開始し、先ずI/Oポートの初期化とRAMの初
期化等を行う(ステップC1)。
【0118】そして、測光素子233の出力をインター
フェースIC202内の測光回路で演算し、シャッタス
ピードの演算や絞り値の演算、即ちアペックス演算を行
う(ステップC2)。続いて、AFIC240の出力の
前述のように演算し、動体予測機能を含むAFの演算を
行う(ステップC3)。なお、このステップC3につい
ては後述する。
【0119】本実施形態におけるカメラのレリーズボタ
ンは前述のように2段階になっており、半押しの第1ス
トローク(以下、1Rと記す)で測光とAF(オートフ
ォーカス)動作を行い、全押しの第2ストローク(以
下、2Rと記す)で露光に至るようになっている。
【0120】続いて、上記1Rがオンになっているかを
判定し(ステップC4)、該1Rがオフであればモード
スイッチ260やセルフタイマー設定ボタン262やリ
モートコントロール設定ボタン264の状態を読込んで
表示し(ステップC5、C6)、ステップC2に戻る。
即ち、電源がオンである間は測光とAFと各スイッチの
受付を常時行っている。
【0121】上記ステップC4で上記1Rがオンであれ
ば、続いてステップC3で演算したレンズ駆動量だけレ
ンズを駆動する(ステップC7)。なお、該ステップC
7については後述する。そして、次にレンズが合焦して
いるかを判定する(ステップC8)。このステップC8
においては、後述する合焦フラグを判定する。ここで、
合焦していないと判定されるとステップC2に戻る。合
焦していると判定されると、上記2Rがオンになってい
るかを判定し(ステップC9)、該2Rがオフであれば
ステップC3に戻る。
【0122】また、上記2Rがオンであれば、ステップ
C5でセルフタイマー撮影モードが選択されているかを
判定し(ステップC10)、セルフタイマー撮影モード
が選択されていれば10秒の待ち時間を置いて(ステッ
プC11)、ステップC12に移行する。セルフタイマ
ー撮影モードが選択されていなければそのままステップ
C12に移行する。そして絞りをステップC2で演算し
た値まで駆動し(ステップC12)、ミラー102をア
ップする(ステップC13)。
【0123】次に、上記ステップC5で手振れ防止モー
ドが選択されているか否かを判定し(ステップC1
4)、手振れ防止モードが選択されていれば露光を遅延
させるため所定時間待機し(ステップC15)、ステッ
プC16に移行する。また、手振れ防止モードが選択さ
れていなければそのままステップC16に移行する。そ
して、シャッタ118をステップC2で演算したシャッ
タ速度だけ開口するように制御する(ステップC1
6)。
【0124】次に、シャッタ118が所定時間開口した
らミラー102をダウンして(ステップC17)、絞り
開放にセットする(ステップC18)。また、シャッタ
118を初期位置にチャージして(ステップC19)、
1コマ巻上げを行い(ステップC20)、ステップC2
に戻って以上の動作を繰り返す。
【0125】図10は、上記ステップC3(図9参照)
におけるAF(オートフォーカス)処理のサブルーチン
を示したフローチャートである。
【0126】まず、ステップD1のAF検出のサブルー
チンは、積分の開始から焦点ずれ量ΔZを演算するまで
のサブルーチンであり、動体予測演算を含んでいる。
【0127】図11ないし図13は、上記ステップD1
におけるAF検出のサブルーチンを示したフローチャー
トであり、さきにサブルーチンを説明する。
【0128】まず、AFIC240の積分が終了するま
で待機する(ステップE1)。次に全画素のデータを一
画素毎に読み出す(ステップE2)。上記AFIC24
0の出力はアナログ値であり、一画素読出す毎にCPU
201内のA/Dコンバータによってデジタル信号に変
換し、所定の記憶領域に記憶する。
【0129】次に、AFIC240の積分動作のリセッ
トを行う(ステップE3)。
【0130】ここで、このステップE3について図14
に示すフローチャートを参照して説明する。
【0131】まず、積分時間タイマの値を今回の積分時
間として読み込む(ステップF1)。このタイマは、た
とえばマイクロコンピュータのキャプチャ機能により、
AFIC240の積分終了信号に同期してタイマのカウ
ントを停止するように構成すればよい。次に、積分間隔
タイマの値を前回と今回の積分間隔として読み込む(ス
テップF2)。
【0132】次に、積分時間タイマと積分間隔タイマと
リセットする(ステップF3、F4)。最後にAFIC
240の次回の積分をスタートさせる(ステップF
5)。
【0133】図11の説明に戻って、次に、得られた被
写体像信号に不均一補正を行う(ステップE4)。これ
は製造上で起こる画素毎の微妙な感度のばらつきや、A
Fユニット210内の再結像光学系の照度不均一を補正
するためのものである。全画素中で最も感度の小さい画
素に他の画素の出力を合わせるように補正する。補正係
数は製品毎に調整されて、EEPROM237に記憶さ
れている。詳細は特開平5−93850号公報に記して
いるのでここでは省略する。
【0134】図12に移って、動体モードが選択されて
いるか否かを判定する(ステップE5)。なお、本実施
形態においては、スポーツモードが選択されている場合
に自動的に動体モードに設定されるが、上述したように
撮影者の意図で選択できる場合には、動体モードが選択
されているか否かの判定を行う。
【0135】次に、近接撮影モード(マクロモード)が
選択されているか否かを判定し(ステップE33)、マ
クロモードが選択されていない場合には被写体距離が所
定距離よりも近いか否かを判定する(ステップE3
4)。
【0136】ここで、本実施形態においては、上述した
ようにTTL位相差検出パッシブAF方式を用いている
ので被写体距離に関する情報は別に得る必要がある。そ
こで、特開昭62−264032号公報に開示された技
術手段を用い、被写体距離Lを次式で近似する。
【0137】
【数18】 ここで、e,dは焦点距離ごとに定まる定数で、PLS
はAFレンズの無限基準位置から合焦までの駆出パルス
数でAFPI227のパルス数であり、コンティニュア
スAFで移動する被写体を追っている場合では、前回の
レンズ駆動終了後のAFPI227のパルス数である。
【0138】上記ステップE34では、式(18)で求
めた被写体距離Lが所定の被写体距離L′より近いか否
かを判定する。このL′例えばEEPROM237に記
憶しておけばよい。
【0139】このように、上記ステップE33やE34
を設けることにより、ほとんど動体予測の効果がない状
況での無意味な動体予測を回避することができる。
【0140】次に、撮影レンズの焦点距離が所定の焦点
距離f′よりも短焦点側にあるか否かを判定する(ステ
ップE35)。焦点距離の情報はズームエンコーダ22
8から出力され、f′は例えばEEPROM237に記
憶されている。
【0141】このように、上記ステップE35を設ける
ことにより、被写界深度の深い短焦点側において無意味
な動体予測を回避することができる。
【0142】次に、セルフタイマー撮影モードが選択さ
れているか否かを判定し(ステップE6)、リモートコ
ントロール撮影モードが撮影されているか否かを判定す
る(ステップE7)。この後、風景撮影モードが選択さ
れているか否かを判定し(ステップE8)、夜景撮影モ
ードが選択されているか否かを判定する(ステップE
9)。さらに、人物撮影モードが選択されているか否か
を判定して(ステップE10)、また、手振れ防止モー
ドが選択されているか否かを判定し(ステップE1
1)、今回の積分動作中に補助光LED242がオンし
ていたか否かを判定する(ステップE12)。
【0143】以上の11種類の判定項目で、動体モード
が選択されており、各撮影モードが全て選択されておら
ず、補助光もオフであると判定された場合のみコンティ
ニュアスAFフラグをセットする(ステップE13)。
このフラグがセットされていれば、以下、動体予測AF
を行う。
【0144】一方、上述以外の判定結果であればコンテ
ィニュアスAFフラグをクリアし(ステップE14)、
ステップE16に移行して以下動体予測AFを行わな
い。なぜなら、各撮影モードで動体予測をしない理由は
すでに述べたが、補助光の判定をする理由は、補助光L
ED242がオンしている状況では被写体が暗いために
明るい場合よりもAF検出精度が低下し、動体予測演算
の誤差が大きくなるからである。そもそも暗い状況では
シャッタースピードが遅くなるために動体の撮影には不
向きである。
【0145】続いて、一回目の像ずれ演算が終了してい
るか否かを判定する(ステップE15)。これは、後述
するステップE18あるいはステップE20でセットク
リアされる一回目演算済みフラグを判定する。このフラ
グは一回目の像ずれ量が演算済みであるか否かを示すフ
ラグであり、初期値は図9のステップC1でクリアされ
ている。一回目の像ずれ演算が終了していなければ図5
で説明した相関演算を行って像ずれ量ΔZ1 を演算する
(ステップE16)。
【0146】続いて、ステップE17で像ずれ量ΔZ1
が演算できているか否かを判定する(ステップE1
3)。即ち、図5のステップA14とA15でセットク
リアされる検出不能フラグを判定する。ステップE17
で検出不能と判定されたならば、一回目演算済みフラグ
をクリアして(ステップE18)、後述するステップE
25とステップE27からの移行のために再度検出不能
フラグをセットして(ステップE19)、リターンす
る。
【0147】上記ステップE17で検出可能と判定され
たならば、一回目演算済みフラグをセットして(ステッ
プE20)、リターンする。なお、検出不能と判定され
た場合には、後述するレンズ駆動のサブルーチン中でレ
ンズスキャンに移行し、検出可能となるレンズの位置を
探す。
【0148】一方、ステップE15で一回目の像ずれ量
演算が終了してると判定されると、二回目の像ずれ量演
算を行う。まず、図13に移って、次回のために一回目
演算済みフラグをクリアする(ステップE21)。そし
て、一回目と同じく相関演算を行って像ずれ量ΔZ2 を
演算する(ステップE22)。
【0149】続いて、ステップE17の一回目の場合と
同様に、像ずれ量ΔZ2 が演算できているか否かを判定
する(ステップE23)。ここで演算できていない場合
には、ステップE18(図12参照)に移行して一回目
の演算からやり直しを行う。また、演算できている場合
には、図7で説明した相関演算を行って像Lの移動量を
演算する(ステップE24)。
【0150】続いて、演算した像Lの移動量が所定の第
一の判定値よりも大きいか否かを判定する(ステップE
25)。この第一の判定値は比較的大きい値であり、ス
テップE25は被写体がファインダ内の測距エリアから
逸脱して測距不能となった場合や、被写体の移動速度が
大きすぎて動体予測しても合焦不能な場合を検出するた
めに設けてある。
【0151】同様にして、像Rの移動量の演算(ステッ
プE26)と、演算した移動量の判定を行う(ステップ
E27)。即ち、一回目と二回目の像ずれ検出相関演算
と像L及び像Rの移動量演算がすべて演算されて合焦可
能な場合のみステップE28に移行する。ステップE2
8では、被写体が移動しているか静止しているか否かを
判定する。これは、演算された像Lの移動量と像Rの移
動量の両方が所定の第二の判定値よりも大きいか否かを
判断する。この第二の判定値は上記第一の判定値よりも
小さい値であり、合焦可能な被写体の像移動速度から算
出された値である。
【0152】被写体が移動していると判定された場合に
は、式(17)に基づいて未来の像ずれ量ΔZ´を予測
する(ステップE29)。そして、動体フラグをセット
して(ステップ30)、リターンする。一方、被写体が
静止していると判定された場合には、動体予測をする必
要がないので、ΔZ´はステップE22で演算した像ず
れ量ΔZ2 とする(ステップE31)。そして、媒体フ
ラグをクリアして(ステップE32)、リターンする。
【0153】ここで、二回目の演算から実際の露光まで
の所要時間、即ち式(17)中の(t2−t1)につい
て述べる。以下、この時間を予測時間と記す。この予測
時間は、特公平5−22214号では過去の撮影レンズ
駆動量と駆動時間の情報によって次回の駆動終了までの
時間を演算しているが、制御の簡素化のために本実施形
態では固定時間とする。
【0154】上記予測時間の内訳は、主に上記動体予測
に係わるCPU201の演算時間、レンズ駆動時間、そ
してミラーや絞り駆動の所要時間である第2ストローク
信号2Rから実際の露光開始までの時間から構成され
る。このうち最も所要時間のばらつきが大きいのはレン
ズ駆動時間であり、CPU201の演算時間はほぼ一定
であり、該2Rから実際の露光開始も電池212が極短
に消耗していない限りほぼ一定の値を取る。
【0155】レンズの駆動時間は僅か数パルス駆動する
場合と大きく数百パルス駆動する場合とでは所要時間に
差があるが、本実施形態では後述するように大きく駆動
する場合においては、一旦所定量駆動してから測距しな
おすので、駆動時間のばらつきを極力小さくすることが
できる。即ち、予測時間を固定値とすることが可能であ
る。
【0156】図10の説明に戻って、検出不能かどうか
を検出不能フラグで判定する(ステップD2)。検出不
能であると判定されたならば、合焦フラグをクリアして
(ステップD3)、リターンする。検出可能であると判
定されたならば、次に、コンティニュアスAFモードで
あるかどうかをコンティニュアスAFフラグで判定する
(ステップD4)。コンティニュアスAFでないと判定
されたならば、次の一回目の測距かどうかの判定は必要
ないのでステップD6に移行するが、コンティニュアス
AFであると判定されたならば、一回目の測距であるか
どうかを一回目演算済みフラグで判定する(ステップD
5)。一回目の測距であると判定されたならばステップ
D3に移行するが、二回目の測距であると判定されたな
らばステップD6に移行して行う。
【0157】このステップD6では、上記ステップD1
で演算した像ずれ量から式(8)および式(9)に基づ
いてデフォーカス量を演算する。続いて、演算したデフ
ォーカス量と合焦判定値とを比較する(ステップD
7)。この判定値は許容錯乱円に基づいて設計段階で求
めた値であり、EEPROM237に記憶されている。
ここで、該デフォーカス量が判定値内であればすでに合
焦していると判断できる。
【0158】次に、ステップD8において、デフォーカ
ス量が合焦許容範囲内にあると判定されたならば、レン
ズ駆動する必要がないので合焦フラグをセットして(ス
テップD9)、リターンする。一方、合焦許容範囲内で
ないと判定されたならば、合焦フラグをクリアし(ステ
ップD10)、合焦するのに必要なレンズの駆動量を演
算した後(ステップD11)、リターンする。
【0159】図15は、上述したレンズ駆動(ステップ
C7、図9参照)のサブルーチンを示したフローチャー
トである。
【0160】まず、検出不能か否かを検出不能フラグで
判定する(ステップG1)。ここで、検出不能であると
判定されると、検出可能な状態を探すためレンズスキャ
ンに移行する。一方、検出可能であると判定されると、
次にコンティニュアスAFであるか否かを判定し(ステ
ップG2)、ここでコンティニュアスAFでないと判定
されたならば、ステップG4に移行する。また、コンテ
ィニュアスAFであると判定されたならば、1回目の測
距であるか否かを判定する(ステップG3)。ここで、
1回目の測距であると判定されたならばレンズ駆動をせ
ずにリターンする。一方、2回目の測距であると判定さ
れたならば、レンズ駆動のための初期化を行う(ステッ
プG4)。
【0161】次に、既に合焦しているか否かを判定する
(ステップG5)。これは、上記ステップD7(図10
参照)の判定結果に基づいており、合焦していると判定
された場合には、レンズ駆動する必要がないのでリター
ンする。また、合焦していないと判定されたならば、上
記ステップD11(図10参照)で演算した駆動量に基
づいて、以下に示すようなレンズ駆動を行う。
【0162】まず、駆動量が駆動量判定値よりも大きい
か否か判定する(ステップG6)。ここで、判定値より
も大きいと判定されると、所定駆動量だけ駆動した後に
測距のやり直しを行う。
【0163】例えば、上記所定駆動量判定値が150パ
ルスとし、演算された駆動量が250パルスとすると、
まず所定駆動量150パルス駆動してからレンズ駆動の
サブルーチンをリターンし、測距をし直す。ステップG
7では、駆動量を所定駆動量にする。そして、合焦フラ
グをクリアしてから(ステップG8)、ステップG14
に移行する。
【0164】一方、ステップG6で駆動量が駆動量判定
値よりも小さいと判定されると、次に今回の駆動方向
(繰り込み方向か、繰り出し方向か)と前回の駆動方向
が同じか否かを判定する(ステップG9)。このステッ
プG9の判定は、言い換えれば駆動系のギアのガタが詰
まっているかどうかの判定である。
【0165】上記ステップG9で今回の駆動方向が前回
の駆動方向と同じであると判定されると、図10のステ
ップD11で演算した駆動量をセットし(ステップG1
0)、合焦フラグをセットして(ステップG11)、ス
テップG14に移行する。
【0166】一方、上記ステップG9で今回の駆動方向
が前回の駆動方向と異なる判定されると、EEPROM
237に記憶してあるガタ量に相当する駆動量をセット
し(ステップG12)、合焦フラグをクリアして(ステ
ップG13)、ステップG14に移行する。即ち、ギア
にガタがある場合にはガタを詰めるための駆動をしてか
ら測距をし直し、次回の測距ではガタが詰まっているの
で、ステップG10のルートを通って合焦することにな
る。
【0167】最後に、今回の駆動方向を駆動方向フラグ
に格納し(ステップG14)、それぞれステップG7、
ステップG10、ステップG12でセットした駆動量だ
けステップG14の駆動方向に駆動して(ステップG1
5)、リターンする。
【0168】以上の本発明の実施形態を説明したが、本
発明の主旨を逸脱することなく変形が可能であることは
勿論である。
【0169】例えば、動体予測方式に特開平5−938
50号公報の技術を用いたが、これに限ることなく動体
が検出できればよい。
【0170】また、上述した手振れ防止方式は単にレリ
ーズボタン押圧後に一定時間シャッタ遅延をする技術を
用いたが、特開平3−92830号公報に開示されてい
るような、振動ジャイロで手振れを検出して検出した手
振れが小さくなるタイミングまでシャッタを遅延させる
技術を用いてもよい。
【0171】また、本実施形態においては、可動ミラー
を有する一眼レフレックスカメラに本発明を適用した例
を説明したが、これに限らず、レンズシャッタカメラや
レンジファインダカメラに本発明を適用できることは勿
論である。
【0172】さらに、本実施形態においては、動体予測
における予測時間は第2ストローク信号(2R)から実
際の露光開始までの時間であったが、これに限らず測距
および測距結果に基づく撮影レンズの駆動終了までの時
間としても良いことは勿論である。
【0173】また、本実施形態では動体予測動作が禁止
されたことを、動体予測動作の表示を消灯することによ
り表示していたが、これに限らず、別に禁止動作を表示
するための表示素子を設けても良いことは勿論である。
【0174】以上述べたように、本実施形態のカメラの
自動焦点調節装置によると、図12に示すステップE5
において、動体モードでないと判定された場合には、ス
テップE21以下の動体予測を行うためのフローチャー
トに分岐することがなく、これにより動体予測動作が禁
止されるので、不必要な動体予測動作を行うことなく、
的確な写真撮影が行える。
【0175】また、同図12に示すステップE7におい
てリモートコントロールモードであると判定された場合
や、ステップE33において近接撮影モードであると判
定された場合や、ステップE34において被写体が所定
の距離より近いと判定された場合や、ステップE35に
おいて撮影レンズの焦点距離が所定の焦点距離よりも短
いと判定された場合にも同様に動体予測動作が禁止され
るので、同様な効果を奏する。
【0176】さらに、このように動体予測動作が禁止さ
れた際に、図16の符号265で示した表示を消灯して
(図9のステップC6参照)、動体予測モードが禁止さ
れたことを表示するので、撮影者は、動体予測動作の禁
止状態を瞬時に判断することができるので、写真撮影の
際に的確な判断を下すことができる。
【0177】すなわち、本実施形態によれば、露光開始
を遅延させる手振れ防止モードやリモートコントロール
撮影モードが設定されている場合には動体予測を禁止す
ることにより、無意味な動体予測をしないようにでき
る。また、動体予測を禁止した場合にはその旨を撮影者
が認識できる。
【0178】[付記]以上詳述した如き本発明の実施形態
によれば、以下の如き構成を得ることができる。即ち、 (1) 撮影レンズによって形成された被写体像の焦点
状態に応じて焦点検出信号を時系列的に出力する焦点検
出手段と、上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算
を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動している被写
体に合焦するように焦点調節を行う動体予測機能を有す
るカメラにおいて、複数の撮影モードを設定するモード
設定手段と、上記モード設定手段は、ミラーアップ後の
露光動作を一定時間遅延させる手振れ防止モードを含
み、該手振れ防止モードが上記モード設定手段によって
設定された場合には、上記動体予測を禁止する第1の禁
止手段と、を具備することを特徴とするカメラの自動焦
点調節装置。
【0179】(2) 撮影レンズによって形成された被
写体像の焦点調節状態に応じて焦点検出信号を時系列的
に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に
基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に
移動している被写体に合焦するように焦点調節を行う動
体予測機能を有するカメラにおいて、複数の撮影モード
を設定するモード設定手段と、上記モード設定手段は、
リモートコントロール撮影モードを含み、該リモートコ
ントロール撮影モードが設定された場合には、上記動体
予測を禁止する第2の禁止手段と、を具備することを特
徴とするカメラの自動焦点調節装置。
【0180】(3) 撮影レンズによって形成された被
写体像の焦点調節状態に応じて焦点検出信号を時系列的
に出力する焦点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に
基づいて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に
移動している被写体に合焦するように焦点調節を行う動
体予測機能を有するカメラにおいて、複数の撮影モード
を設定するモード設定手段と、上記モード設定手段によ
って風景撮影モード、夜景撮影モード、人物撮影モー
ド、セルフタイマ撮影モード、リモートコントロール撮
影モードもしくは手振れ防止モードのいずれかが設定さ
れた場合には、上記動体予測を禁止するとともに、上記
表示手段において上記動体予測が禁止されたことを表示
することを特徴とするカメラの自動焦点調節装置。
【0181】(4) 撮影レンズによって形成された被
写体像の焦点状態に応じて焦点検出信号を時系列的に出
力する焦点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に基づ
いて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動
している被写体に合焦するように焦点調節を行う動体予
測手段と、撮影者の手振れの影響を防止する手振れ防止
手段と、この手振れ防止手段が選択された場合には、上
記動体予測手段による予測動作を禁止する第1禁止手段
と、を具備することを特徴とするカメラの自動焦点調節
装置。
【0182】(5) 撮影レンズによって形成された被
写体像の焦点状態に応じて焦点検出信号を時系列的に出
力する焦点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に基づ
いて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動
している被写体に合焦するように焦点調節を行う動体予
測手段と、カメラの遠隔操作を行うためのリモートコン
トロール撮影モードの設定手段と、このリモートコント
ロール撮影モード設定手段によってリモートコントロー
ル撮影モードが選択された場合には、上記動体予測手段
による予測動作を禁止する第2禁止手段と、を具備する
ことを特徴とするカメラの自動焦点調節装置。
【0183】(6) 撮影レンズによって形成された被
写体像の焦点状態に応じて焦点検出信号を時系列的に出
力する焦点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に基づ
いて予測演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動
している被写体に合焦するように焦点調節を行う動体予
測手段と、複数の撮影モードを設定するモード設定手段
と、このモード設定手段によって特定の撮影モードが設
定された場合には、上記動体予測手段による動体予測を
禁止する禁止手段と、この禁止手段によって動体予測が
禁止された場合には、動体予測が禁止されたことを表示
する表示手段と、を具備したことを特徴とするカメラの
自動焦点調節装置。
【0184】(7) 上記手振れ防止手段は、レリーズ
釦の操作により露光動作を開始後、上記カメラの手振れ
量が小さくなるタイミングでシャッタを開放する簡易防
振を行う(1)または(4)に記載のカメラの自動焦点
調節装置。
【0185】(8) 複数の撮影モードを設定するモー
ド設定手段を有し、上記複数の撮影モードの内の特定モ
ードが設定されると、上記動体予測手段による動体予測
動作が自動的に選択される(4)乃至(6)に記載のカ
メラの自動焦点調節装置。
【0186】(9) 上記動体予測手段が選択される
と、上記焦点検出手段の焦点検出信号に基づいて連続的
に上記撮影レンズの合焦動作を行うコンティニュアスモ
ードが自動的に設定されることを特徴とする(4)乃至
(6)に記載のカメラの自動焦点調節装置。
【0187】(10) 上記動体予測手段は、レリーズ
釦の操作により撮影動作を開始させてから、実際にシャ
ッタが開口し、露光が開始されるまでの時間後の被写体
の移動を考慮して予測することを特徴とする(4)乃至
(6)に記載のカメラの自動焦点調節装置。
【0188】(11) 上記動体予測手段は、焦点検出
手段による測距、および上記測距結果に基づく撮影レン
ズの駆動終了までの時間を考慮して予測することを特徴
とする(4)乃至(6)に記載のカメラの自動焦点調節
装置。
【0189】(12) 撮影レンズによって形成された
被写体像の焦点状態に応じて焦点検出信号を出力する焦
点検出手段と、上記複数の焦点検出信号に基づいて予測
演算を行い、上記撮影レンズの光軸方向に移動している
被写体に合焦するように焦点調節を行う動体予測手段
と、上記動体予測手段による動体予測を禁止する禁止手
段と、この禁止手段によって動体予測が禁止された場合
には、動体予測が禁止されたことを表示する表示手段
と、を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節
装置。
【0190】(13) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作と、手振れの影響を防止する防
振動作を実行可能なカメラにおいて、上記防振動作を実
行する場合には、上記動体予測動作の実行を禁止するこ
とを特徴とするカメラの自動焦点調節装置。
【0191】(14) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作と、遠隔操作を行うリモートコ
ントロール動作を実行可能なカメラにおいて、上記リモ
ートコントロール動作を実行する場合には、上記動体予
測動作の実行を禁止することを特徴とするカメラの自動
焦点調節装置。
【0192】(15) 上記動体予測動作の実行を禁止
する場合には、上記禁止を表示することを特徴とする
(13)または(14)に記載のカメラの自動焦点調節
装置。
【0193】(16) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作を実行可能なカメラにおいて、
上記動体予測動作の実行が禁止された場合には、上記禁
止を表示することを特徴とするカメラの自動焦点調節装
置。
【0194】(17) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作を行うカメラにおいて、上記被
写体距離が近距離であると判定した場合には、上記動体
予測動作の実行を禁止することを特徴とするカメラ。
【0195】(18) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作が可能であると共に、近接撮影
モードの設定可能なカメラにおいて、上記近接撮影モー
ドが設定された場合には、上記動体予測動作の実行を禁
止することを特徴とするカメラ。
【0196】(19) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作が可能であると共に、上記撮影
レンズの焦点距離を変更可能なカメラにおいて、上記焦
点距離が所定焦点距離よりも短焦点側にあると判定した
場合には、上記動体予測動作の実行を禁止することを特
徴とするカメラ。
【0197】(20) 上記動体予測動作の実行を禁止
する場合には、上記禁止を表示することを特徴とする
(17)乃至(19)に記載のカメラ。
【0198】(21) 被写体の移動に応じた信号を検
出し、上記被写体の移動を予測して撮影レンズのピント
調節を行う動体予測動作が可能であると共に、複数の撮
影モードから選択的に撮影モードの設定可能なカメラに
おいて、上記複数の撮影モードの内、特定撮影モードが
設定された場合には、上記動体予測動作の実行を禁止す
ると共に上記禁止を表示することを特徴とするカメラ。
【0199】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、状
況に応じて動体予測の可否が自動的に設定でき、適切な
写真撮影が可能なカメラの自動焦点調節装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である、カメラの自動焦点
調節装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用された
カメラシステムにおいて、ズームレンズ機構を内蔵する
カメラシステムの光学系を示した要部側面図である。
【図3】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムのブロック構成図である。
【図4】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムにおける、AF光学系を示した説明図で
ある。
【図5】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムにおける、第1の被写体像と第2の被写
体像との間の相関演算処理動作を示したフローチャート
である。
【図6】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムにおいて、被写体像Rについて、最小の
相関出力を示すブロック位置に対して±1素子だけずら
せた際の相関出力が、(a)相関性の高い場合の説明図
であり、(b)相関性の低い場合の説明図である。
【図7】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムにおいて、像Lの移動量演算方法を示し
たフローチャートである。
【図8】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラシステムにおいて、像Lの移動量演算方法を示し
た説明図である。
【図9】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用される
カメラ全体の動作を示したフローチャートである。
【図10】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、図9におけるAF(オートフォーカ
ス)処理のサブルーチンを示したフローチャートであ
る。
【図11】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、図10におけるAF検出のサブルー
チンを示したフローチャートである。
【図12】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、図10におけるAF検出のサブルー
チンを示したフローチャートである。
【図13】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、図10におけるAF検出のサブルー
チンを示したフローチャートである。
【図14】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、AFICの積分リセット動作を示し
たフローチャートである。
【図15】上記実施形態の自動焦点調節装置が適用され
るカメラにおいて、レンズ駆動動作を示したフローチャ
ートである。
【図16】上記実施形態のカメラの自動焦点調節装置に
おいて、モード設定部および表示部の一表示例を示した
説明図である。
【符号の説明】
1…焦点検出部 2…動体判定部 3…モード設定部 4…防振モード設定部 5…リモートコントロールモード(リモコンモード)設
定部 6…動体モード設定部 7…マクロモード設定部 8…その他撮影モード設定部 9…被写体距離判定部 10…焦点距離判定部 11…デフォーカス量演算部 12…駆動量演算部 13…シーケンス制御部 14…表示部 15…ミラー 16…ズーム 17…絞り 18…シャッタ 19…レンズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 撮影者の手振れの影響を防止する手振れ防止手段と、 この手振れ防止手段が選択された場合には、上記動体予
    測手段による予測動作を禁止する第1禁止手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  2. 【請求項2】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 カメラの遠隔操作を行うためのリモートコントロール撮
    影モードの設定手段と、 このリモートコントロール撮影モード設定手段によって
    リモートコントロール撮影モードが選択された場合に
    は、上記動体予測手段による予測動作を禁止する第2禁
    止手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  3. 【請求項3】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 被写体距離が所定の距離よりも近いか否かを判定する被
    写体距離判定手段と、 この被写体距離判定手段によって被写体距離が所定の距
    離よりも近いと判定された場合には、上記動体予測手段
    による予測動作を禁止する第3禁止手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  4. 【請求項4】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 近接撮影を行うための近接撮影モードの設定手段と、 この近接撮影モード設定手段によって近接撮影モードが
    選択された場合には、上記動体予測手段による予測動作
    を禁止する第4禁止手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  5. 【請求項5】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 撮影レンズの焦点距離が所定の焦点距離よりも短焦点側
    にあるか否かを判定する焦点距離判定手段と、 この焦点距離判定手段によって焦点距離が所定の焦点距
    離よりも短焦点側にあると判定された場合には、上記動
    体予測手段による予測動作を禁止する第5禁止手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
  6. 【請求項6】 撮影レンズによって形成された被写体像
    の焦点状態に応じて複数の焦点検出信号を時系列的に出
    力する焦点検出手段と、 上記複数の焦点検出信号に基づいて予測演算を行い、上
    記撮影レンズの光軸方向に移動している被写体に合焦す
    るように焦点調節を行う動体予測手段と、 複数の撮影モードを設定するモード設定手段と、 このモード設定手段によって特定の撮影モードが設定さ
    れた場合には、上記動体予測手段による予測動作を禁止
    する第6禁止手段と、 この第6禁止手段によって動体予測が禁止された場合に
    は、動体予測が禁止されたことを表示する表示手段と、 を具備したことを特徴とするカメラの自動焦点調節装
    置。
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